JP2004182563A - 光ファイバの線引方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光ファイバ用コアロッドと合成石英管を加熱一体化しながら同時に線引きを行う方法において、母材の割れや残留気泡による断線により、線引開始時のロスタイムが増加し、その間に発生する不良ファイバの長さも長くなっていた。
【解決手段】コアロッドと合成石英管との隙間を減圧にしながら、両者の加熱一体化と線引とを同時に行って光ファイバを製造する光ファイバの線引方法において、加熱炉内に挿入された光ファイバ用母材の加熱温度が600℃以上となる温度領域において、光ファイバ用母材を始め所定の温度勾配以下で加熱し、所定の温度達成後に温度勾配を高めるように温度制御して光ファイバ用母材を加熱し、また、線引の開始時に所定径よりも大きな径の状態で定常速度近くまで線引線速を高め、線引速度が定常速度に近づいた時点で所定径となるように光ファイバの径を制御することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】コアロッドと合成石英管との隙間を減圧にしながら、両者の加熱一体化と線引とを同時に行って光ファイバを製造する光ファイバの線引方法において、加熱炉内に挿入された光ファイバ用母材の加熱温度が600℃以上となる温度領域において、光ファイバ用母材を始め所定の温度勾配以下で加熱し、所定の温度達成後に温度勾配を高めるように温度制御して光ファイバ用母材を加熱し、また、線引の開始時に所定径よりも大きな径の状態で定常速度近くまで線引線速を高め、線引速度が定常速度に近づいた時点で所定径となるように光ファイバの径を制御することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光ファイバの線引方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ母材を製造する方法として、OVD(Outside Vapor−phase Deposition)法、VAD(Vapor−phase Axial Deposition)法、およびMCVD(Modified Chemical Vapor Deposition)法が主に用いられている。VAD法やMCVD法を用いて光ファイバ母材を製造する場合、生産性を向上させる観点から、光ファイバ母材の大部分を占めるクラッドを合成石英管によって形成する方法が採用されている。コアロッドはVAD法やMCVD法を用いて製造し、クラッド部に合成石英管を用い加熱一体化して母材とする方法や、一体化を線引と同時に実施する方法も知られている。
【0003】
この方法は、まず、VAD法やMCVD法を用いて屈折率の大きな中心部を持つ光ファイバ用コアロッド(以下、コアロッドという)を作成し、クラッド部を形成する一端を封止された合成石英管内にこのコアロッドを配置して、光ファイバ用母材を構成し、この光ファイバ用母材を線引用加熱炉に挿入し、次で、コアロッドと合成石英管との間隔を減圧にして両者を加熱一体化させながら線引し、光ファイバとする方法である。
【0004】
光ファイバ用母材(以下、母材という)は、線引加熱炉に挿入され、先端を溶融して引き伸ばし、光ファイバに線引される。以下に母材を光ファイバに線引きするにあたっての、線引開始作業の一例を、図5を用いて説明する。
(1)ヒーター12により、温度を2000℃以上にした加熱炉11中に母材10を徐々に挿入し、母材10の先端を加熱溶融させる。
(2)母材10の先端が溶融し、落下したところで、引き取り装置17に掛ける。
(3)引き取り装置17の速度を徐々に上げ、光ファイバの外径が、樹脂被覆可能な外径になるまで引き伸ばす。
(4)樹脂被覆用ダイス14をセットし、樹脂を塗布する。
(5)樹脂硬化装置15にて樹脂を硬化させる。
(6)光ファイバ19を巻き取り用ボビン18に巻き取らせる。
(7)線引速度、ファイバ外径測定器13および被覆外径測定器16にて測定される外径などが規定値になるまで巻き取り続け、定常状態になったところで、製品の線引が開始となる。
【0005】
上記、線引開始作業は新たに母材を線引装置にセットするたびに行われ、母材が太い場合は、数時間を要する。また、線引作業を開始してから安定するまでの間には、光ファイバの外径が規定に満たない、樹脂が規定通りに塗布されていないなどの不良ファイバが発生することになる。
よって線引開始作業をより短時間で行い、線引作業を開始してから製品の線引が開始されるまでのロスタイムを短縮し、その間に発生する不良ファイバの長さを短くすることが重要である。
【0006】
また、加熱炉内の温度分布は一般的には図6のようになっている。位置は加熱炉上部の母材挿入口を0mmとし、下に向かって数値が大きくなるものとする。
図6に示すように、ヒーター位置付近に温度が最高となる点があり、そこから上下に離れるにつれて温度が徐々に下がるような温度分布を持っている。加熱炉の温度とはこの温度が最高となる点での温度を指すものとし、この温度が最高となる位置を最高温度点と称する。通常、線引では母材を加熱炉上部から徐々に挿入し、母材の先端のテーパー部が最高温度点に到達した位置にて線引を開始する。
【0007】
前述したように、通常の線引方法では加熱炉の温度を2000℃以上にし、その中に母材を徐々に挿入する。母材を加熱炉上部から挿入し、線引開始位置(母材先端のテーパー部が加熱炉の最高温度点となる位置)に到達するまで一定速度で降下させた場合、母材の加熱温度は加熱炉内の温度分布に従うことになるため、図4に示すように温度勾配を徐々に小さくしながら単調増加することになる。
図4において、−は母材の加熱温度、−・−・−は加熱炉温、……は母材挿入位置、−−は準備時間を示しており、ここで準備時間とは、母材の加熱を開始した時点から、母材の加熱温度が線引温度に達するまでに要した時間を示す。
【0008】
前記、線引開始作業が終了し、線引きが定常状態になると、母材の先端形状は、母材の外径や粘度、加熱炉およびヒータによる温度分布、線引速度等によって定まるメニスカスを形成して安定し、得られるファイバの外径も安定する。しかし線引開始直後は、母材の先端形状がこれと異なっており、外径が不安定になりやすい。
【0009】
また、通常、線引ではガラス部を125μmまで引き伸ばし、紫外線にて硬化する樹脂を250μmまで塗布して光ファイバとするが、前述したように線引開始直後は、光ファイバの外径が不安定になり易い。また、光ファイバは被覆が塗布されていない状態では非常に折れやすく断線し易いため、従来はこれを防止し、線引開始作業をより短時間で行うために、ガラス部をより早い段階で樹脂が塗布可能な外径(約130μm以下)にし、より早く樹脂を塗布した後に線引速度を規定値まで速めていく方法が用いられていた。
【0010】
一方、コアロッドと合成石英管を加熱一体化しながら同時に線引きを行う方法における母材の構成図の一例を図7に示す。
合成石英管22はその一端を酸素/水素火炎で加熱し、引き延ばして溶断することにより、先端が封止されたテーパーを形成されている。同様に、コアロッド21の先端にも火炎で加熱溶断し、テーパを形成する。この一端を封止された合成石英管22の中空部にコアロッド21を挿入し、これらを互いの中心軸が一致するように配置することにより、母材が構成されている。
【0011】
このようにして準備した母材を加熱炉に挿入する場合、合成石英管22内で固定されていないコアロッド21は、一端を封止された合成石英管22の底部の接着点23にて接している。線引が進行すると、母材が炉内に挿入され、同時にコアロッドと合成石英管との一体化が進み、ファイバが引き取られる。
【0012】
母材を加熱炉で加熱すると、コアロッド21と合成石英管22の接着点23が最初に溶着するが、コアロッド21と合成石英管22との間がうまく溶着しないことがあり、気泡が残留しやすく、それが原因で断線することもあった。
また、コアロッド21と合成石英管22は加熱時に温度差が生じるため、特に接着点23では熱膨張歪みが大きくなり易く、従来と同様に母材を加熱した場合は、割れが発生することがあった。
【0013】
母材に割れが発生すると、線引を中止する必要があるばかりでなく、コアロッドや合成石英管の損失も生ずる。また、割れの程度が重度で母材が破壊されてしまう場合もあり、その場合、加熱炉の解体や部品交換が必要であった。
断線が発生した場合は前記、線引開始作業をはじめからやり直す必要があり、作業負荷が増大するだけでなく、線引開始時のロスタイムが増加し、その間に発生する不良ファイバの長さも長くなっていた。
【0014】
このように、コアロッドと合成石英管を加熱一体化しながら同時に線引きを行う方法においては、あらかじめクラッド部分が間隔なく形成されている母材を線引する場合と比較して、線引開始直後の不安定さがより顕著であり、従来のようにガラス部をより早い段階で樹脂が塗布可能な外径にし、より早く樹脂を塗布した後に線引速度を規定値まで速めていく方法を用いても外径過小になり張力に耐えられなくなったり、逆に外径過大になり樹脂被覆用ダイスに詰まった場合に断線が発生していた。
【0015】
これを改善する目的で事前に母材の先端を線引時に形成されるメニスカス形状に類似したテーパ形状に前処理加工することが提案されている(例えば特許文献1および2参照。)。これにより線引開始時のコアロッドと合成石英管との間の溶着不良による気泡の残留が減少し、それにより断線の発生も減少し、作業の効率化が達成されている。
【0016】
しかしながら、先端を前処理加工することは、従来の作業に加えて別途加工作業を足すことになり、従来なかった工数が発生する、加工方法が不適切だと加工中に母材を破損するおそれがある、母材が大型になると加工装置そのものが大掛かりになり、作業性が悪いばかりでなく、装置設置に懸かる費用も大きくなる、などの問題点が新たに生ずることになった。
また、この前処理加工の方法では、コアロッドと合成石英管の熱膨張歪みによる割れについては、あまり効果が見られず、結果として線引開始時のロスタイムの減少、およびその間に発生する不良ファイバの長さの減少も充分満足しうるものではなかった。
【0017】
【特許文献1】特開平7−330362号公報
【特許文献2】特開平8−310825号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、光ファイバ用コアロッドと合成石英管を加熱一体化しながら同時に線引きを行う方法においては、線引き開始時はコアロッドと合成石英管が急激に加熱されることにより、その接着点において、熱膨張歪みによる割れが発生することがあり、問題となっていた。また、コアロッドと合成石英管との間に気泡が残留しやすく、それが原因で断線することもあった。
【0019】
母材に割れが発生すると、線引を中止する必要があるばかりでなく、コアロッドや合成石英管の損失も生ずる。また、割れの程度が重度で母材が破壊されてしまう場合もあり、その場合、加熱炉の解体や部品交換が必要であった。
また、断線が発生した場合は前記、線引開始作業をはじめからやり直す必要があり、作業負荷が増大するだけでなく、線引開始時のロスタイムが増加し、その間に発生する不良ファイバの長さも長くなっていた。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明は、光ファイバ用コアロッドと合成石英管を加熱一体化しながら同時に線引きを行う方法において、線引作業を開始してから安定するまでの間に発生するロスタイムとその間の不良ファイバの長さを短縮することのできる光ファイバ用母材の線引方法を提供することを目的とする。
【0021】
本願請求項1の発明は、光ファイバ用コアロッドの外側に合成石英管が配置されて構成された光ファイバ用母材の先端部を、加熱炉内に挿入し、ついで、前記コアロッドと合成石英管との間隔を減圧にしながら、両者の加熱一体化と線引とを同時に行って、所定径の光ファイバを製造する光ファイバの線引方法において、加熱炉内に挿入された光ファイバ用母材の加熱温度が600℃以上となる温度領域において、光ファイバ用母材を始め所定の温度勾配以下で加熱し、所定の温度到達後に温度勾配を高めるように温度制御して光ファイバ用母材を加熱することを特徴とする。
【0022】
本願請求項2の発明は、上記請求項1の発明において、温度勾配を高める所定の温度は800℃〜1100℃であり、始め80℃/min以下の温度勾配で加熱し、その後は80℃/minより大きい温度勾配で線引温度まで高めることを特徴とする。
【0023】
本願請求項3の発明は、光ファイバ用コアロッドの外側に合成石英管が配置された光ファイバ用母材の先端部を、加熱炉内に挿入し、ついで、前記コアロッドと合成石英管との間隙を減圧にしながら、両者の加熱一体化と線引きとを同時に行って、所定径の光ファイバを製造する光ファイバの線引方法において、前記線引の開始時に前記所定径よりも大きな径の状態で定常速度近くまで線引速度を高め、線引速度が定常速度に近づいた時点で所定径となるように光ファイバの径を制御することを特徴とする。
【0024】
本願請求項4の発明は、上記請求項3の発明において、所定径よりも大きな径が外径140μm以上であることを特徴とする。
【0025】
本願請求項5の発明は、光ファイバ用コアロッドの外側に合成石英管が配置された光ファイバ用母材の先端部を、加熱炉内に挿入し、ついで、前記コアロッドと合成石英管との間隙を減圧にしながら、両者の加熱一体化と線引とを同時に行って、所定径の光ファイバを製造する光ファイバの線引方法において、請求項1に記載の方法で光ファイバ用母材を加熱し、請求項3に記載の方法で光ファイバの径を制御することを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
石英ガラスの特性を表す温度の一つに歪み点がある。歪み点とは、この温度以下では温度が上昇するにつれて歪みが増大するが、この温度を超えると歪みが開放される境界の温度であり、合成石英ガラスの歪み点は、約1050℃であることが知られている。
【0027】
また、コアロッドと合成石英管の加熱一体化と線引とを同時に行う方法においては、特にコアロッドと合成石英管の接着点で、その温度差による熱膨張歪みが大きくなり易く、母材の割れは、この接着点での歪みが原因となる場合が多い。
ただし、600℃未満の低温領域においてはコアロッドと合成石英管の温度差が出にくく、接着点での歪みは発生しにくい。
よって、母材の割れを防止するためには600℃〜1100℃の領域においていかに母材を加熱するかが重要である。
【0028】
つまり、この温度領域では温度勾配を小さくし、この温度領域以外では、温度勾配を大きくするように母材を加熱すれば、歪みによる母材の割れは防止できるとともに、より短時間で母材を線引温度まで加熱することができることが推測される。ただし、割れの限界に達する前に歪み点を超えれば、歪み点よりも低い温度で、温度勾配を大きくしても、割れは発生しないことになる。
【0029】
そこで、母材の加熱温度が600℃以上となる温度領域において、始め小さい温度勾配で母材を加熱し、所定の温度到達後に温度勾配を高めるように温度制御し、線引温度まで加熱する方法を試みた。温度勾配を高める所定の温度は、割れの限界に達する前に歪み点を超える必要があるため、800℃〜1100℃であることが望ましい。
ここで、母材径が小さい場合はコアロッドまで、熱が伝わりやすいため、より低温である800℃にて温度勾配を高めてもよく、逆に母材径が太い場合は1100℃にて温度勾配を高めた方がよい。
【0030】
以下に、本発明の一実施例について説明する。本発明においては加熱炉の温度をあらかじめ1100℃まで落として保持し、その中にコアロッドを中空部に配置した合成石英管を15mm/minの速度で加熱炉に挿入した。コアロッドを中空部に配置した合成石英管が線引開始位置に到達した時点で、加熱炉の昇温を開始し、加熱炉の温度が線引温度に到達するまで、84℃/minの昇温速度にて昇温を続けた。
【0031】
このとき母材の加熱温度は図1のようになる。ここで、−は母材の加熱温度、−・−・−は加熱炉温、……は母材挿入位置、−−は準備時間を示しており、準備時間とは、母材の加熱を開始した時点から、母材の加熱温度が線引温度に達するまでに要した時間を示す。
また、グラフ中のAは温度勾配を高めた温度を示しており、この場合は1100℃にて温度勾配を高めたことになる。
【0032】
グラフに示すように母材の加熱温度が600℃〜1100℃の温度領域において、母材は小さい温度勾配で加熱され、母材が線引開始位置に到達し、母材の加熱温度が1100℃となった以降では、母材は温度勾配を高めるように温度制御されて、線引温度まで加熱されたことになる。
【0033】
この場合、母材の加熱炉への挿入を開始してから母材の加熱温度が線引温度に到達するまでの時間はおよそ40分であり、このように母材を始め小さい温度勾配で加熱し、所定温度到達後に温度勾配を高めるように温度制御することにより、母材の歪みの発生を抑え、母材の割れを発生させることなく、線引温度まで到達できた。
【0034】
次に、母材の先端を加熱溶融させ、先端が落下したところで、引き取り装置に掛け、引き取り装置の速度を徐々に上げた。
通常は、光ファイバの外径が、樹脂被覆可能な外径になるまで引き伸ばし、ファイバに樹脂を塗布するが、本発明においてはファイバを樹脂の塗布可能な径まで細めず、径の太い状態で、定常速度近くまで線引速度を高め、線引速度が定常速度に近づいた時点で所定径となるように光ファイバの径を制御した。
ここで所定径は一般的には125μmであるが、これ以外のものであってもよい。
【0035】
これにより、線引開始時は、ファイバが所定径よりも大きな径となるため、樹脂被覆用ダイスを通過できず、樹脂の塗布ができなくなる場合もあるが、被覆をしなくても径を太くしたことにより、断線しにくくなり、また、気泡の残留しやすい領域をより早く排除することができ、線引開始作業をより短時間で行うことができる。
【0036】
[実施例] 以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。コアロッドは従来と同様にMCVD法やVAD法により製造され、屈折率の大きな中心軸部分を有しており、外周にそれよりも屈折率の小さいクラッド部分を含んでいる場合もある。これを引き伸ばして外径30mmに調整した。
別に外径90mm×内径33mmの合成石英管を用意した。合成石英管はその一端に支持管を取付け、もう一端は酸素/水素火炎で加熱し、引き延ばして溶断することにより、先端が封止されたテーパーを形成した。一方、コアロッドの先端も同様に火炎で加熱溶断し、テーパを形成した。
次いで前記テーパーを形成した一端を封止した合成石英管にコアロッドを挿入し、互いの中心軸が一致するように配置した。
【0037】
このようにして準備した母材の上部に真空装置を取り付け、コアロッドと合成石英管の間隔を減圧にできるようにし、線引装置にセットした。
母材を炉内に挿入し、あらかじめ、2200℃に保持した加熱炉に15mm/secで挿入したところ10分後に母材が割れてしまった。これはコアロッドと合成石英管が急激に加熱されることにより、その接着点において、熱膨張歪みが発生したためであると推定される。
【0038】
そこで、加熱炉内の温度を室温と同じにした状態で母材を線引開始位置まで挿入し、30℃/minの昇温速度で加熱炉を昇温したところ、割れを発生することなく、線引温度である2200℃に到達することができた。しかしながら、温度勾配が小さいために母材の挿入を開始してから母材が線引温度に加熱されるまでに70分以上を要し、非効率的であった。
【0039】
そこで加熱炉の昇温レート、母材挿入速度等を変化させ、母材の加熱温度勾配を何水準か変化させて実験してみた結果を表1に示す。
表1において、温度勾配変更温度は温度勾配を高めた温度、母材加熱温度勾配(前)は600℃〜温度勾配を高める前の領域での温度勾配、母材加熱温度勾配(後)は温度勾配を高めた領域での温度勾配である。また、準備時間とは、母材の加熱を開始した時点から、母材の加熱温度が線引温度に達するまでに要した時間を示す。
【0040】
【表1】
【0041】
本実験において条件▲1▼、▲2▼、▲5▼にてコアロッドと合成石英管の接着点で割れが発生することもなく、線引温度に到達でき、特に条件▲5▼のとき、準備時間が最も短かった。条件▲1▼は先に一実施例として図1にて示した条件である。条件▲5▼における母材の加熱温度の推移を図2に示す。
図2において−は母材の加熱温度、−・−・−は加熱炉温、……は母材挿入位置、−−は準備時間、Aは温度勾配を高めた温度を示す。
【0042】
本実験結果より、母材の加熱温度が600℃以上の領域では、加熱炉内に挿入された光ファイバ用母材を始め温度勾配が80℃/min以下となるように加熱し、所定の温度到達後に温度勾配が80℃/minより大きくなるように温度制御して、線引温度まで高めるように加熱した場合に、歪みによる母材の割れを発生させることなく、短時間で所定の線引温度を達成することができた。
ここで、温度勾配を高める所定の温度は、割れの限界に達する前に歪み開放温度を超える温度である必要があるため、800℃〜1100℃であることが望ましい。
【0043】
また、母材の加熱温度勾配は、図3に示すように徐々に変化してもよく、また、線引温度到達直前に、温度のオーバーシュートを防ぐ目的などで、一旦高めた温度勾配を再度小さくしてもよい。
図3において−は母材の加熱温度、−−は準備時間、Aは温度勾配を高めた温度を示す。
なお、今回の実験では主に加熱炉の保持温度、昇温レート、および昇温開始点、母材挿入速度を変化させて、母材の加熱温度を変化させたが、その他の条件を変化させることにより、所定の母材加熱温度を得てもよい。
【0044】
次いで、コアロッドを中空部に配置した合成石英管の先端のテーパー部が最高温度点付近にくると先端部の溶着が起こり一体化が進み、溶着部が伸びて線引が開始できた。合成石英管の上部に取り付けた真空装置でコアロッドと合成石英管の間隔を減圧にし、通常の線引と同様、引き取り装置にて光ファイバを引き取っていくと、一体化とファイバ化が同時に進行した。引取り装置の引き取り速度を上げてファイバの外径を樹脂が塗布可能な約130μmまで細くし、紫外線硬化樹脂を外径約250μmになるように塗って紫外線を照射して硬化させた。ところが、外径が安定せず、外径過大により樹脂塗布用ダイスに詰まって断線してしまった。
【0045】
そこで、気泡の残留しやすい領域を短時間で断線することなく線引する方法として、線引の開始時には樹脂を塗布しないで130μmより太い径で定常線引速度近くまで線引きし、その後線引速度を高め、線引速度が定常速度に近づいた時点で125μmとなるように光ファイバの径を制御することにより、気泡の残留しやすい領域をより早く排除する方法を試みた。
【0046】
外径を何水準か振って線引を開始した結果を表2に示す。外径を大きくしていったところ、140μmにて断線が確認できなくなった。線引外径を太くする程、気泡の残留しやすい領域を短時間で排除することができるが、引き取り装置から外れる頻度が多くなることがわかった。
【0047】
【表2】
【0048】
実験で使用した線引機では、外径300μmを超えると引き取り装置から外れる頻度が高くなったが、これはファイバの外径を大きくしたことにより、許容できる曲げ半径が小さくなったためで、引き取り装置の半径を大きくするなど、引き取り装置を改良することで、上限は無くなるものと考えられる。
【0049】
以上の実験結果より、線引の開始時にはファイバ外径が140μm以上で定常線引速度近くまで線引きし、その後、線引速度を高め、線引速度が定常速度に近づいた時点で125μmとなるように光ファイバの径を制御することが、線引開始時の断線を防止するのに有効であることがわかった。
本実施例は製品のファイバ径が125μmである例を記載したが、本例においてはファイバ径が140μmより小さければ、これ以外の径であってもよい。
【0050】
上記の結果より、加熱炉内に挿入されたファイバ用母材の加熱温度が600℃以上となる温度領域において、光ファイバ用母材を始め80℃/minの温度勾配で加熱し、母材が800℃〜1100℃のある所定の温度となった時点で温度勾配を80℃/minより大きい値に高めるように温度制御して母材を加熱し、線引の開始時にはファイバ外径が140μm以上で定常線引速度近くまで線引きし、線引速度が定常速度に近づいた時点で125μmとなるように光ファイバの径を制御した場合に、母材の割れ、および断線が発生することなく、線引作業を開始してから安定するまでの間に発生するロスタイムとその間の不良ファイバの長さを最も短くすることができた。
【0051】
【発明の効果】
本請求項1の発明では、加熱炉内に挿入された光ファイバ用母材の加熱温度が600℃以上となる温度領域において、光ファイバ用母材を始め所定の温度勾配以下で加熱し、所定の温度到達後に温度勾配を高めるように温度制御して光ファイバ用母材を加熱することにより、コアロッドと合成石英管が急激に加熱されることにより発生する、その接着点での熱膨張歪みによる割れを防止することができる。
【0052】
本請求項2の発明では、請求項1の発明において温度勾配を高める所定の温度は800℃〜1100℃であり、始め80℃/min以下の温度勾配で加熱し、その後は80℃/minより大きい温度勾配で線引温度まで高めることにより、本請求項1の発明よりもさらに多くの効果が得られる。
【0053】
本請求項3の発明では、線引の開始時に所定径よりも大きな径の状態で定常速度近くまで線引速度を高め、線引速度が定常速度に近づいた時点で所定径となるように光ファイバの径を制御することにより、気泡の残留しやすい領域を短時間で排除し、断線を防止することができる。
【0054】
本請求項4の発明では、所定径よりも大きな径が外径140μm以上であることをにより、本請求項3の発明よりもさらに多くの効果が得られる。
【0055】
本請求項5の発明では、請求項1に記載の方法で光ファイバ用母材を温度制御し、請求項3に記載の方法で光ファイバの径を制御することにより、母材の割れ、および断線を防止し、線引作業を開始してから安定するまでの間に発生するロスタイムとその間に発生するの不良ファイバの長さを最も短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すグラフである。
【図2】本発明の他の実施例を示すグラフである。
【図3】本発明のさらに他の実施例を示すグラフである。
【図4】従来例を示すグラフである。
【図5】一般的な線引装置を示す構成図である。
【図6】一般的な加熱炉の温度分布を示す構成図である。
【図7】一般的なコアロッドと合成石英管の配置例を示す図である。
【符号の説明】
10:光ファイバ母材
11:加熱炉
12:ヒーター
13:ファイバ外径測定器
14:樹脂被覆用ダイス
15:樹脂硬化装置
16:被覆外径測定器
17:引き取り装置
18:巻き取り用ボビン
19:光ファイバ
21:コアロッド
22:合成石英管
23:コアロッドと合成石英管の接着点
【発明の属する技術分野】
本発明は光ファイバの線引方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ母材を製造する方法として、OVD(Outside Vapor−phase Deposition)法、VAD(Vapor−phase Axial Deposition)法、およびMCVD(Modified Chemical Vapor Deposition)法が主に用いられている。VAD法やMCVD法を用いて光ファイバ母材を製造する場合、生産性を向上させる観点から、光ファイバ母材の大部分を占めるクラッドを合成石英管によって形成する方法が採用されている。コアロッドはVAD法やMCVD法を用いて製造し、クラッド部に合成石英管を用い加熱一体化して母材とする方法や、一体化を線引と同時に実施する方法も知られている。
【0003】
この方法は、まず、VAD法やMCVD法を用いて屈折率の大きな中心部を持つ光ファイバ用コアロッド(以下、コアロッドという)を作成し、クラッド部を形成する一端を封止された合成石英管内にこのコアロッドを配置して、光ファイバ用母材を構成し、この光ファイバ用母材を線引用加熱炉に挿入し、次で、コアロッドと合成石英管との間隔を減圧にして両者を加熱一体化させながら線引し、光ファイバとする方法である。
【0004】
光ファイバ用母材(以下、母材という)は、線引加熱炉に挿入され、先端を溶融して引き伸ばし、光ファイバに線引される。以下に母材を光ファイバに線引きするにあたっての、線引開始作業の一例を、図5を用いて説明する。
(1)ヒーター12により、温度を2000℃以上にした加熱炉11中に母材10を徐々に挿入し、母材10の先端を加熱溶融させる。
(2)母材10の先端が溶融し、落下したところで、引き取り装置17に掛ける。
(3)引き取り装置17の速度を徐々に上げ、光ファイバの外径が、樹脂被覆可能な外径になるまで引き伸ばす。
(4)樹脂被覆用ダイス14をセットし、樹脂を塗布する。
(5)樹脂硬化装置15にて樹脂を硬化させる。
(6)光ファイバ19を巻き取り用ボビン18に巻き取らせる。
(7)線引速度、ファイバ外径測定器13および被覆外径測定器16にて測定される外径などが規定値になるまで巻き取り続け、定常状態になったところで、製品の線引が開始となる。
【0005】
上記、線引開始作業は新たに母材を線引装置にセットするたびに行われ、母材が太い場合は、数時間を要する。また、線引作業を開始してから安定するまでの間には、光ファイバの外径が規定に満たない、樹脂が規定通りに塗布されていないなどの不良ファイバが発生することになる。
よって線引開始作業をより短時間で行い、線引作業を開始してから製品の線引が開始されるまでのロスタイムを短縮し、その間に発生する不良ファイバの長さを短くすることが重要である。
【0006】
また、加熱炉内の温度分布は一般的には図6のようになっている。位置は加熱炉上部の母材挿入口を0mmとし、下に向かって数値が大きくなるものとする。
図6に示すように、ヒーター位置付近に温度が最高となる点があり、そこから上下に離れるにつれて温度が徐々に下がるような温度分布を持っている。加熱炉の温度とはこの温度が最高となる点での温度を指すものとし、この温度が最高となる位置を最高温度点と称する。通常、線引では母材を加熱炉上部から徐々に挿入し、母材の先端のテーパー部が最高温度点に到達した位置にて線引を開始する。
【0007】
前述したように、通常の線引方法では加熱炉の温度を2000℃以上にし、その中に母材を徐々に挿入する。母材を加熱炉上部から挿入し、線引開始位置(母材先端のテーパー部が加熱炉の最高温度点となる位置)に到達するまで一定速度で降下させた場合、母材の加熱温度は加熱炉内の温度分布に従うことになるため、図4に示すように温度勾配を徐々に小さくしながら単調増加することになる。
図4において、−は母材の加熱温度、−・−・−は加熱炉温、……は母材挿入位置、−−は準備時間を示しており、ここで準備時間とは、母材の加熱を開始した時点から、母材の加熱温度が線引温度に達するまでに要した時間を示す。
【0008】
前記、線引開始作業が終了し、線引きが定常状態になると、母材の先端形状は、母材の外径や粘度、加熱炉およびヒータによる温度分布、線引速度等によって定まるメニスカスを形成して安定し、得られるファイバの外径も安定する。しかし線引開始直後は、母材の先端形状がこれと異なっており、外径が不安定になりやすい。
【0009】
また、通常、線引ではガラス部を125μmまで引き伸ばし、紫外線にて硬化する樹脂を250μmまで塗布して光ファイバとするが、前述したように線引開始直後は、光ファイバの外径が不安定になり易い。また、光ファイバは被覆が塗布されていない状態では非常に折れやすく断線し易いため、従来はこれを防止し、線引開始作業をより短時間で行うために、ガラス部をより早い段階で樹脂が塗布可能な外径(約130μm以下)にし、より早く樹脂を塗布した後に線引速度を規定値まで速めていく方法が用いられていた。
【0010】
一方、コアロッドと合成石英管を加熱一体化しながら同時に線引きを行う方法における母材の構成図の一例を図7に示す。
合成石英管22はその一端を酸素/水素火炎で加熱し、引き延ばして溶断することにより、先端が封止されたテーパーを形成されている。同様に、コアロッド21の先端にも火炎で加熱溶断し、テーパを形成する。この一端を封止された合成石英管22の中空部にコアロッド21を挿入し、これらを互いの中心軸が一致するように配置することにより、母材が構成されている。
【0011】
このようにして準備した母材を加熱炉に挿入する場合、合成石英管22内で固定されていないコアロッド21は、一端を封止された合成石英管22の底部の接着点23にて接している。線引が進行すると、母材が炉内に挿入され、同時にコアロッドと合成石英管との一体化が進み、ファイバが引き取られる。
【0012】
母材を加熱炉で加熱すると、コアロッド21と合成石英管22の接着点23が最初に溶着するが、コアロッド21と合成石英管22との間がうまく溶着しないことがあり、気泡が残留しやすく、それが原因で断線することもあった。
また、コアロッド21と合成石英管22は加熱時に温度差が生じるため、特に接着点23では熱膨張歪みが大きくなり易く、従来と同様に母材を加熱した場合は、割れが発生することがあった。
【0013】
母材に割れが発生すると、線引を中止する必要があるばかりでなく、コアロッドや合成石英管の損失も生ずる。また、割れの程度が重度で母材が破壊されてしまう場合もあり、その場合、加熱炉の解体や部品交換が必要であった。
断線が発生した場合は前記、線引開始作業をはじめからやり直す必要があり、作業負荷が増大するだけでなく、線引開始時のロスタイムが増加し、その間に発生する不良ファイバの長さも長くなっていた。
【0014】
このように、コアロッドと合成石英管を加熱一体化しながら同時に線引きを行う方法においては、あらかじめクラッド部分が間隔なく形成されている母材を線引する場合と比較して、線引開始直後の不安定さがより顕著であり、従来のようにガラス部をより早い段階で樹脂が塗布可能な外径にし、より早く樹脂を塗布した後に線引速度を規定値まで速めていく方法を用いても外径過小になり張力に耐えられなくなったり、逆に外径過大になり樹脂被覆用ダイスに詰まった場合に断線が発生していた。
【0015】
これを改善する目的で事前に母材の先端を線引時に形成されるメニスカス形状に類似したテーパ形状に前処理加工することが提案されている(例えば特許文献1および2参照。)。これにより線引開始時のコアロッドと合成石英管との間の溶着不良による気泡の残留が減少し、それにより断線の発生も減少し、作業の効率化が達成されている。
【0016】
しかしながら、先端を前処理加工することは、従来の作業に加えて別途加工作業を足すことになり、従来なかった工数が発生する、加工方法が不適切だと加工中に母材を破損するおそれがある、母材が大型になると加工装置そのものが大掛かりになり、作業性が悪いばかりでなく、装置設置に懸かる費用も大きくなる、などの問題点が新たに生ずることになった。
また、この前処理加工の方法では、コアロッドと合成石英管の熱膨張歪みによる割れについては、あまり効果が見られず、結果として線引開始時のロスタイムの減少、およびその間に発生する不良ファイバの長さの減少も充分満足しうるものではなかった。
【0017】
【特許文献1】特開平7−330362号公報
【特許文献2】特開平8−310825号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、光ファイバ用コアロッドと合成石英管を加熱一体化しながら同時に線引きを行う方法においては、線引き開始時はコアロッドと合成石英管が急激に加熱されることにより、その接着点において、熱膨張歪みによる割れが発生することがあり、問題となっていた。また、コアロッドと合成石英管との間に気泡が残留しやすく、それが原因で断線することもあった。
【0019】
母材に割れが発生すると、線引を中止する必要があるばかりでなく、コアロッドや合成石英管の損失も生ずる。また、割れの程度が重度で母材が破壊されてしまう場合もあり、その場合、加熱炉の解体や部品交換が必要であった。
また、断線が発生した場合は前記、線引開始作業をはじめからやり直す必要があり、作業負荷が増大するだけでなく、線引開始時のロスタイムが増加し、その間に発生する不良ファイバの長さも長くなっていた。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明は、光ファイバ用コアロッドと合成石英管を加熱一体化しながら同時に線引きを行う方法において、線引作業を開始してから安定するまでの間に発生するロスタイムとその間の不良ファイバの長さを短縮することのできる光ファイバ用母材の線引方法を提供することを目的とする。
【0021】
本願請求項1の発明は、光ファイバ用コアロッドの外側に合成石英管が配置されて構成された光ファイバ用母材の先端部を、加熱炉内に挿入し、ついで、前記コアロッドと合成石英管との間隔を減圧にしながら、両者の加熱一体化と線引とを同時に行って、所定径の光ファイバを製造する光ファイバの線引方法において、加熱炉内に挿入された光ファイバ用母材の加熱温度が600℃以上となる温度領域において、光ファイバ用母材を始め所定の温度勾配以下で加熱し、所定の温度到達後に温度勾配を高めるように温度制御して光ファイバ用母材を加熱することを特徴とする。
【0022】
本願請求項2の発明は、上記請求項1の発明において、温度勾配を高める所定の温度は800℃〜1100℃であり、始め80℃/min以下の温度勾配で加熱し、その後は80℃/minより大きい温度勾配で線引温度まで高めることを特徴とする。
【0023】
本願請求項3の発明は、光ファイバ用コアロッドの外側に合成石英管が配置された光ファイバ用母材の先端部を、加熱炉内に挿入し、ついで、前記コアロッドと合成石英管との間隙を減圧にしながら、両者の加熱一体化と線引きとを同時に行って、所定径の光ファイバを製造する光ファイバの線引方法において、前記線引の開始時に前記所定径よりも大きな径の状態で定常速度近くまで線引速度を高め、線引速度が定常速度に近づいた時点で所定径となるように光ファイバの径を制御することを特徴とする。
【0024】
本願請求項4の発明は、上記請求項3の発明において、所定径よりも大きな径が外径140μm以上であることを特徴とする。
【0025】
本願請求項5の発明は、光ファイバ用コアロッドの外側に合成石英管が配置された光ファイバ用母材の先端部を、加熱炉内に挿入し、ついで、前記コアロッドと合成石英管との間隙を減圧にしながら、両者の加熱一体化と線引とを同時に行って、所定径の光ファイバを製造する光ファイバの線引方法において、請求項1に記載の方法で光ファイバ用母材を加熱し、請求項3に記載の方法で光ファイバの径を制御することを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
石英ガラスの特性を表す温度の一つに歪み点がある。歪み点とは、この温度以下では温度が上昇するにつれて歪みが増大するが、この温度を超えると歪みが開放される境界の温度であり、合成石英ガラスの歪み点は、約1050℃であることが知られている。
【0027】
また、コアロッドと合成石英管の加熱一体化と線引とを同時に行う方法においては、特にコアロッドと合成石英管の接着点で、その温度差による熱膨張歪みが大きくなり易く、母材の割れは、この接着点での歪みが原因となる場合が多い。
ただし、600℃未満の低温領域においてはコアロッドと合成石英管の温度差が出にくく、接着点での歪みは発生しにくい。
よって、母材の割れを防止するためには600℃〜1100℃の領域においていかに母材を加熱するかが重要である。
【0028】
つまり、この温度領域では温度勾配を小さくし、この温度領域以外では、温度勾配を大きくするように母材を加熱すれば、歪みによる母材の割れは防止できるとともに、より短時間で母材を線引温度まで加熱することができることが推測される。ただし、割れの限界に達する前に歪み点を超えれば、歪み点よりも低い温度で、温度勾配を大きくしても、割れは発生しないことになる。
【0029】
そこで、母材の加熱温度が600℃以上となる温度領域において、始め小さい温度勾配で母材を加熱し、所定の温度到達後に温度勾配を高めるように温度制御し、線引温度まで加熱する方法を試みた。温度勾配を高める所定の温度は、割れの限界に達する前に歪み点を超える必要があるため、800℃〜1100℃であることが望ましい。
ここで、母材径が小さい場合はコアロッドまで、熱が伝わりやすいため、より低温である800℃にて温度勾配を高めてもよく、逆に母材径が太い場合は1100℃にて温度勾配を高めた方がよい。
【0030】
以下に、本発明の一実施例について説明する。本発明においては加熱炉の温度をあらかじめ1100℃まで落として保持し、その中にコアロッドを中空部に配置した合成石英管を15mm/minの速度で加熱炉に挿入した。コアロッドを中空部に配置した合成石英管が線引開始位置に到達した時点で、加熱炉の昇温を開始し、加熱炉の温度が線引温度に到達するまで、84℃/minの昇温速度にて昇温を続けた。
【0031】
このとき母材の加熱温度は図1のようになる。ここで、−は母材の加熱温度、−・−・−は加熱炉温、……は母材挿入位置、−−は準備時間を示しており、準備時間とは、母材の加熱を開始した時点から、母材の加熱温度が線引温度に達するまでに要した時間を示す。
また、グラフ中のAは温度勾配を高めた温度を示しており、この場合は1100℃にて温度勾配を高めたことになる。
【0032】
グラフに示すように母材の加熱温度が600℃〜1100℃の温度領域において、母材は小さい温度勾配で加熱され、母材が線引開始位置に到達し、母材の加熱温度が1100℃となった以降では、母材は温度勾配を高めるように温度制御されて、線引温度まで加熱されたことになる。
【0033】
この場合、母材の加熱炉への挿入を開始してから母材の加熱温度が線引温度に到達するまでの時間はおよそ40分であり、このように母材を始め小さい温度勾配で加熱し、所定温度到達後に温度勾配を高めるように温度制御することにより、母材の歪みの発生を抑え、母材の割れを発生させることなく、線引温度まで到達できた。
【0034】
次に、母材の先端を加熱溶融させ、先端が落下したところで、引き取り装置に掛け、引き取り装置の速度を徐々に上げた。
通常は、光ファイバの外径が、樹脂被覆可能な外径になるまで引き伸ばし、ファイバに樹脂を塗布するが、本発明においてはファイバを樹脂の塗布可能な径まで細めず、径の太い状態で、定常速度近くまで線引速度を高め、線引速度が定常速度に近づいた時点で所定径となるように光ファイバの径を制御した。
ここで所定径は一般的には125μmであるが、これ以外のものであってもよい。
【0035】
これにより、線引開始時は、ファイバが所定径よりも大きな径となるため、樹脂被覆用ダイスを通過できず、樹脂の塗布ができなくなる場合もあるが、被覆をしなくても径を太くしたことにより、断線しにくくなり、また、気泡の残留しやすい領域をより早く排除することができ、線引開始作業をより短時間で行うことができる。
【0036】
[実施例] 以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。コアロッドは従来と同様にMCVD法やVAD法により製造され、屈折率の大きな中心軸部分を有しており、外周にそれよりも屈折率の小さいクラッド部分を含んでいる場合もある。これを引き伸ばして外径30mmに調整した。
別に外径90mm×内径33mmの合成石英管を用意した。合成石英管はその一端に支持管を取付け、もう一端は酸素/水素火炎で加熱し、引き延ばして溶断することにより、先端が封止されたテーパーを形成した。一方、コアロッドの先端も同様に火炎で加熱溶断し、テーパを形成した。
次いで前記テーパーを形成した一端を封止した合成石英管にコアロッドを挿入し、互いの中心軸が一致するように配置した。
【0037】
このようにして準備した母材の上部に真空装置を取り付け、コアロッドと合成石英管の間隔を減圧にできるようにし、線引装置にセットした。
母材を炉内に挿入し、あらかじめ、2200℃に保持した加熱炉に15mm/secで挿入したところ10分後に母材が割れてしまった。これはコアロッドと合成石英管が急激に加熱されることにより、その接着点において、熱膨張歪みが発生したためであると推定される。
【0038】
そこで、加熱炉内の温度を室温と同じにした状態で母材を線引開始位置まで挿入し、30℃/minの昇温速度で加熱炉を昇温したところ、割れを発生することなく、線引温度である2200℃に到達することができた。しかしながら、温度勾配が小さいために母材の挿入を開始してから母材が線引温度に加熱されるまでに70分以上を要し、非効率的であった。
【0039】
そこで加熱炉の昇温レート、母材挿入速度等を変化させ、母材の加熱温度勾配を何水準か変化させて実験してみた結果を表1に示す。
表1において、温度勾配変更温度は温度勾配を高めた温度、母材加熱温度勾配(前)は600℃〜温度勾配を高める前の領域での温度勾配、母材加熱温度勾配(後)は温度勾配を高めた領域での温度勾配である。また、準備時間とは、母材の加熱を開始した時点から、母材の加熱温度が線引温度に達するまでに要した時間を示す。
【0040】
【表1】
【0041】
本実験において条件▲1▼、▲2▼、▲5▼にてコアロッドと合成石英管の接着点で割れが発生することもなく、線引温度に到達でき、特に条件▲5▼のとき、準備時間が最も短かった。条件▲1▼は先に一実施例として図1にて示した条件である。条件▲5▼における母材の加熱温度の推移を図2に示す。
図2において−は母材の加熱温度、−・−・−は加熱炉温、……は母材挿入位置、−−は準備時間、Aは温度勾配を高めた温度を示す。
【0042】
本実験結果より、母材の加熱温度が600℃以上の領域では、加熱炉内に挿入された光ファイバ用母材を始め温度勾配が80℃/min以下となるように加熱し、所定の温度到達後に温度勾配が80℃/minより大きくなるように温度制御して、線引温度まで高めるように加熱した場合に、歪みによる母材の割れを発生させることなく、短時間で所定の線引温度を達成することができた。
ここで、温度勾配を高める所定の温度は、割れの限界に達する前に歪み開放温度を超える温度である必要があるため、800℃〜1100℃であることが望ましい。
【0043】
また、母材の加熱温度勾配は、図3に示すように徐々に変化してもよく、また、線引温度到達直前に、温度のオーバーシュートを防ぐ目的などで、一旦高めた温度勾配を再度小さくしてもよい。
図3において−は母材の加熱温度、−−は準備時間、Aは温度勾配を高めた温度を示す。
なお、今回の実験では主に加熱炉の保持温度、昇温レート、および昇温開始点、母材挿入速度を変化させて、母材の加熱温度を変化させたが、その他の条件を変化させることにより、所定の母材加熱温度を得てもよい。
【0044】
次いで、コアロッドを中空部に配置した合成石英管の先端のテーパー部が最高温度点付近にくると先端部の溶着が起こり一体化が進み、溶着部が伸びて線引が開始できた。合成石英管の上部に取り付けた真空装置でコアロッドと合成石英管の間隔を減圧にし、通常の線引と同様、引き取り装置にて光ファイバを引き取っていくと、一体化とファイバ化が同時に進行した。引取り装置の引き取り速度を上げてファイバの外径を樹脂が塗布可能な約130μmまで細くし、紫外線硬化樹脂を外径約250μmになるように塗って紫外線を照射して硬化させた。ところが、外径が安定せず、外径過大により樹脂塗布用ダイスに詰まって断線してしまった。
【0045】
そこで、気泡の残留しやすい領域を短時間で断線することなく線引する方法として、線引の開始時には樹脂を塗布しないで130μmより太い径で定常線引速度近くまで線引きし、その後線引速度を高め、線引速度が定常速度に近づいた時点で125μmとなるように光ファイバの径を制御することにより、気泡の残留しやすい領域をより早く排除する方法を試みた。
【0046】
外径を何水準か振って線引を開始した結果を表2に示す。外径を大きくしていったところ、140μmにて断線が確認できなくなった。線引外径を太くする程、気泡の残留しやすい領域を短時間で排除することができるが、引き取り装置から外れる頻度が多くなることがわかった。
【0047】
【表2】
【0048】
実験で使用した線引機では、外径300μmを超えると引き取り装置から外れる頻度が高くなったが、これはファイバの外径を大きくしたことにより、許容できる曲げ半径が小さくなったためで、引き取り装置の半径を大きくするなど、引き取り装置を改良することで、上限は無くなるものと考えられる。
【0049】
以上の実験結果より、線引の開始時にはファイバ外径が140μm以上で定常線引速度近くまで線引きし、その後、線引速度を高め、線引速度が定常速度に近づいた時点で125μmとなるように光ファイバの径を制御することが、線引開始時の断線を防止するのに有効であることがわかった。
本実施例は製品のファイバ径が125μmである例を記載したが、本例においてはファイバ径が140μmより小さければ、これ以外の径であってもよい。
【0050】
上記の結果より、加熱炉内に挿入されたファイバ用母材の加熱温度が600℃以上となる温度領域において、光ファイバ用母材を始め80℃/minの温度勾配で加熱し、母材が800℃〜1100℃のある所定の温度となった時点で温度勾配を80℃/minより大きい値に高めるように温度制御して母材を加熱し、線引の開始時にはファイバ外径が140μm以上で定常線引速度近くまで線引きし、線引速度が定常速度に近づいた時点で125μmとなるように光ファイバの径を制御した場合に、母材の割れ、および断線が発生することなく、線引作業を開始してから安定するまでの間に発生するロスタイムとその間の不良ファイバの長さを最も短くすることができた。
【0051】
【発明の効果】
本請求項1の発明では、加熱炉内に挿入された光ファイバ用母材の加熱温度が600℃以上となる温度領域において、光ファイバ用母材を始め所定の温度勾配以下で加熱し、所定の温度到達後に温度勾配を高めるように温度制御して光ファイバ用母材を加熱することにより、コアロッドと合成石英管が急激に加熱されることにより発生する、その接着点での熱膨張歪みによる割れを防止することができる。
【0052】
本請求項2の発明では、請求項1の発明において温度勾配を高める所定の温度は800℃〜1100℃であり、始め80℃/min以下の温度勾配で加熱し、その後は80℃/minより大きい温度勾配で線引温度まで高めることにより、本請求項1の発明よりもさらに多くの効果が得られる。
【0053】
本請求項3の発明では、線引の開始時に所定径よりも大きな径の状態で定常速度近くまで線引速度を高め、線引速度が定常速度に近づいた時点で所定径となるように光ファイバの径を制御することにより、気泡の残留しやすい領域を短時間で排除し、断線を防止することができる。
【0054】
本請求項4の発明では、所定径よりも大きな径が外径140μm以上であることをにより、本請求項3の発明よりもさらに多くの効果が得られる。
【0055】
本請求項5の発明では、請求項1に記載の方法で光ファイバ用母材を温度制御し、請求項3に記載の方法で光ファイバの径を制御することにより、母材の割れ、および断線を防止し、線引作業を開始してから安定するまでの間に発生するロスタイムとその間に発生するの不良ファイバの長さを最も短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すグラフである。
【図2】本発明の他の実施例を示すグラフである。
【図3】本発明のさらに他の実施例を示すグラフである。
【図4】従来例を示すグラフである。
【図5】一般的な線引装置を示す構成図である。
【図6】一般的な加熱炉の温度分布を示す構成図である。
【図7】一般的なコアロッドと合成石英管の配置例を示す図である。
【符号の説明】
10:光ファイバ母材
11:加熱炉
12:ヒーター
13:ファイバ外径測定器
14:樹脂被覆用ダイス
15:樹脂硬化装置
16:被覆外径測定器
17:引き取り装置
18:巻き取り用ボビン
19:光ファイバ
21:コアロッド
22:合成石英管
23:コアロッドと合成石英管の接着点
Claims (5)
- 光ファイバ用コアロッドの外側に合成石英管が配置されて構成された光ファイバ用母材の先端部を、加熱炉内に挿入し、ついで、前記コアロッドと合成石英管との間隙を減圧にしながら、両者の加熱一体化と線引とを同時に行って、所定径の光ファイバを製造する光ファイバの線引方法において、加熱炉内に挿入された光ファイバ用母材の加熱温度が600℃以上となる温度領域において、光ファイバ用母材を始め所定の温度勾配以下で加熱し、所定の温度到達後に温度勾配を高めるように温度制御して光ファイバ用母材を加熱することを特徴とする光ファイバの線引方法。
- 温度勾配を高める所定の温度は800℃〜1100℃であり、始め80℃/min以下の温度勾配で加熱し、その後は80℃/minより大きい温度勾配で線引温度まで高めることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの線引方法。
- 光ファイバ用コアロッドの外側に合成石英管が配置されて構成された光ファイバ用母材の先端部を、加熱炉内に挿入し、ついで、前記コアロッドと合成石英管との間隔を減圧にしながら、両者の加熱一体化と線引きとを同時に行って、所定径の光ファイバを製造する光ファイバの線引方法において、前記線引の開始時に前記所定径よりも大きな径の状態で定常速度近くまで線引速度を高め、線引速度が定常速度に近づいた時点で所定径となるように光ファイバの径を制御することを特徴とする光ファイバの線引方法。
- 所定径よりも大きな径が外径140μm以上であることを特徴とする請求項3記載の光ファイバの線引方法。
- 光ファイバ用コアロッドの外側に合成石英管が配置された光ファイバ用母材の先端部を、加熱炉内に挿入し、ついで、前記コアロッドと合成石英管との間隔を減圧にしながら、両者の加熱一体化と線引とを同時に行って、所定径の光ファイバを製造する光ファイバの線引方法において、請求項1に記載の方法で光ファイバ用母材を加熱し、請求項3に記載の方法で光ファイバの径を制御することを特徴とする光ファイバの線引方法。
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