JP2004182128A - 液圧供給機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】液圧供給機構を備えた車両を提供することである。
【解決手段】本発明の車両は、作動液体を圧送するための1つのポンプと、該ポンプを駆動するための、バッテリ駆動式の1つのモータとを有する液圧供給機構によって、前記作動液体を第1の液圧応用機械と、第2の液圧応用機械であるパワーステアリング装置とに供給するようになった車両であって、前記液圧供給機構が、前記ポンプと前記パワーステアリング装置との間に、加圧された前記作動液体を蓄えるアキュムレータを有し、前記車両のステアリングが操作されると、前記パワーステアリング装置に、前記ポンプからの前記作動液体に先立って、前記アキュムレータに蓄えられていた前記作動液体が供給されることを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】本発明の車両は、作動液体を圧送するための1つのポンプと、該ポンプを駆動するための、バッテリ駆動式の1つのモータとを有する液圧供給機構によって、前記作動液体を第1の液圧応用機械と、第2の液圧応用機械であるパワーステアリング装置とに供給するようになった車両であって、前記液圧供給機構が、前記ポンプと前記パワーステアリング装置との間に、加圧された前記作動液体を蓄えるアキュムレータを有し、前記車両のステアリングが操作されると、前記パワーステアリング装置に、前記ポンプからの前記作動液体に先立って、前記アキュムレータに蓄えられていた前記作動液体が供給されることを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、作動液体を液圧応用機械に供給する液圧供給機構を備えた車両に関し、特に、液圧供給機構を備えたフォークリフトに関する。
【0002】
【従来の技術】
荷物を昇降し、搬送するための所謂フォークリフトにおいては、荷物を支持するフォーク(部材)を昇降させるのに油圧機構が用いられるのが一般的である。このような油圧機構は、典型的には、タンクのような収容部に収容された作動油をフォーク昇降装置、詳細には、フォーク昇降用の油圧ピストン/シリンダユニットに圧送するためのポンプと、このポンプを駆動するためのモータと、このモータを駆動させるためのバッテリとを有する。
【0003】
フォークリフトにおいては、上述したような油圧機構を、フォークリフトの操作者がステアリングを小さな力で操舵することができるようにするための所謂パワーステアリング装置にも利用する技術が既に知られている。フォークリフトがこのような1つのモータ、1つのポンプとからなる油圧機構を用いるようになった理由は、パワーステアリング装置の性能をフルに発揮させた状態でフォークをも昇降作動させるようなことは希であり、これらパワーステアリング装置、フォーク昇降装置に、夫々独立したモータ/ポンプ油圧機構を設けることは必ずしも必要ではない、ということに基づくと考えられる。
しかして、このような1つのモータ、1つのポンプからなる油圧機構を用いて、フォークを昇降させ、ステアリング操作をアシストするようになったフォークリフトは、既に種々のメーカーによって製造され、販売されている。
【0004】
図1は、このようなフォークリフト用油圧機構の典型的構造を概略的に示す。Tで示されるのは作動油を収容するタンクであり、このタンクTにはポンプPが接続されている。ポンプPはモータMによって駆動され、モータMは、コントローラCに電気的に接続され、コントローラCからの制御信号に基づいて作動するようになっている。
ポンプPの下流には、油圧をパワーステアリング装置にのみ、或いは、パワーステアリング装置及びフォーク昇降装置の両方に選択的に供給するための方向切換弁であるプライオリティーバルブPVが設けられている。プライオリティーバルブPVの機構は本発明の特徴ではないので、ここではプライオリティーバルブPVの切換についての詳細な説明は省略する。
【0005】
プライオリティーバルブPVの下流にはパワーステアリング装置1が設けられている。ステアリング装置1は、フォークリフトの操舵機構であるハンドル2と、このハンドル2の操作に従って機械仕掛けで変位される方向切換弁3とを有し、方向切換弁3とプライオリティーバルブPVとの間には第1導管4が延びている。
【0006】
方向切換弁3の下流にはステアリングアシスト用の油圧ピストン/シリンダ装置5が設けられている。油圧ピストン/シリンダ装置5のシリンダはロッドに取り付けられたピストンによって2つの室に分割され、これらの室と方向切換弁3との間には、夫々、第2導管6、第3導管7が延びている。
【0007】
ハンドル2のステアリングギアの各端部と方向切換弁3との間には、夫々、第4導管8、第5導管9が延び、また、方向切換弁3からは第6導管10がプレッシャースイッチ11まで延び、このプレッシャースイッチ11はコントローラCに電気的に接続されている。
【0008】
方向切換弁3からはまた、第7導管12がコントローラバルブCVまで延び、コントローラバルブCVからタンクTまで第8導管13が延びる。プライオリティーバルブPVとコントローラバルブCVとの間には第9導管14が延び、コントローラバルブCVとフォーク昇降用の油圧ピストン/シリンダユニット20との間には第1流路21、第2流路22が延びている。
方向切換弁3は、ハンドル2が操作されていないときに取る第1位置(中立位置)と、ハンドル2が左に切られたときに取る第2位置と、ハンドル2が左に切られたときに取る第3位置とを有する。
【0009】
以下、上記構造のフォークリフト用油圧機構の作動を、ハンドル2が左に切られたときを例にして、説明する。
ハンドル2が左に切られると、方向切換弁3が図1に示す第1位置から図2に示す第2位置に変位される。
第2位置の方向切換弁3は、入口が第1導管4に、出口が、夫々、第5導管9、第6導管10に整合するようになった第1流路15と、入口が第4導管8に、出口が第2導管6に整合するようになった第2流路16と、入口が第3導管7に、出口が第7導管12に整合するようになった第2流路17とを有する。
【0010】
方向切換弁3が第2位置に変位されると、第1導管4の作動油が第1流路15を通って第6導管10に流れ込み、この流れ、すなわち、ハンドル操作されたことをプレッシャースイッチ11が検出し、プレッシャースイッチ11は検出信号をコントローラCに出力する。コントローラCはこの検出信号を受信すると、コントローラCは制御信号をモータMに送信し、モータMはこの制御信号に従って作動し、ポンプPを駆動する。ポンプPはタンクTの作動油をプライオリティーバルブPV、第1導管4を介して第1流路15に圧送し、この圧送された油圧(作動油)は第5導管9からステアリングギア、第4導管8を通り、第2流路16、第2導管6を通って油圧ピストン/シリンダ装置5のシリンダの一方の室に入り、ピストンをシリンダの他方の室に向けて押圧し、これによりステアリングアシストが達成される。シリンダの他方の室の作動油は、第3導管7、第2流路17、第7導管12、コントローラバルブCV、第8導管13を通ってタンクTに戻される。
【0011】
因みに、ハンドル2が操作されない状態でフォーク昇降装置が作動されると、フォーク昇降操作を検出するセンサ(図示せず)が検出信号をコントローラCに出力し、コントローラCは制御信号をモータMに送信し、モータMがポンプPを駆動し、ポンプPがタンクTの作動油をプライオリティーバルブPVを介して第1導管4に圧送すると、この油圧によりプライオリティーバルブPVが切り換えられ、油圧はパワーステアリング装置及びフォーク昇降装置の両方に供給されるようになる。簡単に説明すると、方向切換弁3は、図1に示す第1位置にあり、第1導管4の下流端はいずれの流路にも接続されず、閉じられた状態にあるので、第1導管4に圧送された油圧は、第1導管4から分岐した分岐管4Aを流れ、この油圧がプライオリティーバルブPVに作用して、これを切り換える。プライオリティーバルブPVの切換後、ポンプPからの油圧は、第9導管14、コントローラバルブCVを通って、選択的に第1流路21又は第2流路22を通り、とフォーク昇降用の油圧ピストン/シリンダユニット20を作動させ、第1流路21又は第2流路22から出て、第8導管13を通ってタンクTに戻される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述した油圧機構では、ハンドル2が操作されてからスアリングアシスト用の油圧ピストン/シリンダ装置5に油圧が圧送されるまでに、
イ) ハンドル2が操作されてからプレッシャースイッチ11が油圧を検知し、
ロ) プレッシャースイッチ11が検知信号をコントローラCに送信し、
ハ) コントローラCが制御信号をモータMに送信し、
ニ) モータMがポンプPを駆動し、油圧をスアリングアシスト用の油圧ピストン/シリンダ装置5に圧送する、
という工程を経なければならない。
【0013】
すなわち、ハンドル2が操作されてからスアリングアシスト用の油圧ピストン/シリンダ装置5に油圧が圧送されるまでにタイムラグがあるので、操作者はステアリング又はハンドル2の操作初期において、油圧アシストが提供されるまでハンドル2がひっかかっているような違和感を感じる。そして、このタイムラグは、ステアリング操作開始の度毎に繰り返し引き起こされることになる。
【0014】
このタイムラグを少しでも解消すべく、モータMを予めアイドリングさせておき、モータMの応答性を向上させる試みもなされている。しかし、モータMを常時アイドリングさせておいたのではバッテリーの消耗が著しい。このことは、特に、走行駆動源としてもバッテリーを使用するバッテリー駆動式フォークリフトにおけるバッテリーにとって負担が大に過ぎ、フォークリフトの稼働時間そのものを大きく減じてしまうことになるという問題がある。
従って、本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、ハンドル操作が行われてからパワーステアリング装置又はステアリングアシスト装置が作動するまでのタイムラグを減じる液圧供給機構を備えた車両を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の車両は、作動液体を圧送するための1つのポンプと、該ポンプを駆動するための、バッテリ駆動式の1つのモータとを有する液圧供給機構によって、前記作動液体を第1の液圧応用機械と、第2の液圧応用機械であるパワーステアリング装置とに供給するようになった車両であって、前記液圧供給機構が、前記ポンプと前記パワーステアリング装置との間に、加圧された前記作動液体を蓄えるアキュムレータを有し、前記車両のステアリングが操作されると、前記パワーステアリング装置に、前記ポンプからの前記作動液体に先立って、前記アキュムレータに蓄えられていた前記作動液体が供給されることを特徴とする。
【0016】
上記構成の車両によれば、アキュムレータに加圧された作動油を予め蓄えておく構造になっているので、ハンドル操作がなされたとき、ポンプからの加圧作動液体が供給されるのを待つことなしに、アキュムレータ内の加圧作動液体をパワーステアリング装置に供給することができ、ハンドル操作がなされてからパワーステアリング装置が作動するまでの時間を短縮することができる。
また、本発明においては、前記液圧供給機構には、前記アキュムレータと前記ポンプとの間に、前記作動流体が前記アキュムレータから前記ポンプに向って流れないようにするための逆止弁が配置されているが好ましい。
【0017】
上記目的を達成するため、第2発明の車両は、作動液体を圧送するための1つのポンプと、該ポンプを駆動するための、バッテリ駆動式の1つのモータとを有する液圧供給機構によって、前記作動液体を第1の液圧応用機械と、第2の液圧応用機械であるパワーステアリング装置とに供給するようになった車両であって、前記液圧供給機構が、前記車両のステアリング操作部に取り付けられた、ステアリングの操作を直接検出し、検出信号を送信するためのセンサと、該センサからの検出信号を受信し、モータ駆動信号を送信するためのコントローラとを有し、前記モータが、前記コントローラからの前記モータ駆動信号に従って制御駆動されるようになっていることを特徴とする。
上記構成の車両によれば、ステアリング操作が行われた後に生ずる油圧の変化を検出するのではなく、ステアリング操作を直接検出し、これが検出されたときにモータを駆動するようになっているので、ハンドル操作がなされてからパワーステアリング装置が作動するまでの時間を短縮することができる。
【0018】
上記目的を達成するため、第3発明の車両は、作動液体を圧送するための1つのポンプと、該ポンプを駆動するための、バッテリ駆動式の1つのモータとを有する液圧供給機構によって、前記作動液体を第1の液圧応用機械と、第2の液圧応用機械であるパワーステアリング装置とに供給するようになった車両であって、前記液圧供給機構が方向切換弁を有し、該方向切換弁が、前記ポンプからの油圧を、前記パワーステアリング装置に供給する第1位置と、前記パワーステアリング装置と前記第1の液圧応用機械との両方に供給する第2位置と、前記第1の液圧応用機械に供給する第3位置との間で切り換えられ、前記液圧供給機構が、前記車両のステアリング操作部に取り付けられた、ステアリングの操作を直接検出し、検出信号を送信するための第1センサと、前記車両の前記第1の液圧応用機械の操作部に取り付けられた、前記第1の液圧応用機械の操作を直接検出し、検出信号を送信するための第2センサと、前記第1センサの前記検出信号、前記第2センサの前記検出信号を受信し、前記第1センサの前記検出信号のみを受信したときには、前記方向切換弁を前記第1位置に位置させる第1制御信号を、前記第1センサの前記検出信号及び前記第2センサの前記検出信号を受信したときには、前記方向切換弁を前記第2位置に位置させる第2制御信号を、前記第2センサの前記検出信号のみを受信したときには、前記方向切換弁を前記第3位置に位置させる第3制御信号を、送信するコントローラと、前記コントローラからの前記夫々の制御信号に従って、前記方向切換弁を切り換えるアクチュエータとを有することを特徴とする。
【0019】
上記構成の車両によれば、ステアリング操作が行われた後に生ずる油圧の変化を検出するのではなく、ステアリング操作を直接検出し、これが検出されたときにモータを駆動するようになっているので、ハンドル操作がなされてからパワーステアリング装置が作動するまでの時間を短縮することができ、また、方向切換弁の切り換えをコントローラからの制御信号に従って作動するアクチュエータによって行うようにしたので、方向切換弁の切り換えを油圧によって行っていたものに比して構造を簡略化することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。この実施形態は、本発明を、作動液体を圧送するための1つのポンプと、該ポンプを駆動するための、バッテリ駆動式の1つのモータとを有する液圧供給機構によって、前記作動液体を第1の液圧応用機械と、第2の液圧応用機械であるパワーステアリング装置とに供給するようになったフォークリフトに適用したものである。
【0021】
本発明の第1実施形態のフォークリフトを図3に全体的に参照番号30で示す。図3と、既述した従来のフォークリフトの構造を示す図1及び図2と比較すると良く分かるように、本発明の第1実施形態のフォークリフト30と、従来のフォークリフトとはほぼ同じ構造を有する。そこで、従来のフォークリフトの構成要素と同じフォークリフト30の構成要素については、従来のフォークリフトの説明に際して使用された参照番号を使用することとし、重複する説明はここでは省略することにする。
すなわち、フォークリフト30は、ポンプPとパワーステアリング装置1との間に、加圧された作動液体を蓄えるアキュムレータ31を有する点において図1及び図2に示す従来のフォークリフトと相違する。
【0022】
このフォークリフト30の構造によれば、車両のステアリング又はハンドル2が操作されると、パワーステアリング装置1にポンプPによって作動液体が圧送供給されるのに先立って、アキュムレータ31に蓄えられていた加圧作動液体がパワーステアリング装置1に供給される。詳細には、ハンドル2が操作されていないときには方向切換弁3は既述したとおり図1に示す第1位置を取るが、この位置では、第1導管4の下流端はいずれの流路にも接続されず、閉じられた状態にあるので、アキュムレータ31に蓄えられた加圧作動液体は、第1導管4の下流端で留まっている。この状態で、ハンドル2が操作され、方向切換弁3が切り換えられると、第1導管4の下流端で留まっていたアキュムレータ31からの加圧作動液体が、ポンプPから圧送される作動液体に先立って、方向切換弁3の所定の流路に流れ込むことになる。方向切換弁3が図1の第1位置を取っているときにアキュムレータ31の加圧作動液体がプライオリティーバルブPV、ポンプPに向って逆流しないようにするための逆止弁Vを、アキュムレータ31と、プライオリティーバルブPV、ポンプPとの間に設けるのが好ましい。
【0023】
次に、図4を参照して本発明の第2実施形態のフォークリフトを説明する。
図4には本発明の第2実施形態のフォークリフトが全体的に参照番号40で示されている。フォークリフト40もまた、図1及び図2の従来のフォークリフトの構造と共通する部分が多いので、この従来のフォークリフトの構成要素と同じフォークリフト40の構成要素については、従来のフォークリフトの説明に際して使用された参照番号を使用することとし、重複する説明はここでは省略することにする。
【0024】
図1及び図2の従来のフォークリフトでは、ハンドル2が操作されたことをハンドル2の操作によって生じた油圧の変化をプレッシャースイッチ11によって検出し、検出信号をコントローラCに送信していたのに対して、フォークリフト40では、ステアリング操作部又はハンドル操作部に取り付けられた、ハンドル2の操作を直接検出し、検出信号を送信するためのセンサ(図示せず)を設けた点で図1及び図2の従来のフォークリフトと相違する。従って、フォークリフト40では、図1及び図2の従来のフォークリフトにおけるプレッシャースイッチ11及び該プレッシャースイッチ11まで延びる部分の第1導管4が省かれており、構造の簡略化を図ることができる。
【0025】
上述したセンサ(図示せず)からの検出信号41はコントローラCが受信し、コントローラCはモータ駆動信号42をモータMに送信し、モータMはモータ駆動信号に従って制御駆動される。この構造では、ステアリング操作が行われた後に生ずる油圧の変化をプレッシャースイッチ11によって検出するのではなく、ステアリング操作を直接検出し、これが検出されたときにモータMを駆動するようになっているので、ハンドル操作がなされてからパワーステアリング装置1が作動するまでの時間を短縮することができる。
【0026】
上述したセンサ(図示せず)は、例えば、ハンドル2を円形のタイプとした場合、円形ハンドル(図示せず)とステアリングギア(図示せず)とを連結するステアリングシャフト(図示せず)の一方の端部に取り付けられた、ステアリング操作を検出するためのエンコーダ(図示せず)やポテンショメータ(図示せず)によって構成することができる。
【0027】
最後に、図5を参照して本発明の第3実施形態のフォークリフトを説明する。図5には本発明の第3実施形態のフォークリフトが全体的に参照番号50で示されている。フォークリフト50はフォークリフト40の構造とほぼ共通するので、フォークリフト40の構成要素と同じフォークリフト50の構成要素については、フォークリフト40の説明に際して使用された参照番号を使用することとし、重複する説明はここでは省略することにする。
【0028】
フォークリフト40では、図1の従来のフォークリフトと同様に、安全の見地からパワーステアリング装置1への油圧供給を優先させているプライオリティーバルブPVを、フォーク昇降用の油圧ピストン/シリンダユニット20に油圧供給するように、切り換えるのに、既述したように、ポンプPからの油圧を利用していたのに対して、フォークリフト50では、フォーク昇降装置の操作部に取り付けられた、フォーク昇降装置の操作を直接検出し、検出信号を送信するための第2センサ(図示せず)からの信号をコントローラCが受信し、コントローラCからの制御信号に従ってプライオリティーバルブPVを切り換えるアクチュエータを設けた点でフォークリフト40と相違する。
上述した第2センサ(図示せず)からの検出信号51はコントローラCが受信し、コントローラCは制御信号52を、この実施形態ではソレノイドバルブ53からなるアクチュエータに送信し、ソレノイドバルブ53は、この制御信号52に従ってプライオリティーバルブPVを切り換える。
【0029】
詳細には、この実施形態では、プライオリティーバルブPVは、ポンプPからの油圧を、パワーステアリング装置1に供給する(図5に示す)第1位置と、パワーステアリング装置1とフォーク昇降装置20との両方に供給する第2位置と、フォーク昇降装置に供給する第3位置との間で切り換えられるようになっている。また、コントローラCは、ハンドル2の操作を検出する前記センサ(図示せず)、すなわち、第1センサからの検出信号41のみを受信したときには、プライオリティーバルブPVを第1位置に位置させる第1制御信号を、第1センサからの検出信号41及び第2センサからの検出信号51を受信したときには、プライオリティーバルブPVを第2位置に位置させる第2制御信号を、第2センサの検出信号51のみを受信したときには、プライオリティーバルブPVを第3位置に位置させる第3制御信号を、ソレノイドバルブ53に送信するようになっている。ソレノイドバルブ53は、コントローラCからの制御信号41、51に従ってプライオリティーバルブPVを切り換える。
【0030】
この構造では、フォークリフト40におけるプライオリティーバルブPVを切り換えるための管路等が省かれており、図1の従来のフォークリフトに対して更に構造の簡略化を図ることができ、また、プライオリティーバルブPVの切換時間を短縮することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において種々の変更が可能である。
【0031】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明は、ハンドル操作が行われてからステアリングアシスト装置が作動するまでのタイムラグを減じる液圧供給機構を備えた車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パワーステアリング装置及びフォーク昇降装置を駆動するための油圧機構を備えた従来のフォークリフトの概略回路図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】本発明の第1実施形態におけるフォークリフトの油圧機構の概略回路図である。
【図4】本発明の第2実施形態におけるフォークリフトの油圧機構の概略回路図である。
【図5】本発明の第3実施形態におけるフォークリフトの油圧機構の概略回路図である。
【符号の説明】
P ポンプ
M モータ
1 パワーステアリング装置
2 ステアリング(ハンドル)
20 第1の液圧応用機械(フォーク昇降装置)
31 アキュムレータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、作動液体を液圧応用機械に供給する液圧供給機構を備えた車両に関し、特に、液圧供給機構を備えたフォークリフトに関する。
【0002】
【従来の技術】
荷物を昇降し、搬送するための所謂フォークリフトにおいては、荷物を支持するフォーク(部材)を昇降させるのに油圧機構が用いられるのが一般的である。このような油圧機構は、典型的には、タンクのような収容部に収容された作動油をフォーク昇降装置、詳細には、フォーク昇降用の油圧ピストン/シリンダユニットに圧送するためのポンプと、このポンプを駆動するためのモータと、このモータを駆動させるためのバッテリとを有する。
【0003】
フォークリフトにおいては、上述したような油圧機構を、フォークリフトの操作者がステアリングを小さな力で操舵することができるようにするための所謂パワーステアリング装置にも利用する技術が既に知られている。フォークリフトがこのような1つのモータ、1つのポンプとからなる油圧機構を用いるようになった理由は、パワーステアリング装置の性能をフルに発揮させた状態でフォークをも昇降作動させるようなことは希であり、これらパワーステアリング装置、フォーク昇降装置に、夫々独立したモータ/ポンプ油圧機構を設けることは必ずしも必要ではない、ということに基づくと考えられる。
しかして、このような1つのモータ、1つのポンプからなる油圧機構を用いて、フォークを昇降させ、ステアリング操作をアシストするようになったフォークリフトは、既に種々のメーカーによって製造され、販売されている。
【0004】
図1は、このようなフォークリフト用油圧機構の典型的構造を概略的に示す。Tで示されるのは作動油を収容するタンクであり、このタンクTにはポンプPが接続されている。ポンプPはモータMによって駆動され、モータMは、コントローラCに電気的に接続され、コントローラCからの制御信号に基づいて作動するようになっている。
ポンプPの下流には、油圧をパワーステアリング装置にのみ、或いは、パワーステアリング装置及びフォーク昇降装置の両方に選択的に供給するための方向切換弁であるプライオリティーバルブPVが設けられている。プライオリティーバルブPVの機構は本発明の特徴ではないので、ここではプライオリティーバルブPVの切換についての詳細な説明は省略する。
【0005】
プライオリティーバルブPVの下流にはパワーステアリング装置1が設けられている。ステアリング装置1は、フォークリフトの操舵機構であるハンドル2と、このハンドル2の操作に従って機械仕掛けで変位される方向切換弁3とを有し、方向切換弁3とプライオリティーバルブPVとの間には第1導管4が延びている。
【0006】
方向切換弁3の下流にはステアリングアシスト用の油圧ピストン/シリンダ装置5が設けられている。油圧ピストン/シリンダ装置5のシリンダはロッドに取り付けられたピストンによって2つの室に分割され、これらの室と方向切換弁3との間には、夫々、第2導管6、第3導管7が延びている。
【0007】
ハンドル2のステアリングギアの各端部と方向切換弁3との間には、夫々、第4導管8、第5導管9が延び、また、方向切換弁3からは第6導管10がプレッシャースイッチ11まで延び、このプレッシャースイッチ11はコントローラCに電気的に接続されている。
【0008】
方向切換弁3からはまた、第7導管12がコントローラバルブCVまで延び、コントローラバルブCVからタンクTまで第8導管13が延びる。プライオリティーバルブPVとコントローラバルブCVとの間には第9導管14が延び、コントローラバルブCVとフォーク昇降用の油圧ピストン/シリンダユニット20との間には第1流路21、第2流路22が延びている。
方向切換弁3は、ハンドル2が操作されていないときに取る第1位置(中立位置)と、ハンドル2が左に切られたときに取る第2位置と、ハンドル2が左に切られたときに取る第3位置とを有する。
【0009】
以下、上記構造のフォークリフト用油圧機構の作動を、ハンドル2が左に切られたときを例にして、説明する。
ハンドル2が左に切られると、方向切換弁3が図1に示す第1位置から図2に示す第2位置に変位される。
第2位置の方向切換弁3は、入口が第1導管4に、出口が、夫々、第5導管9、第6導管10に整合するようになった第1流路15と、入口が第4導管8に、出口が第2導管6に整合するようになった第2流路16と、入口が第3導管7に、出口が第7導管12に整合するようになった第2流路17とを有する。
【0010】
方向切換弁3が第2位置に変位されると、第1導管4の作動油が第1流路15を通って第6導管10に流れ込み、この流れ、すなわち、ハンドル操作されたことをプレッシャースイッチ11が検出し、プレッシャースイッチ11は検出信号をコントローラCに出力する。コントローラCはこの検出信号を受信すると、コントローラCは制御信号をモータMに送信し、モータMはこの制御信号に従って作動し、ポンプPを駆動する。ポンプPはタンクTの作動油をプライオリティーバルブPV、第1導管4を介して第1流路15に圧送し、この圧送された油圧(作動油)は第5導管9からステアリングギア、第4導管8を通り、第2流路16、第2導管6を通って油圧ピストン/シリンダ装置5のシリンダの一方の室に入り、ピストンをシリンダの他方の室に向けて押圧し、これによりステアリングアシストが達成される。シリンダの他方の室の作動油は、第3導管7、第2流路17、第7導管12、コントローラバルブCV、第8導管13を通ってタンクTに戻される。
【0011】
因みに、ハンドル2が操作されない状態でフォーク昇降装置が作動されると、フォーク昇降操作を検出するセンサ(図示せず)が検出信号をコントローラCに出力し、コントローラCは制御信号をモータMに送信し、モータMがポンプPを駆動し、ポンプPがタンクTの作動油をプライオリティーバルブPVを介して第1導管4に圧送すると、この油圧によりプライオリティーバルブPVが切り換えられ、油圧はパワーステアリング装置及びフォーク昇降装置の両方に供給されるようになる。簡単に説明すると、方向切換弁3は、図1に示す第1位置にあり、第1導管4の下流端はいずれの流路にも接続されず、閉じられた状態にあるので、第1導管4に圧送された油圧は、第1導管4から分岐した分岐管4Aを流れ、この油圧がプライオリティーバルブPVに作用して、これを切り換える。プライオリティーバルブPVの切換後、ポンプPからの油圧は、第9導管14、コントローラバルブCVを通って、選択的に第1流路21又は第2流路22を通り、とフォーク昇降用の油圧ピストン/シリンダユニット20を作動させ、第1流路21又は第2流路22から出て、第8導管13を通ってタンクTに戻される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述した油圧機構では、ハンドル2が操作されてからスアリングアシスト用の油圧ピストン/シリンダ装置5に油圧が圧送されるまでに、
イ) ハンドル2が操作されてからプレッシャースイッチ11が油圧を検知し、
ロ) プレッシャースイッチ11が検知信号をコントローラCに送信し、
ハ) コントローラCが制御信号をモータMに送信し、
ニ) モータMがポンプPを駆動し、油圧をスアリングアシスト用の油圧ピストン/シリンダ装置5に圧送する、
という工程を経なければならない。
【0013】
すなわち、ハンドル2が操作されてからスアリングアシスト用の油圧ピストン/シリンダ装置5に油圧が圧送されるまでにタイムラグがあるので、操作者はステアリング又はハンドル2の操作初期において、油圧アシストが提供されるまでハンドル2がひっかかっているような違和感を感じる。そして、このタイムラグは、ステアリング操作開始の度毎に繰り返し引き起こされることになる。
【0014】
このタイムラグを少しでも解消すべく、モータMを予めアイドリングさせておき、モータMの応答性を向上させる試みもなされている。しかし、モータMを常時アイドリングさせておいたのではバッテリーの消耗が著しい。このことは、特に、走行駆動源としてもバッテリーを使用するバッテリー駆動式フォークリフトにおけるバッテリーにとって負担が大に過ぎ、フォークリフトの稼働時間そのものを大きく減じてしまうことになるという問題がある。
従って、本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、ハンドル操作が行われてからパワーステアリング装置又はステアリングアシスト装置が作動するまでのタイムラグを減じる液圧供給機構を備えた車両を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の車両は、作動液体を圧送するための1つのポンプと、該ポンプを駆動するための、バッテリ駆動式の1つのモータとを有する液圧供給機構によって、前記作動液体を第1の液圧応用機械と、第2の液圧応用機械であるパワーステアリング装置とに供給するようになった車両であって、前記液圧供給機構が、前記ポンプと前記パワーステアリング装置との間に、加圧された前記作動液体を蓄えるアキュムレータを有し、前記車両のステアリングが操作されると、前記パワーステアリング装置に、前記ポンプからの前記作動液体に先立って、前記アキュムレータに蓄えられていた前記作動液体が供給されることを特徴とする。
【0016】
上記構成の車両によれば、アキュムレータに加圧された作動油を予め蓄えておく構造になっているので、ハンドル操作がなされたとき、ポンプからの加圧作動液体が供給されるのを待つことなしに、アキュムレータ内の加圧作動液体をパワーステアリング装置に供給することができ、ハンドル操作がなされてからパワーステアリング装置が作動するまでの時間を短縮することができる。
また、本発明においては、前記液圧供給機構には、前記アキュムレータと前記ポンプとの間に、前記作動流体が前記アキュムレータから前記ポンプに向って流れないようにするための逆止弁が配置されているが好ましい。
【0017】
上記目的を達成するため、第2発明の車両は、作動液体を圧送するための1つのポンプと、該ポンプを駆動するための、バッテリ駆動式の1つのモータとを有する液圧供給機構によって、前記作動液体を第1の液圧応用機械と、第2の液圧応用機械であるパワーステアリング装置とに供給するようになった車両であって、前記液圧供給機構が、前記車両のステアリング操作部に取り付けられた、ステアリングの操作を直接検出し、検出信号を送信するためのセンサと、該センサからの検出信号を受信し、モータ駆動信号を送信するためのコントローラとを有し、前記モータが、前記コントローラからの前記モータ駆動信号に従って制御駆動されるようになっていることを特徴とする。
上記構成の車両によれば、ステアリング操作が行われた後に生ずる油圧の変化を検出するのではなく、ステアリング操作を直接検出し、これが検出されたときにモータを駆動するようになっているので、ハンドル操作がなされてからパワーステアリング装置が作動するまでの時間を短縮することができる。
【0018】
上記目的を達成するため、第3発明の車両は、作動液体を圧送するための1つのポンプと、該ポンプを駆動するための、バッテリ駆動式の1つのモータとを有する液圧供給機構によって、前記作動液体を第1の液圧応用機械と、第2の液圧応用機械であるパワーステアリング装置とに供給するようになった車両であって、前記液圧供給機構が方向切換弁を有し、該方向切換弁が、前記ポンプからの油圧を、前記パワーステアリング装置に供給する第1位置と、前記パワーステアリング装置と前記第1の液圧応用機械との両方に供給する第2位置と、前記第1の液圧応用機械に供給する第3位置との間で切り換えられ、前記液圧供給機構が、前記車両のステアリング操作部に取り付けられた、ステアリングの操作を直接検出し、検出信号を送信するための第1センサと、前記車両の前記第1の液圧応用機械の操作部に取り付けられた、前記第1の液圧応用機械の操作を直接検出し、検出信号を送信するための第2センサと、前記第1センサの前記検出信号、前記第2センサの前記検出信号を受信し、前記第1センサの前記検出信号のみを受信したときには、前記方向切換弁を前記第1位置に位置させる第1制御信号を、前記第1センサの前記検出信号及び前記第2センサの前記検出信号を受信したときには、前記方向切換弁を前記第2位置に位置させる第2制御信号を、前記第2センサの前記検出信号のみを受信したときには、前記方向切換弁を前記第3位置に位置させる第3制御信号を、送信するコントローラと、前記コントローラからの前記夫々の制御信号に従って、前記方向切換弁を切り換えるアクチュエータとを有することを特徴とする。
【0019】
上記構成の車両によれば、ステアリング操作が行われた後に生ずる油圧の変化を検出するのではなく、ステアリング操作を直接検出し、これが検出されたときにモータを駆動するようになっているので、ハンドル操作がなされてからパワーステアリング装置が作動するまでの時間を短縮することができ、また、方向切換弁の切り換えをコントローラからの制御信号に従って作動するアクチュエータによって行うようにしたので、方向切換弁の切り換えを油圧によって行っていたものに比して構造を簡略化することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。この実施形態は、本発明を、作動液体を圧送するための1つのポンプと、該ポンプを駆動するための、バッテリ駆動式の1つのモータとを有する液圧供給機構によって、前記作動液体を第1の液圧応用機械と、第2の液圧応用機械であるパワーステアリング装置とに供給するようになったフォークリフトに適用したものである。
【0021】
本発明の第1実施形態のフォークリフトを図3に全体的に参照番号30で示す。図3と、既述した従来のフォークリフトの構造を示す図1及び図2と比較すると良く分かるように、本発明の第1実施形態のフォークリフト30と、従来のフォークリフトとはほぼ同じ構造を有する。そこで、従来のフォークリフトの構成要素と同じフォークリフト30の構成要素については、従来のフォークリフトの説明に際して使用された参照番号を使用することとし、重複する説明はここでは省略することにする。
すなわち、フォークリフト30は、ポンプPとパワーステアリング装置1との間に、加圧された作動液体を蓄えるアキュムレータ31を有する点において図1及び図2に示す従来のフォークリフトと相違する。
【0022】
このフォークリフト30の構造によれば、車両のステアリング又はハンドル2が操作されると、パワーステアリング装置1にポンプPによって作動液体が圧送供給されるのに先立って、アキュムレータ31に蓄えられていた加圧作動液体がパワーステアリング装置1に供給される。詳細には、ハンドル2が操作されていないときには方向切換弁3は既述したとおり図1に示す第1位置を取るが、この位置では、第1導管4の下流端はいずれの流路にも接続されず、閉じられた状態にあるので、アキュムレータ31に蓄えられた加圧作動液体は、第1導管4の下流端で留まっている。この状態で、ハンドル2が操作され、方向切換弁3が切り換えられると、第1導管4の下流端で留まっていたアキュムレータ31からの加圧作動液体が、ポンプPから圧送される作動液体に先立って、方向切換弁3の所定の流路に流れ込むことになる。方向切換弁3が図1の第1位置を取っているときにアキュムレータ31の加圧作動液体がプライオリティーバルブPV、ポンプPに向って逆流しないようにするための逆止弁Vを、アキュムレータ31と、プライオリティーバルブPV、ポンプPとの間に設けるのが好ましい。
【0023】
次に、図4を参照して本発明の第2実施形態のフォークリフトを説明する。
図4には本発明の第2実施形態のフォークリフトが全体的に参照番号40で示されている。フォークリフト40もまた、図1及び図2の従来のフォークリフトの構造と共通する部分が多いので、この従来のフォークリフトの構成要素と同じフォークリフト40の構成要素については、従来のフォークリフトの説明に際して使用された参照番号を使用することとし、重複する説明はここでは省略することにする。
【0024】
図1及び図2の従来のフォークリフトでは、ハンドル2が操作されたことをハンドル2の操作によって生じた油圧の変化をプレッシャースイッチ11によって検出し、検出信号をコントローラCに送信していたのに対して、フォークリフト40では、ステアリング操作部又はハンドル操作部に取り付けられた、ハンドル2の操作を直接検出し、検出信号を送信するためのセンサ(図示せず)を設けた点で図1及び図2の従来のフォークリフトと相違する。従って、フォークリフト40では、図1及び図2の従来のフォークリフトにおけるプレッシャースイッチ11及び該プレッシャースイッチ11まで延びる部分の第1導管4が省かれており、構造の簡略化を図ることができる。
【0025】
上述したセンサ(図示せず)からの検出信号41はコントローラCが受信し、コントローラCはモータ駆動信号42をモータMに送信し、モータMはモータ駆動信号に従って制御駆動される。この構造では、ステアリング操作が行われた後に生ずる油圧の変化をプレッシャースイッチ11によって検出するのではなく、ステアリング操作を直接検出し、これが検出されたときにモータMを駆動するようになっているので、ハンドル操作がなされてからパワーステアリング装置1が作動するまでの時間を短縮することができる。
【0026】
上述したセンサ(図示せず)は、例えば、ハンドル2を円形のタイプとした場合、円形ハンドル(図示せず)とステアリングギア(図示せず)とを連結するステアリングシャフト(図示せず)の一方の端部に取り付けられた、ステアリング操作を検出するためのエンコーダ(図示せず)やポテンショメータ(図示せず)によって構成することができる。
【0027】
最後に、図5を参照して本発明の第3実施形態のフォークリフトを説明する。図5には本発明の第3実施形態のフォークリフトが全体的に参照番号50で示されている。フォークリフト50はフォークリフト40の構造とほぼ共通するので、フォークリフト40の構成要素と同じフォークリフト50の構成要素については、フォークリフト40の説明に際して使用された参照番号を使用することとし、重複する説明はここでは省略することにする。
【0028】
フォークリフト40では、図1の従来のフォークリフトと同様に、安全の見地からパワーステアリング装置1への油圧供給を優先させているプライオリティーバルブPVを、フォーク昇降用の油圧ピストン/シリンダユニット20に油圧供給するように、切り換えるのに、既述したように、ポンプPからの油圧を利用していたのに対して、フォークリフト50では、フォーク昇降装置の操作部に取り付けられた、フォーク昇降装置の操作を直接検出し、検出信号を送信するための第2センサ(図示せず)からの信号をコントローラCが受信し、コントローラCからの制御信号に従ってプライオリティーバルブPVを切り換えるアクチュエータを設けた点でフォークリフト40と相違する。
上述した第2センサ(図示せず)からの検出信号51はコントローラCが受信し、コントローラCは制御信号52を、この実施形態ではソレノイドバルブ53からなるアクチュエータに送信し、ソレノイドバルブ53は、この制御信号52に従ってプライオリティーバルブPVを切り換える。
【0029】
詳細には、この実施形態では、プライオリティーバルブPVは、ポンプPからの油圧を、パワーステアリング装置1に供給する(図5に示す)第1位置と、パワーステアリング装置1とフォーク昇降装置20との両方に供給する第2位置と、フォーク昇降装置に供給する第3位置との間で切り換えられるようになっている。また、コントローラCは、ハンドル2の操作を検出する前記センサ(図示せず)、すなわち、第1センサからの検出信号41のみを受信したときには、プライオリティーバルブPVを第1位置に位置させる第1制御信号を、第1センサからの検出信号41及び第2センサからの検出信号51を受信したときには、プライオリティーバルブPVを第2位置に位置させる第2制御信号を、第2センサの検出信号51のみを受信したときには、プライオリティーバルブPVを第3位置に位置させる第3制御信号を、ソレノイドバルブ53に送信するようになっている。ソレノイドバルブ53は、コントローラCからの制御信号41、51に従ってプライオリティーバルブPVを切り換える。
【0030】
この構造では、フォークリフト40におけるプライオリティーバルブPVを切り換えるための管路等が省かれており、図1の従来のフォークリフトに対して更に構造の簡略化を図ることができ、また、プライオリティーバルブPVの切換時間を短縮することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において種々の変更が可能である。
【0031】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明は、ハンドル操作が行われてからステアリングアシスト装置が作動するまでのタイムラグを減じる液圧供給機構を備えた車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パワーステアリング装置及びフォーク昇降装置を駆動するための油圧機構を備えた従来のフォークリフトの概略回路図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】本発明の第1実施形態におけるフォークリフトの油圧機構の概略回路図である。
【図4】本発明の第2実施形態におけるフォークリフトの油圧機構の概略回路図である。
【図5】本発明の第3実施形態におけるフォークリフトの油圧機構の概略回路図である。
【符号の説明】
P ポンプ
M モータ
1 パワーステアリング装置
2 ステアリング(ハンドル)
20 第1の液圧応用機械(フォーク昇降装置)
31 アキュムレータ
Claims (4)
- 作動液体を圧送するための1つのポンプと、該ポンプを駆動するための、バッテリ駆動式の1つのモータとを有する液圧供給機構によって、前記作動液体を第1の液圧応用機械と、第2の液圧応用機械であるパワーステアリング装置とに供給するようになった車両であって、
前記液圧供給機構が、前記ポンプと前記パワーステアリング装置との間に、加圧された前記作動液体を蓄えるアキュムレータを有し、前記車両のステアリングが操作されると、前記パワーステアリング装置に、前記ポンプからの前記作動液体に先立って、前記アキュムレータに蓄えられていた前記作動液体が供給されることを特徴とする、
前記車両。 - 前記液圧供給機構には、前記アキュムレータと前記ポンプとの間に、前記作動流体が前記アキュムレータから前記ポンプに向って流れないようにするための逆止弁が配置されている、請求項1記載の車両。
- 作動液体を圧送するための1つのポンプと、該ポンプを駆動するための、バッテリ駆動式の1つのモータとを有する液圧供給機構によって、前記作動液体を第1の液圧応用機械と、第2の液圧応用機械であるパワーステアリング装置とに供給するようになった車両であって、
前記液圧供給機構が、前記車両のステアリング操作部に取り付けられた、ステアリングの操作を直接検出し、検出信号を送信するためのセンサと、該センサからの検出信号を受信し、モータ駆動信号を送信するためのコントローラとを有し、前記モータが、前記コントローラからの前記モータ駆動信号に従って制御駆動されるようになっていることを特徴とする、
前記車両。 - 作動液体を圧送するための1つのポンプと、該ポンプを駆動するための、バッテリ駆動式の1つのモータとを有する液圧供給機構によって、前記作動液体を第1の液圧応用機械と、第2の液圧応用機械であるパワーステアリング装置とに供給するようになった車両であって、
前記液圧供給機構が方向切換弁を有し、該方向切換弁が、前記ポンプからの油圧を、前記パワーステアリング装置に供給する第1位置と、前記パワーステアリング装置と前記第1の液圧応用機械との両方に供給する第2位置と、前記第1の液圧応用機械に供給する第3位置との間で切り換えられ、
前記液圧供給機構が、
前記車両のステアリング操作部に取り付けられた、ステアリングの操作を直接検出し、検出信号を送信するための第1センサと、
前記車両の前記第1の液圧応用機械の操作部に取り付けられた、前記第1の液圧応用機械の操作を直接検出し、検出信号を送信するための第2センサと、
前記第1センサの前記検出信号、前記第2センサの前記検出信号を受信し、前記第1センサの前記検出信号のみを受信したときには、前記方向切換弁を前記第1位置に位置させる第1制御信号を、前記第1センサの前記検出信号及び前記第2センサの前記検出信号を受信したときには、前記方向切換弁を前記第2位置に位置させる第2制御信号を、前記第2センサの前記検出信号のみを受信したときには、前記方向切換弁を前記第3位置に位置させる第3制御信号を、送信するコントローラと、
前記コントローラからの前記夫々の制御信号に従って、前記方向切換弁を切り換えるアクチュエータとを有することを特徴とする、
前記車両。
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JP2002352773A JP2004182128A (ja) | 2002-12-04 | 2002-12-04 | 液圧供給機構 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2002
- 2002-12-04 JP JP2002352773A patent/JP2004182128A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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