JP2004182107A - 自動車の艤装部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動車の艤装部品の色を簡易にかつ確実に変化させることができるようにする。
【解決手段】紫外光の照射によりある色を呈し、可視光の照射により前記色とは異なる色を呈する性質を有するフォトクロミック分子を1種類以上含む樹脂(11a)と、該樹脂(11a)に可視光を照射する光源(12a)とを備える自動車の艤装部品であって、該樹脂が太陽に含まれる紫外光が照射可能な位置に配置された、異なる光により可逆的に色を変化させることができる自動車の艤装部品、または、紫外光の照射によりある色を呈し、可視光の照射により前記色とは異なる色を呈する性質を有するフォトクロミック分子を1種類以上含む樹脂(11b)と、該樹脂(11b)に可視光を照射する光源(12b)と、該樹脂に紫外光を照射する光源(12b)とを備える、異なる光により可逆的に色を変化させることができる自動車の艤装部品を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】紫外光の照射によりある色を呈し、可視光の照射により前記色とは異なる色を呈する性質を有するフォトクロミック分子を1種類以上含む樹脂(11a)と、該樹脂(11a)に可視光を照射する光源(12a)とを備える自動車の艤装部品であって、該樹脂が太陽に含まれる紫外光が照射可能な位置に配置された、異なる光により可逆的に色を変化させることができる自動車の艤装部品、または、紫外光の照射によりある色を呈し、可視光の照射により前記色とは異なる色を呈する性質を有するフォトクロミック分子を1種類以上含む樹脂(11b)と、該樹脂(11b)に可視光を照射する光源(12b)と、該樹脂に紫外光を照射する光源(12b)とを備える、異なる光により可逆的に色を変化させることができる自動車の艤装部品を提供する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の艤装部品に関し、特に、異なる光により可逆的に色を変化させることができる自動車の艤装部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のデザイン性、機能性等を高める目的で、自動車の艤装部品の色を変化させる技術が知られている。特許文献1には、感光性変色材料を利用した自動車の内装部品に関する技術が記載されており、ここでは、太陽光等による紫外光の有無により自動車の内装部品の色の制御を行っている。しかし、太陽光等による紫外光の有無のみによる色の制御では、紫外光があれば一定の色となり、紫外光がなくなれば別の色になるだけで、使用者の意思によりその色を制御することは困難である。
また、特許文献2には、異方性微粒子を含有する自動車の発光装置に関する技術が記載されている。しかし、この発光装置は、色を制御するために電圧を印加することを必要とする。このため、この技術をもって自動車の発光装置色を制御するためには、現行の自動車がもつ機構を変更し、複雑な装置を設けなければならない。加えて、異方性微粒子では様々な色を発現することができず、本来の目的である自動車の部品の色と車体の色とを調和させることは困難である。
これらの技術はガラスを用いるもので、変色の応答が遅く、また、熱により色が変わるなどの不利益もあった。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−343945号公報
【特許文献2】
実開平5−83733号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、簡易にかつ確実に色を変化させることができる自動車の艤装部品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、紫外光の照射によりある色を呈し、可視光の照射により前記色とは異なる色を呈する性質を有する、可逆的に色が変化するフォトクロミック分子を1種類以上含む樹脂と、該樹脂に可視光を照射する光源とを備え、該樹脂が太陽に含まれる紫外光が照射可能な位置に配置された自動車の艤装部品を提供する。
また、本発明は、紫外光の照射によりある色を呈し、可視光の照射により前記色とは異なる色を呈する性質を有する、可逆的に色が変化するフォトクロミック分子を1種類以上含む樹脂と、該樹脂に可視光を照射する光源と、該樹脂に紫外光を照射する光源とを備える自動車の艤装部品を提供する。
【0006】
フォトクロミック分子とは、紫外光および可視光により可逆的に色が変化する有機分子である。すなわち、フォトクロミック分子とは、紫外光のエネルギーにより構造変化を起こし、基底状態から励起状態に変化し、逆に、可視光のエネルギーにより構造変化を起こし、励起状態から基底状態に変化する性質を有する分子であり、さらに基底状態と励起状態でその色が異なる分子である。多くのフォトクロミック分子は、基底状態のときは無色で、励起状態のときには特定の色を有するが、基底状態のときも特定の色を有し、励起状態の時にはそれとは異なる特定の色を有するものもある。〔Organic Photochromic and Thermochromic Compounds, Vol 2, J. C. Crano and R. J. Guglielmetti (eds.), Kluwer Academic / Plenum Publ, New York, 1999, p.153−166参照〕
【0007】
特に限定されるものではないが、前記フォトクロミック分子は、ジアリールエテン化合物(diarylethenes)と、スピロピラン化合物(spiropyrans)と、フルギド化合物(fulgides)と、ベンゾピラン化合物(benzopyrans)と、ビオローゲン化合物(viologens)とからなる群から選ばれる少なくともひとつを含むことが好ましい。これらの化合物は、紫外光および可視光による色の制御を安定して行うことができる。これらフォトクロミック分子は色や用いる樹脂に応じて選定し用いることができる。
【0008】
また、特に限定されるものではないが、前記樹脂の主成分は、PMMA(ポリメタクリル酸メチル:polymethylmethacylate)と、PC(ポリカーボネート:polycarbonate)(そのアロイ材料を含む)と、PET(ポリエチレンテレフタレート:polyethyleneterephthalate)と、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂:acrylonitrile butadiene styrene copolymer)と、PA(ポリアミド:polyamide)(そのアロイ材料を含む)と、PP(ポリプロピレン:polypropylene)と、PVA(ポリビニルアルコール:polyvinyl alcohol)と、EVOH(エチレンビニルアルコール:ethylene vinyl alcohol)とからなる群から選ばれる少なくとも1つであると好ましい。これらの化合物は、自動車用透明樹脂材料として多用されており、安価で取り扱いが容易である。また、透明樹脂を用いることで、効率的に発色させることができる。特に、PETや、PVA、PA、EVOHは酸素透過性が低いため、これらを用いることでフォトクロミック分子の光酸化による劣化を抑えることが可能となる。これらの化合物は、自動車の艤装部品の種類により選定し用いることができる。
【0009】
特に限定されるものではないが、例えば二軸押出成形機を用いて機械的にフォトクロミック分子を樹脂中に分散させることで、フォトクロミック分子を含む樹脂を得ることができる。また、ジクロロベンゼンやカーボンテトラクロライド等の有機溶剤にフォトクロミック分子を溶解、分散させることで、フォトクロミック分子を含む樹脂を得ることもできる。
このようにして得たフォトクロミック分子を含む樹脂を所定の形状に成形し、またはフィルム状に成形し、このフィルムを所定の部材に貼付することで、紫外光および可視光により可逆的に変色させることができる自動車の艤装部品を得ることができる。
【0010】
なお、可視光を照射する光源または紫外光を照射する光源として、LEDランプ、ハロゲンランプ、Xe(キセノン)ランプ、冷陰極蛍光ランプ、ブラックライト、蛍光灯等が利用できる。
【0011】
以下に詳細に説明するように、本発明によると、光の照射により自動車の艤装部品の色を制御することが可能である。すなわち、紫外光が照射される状況に本発明にかかる艤装部品がおかれると、樹脂に含まれるフォトクロミック分子が励起状態になる。このとき、フォトクロミック分子、ひいては艤装部品は所定の色を呈する。さらに可視光が照射される状況にこの艤装部品がおかれると、樹脂に含まれるフォトクロミック分子が基底状態になる。このとき、フォトクロミック分子、ひいては艤装部品は他の所定の色を呈する。
【0012】
艤装部品を太陽光(紫外光を含む)が照射される場所におくことや、艤装部品がさらに備える紫外光を照射する光源を用いることで、艤装部品に紫外光を照射し、フォトクロミック分子を励起状態にすることができる。また、艤装部品を太陽光が照射されない場所におき、艤装部品が備える可視光を照射する光源を用いることで、艤装部品に可視光を照射し、フォトクロミック分子を基底状態にすることができる。
【0013】
このように本発明によると、光の照射により艤装部品の色の可逆的に変化させることが可能であり、よりデザイン性の高い自動車の艤装部品を提供することができる。なお、可視光用光源を用いて可視光を照射することで、艤装部品の色を迅速に変化させることが可能となる。また、太陽光に含まれる紫外光の照射を利用することにより、別途紫外光用の光源を設ける必要無しに、艤装部品の色の変化させることができる。また、紫外光を照射する光源をさらに備えることで、天候に左右されること無く、確実な色の制御が可能となり、また、太陽光の届かない室内等においても色を変化させることが可能となる。
【0014】
また、本発明の艤装部品は、可視光を照射する光源または紫外光を照射する光源と樹脂との間に、所定の波長の光を除去することができる光学フィルタをさらに備えて構成することもできる。このように、光学フィルタを用いて樹脂に照射する光の波長を制御することで、より効果的に艤装部品の色の変化を制御することができる。特に限定されるものではないが、光学フィルタとして、UVカットフィルタや回折格子と光学スリットの組み合わせが挙げられる。これらについては、以下にさらに説明する。
【0015】
本発明の艤装部品は、光学フィルタがUVカットフィルタであり、樹脂の、可視光を照射する光源から可視光が照射される面にUVカットフィルタをさらに備えてなると好ましい。特に限定されるものではないが、UVカットフィルタとして、ZnO、ベンゾフェノン系化合物、アクリルシリコン系樹脂などを含むフィルム等が利用できる。このようにUVカットフィルタを設けることで、可視光を照射したいときに、光源から照射される光から紫外光を選択的に除去し、可視光のみを艤装部品に照射することが可能となり、色の制御をより確実に行うことができる。
【0016】
また、艤装部品は、光学フィルタが回折格子と光学スリットの組み合わせであってもよい。この場合、該光学スリットを移動させることにより、前記樹脂に照射する光の波長を制御することができる。このように回折格子に光学スリットを組み合わせて設けることで、光源から照射される光から所定の波長の光を選択的に除去することができ、その他の波長の光のみを艤装部品に照射することが可能となる。さらに、光源と樹脂との間に光学スリットを、必要なときは挿入し、必要でないときは取り除くというように、光学スリットを移動させることで、艤装部品に照射する光の波長を思い通りに制御することが可能となり、このため艤装部品の色の制御をより確実に行うことができる。
【0017】
ここで、回折格子と光学スリットの組み合わせは、特定の波長以下の波長の光強度をなくす波長カットのものを用いることができる。例えば、500nmカットの光学スリットとは、500nm以下の波長を実質的に完全にカットするものをいう。また、異なる波長特性の光を通す複数の光学スリットを利用することで、艤装部品に照射する光の波長を、ひいては艤装部品の色をさらに細かくかつ確実に制御することができる。この場合、50nm〜100nm区切りの構造とすると好ましい。例えば、100nm区切りの構造は、400nm以下を99%カットする光学スリット(フィルタでも代用できる)と300nm以下を99%カットする光学スリットとを組み合わせることにより実現することができる。この場合、例えば、発現帯が350nm分子Aと発現帯が290nmの分子Bとの2種類のフォトクロミック分子を用いる場合、これらの光学スリットを組み合わせることにより、色の発現を細かく制御することができる。
【0018】
さらに、回折格子と光学スリットの組み合わせを用いるとき、艤装部品は、可視光を照射する光源と紫外光を照射する光源とが、紫外および可視領域に波長分布を有する同一の光源であり、光学スリットを移動させることにより、樹脂に照射する光の波長を制御してもよい。紫外および可視領域に波長分布を有する光源として、ハロゲンランプ、Xeランプ等が利用できる。
【0019】
回折格子により分光された光を光学スリットに通すことで、所定の波長の光を除去することができる。従って、紫外および可視領域に波長分布を有する光源からの光を、紫外光または可視光のいずれかのみの波長分布を有する光に変換することができる。このように、単一の光源を用いても、光学スリットを利用することで、所定の波長を有する光を選択的に艤装部品に照射し、艤装部品の色を制御することができる。この場合、単一の光源で可視光と紫外光とを照射できるため、設置スペースを削減することができる。
【0020】
また、光学スリットを用いるとき、艤装部品は、複数種類のフォトクロミック分子を含む樹脂を用いることができる。特に、複数種類のフォトクロミック分子を用い、複数の光学スリットにより照射する光の波長を制御することにより、それぞれのフォトクロミック分子が吸収する光の波長や、それぞれの分子の有する色の違いを効果的に利用して、艤装部品の色を制御することができる。このため、艤装部品の発色可能な色の選択性がさらに向上し、艤装部品のデザイン性をさらに向上させることができる。
【0021】
また、前記の可視光を照射する光源と前記紫外光を照射する光源とを、それぞれ波長特性の異なるLEDランプとすることができる。この場合、小型のLEDランプを利用することで配線の自由度が向上するため、ドア等のスペースの少ない場所にも本発明にかかる艤装部品を適用することが可能となる。
【0022】
また、前記樹脂が、色素顔料または染料をさらに含むと好ましい。このように、色素顔料等とフォトクロミック分子を併用することで、艤装部品の発色可能な色の選択性がさらに向上し、艤装部品のデザイン性をさらに向上させることができる。
【0023】
また、前記樹脂が、酸素吸収性を有する鉄系錯体化合物やコバルト系錯体化合物などの酸素吸収剤をさらに含むと好ましい。これらの化合物は酸素吸収性が高いため、これらを用いることでフォトクロミック分子の光酸化による劣化を抑えることが可能となる。
【0024】
また、前記樹脂が、粒状ガラスをさらに含むと好ましい。粒状ガラスの粒径は、好ましくは10〜100μmで、球形を有し、透過率の高いガラス、例えば石英などが望ましい。このような粒状ガラスを用いることで、樹脂のより深い部分にまで光を到達させることが可能となり、より高いフォトクロミック効果を得ることができる。なお、粒状ガラスの形状は特に限定されるものではない。
【0025】
本発明は、透明樹脂材料の使用が可能で、紫外光と可視光の選択的な照射が可能なあらゆる自動車部品に適用できる。特に限定されるものではないが、本発明を適用できる艤装部品として、自動車用ヘッドランプレンズ、ガーニッシュ、インパネセンタ、トリム類等が挙げられる。特に、艤装部品を、前記樹脂を含むヘッドランプレンズを備えるヘッドランプとすると好ましい。ヘッドランプ用の光源の他に別途光源を設ける必要がなく、簡易な構造で光による色変化機能を備えたヘッドランプを提供することができる。
【0026】
以下に、光の照射により自動車の艤装部品の色を制御する機構について、例を挙げて説明する。もっとも、以下の説明で挙げる例は本発明を限定するものではない。
【0027】
[A.自然光を利用する場合]
図1(A)に、自然光を利用して自動車の艤装部品の色を制御する模式図を示す。
この艤装部品は、主要な要素としてフォトクロミック分子が分散した透明樹脂11aと、可視光源12aとを備える。さらに透明樹脂11aは、可視光が照射される面にUVカットフィルム13を備える。可視光源11aは、UVカットフィルム13を通して透明樹脂11aに可視光を照射することができる。
【0028】
この艤装部品は、太陽光が照射される状況におかれると、太陽光に含まれる紫外光により透明樹脂11aに含まれるフォトクロミック分子が励起状態になる。このとき、フォトクロミック分子、ひいては艤装部品は所定の色を有する。さらに、艤装部品に太陽光が照射されない状態で、可視光源により艤装部品に可視光を照射することにより、透明樹脂11aに含まれるフォトクロミック分子を基底状態にすることができる。このとき、フォトクロミック分子、ひいては艤装部品は、異なる色を有する。上述したようにUVカットフィルム13を用いることにより、可視光源から照射される光から紫外光の成分を選択的に除去し、可視光のみを艤装部品に照射することが可能となり、色の制御をより確実に行うことができる。必要に応じて、光を透明樹脂11aの深部に浸透させる目的で、透明樹脂11a中に粒状ガラスを分散させることもできる。
【0029】
[B.人工光源を利用し、波長制御を行う場合]
図1(B)に、人工光源を利用して自動車の艤装部品の色を制御する模式図を示す。
この艤装部品は、主要な要素として複数種類のフォトクロミック分子が分散した透明樹脂11bと、紫外および可視領域の波長の光を照射することができる光源12bとを備える。以下、便宜的に1つの光源12bを用いる場合で説明をするが、紫外光および可視光を透明樹脂に照射することができれば、光源は2つ以上であってもよい。艤装部品は、透明樹脂11bと光源12bとの間に回折格子15と複数の光学スリット14をさらに備える。光源12bからの光は、回折格子15で分光された後、光学スリット14を通して透明樹脂11bに光を照射される。
【0030】
この艤装部品は、光源12bからの光を回折格子15と光学スリット14のいくつかあるスッリトの1つに通すことで、透過する光の波長を紫外領域に限ることができる。このとき、この紫外光により透明樹脂11bに含まれるフォトクロミック分子が励起状態になる。このとき、フォトクロミック分子、ひいては艤装部品は所定の色を有する。さらに、光源12bからの光を同様に分光して光学スリット14の別のスリットに通すことで、透過光の波長を可視領域に限ることができる。光学スリット14の各スリットの開閉は、機械的あるいは液晶などを利用した電気光学的シャッターなどを利用することができる。このとき、この可視光を照射することにより、透明樹脂11bに含まれるフォトクロミック分子を基底状態にすることができる。このとき、フォトクロミック分子、ひいては艤装部品は、異なる色を有する。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。もっとも、以下の本発明に係る実施の形態は本発明を限定するものではない。
【0032】
[第1の実施の形態:ヘッドランプ]
図2に、本発明の第1の実施の形態に係る自動車の艤装部品であるヘッドランプの模式図を示す。
このヘッドランプは、主要な要素としてフォトクロミック分子が分散した透明樹脂からなるヘッドランプレンズ21と、可視光源である自動車用ハロゲンランプ22とを備える。さらにヘッドランプレンズ21は、その内側、すなわち、ハロゲンランプ22から可視光が照射される面にUVカットフィルム23を備える。ハロゲンランプ22は、UVカットフィルム23およびヘッドランプレンズ21を通して車の前方を照らす。フォトクロミック分子は、基底状態、すなわち可視光が照射されているときは透明、励起状態、すなわち紫外光が照射されているときは所定の色を有するものを使用する。
【0033】
夜間等、ヘッドランプに太陽光が照射されない状態で、ハロゲンランプ22を点灯したとき、UVカットフィルム23により紫外光の成分を選択的に除去された光のみがヘッドランプレンズ21に照射される。このとき、ヘッドランプレンズ21に含まれるフォトクロミック分子は、基底状態となり、ヘッドランプは無色となる。この場合、このヘッドランプは、通常のヘッドランプと同様に前方を照らすことができる。しかし、昼間等、ヘッドランプに太陽光が照射される状況では、太陽光に含まれる紫外光によりヘッドランプレンズ21に含まれるフォトクロミック分子が励起状態になり、ヘッドランプは所定の色を有する。
【0034】
このように、第1の実施の形態にかかるヘッドランプによると、夜間等、ヘッドランプを点灯する必要があるときは、通常のヘッドランプとして使用できる。さらにヘッドランプを点灯する必要がないときには、所定の色を呈することで、ヘッドランプを車体全体と統一感のあるデザインとすることができる。
【0035】
[第2の実施の形態:内装部品]
図3(A)に、本発明の第2の実施の形態に係る自動車の艤装部品である内装部品の模式図を示す。
この内装部品は、主要な要素として複数種類のフォトクロミック分子が分散した透明樹脂からなるパネル31aと、可視光を照射するLEDランプ32と、紫外光を照射するLEDランプ33とを備える。フォトクロミック分子は、基底状態、すなわち可視光が照射されているときは透明、励起状態、すなわち紫外光が照射されているときは所定の色を呈するものを使用する。また、透明樹脂はフォトクロミック分子とは異なる所定の色の色素顔料を含む。
【0036】
可視光用LEDランプ32を点灯することで、パネル31a中のフォトクロミック分子は基底状態になり、フォトクロミック分子は透明となる。このとき、このパネル31aは、色素顔料の色を呈する。しかし、可視光用LEDランプ32の代わりに、紫外光用LEDランプ33を点灯すると、パネル31a中のフォトクロミック分子は励起状態となり、フォトクロミック分子は所定の色を呈する。このとき、内装部品は、フォトクロミック分子の色と、色素顔料の色の組み合わせにより所定の色を呈する。
【0037】
このように、第2の実施の形態に係る内装部品によると、可視光用LEDランプ32または紫外光用LEDランプ33のオンオフを制御することだけで、容易に内装部品の色を変化させることができ、車のデザイン性をより高くすることができる。
【0038】
[第3の実施の形態:内装部品]
図3(B)に、本発明の第3の実施の形態に係る自動車の艤装部品である内装部品の模式図を示す。
この内装部品は、主要な要素として2種類のフォトクロミック分子X、Yが分散した透明樹脂からなるパネル31bと、可視光および紫外光を照射するハロゲンランプ34とを備える。また、内装部品は、パネル31bとハロゲンランプ34との間に、回折格子36と複数のスリットを有する光学スリット35をさらに備える。光学スリット35のスリットをいくつかを組み合わせて用いることにより、フォトクロミック分子X、Yを、両方とも基底状態にする、一方を基底状態、他方を励起状態にする、または両方とも励起状態にすることができる。なお、各フォトクロミック分子は、基底状態、すなわち可視光が照射されているとき、および励起状態、すなわち紫外光が照射されているときに、それぞれ所定の色を有するものを使用する。
【0039】
紫外光を除去することができる回折格子36と光学スリット35の組み合わせまたは図示しない光学フィルタを通して、ハロゲンランプ34の光をパネル31bに照射すると、パネル31b中のフォトクロミック分子X、Yはどちらも基底状態になり、フォトクロミック分子は、それぞれ基底状態のときの色を呈する。このとき、この内装部品はフォトクロミック分子X、Yの基底状態における色の組み合わせにより所定の色を呈する。
また、光学スリット35の開放するスリットの組み合わせを変えることで、例えばフォトクロミック分子Xを基底状態に、フォトクロミック分子Yを励起状態にすることができる。このときフォトクロミック分子Xは基底状態の色を、フォトクロミック分子Yは励起状態の色を呈する。このとき、内装部品は、フォトクロミック分子Xの基底状態の色とフォトクロミック分子Yの励起状態の色との組み合わせにより所定の色を呈する。
さらに、光学スリット35の開放するスリットの組み合わせを変えることで、フォトクロミック分子X、Yの両方を励起状態にすることができる。このときフォトクロミック分子X、Yは励起状態の色を呈する。このとき、内装部品は、フォトクロミック分子XおよびYの励起状態の色の組み合わせにより所定の色を呈する。
【0040】
このように、第3の実施の形態に係る内装部品によると、光学スリット35にあるスリットの組み合わせを制御することだけで、容易に内装部品の色を変化させることができ、車のデザイン性をより高くすることができる。
【0041】
【実施例】
以下に、本発明の実験例を説明する。本実験例では、以下のようにフィルム状の試料1〜3を作成し、それらのフォトクロミック効果について試験した。
【0042】
[フィルムサンプル調製方法]
樹脂としてPMMAを用いた。また、フォトクロミック分子として、以下の分子を用いた。
試料1:ビスメチレンコハク酸無水物〔基底状態:無色、励起状態:灰色〕
試料2:2,5−ジメチル−3−フリル基を導入したビスメチレンコハク酸無水物〔基底状態:無色、励起状態:紫色〕
試料3:ジアリールエテン〔基底状態:無色、励起状態:赤みがかった灰色〕
PMMAおよび各フォトクロミック分子を、オルトジクロロメタンに溶かし、溶液を調製した。その際、PMMA:フォトクロミック化合物:オルトジクロロメタン=4:2:94の重量比とした。この溶液を、スライドガラス上に1mL滴下し、80℃のホットプレート上で加熱乾燥することで、フィルム状試料を作製した。
また、各試料1〜3に、さらに粒径数十μmの球形のガラスビーズを3重量%含有させたものも同様に作製した。
【0043】
[試験方法]
作製した各フィルム状試料に、UVランプを用いて紫外光を、または蛍光灯とUVカットフィルタを用いて可視光を、一定時間(5,30,60,120分間)照射した。また、比較のために一部の試料には光を照射しなかった。
その後、紫外可視分光光度計により、フォトクロミック分子の吸光度の変化を測定した(図4参照)。特に、各フォトクロミック分子が紫外光により励起したときに可視領域に現れる、特性吸収波長における吸光度(図4矢印)により、フォトクロミック分子が着色した程度を評価した。表1に、紫外光または可視光を照射した後の各試料の特性吸収波長の吸光度を、紫外光を120分間照射したときの特性吸収波長の吸光度を10として表す。
【0044】
【表1】
【0045】
図4および表1に示すように、いずれの試料も有効なフォトクロミック効果を有した。
【0046】
【発明の効果】
上記したところから明らかなように、本発明によると、簡易にかつ確実に色を変化させることができる自動車の艤装部品が提供され、自動車のデザイン性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)自然光を利用して自動車の艤装部品の色を制御する模式図である。
(B)人工光源を利用して自動車の艤装部品の色を制御する模式図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る自動車の艤装部品であるヘッドランプの模式図である。
【図3】(A)本発明の第2の実施の形態に係る自動車の艤装部品である内装部品の模式図である。
(B)本発明の第3の実施の形態に係る自動車の艤装部品である内装部品の模式図である。
【図4】本発明の実験例における、フォトクロミック分子の吸光度の変化を表すグラフである。
【符号の説明】
11a,b 透明樹脂
12a,b 光源
13 UVカットフィルム
14 光学スリット
15 回折格子
21 ヘッドランプレンズ
22 ハロゲンランプ
23 UVカットフィルム
31a,b パネル
32 可視光用LEDランプ
33 紫外光用LEDランプ
34 ハロゲンランプ
35 光学スリット
36 回折格子
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の艤装部品に関し、特に、異なる光により可逆的に色を変化させることができる自動車の艤装部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のデザイン性、機能性等を高める目的で、自動車の艤装部品の色を変化させる技術が知られている。特許文献1には、感光性変色材料を利用した自動車の内装部品に関する技術が記載されており、ここでは、太陽光等による紫外光の有無により自動車の内装部品の色の制御を行っている。しかし、太陽光等による紫外光の有無のみによる色の制御では、紫外光があれば一定の色となり、紫外光がなくなれば別の色になるだけで、使用者の意思によりその色を制御することは困難である。
また、特許文献2には、異方性微粒子を含有する自動車の発光装置に関する技術が記載されている。しかし、この発光装置は、色を制御するために電圧を印加することを必要とする。このため、この技術をもって自動車の発光装置色を制御するためには、現行の自動車がもつ機構を変更し、複雑な装置を設けなければならない。加えて、異方性微粒子では様々な色を発現することができず、本来の目的である自動車の部品の色と車体の色とを調和させることは困難である。
これらの技術はガラスを用いるもので、変色の応答が遅く、また、熱により色が変わるなどの不利益もあった。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−343945号公報
【特許文献2】
実開平5−83733号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、簡易にかつ確実に色を変化させることができる自動車の艤装部品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、紫外光の照射によりある色を呈し、可視光の照射により前記色とは異なる色を呈する性質を有する、可逆的に色が変化するフォトクロミック分子を1種類以上含む樹脂と、該樹脂に可視光を照射する光源とを備え、該樹脂が太陽に含まれる紫外光が照射可能な位置に配置された自動車の艤装部品を提供する。
また、本発明は、紫外光の照射によりある色を呈し、可視光の照射により前記色とは異なる色を呈する性質を有する、可逆的に色が変化するフォトクロミック分子を1種類以上含む樹脂と、該樹脂に可視光を照射する光源と、該樹脂に紫外光を照射する光源とを備える自動車の艤装部品を提供する。
【0006】
フォトクロミック分子とは、紫外光および可視光により可逆的に色が変化する有機分子である。すなわち、フォトクロミック分子とは、紫外光のエネルギーにより構造変化を起こし、基底状態から励起状態に変化し、逆に、可視光のエネルギーにより構造変化を起こし、励起状態から基底状態に変化する性質を有する分子であり、さらに基底状態と励起状態でその色が異なる分子である。多くのフォトクロミック分子は、基底状態のときは無色で、励起状態のときには特定の色を有するが、基底状態のときも特定の色を有し、励起状態の時にはそれとは異なる特定の色を有するものもある。〔Organic Photochromic and Thermochromic Compounds, Vol 2, J. C. Crano and R. J. Guglielmetti (eds.), Kluwer Academic / Plenum Publ, New York, 1999, p.153−166参照〕
【0007】
特に限定されるものではないが、前記フォトクロミック分子は、ジアリールエテン化合物(diarylethenes)と、スピロピラン化合物(spiropyrans)と、フルギド化合物(fulgides)と、ベンゾピラン化合物(benzopyrans)と、ビオローゲン化合物(viologens)とからなる群から選ばれる少なくともひとつを含むことが好ましい。これらの化合物は、紫外光および可視光による色の制御を安定して行うことができる。これらフォトクロミック分子は色や用いる樹脂に応じて選定し用いることができる。
【0008】
また、特に限定されるものではないが、前記樹脂の主成分は、PMMA(ポリメタクリル酸メチル:polymethylmethacylate)と、PC(ポリカーボネート:polycarbonate)(そのアロイ材料を含む)と、PET(ポリエチレンテレフタレート:polyethyleneterephthalate)と、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂:acrylonitrile butadiene styrene copolymer)と、PA(ポリアミド:polyamide)(そのアロイ材料を含む)と、PP(ポリプロピレン:polypropylene)と、PVA(ポリビニルアルコール:polyvinyl alcohol)と、EVOH(エチレンビニルアルコール:ethylene vinyl alcohol)とからなる群から選ばれる少なくとも1つであると好ましい。これらの化合物は、自動車用透明樹脂材料として多用されており、安価で取り扱いが容易である。また、透明樹脂を用いることで、効率的に発色させることができる。特に、PETや、PVA、PA、EVOHは酸素透過性が低いため、これらを用いることでフォトクロミック分子の光酸化による劣化を抑えることが可能となる。これらの化合物は、自動車の艤装部品の種類により選定し用いることができる。
【0009】
特に限定されるものではないが、例えば二軸押出成形機を用いて機械的にフォトクロミック分子を樹脂中に分散させることで、フォトクロミック分子を含む樹脂を得ることができる。また、ジクロロベンゼンやカーボンテトラクロライド等の有機溶剤にフォトクロミック分子を溶解、分散させることで、フォトクロミック分子を含む樹脂を得ることもできる。
このようにして得たフォトクロミック分子を含む樹脂を所定の形状に成形し、またはフィルム状に成形し、このフィルムを所定の部材に貼付することで、紫外光および可視光により可逆的に変色させることができる自動車の艤装部品を得ることができる。
【0010】
なお、可視光を照射する光源または紫外光を照射する光源として、LEDランプ、ハロゲンランプ、Xe(キセノン)ランプ、冷陰極蛍光ランプ、ブラックライト、蛍光灯等が利用できる。
【0011】
以下に詳細に説明するように、本発明によると、光の照射により自動車の艤装部品の色を制御することが可能である。すなわち、紫外光が照射される状況に本発明にかかる艤装部品がおかれると、樹脂に含まれるフォトクロミック分子が励起状態になる。このとき、フォトクロミック分子、ひいては艤装部品は所定の色を呈する。さらに可視光が照射される状況にこの艤装部品がおかれると、樹脂に含まれるフォトクロミック分子が基底状態になる。このとき、フォトクロミック分子、ひいては艤装部品は他の所定の色を呈する。
【0012】
艤装部品を太陽光(紫外光を含む)が照射される場所におくことや、艤装部品がさらに備える紫外光を照射する光源を用いることで、艤装部品に紫外光を照射し、フォトクロミック分子を励起状態にすることができる。また、艤装部品を太陽光が照射されない場所におき、艤装部品が備える可視光を照射する光源を用いることで、艤装部品に可視光を照射し、フォトクロミック分子を基底状態にすることができる。
【0013】
このように本発明によると、光の照射により艤装部品の色の可逆的に変化させることが可能であり、よりデザイン性の高い自動車の艤装部品を提供することができる。なお、可視光用光源を用いて可視光を照射することで、艤装部品の色を迅速に変化させることが可能となる。また、太陽光に含まれる紫外光の照射を利用することにより、別途紫外光用の光源を設ける必要無しに、艤装部品の色の変化させることができる。また、紫外光を照射する光源をさらに備えることで、天候に左右されること無く、確実な色の制御が可能となり、また、太陽光の届かない室内等においても色を変化させることが可能となる。
【0014】
また、本発明の艤装部品は、可視光を照射する光源または紫外光を照射する光源と樹脂との間に、所定の波長の光を除去することができる光学フィルタをさらに備えて構成することもできる。このように、光学フィルタを用いて樹脂に照射する光の波長を制御することで、より効果的に艤装部品の色の変化を制御することができる。特に限定されるものではないが、光学フィルタとして、UVカットフィルタや回折格子と光学スリットの組み合わせが挙げられる。これらについては、以下にさらに説明する。
【0015】
本発明の艤装部品は、光学フィルタがUVカットフィルタであり、樹脂の、可視光を照射する光源から可視光が照射される面にUVカットフィルタをさらに備えてなると好ましい。特に限定されるものではないが、UVカットフィルタとして、ZnO、ベンゾフェノン系化合物、アクリルシリコン系樹脂などを含むフィルム等が利用できる。このようにUVカットフィルタを設けることで、可視光を照射したいときに、光源から照射される光から紫外光を選択的に除去し、可視光のみを艤装部品に照射することが可能となり、色の制御をより確実に行うことができる。
【0016】
また、艤装部品は、光学フィルタが回折格子と光学スリットの組み合わせであってもよい。この場合、該光学スリットを移動させることにより、前記樹脂に照射する光の波長を制御することができる。このように回折格子に光学スリットを組み合わせて設けることで、光源から照射される光から所定の波長の光を選択的に除去することができ、その他の波長の光のみを艤装部品に照射することが可能となる。さらに、光源と樹脂との間に光学スリットを、必要なときは挿入し、必要でないときは取り除くというように、光学スリットを移動させることで、艤装部品に照射する光の波長を思い通りに制御することが可能となり、このため艤装部品の色の制御をより確実に行うことができる。
【0017】
ここで、回折格子と光学スリットの組み合わせは、特定の波長以下の波長の光強度をなくす波長カットのものを用いることができる。例えば、500nmカットの光学スリットとは、500nm以下の波長を実質的に完全にカットするものをいう。また、異なる波長特性の光を通す複数の光学スリットを利用することで、艤装部品に照射する光の波長を、ひいては艤装部品の色をさらに細かくかつ確実に制御することができる。この場合、50nm〜100nm区切りの構造とすると好ましい。例えば、100nm区切りの構造は、400nm以下を99%カットする光学スリット(フィルタでも代用できる)と300nm以下を99%カットする光学スリットとを組み合わせることにより実現することができる。この場合、例えば、発現帯が350nm分子Aと発現帯が290nmの分子Bとの2種類のフォトクロミック分子を用いる場合、これらの光学スリットを組み合わせることにより、色の発現を細かく制御することができる。
【0018】
さらに、回折格子と光学スリットの組み合わせを用いるとき、艤装部品は、可視光を照射する光源と紫外光を照射する光源とが、紫外および可視領域に波長分布を有する同一の光源であり、光学スリットを移動させることにより、樹脂に照射する光の波長を制御してもよい。紫外および可視領域に波長分布を有する光源として、ハロゲンランプ、Xeランプ等が利用できる。
【0019】
回折格子により分光された光を光学スリットに通すことで、所定の波長の光を除去することができる。従って、紫外および可視領域に波長分布を有する光源からの光を、紫外光または可視光のいずれかのみの波長分布を有する光に変換することができる。このように、単一の光源を用いても、光学スリットを利用することで、所定の波長を有する光を選択的に艤装部品に照射し、艤装部品の色を制御することができる。この場合、単一の光源で可視光と紫外光とを照射できるため、設置スペースを削減することができる。
【0020】
また、光学スリットを用いるとき、艤装部品は、複数種類のフォトクロミック分子を含む樹脂を用いることができる。特に、複数種類のフォトクロミック分子を用い、複数の光学スリットにより照射する光の波長を制御することにより、それぞれのフォトクロミック分子が吸収する光の波長や、それぞれの分子の有する色の違いを効果的に利用して、艤装部品の色を制御することができる。このため、艤装部品の発色可能な色の選択性がさらに向上し、艤装部品のデザイン性をさらに向上させることができる。
【0021】
また、前記の可視光を照射する光源と前記紫外光を照射する光源とを、それぞれ波長特性の異なるLEDランプとすることができる。この場合、小型のLEDランプを利用することで配線の自由度が向上するため、ドア等のスペースの少ない場所にも本発明にかかる艤装部品を適用することが可能となる。
【0022】
また、前記樹脂が、色素顔料または染料をさらに含むと好ましい。このように、色素顔料等とフォトクロミック分子を併用することで、艤装部品の発色可能な色の選択性がさらに向上し、艤装部品のデザイン性をさらに向上させることができる。
【0023】
また、前記樹脂が、酸素吸収性を有する鉄系錯体化合物やコバルト系錯体化合物などの酸素吸収剤をさらに含むと好ましい。これらの化合物は酸素吸収性が高いため、これらを用いることでフォトクロミック分子の光酸化による劣化を抑えることが可能となる。
【0024】
また、前記樹脂が、粒状ガラスをさらに含むと好ましい。粒状ガラスの粒径は、好ましくは10〜100μmで、球形を有し、透過率の高いガラス、例えば石英などが望ましい。このような粒状ガラスを用いることで、樹脂のより深い部分にまで光を到達させることが可能となり、より高いフォトクロミック効果を得ることができる。なお、粒状ガラスの形状は特に限定されるものではない。
【0025】
本発明は、透明樹脂材料の使用が可能で、紫外光と可視光の選択的な照射が可能なあらゆる自動車部品に適用できる。特に限定されるものではないが、本発明を適用できる艤装部品として、自動車用ヘッドランプレンズ、ガーニッシュ、インパネセンタ、トリム類等が挙げられる。特に、艤装部品を、前記樹脂を含むヘッドランプレンズを備えるヘッドランプとすると好ましい。ヘッドランプ用の光源の他に別途光源を設ける必要がなく、簡易な構造で光による色変化機能を備えたヘッドランプを提供することができる。
【0026】
以下に、光の照射により自動車の艤装部品の色を制御する機構について、例を挙げて説明する。もっとも、以下の説明で挙げる例は本発明を限定するものではない。
【0027】
[A.自然光を利用する場合]
図1(A)に、自然光を利用して自動車の艤装部品の色を制御する模式図を示す。
この艤装部品は、主要な要素としてフォトクロミック分子が分散した透明樹脂11aと、可視光源12aとを備える。さらに透明樹脂11aは、可視光が照射される面にUVカットフィルム13を備える。可視光源11aは、UVカットフィルム13を通して透明樹脂11aに可視光を照射することができる。
【0028】
この艤装部品は、太陽光が照射される状況におかれると、太陽光に含まれる紫外光により透明樹脂11aに含まれるフォトクロミック分子が励起状態になる。このとき、フォトクロミック分子、ひいては艤装部品は所定の色を有する。さらに、艤装部品に太陽光が照射されない状態で、可視光源により艤装部品に可視光を照射することにより、透明樹脂11aに含まれるフォトクロミック分子を基底状態にすることができる。このとき、フォトクロミック分子、ひいては艤装部品は、異なる色を有する。上述したようにUVカットフィルム13を用いることにより、可視光源から照射される光から紫外光の成分を選択的に除去し、可視光のみを艤装部品に照射することが可能となり、色の制御をより確実に行うことができる。必要に応じて、光を透明樹脂11aの深部に浸透させる目的で、透明樹脂11a中に粒状ガラスを分散させることもできる。
【0029】
[B.人工光源を利用し、波長制御を行う場合]
図1(B)に、人工光源を利用して自動車の艤装部品の色を制御する模式図を示す。
この艤装部品は、主要な要素として複数種類のフォトクロミック分子が分散した透明樹脂11bと、紫外および可視領域の波長の光を照射することができる光源12bとを備える。以下、便宜的に1つの光源12bを用いる場合で説明をするが、紫外光および可視光を透明樹脂に照射することができれば、光源は2つ以上であってもよい。艤装部品は、透明樹脂11bと光源12bとの間に回折格子15と複数の光学スリット14をさらに備える。光源12bからの光は、回折格子15で分光された後、光学スリット14を通して透明樹脂11bに光を照射される。
【0030】
この艤装部品は、光源12bからの光を回折格子15と光学スリット14のいくつかあるスッリトの1つに通すことで、透過する光の波長を紫外領域に限ることができる。このとき、この紫外光により透明樹脂11bに含まれるフォトクロミック分子が励起状態になる。このとき、フォトクロミック分子、ひいては艤装部品は所定の色を有する。さらに、光源12bからの光を同様に分光して光学スリット14の別のスリットに通すことで、透過光の波長を可視領域に限ることができる。光学スリット14の各スリットの開閉は、機械的あるいは液晶などを利用した電気光学的シャッターなどを利用することができる。このとき、この可視光を照射することにより、透明樹脂11bに含まれるフォトクロミック分子を基底状態にすることができる。このとき、フォトクロミック分子、ひいては艤装部品は、異なる色を有する。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。もっとも、以下の本発明に係る実施の形態は本発明を限定するものではない。
【0032】
[第1の実施の形態:ヘッドランプ]
図2に、本発明の第1の実施の形態に係る自動車の艤装部品であるヘッドランプの模式図を示す。
このヘッドランプは、主要な要素としてフォトクロミック分子が分散した透明樹脂からなるヘッドランプレンズ21と、可視光源である自動車用ハロゲンランプ22とを備える。さらにヘッドランプレンズ21は、その内側、すなわち、ハロゲンランプ22から可視光が照射される面にUVカットフィルム23を備える。ハロゲンランプ22は、UVカットフィルム23およびヘッドランプレンズ21を通して車の前方を照らす。フォトクロミック分子は、基底状態、すなわち可視光が照射されているときは透明、励起状態、すなわち紫外光が照射されているときは所定の色を有するものを使用する。
【0033】
夜間等、ヘッドランプに太陽光が照射されない状態で、ハロゲンランプ22を点灯したとき、UVカットフィルム23により紫外光の成分を選択的に除去された光のみがヘッドランプレンズ21に照射される。このとき、ヘッドランプレンズ21に含まれるフォトクロミック分子は、基底状態となり、ヘッドランプは無色となる。この場合、このヘッドランプは、通常のヘッドランプと同様に前方を照らすことができる。しかし、昼間等、ヘッドランプに太陽光が照射される状況では、太陽光に含まれる紫外光によりヘッドランプレンズ21に含まれるフォトクロミック分子が励起状態になり、ヘッドランプは所定の色を有する。
【0034】
このように、第1の実施の形態にかかるヘッドランプによると、夜間等、ヘッドランプを点灯する必要があるときは、通常のヘッドランプとして使用できる。さらにヘッドランプを点灯する必要がないときには、所定の色を呈することで、ヘッドランプを車体全体と統一感のあるデザインとすることができる。
【0035】
[第2の実施の形態:内装部品]
図3(A)に、本発明の第2の実施の形態に係る自動車の艤装部品である内装部品の模式図を示す。
この内装部品は、主要な要素として複数種類のフォトクロミック分子が分散した透明樹脂からなるパネル31aと、可視光を照射するLEDランプ32と、紫外光を照射するLEDランプ33とを備える。フォトクロミック分子は、基底状態、すなわち可視光が照射されているときは透明、励起状態、すなわち紫外光が照射されているときは所定の色を呈するものを使用する。また、透明樹脂はフォトクロミック分子とは異なる所定の色の色素顔料を含む。
【0036】
可視光用LEDランプ32を点灯することで、パネル31a中のフォトクロミック分子は基底状態になり、フォトクロミック分子は透明となる。このとき、このパネル31aは、色素顔料の色を呈する。しかし、可視光用LEDランプ32の代わりに、紫外光用LEDランプ33を点灯すると、パネル31a中のフォトクロミック分子は励起状態となり、フォトクロミック分子は所定の色を呈する。このとき、内装部品は、フォトクロミック分子の色と、色素顔料の色の組み合わせにより所定の色を呈する。
【0037】
このように、第2の実施の形態に係る内装部品によると、可視光用LEDランプ32または紫外光用LEDランプ33のオンオフを制御することだけで、容易に内装部品の色を変化させることができ、車のデザイン性をより高くすることができる。
【0038】
[第3の実施の形態:内装部品]
図3(B)に、本発明の第3の実施の形態に係る自動車の艤装部品である内装部品の模式図を示す。
この内装部品は、主要な要素として2種類のフォトクロミック分子X、Yが分散した透明樹脂からなるパネル31bと、可視光および紫外光を照射するハロゲンランプ34とを備える。また、内装部品は、パネル31bとハロゲンランプ34との間に、回折格子36と複数のスリットを有する光学スリット35をさらに備える。光学スリット35のスリットをいくつかを組み合わせて用いることにより、フォトクロミック分子X、Yを、両方とも基底状態にする、一方を基底状態、他方を励起状態にする、または両方とも励起状態にすることができる。なお、各フォトクロミック分子は、基底状態、すなわち可視光が照射されているとき、および励起状態、すなわち紫外光が照射されているときに、それぞれ所定の色を有するものを使用する。
【0039】
紫外光を除去することができる回折格子36と光学スリット35の組み合わせまたは図示しない光学フィルタを通して、ハロゲンランプ34の光をパネル31bに照射すると、パネル31b中のフォトクロミック分子X、Yはどちらも基底状態になり、フォトクロミック分子は、それぞれ基底状態のときの色を呈する。このとき、この内装部品はフォトクロミック分子X、Yの基底状態における色の組み合わせにより所定の色を呈する。
また、光学スリット35の開放するスリットの組み合わせを変えることで、例えばフォトクロミック分子Xを基底状態に、フォトクロミック分子Yを励起状態にすることができる。このときフォトクロミック分子Xは基底状態の色を、フォトクロミック分子Yは励起状態の色を呈する。このとき、内装部品は、フォトクロミック分子Xの基底状態の色とフォトクロミック分子Yの励起状態の色との組み合わせにより所定の色を呈する。
さらに、光学スリット35の開放するスリットの組み合わせを変えることで、フォトクロミック分子X、Yの両方を励起状態にすることができる。このときフォトクロミック分子X、Yは励起状態の色を呈する。このとき、内装部品は、フォトクロミック分子XおよびYの励起状態の色の組み合わせにより所定の色を呈する。
【0040】
このように、第3の実施の形態に係る内装部品によると、光学スリット35にあるスリットの組み合わせを制御することだけで、容易に内装部品の色を変化させることができ、車のデザイン性をより高くすることができる。
【0041】
【実施例】
以下に、本発明の実験例を説明する。本実験例では、以下のようにフィルム状の試料1〜3を作成し、それらのフォトクロミック効果について試験した。
【0042】
[フィルムサンプル調製方法]
樹脂としてPMMAを用いた。また、フォトクロミック分子として、以下の分子を用いた。
試料1:ビスメチレンコハク酸無水物〔基底状態:無色、励起状態:灰色〕
試料2:2,5−ジメチル−3−フリル基を導入したビスメチレンコハク酸無水物〔基底状態:無色、励起状態:紫色〕
試料3:ジアリールエテン〔基底状態:無色、励起状態:赤みがかった灰色〕
PMMAおよび各フォトクロミック分子を、オルトジクロロメタンに溶かし、溶液を調製した。その際、PMMA:フォトクロミック化合物:オルトジクロロメタン=4:2:94の重量比とした。この溶液を、スライドガラス上に1mL滴下し、80℃のホットプレート上で加熱乾燥することで、フィルム状試料を作製した。
また、各試料1〜3に、さらに粒径数十μmの球形のガラスビーズを3重量%含有させたものも同様に作製した。
【0043】
[試験方法]
作製した各フィルム状試料に、UVランプを用いて紫外光を、または蛍光灯とUVカットフィルタを用いて可視光を、一定時間(5,30,60,120分間)照射した。また、比較のために一部の試料には光を照射しなかった。
その後、紫外可視分光光度計により、フォトクロミック分子の吸光度の変化を測定した(図4参照)。特に、各フォトクロミック分子が紫外光により励起したときに可視領域に現れる、特性吸収波長における吸光度(図4矢印)により、フォトクロミック分子が着色した程度を評価した。表1に、紫外光または可視光を照射した後の各試料の特性吸収波長の吸光度を、紫外光を120分間照射したときの特性吸収波長の吸光度を10として表す。
【0044】
【表1】
【0045】
図4および表1に示すように、いずれの試料も有効なフォトクロミック効果を有した。
【0046】
【発明の効果】
上記したところから明らかなように、本発明によると、簡易にかつ確実に色を変化させることができる自動車の艤装部品が提供され、自動車のデザイン性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)自然光を利用して自動車の艤装部品の色を制御する模式図である。
(B)人工光源を利用して自動車の艤装部品の色を制御する模式図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る自動車の艤装部品であるヘッドランプの模式図である。
【図3】(A)本発明の第2の実施の形態に係る自動車の艤装部品である内装部品の模式図である。
(B)本発明の第3の実施の形態に係る自動車の艤装部品である内装部品の模式図である。
【図4】本発明の実験例における、フォトクロミック分子の吸光度の変化を表すグラフである。
【符号の説明】
11a,b 透明樹脂
12a,b 光源
13 UVカットフィルム
14 光学スリット
15 回折格子
21 ヘッドランプレンズ
22 ハロゲンランプ
23 UVカットフィルム
31a,b パネル
32 可視光用LEDランプ
33 紫外光用LEDランプ
34 ハロゲンランプ
35 光学スリット
36 回折格子
Claims (14)
- 紫外光の照射によりある色を呈し、可視光の照射により前記色とは異なる色を呈する性質を有する、可逆的に色が変化するフォトクロミック分子を1種類以上含む樹脂と、
該樹脂に可視光を照射する光源とを備え、
該樹脂が太陽に含まれる紫外光が照射可能な位置に配置された自動車の艤装部品。 - 紫外光の照射によりある色を呈し、可視光の照射により前記色とは異なる色を呈する性質を有する、可逆的に色が変化するフォトクロミック分子を1種類以上含む樹脂と、
該樹脂に可視光を照射する光源と、
該樹脂に紫外光を照射する光源と
を備える自動車の艤装部品。 - 前記フォトクロミック分子が、ジアリールエテン化合物と、スピロピラン化合物と、フルギド化合物と、ベンゾピラン化合物と、ビオローゲン化合物とからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む請求項1または2に記載の艤装部品。
- 前記樹脂の主成分が、PMMAと、PCと、PETと、ABSと、PAと、PPと、PVAと、EVOHとからなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項1または2に記載の艤装部品。
- 前記樹脂の主成分が、PETと、PVAと、PAと、EVOHとからなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項1または請求項2に記載の艤装部品。
- 前記可視光を照射する光源または前記紫外光を照射する光源と前記樹脂との間に、所定の波長の光を除去することができる光学フィルタをさら備えてなる請求項1または2に記載の艤装部品。
- 前記光学フィルタがUVカットフィルタであり、前記樹脂の、前記可視光を照射する光源から可視光が照射される面に該UVカットフィルタをさらに備えてなる請求項6に記載の艤装部品。
- 前記光学フィルタが回折格子と光学スリットの組み合わせであり、該光学スリットを移動させることにより、前記樹脂に照射する光の波長を制御することができる請求項6に記載の艤装部品。
- 前記可視光を照射する光源と前記紫外光を照射する光源とが、紫外および可視領域に波長分布を有する同一の光源であり、
前記光学スリットを移動させることにより、前記樹脂に照射する光の波長を制御することができる請求項8に記載の艤装部品。 - 前記可視光を照射する光源と前記紫外光を照射する光源とが、それぞれ波長特性の異なるLEDランプである請求項2に記載の艤装部品。
- 前記樹脂が、色素顔料または染料をさらに含む請求項1または請求項2に記載の艤装部品。
- 前記樹脂が、酸素吸収剤をさらに含む請求項1または請求項2に記載の艤装部品。
- 前記樹脂が、粒状ガラスをさらに含む請求項1または請求項2に記載の艤装部品。
- 前記樹脂を含むヘッドランプレンズを備える請求項1または2に記載の艤装部品であるヘッドランプ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8497639B2 (en) | 2008-08-07 | 2013-07-30 | Koninklijke Philips N.V. | Lighting device with dynamic light effects |
CN114326245A (zh) * | 2022-01-06 | 2022-04-12 | 岚图汽车科技有限公司 | 一种音乐律动电致变色车窗玻璃调节系统 |
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2002
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CN114326245B (zh) * | 2022-01-06 | 2023-07-21 | 岚图汽车科技有限公司 | 一种音乐律动电致变色车窗玻璃调节系统 |
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