JP2004181853A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プリンタ装置非稼動状態で本体サイズのコンパクト化を図る。給紙トレイ上の記録メディア及び本体内部のインク・記録ヘッドを保護する。
【解決手段】非稼動時のプリンタ装置において、排紙トレイを移動させ、給紙トレイの上部に装着できるようにすることにより給紙トレイ上の記録メディアを積層したまま保護・保存可能である。また、プリンタ装置の非稼動時における総設置面積を排紙トレイの分だけ大幅に減少させることが可能となる。給紙トレイ部材を移動させた後の本体排紙口及び本体給紙口はそれぞれカバーされる機構を持ち、本体内部に格納されている記録ヘッドやインクタンクなどを保護・保管することもできる。
【選択図】 図1
【解決手段】非稼動時のプリンタ装置において、排紙トレイを移動させ、給紙トレイの上部に装着できるようにすることにより給紙トレイ上の記録メディアを積層したまま保護・保存可能である。また、プリンタ装置の非稼動時における総設置面積を排紙トレイの分だけ大幅に減少させることが可能となる。給紙トレイ部材を移動させた後の本体排紙口及び本体給紙口はそれぞれカバーされる機構を持ち、本体内部に格納されている記録ヘッドやインクタンクなどを保護・保管することもできる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプリントデータを用いてプリントを行うプリンタ装置に係わり、特に印刷物を保持するための排紙トレイを装備したプリンタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータがオフィスのみならず家庭にも普及しており、プリンタ装置もオフィスや家庭のパーソナルコンピュータに1対1で接続するようなパーソナルユースのものが注目されている。このようにパーソナルユースを主体としたプリンタ装置は、各個人のデスクや家庭に配置されるので、比較的小型であることが必要である。しかしながらユーザーが使用する記録用紙サイズ自体の大きさ、幅の制限もあるし、記録エンジン部分を無理に小型化すると、その性能自体が下がり、コストが上がることにもなるため限界はある。一方、このようなプリンタ装置はLANに接続したネットワークプリンタと比べて使用頻度が極端に少ない場合が多い。そこで、単に配置スペースが小さいばかりでなく、プリンタ装置を使用しないときには必要でない排紙トレイなどの突起物を取り外すかまたは本体部分に収納すると、装置本体のサイズをコンパクト化できるようになる。また、プリンタ装置の給紙口および排紙口部分は通常本体外部に対して開いており、装置内部のプリント機構、例えばインクジェットプリンタならば記録ヘッドや用紙搬送系などに対して、外気中に存在する埃・湿気等が入り込むことによって、ノズル詰まり、動作不良につながる可能性が懸念され、これはプリンタ装置自体の寿命を左右すると言っても過言ではない。そこで、以下に挙げるようなプリンタ不使用時に装置開口部を塞げる機構を持ったプリンタ装置が開発されている。一方、本体給紙トレイ上に積層された未記録用紙に関しても同様に、外部環境にさらされているため、湿気を吸ってカールする、埃がついた状態で印字されその部分が白抜けする、光・オゾンが照射することによって黄変し記録媒体としての機能が低下するといった問題があった。これに対しても以下、特開平09−254493号に示されたような給紙カセット方式が考えられている。しかし、このような給紙カセットを持たないプリンタでは不使用時のプリント装置から取り除いて袋に入れるなどしなければ、湿気・埃・光・オゾンなどによって劣化してしまうことになる。
【0003】
セイコー・エプソンの例(商品名:PM−780C)
図5のようなプリント装置では、排紙トレイが本体前面・排紙口部分の保護カバーの役割を担い、かつコンパクトな収納を可能にしている。給紙トレイも取り外すことができ装置不使用時のコンパクト化が可能であるが、邪魔になる・紛失しやすいという弊害もあると言える。
【0004】
富士ゼロックスの例(商品名:Jet Wind E40)
図6のようなプリント装置では、装置不使用時に給紙トレイを折りたたみ、給紙口をふさぐことで装置内部への埃などの進入を防ぐことができる。排紙トレイは引出し方式になっており、装置全体をコンパクトに収納できる。しかしながら給紙トレイに積層されていた用紙は取り除いて他の場所に保管しなければならず、次回使用時にまたセットするという手間がかかる。
【0005】
特開平09−254493号公報(富士ゼロックス)
図7は、特開平09−254493号公報で提案されたプリンタ装置の構成を表したものである。このプリンタ装置では給紙カセットを用紙が積層された状態のままで取り外し、装置本体上部の凹部に収納することができる。このとき積層されている用紙を吸湿させずに保存でき、さらに装置本体上部をほぼ平坦にできることにより書物等の他のものを載置できるような構成になっている。排紙トレイは回転させて排紙口を塞ぐように装置本体に収納される。しかしながらこのプリンタ装置は上部に給紙カセットを収容できるような大面積を必要とするため、本体を給紙カセットの面積よりコンパクトにすることはできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで図5、図6では給・排紙トレイがそれぞれ装置本体に収納できるような構造になっており、不使用時のコンパクト化が可能である。しかし、印刷待ち状態で給紙トレイに積層されていた用紙は、装置不使用時に放置しておくと大気・湿気・光・埃等にさらされることで変色や変質、変形、汚れるなどしてしまう。従って、給紙トレイから用紙を取り除き、元の袋に戻すなどして、保存しなければならないことが多い。
【0007】
本発明の目的は、以下▲1▼〜▲3▼について達成することである。
【0008】
▲1▼プリンタ装置非稼動状態で本体サイズのコンパクト化を図るために、プリンタ非稼動時の排紙トレイ部材はプリンタ装置本体と共に収納する
つまり、プリンタ装置本体の稼動時設置面積をSm、排紙トレイ部材(〜記録用紙面積相当)の設置面積をSr、静止(収納)時に装置が占める設置面積Ssとする。Ss(≧Sm−Sr)を減らすために、排紙トレイ部材を移動可能にし、Ss/Smを大きく減少させる。
【0009】
▲2▼給紙トレイ上に積層された状態の記録メディアは、プリンタ非稼動時に放置すると、大気中の埃が積もって表面が汚れる、ゴミが付着してその上から記録すると白抜けする、湿気を吸いカールして記録中に記録ヘッドと接触すると記録ヘッドを傷める、オゾン・光によって酸化・黄変すると記録しようとする画像を形成できない、等の問題が発生する。
【0010】
そこで不透明、または透明でも有害な光を遮断できるような素材で構成された排紙トレイ部材を移動させて、給紙トレイと密閉できる機構をもったカバーとして利用可能にすることで、給紙トレイ上に積層されたままの記録待ち記録メディアを湿気・埃・オゾン・光などから保護する。
【0011】
▲3▼プリンタ装置は、給紙口及び排紙口において外部環境と通じている。ところが装置内部に設置されているインクタンク、記録ヘッド、記録メディア搬送系等は外部から給排紙口からの侵入が考えられるゴミ・埃・湿気によってインク蒸発、インク固着、搬送能力低下等の問題を引き起こす可能性がある。つまり、給排紙口を常に外部に開いておくことはプリンタ装置の寿命を縮める原因となる。
そこで、排紙トレイ部材を給紙トレイのカバーとして利用するとき、排紙口及び給紙口もそれぞれ密閉される機構を持たせることができるので、プリンタ装置内部にあるインク・記録ヘッドを外部の湿気・埃・オゾン・光などから保護する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項記載の発明では、(イ)用紙を積載して収容しておける給紙トレイと、(ロ)装置使用時には排紙トレイとして機能し、装置不使用時には給紙トレイを覆うように装着できる部材と、(ハ)内部に給紙トレイから供給される用紙でプリントを行う機構を配置した装置本体とをプリンタ装置に具備させる。
【0013】
すなわち請求項記載の発明では、装置不使用時に排紙トレイを移動させて、用紙を積層した給紙トレイ及び本体給排紙口のカバーとして用いることにより、湿気・光・オゾン・埃などから用紙及び本体内部の記録ヘッドを保護でき、かつ装置全体としては使用時に比べてコンパクトにできる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0015】
(実施例1)
図1は本発明の一実施例におけるプリンタ装置の使用可能状態を表したものである。排紙トレイ部材34は装置本体51から取り外し可能であり、プリンタ装置不使用時には図2のように給紙トレイ54上側に装着することができる。このとき、給紙トレイ上に積層されていた記録メディア91はそのまま置いておくことができ、排紙トレイ部材34のカバーによって埃などによる汚れを防止できる。
さらに、図1〜4の排紙トレイ部材34を不透明または透明でも有害な光を遮断できるような材料で構成する。これによりプリンタ装置51不使用時において、給紙トレイに積層された記録用紙のカバーとなる部材は不透明なので光を通さず、積層された記録用紙91が黄変するのを防止する。
【0016】
また、プリンタ装置51不使用時において、図1〜4の排紙トレイ部材34を給紙トレイ54に装着するとき、それらの両部材の装着境界面にゴムパッキンなどの処理を施すことによって、給紙トレイ54に積載された用紙91は湿気を含んだ外気から完全に遮断され、吸湿してカールし、記録中に記録ヘッドを擦り損傷するのを防ぐことができる。同様にして、給紙トレイ54に積載された用紙91はオゾンを含んだ外気から完全に遮断され、オゾンによって酸化・黄変するのを防止できる。
【0017】
(実施例2)
図3、図4は本発明の実施例のひとつである。プリンタ装置不使用時において、排紙トレイ部材34は、装置本体51内部のプリンタ使用時に記録媒体が通過する経路を逆方向に移動し、給紙トレイ54上部にスライドさせることができる。このとき経路上にある用紙押え等は記録媒体の厚さが大きい場合と同様に上方向に避け、記録ヘッドはホームポジション側に退避しているので問題ない。これにより給紙トレイ上に積層されていた用紙91はそのまま置いておくことができ、排紙トレイ部材34によるカバーで埃などによる汚れを防止できる。
【0018】
プリンタ非稼動時→キャリッジはホームポジション→用紙搬送系が紙間を広げる要領で上(下)に移動→排紙トレイが定位置から移動 本体内部を用紙が通るのと逆方向に移動し、給紙トレイ上部出る→排紙トレイによる、給紙トレイ上の用紙保護(本体開口部の蓋も伴う)
【0019】
(実施例3)
図1〜4の排紙トレイ部材34を給紙トレイ部材54に装着するとき内部にできる記録待ちメディア91積層用空間において、互いに対面する平面同士または一方の底面が引き付け合う方向に変位する機構を備えることによって、給紙トレイ上に積載された用紙91の上部に残された空間を最小にし、本体移動時等、装置に振動が加わるときでも用紙どうしが擦れる、ずれる、折れ曲がるなどして損傷するのを防ぐことができる。
【0020】
図1〜4の排紙トレイ部材34を給紙トレイ部材54に装着するとき内部にできる記録待ちメディア積層用空間91において、互いに対面する平面同士または一方の底面が引き付け合う方向に変位する機構を備え、かつ本体給排紙口35、53を外気から完全に遮断するような機構を持たせることによって、給紙トレイ54上に積載された用紙91の上部に残された空間を最小にし、かつ大気中の湿気を取り込ませないので、記録待ちの用紙91が空気中の水分を吸湿してカールし、記録中に記録ヘッドを擦り損傷するのを防ぐことができる。
【0021】
ここで言うトレイ同士が引き付け合う機構とは、トレイ部材が二重の平面材料で構成され、その間にバネがはいっているようなもの。または、各トレイの対面する面が磁気的に引き付け合うなど。
【0022】
(その他の実施例1)
図1〜4の排紙トレイ部材34を給紙トレイ部材54に装着した状態、または排紙トレイ位置に装着されておらず取り外されたような状態ではプリンタ装置51の電源スイッチが入らないようにすることにより、排紙トレイ34の準備をしないままプリントを行い、記録後の記録用紙91が落下し折れ曲がる等損傷することを防ぐことができる。
【0023】
逆に、電源OFF時や、タイマーで長時間使用されなかったと判断した時、USB等I/Fでホストが切断されていると推定される時、停電など電気が切れた時、などプリンタ装置が不使用であると判断した場合、プリンタが自動で排紙トレイ部材34が給紙トレイ部材54上部に装着されるように変形する機能を持たせる。
【0024】
例えば電源OFFスイッチを押下ると、前記機構に従い排紙トレイが給紙側に移動してから電源が切れる。
【0025】
(その他の実施例2)
請求項に示したような保持機能によって、図1〜4の給紙トレイ部材54に装着した状態で装置上面または前面に向かう排紙トレイ部材34裏面に、記録用紙、写真等を装着できるので、不使用時のプリンタ装置51に一般的な写真立てのようなディスプレイ機能を与える。
【0026】
同様に、図1〜4でプリンタ装置不使用時において、給紙トレイ部材54上部に装着した状態の排紙トレイ部材34の裏面にOHPシート、CD−R等の特にインクの乾燥時間を要するような印字物を印字後に装着できるようにし、インクが完全に乾燥するまで置いておくことができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように請求項記載の発明によれば、プリンタ装置不使用時に排紙トレイまたはそれと一体となっている部材を移動させて給紙トレイの上部を覆うことができる形状にしており、排紙トレイと給紙トレイに囲まれた空間には用紙を積層したまま、装置の占有面積をおさえることができる。
【0028】
不使用時の装置をコンパクトにするために取り外した状態で、邪魔になる・紛失しやすいなど問題を持っていた排紙トレイを給紙トレイの上部に被せて用紙カバーとして、待機していた用紙をそのままの状態で保存することができる。給紙トレイ上に積層された用紙は排紙トレイ部材のカバーによって外部の湿気・埃・オゾン・光などから遮断できるので変質・変色などしない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるプリンタ装置の使用可能状態を表した図である。
【図2】本発明の一実施例におけるプリンタ装置の不使用状態を表した図である。
【図3】本発明の一実施例におけるプリンタ装置の使用可能状態における断面図である。
【図4】本発明の一実施例におけるプリンタ装置の不使用状態における断面図である。
【図5】PM−780C排紙トレイを排紙口の保護を兼ねてコンパクトに装置本体に収納できる。
【図6】Jet Wind E40給紙トレイを給紙口の保護を兼ねてコンパクトに装置本体に収納できる。
【図7】特開平9−254493不使用時の給紙カセットをプリンタ装置本体上部に収容、用紙の保護・本体装置コンパクト化・装置上部に物を載置することができる。
【符号の説明】
34 排紙トレイ部材
35、53 プリンタ装置本体開口部(給紙口、排紙口)
51 プリンタ装置
52 プリンタ装置本体
54 給紙トレイ
91 記録メディア
【発明の属する技術分野】
本発明はプリントデータを用いてプリントを行うプリンタ装置に係わり、特に印刷物を保持するための排紙トレイを装備したプリンタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータがオフィスのみならず家庭にも普及しており、プリンタ装置もオフィスや家庭のパーソナルコンピュータに1対1で接続するようなパーソナルユースのものが注目されている。このようにパーソナルユースを主体としたプリンタ装置は、各個人のデスクや家庭に配置されるので、比較的小型であることが必要である。しかしながらユーザーが使用する記録用紙サイズ自体の大きさ、幅の制限もあるし、記録エンジン部分を無理に小型化すると、その性能自体が下がり、コストが上がることにもなるため限界はある。一方、このようなプリンタ装置はLANに接続したネットワークプリンタと比べて使用頻度が極端に少ない場合が多い。そこで、単に配置スペースが小さいばかりでなく、プリンタ装置を使用しないときには必要でない排紙トレイなどの突起物を取り外すかまたは本体部分に収納すると、装置本体のサイズをコンパクト化できるようになる。また、プリンタ装置の給紙口および排紙口部分は通常本体外部に対して開いており、装置内部のプリント機構、例えばインクジェットプリンタならば記録ヘッドや用紙搬送系などに対して、外気中に存在する埃・湿気等が入り込むことによって、ノズル詰まり、動作不良につながる可能性が懸念され、これはプリンタ装置自体の寿命を左右すると言っても過言ではない。そこで、以下に挙げるようなプリンタ不使用時に装置開口部を塞げる機構を持ったプリンタ装置が開発されている。一方、本体給紙トレイ上に積層された未記録用紙に関しても同様に、外部環境にさらされているため、湿気を吸ってカールする、埃がついた状態で印字されその部分が白抜けする、光・オゾンが照射することによって黄変し記録媒体としての機能が低下するといった問題があった。これに対しても以下、特開平09−254493号に示されたような給紙カセット方式が考えられている。しかし、このような給紙カセットを持たないプリンタでは不使用時のプリント装置から取り除いて袋に入れるなどしなければ、湿気・埃・光・オゾンなどによって劣化してしまうことになる。
【0003】
セイコー・エプソンの例(商品名:PM−780C)
図5のようなプリント装置では、排紙トレイが本体前面・排紙口部分の保護カバーの役割を担い、かつコンパクトな収納を可能にしている。給紙トレイも取り外すことができ装置不使用時のコンパクト化が可能であるが、邪魔になる・紛失しやすいという弊害もあると言える。
【0004】
富士ゼロックスの例(商品名:Jet Wind E40)
図6のようなプリント装置では、装置不使用時に給紙トレイを折りたたみ、給紙口をふさぐことで装置内部への埃などの進入を防ぐことができる。排紙トレイは引出し方式になっており、装置全体をコンパクトに収納できる。しかしながら給紙トレイに積層されていた用紙は取り除いて他の場所に保管しなければならず、次回使用時にまたセットするという手間がかかる。
【0005】
特開平09−254493号公報(富士ゼロックス)
図7は、特開平09−254493号公報で提案されたプリンタ装置の構成を表したものである。このプリンタ装置では給紙カセットを用紙が積層された状態のままで取り外し、装置本体上部の凹部に収納することができる。このとき積層されている用紙を吸湿させずに保存でき、さらに装置本体上部をほぼ平坦にできることにより書物等の他のものを載置できるような構成になっている。排紙トレイは回転させて排紙口を塞ぐように装置本体に収納される。しかしながらこのプリンタ装置は上部に給紙カセットを収容できるような大面積を必要とするため、本体を給紙カセットの面積よりコンパクトにすることはできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで図5、図6では給・排紙トレイがそれぞれ装置本体に収納できるような構造になっており、不使用時のコンパクト化が可能である。しかし、印刷待ち状態で給紙トレイに積層されていた用紙は、装置不使用時に放置しておくと大気・湿気・光・埃等にさらされることで変色や変質、変形、汚れるなどしてしまう。従って、給紙トレイから用紙を取り除き、元の袋に戻すなどして、保存しなければならないことが多い。
【0007】
本発明の目的は、以下▲1▼〜▲3▼について達成することである。
【0008】
▲1▼プリンタ装置非稼動状態で本体サイズのコンパクト化を図るために、プリンタ非稼動時の排紙トレイ部材はプリンタ装置本体と共に収納する
つまり、プリンタ装置本体の稼動時設置面積をSm、排紙トレイ部材(〜記録用紙面積相当)の設置面積をSr、静止(収納)時に装置が占める設置面積Ssとする。Ss(≧Sm−Sr)を減らすために、排紙トレイ部材を移動可能にし、Ss/Smを大きく減少させる。
【0009】
▲2▼給紙トレイ上に積層された状態の記録メディアは、プリンタ非稼動時に放置すると、大気中の埃が積もって表面が汚れる、ゴミが付着してその上から記録すると白抜けする、湿気を吸いカールして記録中に記録ヘッドと接触すると記録ヘッドを傷める、オゾン・光によって酸化・黄変すると記録しようとする画像を形成できない、等の問題が発生する。
【0010】
そこで不透明、または透明でも有害な光を遮断できるような素材で構成された排紙トレイ部材を移動させて、給紙トレイと密閉できる機構をもったカバーとして利用可能にすることで、給紙トレイ上に積層されたままの記録待ち記録メディアを湿気・埃・オゾン・光などから保護する。
【0011】
▲3▼プリンタ装置は、給紙口及び排紙口において外部環境と通じている。ところが装置内部に設置されているインクタンク、記録ヘッド、記録メディア搬送系等は外部から給排紙口からの侵入が考えられるゴミ・埃・湿気によってインク蒸発、インク固着、搬送能力低下等の問題を引き起こす可能性がある。つまり、給排紙口を常に外部に開いておくことはプリンタ装置の寿命を縮める原因となる。
そこで、排紙トレイ部材を給紙トレイのカバーとして利用するとき、排紙口及び給紙口もそれぞれ密閉される機構を持たせることができるので、プリンタ装置内部にあるインク・記録ヘッドを外部の湿気・埃・オゾン・光などから保護する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項記載の発明では、(イ)用紙を積載して収容しておける給紙トレイと、(ロ)装置使用時には排紙トレイとして機能し、装置不使用時には給紙トレイを覆うように装着できる部材と、(ハ)内部に給紙トレイから供給される用紙でプリントを行う機構を配置した装置本体とをプリンタ装置に具備させる。
【0013】
すなわち請求項記載の発明では、装置不使用時に排紙トレイを移動させて、用紙を積層した給紙トレイ及び本体給排紙口のカバーとして用いることにより、湿気・光・オゾン・埃などから用紙及び本体内部の記録ヘッドを保護でき、かつ装置全体としては使用時に比べてコンパクトにできる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0015】
(実施例1)
図1は本発明の一実施例におけるプリンタ装置の使用可能状態を表したものである。排紙トレイ部材34は装置本体51から取り外し可能であり、プリンタ装置不使用時には図2のように給紙トレイ54上側に装着することができる。このとき、給紙トレイ上に積層されていた記録メディア91はそのまま置いておくことができ、排紙トレイ部材34のカバーによって埃などによる汚れを防止できる。
さらに、図1〜4の排紙トレイ部材34を不透明または透明でも有害な光を遮断できるような材料で構成する。これによりプリンタ装置51不使用時において、給紙トレイに積層された記録用紙のカバーとなる部材は不透明なので光を通さず、積層された記録用紙91が黄変するのを防止する。
【0016】
また、プリンタ装置51不使用時において、図1〜4の排紙トレイ部材34を給紙トレイ54に装着するとき、それらの両部材の装着境界面にゴムパッキンなどの処理を施すことによって、給紙トレイ54に積載された用紙91は湿気を含んだ外気から完全に遮断され、吸湿してカールし、記録中に記録ヘッドを擦り損傷するのを防ぐことができる。同様にして、給紙トレイ54に積載された用紙91はオゾンを含んだ外気から完全に遮断され、オゾンによって酸化・黄変するのを防止できる。
【0017】
(実施例2)
図3、図4は本発明の実施例のひとつである。プリンタ装置不使用時において、排紙トレイ部材34は、装置本体51内部のプリンタ使用時に記録媒体が通過する経路を逆方向に移動し、給紙トレイ54上部にスライドさせることができる。このとき経路上にある用紙押え等は記録媒体の厚さが大きい場合と同様に上方向に避け、記録ヘッドはホームポジション側に退避しているので問題ない。これにより給紙トレイ上に積層されていた用紙91はそのまま置いておくことができ、排紙トレイ部材34によるカバーで埃などによる汚れを防止できる。
【0018】
プリンタ非稼動時→キャリッジはホームポジション→用紙搬送系が紙間を広げる要領で上(下)に移動→排紙トレイが定位置から移動 本体内部を用紙が通るのと逆方向に移動し、給紙トレイ上部出る→排紙トレイによる、給紙トレイ上の用紙保護(本体開口部の蓋も伴う)
【0019】
(実施例3)
図1〜4の排紙トレイ部材34を給紙トレイ部材54に装着するとき内部にできる記録待ちメディア91積層用空間において、互いに対面する平面同士または一方の底面が引き付け合う方向に変位する機構を備えることによって、給紙トレイ上に積載された用紙91の上部に残された空間を最小にし、本体移動時等、装置に振動が加わるときでも用紙どうしが擦れる、ずれる、折れ曲がるなどして損傷するのを防ぐことができる。
【0020】
図1〜4の排紙トレイ部材34を給紙トレイ部材54に装着するとき内部にできる記録待ちメディア積層用空間91において、互いに対面する平面同士または一方の底面が引き付け合う方向に変位する機構を備え、かつ本体給排紙口35、53を外気から完全に遮断するような機構を持たせることによって、給紙トレイ54上に積載された用紙91の上部に残された空間を最小にし、かつ大気中の湿気を取り込ませないので、記録待ちの用紙91が空気中の水分を吸湿してカールし、記録中に記録ヘッドを擦り損傷するのを防ぐことができる。
【0021】
ここで言うトレイ同士が引き付け合う機構とは、トレイ部材が二重の平面材料で構成され、その間にバネがはいっているようなもの。または、各トレイの対面する面が磁気的に引き付け合うなど。
【0022】
(その他の実施例1)
図1〜4の排紙トレイ部材34を給紙トレイ部材54に装着した状態、または排紙トレイ位置に装着されておらず取り外されたような状態ではプリンタ装置51の電源スイッチが入らないようにすることにより、排紙トレイ34の準備をしないままプリントを行い、記録後の記録用紙91が落下し折れ曲がる等損傷することを防ぐことができる。
【0023】
逆に、電源OFF時や、タイマーで長時間使用されなかったと判断した時、USB等I/Fでホストが切断されていると推定される時、停電など電気が切れた時、などプリンタ装置が不使用であると判断した場合、プリンタが自動で排紙トレイ部材34が給紙トレイ部材54上部に装着されるように変形する機能を持たせる。
【0024】
例えば電源OFFスイッチを押下ると、前記機構に従い排紙トレイが給紙側に移動してから電源が切れる。
【0025】
(その他の実施例2)
請求項に示したような保持機能によって、図1〜4の給紙トレイ部材54に装着した状態で装置上面または前面に向かう排紙トレイ部材34裏面に、記録用紙、写真等を装着できるので、不使用時のプリンタ装置51に一般的な写真立てのようなディスプレイ機能を与える。
【0026】
同様に、図1〜4でプリンタ装置不使用時において、給紙トレイ部材54上部に装着した状態の排紙トレイ部材34の裏面にOHPシート、CD−R等の特にインクの乾燥時間を要するような印字物を印字後に装着できるようにし、インクが完全に乾燥するまで置いておくことができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように請求項記載の発明によれば、プリンタ装置不使用時に排紙トレイまたはそれと一体となっている部材を移動させて給紙トレイの上部を覆うことができる形状にしており、排紙トレイと給紙トレイに囲まれた空間には用紙を積層したまま、装置の占有面積をおさえることができる。
【0028】
不使用時の装置をコンパクトにするために取り外した状態で、邪魔になる・紛失しやすいなど問題を持っていた排紙トレイを給紙トレイの上部に被せて用紙カバーとして、待機していた用紙をそのままの状態で保存することができる。給紙トレイ上に積層された用紙は排紙トレイ部材のカバーによって外部の湿気・埃・オゾン・光などから遮断できるので変質・変色などしない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるプリンタ装置の使用可能状態を表した図である。
【図2】本発明の一実施例におけるプリンタ装置の不使用状態を表した図である。
【図3】本発明の一実施例におけるプリンタ装置の使用可能状態における断面図である。
【図4】本発明の一実施例におけるプリンタ装置の不使用状態における断面図である。
【図5】PM−780C排紙トレイを排紙口の保護を兼ねてコンパクトに装置本体に収納できる。
【図6】Jet Wind E40給紙トレイを給紙口の保護を兼ねてコンパクトに装置本体に収納できる。
【図7】特開平9−254493不使用時の給紙カセットをプリンタ装置本体上部に収容、用紙の保護・本体装置コンパクト化・装置上部に物を載置することができる。
【符号の説明】
34 排紙トレイ部材
35、53 プリンタ装置本体開口部(給紙口、排紙口)
51 プリンタ装置
52 プリンタ装置本体
54 給紙トレイ
91 記録メディア
Claims (6)
- 用紙を積層して収容するための給紙トレイと、給紙トレイのカバーとして装着できる機構及び通常は排紙トレイの機能を持つ部材と、内部に給紙トレイから供給される用紙にプリントを行う機構を配置した装置本体とを具備することを特徴とするプリンタ装置。
- 請求項1のプリンタ装置において、排紙トレイ部材はこれを本体から取り外すことなく、装置内部を用紙と逆方向に通過させる等の手段をもって給紙トレイ側に移動し、給紙待ち記録用紙を保護するカバーとして利用することが可能であるプリンタ装置。
- 前記排紙トレイ部材が不透明素材であることによって、排紙トレーカバーとしたときに積層された記録用紙を光による変色・変質から保護することが可能であるプリンタ装置。
- 前記請求項1のプリンタ装置において、給紙トレイ側カバーとして装着された状態の排紙トレイ部材が、記録済みの記録媒体を保持できる機構を持つことを特徴とするプリンタ装置。
- 前記請求項1のプリンタ装置は、電源OFF押下された等自動で不使用状態と判断したとき、排紙トレイを通常位置から自動で給紙側に移動し、記録待ち用紙のカバーをする機能を持ったプリンタ装置。
- 前記請求項1のプリンタ装置は、電源OFF押下された等自動で不使用状態と判断したとき、排紙トレイを通常位置から給紙側に移動していないとエラー表示、警告ブザー等を発生させる機能を持ったプリンタ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002353375A JP2004181853A (ja) | 2002-12-05 | 2002-12-05 | インクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002353375A JP2004181853A (ja) | 2002-12-05 | 2002-12-05 | インクジェット記録装置 |
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JP2004181853A true JP2004181853A (ja) | 2004-07-02 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7251451B2 (en) | 2005-01-20 | 2007-07-31 | Funai Electric Co., Ltd. | Printer having output tray |
JP2008303041A (ja) * | 2007-06-08 | 2008-12-18 | Canon Electronics Inc | シート状部材搬送装置 |
EP2899031A1 (en) | 2014-01-24 | 2015-07-29 | Funai Electric Co., Ltd. | Printer |
-
2002
- 2002-12-05 JP JP2002353375A patent/JP2004181853A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008303041A (ja) * | 2007-06-08 | 2008-12-18 | Canon Electronics Inc | シート状部材搬送装置 |
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