JP2004181840A - シングル押出用スクリューと同スクリューを用いたマルチフィラメントの製造方法。 - Google Patents

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Abstract

【課題】主体となる樹脂原料に混入されるマスターバッチを均一に分散させることできると同時に、回転数を上げても過度な発熱を抑制することができ、樹脂の変質と色斑などのない紡糸又は成形を可能とする樹脂の押出用スクリューと、同スクリューを使ったポリプロピレン繊維の安定した製造方法を提供する。
【解決手段】シングルスクリュー方式の押出用のスクリュー構造に関し、軸線方向に、材料供給ゾーン(A) 、可塑化ゾーン(B) 、計量ゾーン(C) 及びミキシングゾーン(D) が順次配されており、前記可塑化ゾーン(B) がダブルフライト構造を有するとともに、前記ミキシングゾーン(D) が直列的に近接して配された2〜3つのフルート溝付バリア(D1,D2) 構造を有している。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融紡糸、射出成形等の押出用スクリューに関し、特に顔料などを配合した樹脂製品から色斑等を実質的に排除し得るとともに安定した押出しを可能とする押出用スクリューに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンやポリエチレンなどのオレフィン系樹脂、その他のナイロン樹脂やアクリル樹脂、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂は、各種の紡糸機や成形機を使って、各種の繊維に紡糸され、或いは各種成形品に成形される。この紡糸や成形時に、例えばポリプロピレンなどのように難染性材料に対して着色し、或いは成形品に諸機能を付与するときは、予め繊維原料や成形樹脂原料と同種の樹脂にアゾ系などの顔料や酸化チタンなどの無機フィラーを添加してペレット状のマスターバッチをつくり、これを紡糸機や押出機に投入して原料樹脂ペレットに混入させ、紡糸や成形を行うことが多い。
【0003】
従来、前記無機フィラーの分散不良が製膜性の安定性に大きく影響し、特に厚さ50μm以下の薄いフィルムの成形では僅かな分散不良があったとしても膜割れやフィッシュ・アイを発生させるため、無機フィラーの添加量を5重量%以下としていた。一方、厚さ50μ以下のフィルムの分野でも無機フィラーの高添加フィルムの要求があるとして、例えば特開平8−244095号公報では、スクリューを1本だけ使うシングル押出機において、吐出量などの能力を落とさず、またスクリュー回転数を上げても比較的樹脂温度の発熱を抑え、しかも膜割れやフィッシュ・アイを発生しない樹脂の押出方法を提案している。この公報によれば、フィードゾーン、コンプレッションゾーン、メータリングゾーンからなる押出用スクリューにおいて、メータリングゾーンに2つのフルート溝付バリアを間隔をおいて配している。因みに、同公報では前記2つからなるフルート溝付バリアの間隔をスクリュー径比値で2から6の範囲に規定している。
【0004】
また、例えば特開2001−150474号公報は、成形サイクルの短縮を図りながら、ポリプロピレン系樹脂にマスターバッチを良好に分散させ、色斑のない射出成形品を得ることができる射出成形方法を開示している。この公報によれば、ダブルフライトスクリューを備える射出成形機を使用するとともに、溶融開始温度が150〜160℃で、かつ220〜240℃における溶融粘度が260ポイズ以下のマスターバッチを使用するというものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−244095号公報
【特許文献2】
特開2001−150474号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、特許文献1に開示された押出方法は、メータリングゾーン内にスクリューの径比値で2〜6となる間隔をおいてフルート溝付バリアを2つ配するものであるが、各フルート溝付バリア間にもシングルフライトスクリューからなるメータリングゾーンが存在するばかりでなく、押出方向の最後に配されたフルート溝付バリアの先端側にも更にシングルフライトスクリューからなるメータリングゾーンを有している。すなわち、この特許文献1のスクリュー構造によれば、シングルフライトからなるメータリングゾーンの中間に所要の間隔をあけて2つのフルート溝付バリアを設けており、このメータリングゾーンの前段に配されたダブルフライトゾーンにおいて一定の粘度とされた溶融樹脂は、メータリングゾーンのシングルフライトスクリューにより、マスターバッチをその流れ方向に沿って均一化に分散したのち、前記フルート溝付バリアにおいて前記分散を樹脂の流れ方向と直交する方向に均一化している。
【0007】
しかるに、この特許文献1の押出方法によれば、ダブルフライトゾーンに導入された粘度が一律となった溶融樹脂は、メータリングゾーンの最初のシングルフライトスクリュー部分でマスターバッチの分散を樹脂の流れ方向に均一化したのち、フルート溝付バリアでその流れ方向と直交する方向に均一に分散させたものを、更に流れ方向の分散とその流れ方向に直交する方向の分散を繰り返して行っているが、所要の長さに規定された押出用スクリューの限られたメータリングゾーンにおいて、分散のための前記繰り返し操作は、折角分散されたものを再び一部に集めてしまいかねないばかりでなく、1回の分散操作が短いため全体的に分散を均一化するには不十分なものとなり、不完全な分散結果が得やすく、他のゾーンにおけるスクリュー構造や樹脂の溶融条件などに適正な選択がなされないかぎり、色斑等を完全に払拭することは難しい。
【0008】
一方、特許文献2に開示された射出成形方法はダブルスクリュー方式の成形方法であって、そこに使われるスクリューが単にダブルフライトから構成されているとしても、これをシングルスクリュー方式の押出用として用いる場合には、仮にマスターバッチの溶融開始温度や溶融粘度が上述の値に設定されても、到底色斑を払拭することは不可能である。
【0009】
本発明は、上述の課題を解決すべくなされたものであり、その具体的な目的は好適なシングルスクリュー方式の押出用のスクリュー構造を開発して、主体となる樹脂原料に混入されるマスターバッチを均一に分散させることできると同時に、回転数を上げても過度な発熱を抑制することができ、樹脂の変質と色斑などのない紡糸又は成形を可能とする樹脂の押出用スクリューと、同スクリューを使ったポリプロピレン繊維の安定した製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
前述の目的を達成するため、本発明の押出用スクリューは、軸線方向に、材料供給ゾーン、可塑化ゾーン、計量ゾーン及びミキシングゾーンが順次配され、前記可塑化ゾーンがダブルフライトから構成され、前記ミキシングゾーンが直列的に近接して配された2〜3つのフルート溝付バリアから構成されてなることを特徴としている。
【0011】
本発明にあっても、上記材料供給ゾーン及び計量ゾーンには、通常のシングルフライト構造が採用されている。材料供給ゾーンと計量ゾーンとの間の可塑化ゾーンにはダブルフライト構造が採用される。前記計量ゾーンの下流側にはミキシングゾーンである2〜3つのフルート溝付バリアが配される。材料供給ゾーンには、主体となる樹脂材料と、前記樹脂材料と同系の樹脂材料に所要量の顔料や無機質フィラーが混入されたマスターバッチとがそれぞれペレット状で投入され、投入された固形状の樹脂材料を加熱して軟化溶融させるとともに主体となる樹脂材料とマスターバッチとを適度に分散させながらダブルフライト構造からる可塑化ゾーンへと移送する。
【0012】
可塑化ゾーンのダブルフライト構造としては、上記特許文献1に記載された同一高さをもつ2本のフライトを平行にして螺旋状に連設した構造や、特許文献2に記載された主フライトと同主フライトよりも螺旋角度が大きく且つシリンダー間のクリアランスも大きい副フライトとを、異なるピッチで交差部を有して連設した構造を採用することができるが、好適には主フライトに沿って一体化したシリンダー間のクリアランスが大きく且つランド部が広い副フライトが連設されたダブルフライト構造が採用できる。
【0013】
ダブルフライト構造を有する可塑化ゾーンでは、材料供給ゾーンにて溶融された樹脂材料とマスターバッチが混練圧縮されて粘度が均一化される。こうして粘度が均一化された溶融樹脂は次のメータリングゾーンに入り、そこでマスターバッチを樹脂の流れ方向に均一に分散させるとともに、定量の溶融樹脂を前方のフルート溝付バリアへと送りだす。このフルート溝付バリアは、上記特許文献1に記載されたものと実質的に同一の構造を有しており、従って本発明にあっても単独のフルート溝付バリアの機能は特許文献1に開示された機能と実質的に変わるところがない。
【0014】
フルート溝付バリアの構造を簡単に説明すると、円柱状本体の周面に、その軸線に平行に延びる複数本の樹脂流動溝が形成されており、隣接する2本の樹脂流動溝を1単位として、一方の溝の樹脂導入側を開口させるとともに、他方の溝の樹脂導出側を開口させ、一方の溝の樹脂導出側を閉塞させるとともに、他方の溝の樹脂導入側を閉塞させている。更に、一方の溝と他方の溝との中間に配されるフライト部分のクリアランスを、各溝の外側のフライト部分のクリアランスよりも大きくして、一方の溝に導入された溶融樹脂を中間のフライト部分を乗り越えさせて他方の溝へと導入し、他方の溝から軸線方向へと送りだす。
【0015】
前記クリアランスを乗り越えるときに受ける剪断応力によって、マスターバッチの軸線方向と直交する方向の分散性を均一化する。このフルート溝付バリアを2〜3度通すことにより、更にその分散を均一化する。すなわち、本発明にあっては、計量ゾーンとミキシングゾーンとを分離して順次配するようにしているため、計量ゾーンにて樹脂流れ方向のマスターバッチの分散性を十分に均一化したのち、続くミキシングゾーンにて樹脂流れ方向と直交するマスターバッチの分散性を十分に均一化して、マスターバッチを樹脂全体にわたって均等に分散させるようにしている。その結果、紡糸され、或いは成形される繊維や成形品に、例えば色斑の発生をなくした高品質の製品が得られる。前記フルート溝付バリアをスクリューの最後に配しているため、同時に過度の温度上昇を避けることが可能となり、材質にも変化を来すことなく、安定した連続押出しが実現できる。
【0016】
このような構造を備えた本発明に係る押出用スクリューは、特に繊維方向に色斑が生じやすい各種の合成繊維の溶融紡糸に好適である。その代表的な繊維が難染性のポリプロピレン繊維であり、例えば着色ポリプロピレン繊維からなるマルチフィラメントを製造する場合には、ポリプロピレン樹脂を原料樹脂として、そこに顔料を添加したマスターバッチを配合して押出機に投入し、上述の構成を備えた押出用スクリューで押出しながら、ギヤポンプを介して多数の紡糸孔をもつ紡糸口金から吐出し、着色されたマルチフィラメント糸を引き取る。その後、常法に従って延伸したのち油剤等を付与して巻取機に巻き取る。
【0017】
なお、本発明に係る上記押出用スクリューは、何もポリプロピレン繊維に限らず、他の合成繊維の溶融紡糸にも当然に適用でき、更には多様な種類の熱可塑性樹脂を使った各種の成形品の製造にも適用できる。また、前記押出用スクリュー構造の、各ゾーンの長さやフライトの高さ、螺旋状のフライトのピッチなどは、製造しようとする製品により任意に設計可能であり、必ずしも限定されない。
【0018】
【発明の実施形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図面を参照しながら具体的に説明する。図1〜図3は、本発明のスクリューの一構造例を示している。
本発明のスクリューSの基本構造は、スクリューSの基端部から先端に向けて材料供給ゾーンA、ダブルフライト構造を有する可塑化ゾーンB、計量ゾーンC及びフルート溝付バリア構造を有するミキシングゾーンDの4つのゾーンに分かれている。
【0019】
本実施形態にあっては、材料供給ゾーンA及び計量ゾーンCのスクリュー構造としてシングルフライト構造を採用し、材料供給ゾーンAの螺旋溝の深さを大きく取って固形状の樹脂材料の溶融を促進させると共に、その前方への輸送を確実ならしめている。一方の計量ゾーンCに配されるシングルフライト構造の螺旋溝の深さは材料供給ゾーンAにおけるそれよりも浅くされ、その溝底と図示せぬバレルとの間にの間隙を狭めて溶融樹脂に対する圧縮力を大きくして、前方へと輸送する。このとき、前記圧縮力による輸送効率の増加とフライトによる剪断力が作用して、樹脂原料に添加されたマスターバッチの樹脂輸送方向における分散性を向上させる。
【0020】
前記材料供給ゾーンAと計量ゾーンCとの間に配される上記可塑化ゾーンBはダブルフライト構造を備えている。本実施形態におけるダブルフライト構造として、一条の第1の螺旋状フライトC1の前面側の側面に所定の幅をもつランド部C2を介して第2の螺旋状フライトC3が一体に連続して形成されている。勿論、かかる構造に限定されるものではない。前記第1の螺旋状フライトC1、ランド部C2及び第2の螺旋状フライトC3と図示せぬシリンダー内面との間のクリアランスは、ランド部C2、第2の螺旋状フライトC3、第1の螺旋状フライトC1の順に小さくされている。この可塑化ゾーンBでは、溶融した樹脂材料がランド部C2で圧縮され、その一部が第2の螺旋状フライトC3を越えて、大きな圧縮力と剪断力とが繰り返されて混練と可塑化が十分になされ、樹脂粘度が均一化される。
【0021】
この可塑化ゾーンBを通過した溶融樹脂は続いて計量ゾーンCに入り、上述のように、樹脂原料に添加されたマスターバッチの樹脂輸送方向における分散性を向上させる。こうして一方向の分散性が向上された溶融樹脂は、続くフルート溝付バリア構造を有するミキシングゾーンDに導入される。図2は、同ミキシングゾーンDに直列的に近接して配される前後2つのフルート溝付バリアD1,D2の展開図である。
【0022】
このフルート溝付バリアD1,D2は同一構造を備えている。従って、ここではそのうちの1つについて説明する。図1及び図2から理解できるように、本実施形態にあっては、円柱状本体10の周面に軸線に平行な樹脂流動溝11,12が、その周方向に総計12本、都合6組の樹脂流動溝12,13が形成されている。隣接する2本の樹脂流動溝11,12が一組となって、導入される溶融樹脂を下流側へと輸送する。この一対一組の樹脂流動溝11,12のうち、一方の樹脂流動溝11の上流側端部は開放されているが、その下流側端部は端部フライト13により閉塞されており、隣接する他方の樹脂流動溝12の上流側端部が端部フライト14により閉塞され、その下流側端部は開放されている。また、一対一組のおり樹脂流動溝11,12の間に形成される中間フライト15は、組ごとに樹脂流動溝11,12を区画する外側フライト16,17の背より低く設定され、同外側フライト16,17と前記端部フライト13,14と図示せぬシリンダー内面とのクリアランスは殆ど零に近い。
【0023】
いま、隣接する一対の樹脂流動溝11,12のうち一方の溝12に導入された溶融樹脂の一部は、スクリューの回転とともに隣接する他方の溝13に両溝間の中間フライト15を乗り越えて輸送される。このとき、溶融樹脂には溝方向に平行な剪断力が働き、同時に圧縮されながら樹脂輸送方向に直交する方向に十分な混練がなされるため、溶融樹脂に混入されているマスターバッチも更に細分化される。このあと、溶融樹脂は他方の溝13を通って第1のフルート溝付バリアD1から導出され、隣接する第2のフルート溝付バリアD2へと導入される。そこでも同様の作用を繰り返し受けて、溶融樹脂に混入するマスターバッチを樹脂輸送方向(スクリュー軸線方向)と直交する方向に十分に分散させて均一化する。ここでは、溶融樹脂は前後2つのフルート溝付バリアD1,D2によりマスターバッチが徐々に分散されるため、樹脂自体の発熱が抑制され、樹脂材料の過熱による変質をもたらすこともない。
【0024】
次に、上記構成を備えた本発明の押出用スクリューSを使った着色ポリプロピレン繊維の製造方法を、具体的な実施例について比較例とともに具体的に説明する。ここで、得られた着色ポリプロピレン繊維の色振れ評価は次のようにして行った。
【0025】
<色振れ評価方法>
得られた糸条を靴下編みしたもの(編地)を、グレタグ・マクベス社の分光光度計CE7000Aを用い、D65光源、10°視野でL*a*b*を測定した。サンプル編地1枚につ100回測定を行い、その平均値を各サンプル編地のL*a*b*とした。更に、サンプル編地50枚の前記L*a*b*の平均値を求め、それを各パラメータの標準値として、各サンプル編地について標準値に対する下記の式から求められるΔE値が0.5未満の出現率を求め、その出現率が95%以上を「良好である」と評価した。
ΔE=(L*+a*+b*1/2
【0026】
(実施例1)
メルトフローレート(MFR)30g/10分のポリプロピレン10重量部に対し、アゾ系顔料(Lake Red C)1wt%を含む顔料マスターバッチ1重量部の割合で押出機に投入した。
材料供給ゾーンAの溶融開始温度を220℃、ミキシングゾーンDのフルート溝付バリアを2つ連設して、その温度を240℃に設定し、図1に示す構造を備えた本発明の押出用スクリューを用い、15kg/時間で96個の紡糸孔を有する紡糸口金より吐出し、引取り速度600m/分で引き取ったのち、一旦巻き取った。その後、一旦巻き取った糸条を、延伸倍率4倍で延伸し巻き取り、200dtexとした。計量ゾーンCの温度は熱電対により測定を行った。その結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
Figure 2004181840
【0028】
この実施例1によれば、色振れ評価は98.3%と高く、色斑の極めて少ない良質の繊維が得られた。
【0029】
(実施例2)
ミキシングゾーンDにフルート溝付バリアを3つ連設した以外は、実施例1と同様の押出用スクリューを用い、紡糸条件を実施例1と同様として着色ポリプロピレン繊維糸条を得た。その結果を表1に示す。この実施例2でも、色振れ評価は97.5%と高く、色斑の極めて少ない良質の繊維が得られた。
【0030】
(比較例1)
可塑化ゾーンBをダブルフライト構造とせずにシングルフライトとし、ミキシングゾーンDからフルート溝付バリアを排除した以外は実施例1と同様の押出用スクリューを用い、実施例1と同一の紡糸条件で着色ポリプロピレン繊維糸条を得た。その結果を表1に示す。この比較例1では、色振れ評価は76.5%と色斑が極めて多く実用には供しがたい製品となった。
【0031】
(比較例2)
ミキシングゾーンDからフルート溝付バリアを排除した以外は実施例1と同様の押出用スクリューを用い、実施例1と同一の紡糸条件で着色ポリプロピレン繊維糸条を得た。その結果を表1に示す。この比較例2では、色振れ評価は84.3%と色斑が多く実用には供しがたい製品であった。
【0032】
(比較例3)
ミキシングゾーンDのフルート溝付バリアを1つとした以外は実施例1と同様の押出用スクリューを用い、実施例1と同一の紡糸条件で着色ポリプロピレン繊維糸条を得た。その結果を表1に示す。この比較例3では、色振れ評価は86.2%と95%には未だ遠く、色斑が多く見られ、やはり実用には供しがたい製品であった。
【0033】
(比較例4)
ミキシングゾーンDのフルート溝付バリアを4つとした以外は実施例1と同様の押出用スクリューを用い、実施例1と同一の紡糸条件で着色ポリプロピレン繊維糸条を得た。その結果を表1に示す。この比較例4では、糸条が変色しており評価の対象外となった。
【0034】
以上のことから、この種のシングル押出機にあっては、可塑化ゾーンにダブルフライト構造を採用するとともに、ミキシングゾーンには2〜3つのフルート溝付バリアを配することが、樹脂材料に添加される顔料や無機質フィラーなどの分散が均一化されるため有効であり、特にフルート溝付バリアが4つ以上になると樹脂温度の制御が難しく材質を変化させてしまうため、極力避ける必要があることが理解できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の押出用スクリューの一構造例を示す側面図である。
【図2】本発明の押出用スクリューの末端部に配されるフルート溝付バリアの展開図である。
【符号の説明】
10 円柱状本体
11,12 樹脂流動溝
13,14 端部フライト
15 中間フライト
16,17 外側フライト
S 押出用スクリュー
A 材料供給ゾーン
B 可塑化ゾーン
C 計量ゾーン
D ミキシングゾーン
D1,D2 フルート溝付バリア

Claims (3)

  1. 軸線方向に、材料供給ゾーン、可塑化ゾーン、計量ゾーン及びミキシングゾーンが順次配され、
    前記可塑化ゾーンがダブルフライト構造を有し、
    前記ミキシングゾーンが直列的に近接して配された2〜3つのフルート溝付バリア構造を有してなる、
    ことを特徴とするシングル押出用スクリュー。
  2. 請求項1の押出用スクリューを用い、繊維原料樹脂に顔料マスターバッチを配合した樹脂を押出し、ギヤポンプを介して多数の紡糸孔をもつ紡糸口金から吐出してマルチフィラメント糸として引き取ることを含んでなることを特徴とするマルチフィラメントの製造方法。
  3. 前記繊維原料樹脂がポリプロピレンである請求項2記載の製造方法。
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