JP2004181526A - 溶接電源装置の出力制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アーク期間中の前記増幅率Lrを、アーク期間中の前記電流微分値Biの絶対値が予め定めた基準値Bth以上になったときは前記出力電流iの変化を抑制することができる値Lrahに前記基準値未満のときの値Lraから増大させる溶接電源装置の出力制御方法である。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、短絡アーク溶接に使用する溶接電源装置の出力制御方法に関し、特に、外乱によるアーク長の変動に伴う出力電流の変動を抑制するための出力制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶接ワイヤと母材との間で短絡期間とアーク期間とを繰り返す短絡アーク溶接においては、アーク負荷の変動に応じて短絡期間及びアーク期間中の出力電流iの変化を適正化することが良好な溶接品質を確保するために重要である。上記の短絡アーク溶接には、短絡移行アーク溶接だけでなく、短絡を伴うグロビュール移行溶接、短絡を伴うスプレー移行溶接等も含まれる。短絡アーク溶接には必ず定電圧特性の溶接電源装置を使用するので、その出力電圧をE[V]とする。また、溶接電源装置の内部及び外部を合わせたリアクトルのインダクタンス値をL[H]とし、内部及び外部を合わせた抵抗の値をr[Ω]とし、アーク負荷の電圧(以下、溶接電圧という)をv[V]とすると、溶接電源装置の出力に関して下式が成立する。
E=L・di/dt+r・i+v …(1)式
上式において、抵抗値rは通常小さな値であるので省略し、電流変化率(電流微分値)di/dtで整理すると下式となる。
di/dt=(E−v)/L …(2)式
【0003】
上式において出力電圧Eは予め設定された値であり、アーク負荷が変動して溶接電圧vが変化したときの電流変化率di/dtは、(E−v)の電圧差に比例し、インダクタンス値Lに反比例する。したがって、アーク負荷から短絡負荷に変化すると電圧差(E−v)>0となるのでインダクタンス値Lに反比例した電流変化率di/dtで出力電流iは増加し、短絡負荷からアーク負荷に変化すると電圧差(E−v)<0となるのでインダクタンス値Lに反比例した電流変化率di/dtで出力電流iは減少する。通常、短絡負荷時の溶接電圧vは数Vと略一定値であり、出力電圧Eは所定値に設定されるので、この結果、電圧差(E−v)も略一定値となり、出力電流iはインダクタンス値Lに反比例する電流変化率di/dtで増加する。他方、アーク負荷に変化した直後は電圧差(E−v)<0となり出力電流iは減少する。その後は種々の外乱によってアーク負荷は変動することが多いために、電圧差(E−v)は正にも負にも変化しそれに応じて出力電流iも増加又は減少することになる。したがって、短絡/アーク負荷の変動に応じて電流変化率di/dtを適正化するためには、インダクタンス値Lを適正値Lm[H]に設定する必要がある。
【0004】
上記の適正インダクタンス値Lmは、通常数十〜数百μHと大きな値であり、かつリアクトルに通電する出力電流iは最大500Aと非常に大きな値であるために、リアクトルのサイズが大きくなり重量も重くなる。さらに、上記の適正インダクタンス値Lmは、溶接ワイヤの材質、直径、シールドガスの種類、平均出力電流値、短絡期間とアーク期間等の種々の溶接条件によって変化する。特に、適正インダクタンス値Lmは、短絡期間中は200〜500μH程度と大きな値となり、アーク期間中は数十μH〜150μH程度と小さな値となる。しかし、鉄芯に導線を巻いて製作されるリアクトルでは、そのインダクタンス値を溶接条件に応じて所望値に自在に変化させることはできない。そこで、以下に説明する従来技術では、このリアクトルと等価な作用を電子的に形成する制御(以下、電子リアクトル制御という)が開示され、広く慣用されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0005】
電子リアクトル制御の原理は以下のとおりである。出力電圧の設定値をEr[V]とし、適正インダクタンス値をLm[μH]とし、出力電流iを平滑するための数十μHの固定インダクタンス値をLi[μH]とし、電子リアクトル制御によって形成される電子インダクタンス値をLr[μH]とする。したがって、Lm=Li+Lrとなる。これらを上記の(2)式に代入して整理すると下式となる。
Er−Lr・di/dt=Li・di/dt+v …(3)式
【0006】
上式において、出力電圧がE=Er−Lr・di/dtになるように制御することによって電子インダクタンス値Lrを形成することができる。すなわち、出力電流iを検出して微分して電流微分値Bi=di/dtを算出し、これに増幅率Lrを乗じた電流微分増幅値Bia=Lr・di/dtを算出する。続いて、予め定めた出力電圧設定値Erから上記の電流微分増幅値Biaを減算して電圧制御設定値Ecr=Er−Lr・di/dtを算出し、出力電圧Eがこの電圧制御設定値Ecrと略等しくなるように制御する。ここで、上記の増幅率Lr=Lm−Liであるので、種々の溶接条件に応じて適正インダクタンス値Lmが決まると、増幅率(電子インダクタンス値)Lrが決まる。したがって、適正インダクタンス値Lmを任意の値に電子リアクトル制御によって設定することができる。
【0007】
図6は、従来技術の電子リアクトル制御を採用した溶接電源装置のブロック図である。以下、同図を参照して各回路について説明する。
【0008】
電源主回路PMCは、商用電源(3相200V等)を入力として、後述する誤差増幅信号Ampに従ってインバータ制御等による出力制御を行い、出力電圧Eを出力する。直流リアクトルDCLは、鉄芯に導線を巻いたものであり、数十μH程度の小さな値の固定インダクタンス値Li[μH]を有する。溶接ワイヤ1はワイヤ送給装置の送給ロール5によって溶接トーチ4を通って送給され、母材2との間にアーク3が発生する。
【0009】
電圧検出回路VDは、溶接電圧vを検出して電圧検出信号vdを出力する。短絡判別回路SDは、この電圧検出信号vdを入力として、短絡期間中はHighレベルとなりアーク期間中はLowレベルとなる短絡判別信号Sdを出力する。電流検出回路IDは、出力電流iを検出して電流検出信号idを出力する。電流微分回路BIは、この電流検出信号idを微分して電流微分信号Biを出力する。アーク期間増幅率設定回路LRAは、予め定めたアーク期間増幅率設定信号Lraを出力する。短絡期間増幅率設定回路LRSは、予め定めた短絡期間増幅率設定信号Lrsを出力する。切換回路SWは、上記の短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)のときにはa側に切り換わり上記のアーク期間増幅率設定信号Lraを増幅率設定信号Lrとして出力し、Highレベル(短絡期間)のときにはb側に切り換わり上記の短絡期間増幅率設定信号Lrsを増幅率設定信号Lrとして出力する。乗算回路BIAは、上記の電流微分信号Biに上記の増幅率設定信号Lrの値を乗じて、電流微分増幅信号Bia=Lr・di/dtを出力する。
【0010】
出力電圧設定回路ERは、所望値の出力電圧設定信号Erを出力する。減算回路SUBは、この出力電圧設定信号Erから上記の電流微分増幅信号Biaを減算して、電圧制御設定信号Ecr=Er−Biaを出力する。出力電圧検出回路EDは、出力電圧Eを検出して出力電圧検出信号Edを出力する。誤差増幅回路AMPは、上記の電圧制御設定信号Ecrとこの出力電圧検出信号Edとの誤差を増幅して誤差増幅信号Ampを出力する。
【0011】
図7は、上記の溶接電源装置における各信号のタイミングチャートである。同図(A)は出力電流iの、同図(B)は溶接電圧vの、同図(C)は電流微分信号Biの、同図(D)は電圧制御設定信号Ecrの時間変化を示す。以下、同図を参照して説明する。
【0012】
時刻t1〜t2の短絡期間Ts中はアーク負荷が短絡負荷になるために、同図(B)に示すように、溶接電圧vは数V程度の小さな値となり、電圧差(E−v)>0となる。このために、同図(A)に示すように、出力電流iは増加する。これに伴い、同図(C)に示すように、電流微分信号Biは出力電流iの増加率に比例した正の値となる。続いて、時刻t2〜t3のアーク期間Ta中は短絡負荷からアーク負荷に変化するために、同図(B)に示すように、溶接電圧vはアーク電圧値となり、電圧差(E−v)<0となる。このために、同図(A)に示すように、出力電流iは減少する。これに伴い、同図(B)に示すように、電流微分信号Biは出力電流iの減少率に比例した負の値となる。そして、同図(D)に示すように、電圧制御設定信号Ecrは、電流微分信号Biに短絡期間増幅率設定信号Lrs又はアーク期間増幅率設定信号Lraの値を乗じた電流微分増幅信号Biaを出力電圧設定信号Erから減算した値となる。この電圧制御設定信号Ecrと略等しくなるように出力電圧Eが制御される。上述したように、良好な溶接品質を得るためには、短絡期間増幅率設定信号Lrsの値は大きな値に設定し、アーク期間増幅率設定信号Lraの値は小さな値又は略零(電子リアクトル制御を行わない)に設定されることが多い。また、上記では、出力電流の変化を電子リアクトル制御によって行う場合を説明したが、これ以外の方法として、短絡期間の出力電流の増加パターン目標信号を予め設定しておき、出力電流がこの増加パターン目標信号に沿うように制御する方法もある。この方法においても、アーク期間中はアーク長を適正値に維持するために、定電圧制御を行う必要があり、アーク期間中の電流変化をパターン化することはできない。すなわち、アーク期間中はアーク負荷の変動に伴って出力電流も変動することになる。
【0013】
【特許文献1】
特開昭58−81567号公報
【特許文献2】
特開昭58−112659号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
図8は、アーク期間Ta中に外乱によりアーク長が急変したときの上述した図7に対応するタイミングチャートである。同図において、時刻t21〜t3の期間以外の期間の動作は図7と同一であるので、時刻t21〜t3の期間の動作について説明する。
【0015】
アーク期間Ta中には、送給速度の変動、溶融池の不規則な振動、母材表面の酸化状態のバラツキ、手振れ等によるトーチ高さの変動、溶融池からのガスの噴出等の種々の外乱によってアーク長が短時間に急変することがときどき発生する。例えば、亜鉛メッキ鋼板の溶接では、アーク熱によって母材表面の亜鉛がガスとなり溶融池から突然に噴出してアーク長がその噴出の間急変することがある。また、アルミニウム合金の溶接では、母材表面の酸化状態のバラツキによってアーク長が急変することがある。同図の時刻t21〜t22の間、上記の外乱によってアーク長が急変して長くなると、同図(B)に示すように、溶接電圧vはアーク長に略比例して大きな値となる。このために、電圧差(E−v)<0となり、同図(A)に示すように、出力電流iは減少する。このとき、上述したように、アーク期間中の電子リアクトルの増幅率は通常小さな値又は略零であるために出力電流iは急激に減少する。
【0016】
続いて、時刻t22において外乱が収束すると、アーク長は通常値に復帰するので、同図(B)に示すように、溶接電圧vは通常値に復帰する。このときの電圧差(E−v)≒0となるために、同図(A)に示すように、時刻t22〜t3の期間の出力電流iは低い値のままで維持することになる。この結果、溶接ワイヤ先端部及び母材への入熱が不足して溶融が不十分となり、大粒のスパッタの発生、ビード幅の変動等によって溶接品質が悪くなっていた。この問題は、上述したように、外乱が発生しやすい亜鉛メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム合金等の溶接において特に顕著である。また、アーク期間増幅率を大きく設定して上記の電流降下を抑制した場合には、アーク期間増幅率を大幅に大きくする必要があり、制御系がハンチングしてかえって溶接状態が不安定になる。
【0017】
そこで、本発明では、アーク期間中の外乱によりアーク長が変動しも出力電流の変動を抑制することができ、常に良好な溶接品質を得ることができる溶接電源装置の出力制御方法を提供する。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、溶接ワイヤと母材との間で短絡期間とアーク期間とを繰り返す短絡アーク溶接に使用する溶接電源装置にあって、前記溶接電源装置の出力電流を微分して電流微分値を算出し、この電流微分値に短絡期間及びアーク期間に応じて予め定めた増幅率を乗じて電流微分増幅値を算出し、予め定めた出力電圧設定値から前記電流微分増幅値を減算して電圧制御設定値を算出し、前記溶接電源装置の出力電圧が前記電圧制御設定値と略等しくなるように出力を制御する溶接電源装置の出力制御方法において、
アーク期間中の前記増幅率を、アーク期間中の前記電流微分値の絶対値が予め定めた基準値以上になったときは前記出力電流の変化を抑制することができる値に前記基準値未満のときの値から増大させることを特徴とする溶接電源装置の出力制御方法である。
【0019】
請求項2の発明は、前記増幅率をアーク期間中の前記電流微分値の絶対値が前記基準値未満であるときは略零に設定することを特徴とする請求項1記載の溶接電源装置の出力制御方法である。
【0020】
請求項3の発明は、溶接ワイヤと母材との間で短絡期間とアーク期間とを繰り返す短絡アーク溶接に使用する溶接電源装置にあって、前記溶接電源装置の出力電圧が予め定めた出力電圧設定値と略等しくなるように出力を制御する溶接電源装置の出力制御方法において、
前記溶接電源装置の出力電流を検出し、この電流検出値を予め定めた平滑時定数で平滑して電流平滑値を算出し、この電流平滑値から前記電流検出値を減算して電流偏差を算出し、アーク期間中にこの電流偏差の値が予め定めた降下しきい値以上になったときは、前記電流偏差の値に応じて前記出力電圧設定値を増加させて前記出力電圧を制御することを特徴とする溶接電源装置の出力制御方法である。
【0021】
請求項4の発明は、前記平滑時定数及び/又は前記降下しきい値の設定値を、前記短絡アーク溶接のシールドガスの種類に応じて変化させることを特徴とする溶接電源装置の出力制御方法である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0023】
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1は、従来技術の電子リアクトル制御において、アーク期間増幅率Lraを、アーク期間中の電流微分値Bi=di/dtの絶対値が予め定めた基準値Bth以上であるときは出力電流iの変化を抑制することができる値Lrahに上記基準値Bth未満のときの値Lraから増大させる溶接電源装置の出力制御方法である。以下、図面を参照して説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態1を示す溶接電源装置のブロック図である。同図において、上述した図6と同一の回路には同一符号を付してそれらの説明は省略する。以下、図6とは異なる点線で示す回路について説明する。
【0025】
アーク期間高増幅率設定回路LRAHは、アーク期間増幅率設定信号Lraの値よりも大きな値に予め設定したアーク期間高増幅率設定信号Lrahを出力する。
この値は、アーク期間中の外乱による出力電流iの変化を抑制することができる程度に大きな値に設定される。比較回路CMは、電流微分信号Biの絶対値が予め定めた基準値Bth以上であるときにのみHighレベルとなる比較信号Cmを出力する。アーク期間増幅率切換回路SWAは、上記の比較信号CmがLowレベルのときにはa側に切り換わりアーク期間増幅率設定信号Lraをアーク期間増幅率切換回路出力信号Swaとして出力し、Highレベルのときにはb側に切り換わり上記のアーク期間高増幅率設定信号Lrahをアーク期間増幅率切換回路出力信号Swaとして出力する。第2切換回路SW2は、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)のときにはa側に切り換わり上記のアーク期間増幅率切換回路出力信号Swaを増幅率設定信号Lrとして出力し、Highレベル(短絡期間)のときにはb側に切り換わり短絡期間増幅率設定信号Lrsを増幅率設定信号Lrとして出力する。したがって、増幅率設定信号Lrは、短絡期間中は短絡期間増幅率設定信号Lrsとなり、アーク期間中で電流微分信号Biの絶対値が基準値Bth未満のときはアーク期間増幅率設定信号Lraとなり、基準値Bth以上のときにはアーク期間高増幅率設定信号Lrahとなる。Lra<Lrahとなるように設定する。
【0026】
図2は、上記の溶接電源装置における各信号のタイミングチャートである。同図(A)は出力電流iの、同図(B)は溶接電圧vの、同図(C)は電流微分信号Biの、同図(D)は電圧制御設定信号Ecrの時間変化を示す。同図は上述した図8と対応しており、図8と異なる動作となる時刻t21〜t3の期間について説明する。
【0027】
時刻t21〜t22の間、外乱によってアーク長が急変して長くなると、同図(B)に示すように、溶接電圧vはアーク長に略比例して大きな値となる。このために、電圧差(E−v)<0となり、同図(A)に示すように、出力電流iは減少する。このとき、上述したように、アーク期間増幅率設定信号Lraの値は通常小さな値であるために、出力電流iは急激に減少する。このために、同図(C)に示すように、時刻t21から電流微分信号Biの絶対値は大きくなり基準値Bth以上となる。これに応動して、電子リアクトル制御の増幅率はアーク期間高増幅率設定信号Lrahに切り換わり大きな値となるので、同図(D)に示すように、電圧制御設定信号Ecrは大きな値に増加する。この結果、(Ecr−v)>0に変化し、同図(A)に示すように、出力電流iの減少は抑制されることになる。すなわち、外乱によってアーク長が変化しても出力電流iはあまり変化しないので、溶接品質の悪化を防止することができる。
【0028】
上記においては、外乱によってアーク長が長くなり溶接電圧vが大きくなる場合について説明したが、外乱によってアーク長が短くなり溶接電圧vが小さくなり出力電流iが大きくなる場合もある。このような場合でも、本発明によれば出力電流iの変化を抑制することができる。また、アーク期間増幅率設定信号Lraの値は数十〜150μHに相当する小さな値又は略零に設定し、アーク期間高増幅率設定信号Lrahの値は200〜500μHに相当する大きな値に設定することが多い。
【0029】
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2では、溶接電源装置の出力電流iを検出し、この電流検出値idを予め定めた平滑時定数Tcで平滑して電流平滑値iaを算出し、この電流平滑値iaから上記電流検出値idを減算して電流偏差ΔI=ia−idを算出し、アーク期間中にこの電流偏差ΔIの値が予め定めた降下しきい値Ith以上になったときは、上記電流偏差ΔIの値に応じて出力電圧設定値Erを増加させて溶接電源装置の出力電圧Eを制御する。以下、図面を参照して説明する。
【0030】
図3は、本発明の実施の形態2を示す溶接電源装置のブロック図である。同図において、上述した図6と同一の回路には同一符号を付してそれらの説明は省略する。以下、図6とは異なる点線で示す回路について説明する。
【0031】
平滑時定数設定回路TCは、予め定めた平滑時定数設定信号Tcを出力する。電流平滑回路IAは、電流検出信号idを上記の平滑時定数設定信号Tcによって定まる時定数で平滑して電流平滑信号iaを出力する。第2の減算回路SUB2は、上記の電流平滑信号iaから上記の電流検出信号idを減算して電流偏差信号ΔI=ia−idを出力する。降下しきい値設定回路ITHは、予め定めた降下しきい値設定信号Ithを出力する。電圧設定増加回路EUは、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)のときに上記の電流偏差信号ΔIの値が上記の降下しきい値設定信号Ithの値以上になったときは、上記の電流偏差信号ΔIの値に予め定めた増幅率Gを乗じて電圧設定増加信号ΔEu=G・ΔIを出力する。加算回路ADは、電圧制御設定信号Ecrと上記の電圧設定増加信号ΔEuとを加算して第2の電圧制御設定信号Ecr2=Ecr+ΔEuを出力する。この第2の電圧制御設定信号Ecr2によって溶接電源装置の出力電圧Eが制御される。
【0032】
図4は、上記の溶接電源装置における各信号のタイミングチャートである。同図(A)は出力電流iの、同図(B)は溶接電圧vの、同図(C)は電圧設定増加信号ΔEuの、同図(D)は第2の電圧制御設定信号Ecr2の時間変化を示す。同図は、上述した図8と対応しており、図8と異なる動作となる時刻t21〜t3の期間を中心にして説明する。なお、同図では、アーク期間増幅率Lraは小さい値又は略零に設定した場合を例示している。この理由は、アーク期間中の出力電流の変化の制御は実施の形態2の発明によって行われるために、電子リアクトル制御を必ず行う必要はないためである。当然ながら、アーク期間中も電子リアクトル制御を行ってもよい。また、短絡期間中の出力電流の変化の制御は、上述した電子リアクトル制御、増加パターン目標信号制御等による方法が使用できる。
【0033】
同図(A)に点線で示すように、電流平滑信号iaは、出力電流iの検出信号を予め定めた平滑時定数Tcで平滑した信号である。この平滑時定数Tcの値は重要であり、0.3〜2ms程度の範囲内で、シールドガスの種類(炭酸ガス、アルコンガス、炭酸ガスとアルゴンガスとの混合ガス等)に応じて適正値に設定する。平滑時定数Tcが0.3ms未満になると、電流平滑信号iaと出力電流iとの偏差が小さくなり、アーク長の急変があっても上述した降下しきい値を超えないために電流降下を抑制することはできなくなる。他方、平滑時定数Tcが2msを越えると、外乱によるアーク長の変動ではなく通常のアーク長の変化に伴う電流変化時も降下しきい値を超えてしまい制御不安定になる。平滑時定数Tcを適正値に設定した場合は、同図(A)に示すように、時刻t21〜t22以外の通常のアーク長変化に伴う電流変化では、電流偏差ΔI=ia−idが降下しきい値Ithを超えることはない。
【0034】
時刻t21〜t22の間、外乱によってアーク長が急変して長くなると、同図(B)に示すように、溶接電圧vはアーク長に略比例して大きな値となる。このために、電圧差(E−v)<0となり、同図(A)に示すように、出力電流iは減少する。このために、電流偏差ΔIが降下しきい値Ith以上となり、同図(C)に示すように、電圧設定増加信号ΔEu=G・ΔIとなる。そして、同図(D)に示すように、第2の電圧制御設定信号Ecr2は、出力電圧設定信号Erに上記の電圧設定増加信号ΔEuが加算された値となる。この結果、出力電圧Eが増加して電圧差(E−v)>0となるので、同図(A)に示すように、出力電流iの降下は抑制されて、アーク長変動前の値にすぐに復帰する。したがって、外乱によってアーク長が変化しても出力電流iはあまり変化しないので、溶接品質の悪化を防止することができる。
【0035】
上記の降下しきい値Ithは、5〜50A程度の範囲で、シールドガスの種類に応じて適正値に設定する。例えば、アルゴンガス又はアルゴンガスと数%の酸素との混合ガスでは、しきい値Ith=10A程度が適正であり、アルゴンガスと炭酸ガスとの混合ガスの場合では、降下しきい値Ith=20A程度が適正である。また、上記においては、電圧設定増加信号ΔEu=G・ΔIとしたが、ΔEu=G・(ΔI−Ith)とすることも本発明に含まれる。
【0036】
[効果]
図5は、本発明の効果の一例を示すビード外観比較図であり、同図(A)は従来技術によるものであり、同図(B)は本発明によるものである。同図は、板厚2mmの亜鉛メッキ鋼板を平均出力電流180A、平均溶接電圧18Vでマグ溶接した場合のビード外観である。上述したように、亜鉛メッキ鋼板の溶接では、溶融池からの突然の亜鉛ガスの噴出によってアーク長が変動しやすい。
【0037】
同図(A)に示すように、母材2上にビード2aが形成され、亜鉛ガスの噴出部分では大粒のスパッタ2bが付着し、ビード幅が細くなるくびれ2cが発生している。これに対して、同図(B)に示すように、本発明では、大粒のスパッタの付着もなくビード幅も略均一であり、良好なビード外観となっている。これは、亜鉛ガスの噴出によってアーク長が変動しても出力電流の変化が抑制されるためである。
【0038】
【発明の効果】
請求項1及び2の溶接電源装置の出力制御方法によれば、アーク期間中に外乱によってアーク長が急変しても電子リアクトルの増幅率を増大させることによって出力電流の変化を抑制することができるので、大粒のスパッタの付着のないビード幅の均一な良好な溶接品質を常に得ることができる。
【0039】
請求項3及び4の溶接電源装置の出力制御方法によれば、アーク期間中に外乱によってアーク長が急変しても、電流平滑値と出力電流との電流偏差に応じて出力電圧設定値を増加させることによって出力電流の変化を抑制することができるので、大粒のスパッタの付着のないビード幅の均一な良好な溶接品質を常に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る溶接電源装置のブロック図である。
【図2】図1の溶接電源装置のタイミングチャートである。
【図3】本発明の実施の形態2に係る溶接電源装置のブロック図である。
【図4】図3の溶接電源装置のタイミングチャートである。
【図5】本発明の効果の一例を示すビード外観比較図である。
【図6】従来技術における溶接電源装置のブロック図である。
【図7】図6の溶接電源装置のタイミングチャートである。
【図8】従来技術の課題を説明するための、アーク期間中に外乱によりアーク長が急変したときの図7に対応するタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 溶接ワイヤ
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
5 送給ロール
2a ビード
2b スパッタ
2c ビード幅のくびれ
AD 加算回路
AMP 誤差増幅回路
Amp 誤差増幅信号
BI 電流微分回路
Bi 電流微分(値/信号)
BIA 乗算回路
Bia 電流微分増幅(値/信号)
Bth 基準値
CM 比較回路
Cm 比較信号
DCL 直流リアクトル
di/dt 電流変化率
E 出力電圧
Ecr 電圧制御設定(値/信号)
Ecr2 第2の電圧制御設定信号
ED 出力電圧検出回路
Ed 出力電圧検出信号
ER 出力電圧設定回路
Er 出力電圧設定(値/信号)
EU 電圧設定増加回路
i 出力電流
IA 電流平滑回路
ia 電流平滑(値/信号)
ID 電流検出回路
id 電流検出信号
ITH 降下しきい値設定回路
Ith 降下しきい値(設定信号)
L インダクタンス値
Li 固定インダクタンス値
Lm 適正インダクタンス値
Lr 増幅率/増幅率設定信号/電子インダクタンス値
LRA アーク期間増幅率設定回路
Lra アーク期間増幅率(設定信号)
LRAH アーク期間高増幅率設定回路
Lrah アーク期間高増幅率設定信号
LRS 短絡期間増幅率設定回路
Lrs 短絡期間増幅率設定信号
PMC 電源主回路
r 抵抗値
SD 短絡判別回路
Sd 短絡判別信号
SUB 減算回路
SUB2 第2の減算回路
SW 切換回路
SW2 第2切換回路
SWA アーク期間増幅率切換回路
Swa アーク期間増幅率切換回路出力信号
Ta アーク期間
TC 平滑時定数設定回路
Tc 平滑時定数(設定信号)
Ts 短絡期間
v 溶接電圧
VD 電圧検出回路
vd 電圧検出信号
ΔEu 電圧設定増加(値/信号)
ΔI 電流偏差(信号)
Claims (4)
- 溶接ワイヤと母材との間で短絡期間とアーク期間とを繰り返す短絡アーク溶接に使用する溶接電源装置にあって、前記溶接電源装置の出力電流を微分して電流微分値を算出し、この電流微分値に短絡期間及びアーク期間に応じて予め定めた増幅率を乗じて電流微分増幅値を算出し、予め定めた出力電圧設定値から前記電流微分増幅値を減算して電圧制御設定値を算出し、前記溶接電源装置の出力電圧が前記電圧制御設定値と略等しくなるように出力を制御する溶接電源装置の出力制御方法において、
アーク期間中の前記増幅率を、アーク期間中の前記電流微分値の絶対値が予め定めた基準値以上になったときは前記出力電流の変化を抑制することができる値に前記基準値未満のときの値から増大させることを特徴とする溶接電源装置の出力制御方法。 - 前記増幅率をアーク期間中の前記電流微分値の絶対値が前記基準値未満であるときは略零に設定することを特徴とする請求項1記載の溶接電源装置の出力制御方法。
- 溶接ワイヤと母材との間で短絡期間とアーク期間とを繰り返す短絡アーク溶接に使用する溶接電源装置にあって、前記溶接電源装置の出力電圧が予め定めた出力電圧設定値と略等しくなるように出力を制御する溶接電源装置の出力制御方法において、
前記溶接電源装置の出力電流を検出し、この電流検出値を予め定めた平滑時定数で平滑して電流平滑値を算出し、この電流平滑値から前記電流検出値を減算して電流偏差を算出し、アーク期間中にこの電流偏差の値が予め定めた降下しきい値以上になったときは、前記電流偏差の値に応じて前記出力電圧設定値を増加させて前記出力電圧を制御することを特徴とする溶接電源装置の出力制御方法。 - 前記平滑時定数及び/又は前記降下しきい値の設定値を、前記短絡アーク溶接のシールドガスの種類に応じて変化させることを特徴とする溶接電源装置の出力制御方法。
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