JP2004181445A - 殺菌水生成装置 - Google Patents

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Tatsuo Okazaki
龍夫 岡崎
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Abstract

【課題】これまで限定的に考えられていた適用範囲を、より高度な殺菌が要請される範囲(例えば、病院)まで拡大する。
【解決手段】原水給水管505から供給された原水は、差圧生成機構513によって生成された所定の圧力差の下でメイン殺菌水生成管路系と希釈殺菌水生成管路系と供給される。メイン殺菌水生成管路系は、次亜塩素酸ナトリウム509と、酸性水溶液510とを添加して予め設定されたpHの高濃度殺菌水を生成する。希釈殺菌水生成管路系は、殺菌水分配管524を通じて取り込んだ高濃度殺菌水を所定の割合で混合させることにより希釈殺菌水を生成すると共にこの希釈殺菌水のpH調整液523により調整する。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、次亜塩素酸や亜塩素酸を含有する殺菌水の生成装置に関し、より詳しくは、1つの装置で遊離塩素濃度の異なる複数の殺菌水を同時に生成する殺菌水生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、原水に次亜塩素酸ナトリウム(NaCLO)の水溶液に塩酸(HCL)水溶液等を添加、混合することにより、殺菌力の強い次亜塩素酸(HCLO)を含む殺菌水を生成できることが知られている。
NaCLO+HCL+H2O → NaCL+HCLO+H2O
【0003】
混合式殺菌水生成装置は、これをシステム化したものであり、高濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液と、典型的には希塩酸水溶液とを原水に混合することにより殺菌水を生成する。従来の殺菌水生成装置は、2種類の方式に分類することができる。第1は、装置本体の手前で給水を制御して装置本体に水圧負荷が加わらないようにする元止め方式であり、第2は、配管の末端で殺菌水の吐出を制御する先止め式方式である。
【0004】
この種の殺菌水生成装置は、上記の第1、第2の形式のいずれもが混合部を有し、この混合部で、原水に次亜塩素酸ナトリウム水溶液と希塩酸水溶液を混合する方式が採用されており、この混合部で、殺菌水の遊離塩素濃度が予め設定した濃度となるように調整され、そして、混合部で調整された殺菌水が殺菌水生成装置から吐出される。
【0005】
殺菌水生成装置は、これまで野菜などの食材を洗浄するのに用いられており、さまざまな濃度が必要な場合には、殺菌水生成装置から取り出した後に希釈する方法が取られていた。具体的には、現在販売されている殺菌水生成装置は、遊離塩素濃度が約100ppmのタイプと約200ppmのタイプとが存在している。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−188083号公報
【0007】
この特許文献1は、殺菌水生成装置に接続された外部配管に殺菌水を希釈するための装置を設け、野菜などの洗浄のために様々な濃度の殺菌水を作ることを提案している。また、この特許文献1は、塩素ガスの発生を抑えるために、原水のpHを調整した後に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を添加することを提案している。
【0008】
【特許文献2】
実用新案登録3058642号公報
【0009】
この特許文献2は、作業員の手の洗浄や食材の洗浄の安全性を確保するのに適したpHとなるように、殺菌水生成装置で生成する殺菌水のpHを調整することを提案している。
【0010】
図1は、従来の一般的な殺菌水生成装置の構成を示す。なお、使用する酸性水溶液はここでは塩酸水溶液であるとして説明する。従来の装置においては、まず原水供給管路101から供給される原水の圧力を減圧弁102で減圧した後、原水を第1、第2の管路103、104に供給し、第1、第2の各管路103、104を通る原水は、逆止弁105、106を介して接続された管路117、123を通る。この管路117、123には、次亜塩素酸ナトリウム水溶液、塩酸水溶液の添加ノズル109、110が設けられており、これらの添加ノズル109、110からそれぞれ次亜塩素酸ナトリウムと塩酸水溶液が管路117および123に適量添加される。
【0011】
管路117、123の下流には希釈攪拌槽107、108が設けられており、この希釈攪拌槽107、108で、次亜塩素酸ナトリウム水溶液、塩酸水溶液と原水とを十分に混合させる。
【0012】
希釈攪拌槽107、108の吐出側管路111、112は共通管路113に接続され、この共通管路113に介装された混合攪拌槽114で、次亜塩素酸ナトリウム水溶液と塩酸水溶液を十分に混合させて殺菌水を生成し、この混合攪拌槽114で生成された殺菌水は殺菌水吐出管115を通じて外部に取り出される。
なお、次亜塩素酸ナトリウム水溶液と塩酸水溶液の混合を十分に行なうために、必要に応じて混合攪拌槽114の容積を大きくするか、混合攪拌槽114の下流にさらにバッファを設置することもある。
【0013】
高濃度の次亜塩素酸ナトリウム及び塩酸水は、一般的には、殺菌水生成装置に脱着可能なタンク115、126に収容されており、このタンク115、126の中の次亜塩素酸ナトリウム及び塩酸水は、循環路119、121に設けられたポンプ118、120によって汲み上げられる。循環路119、121を通過する次亜塩素酸ナトリウム及び塩酸水の圧力は電動バルブ122、125によって、管路119、121及び添加ノズル110、109内に発生するガス成分をタンク115、126に戻すとき以外は閉じ状態に保持され、この循環路119、121から添加ノズル109、110を介して次亜塩素酸ナトリウム、塩酸水溶液が上述した管路117、123に定量供給される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従来の殺菌水生成装置は、食材の洗浄やこれを取り扱う作業員の手の洗浄に向けて開発され且つ販売されており、このため100ppm又は約200ppmの2つのタイプが開発され且つ販売されている。ユーザ(主に食品業界)は、購入した殺菌水生成装置を使って、自社の工場設備に適合させるように外部配管を分岐させ、この分岐した各管路又は任意の配管に希釈ユニットを設けるなどの工事を行っていた。このような附帯設備は、工事が大変であるだけでなく、設備一式の費用の増大を招く。
【0015】
また、外部配管に希釈ユニットを設けたとしても、外部配管が長く且つ複雑に分岐した管路であれば、例えば外部配管に設けられたバルブがいきなり全開まで開かれたときに圧力変動が大きくなる傾向になり、その結果、管路内の圧力変動の影響を受けて希釈混合比率が変化してしまう可能性が大きくなる。また、その管理を作業員に委ねることは、パートタイマの作業員が増大している現状からすると事実上不可能である。
【0016】
このことを考慮に入れて、外部配管に配置した希釈ユニットが生成する殺菌水の濃度及びpHを正確に制御するには、殺菌装置や希釈ユニットが広範囲に散らばった状態で設置され且つこれらが複雑に分岐した外部配管によって接続される場合もあることから、これらを総合的に制御するための相当に複雑な制御システムが必要となり、更なる設備投資や高額なメンテナンス費用が必要となる。
【0017】
適正な濃度やpHで使用されない可能性が大きいという実情を考慮に入れると、200ppmを超える濃度の殺菌水を生成する能力を備えた殺菌水生成装置を開発することは危険を伴うと、これまで考えられおり、このため、次亜塩素酸を含む殺菌水の適用範囲は、食材の洗浄やこれを取り扱う作業員の手の殺菌などに限定されると認識されていた。
【0018】
ところで、医療の世界では、医療器具の殺菌や院内感染の防止など、食材の洗浄などとは比較にならない程、高度な殺菌技術が必要とされる。例えば、MRSA対策として、病室の入り口などに設置してあるスプレイ式の手指殺菌器、消毒薬としては一般に塩化ベンゼルコニュームとアルコールの混合液であるが、これには、持続性はあるが、肌にべとつき感触が悪い、その上殺菌スペクトルが狭くウイルスや真菌などには効果がない、と指摘されている。
【0019】
又、アルコール75%溶液による殺菌は手荒れがひどく度重なる殺菌消毒には女性から敬遠されるものである。しかも、アルコール50%程度に薄めるとセラチア菌などに耐性菌が生まれ思わぬ事故の元になる、と指摘されている。しかも、アルコールはウイルスには全く効果がなく、大量に病院で消費されているが、それほど確かなものではない。
【0020】
本発明の目的は、これまで限定的に考えられていた適用範囲を、より高度な殺菌が要請される範囲(例えば、病院)まで拡大することのできる殺菌水生成装置を提供することにある。
【0021】
本発明の別の目的は、複数の異なる遊離塩素濃度の殺菌水をユーザが要求する濃度やpHの精度を確保するのが容易な殺菌水生成装置を提供することにある。
【0022】
本発明の更なる目的は、低コストの要請に応じつつ、ユーザ側の個別の要請にも応じることのできる殺菌水生成装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
かかる技術的課題は、本発明によれば、
原水給水管を接続する原水接続部と、
該原水接続部を通じて前記原水供給管から供給された原水をメイン殺菌水生成管路系と希釈殺菌水生成管路系とで所定の圧力差となるように差圧を生成する差圧生成機構とを含み、
前記メイン殺菌水生成管路系は、該メイン殺菌水生成管路系に供給された原水に、次亜塩素酸ナトリウム又は亜塩素酸ナトリウムと塩酸、硫酸などの無機酸又は酢酸などの有機酸の酸性水溶液を添加して予め設定されたpHの高濃度殺菌水を生成し、
前記希釈殺菌水生成管路系は、該希釈殺菌水生成管路系に供給された原水に、前記メイン殺菌水生成管路系から分岐された殺菌水分配管を通じて取り込んだ前記高濃度殺菌水を所定の割合で混合させることにより希釈殺菌水を生成すると共に該希釈殺菌水のpHを調整し、
前記メイン殺菌水生成管路系で生成された殺菌水と前記希釈殺菌水生成管路系で生成された希釈殺菌水とが共に外部に取り出し可能であることを特徴とする殺菌水生成装置を提供することにより達成される。
【0024】
ここに、メイン殺菌水生成管路系と希釈殺菌水生成管路系に供給される原水の圧力差は0.3〜3Kg/cmであるのがよく、好ましくは0.5〜3Kg/cm、より好ましくは0.5〜1Kg/cmである。
【0025】
本発明によれば、メイン殺菌水生成管路系と希釈殺菌水生成管路系とに供給する原水に所定の圧力差を設け、この所定の圧力差で希釈殺菌水生成管路系で生成する殺菌水の希釈度合いを制御するようにしてあるため、特に濃度制御が難しい極めて低い濃度(例えば30ppm)の殺菌水の濃度管理が容易になる。
【0026】
すなわち、例えば、メイン殺菌水生成管路系の圧力を相対的に高くしたときには、このメイン殺菌水生成管路系から取り出した高濃度殺菌水は圧力差で希釈殺菌水生成管路系の原水に混ざり易く、逆に、希釈殺菌水生成管路系の圧力を相対的に高くしたときには、希釈殺菌水生成管路系で高濃度殺菌水と混合する混合部の手前に例えば流量制御弁を配置して適度な原水の量に絞り込むことで原水と高濃度殺菌水との混合を促すことができ、この混合は圧力差によって実質的に規定される。
【0027】
このように、メイン殺菌水生成管路系と希釈殺菌水生成管路系とに供給する原水に所定の圧力差を与えることで、特に希釈殺菌水生成管路系に接続された外部配管からの圧力変動の影響を実質的に抑えたなかで希釈殺菌水の濃度及びpHを制御することができる。また、装置内の比較的コンパクトな管路構成で高濃度殺菌水と希釈殺菌水の濃度及びpHの基本的な管理を行うことができるため、濃度及びpHの精度に関する信頼性を保持することも容易である。したがって、次亜塩素酸による殺菌水生成装置の適用範囲を拡大して、これまで認識外であった病院などの高度の殺菌に対して本発明のよる殺菌水生成装置を適用することができる。
【0028】
勿論、本発明による殺菌水生成装置は、これまでの食材などの洗浄などに対しても適用できることは言うまでもないが、殺菌水生成装置を購入したユーザは、様々な濃度の殺菌水を使用するのに殺菌水を使用する場所まで配管を敷設するだけでよいため、追加の設備投資も僅かで足り、また、メンテナンス費用も大幅に低減することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
図8は、本発明の好ましい実施の形態の一例を示す。殺菌水生成装置500はケース501を有し、ケース501内には、次亜塩素酸や亜塩素酸を含有する高濃度の殺菌水を生成するメイン殺菌水生成管路系502と、この高濃度殺菌水を希釈した希釈殺菌水を生成する第1、第2の希釈殺菌水生成管路系503、504とが内蔵されている。
【0030】
水道水又は井戸水などの水源から原水供給管505に対して接続部506を介してメイン殺菌水生成管路系502が接続される。また、第1、第2の希釈殺菌水生成管路系503、504は、メイン殺菌水生成管路系502の上流部分に接続されている。
【0031】
メイン殺菌水生成管路系502は、その途中で2本の管路507、508に分岐されている。第1の分岐管507には、図外の第1タンクに収容された高濃度次亜塩素酸ナトリウムが例えばノズル509などの添加及び混合手段を介して添加及び混合されるが、混合手段として混合槽を付設してもよい。第2の分岐管508には、図外の第2タンクに収容された希釈塩酸が例えばノズル510などの添加及び混合手段を介して添加及び混合されるが、混合手段として混合槽を付設してもよい。この次亜塩素酸ナトリウムの添加量及び希釈塩酸の添加量は、図外の制御ユニットにより制御され、この制御ユニットはケース501に内蔵してもよいし、外部に設置してもよい。
【0032】
第1、第2分岐管507、508の下流端は合流されて次亜塩素酸ナトリウムと希釈塩酸とが混合され、これにより高濃度の殺菌水が生成される。第1、第2分岐管507、508の合流部又はその下流に混合槽を設けて、次亜塩素酸ナトリウムと希釈塩酸とを混合させるようにしてもよい。
【0033】
高濃度の殺菌水のpHは、制御ユニットで予め設定されたpH値となるように希釈塩酸の添加量を調整することにより制御される。メイン殺菌水生成管路系502の下流端には、オリフィスや定流量バルブ、減圧弁などの流量抑制機構511を設けるのが、外部要因によるメイン殺菌水生成管路系502の圧力変動を抑えるうえで好ましい。
【0034】
メイン殺菌水生成管路系502の下流端には蛇口512に接続される。この蛇口512は単なる例示であり、好ましくは止水バルブを備えたシャワーや噴霧器であってもよい。蛇口512によって上述した流量抑制機構511を構成するのであれば、オリフィス511などを省いてもよい。蛇口512は、ケース501に設置してもよいし、メイン殺菌水生成管路系502の下流端に接続した延長管(図示せず)を介して蛇口512を取り付けるようにしてもよい。例えば病院で、手の洗浄や手術前の身体の洗浄のために、蛇口512を操作することにより、高濃度殺菌水を使用することができる。
【0035】
第1、第2の希釈殺菌水生成管路系503、504は、共通の原水取込管519を介して、メイン殺菌水生成管路系502に接続されているが、第1、第2の希釈殺菌水生成管路系503、504毎にメイン殺菌水生成管路系502に接続するようにしてもよい。
【0036】
第1、第2の希釈殺菌水生成管路系503、504は、上流側から下流側に向けて順に、流量調整バルブ520、521と、pH調整液(例えば希釈塩酸)を添加して混合するpH調整手段522、523とを有する。また、pH調整手段522、523の下流には、メイン殺菌水生成管路系502の高濃度殺菌水を分配する第1、第2の殺菌水分配管524、525が、好ましくは自動又は手動の流量調整弁526、527、逆止弁528、529を介して接続され、この接続部には、例えばノズルなどの添加及び混合手段530、531が設けられ、メイン殺菌水生成管路系502から取り込んだ高濃度殺菌水が原水によって希釈される。なお、上記接続部に混合槽を付設してもよい。
【0037】
第1、第2の希釈殺菌水生成管路系503、504の下流端には外部配管532、533を接続することのできる接続部534、535が設けられている。また、任意であるが、希釈殺菌水生成管路系503及び/又は504の下流に分岐管537を設け、この分岐管537の下流端に第2の蛇口538を設けるようにしてもよい。第2の蛇口538は、ケース501に設置してもよいし、分岐管537の下流端に接続した延長管(図示せず)を介して取り付けるようにしてもよい。例えば病院であれば、第2蛇口538を操作することにより、希釈した殺菌水を用いて医療用器具の洗浄や院内の噴霧殺菌に使用することができる。
【0038】
すなわち、第1、第2の外部配管532、533には、先止めバルブの他に、複数のシャワーノズルや噴霧ノズル540、541などが取り付けられてもよく、この第1、第2の外部配管532、533(第1、第2の希釈殺菌水生成管路系503、504)は、一般的な使用形態では、殺菌水を大量に使用するのに用いられる。これら第1、第2の希釈殺菌水性性管路系503、504で生成される殺菌水の濃度やpH値は、流量制御バルブ520、521、526、527、pH調整手段522、523を制御することにより任意に調整することができ、この調整は手動で行ってもよく、また、図外の制御ユニットによって行ってもよい。
【0039】
メイン殺菌水生成管路系502の上流部分、より詳しくは、原水を希釈殺菌水生成管路系503、504に分配する分岐部よりも下流側に、差圧生成機構としての減圧弁513が設けられ、この減圧弁513により、この実施の形態では、希釈殺菌水生成管路系503、504に供給される原水の圧力を、メイン殺菌水生成管路系502に供給される原水の圧力よりも相対的に高い圧力となるように設定(所定の圧力差の設定)される(例えば、約0.3〜3Kg/cmの差圧)。メイン殺菌水生成管路系502の方を高圧にしてもよい。差圧が0.3Kg/cmよりも小さいと、希釈殺菌水生成管路系503、504に接続された外部配管からの影響により希釈殺菌水生成管路系503、504内に圧力が変動して混合割合が変化する虞があり、特に30ppm以下の濃度が極めて薄い殺菌水を生成するときには、その濃度を維持することが実質的に難しくなる。
【0040】
他方、差圧が3Kg/cmよりも大きいと、この差圧を作るための装置として高価な機構が必要となり、また、差圧生成機構それ自体も大型化することになるため好ましくない。したがって、差圧としては、約0.3〜3Kg/cmであるのがよく、装置の小型化及びコストダウンのためには、現実的に希釈度合いなどを考慮に入れると約0.5〜3Kg/cmであるのが好ましく、コストダウンを重視するのであれば約0.5〜1Kg/cmであるのがよい。
【0041】
同様に、メインメイン殺菌水生成管路系502の下流端に設けた流量抑制機構511は、蛇口512の開閉に伴う圧力変動の影響を抑える機能を実質的に発揮するが、この圧力変動抑制のために、上述したオリフィスなどの流量抑制機構511に代えて又は流量抑制機構511と共に、第1、第2の殺菌水分配管524、525よりも下流側のメイン殺菌水生成管路系502の管路を比較的細長い管路で構成するようにしてもよい。
【0042】
図8では、2つの希釈殺菌水生成管路系503、504を設けた例を説明したが、ユーザの要請に応じて、希釈殺菌水生成管路系は一つであってもよいし、また、3以上に増設してもよい。
【0043】
図8に例示の殺菌水生成装置500によれば、メイン殺菌水生成管路系502によって生成された高濃度殺菌水を使用することは勿論であるが、第1、第2の希釈殺菌水生成管路系503、504によって生成された低濃度の殺菌水を同時に使用することもできる。また、第1、第2の希釈殺菌水生成管路系503、504が生成する殺菌水の遊離塩素濃度の設定は自在であり、同じ濃度の殺菌水を生成することもできるし、異なる濃度の殺菌水を生成することもできる。また、各管路系502〜504で生成される殺菌水のpHも自在に設定することができる。
【0044】
メイン殺菌水生成管路系502で生成する高濃度殺菌水の遊離塩素濃度として、好ましくは300ppm〜2000ppmぐらいに設定すると、このメイン殺菌水生成管路系502の蛇口512などから吐出される高濃度殺菌水は微量で多少汚れや油分のついた手指殺菌に対しても十分な殺菌効果を示すと共に、手に殺菌水を付けてから濃度が減少する短い時間、次亜塩素酸成分が手指に残留し、ペイパータオルなどでふき取っても、タオルからの二次汚染を防ぐことが出来る。次亜塩素酸殺菌水の特徴でもあり又弱点でもある、すぐに反応して水と弱塩酸分に変化して殺菌力が持続しないと言う利用上の弱点を補えるものである。
【0045】
生体への安全性は、アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム水溶液と違い、通常は、pH5〜7の範囲の弱酸性で使用するのが粘膜や肌にやさしく、しかも、次亜塩素酸の形になっているため濃度が300ppmでも油分を除去した手にさえも、手荒れが無く女性にとっても好ましい殺菌水となる。
【0046】
次亜塩素酸の殺菌水はウイルスから真菌、グラム陽性、陰性、全ての菌にも極めて高い殺菌作用を有し、手荒れも起さず、この分野に手指消毒として、上述した殺菌水生成装置500はアルコールや塩化ベンゼルコニュームなどに代わる殺菌装置となり得る。
【0047】
第1、第2の希釈殺菌水生成管路系503、504は、遊離塩素濃度が50〜200ppm程度の一般的な殺菌水や、遊離塩素濃度が30〜70ppm程度の空間殺菌用の殺菌水が同時に必要な場合に有効である。
【0048】
図9〜図13は、他の実施の形態を示し、上述した第1の実施の形態と同一の要素には同一の参照符号を付すことによりその説明を省略し、以下に、各実施の形態の特徴部分を説明する。
【0049】
図9は、第2の実施の形態の殺菌水生成装置550を示す。この殺菌水生成装置550のメイン殺菌水生成管路系502は、次亜塩素酸ナトリウムの添加及び混合手段509と希釈塩酸の添加及び混合手段510とが直列に配置され、好ましくは、2液同時混合による塩素ガスの発生を抑えるために、次亜塩素酸ナトリウムの添加及び混合手段509を上流側に、希釈塩酸の添加及び混合手段510を下流側に配置するのがよいが、その逆であってもよい。
【0050】
また、メイン殺菌水生成管路系502の下流端には、接続部552を介して殺菌水貯蔵タンク553が連結され、この貯蔵タンク553に蓄えられた殺菌水を蛇口512を用いて使用するようになっている。貯蔵タンク553に、水位センサを設けて、一定の低水位を下回ったら貯蔵タンク553に殺菌水を供給し、満タンになったら殺菌水の供給を停止するようにするのが、メイン殺菌水生成管路系502の圧力変動を抑えるうえで好ましい。
【0051】
また、第2希釈殺菌水生成管路系504には、第1希釈殺菌水生成管路系503で生成した殺菌水を取り込むようになっており、このため、第2殺菌水分配管525の上流端は第1希釈殺菌水生成管路系503に接続されている。
【0052】
この第2の実施の形態の殺菌水生成装置550によれば、メイン殺菌水生成管路系502で高濃度殺菌水を生成し、第1希釈殺菌水生成管路系503で中程度の濃度の殺菌水を生成し、第2希釈殺菌水生成管路系504で低濃度の殺菌水を生成することができる。
【0053】
図10は、第3の実施の形態の殺菌水生成装置600を示す。この殺菌水生成装置600のメイン殺菌水生成管路系502は、上述した図9の第2の実施の形態と実質的同じ構成であるが、これに代えて、図8に例示した第1の実施の形態と同じ構成であってもよい。
【0054】
この第3の実施の形態では、第1、第2の希釈殺菌水生成管路503、504に原水を供給する共通原水取込管519に、pH調整液(例えば希釈塩酸)を添加して原水のpHを調整する共通pH調整手段601が設けられている。また、第2希釈殺菌水生成管路系504には、第1希釈殺菌水生成管路系503に高濃度殺菌水を供給する第1殺菌水分配管524(流量調整バルブ526と逆止弁528との間)から高濃度殺菌水の一部を取り込むようになっており、このため、第2殺菌水分配管525の上流端が第1殺菌水分配管524に接続されている。
【0055】
図11は、第4の実施の形態の殺菌水生成装置650を示す。この殺菌水生成装置650は、本体ケース651と増設ケース652とに分離され、これらをユーザの要請により一体的に配置するようになっている。すなわち、本体ケース651には、メイン殺菌水生成管路系502が内蔵されており、また、増設ケース652には、第1希釈殺菌水生成管路系503が内蔵されている。そして、本体ケース651と増設ケース652とを連結するときには、メイン殺菌水生成管路系502から分岐して原水取込管653と、第1希釈殺菌水生成管路系503の上流端とを接続部654で接続する。また、本体ケース651と増設ケース652には、第1殺菌水分配管524が途中で切断された状態になっており、本体ケース651と増設ケース652とを連結するときには、接続部655で一体化することにより第1殺菌水分配管524が連通した状態となる。
【0056】
なお、図11においてメイン殺菌水生成管路系502の図示の構成は一例であり、図9の第2の実施の形態と同じ構成であってもよい。また、図11では、増設ケース652に一つの希釈殺菌水生成管路系を内蔵した例を図示してあるが、複数の希釈殺菌水生成管路系を内蔵させてもよい。
【0057】
本体ケース651と増設ケース652との配置に関し、特に制限するものではないが、本体ケース651に対して増設ケース652を上又は下或いは横並びに配置することができる。
【0058】
原水供給管505との接続部506を本体ケース651に設けてもよいが、これを図12に図示するように、増設ケース652に設けるようにしてもよい。すなわち、増設ケース652側から原水を取り込み、これをメイン殺菌水生成管路系502に分配するようにしてもよい。
【0059】
図11、図12に例示したように、メイン殺菌水生成管路系502をユニット化して、これに希釈殺菌水生成管路系503を組み付けることにより、メイン殺菌水生成管路系502のユニットを規格化してこれを量産し、ユーザ毎のニーズに対しては希釈殺菌水生成管路系503のユニットを個別的に製造し、これをメイン殺菌水生成管路系502に組み込むことで大量生産によるメリットを生かしながらユーザ毎のニーズに応じることができる。したがって、図11、図12では、本体ケース625と増設ケース652とに分けて説明したが、ケースは単一又は複数の種類のケースを用意しておき、ユーザの要請に応じて適当なケースを選択し、その中に、メイン殺菌水生成管路系502を構成する基本ユニットに、希釈殺菌水生成管路系503の増設ユニットを組み付けるようにしてもよい。
【0060】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。図2は本発明による異なる濃度の殺菌水同時生成方法及び生成装置の実施例を示す図である。
【0061】
図2は、本発明の第一の実施例を示すブロック図である。まず、接続部200を介して上水道から供給される供給水は管路201を通して第1の減圧弁240で減圧された後、管路237と241に分岐される。メイン殺菌水生成管路系を構成する管路241には第2の減圧弁202があり、供給水はさらに減圧される。これら第1、第2の減圧弁240、202は差圧生成機構を構成するものであり、圧力差が0.5Kg/cmないし3Kg/cmの所定の値となるように設定される。
定流量弁206を通過した後、電磁バルブ203を通り安全性を確保するための2重の流量センサ204及び205を通過し、逆止弁231を経て、管路207に通水される。
【0062】
その下流において、第1、第2分岐管208、209に分岐され、それぞれ、次亜塩素酸ナトリウム水溶液添加ノズル211および塩酸水溶液添加ノズル210により設定された量の各水溶液を添加された後、混合攪拌槽212および213で各水溶液と供給水(原水)が混合され混合攪拌槽216内に通水されて、お互いに混合されて所定のpHの高濃度殺菌水が生成される。この際、前記各水溶液と供給水が十分混合されれば、前記混合攪拌槽212および213は省いてもよい。
【0063】
同様に、各水溶液が添加された2種の水溶液が十分混合されるのであれば、前記殺菌水混合攪拌槽216も無くても良い。そして、混合により製造された高濃度殺菌水はメイン殺菌水生成部214の外に出てpHセンサ219によりpHをチェックした後、管路217と220に導かれる。メイン殺菌水生成管路系の出口管220には、オリフィス、定流量弁や減圧弁などの流量抑制手段265が設けられ、この出口管220の下流端には例えば蛇口239が取り付けられ、この蛇口239を操作することにより所定のpHの高濃度(例えば2000ppm)殺菌水を利用することができる。
【0064】
殺菌水分配管217に取り込まれた高濃度殺菌水は流量調整バルブ218で流量を調整された後、逆止弁254を経て原水混合部234に通水される。また、第1の減圧弁240の直後つまり、メイン殺菌水生成管路系の第2の減圧弁202の上流に接続された原水取込管237によって取り込まれた供給水(原水)は逆止弁236を通過し、流量調整バルブ235で流量を調整された後、同様に原水混合部234に通水されて高濃度殺菌水が所定の濃度に希釈され、この希釈殺菌水生成系の出口管233には手動あるいは自動バルブ238が介装されており、この出口管233の下流端は、外部配管との接続部239が形成されている。
【0065】
図2の実施例において、希釈殺菌水生成管路系には、第2の減圧弁202が設けられたメイン殺菌水生成管路系との間に所定の圧力差が設けられている。例えば、メイン殺菌水生成管路系と同圧状態(メイン殺菌水性生成管路系と希釈殺菌水生成管路系との間の差圧がゼロ)では流れが流量調整バルブ218と235の絞り加減によって、どちらかに偏った流れを生じ、高濃度殺菌水や希釈殺菌水の濃度を一定に保つのが難しくなる。
【0066】
また、第1の減圧弁240を、希釈殺菌水生成管路系の一部を構成する管路237に設置したとすれば、第2の減圧弁202は、第1減圧弁240より高い圧力に調整すればよい(希釈殺菌水生成管路系側を高圧に、メイン殺菌水生成管路系を低圧に調整する)。また、これら2つの管路237と241を、個々に独立した別の原水取込口(原水供給管と個別に接続する)に接続してもよく、この場合には、前記2つの減圧弁240と202を外部に配置(原水供給管側に取り付ける)するようにしてもよい。
【0067】
したがって、図2において流量調整バルブ218と235の流量比を変えることにより、メイン殺菌水生成管路系から取り込んだ高濃度殺菌水を所望の遊離塩素濃度の殺菌水に希釈することができる。
【0068】
また、メイン殺菌水生成管路系及び希釈殺菌水管路系には、内部の液体を排水するために、必要に応じてドレーン管路242および245を接続し、そのドレーン管路243および245の先端に手動の開閉バルブ243および244を設けるのがよい。
【0069】
ここで、次亜塩素酸ナトリウム水溶液はタンク222に貯蔵されており、管路227を通じてポンプ224に接続されており、ポンプを制御部215から駆動させて原水流量に見合った量を管路229を通じて添加ノズル211に送り込む。また、タンク222は電気的に自動で開閉するバルブ226を介して管路232で添加ノズル211と接続されており、バルブ226を開放した状態でポンプ224を動作させることにより、水溶液を管路227、ポンプ224、管路229、添加ノズル211、管路232、バルブ226の順番に通水して、再びタンク222に戻す循環通水ができる。
【0070】
これにより、管路内やポンプ内、さらには添加ノズル内に溜まった気体をタンク内に送り込むことができる、水溶液供給管路系の気体を除去することができる。
【0071】
塩酸水溶液に関しても同様で、タンク221、ポンプ223、自動バルブ225、管路228、230、246で構成される水溶液供給管路および戻り管路系を構成している。
【0072】
図4は、制御系の全体系統図である。供給された100V電源は電源回路部により±5V、5V、24Vに変換され、各モータやCPU回路に供給される。CPUは原水の流量を検出する流量センサ204又は205から流量に応じた信号を得る。
【0073】
その際、2つの流量センサに規定以上の差がある場合は、流量センサの不都合等のトラブルと判断し、警告を発するなどと共に、一次側のソレノイドバルブ203を閉鎖して殺菌水の生成を中止する。2つの流量センサからの信号の差に特別に問題が無い場合は、それらの信号から原水の流量を計算し、流量と予め設定された遊離塩素濃度の情報に基づき次亜塩素酸ナトリウム水溶液の供給用ポンプ224の回転数を計算して動作させる。
【0074】
また、同様に予め設定されたpH値と前記次亜塩素酸ナトリウム水溶液の供給量に基づき塩酸水溶液の回転式の供給ポンプ223であればその回転数又はピストン式ポンプであれば往復動の回数を計算して動作させる。また、各水溶液の供給管路系の気体を除去する場合は、スイッチパネルの相当するボタンを押すか、タイマー等によりCPUからの指示で自動バルブ225あるいは/および226を開放するとともに、ポンプ223あるいは/または224を一定時間動作させて各タンクから出てタンクに戻る循環流を発生させて管路系の気体をタンクに送り込む動作を行う。
【0075】
また、遊離塩素濃度やpH値設定および運転/停止はスイッチパネル80により行われる。また、ポンプの異常や管路のつまりなどにより、pH値が設定したpH値と異なる場合も、CPUは異常を検出して、アラームを表示するなど、また必要に応じてソレノイドバルブ203を閉鎖して殺菌水の製造を中止する。
【0076】
また、スイッチパネル80による運転指示が入ると、CPUからの指令により自動バルブ238が開放され原水混合部234にて希釈された殺菌水の吐水が開始されるが、前記流量センサからの信号異常やpH値異常などの理由により、ソレノイドバルブ203を閉鎖して殺菌水の製造を中止した場合、この動作に連動して自動バルブ238もCPUからの指令により閉鎖され、供給水(原水)だけが吐水されるのを防止する。
【0077】
また、次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、現在、学校給食の現場では200ppm以下で食材の殺菌に使用するよう指導されている。また、一般の食品業界においては食材の殺菌について100ppm〜200ppmで行うよう、指導されている。しかし、この濃度では、次亜塩素酸ナトリウムの場合、次亜塩素酸イオンが主体のアルカリ側では酸化力が弱く、脂分の着いた手指殺菌を、アルコール性の殺菌剤に代わって利用するには不十分であり、本発明は、これを解決することができる。
【0078】
高濃度にすると次亜塩素酸ナトリウムの水溶液は強アルカリとなり、肌や粘膜を著しく破壊する。この点を解決するため、肌を痛めないpH値5〜7の範囲の酸性側でイオンではなく酸の形態で、酸化力も80倍に増加させて、しかも希釈殺菌水生成管路系で生成された通常大量に使用する濃度の殺菌水は外部配管を通じて使用可能であるだけでなく、メイン殺菌水生成管路系の必要に応じて複数設けることのできる吐水口(例えば複数の蛇口)239から300ppm〜2000ppmの範囲のものを利用できる。
【0079】
また、従来の機械は利用現場で直接使用される、低い濃度(例えば200ppm)で大量に生成するため、200ppmで1時間あたり1500リットル生成するため構造上、機械が大型化する。しかし、機械内部で2000ppmのものを供給原水で薄めると、内部配管だけでできるため、機械が小型化し販売後のメンテナンスも、機械ごと送り返す方式が取れる。
【0080】
商品の性質上殺菌力をギャランティする上で重要な保守問題が解決する。そして、極めて高い濃度のため、微量の霧状噴霧で手指の殺菌が可能になるため、MRSA、VRE、セラチア菌、レジオネラ菌などの感染を低いコストで防止できる。
【0081】
次に、図3に本発明の第2の実施例を示す。本実施例は第1の実施例に対し、希釈殺菌水生成管路系をさらに1つ増やした構造であり、第1の減圧弁201直後で分岐された管路237は逆止弁236下流でさらに2つの管路247および253に分岐され、管路247は流量調整バルブ248を経て原水混合部250に接続され、一方、pHセンサの下流で分岐された管路217からさらに分岐した管路254は流量調整バルブ255および逆止弁249を経て原水混合部250に接続されている。さらに原水混合部250は吐水管路252が接続されており、その管路250には手動あるいは自動バルブ251が設けられている。
【0082】
これにより、第1の実施例では高濃度殺菌水生成ユニット214で作られた高濃度殺菌水と、希釈殺菌水生成管路系で希釈された殺菌水において、2種類の遊離塩素濃度の殺菌水を得ることができたのに対し、実施例2ではさらにもう一種類の遊離塩素濃度の殺菌水が同時に得られることになる。このような希釈殺菌水管路系は、物理的容量の制約が許す限り、複数設けることが得きることは言うまでもない。
【0083】
上述の第1実施例及び第2実施例の殺菌装置は、遊離塩素濃度が300〜2000ppmという特に強い殺菌力を有する殺菌水を必要とする例えば病院において、遊離塩素濃度が50〜200ppm程度の一般的な殺菌水や遊離塩素濃度が30〜70ppm程度の空間殺菌用の殺菌水が同時に必要な場合に有効である。
【0084】
図5は本発明の第3の実施例を示す。この第3実施例は、第1の実施例に対し、第1の減圧弁240の直後で分岐された管路237つまり希釈殺菌水生成管路系に、pH調整手段として酸性水溶液の添加ノズル256(ここでは塩酸水溶液添加ノズル)を付加した構造であり、管路237に安全のための2重の流量センサ257、258を設け、その下流に逆止弁236を設け、また、その下流に塩酸水溶液添加ノズル256が設けられている。
【0085】
また、塩酸水溶液タンク221から出た管路262は管路228と254に分岐され、管路228は前述のポンプ223へ接続され、管路254は別の第2のポンプ255に接続され、さらに管路264により添加ノズル256に接続されている。これによりポンプ255を制御部215からの信号により駆動させて、流量センサ257、258にて計測される流量に見合った量の塩酸水溶液を、管路264を通じて添加ノズル256を介して希釈殺菌水生成管路系に添加することにより所望のpHに調整することができる。また、希釈殺菌水生成管路系のpH調整手段の一部を構成する添加ノズル256は、管路261のバルブ268を開放した状態で第2ポンプ255を動作させることで管路254、264及び戻り管路261を通じて、タンク221から汲み上げた塩酸水溶液をタンク221に戻す循環路が形成されている。メイン殺菌水生成管路系のpH調整手段の一部を構成する添加ノズル210に関する第1ポンプ223についても同様であり、バルブ225を開放した状態で第1ポンプ223を動作させることで、タンク221から汲み上げた塩酸水溶液をタンク221に戻す循環路が、管路228、230、263で構成されている。
【0086】
これにより、管路内やポンプ内、さらには添加ノズル内に溜まった気体をタンクに送り込むことができ、塩酸水溶液供給管路系の気体を除去することができるため、気体が混入することによる不正なpH調整を防止することができる。
【0087】
これらのpH調整手段を設けることにより、管路237から希釈殺菌水生成管路系に供給された原水のpH値を原水のpHよりも低い(酸性側)値で且つ任意の値とすることができ、また、高濃度殺菌水を希釈する原水混合部234に供給される高濃度殺菌水の量とpH値を加味して最終的に希釈殺菌水生成管路系の出口管233から吐出される殺菌水のpH値を所望の値とすることができる。この出口管233を通過する希釈殺菌水のpH値はpHセンサ259により検出され、この検出信号は制御部215に供給される(pH調整のフィードバック制御)。
【0088】
また、メイン殺菌水生成管路系の出口管220には管路217が分岐され、管路217には流量調整バルブ218と逆止弁254があり、これらを通り管路237を流れる原水の水圧に抗して、殺菌水が流入できるような圧力が維持されるために、メイン殺菌水生成管路系の出口管220には、減圧弁や定流量バルブ、オリフィスなど流量抑制機構265が設けられている。
【0089】
また、これにより、管路220から取り出すことのできる高濃度殺菌水と、管路233から取り出すことのできる低濃度殺菌水のpH値を同一にすることも、あるいは異なるpH値にすることも可能になる。
【0090】
図6に本発明の第4の実施例を示す。第4実施例は、第3の実施例と同様に、第2の実施例に対し、第1の減圧弁240直後で分岐された管路237にpH調整手段としての塩酸水溶液の添加ノズル256を付加した構造であり、基本的な内容は第3の実施例と同一の構成であるため、その詳しい説明は省略する。
【0091】
図7は、第3および第4の実施例に設けられた制御部の全体系統図である。この制御部は、図4の全体系統図の構成に流量センサ257と258およびポンプ255を追加したものであり、制御部は2つの流用計の信号から管路237を流れる流量を計算し、流量と予め設定されたpH値の情報に基づき塩酸水溶液の供給用ポンプ255の回転数を計算して動作させる。ここで、流量センサ257、258を2つ設けたのは、図4でも説明したように、流量センサの故障などのトラブル発生の有無を判断するためである。
【0092】
ここで、本発明の第3、第4実施例で説明した塩酸水溶液添加ユニットは必ずしも管路237に設けるのではなく、第1の減圧弁240の直下で管路241と237に分岐する前に逆止弁とともに設置されてもよい。また、管路233および252に設けられたpHセンサ259および260の代わりに、塩酸水添加ノズル256の下流に共通のpHセンサを設置して希釈殺菌水生成管路系に取り込んだ原水のpH値を検出するようにしてもよい。
【0093】
次亜塩素酸ナトリウム水溶液と塩酸等の酸性水溶液を適量添加して殺菌力の強い次亜塩素酸水溶液を製造する装置の具体例を例示的に説明したが、複数の遊離塩素濃度の殺菌水を同時に1台の装置で製造することができる。特に、アルコール等の消毒材の代わりに使用できるような遊離塩素濃度300〜2000ppmの強力な殺菌水を供給するとともに、一般的な殺菌能力を有する50〜200ppmの遊離塩素濃度の殺菌水や空間殺菌に適する50〜70ppmの殺菌水も1台の装置で簡単に同時に製造でき、物理的にも省スペース化が可能であるとともに、費用的にも安く抑えることが可能となり、衛生管理を必要とする場所には最適な方法および装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の装置の全体構成を説明するための図である。
【図2】第1実施例の装置の全体構成を説明するための図である。
【図3】第2実施例の装置の全体構成を説明するための図である。
【図4】第1、第2の実施例の制御系の全体系統図である。
【図5】第3実施例の装置の全体構成を説明するための図である。
【図6】第4実施例の装置の全体構成を説明するための図である。
【図7】第3、第4の実施例の制御系の全体系統図である。
【図8】第1実施の形態の概要を説明するための図である。
【図9】第2実施の形態の概要を説明するための図である。
【図10】第3実施の形態の概要を説明するための図である。
【図11】第4実施の形態の概要を説明するための図である。
【図12】第4実施の形態の変形例の概要を説明するための図である。
【符号の説明】
101 原水供給管路
102 逆止弁
103 管路
104 管路
105 逆止弁
106 逆止弁
109 塩酸水溶液添加ノズル
110 次亜塩素酸ナトリウム水溶液添加ノズル
116 次亜塩素酸ナトリウム水溶液タンク
118 次亜塩素酸ナトリウム水溶液用ポンプ
120 塩酸水溶液用ポンプ
126 塩酸水溶液用タンク
124 逆止弁
201 原水供給管路
202 減圧弁
206 定流量弁
210 塩酸水溶液添加ノズル
211 次亜塩素酸ナトリウム水溶液添加ノズル
218 流量調整バルブ
219 pHセンサ
221 塩酸水溶液タンク
222 次亜塩素酸ナトリウム水溶液タンク
231 逆止弁
235 流量調整バルブ
236 逆止弁
240 減圧弁
248 流量調整バルブ
249 逆止弁
261A 逆止弁
246A 逆止弁
266 管路

Claims (9)

  1. 原水給水管を接続する原水接続部と、
    該原水接続部を通じて前記原水供給管から供給された原水をメイン殺菌水生成管路系と希釈殺菌水生成管路系とで所定の圧力差となるように差圧を生成する差圧生成機構とを含み、
    前記メイン殺菌水生成管路系は、該メイン殺菌水生成管路系に供給された原水に、次亜塩素酸ナトリウム又は亜塩素酸ナトリウムと塩酸、硫酸などの無機酸又は酢酸などの有機酸の酸性水溶液を添加して予め設定されたpHの高濃度殺菌水を生成し、
    前記希釈殺菌水生成管路系は、該希釈殺菌水生成管路系に供給された原水に、前記メイン殺菌水生成管路系から分岐された殺菌水分配管を通じて取り込んだ前記高濃度殺菌水を所定の割合で混合させることにより希釈殺菌水を生成すると共に該希釈殺菌水のpHを調整し、
    前記メイン殺菌水生成管路系で生成された殺菌水と前記希釈殺菌水生成管路系で生成された希釈殺菌水とが共に外部に取り出し可能であることを特徴とする殺菌水生成装置。
  2. 前記メイン殺菌水生成管路系と前記希釈殺菌水生成管路系に供給される原水の圧力差が、0.3〜3Kg/cmである、請求項1に記載の殺菌水生成装置。
  3. 前記希釈殺菌水生成管路系に供給される原水の圧力が前記メイン殺菌水生成管路系に供給される原水の圧力よりも0.3〜3Kg/cm高い、請求項2に記載の殺菌水生成装置。
  4. 前記殺菌水分配管に、前記メイン殺菌水生成管路系から前記希釈殺菌水生成管路系への流れを許容し、その逆の流れを禁止する逆止弁が設けられている、請求項3に記載の殺菌水生成装置。
  5. 前記メイン殺菌水生成管路系には、前記殺菌水分配管よりも下流に流量抑制機構が設けられている、請求項3又は4に記載の殺菌水生成装置。
  6. 前記メイン殺菌水生成管路系で生成される殺菌水及び前記希釈殺菌水生成管路系で生成される希釈殺菌水の濃度及びpHを制御する制御手段を更に含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の殺菌水生成装置。
  7. 前記メイン殺菌水生成管路系及び/又は前記希釈殺菌水生成管路系には、生成した殺菌水のpHを測定するpHセンサが設けられている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の殺菌水生成装置。
  8. 前記メイン殺菌水生成管路系で生成する殺菌水の遊離塩素濃度が300ppm〜2000ppmである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の殺菌水生成装置。
  9. 前記メイン殺菌水管路系がユニット化されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の殺菌水生成装置。
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