JP2004181401A - フィルター - Google Patents
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Abstract
【課題】耐薬品性、耐熱性、親水性、軽量性に優れたフィルターを提供する。
【解決手段】テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンを主成分とするジアミン成分とから合成されるポリアミドを鞘成分とし、ポリプロピレンを芯成分とする芯鞘型複合繊維を構成繊維として含むフィルター。
【選択図】 なし
【解決手段】テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンを主成分とするジアミン成分とから合成されるポリアミドを鞘成分とし、ポリプロピレンを芯成分とする芯鞘型複合繊維を構成繊維として含むフィルター。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアフィルター、液体フィルター、バッグフィルター、精密ろ過フィルター等に適したフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
フィルターには繊維製のものが多く使用され、その繊維素材としては従来、ポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維などが多く使用されてきた。一般に繊維を素材とするフィルターは安価であり、構成繊維の繊維径を選択することによってろ過精度をコントロールでき、またフィルター表面だけでなく、繊維間の空隙部に多くの粒子を捕捉することができるためにろ過ライフが長いという長所を有している。しかしながら、そのフィルターの耐熱性や耐薬品性は構成繊維の特性に依存するため、これまでのポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維などを素材とするフィルターでは高温溶液、高温酸性溶液、高温アルカリ溶液などの、溶解性、反応性の高い溶液によっては問題を生じることがあった。
ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系繊維は耐熱性が低く、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維は耐アルカリ性が低い。またポリアミド系は耐酸性が低い。これらの繊維はそれぞれ短所と長所を併せ持っているが、耐熱性、耐薬品性、価格の面でバランスの取れた素材を用いたフィルターがなく、その開発が望まれている。
【0003】
本出願人は、耐熱性、耐薬品性、価格の面でバランスの取れたフィルター用繊維、セパレータ用繊維、フィルター、セパレータおよびシート状物を提案してきた(特許文献1〜4参照)。しかしながら、さらに親水性を有しかつ軽量であるフィルターは得られていなかった。
【0004】
【特許文献1】特開平09−256219
【特許文献2】特開平09−259856
【特許文献3】特開平09−316731
【特許文献4】特開2000−17524
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐熱性、耐薬品性、価格の面でバランスが取れ、かつ親水性と軽量性を備えたフィルターを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、60モル%以上が芳香族ジカルボン酸であるジカルボン酸成分と60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分とから合成されるポリアミド(a)を鞘成分とし、ポリオレフィンを芯成分とする芯鞘型複合繊維(A)を構成繊維として含むことを特徴とするフィルターである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のフィルターを構成するポリアミド(a)はジカルボン酸成分とジアミン成分とからなり、ジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香族ジカルボン酸であること、およびジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであることが重要である。
【0008】
芳香族ジカルボン酸としては、フィルターの耐熱性、耐薬品性の点でテレフタル酸が好ましく、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、ジ安息香酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸を1種類以上併用して使用することもできる。かかる芳香族ジカルボン酸の含有量はジカルボン酸成分の60モル%以上であり、75モル%以上であることが好ましい。
【0009】
上記芳香族ジカルボン酸以外のジカルボン酸としてはマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸を挙げることができ、これらの酸は1種類のみならず2種類以上用いることができる。
なかでも不織布の強度、耐薬品性、耐熱性等の点でジカルボン酸成分が100%芳香族ジカルボン酸であることが好ましい。
さらにトリメトリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸を繊維化・不織布化が容易な範囲内で含有させることもできる。
【0010】
また、ジアミン成分の60モル%以上は炭素数が6〜12のアルキレンジアミンで構成され、かかる脂肪族アルキレンジアミンとしては、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン、等の直鎖または側鎖を有する脂肪族ジアミンなどを挙げることができる。
なかでも耐薬品性の点で1,9−ノナンジアミン、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとの併用が好ましい。
この脂肪族アルキレンジアミンの含有量はジアミン成分の60モル%以上であるが、75モル%以上、特に90モル%以上であることが、耐熱性の点で好ましい。
【0011】
上述の脂肪族アルキレンジアミン以外のジアミンとしてはエチレンジアミン、1,4−ブタンジアミン等の脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジメチルジアミン、トリシクロデカンジメチルジアミン等の脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミン、あるいはこれらの混合物を挙げることができ、これらは1種類にみならず2種類以上を用いることができる。
【0012】
脂肪族アルキレンジアミンとして1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとを併用する場合、ジアミン成分の60〜100モル%が1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンからなり、そのモル比は前者:後者=30:70〜99:1、とくに前者:後者=40:60〜95:5であることが好ましい。
【0013】
また、本発明に使用されるポリアミドはその分子鎖における〔CONH/CH2〕の比が1/2〜1/8、とくに1/3〜1/5であることが好ましい。この範囲のポリアミドを使用することにより耐薬品性および耐熱性に優れたフィルターが得られるのである。
【0014】
上述のポリアミドの極限粘度(濃硫酸30℃で測定した値)は0.6〜2.0dl/gであることが好ましく、とくに0.6〜1.8dl/g、0.7〜1.6dl/gが好ましい。該極限粘度の範囲内のポリアミドは、繊維化および不織布化する際の溶融粘度特性が良好であり、さらに得られるフィルターの強度、耐薬品性、耐熱性が優れたものとなる。
【0015】
さらに上述のポリアミドはその分子鎖の末端基の10%以上が末端封止剤により封止されていることが好ましく、末端の40%以上、さらには末端の70%以上が封止されていることが好ましい。分子鎖の末端を封止することにより、得られるセパレータの強度、耐薬品性、耐熱性等が優れたものとなる。
末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基またはカルボキシル基と反応性を有する単官能性の化合物であればとくに制限はないが、反応性および封止末端の安定性などの点からモノカルボン酸、モノアミンが好ましい。取り扱いの容易さ、反応性、封止末端の安定性、価格の点でモノカルボン酸が好ましい。モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸などを挙げることができる。なお、末端の封止率は1H−NMRにより、各末端基に対応する特性シグナルの積分値より求めることができる。
【0016】
本発明に係わるポリアミドの製造方法は特に限定されず、結晶性ポリアミドを製造する方法として公知の任意の方法を用いることができる。たとえば、酸クロライドとジアミンとを原料とする溶液重合法あるいは界面重合法、ジカルボン酸またはジカルボン酸のアルキルエステルとジアミンとを原料とする溶融重合法、固相重合法などの方法により製造できる。
【0017】
一例を挙げると、末端封止剤、触媒、ジアミン成分およびジカルボン酸成分を一括して反応させ、ナイロン塩を製造した後、一旦280℃以下の温度において極限粘度が0.15〜0.30dl/gのプレポリマーとし、さらに固相重合するか、あるいは溶融押出機を用いて重合を行うことにより容易に製造することができる。重合の最終段階を固相重合により行う場合、減圧下または不活性ガス流通下に行うのが好ましく、重合温度が200〜250℃の範囲であれば、重合速度が大きく、生産性に優れ、着色やゲル化を有効に抑制することができるので好ましい。重合の最終段階を溶融押出機により行う場合、重合温度が370℃以下であるとポリアミドの分解がほとんどなく、劣化の少ないポリアミドが得られるので好ましい。
【0018】
重合触媒としてはリン酸、亜リン酸、次亜リン酸またはそれらのアンモニウム塩、それらの金属塩、それらのエステル類を挙げることができ、なかでも次亜リン酸ナトリウムが入手のし易さ、取扱性の点で好ましい。
また、必要に応じて銅化合物等の安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤などを重縮合反応時、またはその後に添加することができる。特に熱安定剤としてヒンダードフェノール等の有機系安定剤、ヨウ化銅等のハロゲン化銅化合物、ヨウ化カリウム等のハロゲン化アルカリ金属化合物を添加すると、繊維化の際の溶融滞留安定性が向上し、またフィルターとして用いる場合の耐熱性が向上するので好ましい。
【0019】
本発明に用いられるポリオレフィンとは、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、エチレン共重合ポリプロピレンなどをあげることができる。なかでもポリプロピレンは比重が軽いため好ましい。
本発明のポリアミド(a)を用いた芯鞘型複合繊維(A)の製造には、公知の溶融紡糸装置を用いることができる。たとえば、ポリアミド(a)とポリオレフィンとを夫々別の押出機で溶融混練し、ポリアミド(a)が鞘成分に、ポリオレフィンが芯成分になるように同一の紡糸ノズルから吐出させればよい。
【0020】
また、本発明においては、芯鞘型複合繊維(A)以外に他の繊維を配合してフィルターを得てもかまわない。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、全芳香族ポリエステルなどのポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ナイロン6、ナイロン66等の脂肪族ポリアミド、アラミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、エチレン−ビニルアルコール系共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体などのポリオレフィンからなる単独繊維またはこれらの2種類以上からなる複合形態の繊維;天然セルロース繊維をマーセル化したセルロース系繊維;マーセル化されたパルプ、繊度の異なるポリアミド(a)からなる繊維、ガラス繊維、セラミックス繊維、金属繊維などを挙げることができる。また、公知の熱溶融性バインダー、特にバインダー繊維、糊剤等を使用することにより、不織布の形態安定性を向上させることも可能である。
【0021】
さらにフィルターの強力・形態安定性等を高めるために、バインダー、特にバインダー繊維をさらに配合してもよい。繊維状バインダーを配合した場合にはろ過抵抗を必要以上に高めることなく上記の効果が得られる。フィルター強力、均質性、製造工程性等の点からはバインダー繊維の繊度は0.5〜6dtex程度であるのが好ましい。なお、繊維状バインダーは不織布化した後に繊維の形状を明確に保持している必要はなく、繊維状バインダーを用いて不織布を製造することにより上記の効果が得られる。
【0022】
バインダー繊維は単一成分により構成されていてもよいが、接着効果を奏すると同時に十分な強力を保持できることから、2以上の成分により構成されているのが好ましい。芯鞘型、サイドバイサイド型、層状分割型、放射状分割型等の複合繊維や海島繊維が好適に使用できる。繊維横断面は丸型、偏平型、繭型、中空型,T型等特に限定されるものではない。
【0023】
このようにして得られる芯鞘型複合繊維(A)を繊維化し、フィルター用部材として用いることにより、耐薬品性、耐熱性等の点で顕著な効果が得られる。フィルターの製造に際しては、かかる繊維を用いてシート化すればよく、織編物、乾式不織布、湿式不織布等のシートにすることができる。またメルトブローン法やスパンボンド法により繊維化後すぐにシート化することも可能である。さらにはワインドカートリッジフィルターのように繊維を多孔支持体に巻き付けた繊維形態でも良い。異物の補集性、通水抵抗、通気抵抗、機械的性能等の点からフィルターの形態は適宜決めることができる。
【0024】
かかるフィルター用シートをそのまま用いて、またはプリーツ状、筒状、袋状や渦巻状等の所望の形状に加工することによりフィルターとすることができる。もちろん該シート以外のものと組み合せてフィルターを製造してもよい。たとえば他のシート(不織布、フィルム等)と積層したり、継ぎ合せることができる。しかしながら、本発明の効果を効率的に得る点からは実質的に前述のシート、特に不織布のみからフィルターを製造するのが好ましい。本発明のフィルターを組込むことによって諸性能に優れたろ過機が得られる。
【0025】
このようなフィルターは、エアフィルター、液体フィルター、バッグフィルター、精密ろ過フィルター等のフィルターのみならず、篩、電池セパレータ、キャパシタセパレータ、電機絶縁材料、プリント基板基材、ワイパー、ガスケット、摺動部材、断熱材、抄紙用キャンバス、樹脂補強材、ゴム補強材、セメント補強材、包装材、スクリーンメッシュ、音響振動板、研磨材、人工皮革用基布等に用いることができる。
【0026】
【実施例】
以下に実施例により本発明を説明するが、本実施例により何等限定されるものではない。なお実施例中の各測定値は以下の方法により測定された値である。
[厚み(mm)]
JIS L1086「接着しん地試験方法」に準じて測定した。
[目付(g/m2)]
JIS L1086「接着しん地試験方法」に準じて測定した。
[比重]
目付÷厚み÷1000より算出した。
[強度]
JIS L1086「接着しん地試験方法」に準じて測定した。
[耐薬品性(%)]
JIS L1086「接着しん地試験方法」に準じて、薬品処理前後の試験片の強力(N/50mm)を測定し、その強力保持率で表した。
[通気度(cm3/cm2/sec)]
JIS L 1096―1996「一般織物試験方法」の通気度測定方法に準じ、株式会社東洋精機製作所製フラジール型通気度試験機により測定した。
【0027】
[参考例1]
[1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンをジアミン成分とし、テレフタル酸をジカルボン酸成分とするポリアミド(a)の製造]
テレフタル酸19.5モル、1,9−ノナンジアミン10.0モル、2−メチル−1,8−オクタンジアミン10.0モル、安息香酸1.0モル、次亜リン酸ナトリウム−水和物0.06モルおよび蒸留水2.2リットルを、内容積20リットルのオートクレーブに添加し、窒素置換を行った。ついで100℃で30分間攪拌し、2時間かけて内温を210℃に昇温した。この時、オートクレーブは2.2MPaまで昇圧した。そのまま1時間反応を続けた後、230℃に昇温し、その後2時間230℃に保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を2.2MPaに保持しながら反応を続けた。次に、30分かけて圧力を1.0MPaまで下げ、さらに1時間反応を続けてプレポリマーを得た。このプレポリマーを100℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕した。
この粉砕物を230℃、10Pa下にて10時間固相重合することによりポリマーを得た。得られたポリマーの極限粘度は0.9dl/gであった。
【0028】
[実施例1]
参考例1で製造したポリアミド(a)を押出機を用いて溶融押出しし鞘成分となるように紡糸頭に導き、別の押し出し機でポリプロピレン(ニホンポリケム製SA01)を溶融押し出しして芯成分となるように紡糸頭に導き、同一のノズルより吐出し、巻取速度1,000m/分で巻き取り、未延伸糸を得た。ついで、水浴温度90℃の水浴を用いて未延伸糸を延伸し、引き続き捲縮・カットして、繊度1.7dtex、カット長38mmの芯鞘型複合繊維(A)の原綿とした。この原綿をカーディング、ニードリングして目付100g/m2のフェルト状のフィルターを作製した。得られたフィルターは、軽量で耐薬品性、軽量性、親水性、強度に優れた性能を有するものであった。性能を表1に示す。
【0029】
[実施例2]
実施例1の原綿を用いて目付45g/m2の乾式スパンレースのフィルターを作製した。得られたフィルターは耐薬品性、軽量性、親水性、強度に優れた性能を有するものであった。性能を表1に示す。
[実施例3]
実施例1と同様にして得られた芯鞘型複合繊維の未延伸糸をローラー温度100℃、プレート温度200℃で延伸し、さらに経糸、緯糸に用いて平織りにした。さらに実施例1で得られた原綿を240g/m2のカードウエッブにし平織物の上下から挟んでニードリングし、表面を毛焼きしてフィルターを作製した。得られたフィルターは耐薬品性、軽量性、親水性、強度に優れた性能を有するものであった。性能を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】
本発明により、軽量性、耐薬品性、親水性に優れたフィルターを提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアフィルター、液体フィルター、バッグフィルター、精密ろ過フィルター等に適したフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
フィルターには繊維製のものが多く使用され、その繊維素材としては従来、ポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維などが多く使用されてきた。一般に繊維を素材とするフィルターは安価であり、構成繊維の繊維径を選択することによってろ過精度をコントロールでき、またフィルター表面だけでなく、繊維間の空隙部に多くの粒子を捕捉することができるためにろ過ライフが長いという長所を有している。しかしながら、そのフィルターの耐熱性や耐薬品性は構成繊維の特性に依存するため、これまでのポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維などを素材とするフィルターでは高温溶液、高温酸性溶液、高温アルカリ溶液などの、溶解性、反応性の高い溶液によっては問題を生じることがあった。
ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系繊維は耐熱性が低く、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維は耐アルカリ性が低い。またポリアミド系は耐酸性が低い。これらの繊維はそれぞれ短所と長所を併せ持っているが、耐熱性、耐薬品性、価格の面でバランスの取れた素材を用いたフィルターがなく、その開発が望まれている。
【0003】
本出願人は、耐熱性、耐薬品性、価格の面でバランスの取れたフィルター用繊維、セパレータ用繊維、フィルター、セパレータおよびシート状物を提案してきた(特許文献1〜4参照)。しかしながら、さらに親水性を有しかつ軽量であるフィルターは得られていなかった。
【0004】
【特許文献1】特開平09−256219
【特許文献2】特開平09−259856
【特許文献3】特開平09−316731
【特許文献4】特開2000−17524
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐熱性、耐薬品性、価格の面でバランスが取れ、かつ親水性と軽量性を備えたフィルターを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、60モル%以上が芳香族ジカルボン酸であるジカルボン酸成分と60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分とから合成されるポリアミド(a)を鞘成分とし、ポリオレフィンを芯成分とする芯鞘型複合繊維(A)を構成繊維として含むことを特徴とするフィルターである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のフィルターを構成するポリアミド(a)はジカルボン酸成分とジアミン成分とからなり、ジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香族ジカルボン酸であること、およびジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであることが重要である。
【0008】
芳香族ジカルボン酸としては、フィルターの耐熱性、耐薬品性の点でテレフタル酸が好ましく、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、ジ安息香酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸を1種類以上併用して使用することもできる。かかる芳香族ジカルボン酸の含有量はジカルボン酸成分の60モル%以上であり、75モル%以上であることが好ましい。
【0009】
上記芳香族ジカルボン酸以外のジカルボン酸としてはマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸を挙げることができ、これらの酸は1種類のみならず2種類以上用いることができる。
なかでも不織布の強度、耐薬品性、耐熱性等の点でジカルボン酸成分が100%芳香族ジカルボン酸であることが好ましい。
さらにトリメトリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸を繊維化・不織布化が容易な範囲内で含有させることもできる。
【0010】
また、ジアミン成分の60モル%以上は炭素数が6〜12のアルキレンジアミンで構成され、かかる脂肪族アルキレンジアミンとしては、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン、等の直鎖または側鎖を有する脂肪族ジアミンなどを挙げることができる。
なかでも耐薬品性の点で1,9−ノナンジアミン、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとの併用が好ましい。
この脂肪族アルキレンジアミンの含有量はジアミン成分の60モル%以上であるが、75モル%以上、特に90モル%以上であることが、耐熱性の点で好ましい。
【0011】
上述の脂肪族アルキレンジアミン以外のジアミンとしてはエチレンジアミン、1,4−ブタンジアミン等の脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジメチルジアミン、トリシクロデカンジメチルジアミン等の脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミン、あるいはこれらの混合物を挙げることができ、これらは1種類にみならず2種類以上を用いることができる。
【0012】
脂肪族アルキレンジアミンとして1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとを併用する場合、ジアミン成分の60〜100モル%が1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンからなり、そのモル比は前者:後者=30:70〜99:1、とくに前者:後者=40:60〜95:5であることが好ましい。
【0013】
また、本発明に使用されるポリアミドはその分子鎖における〔CONH/CH2〕の比が1/2〜1/8、とくに1/3〜1/5であることが好ましい。この範囲のポリアミドを使用することにより耐薬品性および耐熱性に優れたフィルターが得られるのである。
【0014】
上述のポリアミドの極限粘度(濃硫酸30℃で測定した値)は0.6〜2.0dl/gであることが好ましく、とくに0.6〜1.8dl/g、0.7〜1.6dl/gが好ましい。該極限粘度の範囲内のポリアミドは、繊維化および不織布化する際の溶融粘度特性が良好であり、さらに得られるフィルターの強度、耐薬品性、耐熱性が優れたものとなる。
【0015】
さらに上述のポリアミドはその分子鎖の末端基の10%以上が末端封止剤により封止されていることが好ましく、末端の40%以上、さらには末端の70%以上が封止されていることが好ましい。分子鎖の末端を封止することにより、得られるセパレータの強度、耐薬品性、耐熱性等が優れたものとなる。
末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基またはカルボキシル基と反応性を有する単官能性の化合物であればとくに制限はないが、反応性および封止末端の安定性などの点からモノカルボン酸、モノアミンが好ましい。取り扱いの容易さ、反応性、封止末端の安定性、価格の点でモノカルボン酸が好ましい。モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸などを挙げることができる。なお、末端の封止率は1H−NMRにより、各末端基に対応する特性シグナルの積分値より求めることができる。
【0016】
本発明に係わるポリアミドの製造方法は特に限定されず、結晶性ポリアミドを製造する方法として公知の任意の方法を用いることができる。たとえば、酸クロライドとジアミンとを原料とする溶液重合法あるいは界面重合法、ジカルボン酸またはジカルボン酸のアルキルエステルとジアミンとを原料とする溶融重合法、固相重合法などの方法により製造できる。
【0017】
一例を挙げると、末端封止剤、触媒、ジアミン成分およびジカルボン酸成分を一括して反応させ、ナイロン塩を製造した後、一旦280℃以下の温度において極限粘度が0.15〜0.30dl/gのプレポリマーとし、さらに固相重合するか、あるいは溶融押出機を用いて重合を行うことにより容易に製造することができる。重合の最終段階を固相重合により行う場合、減圧下または不活性ガス流通下に行うのが好ましく、重合温度が200〜250℃の範囲であれば、重合速度が大きく、生産性に優れ、着色やゲル化を有効に抑制することができるので好ましい。重合の最終段階を溶融押出機により行う場合、重合温度が370℃以下であるとポリアミドの分解がほとんどなく、劣化の少ないポリアミドが得られるので好ましい。
【0018】
重合触媒としてはリン酸、亜リン酸、次亜リン酸またはそれらのアンモニウム塩、それらの金属塩、それらのエステル類を挙げることができ、なかでも次亜リン酸ナトリウムが入手のし易さ、取扱性の点で好ましい。
また、必要に応じて銅化合物等の安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤などを重縮合反応時、またはその後に添加することができる。特に熱安定剤としてヒンダードフェノール等の有機系安定剤、ヨウ化銅等のハロゲン化銅化合物、ヨウ化カリウム等のハロゲン化アルカリ金属化合物を添加すると、繊維化の際の溶融滞留安定性が向上し、またフィルターとして用いる場合の耐熱性が向上するので好ましい。
【0019】
本発明に用いられるポリオレフィンとは、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、エチレン共重合ポリプロピレンなどをあげることができる。なかでもポリプロピレンは比重が軽いため好ましい。
本発明のポリアミド(a)を用いた芯鞘型複合繊維(A)の製造には、公知の溶融紡糸装置を用いることができる。たとえば、ポリアミド(a)とポリオレフィンとを夫々別の押出機で溶融混練し、ポリアミド(a)が鞘成分に、ポリオレフィンが芯成分になるように同一の紡糸ノズルから吐出させればよい。
【0020】
また、本発明においては、芯鞘型複合繊維(A)以外に他の繊維を配合してフィルターを得てもかまわない。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、全芳香族ポリエステルなどのポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ナイロン6、ナイロン66等の脂肪族ポリアミド、アラミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、エチレン−ビニルアルコール系共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体などのポリオレフィンからなる単独繊維またはこれらの2種類以上からなる複合形態の繊維;天然セルロース繊維をマーセル化したセルロース系繊維;マーセル化されたパルプ、繊度の異なるポリアミド(a)からなる繊維、ガラス繊維、セラミックス繊維、金属繊維などを挙げることができる。また、公知の熱溶融性バインダー、特にバインダー繊維、糊剤等を使用することにより、不織布の形態安定性を向上させることも可能である。
【0021】
さらにフィルターの強力・形態安定性等を高めるために、バインダー、特にバインダー繊維をさらに配合してもよい。繊維状バインダーを配合した場合にはろ過抵抗を必要以上に高めることなく上記の効果が得られる。フィルター強力、均質性、製造工程性等の点からはバインダー繊維の繊度は0.5〜6dtex程度であるのが好ましい。なお、繊維状バインダーは不織布化した後に繊維の形状を明確に保持している必要はなく、繊維状バインダーを用いて不織布を製造することにより上記の効果が得られる。
【0022】
バインダー繊維は単一成分により構成されていてもよいが、接着効果を奏すると同時に十分な強力を保持できることから、2以上の成分により構成されているのが好ましい。芯鞘型、サイドバイサイド型、層状分割型、放射状分割型等の複合繊維や海島繊維が好適に使用できる。繊維横断面は丸型、偏平型、繭型、中空型,T型等特に限定されるものではない。
【0023】
このようにして得られる芯鞘型複合繊維(A)を繊維化し、フィルター用部材として用いることにより、耐薬品性、耐熱性等の点で顕著な効果が得られる。フィルターの製造に際しては、かかる繊維を用いてシート化すればよく、織編物、乾式不織布、湿式不織布等のシートにすることができる。またメルトブローン法やスパンボンド法により繊維化後すぐにシート化することも可能である。さらにはワインドカートリッジフィルターのように繊維を多孔支持体に巻き付けた繊維形態でも良い。異物の補集性、通水抵抗、通気抵抗、機械的性能等の点からフィルターの形態は適宜決めることができる。
【0024】
かかるフィルター用シートをそのまま用いて、またはプリーツ状、筒状、袋状や渦巻状等の所望の形状に加工することによりフィルターとすることができる。もちろん該シート以外のものと組み合せてフィルターを製造してもよい。たとえば他のシート(不織布、フィルム等)と積層したり、継ぎ合せることができる。しかしながら、本発明の効果を効率的に得る点からは実質的に前述のシート、特に不織布のみからフィルターを製造するのが好ましい。本発明のフィルターを組込むことによって諸性能に優れたろ過機が得られる。
【0025】
このようなフィルターは、エアフィルター、液体フィルター、バッグフィルター、精密ろ過フィルター等のフィルターのみならず、篩、電池セパレータ、キャパシタセパレータ、電機絶縁材料、プリント基板基材、ワイパー、ガスケット、摺動部材、断熱材、抄紙用キャンバス、樹脂補強材、ゴム補強材、セメント補強材、包装材、スクリーンメッシュ、音響振動板、研磨材、人工皮革用基布等に用いることができる。
【0026】
【実施例】
以下に実施例により本発明を説明するが、本実施例により何等限定されるものではない。なお実施例中の各測定値は以下の方法により測定された値である。
[厚み(mm)]
JIS L1086「接着しん地試験方法」に準じて測定した。
[目付(g/m2)]
JIS L1086「接着しん地試験方法」に準じて測定した。
[比重]
目付÷厚み÷1000より算出した。
[強度]
JIS L1086「接着しん地試験方法」に準じて測定した。
[耐薬品性(%)]
JIS L1086「接着しん地試験方法」に準じて、薬品処理前後の試験片の強力(N/50mm)を測定し、その強力保持率で表した。
[通気度(cm3/cm2/sec)]
JIS L 1096―1996「一般織物試験方法」の通気度測定方法に準じ、株式会社東洋精機製作所製フラジール型通気度試験機により測定した。
【0027】
[参考例1]
[1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンをジアミン成分とし、テレフタル酸をジカルボン酸成分とするポリアミド(a)の製造]
テレフタル酸19.5モル、1,9−ノナンジアミン10.0モル、2−メチル−1,8−オクタンジアミン10.0モル、安息香酸1.0モル、次亜リン酸ナトリウム−水和物0.06モルおよび蒸留水2.2リットルを、内容積20リットルのオートクレーブに添加し、窒素置換を行った。ついで100℃で30分間攪拌し、2時間かけて内温を210℃に昇温した。この時、オートクレーブは2.2MPaまで昇圧した。そのまま1時間反応を続けた後、230℃に昇温し、その後2時間230℃に保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を2.2MPaに保持しながら反応を続けた。次に、30分かけて圧力を1.0MPaまで下げ、さらに1時間反応を続けてプレポリマーを得た。このプレポリマーを100℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕した。
この粉砕物を230℃、10Pa下にて10時間固相重合することによりポリマーを得た。得られたポリマーの極限粘度は0.9dl/gであった。
【0028】
[実施例1]
参考例1で製造したポリアミド(a)を押出機を用いて溶融押出しし鞘成分となるように紡糸頭に導き、別の押し出し機でポリプロピレン(ニホンポリケム製SA01)を溶融押し出しして芯成分となるように紡糸頭に導き、同一のノズルより吐出し、巻取速度1,000m/分で巻き取り、未延伸糸を得た。ついで、水浴温度90℃の水浴を用いて未延伸糸を延伸し、引き続き捲縮・カットして、繊度1.7dtex、カット長38mmの芯鞘型複合繊維(A)の原綿とした。この原綿をカーディング、ニードリングして目付100g/m2のフェルト状のフィルターを作製した。得られたフィルターは、軽量で耐薬品性、軽量性、親水性、強度に優れた性能を有するものであった。性能を表1に示す。
【0029】
[実施例2]
実施例1の原綿を用いて目付45g/m2の乾式スパンレースのフィルターを作製した。得られたフィルターは耐薬品性、軽量性、親水性、強度に優れた性能を有するものであった。性能を表1に示す。
[実施例3]
実施例1と同様にして得られた芯鞘型複合繊維の未延伸糸をローラー温度100℃、プレート温度200℃で延伸し、さらに経糸、緯糸に用いて平織りにした。さらに実施例1で得られた原綿を240g/m2のカードウエッブにし平織物の上下から挟んでニードリングし、表面を毛焼きしてフィルターを作製した。得られたフィルターは耐薬品性、軽量性、親水性、強度に優れた性能を有するものであった。性能を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】
本発明により、軽量性、耐薬品性、親水性に優れたフィルターを提供することができる。
Claims (2)
- 60モル%以上が芳香族ジカルボン酸であるジカルボン酸成分と60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分とから合成されるポリアミド(a)を鞘成分とし、ポリオレフィンを芯成分とする芯鞘型複合繊維(A)を構成繊維として含むことを特徴とするフィルター。
- 請求項1に記載のフィルターを用いたろ過機。
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JP2010536564A (ja) * | 2007-08-22 | 2010-12-02 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | ジアミノジフェニルスルホンから誘導された繊維と耐熱性繊維とのブレンドを含むフィルターフェルトおよびバグフィルター |
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- 2002-12-05 JP JP2002353191A patent/JP2004181401A/ja active Pending
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