JP2004180632A - 乗用型田植機 - Google Patents

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Abstract

【課題】乗用型田植機において、走行用の変速装置を、後進状態、中立状態、植付走行状態、植付走行状態よりも高速の高速移動状態に操作自在に構成した場合、植付走行状態よりも低速の低速移動状態を適切に備える。
【解決手段】走行用の変速装置を操作するもので人為的に操作される変速レバー52の操作経路に沿って、後進位置、中立位置、植付走行位置、高速移動位置及び低速移動位置を、この順序で配置する。
【選択図】 図14

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用型田植機の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
乗用型田植機においては、例えば特許文献1に開示されているように、走行用の変速装置を後進状態、中立状態、植付走行状態、植付走行状態よりも高速の高速移動状態に操作自在に構成したものが多くある。
【0003】
乗用型田植機においては、例えば特許文献2に開示されているように、動力を伝達する円筒軸(特許文献2の図5中の69)を、ミッションケース(特許文献2の図5中の23)の内部に備え、円筒軸の内部に円筒軸の軸芯方向にスライド自在に変速軸(特許文献2の図5中の71)を備えて、変速軸のスライド操作により円筒軸を介して伝達される動力が変速されるように構成したものがある。
この場合、変速軸をミッションケースの外部に突出させて、変速軸をミッションケースの外部からスライド操作自在に構成し、円筒軸に対する操作軸の位置を決めるデテント機構(特許文献2の図5中の73,74,75)を、ミッションケースの外壁部に備えたものがある。
【0004】
乗用型田植機においては、例えば特許文献3に開示されているように、燃料タンク(特許文献3の第1図及び第3図中の3)の上部と下部とに亘って、透明の管部材(特許文献3の第1図及び第3図中の6)を接続することによって、燃料タンクの燃料の量を、管部材を介して目視することができるように構成したものがある。
【0005】
乗用型田植機においては、例えば特許文献4に開示されているように、ミッションケース(特許文献4の図4中の11)の外壁部に、油圧ポンプ(特許文献4の図4中の12)を備えたものがある。この場合、ミッションケースの潤滑油が作動油として油圧ポンプに吸入され、油圧ポンプからの作動油が、苗植付装置を昇降駆動する油圧シリンダやパワーステアリング機構等に供給されて、再びミッションケースに戻されるように構成されている。
【0006】
乗用型田植機においては、例えば特許文献5に開示されているように、機体の前部に配置された前輪支持ケースに右及び左の前輪を支持して、機体の後部に配置された後輪支持ケースに右及び左の後輪を支持し、エンジンの動力が走行用の変速装置から並列的に分岐して、右及び左の前輪、右及び左の後輪に伝達されるように構成したものがある。
この場合、右及び左の前輪、右及び左の後輪を制動可能なブレーキ(特許文献5の図7及び図8中の30)を、後輪支持ケース(特許文献5の図7及び図8中の10)に備え、機体の前部に操作ペダル(特許文献5の図1及び図7中の25)を備えており、操作ペダルを踏み操作するとブレーキが制動側に操作されるように、操作ペダルとブレーキとを連係機構(特許文献5の図7中の36)により機械的に連係している。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−52671号公報(図1)
【特許文献2】
特開2001−224211号公報(図5)
【特許文献3】
実開昭61−52232号公報(第1図及び第3図)
【特許文献4】
特開2002−51620号公報(図4)
【特許文献5】
特開2001−88735号公報(図1,7,8)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
乗用型田植機において、近年では植付走行状態よりも低速の低速移動状態を備えたものが現れてきており、例えば畦を越えて圃場に入る場合や畦を越えて圃場から出る場合に、走行用の変速装置を低速移動状態に操作することにより、安定して畦を越えることができる。
本発明(請求項1,2)は、乗用型田植機において、走行用の変速装置を、後進状態、中立状態、植付走行状態、植付走行状態よりも高速の高速移動状態に操作自在に構成した場合、植付走行状態よりも低速の低速移動状態を適切に備えることを目的としている。
【0009】
特許文献2の構造によると、円筒軸に対する変速軸の位置を決めるデテント機構をミッションケースの外壁部に備えており、デテント機構の分だけミッションケースの外壁部が厚くなり横外側に出るような状態となるので、ミッションケースの小型化と言う面で改善の余地がある。
本発明(請求項3)は、乗用型田植機において、動力を伝達する円筒軸をミッションケースの内部に備え、円筒軸の内部に円筒軸の軸芯方向にスライド自在に変速軸を備えて、変速軸のスライド操作により円筒軸を介して伝達される動力が変速されるように構成した場合、変速軸に対するデテント機構を適切に備えることを目的としている。
【0010】
乗用型田植機において、特許文献3の構造をミッションケースに適用することにより、ミッションケースの潤滑油の量を管部材を介して目視できるように構成することが考えられている。このように特許文献3の構造をミッションケースに適用する場合、管部材の一方の端部及び他方の端部をミッションケースに接続してミッションケースの内部に連通させなければならないので、管部材を取り付ける為に2つの連通孔をミッションケースに備えなければならない。
本発明(請求項4)は、乗用型田植機において、ミッションケースの潤滑油の量を管部材を介して目視することができる構造を、簡素に構成することを目的としている。
【0011】
特許文献4の構造において、ミッションケースの潤滑油が作動油として油圧ポンプに吸入されるように構成する場合、ミッションケースに開口部を備えて、ミッションケースの開口部にフィルターを備え、ミッションケースの外部においてフィルターから油圧ポンプに吸入パイプを接続することになる。このように構成すると、ミッションケースの外部に吸入パイプが位置して、吸入パイプの分だけミッションケースの外形が大きなものになるので、ミッションケースのコンパクト化と言う面で改善の余地がある。
本発明(請求項5)は、乗用型田植機において、ミッションケースに油圧ポンプを備え、ミッションケースの潤滑油がフィルター及び吸入パイプを介して油圧ポンプに吸入されるように構成する場合、ミッションケースの外形が大きなものにならないように構成することを目的としている。
【0012】
特許文献5の構造によると、機体の後部に配置された後輪支持ケースにブレーキが備えられ、機体の前部に操作ペダルが備えられており、操作ペダルとブレーキとが比較的離れている。これにより、操作ペダルとブレーキとを連係機構により連係する場合、連係機構が比較的長くなってしまうので、構造の簡素化の面で改善の余地がある。
本発明(請求項6)は、乗用型田植機において、右及び左の前輪、右及び左の後輪を制動可能なブレーキを備える場合、操作ペダルとブレーキとを連係する連係機構を、簡素に構成することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
[I]
請求項1の特徴によると、走行用の変速装置を、後進状態、中立状態、植付走行状態、植付走行状態よりも高速の高速移動状態、植付走行状態よりも低速の低速移動状態に操作自在に構成した場合、走行用の変速装置を操作するもので人為的に操作される変速レバーにおいて、変速レバーの操作経路に沿って、後進状態に対応する後進位置、中立状態に対応する中立位置、植付走行状態に対応する植付走行位置、高速移動状態に対応する高速移動位置及び低速移動状態に対応する低速移動位置を、この順序で配置している。
【0014】
乗用型田植機では走行用の変速装置を植付走行状態、中立状態及び後進状態に操作して植付作業を行うことが多いので、変速レバーの操作経路に沿って後進位置、中立位置、植付走行位置及び高速移動位置を、この順序で配置している。
請求項1の特徴によると、低速移動位置が高速移動位置の外側(高速移動位置に対し植付走行位置とは反対側)に配置されている。低速移動位置は[発明が解決しようとする課題]に記載のように、例えば畦を越えて圃場に入る場合や畦を越えて圃場から出る場合に使用するのであり、使用頻度が比較的少ないので、請求項1の特徴のように、低速移動位置を高速移動位置の外側(高速移動位置に対し植付走行位置とは反対側)に配置して、植付走行位置、中立位置及び後進位置から遠い位置に低速移動位置を配置することにより、変速レバーを誤って低速移動位置に操作するような状態が少なくなる。
【0015】
低速移動位置を後進位置の外側(後進位置に対し中立位置とは反対側)に配置することも考えられるが、このように構成すると低速移動位置及び後進位置が隣接することになるので、例えば変速レバーを誤って後進位置から低速移動位置に操作すると、機体が後進状態から前進状態(低速移動状態)に切り換わることになりショックの生じることがある。
請求項1の特徴では、低速移動位置が高速移動位置の外側(高速移動位置に対し植付走行位置とは反対側)に配置されて、低速移動位置及び高速移動位置が隣接することになるので、例えば変速レバーを誤って高速移動位置から低速移動位置に操作しても、機体の走行速度が変化するだけで機体は前進状態を維持することになり、ショックの生じることは少ない。
【0016】
[II]
請求項2の特徴によると、走行用の変速装置を、後進状態、中立状態、植付走行状態、植付走行状態よりも高速の高速移動状態、植付走行状態よりも低速の低速移動状態に操作自在に構成した場合、第1伝動ギヤと第2伝動ギヤとを咬合させ、第1伝動ギヤのギヤ歯のピッチを第2伝動ギヤのギヤ歯のピッチの2倍に設定して、第1及び第2伝動ギヤを備えることにより、低速移動状態が現出されるように構成している。
【0017】
請求項2の特徴によると、第1伝動ギヤと第2伝動ギヤとが咬合して、動力が伝達される場合、第1伝動ギヤのギヤ歯が第2伝動ギヤのギヤ歯に飛ばずに順番に一つずつ咬合していけば、第1伝動ギヤのギヤ歯の数が1/2になったことになるので、第1及び第2伝動ギヤのギヤ歯のピッチが同じ場合に比べて、伝動比が1/2となる低速移動状態を得ることができる。
【0018】
この場合、第1及び第2伝動ギヤのギヤ歯のピッチが同じであれば、第1伝動ギヤの外径を小さくして第1伝動ギヤのギヤ歯の数を1/2に設定したり、第2伝動ギヤの外径を大きくして第2伝動ギヤのギヤ歯の数を2倍に設定したりすることによって、請求項2の特徴と同様に伝動比を小さくして低速移動状態を得ることができる。
しかしながら、走行用の変速装置では低速移動状態以外に後進状態、植付走行状態及び高速移動状態を伝動ギヤによって設定しなければならないので、前述のように低速移動状態の第1及び第2伝動ギヤの外径が小さくなったり大きくなったりすると、走行用の変速装置を収容するケースの形状が複雑になったり、不必要に大きくなったりすることがある。
【0019】
これに対し、請求項2の特徴によると、第1伝動ギヤのギヤ歯のピッチを第2伝動ギヤのギヤ歯のピッチの2倍に設定することにより、伝動比を小さくして低速移動状態を得ることができるので、第1伝動ギヤの外径を小さくしたり、第2伝動ギヤの外径を大きくしたりする必要がない。これにより、請求項2の特徴によると、前述の低速移動状態以外に後進状態、植付走行状態及び高速移動状態を伝動ギヤによって設定して、走行用の変速装置を構成した場合、低速移動状態の第1及び第2伝動ギヤの外径を、例えば植付走行状態の伝動ギヤの外径と同じようなものに構成することが可能になるので、走行用の変速装置を収容するケースの形状が複雑になったり、不必要に大きくなったりすることを避けることができる。
【0020】
[III]
請求項3の特徴によると、動力を伝達する円筒軸をミッションケースの内部に備え、円筒軸の内部に円筒軸の軸芯方向にスライド自在に変速軸を備えて、変速軸のスライド操作により円筒軸を介して伝達される動力が変速されるように構成した場合、変速軸をミッションケースの外部に突出させて、変速軸をミッションケースの外部からスライド操作自在に構成し、円筒軸に対する変速軸の位置を決めるデテント機構を、ミッションケースの中程に位置するように円筒軸に備えている。
【0021】
円筒軸はミッションケースに対して回転するがスライドすることはないので、円筒軸に対する変速軸の位置を決めるデテント機構はミッションケースの外壁部に備える必要はない。これにより、請求項3の特徴のように、円筒軸に対する変速軸の位置を決めるデテント機構を円筒軸に備えても、デテント機構が円筒軸と一緒に回転するだけで、デテント機構によって円筒軸に対する変速軸の位置は支障なく決められるのであり、デテント機構をミッションケースの中程に位置するように円筒軸を備えることができて、デテント機構をミッションケースの外壁部に備える必要がない。
【0022】
請求項3の特徴によると、ミッションケースの内部において、デテント機構が円筒軸と一緒に回転するので、例えばミッションケースの内部に潤滑油が入れられている場合(ミッションケースがオイルバス化されている場合)、回転するデテント機構が潤滑油をミッションケースの内部の各部分に飛散させることも期待できる。
【0023】
[IV]
請求項4の特徴によると、空気を吸入及び排出するブレザー部をミッションケースの上部に備え、管部材の一方の端部をミッションケースに接続してミッションケースの内部に連通させ、管部材の他方の端部をブレザー部の外気連通部とは異なる部分に接続しており、管部材に透明部を備えている。
【0024】
乗用型田植機において、空気を吸入及び排出するブレザー部をミッションケースの上部に備えることは一般的であり、ブレザー部及びブレザー部をミッションケースの内部に連通させる連通孔は既存の構造と言ってよい。これにより、請求項4の特徴によると、管部材の一方の端部をミッションケースに接続してミッションケースの内部に連通させ、管部材の他方の端部をブレザー部の外気連通部とは異なる部分に接続しているので、管部材の一方の端部をミッションケースの内部に連通させる連通孔を備えればよく、管部材の他方の端部をミッションケースの内部に連通させる連通孔を備える必要がない(この連通孔の機能は、ブレザー部をミッションケースの内部に連通させる連通孔が備えている)。
【0025】
請求項4の特徴によると、管部材の透明部を介して、ミッションケースの潤滑油の量を目視することができるのであり、ブレザー部の外気連通部を介してミッションケースに空気が吸入され、ミッションケースの空気が排出される。
【0026】
[V]
請求項5の特徴によると、ミッションケースに油圧ポンプを備え、ミッションケースの内部において、油圧ポンプの吸入口から吸入パイプをミッションケースに壁部に向けて延出しており、ミッションケースの壁部における吸入パイプの端部に対向する部分に開口部を備え、フィルターをミッションケースの開口部に着脱可能且つ吸入パイプの端部に着脱可能に構成している。
【0027】
請求項5の特徴によると、フィルターをミッションケースの開口部及び吸入パイプの端部に取り付けた状態で、ミッションケースの潤滑油が、作動油としてフィルターから吸入パイプを通って油圧ポンプに吸入されるのであり、吸入パイプがミッションケースの内部に配置されて、ミッションケースの外部に配置されることはない。
【0028】
請求項5の特徴によると、フィルターをミッションケースの開口部から取り外せば、ミッションケースの内部において吸入パイプの端部からフィルターが離れるのであり、フィルターをミッションケースの開口部に取り付けると、ミッションケースの内部において吸入パイプの端部にフィルターが接続される。このように、請求項5の特徴によると、フィルターを支障なく着脱することができる(交換することができる)。
【0029】
[VI]
請求項6の特徴によると、機体の前部に配置された前輪支持ケースに右及び左の前輪を支持して、機体の後部に配置された後輪支持ケースに右及び左の後輪を支持し、エンジンの動力が走行用の変速装置から並列的に分岐して、右及び左の前輪、右及び左の後輪に伝達されるように構成した場合、右及び左の前輪、右及び左の後輪を制動可能なブレーキを前輪支持ケースに備え、機体の前部に操作ペダルを備えて、操作ペダルを踏み操作するとブレーキが制動側に操作されるように、操作ペダルとブレーキとを連係機構により機械的に連係している。
【0030】
エンジンの動力が走行用の変速装置から並列的に分岐して、右及び左の前輪、右及び左の後輪に伝達されるように構成した場合、右及び左の前輪と右及び左の後輪とは伝動系を介して接続されているので、どの箇所にブレーキを備えても、右及び左の前輪、右及び左の後輪に制動を掛けることができる。
これにより、請求項6の特徴によると、ブレーキを前輪支持ケースに備えることによって(前述のようにブレーキにより右及び左の前輪、右及び左の後輪に制動を掛けることができる)、操作ペダルにブレーキを接近させることができるのであり、操作ペダルとブレーキとを連係する連係機構を比較的短いものに構成することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1及び図2に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2で支持された機体の後部にリンク機構3が備えられ、リンク機構3に3条植型式の苗植付装置4が支持されて、乗用型田植機が構成されている。
【0032】
図3及び図4に示すように、ミッションケース5及び後輪支持ケース6が、一体的に構成されて機体の後部に配置され、右及び左の後輪2が後輪支持ケース6に支持されており、後輪支持ケース6に対してミッションケース5が斜め上方前方に位置している。図1及び図3に示すように、ミッションケース5及び後輪支持ケース6に、リンク機構3及び油圧シリンダ11が接続されており、油圧シリンダ11を収縮作動させるとリンク機構3が上方に揺動して苗植付装置4が上昇し、油圧シリンダ11を伸長作動させるとリンク機構3が下方に揺動して苗植付装置4が下降する。
【0033】
図3及び図4に示すように、右及び左の前輪1を左右に操向自在に支持する前輪支持ケース12が備えられており、前輪支持ケース12と後輪支持ケース6(ミッションケース5)とに亘って、支持フレーム13が架設されて連結されている。支持フレーム13は丸パイプ状に構成されて、機体の左右中央に位置しており、支持フレーム13の内部に伝動軸14が配置されている。図3及び図4に示すように、断面コ字状で機体左右方向の横フレーム15が支持フレーム13の中程部分に固定されて、エンジン22が防振ゴム23,26を介して、横フレーム15及びミッションケース5の上部に支持されており、エンジン22が後方に傾斜して配置されている。
【0034】
図3及び図4に示すように、エンジン22の左横側から出力軸22cが出て、ミッションケース5の左横側から入力軸5bが出ており、出力軸22cに固定されたプーリー27及び入力軸5bに固定されたプーリー28とに亘って、伝動ベルト29が巻回されている。エンジン22の横軸芯P2周りに、支持アーム30が揺動自在に支持され、支持アーム30にテンションプーリー30aが支持されており、テンションプーリー30aが伝動ベルト29に押圧されるように支持アーム30を図3の紙面反時計方向に付勢するバネ31が備えられている。
【0035】
以上の構造により、エンジン22の動力が伝動ベルト29を介してミッションケース5に伝達され、後述するように変速操作されて右及び左の後輪2に伝達されて、伝動軸14を介して前輪支持ケース12に伝達され、右及び左の前輪1に伝達されるのであり、ミッションケース5からPTO軸66を介して苗植付装置4に伝達される。
【0036】
図3及び図4に示すように、支持フレーム13において前輪支持ケース12の少し後側の部分に支持ブラケット60が固定され、支持ブラケット60の横軸芯P8周りに操作ペダル61が揺動自在に支持されて、図1及び図2に示すように操作ペダル61が前方に延出されている。図3及び図4に示すように、操作ペダル61に操作アーム62が固定されており、支持アーム30と操作アーム62とに亘って操作ロッド63が接続されている。前輪支持ケース12における機体の左右中央の内部に多板摩擦式のブレーキBが備えられており、ブレーキBの操作アーム64と操作アーム62とに亘って、操作ロッド65が接続されている。
【0037】
以上の構造により、図3及び図4に示すように、操作ペダル61を踏み操作すると、操作ロッド63が引き操作されて、支持アーム30がバネ31に抗して下方に揺動操作され、テンションプーリー30aが伝動ベルト29を押圧しなくなって、エンジン22からミッションケース5への動力が遮断されて、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2、苗植付装置4が停止する。これと同時に操作ロッド65が引き操作されて、ブレーキBが制動側に操作され、右及び左の前輪1に制動が掛かるのであり、伝動軸14を介して右及び左の後輪2に制動が掛かる。この場合、操作ペダル61を踏み操作した状態で、保持レバー71を操作ペダル61に係合させることにより、操作ペダル61を踏み操作した状態に保持することができる。
【0038】
ミッションケース5において、苗植付装置4への伝動系について説明する。
図5に示すように、ミッションケース5の内部において、入力軸5bに伝動ギヤ5aが固定され、ミッションケース5に回転自在に支持された伝動軸7に、大径ギヤ歯及び小径ギヤ歯を備えた伝動ギヤ10が固定されて、伝動ギヤ5a及び伝動ギヤ10の大径ギヤ歯が咬合している。咬合部16がスプライン構造により伝動軸7に一体回転自在及びスライド自在に外嵌され、咬合部17が伝動軸7に相対回転自在に外嵌されて、咬合部16を咬合部17に付勢するバネ18が備えられている。これにより、咬合部16,17及びバネ18によって、トルクリミッター21が構成されている。
【0039】
図5に示すように、ミッションケース5に伝動ギヤ19が回転自在に支持されて、伝動ギヤ19が咬合部17のギヤ歯に咬合しており、伝動ギヤ19の軸端部19aがミッションケース5から外部に突出している。ミッションケース5に伝動軸20が回転自在に支持され(入力軸5bと伝動軸20とは互いに相対回転自在に同芯状に支持されている)、伝動軸20の軸端部20aがミッションケース5から外部に突出している。伝動ギヤ19及び伝動軸20の軸端部19a,20aに変速ギヤ24,25が一体回転自在に外嵌されて、変速ギヤ24,25が咬合しており、伝動ギヤ19及び伝動軸20の軸端部19a,20aから外れないように変速ギヤ24,25を抑えるカバー32が、ミッションケース5に取り付けられている。
【0040】
図5に示すように、ミッションケース5に出力軸33が回転自在に支持され、出力軸33にベベルギヤ35が相対回転自在に外嵌されており、伝動軸20に固定されたベベルギヤ34が、ベベルギヤ35に咬合している。咬合部36がスプライン構造により出力軸33に一体回転自在及びスライド自在に外嵌され、咬合部36をベベルギヤ35に付勢するバネ37が備えられている。これにより、ベベルギヤ35、咬合部36及びバネ37によって、植付クラッチ38が構成されている。図1,3,5に示すように、出力軸33及びPTO軸66が、ユニバーサルジョイント39を介して接続されている。
【0041】
以上の構造により、図5に示すように、入力軸5bに伝達された動力が、伝動ギヤ5a、伝動ギヤ10の大径ギヤ歯、伝動軸7、トルクリミッター21、伝動ギヤ19、変速ギヤ24,25、伝動軸20、ベベルギヤ34、植付クラッチ38、出力軸33及びPTO軸66を介して苗植付装置4に伝達される。この場合に、操作軸40により咬合部36をバネ37に抗してベベルギヤ35から離間させると、苗植付装置4への動力が遮断されるのであり(植付クラッチ38の遮断状態)、バネ37の付勢力により咬合部36をベベルギヤ35に咬合させると、苗植付装置4に動力が伝達される(植付クラッチ38の伝動状態)。植付クラッチ38の伝動状態で苗植付装置4に大きな負荷が掛かると、トルクリミッター21において、バネ18に抗して咬合部16が咬合部17から離間して、苗植付装置4への動力が遮断されるのであり、前述の大きな負荷が消えると、バネ18の付勢力により咬合部16が咬合部17に咬合して、苗植付装置4に動力が伝達される。
【0042】
図5に示すように、カバー32を取り外し、伝動ギヤ19及び伝動軸20の軸端部19a,20aから変速ギヤ24,25を取り外して、別の変速ギヤ24,25を、伝動ギヤ19及び伝動軸20の軸端部19a,20aに取り付けて、カバー32を取り付けることにより、苗植付装置4に伝達される動力を変速することができる。これにより、苗植付装置4によって田面に植え付けられる苗の間隔(株間)を変更することができる。
【0043】
ミッションケース5において、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2への伝動系について説明する。
図5及び図6に示すように、ミッションケース5に円筒軸41が回転自在に支持され(伝動ギヤ19と円筒軸41とは互いに相対回転自在に同芯状に支持されている)、後進ギヤ42、植付走行ギヤ43、低速移動ギヤ44及び高速移動ギヤ45が円筒軸41に相対回転自在に外嵌されている。大径ギヤ歯及び小径ギヤ歯を備えた伝動ギヤ46が伝動軸20に相対回転自在に外嵌され、伝動ギヤ10の小径ギヤ歯及び伝動ギヤ46の大径ギヤ歯が咬合しており、伝動ギヤ46の小径ギヤ歯及び後進ギヤ42が咬合している。伝動軸7に伝動ギヤ47が固定されて、伝動ギヤ47及び高速移動ギヤ45が咬合している。
【0044】
図5及び図6に示すように、伝動ギヤ48,49が伝動軸7に隣接して一体的に形成されている。図5,6,8(イ)(ロ)に示すように、伝動ギヤ48,49のピッチ円半径及びギヤ歯48a,49aが互いに同じものに設定され、植付走行ギヤ43及び低速移動ギヤ44のピッチ円半径及びギヤ歯が互いに同じものに設定されている。図8(イ)(ロ)に示すように、伝動ギヤ48のギヤ歯48aのピッチが、伝動ギヤ49のギヤ歯49aのピッチ、植付走行ギヤ43及び低速移動ギヤ44のギヤ歯のピッチの2倍に設定されている(例えば伝動ギヤ48,49はピッチ円半径及びギヤ歯48a,49aが同じものに設定されて、伝動ギヤ48のギヤ歯48aの数が「5」に設定され、伝動ギヤ49のギヤ歯49aの数が「10」に設定されている)。図5及び図6に示すように、植付走行ギヤ43及び低速移動ギヤ44が伝動ギヤ48,49よりも大径に構成されており(例えば植付走行ギヤ43及び低速移動ギヤ44のギヤ歯の数が「29」に設定されている)、伝動ギヤ48及び低速移動ギヤ44が咬合し、伝動ギヤ49及び植付走行ギヤ43が咬合している。
【0045】
図5及び図6に示すように、円筒軸41の内部に変速軸50が円筒軸41の軸芯方向(図5の紙面左右方向)にスライド自在に支持されて、変速軸50がミッションケース5の外部に突出している。図1,2,4,10に示すように、機体の前部に変速レバー52が備えられ、変速レバー52及び変速軸50が連係ロッド51を介して連係されており、変速レバー52によって変速軸50をスライド操作する。
【0046】
図6及び図7に示すように、円筒軸41における後進ギヤ42、植付走行ギヤ43、低速移動ギヤ44及び高速移動ギヤ45の各々の部分に、3個の孔部が同じピッチで円筒軸41の円周方向に備えられており、円筒軸41の孔部の各々にボール53が回転及び円筒軸41の半径方向に移動自在に備えられている。後進ギヤ42、植付走行ギヤ43、低速移動ギヤ44及び高速移動ギヤ45の各々のボス部に、複数の凹部42a,43a,44a,45aが備えられている。
【0047】
図6及び図7に示すように、変速軸50に大径部50aが備えられ、5個の凹部50b,50c,50d,50e,50fが変速軸50に備えられており、凹部50b,50c,50d,50e,50fは、変速軸50の外面に円周方向に沿ってリング状に形成されている。
【0048】
図6及び図9に示すように、円筒軸41における高速移動ギヤ45の隣の部分に、デテント機構54が備えられている。デテント機構54は、円筒軸41に固定された円筒部材54a、デテントボール54b及びデテントボール54bを突出側に付勢するバネ54cを備えて構成されいる。デテント機構54は円筒軸41の外周面から半径方向外方に突出する状態となっており、円筒軸41と一緒に回転する。この場合、ミッションケース5及び後輪支持ケース6に潤滑油が入れられて、ミッションケース5及び後輪支持ケース6がオイルバス化されているので、デテント機構54が伝動軸41と一緒に回転することによって、潤滑油がミッションケース5の内部(上部)の各部分に飛散される。
【0049】
図10に示すように、変速レバー52に対して後進位置、中立位置、植付走行位置、低速移動位置及び高速移動位置が、この順序で配置されており(後進位置が機体の後側で、高速移動位置が機体の前側)、図5及び図6に示す状態は、変速レバー52を植付走行位置に操作している状態である。この状態で、変速軸50の大径部50aが植付走行ギヤ43の内側に位置しており、変速軸50の大径部50aにより、植付走行ギヤ43の位置のボール53が、円筒軸41の孔部及び植付走行ギヤ43の凹部43aに亘って入り込む状態となり、円筒軸41に植付走行ギヤ43が固定された状態となる。後進ギヤ42、低速移動ギヤ44及び高速移動ギヤ45のボール53は前述のような状態にはならず、後進ギヤ42、低速移動ギヤ44及び高速移動ギヤ45は円筒軸41に相対回転自在に外嵌された状態となる。
【0050】
これにより、図5及び図6に示すように、伝動軸7の動力が伝動ギヤ49及び植付走行ギヤ43を介して円筒軸41に伝達され、後述するように右及び左の前輪1、右及び左の後輪2に伝達される。この場合、デテント機構54のデテントボール54bが変速軸50の凹部50dに入り込んで、円筒軸41に対する変速軸50の位置が決められており、デテント機構54は円筒軸41と一緒に回転している。これに対し、変速レバー52及び変速軸50が連係ロッド51を介して連係されていることにより、変速軸50は回転しない。
【0051】
以上の構造により、図5,6,10に示すように、変速レバー52を低速移動位置(高速移動位置)(後進位置)に操作すると、変速軸50の大径部50aが低速移動ギヤ44(高速移動ギヤ45)(後進ギヤ42)の内側に位置して、変速軸50の大径部50aにより、低速移動ギヤ44(高速移動ギヤ45)(後進ギヤ42)の位置のボール53が、円筒軸41の孔部及び低速移動ギヤ44の凹部44a(高速移動ギヤ45の凹部45a)(後進ギヤ42の凹部42a)に亘って入り込む状態となり、円筒軸41に低速移動ギヤ44(高速移動ギヤ45)(後進ギヤ42)が固定された状態となる。これにより、伝動軸7の動力が伝動ギヤ48及び低速移動ギヤ44(伝動ギヤ47及び高速移動ギヤ46)(伝動ギヤ10,46及び後進ギヤ42)を介して円筒軸41に伝達されるのであり、デテント機構54のデテントボール54bが変速軸50の凹部50e(凹部50f)(凹部50b)に入り込んで、円筒軸41に対する変速軸50の位置が決められる。
【0052】
変速レバー52を植付走行位置に操作した状態(植付走行状態)よりも、変速レバー52を高速移動位置に操作した状態(高速移動状態)が高速であり、変速レバー52を植付走行位置に操作した状態(植付走行状態)よりも、変速レバー52を低速移動位置に操作した状態(低速移動状態)が低速である。図8(イ)(ロ)に示すように、伝動ギヤ48,49はピッチ円半径及びギヤ歯48a,49aが同じものに設定され、伝動ギヤ48のギヤ48aのピッチが、伝動ギヤ49のギヤ歯49aのピッチの2倍に設定されている点により、変速レバー52を植付走行位置に操作した状態(植付走行状態)の速度に対し、変速レバー52を低速移動位置に操作した状態(低速移動状態)の速度が1/2となる。
【0053】
図5及び図6に示すように、変速レバー52を中立位置に操作すると、変速軸50の大径部50aが植付走行ギヤ43及び後進ギヤ42の間に位置し、デテント機構54のデテントボール54bが変速軸50の凹部50cに入り込んで、円筒軸41に対する変速軸50の位置が決められる。これにより、後進ギヤ42、植付走行ギヤ43、低速移動ギヤ44及び高速移動ギヤ45が円筒軸41に相対回転自在に外嵌された状態となって、伝動軸7から円筒軸41への動力が遮断された状態となる。
【0054】
図11に示すように、後輪支持ケース6に伝動軸55が回転自在に支持されており、大径ギヤ部及びベベルギヤ部を備えた伝動ギヤ56が伝動軸55に固定されて、図5,5,11に示すように、伝動軸41に一体的に構成された伝動ギヤ41aに伝動ギヤ56の大径ギヤ部が咬合している。図11に示すように、後輪支持ケース6に出力軸57が回転自在に支持されて、出力軸57が伝動軸14(図1,3,4参照)に接続されており、出力軸57に固定されたベベルギヤ57aが、伝動ギヤ56のベベルギヤ部に咬合している。
【0055】
図11に示すように、右及び左の後輪2への動力を伝動及び遮断自在な右及び左のサイドクラッチ58が、伝動軸55に備えられている。右及び左のサイドクラッチ58は、スプライン構造により伝動軸55に一体回転自在及びスライド自在に外嵌された第1円筒部材58a、伝動軸55に相対回転自在に外嵌された伝動ギヤ58b、伝動ギヤ58bに固定された第2円筒部材58c、第1及び第2円筒部材58a,58cの間に配置された多数の摩擦板58d、第1円筒部材58aを第2円筒部材58cから離間する方向(摩擦板58dを押圧する方向)に付勢するバネ58eを備えて構成されている。
【0056】
図11に示すように、後輪支持ケース6に右及び左の車軸9がベアリング8により支持され、右及び左の車軸9に固定された減速ギヤ9aが右及び左のサイドクラッチ58の伝動ギヤ58bに咬合している。図3及び図4に示すように、右及び左の車軸9が右及び左に延出されて、右及び左の車軸9に右及び左の後輪2が支持されている。図1及び図4に示すように、右及び左の前輪1を左右に操向操作するステアリングハンドル59が備えられて、ステアリングハンドル59と右及び左のサイドクラッチ58とが、連係ロッド79を介して機械的に連係されている。
【0057】
以上の構造により、右及び左の前輪1を直進位置に操向操作している状態、右及び左の前輪1を直進位置から右又は左の設定角度の範囲内で左右に操向操作している状態では、右及び左のサイドクラッチ58は伝動側に操作されている。これにより、図11に示すように、伝動軸41の動力が伝動ギヤ41a,56、伝動軸55、右及び左のサイドクラッチ58を介して右及び左の後輪2に伝達されるのであり、ベベルギヤ57a、出力軸57及び伝動軸14を介して右及び左の前輪1に伝達される。
【0058】
右(左)の設定角度を越えて右及び左の前輪1を右(左)に操向操作すると、旋回中心側である右(左)のサイドクラッチ58が遮断側に操作される。これにより、右及び左の前輪1、旋回外側である左(右)の後輪2に動力が伝達され、旋回中心側である右(左)の後輪2が自由回転する状態で、小さい旋回半径での右(左)への旋回が行われる。
【0059】
図12に示すように、ミッションケース5の右横壁部5cの外面に、ギヤポンプ型式の油圧ポンプ67が連結されており、ミッションケース5に回転自在に支持された伝動軸68が、油圧ポンプ67の入力軸67aにカップリング69を介して接続されている。伝動軸68に一体的に構成された伝動ギヤ68aが伝動ギヤ47(図5参照)に咬合しており、伝動軸7の動力により油圧ポンプ67が駆動されている。油圧ポンプ67の外面に制御弁70が連結されており、油圧ポンプ67の作動油が制御弁70を介して油圧シリンダ11(図1参照)に供給されるように構成されており、制御弁70を操作することにより、油圧シリンダ11を収縮及び伸長作動させる。
【0060】
図12に示すように、油圧ポンプ67の吸入口67bに連通する孔部5eが、ミッションケース5の右横壁部5cに備えられている。正面視でクランク状に折り曲げられた吸入パイプ72が備えられ、吸入パイプ72にフランジ部72aが固定されており、吸入パイプ72の一方の端部がミッションケース5の孔部5eに挿入されて、ボルト73により吸入パイプ72のフランジ部72aがミッションケース5の右横壁部5cに連結されている。ミッションケース5の左横壁部5dに円筒状の凸部5fが備えられ、凸部5fに開口部5gが備えられており、吸入パイプ72の他方の端部が、ミッションケース5の凸部5f及び開口部5gに対向している。
【0061】
図12に示すように合成樹脂製で円筒状のフィルター74が備えられており、フィルター74はメッシュ部74aを円周部に4箇所備え、一方の端部に接続口74bが備えられて、全体が一体的に構成されている。図12に示す状態は、ミッションケース5の開口部5gからミッションケース5の内部にフィルター74を挿入して、フィルター74の接続口74bを吸入パイプ72の他方の端部に接続し、キャップ75をフィルター74の他方の端部及びミッションケース5の開口部5gに取り付けた状態である。
【0062】
図12に示す状態で、フィルター74が吸入パイプ72の他方の端部及びキャップ75によって支持された状態となり、ミッションケース5及び後輪支持ケース6の潤滑油が、フィルター74のメッシュ部74aを通り接続口74bから吸入パイプ72に吸入されて、油圧ポンプ67の吸入口67bに吸入される。次にミッションケース5の開口部5gからキャップ75を取り外すことにより、フィルター74の接続口74bを吸入パイプ72の他方の端部から外し、キャップ75と一緒にフィルター74をミッションケース5から取り出すことができる。
【0063】
図13に示すように、ミッションケース5の上部にブレザー部76が取り付けられている。ブレザー部76は、大きな円筒状の本体部76a、本体部76aの下部に備えられてミッションケース5の内部に連通する連通口76b、本体部76aの上部に備えられた開口状の外気連通部76c、本体部76aの上端に備えられた接続口76dを備えて、合成樹脂により一体的に構成されている。L字状の接続プラグ77が後輪支持ケース6に取り付けられて、接続プラグ77が後輪支持ケース6の内部に連通しており、ブレザー部76の接続口76d及び接続プラグ77に亘って、合成樹脂製の透明な管部材78が接続されている。
【0064】
以上の構造により、図13に示すように、ミッションケース5及び後輪支持ケース6の潤滑油が管部材78に入り込むので、ミッションケース5及び後輪支持ケース6の潤滑油の液面Aを、管部材78を通して目視することができる。ブレザー部76の外気連通部76cを介してミッションケース5に空気が吸入され、ミッションケース5の空気が排出される。
【0065】
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明の実施の形態]において、図14に示すように変速レバー52に対して後進位置、中立位置、植付走行位置、高速移動位置及び低速移動位置を、この順序で配置するように構成してもよい(後進位置が機体の後側で、低速移動位置が機体の前側に位置しており、後進位置及び低速移動位置が変速レバー52の操作範囲の一方及び他方の端部に位置している)。
【0066】
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明の実施の形態]において、図5,6,8(イ)(ロ)に示す伝動ギヤ48,49のピッチ円半径及びギヤ歯48a,49aを互いに同じものに設定し、植付走行ギヤ43及び低速移動ギヤ44のピッチ円半径及びギヤ歯を互いに同じものに設定した状態で、低速移動ギヤ44のギヤ歯のピッチを、伝動ギヤ48,49のギヤ歯48a,49aのピッチ、植付走行ギヤ43のギヤ歯のピッチの2倍に設定してもよい。
【0067】
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明の実施の形態]において、図13に示す管部材78を透明ではないものに構成し、管部材78における接続プラグ77に近い部分に透明部を備えるように構成してもよい。
【0068】
[発明の実施の第4別形態]
前述の[発明の実施の形態]において、図12に示す吸入パイプ72をクランク状ではなくU字状に構成して、吸入パイプ72の他方の端部がミッションケース5の右横壁部5c(油圧ポンプ67が連結されている)に対向するように構成してもよい。このように構成すると、ミッションケース5の右横壁部5cに開口部5gを備えて、フィルター74を取り付けることになる。
【0069】
【発明の効果】
請求項1の特徴によると、乗用型田植機において、走行用の変速装置に植付走行状態よりも低速の低速移動状態を備えた場合、低速移動位置を高速移動位置の外側(高速移動位置に対し植付走行位置とは反対側)に配置し、植付走行位置、中立位置及び後進位置から遠い位置に低速移動位置を配置することによって、変速レバーを誤って低速移動位置に操作するような状態が少なくなり、変速レバーを誤って低速移動位置に操作することによる作業能率の低下を防止することができた。
請求項1の特徴によると、例えば変速レバーを誤って高速移動位置から低速移動位置に操作しても、機体の走行速度が変化するだけで機体は前進状態を維持することになり、ショックの生じることが少ないので、乗り心地と言う面でも良いものとなった。
【0070】
請求項2の特徴によると、乗用型田植機において、走行用の変速装置を後進状態、中立状態、植付走行状態、植付走行状態よりも高速の高速移動状態に操作自在に構成し、植付走行状態よりも低速の低速移動状態を備えた場合、第1伝動ギヤのギヤ歯のピッチを第2伝動ギヤのギヤ歯のピッチの2倍に設定して、低速移動状態が現出されるように構成することにより、走行用の変速装置を収容するケースの形状が複雑になったり、不必要に大きくなったりすることを避けることができるようになって、構造の簡素化の面で有利なものとなった。
【0071】
請求項3の特徴によると、乗用型田植機において、動力を伝達する円筒軸をミッションケースの内部に備え、円筒軸の内部に円筒軸の軸芯方向にスライド自在に変速軸を備えて、変速軸のスライド操作により円筒軸を介して伝達される動力が変速されるように構成した場合、円筒軸に対する変速軸の位置を決めるデテント機構を、ミッションケースの中程に位置するように円筒軸に備えるように構成することによって、デテント機構をミッションケースの外壁部に備える必要がなくなるので、デテント機構の分だけミッションケースの横幅を狭くして、ミッションケースの小型化を図ることができた。
請求項3の特徴によると、例えばミッションケースの内部に潤滑油が入れられている場合(ミッションケースがオイルバス化されている場合)、回転するデテント機構が潤滑油をミッションケースの内部の各部分に飛散させることも期待できるので、ミッションケースの内部の潤滑性能も向上させることができた。
【0072】
請求項4の特徴によると、乗用型田植機において、管部材の一方の端部をミッションケースに接続してミッションケースの内部に連通させ、管部材の他方の端部をブレザー部の外気連通部とは異なる部分に接続することにより、管部材の他方の端部をミッションケースの内部に連通させる連通孔を備える必要がなくなって、ミッションケースの潤滑油の量を管部材を介して目視することができる構成の簡素化を図ることができ、ミッションケースの構造の簡素化を図ることができた。
【0073】
請求項5の特徴によると、乗用型田植機において、ミッションケースに油圧ポンプを備え、ミッションケースの潤滑油がフィルター及び吸入パイプを介して油圧ポンプに吸入されるように構成する場合、フィルターの交換が支障なく行えるようにしながら、吸入パイプがミッションケースの内部に配置されるように構成することができて、ミッションケースの外形が大きなものにならないように構成することができ、ミッションケースのコンパクト化を図ることができた。
【0074】
請求項6の特徴によると、乗用型田植機において、右及び左の前輪、右及び左の後輪を制動可能なブレーキを備える場合、ブレーキを前輪支持ケースに備えることによって、操作ペダルにブレーキを接近させることができ、操作ペダルとブレーキとを連係する連係機構を、比較的短いものに構成することができるようになって、操作ペダルとブレーキとを連係する連係機構の構造の簡素化を図ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用型田植機の全体側面図
【図2】乗用型田植機の全体平面図
【図3】エンジン、ミッションケース及び後輪支持ケースの付近の側面図
【図4】前輪支持ケース、エンジン、ミッションケース及び後輪支持ケースの平面図
【図5】ミッションケースの横断平面図
【図6】ミッションケースにおける円筒軸の付近の横断平面図
【図7】ミッションケースにおける円筒軸の付近の縦断側面図
【図8】低速移動ギヤに咬合する伝動ギヤ及び植付走行ギヤに咬合する伝動ギヤの縦断側面図
【図9】ミッションケースにおける円筒軸のデテント機構の付近の縦断側面図
【図10】変速レバーの付近の側面図
【図11】後輪支持ケースの横断平面図
【図12】ミッションケースにおける油圧ポンプ及びフィルターの付近の横断平面図
【図13】ミッションケース及び後輪支持ケースのブレザー部の付近の縦断側面図
【図14】発明の実施の第1別形態における変速レバーの付近の側面図
【符号の説明】
1 右及び左の前輪
2 右及び左の後輪
5 ミッションケース
6 後輪支持ケース
5d ミッションケースの壁部
5g ミッションケースの開口部
12 前輪支持ケース
22 エンジン
41 円筒軸
44,48 第1伝動ギヤ(第2伝動ギヤ)
48a 第1伝動ギヤのギヤ歯
50 変速軸
52 変速レバー
54 デテント機構
61 操作ペダル
65 連係機構
67 油圧ポンプ
67b 油圧ポンプの吸入口
72 吸入パイプ
74 フィルター
76 ブレザー部
76c ブレザー部の外気連通部
78 管部材
B ブレーキ

Claims (6)

  1. 走行用の変速装置を、後進状態、中立状態、植付走行状態、植付走行状態よりも高速の高速移動状態、植付走行状態よりも低速の低速移動状態に操作自在に構成し、
    前記走行用の変速装置を操作するもので人為的に操作される変速レバーにおいて、前記変速レバーの操作経路に沿って、後進状態に対応する後進位置、中立状態に対応する中立位置、植付走行状態に対応する植付走行位置、高速移動状態に対応する高速移動位置及び低速移動状態に対応する低速移動位置を、この順序で配置してある乗用型田植機。
  2. 走行用の変速装置を、後進状態、中立状態、植付走行状態、植付走行状態よりも高速の高速移動状態、植付走行状態よりも低速の低速移動状態に操作自在に構成すると共に、
    第1伝動ギヤと第2伝動ギヤとを咬合させ、前記第1伝動ギヤのギヤ歯のピッチを前記第2伝動ギヤのギヤ歯のピッチの2倍に設定して、前記第1及び第2伝動ギヤを備えることにより、前記低速移動状態が現出されるように構成してある乗用型田植機。
  3. 動力を伝達する円筒軸をミッションケースの内部に備え、前記円筒軸の内部に円筒軸の軸芯方向にスライド自在に変速軸を備えて、前記変速軸のスライド操作により前記円筒軸を介して伝達される動力が変速されるように構成すると共に、
    前記変速軸をミッションケースの外部に突出させて、前記変速軸をミッションケースの外部からスライド操作自在に構成し、
    前記円筒軸に対する変速軸の位置を決めるデテント機構を、前記ミッションケースの中程に位置するように前記円筒軸に備えてある乗用型田植機。
  4. 空気を吸入及び排出するブレザー部をミッションケースの上部に備え、
    管部材の一方の端部を前記ミッションケースに接続してミッションケースの内部に連通させ、前記管部材の他方の端部を前記ブレザー部の外気連通部とは異なる部分に接続すると共に、
    前記管部材に透明部を備えてある乗用型田植機。
  5. ミッションケースに油圧ポンプを備え、前記ミッションケースの内部において、前記油圧ポンプの吸入口から吸入パイプを前記ミッションケースに壁部に向けて延出すると共に、
    前記ミッションケースの壁部における前記吸入パイプの端部に対向する部分に開口部を備え、フィルターを前記ミッションケースの開口部に着脱可能且つ前記吸入パイプの端部に着脱可能に構成して、
    前記フィルターをミッションケースの開口部及び吸入パイプの端部に取り付けた状態で、ミッションケースの潤滑油が作動油として前記フィルターから吸入パイプを通って前記油圧ポンプに吸入されるように構成してある乗用型田植機。
  6. 機体の前部に配置された前輪支持ケースに右及び左の前輪を支持して、機体の後部に配置された後輪支持ケースに右及び左の後輪を支持し、エンジンの動力が走行用の変速装置から並列的に分岐して、右及び左の前輪、右及び左の後輪に伝達されるように構成すると共に、
    右及び左の前輪、右及び左の後輪を制動可能なブレーキを前記前輪支持ケースに備え、機体の前部に操作ペダルを備えて、
    前記操作ペダルを踏み操作するとブレーキが制動側に操作されるように、前記操作ペダルと前記ブレーキとを連係機構により機械的に連係してある乗用型田植機。
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