JP2007139170A - 作業車の操作構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ミッションケースの大型化を招くことなく3段以上の変速操作を可能にする。
【解決手段】操作具17の操作に連動して操作軸35,38がその軸心を中心にして回転するのに伴って、移動部材34,37が、カム97,99の作用で、操作軸35,38の回転方向に対応する摺動方向に操作軸35,38に沿って摺動し、その摺動で、シフトギヤ33,36が所定の操作位置に向けて摺動変位し、操作軸35,38の操作具17との連係端部35A,38Aを、ミッションケース4の同一側面から突出長さが異なるように突出させ、対応する操作軸35,38を操作具17に操作連係する連係機構L1,L2の連係部材106,109を、連係端部35A,38Aと平行の固定軸100に、その軸心方向の異なる位置で、固定軸100を支点にして揺動するように、かつ、操作具17の操作による連係部材106,109に対する連係選択が可能となるように装備してある。
【選択図】図13

Description

本発明は、操作軸の操作で複数段の変速操作を行うように構成された作業車の操作構造に関する。
上記のような作業車の操作構造において、例えば、前進2段、後進1段など3段以上の変速操作を可能にする場合には、操作軸の軸心方向への摺動操作で変速操作を行うようにしていた(例えば特許文献1参照)。
特公平3−8427号公報
上記の構成では、変速段数が多くなるほど、操作軸のその軸心方向での操作量が長くなって、ミッションケースから突出する軸部分が長くなることから、その操作方向でのミッションケース全体の寸法が大きくなって、ミッションケースが大型化するようになっていた。
本発明の目的は、ミッションケースの大型化を招くことなく、3段以上の変速操作を可能にすることにある。
本発明のうちの請求項1に記載の発明では、操作具に連係機構を介して操作連係される複数の操作軸を備え、前記操作具の操作に連動して前記操作軸がその軸心を中心にして回転するのに伴って、前記操作軸に相対摺動可能に装備した移動部材が、前記操作軸の回転運動を前記移動部材の摺動に変換するカムの作用で、前記操作軸の回転方向に対応する摺動方向に前記操作軸に沿って摺動し、その摺動で、前記移動部材に操作連係されたシフトギヤが所定の操作位置に向けて摺動変位するように構成し、前記操作軸の前記操作具との連係端部を、前記ミッションケースの同一側面から同じ方向に向けて突出長さが異なるように突出させるとともに、対応する前記操作軸を前記操作具に操作連係するそれぞれの前記連係機構における前記操作具との連係部材を、前記連係端部と平行に配備された単一の固定軸に、その軸心方向に位置ずれさせた異なる位置で、その固定軸を支点にして揺動するように、かつ、前記操作具の操作による前記連係部材に対する連係選択が可能となるように装備してある。
この構成によると、操作軸の回転運動を移動部材の摺動に変換するカム式に構成することから、変速操作によって、ミッションケースから突出する軸部分が長くなることはない。
又、カム式に構成した場合、操作量などから一本の操作軸における変速段数が限定されるのであるが、複数の操作軸を装備することで、多段の変速操作を可能にすることができ、しかも、それらの各操作軸の操作を、操作具の連係選択で行うことから、複数の操作軸を備えることによる操作性の低下を招くこともない。
従って、ミッションケースの大型化を招くことなく、3段以上の変速操作を可能にすることができる。
本発明のうちの請求項2に記載の発明では、上記請求項1に記載の発明において、副変速用の操作具に連係機構を介して操作連係される副変速用の操作軸を備え、前記副変速用の操作具の操作に連動して前記副変速用の操作軸がその軸心方向に摺動し、かつ、その摺動に伴って、前記副変速用の操作軸に一体装備した操作部材が、対応するシフトギヤを所定の操作位置に向けて摺動変位させるように構成し、前記副変速用の操作軸の前記副変速用の操作具との連係端部を、前記操作軸の前記連係端部を突出させる前記ミッションケースの前記側面から同じ方向に向けて突出させるとともに、前記副変速用の操作軸を前記副変速用の操作具に操作連係する前記連係機構が、前記連係端部の突出長さの長い前記操作軸に連係された前記連係機構と前記ミッションケースの前記側面との間に位置するように、前記ミッションケースからの突出長さを設定してある。
この構成によると、カム式の変速操作系を構成する複数の操作軸を、ミッションケースからの突出長さが異なるように突出させたことによって得られる空間を有効利用して、摺動式の変速操作系を構成することから、その操作軸の摺動操作によって、ミッションケース全体の寸法が大きくなる不都合を回避できる。
従って、ミッションケースの大型化を招くことなく、摺動式の変速操作系による変速操作を可能にすることができる。
図1には作業車の一例であるトラクタの全体左側面が、図2にはその全体右側面が、図3にはその全体平面が、図4にはその右前方から見た全体斜視が、図5にはその左後方から見た全体斜視が、又、図6にはその概略全体左側面がそれぞれ示されており、このトラクタは、帯鋼材などで枠状に形成された車体フレーム1、その後部側に形成された搭乗運転部2、車体フレーム1の前部に搭載されたエンジン3、車体フレーム1の後端部に連結されたフレーム兼用のミッションケース4、車体フレーム1の前部左右に配備された前輪5、ミッションケース4の左右に配備された後輪6、ミッションケース4の上方に配備された油圧式のリフトシリンダ7、及び、このリフトシリンダ7の作動で上下揺動する左右一対のリフトアーム8、などによって構成されており、その後部に、図外のディスクプラウやロータリ耕耘装置などの作業装置あるいはトレーラなどを、リンク機構9などを介して連結することができる。
搭乗運転部2は、車体フレーム1の後部側に敷設される搭乗ステップ10、左右の前輪5を操向するステアリングホイール11、及び、そのステアリングホイール11から所定間隔を隔てた後方に配備される運転座席12、などによって形成されている。
図1〜9に示すように、エンジン3は、その出力軸13が車体の左方に向けて延出する姿勢で、その全体が搭乗ステップ10よりも高い位置に位置するように、車体フレーム1の前部に搭載された横型ディーゼルエンジンであり、そのエンジン3からの動力が、ベルト式伝動装置14と乾式多板形の主クラッチ15とを介して、ミッションケース4の前端上部に備えた入力用の第1伝動軸16に伝達される。
図1〜5及び図8〜11に示すように、ミッションケース4には、搭乗運転部2における運転座席12の左方に配備した主変速レバー(操作具の一例)17の操作に基づいて、第1伝動軸16に伝達された動力を、伝動方向下手側に伝達しない中立状態と、後進用の低速逆転動力に変速して伝達する後進状態と、ロータリ耕耘作業などに適した低速正転動力に変速して伝達する低速前進状態と、ディスクプラウ作業などに適した中速正転動力に変速して伝達する中速前進状態と、トレーラ作業などに適した高速正転動力に変速して伝達する高速前進状態とに切り換えられるギヤ式の主変速装置18、主変速レバー17の後方に配備した副変速レバー(操作具の一例)19の操作に基づいて、主変速装置18による変速後の動力を、伝動方向下手側に伝達しない中立状態と、低速動力に変速して伝達する低速状態と、高速動力に変速して伝達する高速状態とに切り換えられるギヤ式の副変速装置20、副変速装置20による変速後の動力を、左右の差動軸(伝動軸の一例)21に、それらの差動回転を許容する状態で伝達する後輪用差動装置22、搭乗運転部2における運転座席12の右下方に配備されたデフロックペダル23の踏み込み操作に基づいて、後輪用差動装置22による左右の差動軸21の差動を許容する解除状態から差動を阻止するロック状態に切り換えられるロック機構24、及び、左右の差動軸21からの動力を対応する後車軸(伝動軸の一例)25に伝達する伝動ギヤ26、などが走行伝動系27として内装されている。
図6〜12に示すように、ミッションケース4は、車体の左右方向に4分割可能に構成され、その左右中央に位置する収納容積の大きい第1ケース部28と収納容積の小さい第2ケース部29とで、その前端上部に左右向き姿勢で配備される第1伝動軸16を、その左端側が第1ケース部28から左方に向けて突出する状態に支持し、第1ケース部28と第2ケース部29との間に形成される収納空間に、主変速装置18と副変速装置20と後輪用差動装置22とを収容し、第1ケース部28と左側の第3ケース部30との間に形成される収納空間に、ロック機構24と左側の差動軸21及び伝動ギヤ26を収容するとともに、第1ケース部28と第3ケース部30とで、左側の後車軸25を、第3ケース部30から左方に向けて延出する状態に支持し、第2ケース部29と右側の第4ケース部31との間に形成される収納空間に、右側の差動軸21及び伝動ギヤ26を収容するとともに、第2ケース部29と第4ケース部31とで、右側の後車軸25を、第4ケース部31から右方に向けて延出する状態に支持するように形成され、又、左右の後車軸25や伝動ギヤ26を備える出力部32がその最後部の最下位に位置し、第1伝動軸16を備える前端部側ほど上方に位置する前上がりの傾斜姿勢で、第1伝動軸16などを備える上半部が、搭乗ステップ10よりも高い位置に位置するように配備されている。
そして、第4ケース部31の底部側は、幅狭に形成された第2ケース部29の底部側とともに第1ケース部28の底部側にボルト連結されており、これによって、例えば、第1ケース部28の底部側に、第2ケース部29の底部側をボルト連結するための専用の連結領域と、第4ケース部31の底部側をボルト連結するための専用の連結領域とを上下に形成して、第2ケース部29の底部側と第4ケース部31の底部側とを個別にボルト連結する場合に比較して、ミッションケース4における下腹部側の膨出を抑制でき、ミッションケース4の地上高を高くすることができる。
図8〜19に示すように、ミッションケース4の上部には、主変速装置18の第1シフトギヤ33を、第1シフトフォーク(移動部材の一例)34を介して、後進位置R1,R2と低速前進位置F1,F2とにわたって摺動操作する第1操作軸35、主変速装置18の第2シフトギヤ36を、第2シフトフォーク(移動部材の一例)37を介して、中速前進位置F3,F4と高速前進位置F5,F6とにわたって摺動操作する第2操作軸38、副変速装置20のシフトギヤ39を、第3シフトフォーク(移動部材の一例)40を介して、低速位置Lと高速位置Hとにわたって摺動操作する第3操作軸41、及び、ロック機構24のシフト爪42を、第4シフトフォーク43を介して、ロック位置と解除位置とにわたって摺動操作する第4操作軸44、などが配備されている。
第1操作軸35は、第1連係機構L1を介して主変速レバー17に、第2操作軸38は、第2連係機構L2を介して主変速レバー17に、それぞれ、主変速レバー17の操作による連係選択が可能な状態で操作連係されており、この連係によって、主変速レバー17を、レバーガイド45に略H形に形成された主変速用のガイド溝45Aに沿って、中立位置N、後進位置R1,R2、低速前進位置F1,F2、中速前進位置F3,F4、又は、高速前進位置F5,F6に操作すると、それらの操作位置に対応して、主変速装置18が、中立状態、後進状態、低速前進状態、中速前進状態、又は、高速前進状態に切り換わるように構成されている。
第3操作軸41は、第3連係機構L3を介して副変速レバー19に操作連係されており、この連係によって、副変速レバー19を、レバーガイド45に一直線状に形成された副変速用のガイド溝45Bに沿って、中立位置N、低速位置L、又は、高速位置Hに操作されると、それらの操作位置に対応して、副変速装置20が、中立状態、低速状態、又は、高速状態に切り換わるように構成されている。
第4操作軸44は、第4連係機構(図示せず)を介してデフロックペダル23に操作連係されており、この連係によって、デフロックペダル23の踏み込み操作を行うと、ロック機構24が解除状態からロック状態に切り換わり、デフロックペダル23の踏み込み操作を解除すると、ロック機構24がロック状態から解除状態に切り換わるように構成されている。
ちなみに、ロータリ耕耘作業など行うためのロータリ耕耘作業用の低速前進状態を現出する前進1速位置F1での速度は約1.1km/hに、ロータリ耕耘作業用の高速前進状態を現出する前進2速位置F2での速度は約1.7km/hに、ディスクプラウ作業などを行うためのディスクプラウ作業用の低速前進状態を現出する前進3速位置F3での速度は約3.8km/hに、ディスクプラウ作業用の高速前進状態を現出する前進4速位置F4での速度は約6.0km/hに、トレーラ作業などを行うためのトレーラ作業用の低速前進状態を現出する前進5速位置F5での速度は約13.8km/hに、トレーラ作業用の高速前進状態を現出する前進6速位置F6での速度は約21.7km/hに、後進用の低速状態を現出する後進1速位置R1での速度は約2.8km/hに、後進用の高速状態を現出する後進2速状態での速度は約4.3km/hに、それぞれ設定してある。
図2〜4、図8、図9及び図11に示すように、第1ケース部28と第3ケース部30との間、及び、第2ケース部29と第4ケース部31との間には、搭乗運転部2の右前部に配備した左右一対の対応するブレーキペダル46の踏み込み操作に基づいて、その操作量に応じた制動力を、対応する差動軸21に付与する湿式多板形のサイドブレーキ47がそれぞれ収容されている。
図8、図9及び図11に示すように、第3ケース部30と第4ケース部31には、対応するサイドブレーキ47を制動操作する操作軸48が装備され、それらの操作軸48とそれらを支持する第3ケース部30及び第4ケース部31の軸支部30A,31Aとの間には、オイルシール49が、ミッションケース4の外部からの着脱が可能となるように介装されている。
図13に示すように、前述した第1操作軸35及び第2操作軸38とそれらを支持する第1ケース部28の軸支部28A,28Bとの間にもオイルシール49が、又、図示は省略するが、前述した第3操作軸41及び第4操作軸44とそれらを支持する第1ケース部28の軸支部との間にもオイルシール49が、それぞれミッションケース4の外部からの着脱が可能となるように介装されている。
図8及び図20に示すように、左側の後車軸25とその外方側を支持する第3ケース部30の軸支部30Bとの間、及び、右側の後車軸25とその外方側を支持する第4ケース部31の軸支部31Bとの間には、それぞれ2つのオイルシール50,51が並設されており、それらのオイルシール50,51のうち、車体外方側に配備されるオイルシール51は、ミッションケース4の外部からの着脱が可能となるように構成されている。
そして、第3ケース部30及び第4ケース部31における後車軸25に対する軸支部30B,31Bの外側端には、左右の後車軸25とそれらに対する軸支部30B,31Bとの間への泥水などの付着や浸入を防止するカバー52がそれぞれ装着されている。
図7〜13に示すように、第1ケース部28は、主変速装置18と副変速装置20と後輪用差動装置22の略全体を収納する大きい収納容積を有するように深く形成されるとともに、その後端部には、動力取出ユニット53の装着を可能にする動力取出部28Cが形成されている。
つまり、ミッションケース4は、例えば、ディスクプラウ作業やトレーラ作業などのように、ミッションケース4からの作業用動力の取り出しが不要な作業しか行わないユーザーを対象とする、動力取出ユニット53を装備しない第1仕様(図8〜10参照)と、例えば、ロータリ耕耘作業などのように、ミッションケース4からの作業用動力の取り出しが必要な作業を行うユーザーを対象とする、動力取出ユニット53を装備する第2仕様(図11、図12参照)とに仕様変更可能に構成されており、第1仕様では、動力取出部28Cに形成した動力取り出し用の開口28aを閉塞するカバー54が動力取出部28Cにボルト連結されている。
図12に示すように、第2仕様において装備される動力取出ユニット53は、動力取出部28Cにボルト連結される略筒状の動力取出ケース55に、第1ベアリング56と一対のオイルシール57,58とを介して、作業装置などへの伝動を可能にする動力取出軸59を支持するとともに、その動力取出軸59におけるミッションケース4側の端部に、ベベルギヤ60と第2ベアリング61とを装着して構成されている。
そして、一対のオイルシール57,58のうち、車体外方側に配備されるオイルシール58が、ミッションケース4の外部からの着脱が可能となるように構成されている。
図8、図9、図11、図13及び図21に示すように、第2ケース部29は、第1伝動軸16の右端部を支持する第1軸支部29A、第1伝動軸16と平行に配備される第2伝動軸62〜第5伝動軸65の各右端部を支持する第2軸支部29B〜第5軸支部29E、右側の差動軸21の左端部を支持する第6軸支部29F、及び、右側の後車軸25の左端部を支持する第7軸支部29Gを備える程度に、それらの各軸支部29A〜29Gの近傍位置に設定した、それらの各軸16,21,25,62〜65と直交する分割線PLで、第1ケース部28と分割された蓋状に浅く形成されるとともに、その上部の前後には、第2仕様において第1伝動軸16から動力取出軸59への伝動を可能にする補助伝動系66を着脱可能に支持する支持部67が備えられ、それらの支持部67は、第2ケース部29に先にボルト連結される第1支持部分68と、その連結後に第1支持部分68とともに第2ケース部29にボルト連結される第2支持部分69とを備える2分割構造に構成されている。
図12に示すように、第2仕様において装備される補助伝動系66は、第1伝動軸16並びに第2伝動軸62〜第5伝動軸65などに対する直行姿勢で、第2伝動軸62〜第5伝動軸65などの上方に配備される補助伝動軸70の両端に、ベベルギヤ71,72を装備した軸伝動式に構成され、その補助伝動軸70が前後の支持部67にベアリング73を介して支持され、一端側のベベルギヤ71が第1伝動軸16に装備したベベルギヤ74に噛合し、他端側のベベルギヤ72が動力取出ユニット53のベベルギヤ60に噛合する。
図11及び図12に示すように、第2仕様においては、第1伝動軸16とベベルギヤ74との間に、第1伝動軸16から動力取出軸59への伝動状態を切り換える補助クラッチ75が介装され、第1ケース部28と第2ケース部29の上部には、その補助クラッチ75のシフト部材76を、第5シフトフォーク77を介して伝動入り位置と伝動切り位置とにわたって摺動操作する第5操作軸78が配備され、この第5操作軸78は、第2仕様においてのみ、搭乗運転部2における運転座席12の右方に配備される補助クラッチレバー79(図1、図2及び図4参照)に図外の連係機構を介して連係されている。
又、図示は省略するが、第5操作軸78とそれを支持する第1ケース部28及び第2ケース部29の軸支部との間にも、オイルシール49が、ミッションケース4の外部からの着脱が可能となるように介装されている。
つまり、内方側のオイルシール50,57以外の各オイルシール49,51,58は、ミッションケース4を分解することなく、ミッションケース4の外部から容易に交換することができ、又、ミッションオイルの基準面OSより下方に位置するシール部を二重構造にしたことで、外側のオイルシール51,58の交換時に、ミッションオイルを抜く手間などを要することがなく、結果、オイルシール49,51,58の損耗に対する対処を迅速に行える。
図8〜13に示すように、ミッションケース4の内部において、第1伝動軸16の左端側には、第1伝動軸16と一体回転する幅広ギヤ80が装備されており、この幅広ギヤ80から出力された動力が主変速装置18に伝達される。
第1伝動軸16の下方に近接配備した第2伝動軸62には、低速前進用の小径ギヤ81、幅広ギヤ80に常時噛合する第1伝動ギヤ82、中速前進用の中径ギヤ83、及び高速前進用の大径ギヤ84が、その左端側から順に、第2伝動軸62と一体回転するようにスプライン嵌合された状態で配備され、第1伝動軸16及び第2伝動軸62よりも下方に位置するようにそれらに近接配備した第3伝動軸63には、幅広ギヤ80に噛合する後進位置R1,R2と、小径ギヤ81に噛合する低速前進位置F1,F2と、それらのギヤ80,81のいずれにも噛合しない中立位置Nとに摺動変位可能な第1シフトギヤ33、中径ギヤ83に噛合する中速前進位置F3,F4と、大径ギヤ84に噛合する高速前進位置F5,F6と、それらのギヤ83,84のいずれにも噛合しない中立位置Nとに摺動変位可能な第2シフトギヤ36、及び、第2伝動ギヤ85が、その左端側から順に、第3伝動軸63と一体回転するようにスプライン嵌合された状態で配備されている。そして、第2伝動軸62、第3伝動軸63、及び、それらの伝動軸62,63に装備した各ギヤ33,36,81〜85によって、主変速装置18が構成されている。
第3伝動軸63よりも下方に位置するように第3伝動軸63に近接配備した第4伝動軸64には、シフトギヤ39と、第2伝動ギヤ85に常時噛合する第3伝動ギヤ86とが、その左端側から順に、第4伝動軸64と一体回転するようにスプライン嵌合された状態で配備され、第4伝動軸64の下方に近接配備した第5伝動軸65には、大径の低速ギヤ87、後輪用差動装置22の入力ギヤ88に常時噛合する小径の第4伝動ギヤ89、及び、中径の高速ギヤ90が、その左端側から順に、第5伝動軸65と一体回転するようにスプライン嵌合された状態で配備され、シフトギヤ39が、低速ギヤ87に噛合する低速位置Lと、高速ギヤ90に噛合する高速位置Hと、それらのギヤ87,90のいずれにも噛合しない中立位置Nとに摺動変位可能に構成されている。そして、第4伝動軸64、第5伝動軸65、及び、それらの伝動軸64,65に装備した各ギヤ39,86,87,89,90によって、副変速装置20が構成されている。
第5伝動軸65の後方に配備した左右の差動軸21には、後輪用差動装置22が装備されるとともに、左右の差動軸21の後方に配備した左右の後車軸25にスプライン嵌合された伝動ギヤ26と常時噛合する小径の第5伝動ギヤ91が一体形成されている。
以上の構成から、ミッションケース4を第1仕様に構成する場合には、図8〜10、図13及び図22に示すように、第1ケース部28を、その第2ケース部29との分割面が上方に位置する姿勢で組み付け台などに載置し、その分割面側から、幅広ギヤ80やスペーサ92などを装備した第1伝動軸16、主変速装置18の各伝動軸62,63や各ギヤ33,36,81〜85、主変速装置18に対する各操作軸35,38や各シフトフォーク34,37、副変速装置20の各伝動軸64,65や各ギヤ39,86,87,89,90、副変速装置20に対する第3操作軸41や第3シフトフォーク40、及び、後輪用差動装置22、などを所定の手順に従って組み付けるとともに、それらの組み付けや動作の確認を行った後、その分割面に第2ケース部29を接合させて、それらの上部側をボルト連結し、第2ケース部29に、差動軸21、後車軸25、伝動ギヤ26、及び、サイドブレーキ47とその操作軸48、などを所定の手順に従って組み付けた第4ケース部31を組み付けて、その上部側を第2ケース部29にボルト連結するとともに、その下部側を第2ケース部29の下部側とともに第1ケース部28にボルト連結し、その後、反転させて、第1ケース部28に、差動軸21、後車軸25、伝動ギヤ26、ロック機構24のシフト爪42、及び、サイドブレーキ47とその操作軸48、などを所定の手順に従って組み付けた第3ケース部30を組み付けてボルト連結することなどによって、比較的簡単に組み立てることができる。
又、ミッションケース4を第2仕様に構成する場合には、図11〜13に示すように、第1ケース部28を、その第2ケース部29との分割面が上方に位置する姿勢で組み付け台などに載置し、その分割面側から、主変速装置18の各伝動軸62,63や各ギヤ33,36,81〜85、主変速装置18に対する各操作軸35,38や各シフトフォーク34,37、副変速装置20の各伝動軸64,65や各ギヤ39,86,87,89,90、副変速装置20に対する第3操作軸41や第3シフトフォーク40、後輪用差動装置22、及び、動力取出ユニット53の動力取出軸59やベベルギヤ60、などを所定の手順に従って組み付けるとともに、それらの組み付けや動作の確認を行った後、その分割面に、幅広ギヤ80とともにベベルギヤ74や補助クラッチ75のシフト部材76などを装備した第1伝動軸16、そのシフト部材76に対する第5操作軸78や第5シフトフォーク77、及び、補助伝動系66の補助伝動軸70やベベルギヤ71,72、などを所定の手順に従って組み付けた第2ケース部29を組み付けて、それらの上部側をボルト連結し、第2ケース部29に、差動軸21、後車軸25、伝動ギヤ26、及び、サイドブレーキ47とその操作軸48、などを所定の手順に従って組み付けた第4ケース部31を組み付けて、その上部側を第2ケース部29にボルト連結するとともに、その下部側を第2ケース部29の下部側とともに第1ケース部28にボルト連結し、その後、反転させて、第1ケース部28に、差動軸21、後車軸25、伝動ギヤ26、ロック機構24のシフト爪42、及び、サイドブレーキ47とその操作軸48、などを所定の手順に従って組み付けた第3ケース部30を組み付けてボルト連結することなどによって、比較的簡単に組み立てることができる。
そして、第1仕様と第2仕様のいずれにおいても、ミッションケース4の内部においては、主変速装置18の第1シフトギヤ33と第2シフトギヤ36とを中立位置Nに位置させた非伝動状態であっても、主クラッチ15の入り状態では、エンジン3からの動力で、幅広ギヤ80とともに、その下方に位置する小径ギヤ81、第1伝動ギヤ82、中径ギヤ83、及び大径ギヤ84が常に回転するように構成されており、これによって、ミッションオイルのオイル面が基準面OSから第1伝動ギヤ82や大径ギヤ84などの下端近傍まで低下した場合でも、ミッションオイルを、第1伝動ギヤ82や大径ギヤ84による掻き上げで、第1伝動軸16や第2伝動軸62などを支持するベアリング93及び幅広ギヤ80などに潤滑油として供給することができる。
又、主変速装置18の第1シフトギヤ33又は第2シフトギヤ36を中立位置N以外の位置に位置させた伝動状態では、エンジン3からの動力で、上記の非伝動状態に加えて、第1シフトギヤ33、第2シフトギヤ36、シフトギヤ39、第2伝動ギヤ85、及び第3伝動ギヤ86が回転するように構成されており、これによって、ミッションオイルのオイル面が基準面OSからシフトギヤ39や第3伝動ギヤ86の下端近傍まで低下した場合でも、ミッションオイルを、シフトギヤ39や第3伝動ギヤ86による掻き上げ、及び、第1伝動ギヤ82や大径ギヤ84などによる跳ね飛ばしで、第1伝動軸16や第2伝動軸62〜第4伝動軸64などを支持するベアリング93及び幅広ギヤ80などに潤滑油として供給することができる。
そして、上記の伝動状態において、副変速装置20のシフトギヤ39を中立位置N以外の位置に位置させた伝動状態では、エンジン3からの動力で、上記の伝動状態に加えて、低速ギヤ87、第4伝動ギヤ89、高速ギヤ90、後輪用差動装置22の入力ギヤ88、左右の第5伝動ギヤ91、及び左右の伝動ギヤ26が回転する、言い換えると、ミッションケース4に内装した全てのギヤ26,33,36,39,80〜91が回転するように構成されており、これによって、ミッションオイルのオイル面が基準面OSから低速ギヤ87や後輪用差動装置22の入力ギヤ88などの下端近傍まで低下した場合でも、ミッションオイルを、低速ギヤ87や入力ギヤ88による掻き上げ、及び、シフトギヤ39や第1シフトギヤ33などによる跳ね飛ばしで、第1伝動軸16や第2伝動軸62〜第5伝動軸65などを支持するベアリング93及び幅広ギヤ80などに潤滑油として供給することができる。
つまり、ミッションオイルの補給を怠ることで、ミッションオイルのオイル面が基準面OSから低速ギヤ87や後輪用差動装置22の入力ギヤ88などの下端近傍まで低下した場合であっても、走行時には、ミッションケース4に内装した全てのギヤ26,33,36,39,80〜91が回転して、ミッションオイルを掻き上げて跳ね飛ばすことから、それらのギヤ26,33,36,39,80〜91やベアリング93などに、ミッションオイルを潤滑油として比較的安定して供給することができ、ベアリング93の焼き付きなどを回避できる。
図23に示すように、ミッションケース4の後部左上部には、先端の縮径部94Aに螺着されるプラグ95との間に通気孔(図示せず)を形成するとともに、その通気孔からのミッションオイルの漏れ出しを防止する拡径部94Bを備えたブリーザ94が連通接続されている。
図13〜17に示すように、第1操作軸35と第1シフトフォーク34との間には、第1シフトフォーク34のボス部34Aに形成した一対のカム孔34aと、それらのカム孔34aに挿通されるように第1操作軸35に貫通装備した連係ピン96とで、第1操作軸35の回転運動を第1シフトフォーク34の摺動に変換するように構成された第1カム97が備えられている。
第2操作軸38と第2シフトフォーク37との間には、第2シフトフォーク37のボス部37Aに形成した一対のカム孔37aと、それらのカム孔37aに挿通されるように第2操作軸38に貫通装備した連係ピン98とで、第2操作軸38の回転運動を第2シフトフォーク37の摺動に変換するように構成された第2カム99が備えられている。
第1操作軸35は、第1ケース部28から左外方に向けて突出するとともに、第1連係機構L1を介して主変速レバー17に連係される連係端部35Aの突出長さが、第1連係機構L1との連係に必要な最小限の長さに設定されている。
第2操作軸38は、第1ケース部28から左外方に向けて突出するとともに、第2連係機構L2を介して主変速レバー17に連係される連係端部38Aの突出長さが、第1連係機構L1と第2連係機構L2との左右方向での並列配備が可能となるように、第1操作軸35の連係端部35Aの突出長さよりも長い寸法に設定されている。
第1ケース部28の側壁には、左右向きの第1固定軸100を備えたブラケット101が連結装備され、その第1固定軸100に相対回転可能に外嵌装備したボス102に、主変速レバー17が、ボス102に一体装備した前後向きの支軸103を支点にした左右揺動操作が可能で、つる巻きバネ104によって車体右方側に揺動付勢された状態で装備されている。
第1連係機構L1は、第1操作軸35とその軸心周りで一体回転する連係アーム105、第1固定軸100におけるボス102の車体内方側に前後揺動可能に外嵌装備した第1連係部材106、及び、第1連係部材106の第1アーム部106Aと連係アーム105とを連係する連係リンク107、などを備えて構成され、第1連係部材106の第2アーム部106Bに、主変速レバー17に形成した第1凹部17Aが、主変速レバー17の中立位置Nでのつる巻きバネ104の付勢で外嵌することで、主変速レバー17に選択連係される。
第2連係機構L2は、第2操作軸38とその軸心周りで一体回転する連係アーム108、第1固定軸100におけるボス102の車体外方側に前後揺動可能に外嵌装備した第2連係部材109、及び、第2連係部材109の第1アーム部109Aと連係アーム108とを連係する連係リンク110、などを備えて構成され、第2連係部材109の第2アーム部109Bに、主変速レバー17に形成した第2凹部17Bが、主変速レバー17の中立位置Nでのつる巻きバネ104の付勢に抗して外嵌することで、主変速レバー17に選択連係される。
この連係構成から、主変速装置18は、主変速レバー17の中立位置Nにおいて、主変速レバー17を左右方向に揺動操作することで、その左右に位置する第1連係機構L1の第2アーム部106Bと第2連係機構L2の第2アーム部109Bとのいずれ一方に、主変速レバー17の第1凹部17A又は第2凹部17Bを、選択連係することができ、その選択連係状態で主変速レバー17を前後方向に揺動操作すると、その揺動操作で得られた第1操作軸35又は第2操作軸38の回転動作が、対応するカム97,99によって第1シフトフォーク34又は第2シフトフォーク37の摺動に変換されて、第1シフトギヤ33又は第2シフトギヤ36が、主変速レバー17の操作方向と対応する方向に摺動操作されて、主変速レバー17の操作位置に対応する変速状態を現出するように構成されている。
つまり、主変速装置18の操作構造を、第1操作軸35及び第2操作軸38の回転動作を第1シフトフォーク34又は第2シフトフォーク37の摺動に変換するカム式に構成したことで、第1操作軸35及び第2操作軸38の摺動で第1シフトフォーク34又は第2シフトフォーク37を摺動させる摺動式に構成した場合に比較して、主変速装置18の変速操作時に、ミッションケース4の横外側方に向けて摺動変位する操作部材がないことから、その分、左右幅をコンパクトに纏めた主変速操作構造を構成することができ、その主変速操作構造を装備したミッションケース全体の左右幅を小さくすることができ、結果、その左右の空き空間を利用した、ベルト式伝動装置14と主クラッチ15とを介したエンジン3からミッションケース4への伝動、左右のブレーキペダル46とサイドブレーキ47との連係、及び、デフロックペダル23とロック機構24との連係との連係、などが行い易くなる。
図14〜16、図18及び図19に示すように、副変速装置20は、第3操作軸41の摺動でシフトフォーク37を摺動させる摺動式に構成され、第3操作軸41は、第1ケース部28から左外方に向けて突出するとともに、第3連係機構L3を介して副変速レバー19に連係される連係端部41Aの突出長さが、第1ケース部28の横側壁と第2連係機構L2との間で摺動する長さに設定されている。
第3連係機構L3は、ブラケット101に装備した略縦向きの第2固定軸111を支点にして揺動するクランクアーム112と、このクランクアーム112の第1アーム部112Aを第3操作軸41の連係端部41Aに操作連係する連係ピン113とを備えて構成され、クランクアーム112の第2アーム部112Bに形成した係合凹部112aに、ブラケット101に装備した左右向きの第3固定軸158を支点にして前後揺動する副変速レバー19の連係部19Aが操作連係されている。
この連係構成から、副変速装置20は、副変速レバー19を前後方向に揺動操作すると、その揺動がクランクアーム112によって第3操作軸41の摺動に変換され、その摺動で、シフトフォーク37を介して、シフトギヤ39が、副変速レバー19の操作方向と対応する方向に摺動操作されて、副変速レバー19の操作位置に対応する変速状態を現出するように構成されている。
そして、副変速装置20を摺動式に構成しながらも、第3操作軸41の摺動による第1ケース部28に対する出退が、第1ケース部28の横側壁と第2連係機構L2との間で行われるようにしたことで、副変速操作構造を、主変速操作構造と同様に左右幅をコンパクトに纏めたものに構成することができ、その副変速操作構造を装備したミッションケース全体の左右幅を小さくすることができ、結果、その左右の空き空間を利用した、ベルト式伝動装置14と主クラッチ15とを介したエンジン3からミッションケース4への伝動、左右のブレーキペダル46とサイドブレーキ47との連係、及び、デフロックペダル23とロック機構24との連係との連係、などが更に行い易くなる。
しかも、第1ケース部28に、主変速レバー17、副変速レバー19、及び、それらを主変速装置18又は副変速装置20に操作連係する第1連係機構L1〜第1連係機構L3を装備することで、主変速装置18や副変速装置20に対するギヤ交換などのミッションケース4の内部に対するメンテナンスを行う場合には、それらの変速レバー17,19や第1連係機構L1〜第1連係機構L3を取り外すことなく、第1ケース部28から第2ケース部29を取り外すことで、比較的簡単に行えるようになり、結果、ミッションケース4の内部に対するメンテナンス性の向上を図れる。
図1〜7及び図24〜27に示すように、車体の左右中心上に搭載されるエンジン3の上方には、タンクカバー114で覆われた燃料タンク115、ラジエータカバー116で覆われたラジエータ117、及び、マフラ118などが、エンジン3の前下部にはフロントカバー119で覆われたバッテリ120が配備されている。又、エンジン3の真下には、泥水の付着を抑制できる比較的高い位置にエンジン3を配備することによって得られるエンジン3の下方空間を有効利用して、泥水の付着による悪影響を受け難い作動油タンク121が配備されている。
つまり、比較的に重量の大きいバッテリ120及び作動油タンク121を、車体の前部側で、かつ、エンジン3の下側に配備することで、車体後部に作業装置などを連結した際の前後バランスの向上を図れるとともに、エンジン3を比較的に高い位置に配備しながらも車体の重心位置を低くすることができ、もって、車体の安定性の向上を図れるようになっている。
ラジエータ117は、車体右側から吸気し、車体左側のマフラ118に向けて排気するように構成されている。
図6及び図24に示すように、作動油タンク121は、車体フレーム1における左右のメインフレーム122の間で、かつ、それらのメインフレーム122を繋ぐ前後の連結フレーム123の間において、左右のメインフレーム122にボルト連結される左右の受け金具124によって受け止め支持されている。
図1〜6及び図25〜27に示すように、エンジン3とその後方に立設されたステアリングポスト125との間には、それらの間に形成される空間を有効利用して、エアークリーナ126や電装部品(図示せず)などが配備されるとともに、それらを覆うカバー127が配備されている。
そして、タンクカバー114、ラジエータカバー116、及びカバー127によって、エンジン3の上方を覆うエンジンボンネットAが形成されている。
カバー127は、その前端上部の裏面側に、ラジエータ117の後上端部に備えた支持ステー128に立設した左右一対の係止ピン129に精度良く外嵌する第1嵌合部(図示せず)を備え、又、その後端上部の裏面側に、ステアリングポスト125に備えた支持フレーム130の上部に立設した係止ピン(図示せず)に、前後方向への融通を有する状態で外嵌する第2嵌合部(図示せず)を備え、ラジエータカバー116との前後間隔を一定にした状態で、その左右両側下部が車体フレーム1にボルト連結される。そして、カバー127の左右両側部には、着座した運転者の足元空間を確保して足との接触を抑制する凹部127Aが形成されている。
カバー127には、その上部に形成した開口127aを開閉する上蓋131と、その左側部に形成した開口127bを開閉する横蓋132とが、これらの後端部に備えた一対の係止爪131a,132aを、対応する開口127a,127bの後端縁に形成した係合凹部127c、127dに係止した状態で、それらの前端部を対応するノブ付きボルト133で、カバー127に固定することで、簡易着脱可能に装備されている。
この構成から、例えば、カバー127の内部に配備した電装部品の一例としてヒューズ(図示せず)の交換などを行う場合には、上蓋131を取り外すことで、カバー127を取り外す手間を要することなく、カバー127の上部の開口127aからヒューズの交換などを容易に行うことができ、又、エアークリーナ126に対するエレメント126Aの交換を行う場合には、横蓋132を取り外すことで、カバー127を取り外す手間を要することなく、カバー127の左側部の開口127bから、エアークリーナ126に対する蓋体126Bの着脱やエレメント126Aの交換を容易に行える。
エアークリーナ126は、マフラ118が位置する車体左側とは反対の車体右側に吸気管126Cが後下向きに配備され、又、エンジン3とエアークリーナ126との間には遮蔽板134が配備されており、吸気管126Cによる熱風の吸い込みが抑制されている。上蓋131には、複数の通気口131bが整列形成されている。
図1〜6、図8、図9及び図11に示すように、ベルト式伝動装置14は、エンジン3における出力軸13の延出端部に装着した出力プーリ135と、ミッションケース4における第1伝動軸16の延出端部に装着した入力プーリ136とにわたって、伝動ベルト137を、搭乗ステップ10のフロア面上における搭乗ステップ10の左前部に配備した主クラッチ操作用のクラッチペダル138の左外側を通るように回し掛けることで、搭乗ステップ10に形成したペダル操作部139を迂回するように搭乗ステップ10の左側部に変位させた状態に配備され、又、その伝動カバー140における伝動下手側部位が搭乗ステップ10のフロア面に沿う姿勢でフロア面に載置されるように、その中間部を下方に変位させたくの字状に屈曲形成されている。
ベルト式伝動装置14よりも搭乗ステップ10の中央部寄りとなるベルト式伝動装置14の右側方には、エンジン3の左後下方に位置するとともに、ベルト式伝動装置14の右側に隣接配備されたベルト伝動式の補助伝動装置141を介したエンジン3からの動力で駆動されるギヤポンプ142が、搭乗ステップ10のフロア面よりも上方に位置する状態で配備されている。
以上の構成から、エンジン3の出力軸13やその周辺部位、ミッションケース4の第1伝動軸16や各操作軸35,38,41,44,48,78又はそれらの周辺部位、ベルト式伝動装置14、補助伝動装置141、及びギヤポンプ142などは、搭乗ステップ10の高さ位置よりも高い位置に位置することになっており、これによって、このトラクタを泥水の多い水田などで走行させた場合であっても、その走行に伴って前後の車輪5,6で跳ね上げられる泥水が、エンジン3の出力軸13やその周辺部位、ミッションケース4の第1伝動軸16や各操作軸35,38,41,44,48,78又はそれらの周辺部位、ベルト式伝動装置14、補助伝動装置141、及びギヤポンプ142などに付着して悪影響を及ぼす虞を防止できる。
又、搭乗ステップ10のフロア面上にベルト式伝動装置14を配備することで、ベルト式伝動装置14を搭乗ステップ10の横外方に配備する場合に生じる車体左右幅の増大を防止できるとともに、ベルト式伝動装置14に対する支持構造の簡素化を図れることになり、しかも、搭乗ステップ10のフロア面上にベルト式伝動装置14を配備するようにしながらも、そのベルト式伝動装置14によって搭乗ステップ10に備えた各操作ペダル23,46,138の操作が阻害される不都合を回避できるとともに、搭乗ステップ10のフロア面上に位置するベルト式伝動装置14の伝動下手側部位を、フロア面から所定距離を隔てた高い位置に位置させる場合に比較して、搭乗運転部2の操縦者に与える開放感を向上させることができる。
図2、図4及び図26〜31に示すように、支持フレーム130におけるエンジン3の後方で、かつ、ステアリングホイール11の下方の位置には、クランク形の揺動アーム143が、左右向きの軸心周りに揺動可能に装備されており、この揺動アーム143は、その第1アーム部143Aが、エンジン3の右側部に備えた調速レバー(図示せず)に、略水平姿勢でエンジンボンネットA内を通るように配設された操作ワイヤ(連係部材の一例)144を介して操作連係され、その第2アーム部143Bが、搭乗ステップ10の右前部に左右向きの軸心周りに揺動可能に配備したアクセルペダル145の連係アーム部145Aに、上下向きの連係ロッド146を介して操作連係されている。
つまり、連係の自由度が高い反面、泥水の付着によって動作の低下を招き易い操作ワイヤ144を、前後の車輪5,6で跳ね上げられる泥水が付着し難い上部側の位置に、エンジンボンネットA内を通るように配設したことで、操作ワイヤ144による揺動アーム143と調速レバーとの間での連係操作をスムーズに行える。
又、泥水の付着によって動作の低下を招くことない連係ロッド146で、揺動アーム143の第2アーム部143Bとアクセルペダル145の連係アーム部145Aとを操作連係することから、連係ロッド146による揺動アーム143とアクセルペダル145との間での連係操作をスムーズに行える。
結果、アクセルペダル145と調速レバーとの間での連係操作をスムーズに行える。
エンジン3には、調速レバーをエンジン停止位置に向けて復帰付勢する戻しバネ(図示せず)が装備されている。
アクセルペダル145は、平面視略コの字状で側面視略くの字状に屈曲形成した丸パイプ材などからなり、その連係アーム部145Aが、搭乗ステップ10の下方で連係ロッド146の下端に連結され、その踏み込み操作によって、エンジン3側の戻しバネの付勢に抗して調速レバーを高速側に操作し、その踏み込み操作の解除に伴って、戻しバネの付勢で調速レバーとともに低速側に復帰する。
ステアリングホイール11の下方には、揺動アーム143の第1アーム部143Aに対して低速側から片当たり接当する操作片147と上下向きの軸心周りに一体揺動するアクセルレバー148が配備されている。
アクセルレバー148は、くの字状に屈曲形成された丸棒鋼材などからなり、その上下向きの支軸部148Aの上下両端側が支持フレーム130に相対回転可能に支持されており、クランク形の操作片147が固着された下端側に、その操作片147と支持フレーム130との間に介装される第1摩擦板149、操作片147と一体揺動するように係合した揺動板150、その揺動板150と持フレーム130との間に介装される第2摩擦板151、それらを圧接付勢するコイルバネ152、及び、コイルバネ152の下端を受け止めるワッシャ153を外嵌し、かつ、それらを圧接状態に維持するナット154を螺合することで、その操作による所望の操作位置での調速レバーの操作保持を可能にする摩擦式の保持機構155が構成されている。
つまり、アクセルレバー148の操作によって、所望の設定速度による定速走行状態を現出できるとともに、アクセルペダル145による設定速度よりも増速側での変速操作を行える。
支持フレーム130には、アクセルレバー148のアイドリング位置への操作に伴って、操作片147の遊端側に接触して操作抵抗を付与するバネ板156が装備されており、これによって、アクセルレバー148のアイドリング位置への到達を容易に把握することができ、不用意にアクセルレバー148をエンジン停止位置まで操作して、エンジン3を停止させてしまう不都合の発生を抑制してある。
連係ロッド146は、揺動アーム143の第1アーム部143Aとの連係部位から更に上方に向けて延出する延出部146Aを備えるとともに、その延出部146Aの延出端側を車体右方向に向けて屈曲させることで把持部146Bが形成されており、例えば、搭乗ステップ10の裏面とアクセルペダル145の連係アーム部145Aとの間に泥や草などが付着して、アクセルペダル145とともに調速レバーがエンジン3側の戻しバネの付勢では低速側に復帰しなくなった場合には、その把持部146Bを持って引き上げることで、アクセルペダル145とともに調速レバーを低速側に強制的に戻すことができる。
又、アクセルペダル145やアクセルレバー148の操作に連動して、ステアリングホイール11の下方に位置する把持部146Bが上下に動くことから、アクセル操作状態の目視確認を行える。
図6及び図32に示すように、リフトシリンダ7は、ミッションケース4の上方に、その上面に沿う後下がり姿勢でが配備され、左右一対のリフトアーム8とともに、ミッションケース4にボルト連結される左右一対のブラケット101によって支持されており、これによって、ミッションケース4にリフトシリンダ7を一体装備する場合に比較して、ミッションケース4の形状及び構成の簡素化を図ることができる。
尚、図6における符号157は、ミッションケース4に装備した各操作軸35,38,41,44,48,78やそれらに連係される各連係機構L1〜L3などへの泥水の付着を抑制する左右一対の泥水カバーである。
〔別実施形態〕
作業車としては、田植機や直播機あるいはコンバインなどであってもよい。
トラクタの全体左側面図 トラクタの全体右側面図 トラクタの全体平面図 右前方から見たトラクタの全体斜視図 左後方から見たトラクタの全体斜視図 トラクタの概略全体左側面図 エンジン及びミッションケースなどの配置を示す要部の斜視図 ミッションケースの縦断背面図 ミッションケースの要部の縦断背面図 ミッションケースの縦断側面図 補助動力の取り出しを可能に構成したミッションケースの要部の縦断背面図 補助動力の取り出しを可能に構成したミッションケースの縦断側面図 ミッションケースの要部の展開横断平面図 変速操作構造を示す要部の斜視図 変速操作構造を示す要部の左側面図 変速操作構造を示す要部の平面図 主変速操作構造を示す要部の縦断正面図 副変速操作構造を示す要部の縦断正面図 副変速操作構造を示す要部の横断平面図 シール構造を示す要部の縦断背面図 ミッションケースでの補助伝動系の支持構造を示す要部の縦断背面図 ミッションケースの分解状態を示す要部の縦断背面図 ミッションケース後部の縦断側面図 作動油タンクの配置及び支持構造を示す要部の斜視図 エアークリーナに対するメンテナンス構造を示す要部の斜視図 アクセル操作構造を示す右後方から見た要部の斜視図 アクセル操作構造を示す左後方から見た要部の斜視図 アクセル操作構造を示す要部の側面図 アクセル操作構造を示す要部の縦断側面図 アクセル操作構造を示す要部の分解斜視図 アクセル操作構造を示す要部の横断平面図 リフトシリンダ及びリフトアームの配置及び支持構造を示す要部の斜視図
符号の説明
17 操作具
19 副変速用の操作具
33,36 シフトギヤ
34,37 移動部材
35,38 操作軸
35A,38A 連係端部
39 シフトギヤ
40 操作部材
41 副変速用の操作軸
41A 連係端部
97,99 カム
100 固定軸
106,109 連係部材
L1,L2 連係機構
L3 連係機構

Claims (2)

  1. 操作具に連係機構を介して操作連係される複数の操作軸を備え、
    前記操作具の操作に連動して前記操作軸がその軸心を中心にして回転するのに伴って、前記操作軸に相対摺動可能に装備した移動部材が、前記操作軸の回転運動を前記移動部材の摺動に変換するカムの作用で、前記操作軸の回転方向に対応する摺動方向に前記操作軸に沿って摺動し、その摺動で、前記移動部材に操作連係されたシフトギヤが所定の操作位置に向けて摺動変位するように構成し、
    前記操作軸の前記操作具との連係端部を、前記ミッションケースの同一側面から同じ方向に向けて突出長さが異なるように突出させるとともに、
    対応する前記操作軸を前記操作具に操作連係するそれぞれの前記連係機構における前記操作具との連係部材を、前記連係端部と平行に配備された単一の固定軸に、その軸心方向に位置ずれさせた異なる位置で、その固定軸を支点にして揺動するように、かつ、前記操作具の操作による前記連係部材に対する連係選択が可能となるように装備してある作業車の操作構造。
  2. 副変速用の操作具に連係機構を介して操作連係される副変速用の操作軸を備え、
    前記副変速用の操作具の操作に連動して前記副変速用の操作軸がその軸心方向に摺動し、かつ、その摺動に伴って、前記副変速用の操作軸に一体装備した操作部材が、対応するシフトギヤを所定の操作位置に向けて摺動変位させるように構成し、
    前記副変速用の操作軸の前記副変速用の操作具との連係端部を、前記操作軸の前記連係端部を突出させる前記ミッションケースの前記側面から同じ方向に向けて突出させるとともに、前記副変速用の操作軸を前記副変速用の操作具に操作連係する前記連係機構が、前記連係端部の突出長さの長い前記操作軸に連係された前記連係機構と前記ミッションケースの前記側面との間に位置するように、前記ミッションケースからの突出長さを設定してある請求項1に記載の作業車の操作構造。
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