JP2004180194A - クロック前倒し回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロジック回路で構成でき、周波数が高いクロック信号であっても誤差の範囲内でも遅延量を調整する必要がないクロック前倒し回路を提供する。
【解決手段】クロック信号を第1の遅延回路10で順次遅延させ、クロック信号のレベルが変化するタイミングで対応する遅延出力のクロック信号のレベルをラッチし、クロック信号のレベルが次に変化するタイミングで、一方のレベルから他方のレベルに変化する変化点での一方側のレベルを記憶しているラッチ出力に対応するクロック信号をデコードし、そのデコード出力を第2の遅延回路で細かく遅延させてラッチし、クロック信号のレベルが次に変化するタイミングで、一方のレベルから他方のレベルに変化する変化点での一方側のレベルを記憶しているラッチ出力に対応するクロック信号を前倒しクロック信号として出力する。
【選択図】 図1
【解決手段】クロック信号を第1の遅延回路10で順次遅延させ、クロック信号のレベルが変化するタイミングで対応する遅延出力のクロック信号のレベルをラッチし、クロック信号のレベルが次に変化するタイミングで、一方のレベルから他方のレベルに変化する変化点での一方側のレベルを記憶しているラッチ出力に対応するクロック信号をデコードし、そのデコード出力を第2の遅延回路で細かく遅延させてラッチし、クロック信号のレベルが次に変化するタイミングで、一方のレベルから他方のレベルに変化する変化点での一方側のレベルを記憶しているラッチ出力に対応するクロック信号を前倒しクロック信号として出力する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はクロック前倒し回路に関し、特に、データとのタイミングを一致させるためにクロック信号のレベルが変化するタイミングを前倒ししてデータを取込むためのクロック前倒し回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路において、クロック信号に応じてデータを取込む回路が多用されている。たとえば、図5に示すように半導体基板51上に内部回路52が配置されており、半導体基板51の一方側からクロックが入力され、他方側からクロックが入力されると、それぞれの内部回路52までの長さが異なるため信号の遅延量が異なり、データに比べてクロック信号の遅延が大きくなってしまう。このため、クロック信号に同期してデータを取込むタイミングがずれてしまうという問題がある。特に、半導体集積回路の動作速度が速くなると、クロック信号の周波数も高くする必要があり、信号の遅れは動作上で大きな問題を生じる。
【0003】
たとえば、図7(a)に示すtのタイミングでクロック信号が入力されるべきところが、図7(b)に示すようにデータに比べてクロック信号がDLだけ遅延したとすると、クロック信号の立ち上がりでデータを取込もうとしても、クロック信号の立ち上がりのタイミングとデータの変化点とが一致してしまうため、データを適正に取込むことができない。そこで、図6に示すようにクロック信号をインバータ53で極性を反転させれば、クロック信号を半周期前倒しすることができ、タイミングtの反転クロック信号の立ち上がりでデータを取込むことができる。
【0004】
データの変化点の直前でクロック信号のレベル変化をさせようとすれば、インバータ53で反転させたクロック信号を遅延回路54に与えて遅延させ、図7(d)に示すような遅延クロック信号が生成される。
【0005】
その他の例として、特開平10−161614号公報に記載されているカスケード接続した遅延ブロックでクロック信号の位相を調整する回路や、特開平10−322324号公報に記載されているようにクロック信号とそのクロック信号を分周したクロック信号とを用いてクロックを調整する回路などもある。
【0006】
さらに、他の例として、PLL回路を用いてクロック信号の位相を調整する回路もある。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−161614号公報(段落番号0038、図2)
【0008】
【特許文献2】
特開平10−322324公報(段落番号0019、図1)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4〜図6に示した回路では、クロック信号の周波数が変更されると、遅延回路54の遅延量も変更された周波数に応じて調整する必要があり、汎用性に欠けるという問題がある。特開平10−161614号公報または特開平10−322324公報に記載されている例は回路が複雑であり、コスト的に高くなってしまう。PLL回路を用いた例では、アナログ回路であるため周波数が高くなるにつれて調整が困難になり不安定化するという問題がある。
【0010】
それゆえに、この発明の主たる目的は、ロジック回路で構成でき、周波数が高いクロック信号であっても誤差の範囲内でも遅延量を調整する必要がないクロック前倒し回路を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、クロック信号によってデータを取込む回路において、クロック信号のレベルの変化する位相がデータのレベルの変化する位相よりも前に位置するように前倒しして出力するクロック前倒し回路であって、それぞれが所定の遅延量を有して直列接続され、クロック信号を順次遅延させるための複数の第1遅延素子と、複数の第1遅延素子のそれぞれに対応して設けられ、クロック信号のレベルが変化するタイミングで対応する第1遅延素子から出力されるクロック信号のレベルを記憶する第1記憶手段と、クロック信号のレベルが次に変化するタイミングで、各第1記憶手段の記憶出力のうち、一方のレベルから他方のレベルに変化する変化点での一方側のレベルの記憶出力に対応するクロック信号をデコード信号として出力するデコード手段と、デコード手段からデコード信号が出力されたことに応じて、他方のレベルを記憶している第1記憶手段に対応する第1遅延素子からクロック信号が出力されるのを禁止する禁止信号を当該遅延素子に与える禁止信号出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
このように、一方のレベルから他方のレベルに変化する変化点での一方側のレベルを記憶している出力を前倒しクロック信号として取り出すことにより、クロック信号の周波数を変化させても、元のクロック信号のレベルが変化する直前でレベルが変化するクロック信号を確実に生成できる。
【0013】
さらに、それぞれが第1遅延素子よりも遅延時間が短い遅延量を有して直列接続され、デコード手段から出力されたデコード信号を順次遅延させるための複数の第2遅延素子と、複数の第2遅延素子のそれぞれに対応して設けられ、クロック信号のレベルが変化するタイミングで対応する第2遅延素子から出力されるクロック信号のレベルを記憶する第2記憶手段と、クロック信号のレベルが次に変化するタイミングで、各第2記憶手段の記憶出力のうち、一方のレベルから他方のレベルに変化する変化点での一方側のレベルの記憶出力に対応するクロック信号をデコード信号として出力するデコード手段と、デコード手段からデコード信号が出力されたことに応じて、他方のレベルを記憶している第2記憶手段に対応する第2遅延素子からクロック信号が出力されるのを禁止する禁止信号を当該遅延素子に与える禁止信号出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
第1遅延素子だけでクロック信号を前倒ししょうとすると、遅延量の小さな多数の第1遅延素子を用意し、しかもデコード手段として大規模なものを用意する必要があるが、大きな遅延量の第1遅延素子と遅延量の小さな第2遅延素子とを組合わせれば、全体の遅延素子を少なくしかつデコード手段としても小規模なもので済ませることができるので、回路構成を簡略化できる。
【0015】
また、第1記憶手段は、クロック信号に応じて対応する第1遅延素子から出力されるクロック信号のレベルをラッチするラッチ回路であることを特徴とする。
【0016】
さらに、第2記憶手段は、クロック信号に応じて対応する第2遅延素子から出力される信号のレベルをラッチするラッチ回路であることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の一実施形態におけるクロック前倒し回路の回路図であり、図2は図1に示したクロック前倒し回路に含まれるデコーダ・クロック発生器の回路図である。
【0018】
この発明の一実施形態では、図1に示す比較的大きな遅延量を有する遅延回路10でクロック信号を大まかに遅延させ、図2に示す遅延回路30で細かく遅延させることにより、比較的簡単なロジック回路により高精度で所望の前倒し時間を得ている。
【0019】
図1において、クロック信号CLKはインバータ1で反転されて遅延回路10に与えられる。遅延回路10はそれぞれの遅延量が比較的大きな値δTに設定されて直列接続された複数の遅延素子11,12…1nを含む。各遅延素子11,12…1nのそれぞれに対応してラッチ回路としてのDタイプフリップフロップ21,22…2nが設けられている。各遅延素子11,12…1nは第1遅延素子を構成し、Dタイプフリップフロップ21,22…2nは第1記憶手段を構成している。各遅延素子11,12…1の出力信号Clk1,Clk2…Clknは、対応するDタイプフリップフロップ21,22…2nのD入力に与えられるとともにデコーダ・クロック発生器3に与えられている。
【0020】
クロック信号CLKは論理積ゲート2の一方入力にも与えられており、他方入力にはクロック信号CLKの出力をディセーブルするための禁止信号ENclkが反転して入力されている。また、各遅延素子11,12…1nにも各遅延出力をディセーブルするための禁止信号EN1,EN2…ENnが与えられている。これらの禁止信号ENclk,EN1,EN2…ENnは図示しない禁止回路から出力されている。
【0021】
論理積ゲート2の出力のクロック信号DFCLKは各Dタイプフリップフロップ21,22…2nのクロック入力端とデコーダ・クロック発生器3とに与えられている。各Dタイプフリップフロップ21,22…2nは、クロック信号DFCLKに応じて、遅延素子11,12…1nの出力信号clk1,clk2…clknのうちの対応する信号をラッチし、ラッチした出力信号FFQ1,FFQ2…FFQnをデコーダ・クロック発生器3に与える。なお、リセット信号Resetが各Dタイプフリップフロップ21,22…2nとデコーダ・クロック発生器3とに与えられている。
【0022】
デコーダ・クロック発生器3は図2に示すように構成されており、デコーダ4を含む。このデコーダ4には、図1に示した各遅延素子11,12…1nの出力信号Clk1,Clk2…Clknと、各Dタイプフリップフロップ21,22…2nの出力信号FFQ1,FFQ2…FFQnとが入力信号として与えられている。そして、デコーダ4は入力信号FFQ1〜FFQnにおける一方のレベルである論理“1”と、他方のレベルである論理“0”との変化点における“1”側の入力信号を検出し、その入力信号に対応する遅延素子11,12…1nの出力Clk1,Clk2…Clknのいずれかを選択し、出力Clkoutとして出力する。論理“1”と、論理“0”との変化点における“1”側の入力信号は、元のクロック信号を前倒ししたタイミングを示している。
【0023】
この出力Clkoutは遅延回路30に与えられる。遅延回路30はそれぞれの遅延量がδtに設定されて直列接続された複数の遅延素子31,32…3nを含む。図1に示した遅延回路10の各遅延素子の遅延量δTと遅延回路30の各遅延素子の遅延量δtとは、δT>δtの関係になるように設定されており、δtは比較的小さな値である。また、各遅延素子31,32…3nのそれぞれに対応してラッチ回路としてのDタイプフリップフロップ41,42…4nが設けられている。遅延素子31,32…3nは第2遅延素子を構成し、Dタイプフリップフロップ41,42…4nは第2記憶手段を構成している。各遅延素子31,32…3nの出力信号Clks1,Clks2…Clksnは対応するDタイプフリップフロップ41,42…4nのD入力に与えられる。
【0024】
クロック信号DFCLKは各Dタイプフリップフロップ41,42…4nのクロック入力端に与えられている。各Dタイプフリップフロップ41,42…4nはクロック信号DFCLKに応じて、対応する遅延素子の出力信号Clksをラッチし、それぞれの出力信号FFQs1,FFQs2…FFQsnをデコーダ・クロックセレクタ5に与える。デコーダ・クロックセレクタ5には各遅延素子31,32…3nの出力信号Clks1,Clks2…Clksnが与えられている。そして、デコーダ・クロックセレクタ5は、入力信号FFQs1〜FFQsnのうちの論理“1”と“0”の変化点における“1”側の入力信号を検出し、その入力信号に対応する遅延素子の出力Clksを選択し、出力Clkfixとして出力する。各遅延素子41,42…4nには、各遅延出力をディセーブルするための禁止信号en1,en2…ennが与えられている。これらの禁止信号en1,en2…ennは図示しない禁止回路から出力されている。また、リセット信号Resetが各Dタイプフリップフロップ41,42…4nとデコーダ・クロックセレクタ5とに与えられている。
【0025】
図3は図1に示したクロック前倒し回路の動作を説明するためのタイミング図であり、図4は図2に示したクロック前倒し回路に含まれるデコーダ・クロック発生器3の動作を説明するためのタイミング図である。
【0026】
次に、図1ないし図4を参照して、この発明の一実施形態におけるクロック前倒し回路の具体的な動作について説明する。図1に示したクロック信号CLKはインバータ1で反転されて、図3(b)に示す反転クロック信号として遅延素子11に入力され、δT期間遅延されて図3(c)に示すクロック信号Clk1として出力される。この遅延されたクロック信号Clk1は次段の遅延素子12でδT期間遅延され、以下順次δTの遅延期間で遅延される。遅延素子11,12…1nで遅延された各クロック信号Clk1,Clk2…Clknは、図3(a)に示すクロック信号DFCLKの立ち上がるタイミングt1でDタイプフリップフロップ21,22…2nにラッチされる。各ラッチ出力は入力信号FFQ1,FFQ2…FFQnとしてデコーダ・クロック発生器3に与えられる。
【0027】
図2に示すデコーダ4は入力信号FFQ1,FFQ2…FFQnの中で、“1”と“0”の変化点の“1”側を検出する。たとえば、図3(a)に示すクロック信号DFCLKが次に“1”に立ち上がるタイミングt2では、図3(c)〜図3(e)に示すようにクロック信号Clk1〜Clk(m−1)が“1”に立ち上がっており、図3(f)に示すクロック信号Clkmは“0”であるため、デコーダ4はクロック信号Clk(m−1)をデコード信号Clkoutとして出力する。
【0028】
ここで、タイミングt1におけるクロックClk(m−1)(図3(e))と、元のクロックCLKと同一のタイミングであるクロック信号DFCLK(図3(a))とを比較すればわかるように、クロックClk(m−1)は元のクロック信号を前倒ししたタイミングとなっていることが判る。
【0029】
また、デコーダ・クロック発生器3はデコード信号Clkoutを出力した後、クロックClk(m−1)以降のクロックClkm〜Clknの出力を停止させるために禁止信号EN1〜EN(m−1)をイネーブルにし、ENm〜ENnをディセーブルにする。
【0030】
上述のごとく、デコーダ4からはクロック信号を前倒ししたデコード信号を出力できるが、遅延素子11,12…1nの遅延時間が比較的大きな値に設定されているので、タイミングt2より前倒しされた時間が長くなっている。そこで、前倒し時間をタイミングt2に近付けてより高精度に設定するために、遅延回路30とDタイプフリップフロップ41,42…4nとデコーダ・クロックセレクタ5が設けられている。
【0031】
図4に示すタイミング図は、図3に示したタイミング図に比べて時間軸を2倍に拡大して示している。デコーダ4から出力されたデコード信号Clkout(図4(b))は、遅延回路30に含まれる遅延素子31,32…3nにクロック信号として与えられて順次遅延量δtだけ遅延される。この遅延量δtは図1に示した遅延素子11,12…1nの遅延量δTに比べて小さく選ばれているので、遅延出力信号Clks1,Clks2…Clksnは、図4(c)〜図4(g)に示すタイミングで出力される。遅延素子41,42…4nで遅延された各信号Clks1,Clks2…Clksnは、図4(a)に示すクロック信号DFCLKの立ち上がるタイミングt3でDタイプフリップフロップ41,42…4nにラッチされる。各ラッチ出力は入力信号FFQs1,FFQs2…FFQsnとしてデコーダ・クロックセレクタ5に与えられる。
【0032】
デコーダ・クロックセレクタ5は、入力信号FFQ1,FFQ2…FFQnの中で、“1”と“0”の変化点の“1”側を検出する。たとえば、図4(a)に示すクロック信号DFCLKが次に“1”に立ち上がるタイミングt4では、図4(c)〜図4(e)に示すように信号Clks1〜Clksmが“1”に立ち上がっており、図3(f)に示す信号Clks(m+1)は“0”であるため、デコーダ・クロックセレクタ5は信号Clkmを前倒し信号Clkfixとして出力する。
【0033】
ここで、タイミングt3における信号Clksm(図4(e))と、元のクロックCLKと同一のタイミングであるクロック信号DFCLK(図4(a))とを比較すればわかるように、信号Clksmはタイミングt4により近付けて前倒しして出力されていることが判る。
【0034】
また、デコーダ・クロックセレクタ5は前倒し信号Clkfixを出力した後、信号Clksm以降の信号Clks(m+1)〜Clksnの出力を停止させるために禁止信号en1〜enmをイネーブルにし、en(m+1)〜ennをディセーブルにする。
【0035】
上述のごとく、この実施形態によれば、クロック信号が論理“1”,“0”に変化するレベル変化を元のクロック信号のレベル変化よりもタイミング的に前になるように前倒しして出力するようにしたので、クロック信号がデータより遅れても、クロック信号と適切に同期させることができる。これにより、データの取り込みにエラーなどを生じることがない。
【0036】
しかも、上述の実施形態では、より高精度に前倒ししたクロック信号を生成するために第1の遅延回路10で比較的大きな遅延時間δTだけ遅延させ、第2の遅延回路30で比較的小さな遅延時間δtで遅延させるようにしたので、δtのみからなる遅延素子で構成する場合に比べて、全体の遅延素子を少なくできるとともにデコーダ4も小規模なもので済むという利点がある。
【0037】
ただし、精度が要求されない場合には、図2に示した遅延回路30,Dタイプフリップフロップ41,42…4n,デコーダ・クロックセレクタ5を設けることなく、第1の遅延回路10の遅延出力をラッチしてデコード出力を取り出してクロックの前倒し信号としてもよい。
【0038】
図面を参照してこの発明の一実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態に限定されるものではない。本発明と同一の範囲内において、または均等の範囲内において、図示した実施形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、クロック信号を複数の第1遅延素子で順次遅延させ、クロック信号のレベルが変化するタイミングで対応する第1遅延素子から出力されるクロック信号のレベルを記憶し、クロック信号のレベルが次に変化するタイミングで、記憶出力のうち、一方のレベルから他方のレベルに変化する変化点での一方側のレベルの記憶出力に対応するクロック信号をデコード信号として出力するようにしたので、デコード信号をもとのクロック信号のレベルが変化するタイミングよりも前のタイミングで変化する前倒しクロック信号として用いることができる。
【0040】
しかも、ロジック回路で構成できるので、回路構成を簡略化でき、動作も安定している。さらに、クロック信号のレベル変化を前倒ししているので、クロック信号の周波数を変更しても遅延量を調整することなくデータを取込むことができる。
【0041】
また、より好ましくは、デコード信号をそれぞれが第1遅延素子よりも遅延時間が短い遅延量を有する複数の第2遅延素子で順次遅延させ、クロック信号のレベルが変化するタイミングで対応する第2遅延素子から出力されるクロック信号のレベルを記憶し、クロック信号のレベルが次に変化するタイミングで、各記憶出力のうち、一方のレベルから他方のレベルに変化する変化点での一方側のレベルの記憶出力に対応するクロック信号をデコード信号として出力することにより、大きな遅延量の第1遅延素子と遅延量の小さな第2遅延素子とを組合わせて、全体の遅延素子を少なくしかつデコード手段としても小規模なもので済ませることができるので、遅延時間の短い遅延素子を多数直列接続して構成する場合に比べて、回路構成を簡略化でき、消費電力も少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態におけるクロック前倒し回路の回路図である。
【図2】図1に示したデコーダ・クロック発生器の回路図である。
【図3】図1に示したクロック前倒し回路の動作を説明するためのタイミング図である。
【図4】図2に示したデコーダ・クロック発生器の動作を説明するためのタイミング図である。
【図5】半導体基板上に内部回路が配置された集積回路を示す図である。
【図6】従来のクロック調整回路の一例を示す図である。
【図7】従来のクロック調整回路の動作を説明するためのタイミング図である。
【符号の説明】
1 インバータ、2 論理積ゲート、3 デコーダ・クロック発生器、4 デコーダ、5 デコーダ・クロックセレクタ、10,30 遅延回路、11,12…1n,31,32…3n 遅延素子、21,22…2n,41,42…4n Dタイプフリップフロップ。
【発明の属する技術分野】
この発明はクロック前倒し回路に関し、特に、データとのタイミングを一致させるためにクロック信号のレベルが変化するタイミングを前倒ししてデータを取込むためのクロック前倒し回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路において、クロック信号に応じてデータを取込む回路が多用されている。たとえば、図5に示すように半導体基板51上に内部回路52が配置されており、半導体基板51の一方側からクロックが入力され、他方側からクロックが入力されると、それぞれの内部回路52までの長さが異なるため信号の遅延量が異なり、データに比べてクロック信号の遅延が大きくなってしまう。このため、クロック信号に同期してデータを取込むタイミングがずれてしまうという問題がある。特に、半導体集積回路の動作速度が速くなると、クロック信号の周波数も高くする必要があり、信号の遅れは動作上で大きな問題を生じる。
【0003】
たとえば、図7(a)に示すtのタイミングでクロック信号が入力されるべきところが、図7(b)に示すようにデータに比べてクロック信号がDLだけ遅延したとすると、クロック信号の立ち上がりでデータを取込もうとしても、クロック信号の立ち上がりのタイミングとデータの変化点とが一致してしまうため、データを適正に取込むことができない。そこで、図6に示すようにクロック信号をインバータ53で極性を反転させれば、クロック信号を半周期前倒しすることができ、タイミングtの反転クロック信号の立ち上がりでデータを取込むことができる。
【0004】
データの変化点の直前でクロック信号のレベル変化をさせようとすれば、インバータ53で反転させたクロック信号を遅延回路54に与えて遅延させ、図7(d)に示すような遅延クロック信号が生成される。
【0005】
その他の例として、特開平10−161614号公報に記載されているカスケード接続した遅延ブロックでクロック信号の位相を調整する回路や、特開平10−322324号公報に記載されているようにクロック信号とそのクロック信号を分周したクロック信号とを用いてクロックを調整する回路などもある。
【0006】
さらに、他の例として、PLL回路を用いてクロック信号の位相を調整する回路もある。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−161614号公報(段落番号0038、図2)
【0008】
【特許文献2】
特開平10−322324公報(段落番号0019、図1)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4〜図6に示した回路では、クロック信号の周波数が変更されると、遅延回路54の遅延量も変更された周波数に応じて調整する必要があり、汎用性に欠けるという問題がある。特開平10−161614号公報または特開平10−322324公報に記載されている例は回路が複雑であり、コスト的に高くなってしまう。PLL回路を用いた例では、アナログ回路であるため周波数が高くなるにつれて調整が困難になり不安定化するという問題がある。
【0010】
それゆえに、この発明の主たる目的は、ロジック回路で構成でき、周波数が高いクロック信号であっても誤差の範囲内でも遅延量を調整する必要がないクロック前倒し回路を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、クロック信号によってデータを取込む回路において、クロック信号のレベルの変化する位相がデータのレベルの変化する位相よりも前に位置するように前倒しして出力するクロック前倒し回路であって、それぞれが所定の遅延量を有して直列接続され、クロック信号を順次遅延させるための複数の第1遅延素子と、複数の第1遅延素子のそれぞれに対応して設けられ、クロック信号のレベルが変化するタイミングで対応する第1遅延素子から出力されるクロック信号のレベルを記憶する第1記憶手段と、クロック信号のレベルが次に変化するタイミングで、各第1記憶手段の記憶出力のうち、一方のレベルから他方のレベルに変化する変化点での一方側のレベルの記憶出力に対応するクロック信号をデコード信号として出力するデコード手段と、デコード手段からデコード信号が出力されたことに応じて、他方のレベルを記憶している第1記憶手段に対応する第1遅延素子からクロック信号が出力されるのを禁止する禁止信号を当該遅延素子に与える禁止信号出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
このように、一方のレベルから他方のレベルに変化する変化点での一方側のレベルを記憶している出力を前倒しクロック信号として取り出すことにより、クロック信号の周波数を変化させても、元のクロック信号のレベルが変化する直前でレベルが変化するクロック信号を確実に生成できる。
【0013】
さらに、それぞれが第1遅延素子よりも遅延時間が短い遅延量を有して直列接続され、デコード手段から出力されたデコード信号を順次遅延させるための複数の第2遅延素子と、複数の第2遅延素子のそれぞれに対応して設けられ、クロック信号のレベルが変化するタイミングで対応する第2遅延素子から出力されるクロック信号のレベルを記憶する第2記憶手段と、クロック信号のレベルが次に変化するタイミングで、各第2記憶手段の記憶出力のうち、一方のレベルから他方のレベルに変化する変化点での一方側のレベルの記憶出力に対応するクロック信号をデコード信号として出力するデコード手段と、デコード手段からデコード信号が出力されたことに応じて、他方のレベルを記憶している第2記憶手段に対応する第2遅延素子からクロック信号が出力されるのを禁止する禁止信号を当該遅延素子に与える禁止信号出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
第1遅延素子だけでクロック信号を前倒ししょうとすると、遅延量の小さな多数の第1遅延素子を用意し、しかもデコード手段として大規模なものを用意する必要があるが、大きな遅延量の第1遅延素子と遅延量の小さな第2遅延素子とを組合わせれば、全体の遅延素子を少なくしかつデコード手段としても小規模なもので済ませることができるので、回路構成を簡略化できる。
【0015】
また、第1記憶手段は、クロック信号に応じて対応する第1遅延素子から出力されるクロック信号のレベルをラッチするラッチ回路であることを特徴とする。
【0016】
さらに、第2記憶手段は、クロック信号に応じて対応する第2遅延素子から出力される信号のレベルをラッチするラッチ回路であることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の一実施形態におけるクロック前倒し回路の回路図であり、図2は図1に示したクロック前倒し回路に含まれるデコーダ・クロック発生器の回路図である。
【0018】
この発明の一実施形態では、図1に示す比較的大きな遅延量を有する遅延回路10でクロック信号を大まかに遅延させ、図2に示す遅延回路30で細かく遅延させることにより、比較的簡単なロジック回路により高精度で所望の前倒し時間を得ている。
【0019】
図1において、クロック信号CLKはインバータ1で反転されて遅延回路10に与えられる。遅延回路10はそれぞれの遅延量が比較的大きな値δTに設定されて直列接続された複数の遅延素子11,12…1nを含む。各遅延素子11,12…1nのそれぞれに対応してラッチ回路としてのDタイプフリップフロップ21,22…2nが設けられている。各遅延素子11,12…1nは第1遅延素子を構成し、Dタイプフリップフロップ21,22…2nは第1記憶手段を構成している。各遅延素子11,12…1の出力信号Clk1,Clk2…Clknは、対応するDタイプフリップフロップ21,22…2nのD入力に与えられるとともにデコーダ・クロック発生器3に与えられている。
【0020】
クロック信号CLKは論理積ゲート2の一方入力にも与えられており、他方入力にはクロック信号CLKの出力をディセーブルするための禁止信号ENclkが反転して入力されている。また、各遅延素子11,12…1nにも各遅延出力をディセーブルするための禁止信号EN1,EN2…ENnが与えられている。これらの禁止信号ENclk,EN1,EN2…ENnは図示しない禁止回路から出力されている。
【0021】
論理積ゲート2の出力のクロック信号DFCLKは各Dタイプフリップフロップ21,22…2nのクロック入力端とデコーダ・クロック発生器3とに与えられている。各Dタイプフリップフロップ21,22…2nは、クロック信号DFCLKに応じて、遅延素子11,12…1nの出力信号clk1,clk2…clknのうちの対応する信号をラッチし、ラッチした出力信号FFQ1,FFQ2…FFQnをデコーダ・クロック発生器3に与える。なお、リセット信号Resetが各Dタイプフリップフロップ21,22…2nとデコーダ・クロック発生器3とに与えられている。
【0022】
デコーダ・クロック発生器3は図2に示すように構成されており、デコーダ4を含む。このデコーダ4には、図1に示した各遅延素子11,12…1nの出力信号Clk1,Clk2…Clknと、各Dタイプフリップフロップ21,22…2nの出力信号FFQ1,FFQ2…FFQnとが入力信号として与えられている。そして、デコーダ4は入力信号FFQ1〜FFQnにおける一方のレベルである論理“1”と、他方のレベルである論理“0”との変化点における“1”側の入力信号を検出し、その入力信号に対応する遅延素子11,12…1nの出力Clk1,Clk2…Clknのいずれかを選択し、出力Clkoutとして出力する。論理“1”と、論理“0”との変化点における“1”側の入力信号は、元のクロック信号を前倒ししたタイミングを示している。
【0023】
この出力Clkoutは遅延回路30に与えられる。遅延回路30はそれぞれの遅延量がδtに設定されて直列接続された複数の遅延素子31,32…3nを含む。図1に示した遅延回路10の各遅延素子の遅延量δTと遅延回路30の各遅延素子の遅延量δtとは、δT>δtの関係になるように設定されており、δtは比較的小さな値である。また、各遅延素子31,32…3nのそれぞれに対応してラッチ回路としてのDタイプフリップフロップ41,42…4nが設けられている。遅延素子31,32…3nは第2遅延素子を構成し、Dタイプフリップフロップ41,42…4nは第2記憶手段を構成している。各遅延素子31,32…3nの出力信号Clks1,Clks2…Clksnは対応するDタイプフリップフロップ41,42…4nのD入力に与えられる。
【0024】
クロック信号DFCLKは各Dタイプフリップフロップ41,42…4nのクロック入力端に与えられている。各Dタイプフリップフロップ41,42…4nはクロック信号DFCLKに応じて、対応する遅延素子の出力信号Clksをラッチし、それぞれの出力信号FFQs1,FFQs2…FFQsnをデコーダ・クロックセレクタ5に与える。デコーダ・クロックセレクタ5には各遅延素子31,32…3nの出力信号Clks1,Clks2…Clksnが与えられている。そして、デコーダ・クロックセレクタ5は、入力信号FFQs1〜FFQsnのうちの論理“1”と“0”の変化点における“1”側の入力信号を検出し、その入力信号に対応する遅延素子の出力Clksを選択し、出力Clkfixとして出力する。各遅延素子41,42…4nには、各遅延出力をディセーブルするための禁止信号en1,en2…ennが与えられている。これらの禁止信号en1,en2…ennは図示しない禁止回路から出力されている。また、リセット信号Resetが各Dタイプフリップフロップ41,42…4nとデコーダ・クロックセレクタ5とに与えられている。
【0025】
図3は図1に示したクロック前倒し回路の動作を説明するためのタイミング図であり、図4は図2に示したクロック前倒し回路に含まれるデコーダ・クロック発生器3の動作を説明するためのタイミング図である。
【0026】
次に、図1ないし図4を参照して、この発明の一実施形態におけるクロック前倒し回路の具体的な動作について説明する。図1に示したクロック信号CLKはインバータ1で反転されて、図3(b)に示す反転クロック信号として遅延素子11に入力され、δT期間遅延されて図3(c)に示すクロック信号Clk1として出力される。この遅延されたクロック信号Clk1は次段の遅延素子12でδT期間遅延され、以下順次δTの遅延期間で遅延される。遅延素子11,12…1nで遅延された各クロック信号Clk1,Clk2…Clknは、図3(a)に示すクロック信号DFCLKの立ち上がるタイミングt1でDタイプフリップフロップ21,22…2nにラッチされる。各ラッチ出力は入力信号FFQ1,FFQ2…FFQnとしてデコーダ・クロック発生器3に与えられる。
【0027】
図2に示すデコーダ4は入力信号FFQ1,FFQ2…FFQnの中で、“1”と“0”の変化点の“1”側を検出する。たとえば、図3(a)に示すクロック信号DFCLKが次に“1”に立ち上がるタイミングt2では、図3(c)〜図3(e)に示すようにクロック信号Clk1〜Clk(m−1)が“1”に立ち上がっており、図3(f)に示すクロック信号Clkmは“0”であるため、デコーダ4はクロック信号Clk(m−1)をデコード信号Clkoutとして出力する。
【0028】
ここで、タイミングt1におけるクロックClk(m−1)(図3(e))と、元のクロックCLKと同一のタイミングであるクロック信号DFCLK(図3(a))とを比較すればわかるように、クロックClk(m−1)は元のクロック信号を前倒ししたタイミングとなっていることが判る。
【0029】
また、デコーダ・クロック発生器3はデコード信号Clkoutを出力した後、クロックClk(m−1)以降のクロックClkm〜Clknの出力を停止させるために禁止信号EN1〜EN(m−1)をイネーブルにし、ENm〜ENnをディセーブルにする。
【0030】
上述のごとく、デコーダ4からはクロック信号を前倒ししたデコード信号を出力できるが、遅延素子11,12…1nの遅延時間が比較的大きな値に設定されているので、タイミングt2より前倒しされた時間が長くなっている。そこで、前倒し時間をタイミングt2に近付けてより高精度に設定するために、遅延回路30とDタイプフリップフロップ41,42…4nとデコーダ・クロックセレクタ5が設けられている。
【0031】
図4に示すタイミング図は、図3に示したタイミング図に比べて時間軸を2倍に拡大して示している。デコーダ4から出力されたデコード信号Clkout(図4(b))は、遅延回路30に含まれる遅延素子31,32…3nにクロック信号として与えられて順次遅延量δtだけ遅延される。この遅延量δtは図1に示した遅延素子11,12…1nの遅延量δTに比べて小さく選ばれているので、遅延出力信号Clks1,Clks2…Clksnは、図4(c)〜図4(g)に示すタイミングで出力される。遅延素子41,42…4nで遅延された各信号Clks1,Clks2…Clksnは、図4(a)に示すクロック信号DFCLKの立ち上がるタイミングt3でDタイプフリップフロップ41,42…4nにラッチされる。各ラッチ出力は入力信号FFQs1,FFQs2…FFQsnとしてデコーダ・クロックセレクタ5に与えられる。
【0032】
デコーダ・クロックセレクタ5は、入力信号FFQ1,FFQ2…FFQnの中で、“1”と“0”の変化点の“1”側を検出する。たとえば、図4(a)に示すクロック信号DFCLKが次に“1”に立ち上がるタイミングt4では、図4(c)〜図4(e)に示すように信号Clks1〜Clksmが“1”に立ち上がっており、図3(f)に示す信号Clks(m+1)は“0”であるため、デコーダ・クロックセレクタ5は信号Clkmを前倒し信号Clkfixとして出力する。
【0033】
ここで、タイミングt3における信号Clksm(図4(e))と、元のクロックCLKと同一のタイミングであるクロック信号DFCLK(図4(a))とを比較すればわかるように、信号Clksmはタイミングt4により近付けて前倒しして出力されていることが判る。
【0034】
また、デコーダ・クロックセレクタ5は前倒し信号Clkfixを出力した後、信号Clksm以降の信号Clks(m+1)〜Clksnの出力を停止させるために禁止信号en1〜enmをイネーブルにし、en(m+1)〜ennをディセーブルにする。
【0035】
上述のごとく、この実施形態によれば、クロック信号が論理“1”,“0”に変化するレベル変化を元のクロック信号のレベル変化よりもタイミング的に前になるように前倒しして出力するようにしたので、クロック信号がデータより遅れても、クロック信号と適切に同期させることができる。これにより、データの取り込みにエラーなどを生じることがない。
【0036】
しかも、上述の実施形態では、より高精度に前倒ししたクロック信号を生成するために第1の遅延回路10で比較的大きな遅延時間δTだけ遅延させ、第2の遅延回路30で比較的小さな遅延時間δtで遅延させるようにしたので、δtのみからなる遅延素子で構成する場合に比べて、全体の遅延素子を少なくできるとともにデコーダ4も小規模なもので済むという利点がある。
【0037】
ただし、精度が要求されない場合には、図2に示した遅延回路30,Dタイプフリップフロップ41,42…4n,デコーダ・クロックセレクタ5を設けることなく、第1の遅延回路10の遅延出力をラッチしてデコード出力を取り出してクロックの前倒し信号としてもよい。
【0038】
図面を参照してこの発明の一実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態に限定されるものではない。本発明と同一の範囲内において、または均等の範囲内において、図示した実施形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、クロック信号を複数の第1遅延素子で順次遅延させ、クロック信号のレベルが変化するタイミングで対応する第1遅延素子から出力されるクロック信号のレベルを記憶し、クロック信号のレベルが次に変化するタイミングで、記憶出力のうち、一方のレベルから他方のレベルに変化する変化点での一方側のレベルの記憶出力に対応するクロック信号をデコード信号として出力するようにしたので、デコード信号をもとのクロック信号のレベルが変化するタイミングよりも前のタイミングで変化する前倒しクロック信号として用いることができる。
【0040】
しかも、ロジック回路で構成できるので、回路構成を簡略化でき、動作も安定している。さらに、クロック信号のレベル変化を前倒ししているので、クロック信号の周波数を変更しても遅延量を調整することなくデータを取込むことができる。
【0041】
また、より好ましくは、デコード信号をそれぞれが第1遅延素子よりも遅延時間が短い遅延量を有する複数の第2遅延素子で順次遅延させ、クロック信号のレベルが変化するタイミングで対応する第2遅延素子から出力されるクロック信号のレベルを記憶し、クロック信号のレベルが次に変化するタイミングで、各記憶出力のうち、一方のレベルから他方のレベルに変化する変化点での一方側のレベルの記憶出力に対応するクロック信号をデコード信号として出力することにより、大きな遅延量の第1遅延素子と遅延量の小さな第2遅延素子とを組合わせて、全体の遅延素子を少なくしかつデコード手段としても小規模なもので済ませることができるので、遅延時間の短い遅延素子を多数直列接続して構成する場合に比べて、回路構成を簡略化でき、消費電力も少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態におけるクロック前倒し回路の回路図である。
【図2】図1に示したデコーダ・クロック発生器の回路図である。
【図3】図1に示したクロック前倒し回路の動作を説明するためのタイミング図である。
【図4】図2に示したデコーダ・クロック発生器の動作を説明するためのタイミング図である。
【図5】半導体基板上に内部回路が配置された集積回路を示す図である。
【図6】従来のクロック調整回路の一例を示す図である。
【図7】従来のクロック調整回路の動作を説明するためのタイミング図である。
【符号の説明】
1 インバータ、2 論理積ゲート、3 デコーダ・クロック発生器、4 デコーダ、5 デコーダ・クロックセレクタ、10,30 遅延回路、11,12…1n,31,32…3n 遅延素子、21,22…2n,41,42…4n Dタイプフリップフロップ。
Claims (4)
- クロック信号によってデータを取込む回路において、前記クロック信号のレベルの変化する位相が前記データのレベルの変化する位相よりも前に位置するように前倒しして出力するクロック前倒し回路であって、
それぞれが所定の遅延量を有して直列接続され、前記クロック信号を順次遅延させるための複数の第1遅延素子と、
前記複数の第1遅延素子のそれぞれに対応して設けられ、前記クロック信号のレベルが変化するタイミングで対応する第1遅延素子から出力されるクロック信号のレベルを記憶する第1記憶手段と、
前記クロック信号のレベルが次に変化するタイミングで、前記各第1記憶手段の記憶出力のうち、一方のレベルから他方のレベルに変化する変化点での一方側のレベルの記憶出力に対応するクロック信号をデコード信号として出力するデコード手段と、
前記デコード手段からデコード信号が出力されたことに応じて、前記他方のレベルを記憶している第1記憶手段に対応する第1遅延素子からクロック信号が出力されるのを禁止する禁止信号を当該遅延素子に与える禁止信号出力手段とを備えたことを特徴とする、クロック前倒し回路。 - さらに、それぞれが前記第1遅延素子よりも遅延時間が短い遅延量を有して直列接続され、前記デコード手段から出力されたデコード信号を順次遅延させるための複数の第2遅延素子と、
前記複数の第2遅延素子のそれぞれに対応して設けられ、前記クロック信号のレベルが変化するタイミングで対応する第2遅延素子から出力されるクロック信号のレベルを記憶する第2記憶手段と、
前記クロック信号のレベルが次に変化するタイミングで、前記各第2記憶手段の記憶出力のうち、一方のレベルから他方のレベルに変化する変化点での一方側のレベルの記憶出力に対応するクロック信号を選択信号として出力する選択手段とを含み、
前記禁止信号出力手段は、前記選択手段から選択信号が出力されたことに応じて、前記他方のレベルを記憶している第2記憶手段に対応する第2遅延素子からクロック信号が出力されるのを禁止する禁止信号を当該遅延素子に与えることを特徴とする、請求項1に記載のクロック前倒し回路。 - 前記第1記憶手段は、前記クロック信号に応じて対応する第1遅延素子から出力されるクロック信号のレベルをラッチするラッチ回路であることを特徴とする、請求項1に記載のクロック前倒し回路。
- 前記第2記憶手段は、前記クロック信号に応じて対応する第2遅延素子から出力される信号のレベルをラッチするラッチ回路であることを特徴とする、請求項2に記載のクロック前倒し回路。
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