JP2004178920A - スイッチおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁性および強度に優れた外部端子を有し、自由に配置できるスイッチおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】固定接点6A〜6Cと、前記固定接点を内部に収容した筐体3と、前記固定接点と接続可能に設けられた可動接点2A〜2Cと、前記可動接点を駆動する操作体1と、前記固定接点と電気的に接続され前記筐体から外部に延在した外部端子7とを備えたスイッチであって、前記外部端子の配線部分9は可撓性を有する高分子の被膜10で被覆されている。
【選択図】 図2
【解決手段】固定接点6A〜6Cと、前記固定接点を内部に収容した筐体3と、前記固定接点と接続可能に設けられた可動接点2A〜2Cと、前記可動接点を駆動する操作体1と、前記固定接点と電気的に接続され前記筐体から外部に延在した外部端子7とを備えたスイッチであって、前記外部端子の配線部分9は可撓性を有する高分子の被膜10で被覆されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチおよびその製造方法に係り、特に、可撓性を有する外部端子を有するスイッチおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスイッチは、プリント基板等に実装する場合、基本的には、プリント基板等のスイッチ接続用端子の近傍にスイッチを実装し、直接スイッチの外部端子がプリント基板等のスイッチ接続用端子と接続できるように配置されていた。
【0003】
しかしながら、プリント基板等の実装設計の都合によって、スイッチ接続用端子の近傍にスイッチを実装することができない場合がある。特に、小型の携帯機器等においては、プリント基板等の実装スペースも狭く、実装位置と接続位置が離れることがあった。
【0004】
スイッチの実装位置とプリント基板等のスイッチ接続用端子の位置とが離れていた場合は、スイッチの外部端子に別途延長用のコネクタやフレキシブル端子を接続して、その間の距離を埋めていた。
【0005】
スイッチの外部端子とフレキシブル端子とは、フレキシブル端子のかしめ部にスイッチの外部端子を係合させた状態で、かしめることにより、かしめ固定していた(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特許第3195169号公報(段落0004、段落0010−段落0014)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のスイッチにおいて、延長用のコネクタを使用する場合は、コネクタの形状および長さが固定されているため、プリント基板等のスイッチ接続用端子からコネクタの長さだけ離れた位置にスイッチを実装しなければならず、自由に実装位置を設定することができなかった。
【0008】
また、フレキシブル端子をかしめ固定した場合は、コネクタに比べればスイッチの実装位置を自由に設定することができるが、かしめ固定のため端子が露出しており絶縁性が悪く、実装作業でかかる負荷によって断線する虞もあった。
【0009】
更に、スイッチとプリント基板等のスイッチ接続用端子の相対的な位置関係が変化する場合、例えば、可動部分を跨いでスイッチの実装位置とスイッチ接続用端子の位置とが配置されている場合は、形状および長さが固定されているコネクタを用いることはできず、かしめ固定したフレキシブル端子ではかしめ部分の強度が持たないといった問題があった。
【0010】
加えて、延長用のコネクタやフレキシブル端子を使用する場合は、スイッチ製造後において煩雑な接続作業が必要であり、部品点数および組立工程数の増加にもつながっていた。
【0011】
本発明は、以上の問題を鑑みて、絶縁性および強度に優れた外部端子を有し、自由に配置できるスイッチおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために本発明のスイッチは、固定接点と、前記固定接点を内部に収容した筐体と、前記固定接点と接続可能に設けられた可動接点と、前記可動接点を駆動する操作体と、前記固定接点と電気的に接続され前記筐体から外部に延在した外部端子とを備え、前記外部端子の配線部分は可撓性を有する高分子の被膜で被覆されていることを特徴とする。
【0013】
このような構成を採用したことにより、外部端子の配線部分が可撓性を有する高分子の被膜で被覆されているため、配線部分の絶縁性および強度を高めることができ、スイッチを自由に配置することができる。また、予め、可撓性を有する高分子の被膜で被覆された外部端子がスイッチに備えられているため、スイッチ製造後において煩雑な接続作業が不要となり、部品点数および組立工程数を減らすことができる。
【0014】
また、本発明のスイッチは、前記高分子の被膜が、前記筐体の外部端子が導出した部分も被覆していることを特徴とする。
【0015】
このような構成を採用したことにより、外部端子の配線部分だけでなく、筐体の外部端子が導出した部分も高分子の被膜で被覆されているため、配線部分の絶縁性および強度を更に高めることができる。
【0016】
また、本発明のスイッチは、前記高分子の被膜が、前記外部端子の端子部分近傍においてコネクタ形状に成形されていることを特徴とする。
【0017】
このような構成を採用したことにより、コネクタも高分子の被膜で一体成形されているので、部品点数および組立工程数を増やさずに、プリント基板等とコネクタ接続することができる。
【0018】
また、本発明のスイッチは、前記高分子の被膜が、ポリエステル系の合成樹脂にゴムを混ぜたエラストマーであることを特徴とする。
【0019】
このような構成を採用したことにより、エラストマーの厚さによって剛性を制御することができ、高分子の被膜を薄く被覆すれば可撓性を持たせることができ、厚く被覆すれば剛性を高めることができる。
【0020】
また、本発明のスイッチの製造方法は、固定接点と、前記固定接点を内部に収容した筐体と、前記固定接点と接続可能に設けられた可動接点と、前記可動接点を駆動する操作体と、前記固定接点と電気的に接続され前記筐体から外部に延在した外部端子とを備えたスイッチの製造方法であって、前記筐体から外部に延在した外部端子の配線部分を型の中に配置し、前記型の中に高分子材料を注入し、前記高分子材料を重合して、前記配線部分に高分子の被膜を被覆することを特徴とする。
【0021】
このような構成を採用したことにより、外部端子の配線部分に高分子の被膜を被覆することができ、配線部分の絶縁性および強度を高めることができ、スイッチを自由に配置することができる。また、スイッチを製造する際に高分子の被膜の被覆が行われるので、スイッチ製造後において煩雑な接続作業が不要となり、部品点数および組立工程数を減らすことができる。
【0022】
また、本発明のスイッチの製造方法は、前記筐体の外部端子が導出した部分も前記型の中に配置し、前記高分子の被膜を被覆することを特徴とする。
【0023】
このような構成を採用したことにより、外部端子の配線部分だけでなく、筐体の外部端子が導出した部分も同時に高分子の被膜で被覆することができ、配線部分の絶縁性および強度を更に高めることができる。
【0024】
また、本発明のスイッチの製造方法は、前記高分子の被膜が、前記外部端子の端子部分近傍においてコネクタ形状に成形されていることを特徴とする。
【0025】
このような構成を採用したことにより、端子部分近傍のコネクタ形状を同時に、且つ一体に成形できるので、部品点数および組立工程数を増やさずに、プリント基板等とコネクタ接続することができる。
【0026】
また、本発明のスイッチの製造方法は、前記高分子の被膜が、ポリエステル系の合成樹脂にゴムを混ぜたエラストマーであることを特徴とする。
【0027】
このような構成を採用したことにより、エラストマーの厚さによって剛性を制御することができ、高分子の被膜を薄く被覆すれば可撓性を持たせることができ、厚く被覆すれば剛性を高めることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0029】
図1は本発明のスイッチの平面図、図2は同スイッチの断面図、図3は同スイッチの上面図である。スイッチは、操作体1および筐体3とからなっており、筐体3から外部端子7が導出している。
【0030】
操作体1は、使用者の押す、引く、回す、倒す等の操作によって可動接点2A〜2Cを駆動させものであり、例えばボタン、レバー、回転子等である。図1乃至図3においては、操作体1として回転子を図示しており、操作体1の下面に可動接点2A〜2Cを有する導体2が装着され、操作体1を回転させることで可動接点2A〜2Cも回転するように構成されている。
【0031】
筐体3は、その内側に固定接点6A〜6Cを収容し、操作体1の可動接点2A〜2Cを含む一部分も可動接点2A〜2Cと固定接点6A〜6Cとが接続可能な状態で収容している。図1乃至図3においては、本体4に各固定接点6A〜6Cを有する導体が装着され、それに操作体1の下方部分が本体4に嵌合され、蓋体5が本体4に嵌合された部分の操作体1を覆っている。筐体3としては、図1および2に示すように本体4および蓋体5から構成されていても、本体だけで構成されていても、更に別の部品を含んでいてもよい。
【0032】
固定接点6A〜6Cは、それぞれ外部端子7A〜7Cと電気的に接続しており、可動接点2A〜2Cとの接続状態によって種々の回路を構成することができる。各固定接点6A〜6Cおよび外部端子7A〜7Cは、一体の導体から構成されていてもよいし、複数の導体を接続させて構成されていてもよい。例えば、1枚の金属薄板を筐体内部から外部まで延在させて、筐体内部の可動接点と接触する部分を固定接点とし、筐体から外部に延在した部分を外部端子とすることもできるし、筐体内部の固定接点となる部分と筐体から外部に延在している外部端子とを別々の導体で構成することもできる。一体の導体で固定接点と外部端子を構成すると、部品点数および組み立て工程の削減になり、且つ確実に導通させることができ好ましい。
【0033】
外部端子7は、筐体3の外部に延在した導体であり、プリント基板等と接続するための端子部分8と配線部分9とを有している。外部端子7の配線部分9は、可撓性を有する高分子の被膜10で被覆されている。
【0034】
高分子の被膜10は、外部端子7の配線部分9だけではなく、筐体3の一部、特に筐体3の外部端子を導出した部分近傍を被覆していると、外部端子7の絶縁性および強度を高めることができ好ましい。
【0035】
また、高分子の被膜10は、図1乃至図3に示すように、外部端子7の端子部分8近傍をコネクタ形状に成形されていれば、プリント基板等とコネクタ接続できるようになる。なお、図4AおよびBは、外部端子7の端子部分8の他の実施の形態である。外部端子7の端子部分8は、コネクタを設けず、単に先端の外部端子7A〜7Cを露出させ、プリント基板等とハンダ接続する構成(図4A)でもよいし、外部端子7A〜7Cの一表面を部分的に露出させ、プリント基板等と異方性導電材料等で接続する構成でもよい(図4B)。
【0036】
高分子の被膜10として、可撓性および絶縁性を有する材料が使用でき、例えばポリエステル系の合成樹脂にゴムを混ぜたエラストマーを利用することができる。
【0037】
高分子の被膜10としてエラストマーを使用すると、その厚さによって剛性を制御することができ、薄く被覆すれば可撓性を持たせることができ、厚く被覆すれば剛性を高めることができる。このため、端子部分8近傍をコネクタ形状に成形した場合に、分厚く成形されたコネクタ形状の剛性が高くなり、プリント基板等のコネクタとの嵌合がし易くなる。
【0038】
次に、外部端子7を高分子の被膜10によって被覆する工程を図5および図6を用いて説明する。図5Aおよび図6Aは、本発明のスイッチの製造過程における本体4の平面図、図5Bおよび図6Bは、同断面図である。
【0039】
図5AおよびBは、外部端子7に高分子の被膜10を被覆する前の状態であり、筐体3(本体4)から外部端子7が延在している。外部端子7は、固定接点6A〜6Cと電気的に接続しており、端子部分8が端子の形状に、配線部分9が配線の形状に成形されている。
【0040】
そして、端子部分8を除き外部端子7の配線部分9を被膜10の形状に対応した型の中に配置し、型に高分子材料を充填し、高分子材料を重合して高分子の被膜10を形成する(図6AおよびB)。筐体3(本体4)の一部も型の中に配置すれば、高分子の被膜10は、筐体3(本体4)の一部にも被覆することができ、外部端子7の絶縁性および強度を高めることができる。
【0041】
型の形状を適宜設計することにより、外部端子7の端子部分8近傍において、高分子の被膜10をコネクタ形状とすることができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明のスイッチは、外部端子の配線部分が可撓性を有する高分子の被膜で被覆されているため、配線部分の絶縁性および強度を高めることができ、スイッチを自由に配置することができる。また、実装時において煩雑な接続作業が不要となり、部品点数および組立工程数を減らすことができる。
【0043】
そして、外部端子の配線部分だけでなく、筐体の外部端子が導出した部分も高分子の被膜で被覆することにより、配線部分の絶縁性および強度を更に高めることができる。
【0044】
更に、高分子の被膜を、外部端子の端子部分近傍においてコネクタ形状に成形することにより、コネクタも高分子の被膜で一体成形できるので、部品点数および組立工程数を増やさずに、プリント基板等とコネクタ接続することができる。
【0045】
また、本発明のスイッチは、筐体から外部に延在した外部端子の配線部分を型の中に配置し、型の中に高分子材料を注入し、高分子材料を重合して、配線部分に高分子の被膜を被覆することことにより、外部端子の配線部分に高分子の被膜を被覆することができ、配線部分の絶縁性および強度を高めることができ、スイッチを自由に配置することができる。また、スイッチを製造する際に高分子の被膜の被覆が行われるので、実装時において煩雑な接続作業が不要となり、部品点数および組立工程数を減らすことができる。
【0046】
そして、筐体の外部端子が導出した部分も型の中に配置し、高分子の被膜を被覆することにより、外部端子の配線部分だけでなく、筐体の外部端子が導出した部分も同時に高分子の被膜で被覆することができ、配線部分の絶縁性および強度を更に高めることができる。
【0047】
更に、高分子の被膜を、外部端子の端子部分近傍においてコネクタ形状に成形することにより、端子部分近傍のコネクタ形状を同時に、且つ一体に成形できるので、部品点数および組立工程数を増やさずに、プリント基板等とコネクタ接続することができる。
【0048】
また、高分子の被膜として、ポリエステル系の合成樹脂にゴムを混ぜたエラストマーを採用したことにより、エラストマーの厚さによって剛性を制御することができ、薄く被覆すれば可撓性を持たせることができ、厚く被覆すれば剛性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスイッチの平面図
【図2】本発明のスイッチの断面図
【図3】本発明のスイッチの上面図
【図4】(A)および(B)はそれぞれ本発明の外部端子の端子部分の断面図
【図5】(A)および(B)はそれぞれ本発明のスイッチの製造過程における本体の平面図および断面図
【図6】(A)および(B)はそれぞれ本発明のスイッチの製造過程における本体の平面図および断面図
【符号の説明】
1 操作体
2A,B,C 可動接点
3 筐体
4 本体
5 蓋体
6A,B,C 固定接点
7 外部端子
8 端子部分
9 配線部分
10 被膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチおよびその製造方法に係り、特に、可撓性を有する外部端子を有するスイッチおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスイッチは、プリント基板等に実装する場合、基本的には、プリント基板等のスイッチ接続用端子の近傍にスイッチを実装し、直接スイッチの外部端子がプリント基板等のスイッチ接続用端子と接続できるように配置されていた。
【0003】
しかしながら、プリント基板等の実装設計の都合によって、スイッチ接続用端子の近傍にスイッチを実装することができない場合がある。特に、小型の携帯機器等においては、プリント基板等の実装スペースも狭く、実装位置と接続位置が離れることがあった。
【0004】
スイッチの実装位置とプリント基板等のスイッチ接続用端子の位置とが離れていた場合は、スイッチの外部端子に別途延長用のコネクタやフレキシブル端子を接続して、その間の距離を埋めていた。
【0005】
スイッチの外部端子とフレキシブル端子とは、フレキシブル端子のかしめ部にスイッチの外部端子を係合させた状態で、かしめることにより、かしめ固定していた(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特許第3195169号公報(段落0004、段落0010−段落0014)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のスイッチにおいて、延長用のコネクタを使用する場合は、コネクタの形状および長さが固定されているため、プリント基板等のスイッチ接続用端子からコネクタの長さだけ離れた位置にスイッチを実装しなければならず、自由に実装位置を設定することができなかった。
【0008】
また、フレキシブル端子をかしめ固定した場合は、コネクタに比べればスイッチの実装位置を自由に設定することができるが、かしめ固定のため端子が露出しており絶縁性が悪く、実装作業でかかる負荷によって断線する虞もあった。
【0009】
更に、スイッチとプリント基板等のスイッチ接続用端子の相対的な位置関係が変化する場合、例えば、可動部分を跨いでスイッチの実装位置とスイッチ接続用端子の位置とが配置されている場合は、形状および長さが固定されているコネクタを用いることはできず、かしめ固定したフレキシブル端子ではかしめ部分の強度が持たないといった問題があった。
【0010】
加えて、延長用のコネクタやフレキシブル端子を使用する場合は、スイッチ製造後において煩雑な接続作業が必要であり、部品点数および組立工程数の増加にもつながっていた。
【0011】
本発明は、以上の問題を鑑みて、絶縁性および強度に優れた外部端子を有し、自由に配置できるスイッチおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために本発明のスイッチは、固定接点と、前記固定接点を内部に収容した筐体と、前記固定接点と接続可能に設けられた可動接点と、前記可動接点を駆動する操作体と、前記固定接点と電気的に接続され前記筐体から外部に延在した外部端子とを備え、前記外部端子の配線部分は可撓性を有する高分子の被膜で被覆されていることを特徴とする。
【0013】
このような構成を採用したことにより、外部端子の配線部分が可撓性を有する高分子の被膜で被覆されているため、配線部分の絶縁性および強度を高めることができ、スイッチを自由に配置することができる。また、予め、可撓性を有する高分子の被膜で被覆された外部端子がスイッチに備えられているため、スイッチ製造後において煩雑な接続作業が不要となり、部品点数および組立工程数を減らすことができる。
【0014】
また、本発明のスイッチは、前記高分子の被膜が、前記筐体の外部端子が導出した部分も被覆していることを特徴とする。
【0015】
このような構成を採用したことにより、外部端子の配線部分だけでなく、筐体の外部端子が導出した部分も高分子の被膜で被覆されているため、配線部分の絶縁性および強度を更に高めることができる。
【0016】
また、本発明のスイッチは、前記高分子の被膜が、前記外部端子の端子部分近傍においてコネクタ形状に成形されていることを特徴とする。
【0017】
このような構成を採用したことにより、コネクタも高分子の被膜で一体成形されているので、部品点数および組立工程数を増やさずに、プリント基板等とコネクタ接続することができる。
【0018】
また、本発明のスイッチは、前記高分子の被膜が、ポリエステル系の合成樹脂にゴムを混ぜたエラストマーであることを特徴とする。
【0019】
このような構成を採用したことにより、エラストマーの厚さによって剛性を制御することができ、高分子の被膜を薄く被覆すれば可撓性を持たせることができ、厚く被覆すれば剛性を高めることができる。
【0020】
また、本発明のスイッチの製造方法は、固定接点と、前記固定接点を内部に収容した筐体と、前記固定接点と接続可能に設けられた可動接点と、前記可動接点を駆動する操作体と、前記固定接点と電気的に接続され前記筐体から外部に延在した外部端子とを備えたスイッチの製造方法であって、前記筐体から外部に延在した外部端子の配線部分を型の中に配置し、前記型の中に高分子材料を注入し、前記高分子材料を重合して、前記配線部分に高分子の被膜を被覆することを特徴とする。
【0021】
このような構成を採用したことにより、外部端子の配線部分に高分子の被膜を被覆することができ、配線部分の絶縁性および強度を高めることができ、スイッチを自由に配置することができる。また、スイッチを製造する際に高分子の被膜の被覆が行われるので、スイッチ製造後において煩雑な接続作業が不要となり、部品点数および組立工程数を減らすことができる。
【0022】
また、本発明のスイッチの製造方法は、前記筐体の外部端子が導出した部分も前記型の中に配置し、前記高分子の被膜を被覆することを特徴とする。
【0023】
このような構成を採用したことにより、外部端子の配線部分だけでなく、筐体の外部端子が導出した部分も同時に高分子の被膜で被覆することができ、配線部分の絶縁性および強度を更に高めることができる。
【0024】
また、本発明のスイッチの製造方法は、前記高分子の被膜が、前記外部端子の端子部分近傍においてコネクタ形状に成形されていることを特徴とする。
【0025】
このような構成を採用したことにより、端子部分近傍のコネクタ形状を同時に、且つ一体に成形できるので、部品点数および組立工程数を増やさずに、プリント基板等とコネクタ接続することができる。
【0026】
また、本発明のスイッチの製造方法は、前記高分子の被膜が、ポリエステル系の合成樹脂にゴムを混ぜたエラストマーであることを特徴とする。
【0027】
このような構成を採用したことにより、エラストマーの厚さによって剛性を制御することができ、高分子の被膜を薄く被覆すれば可撓性を持たせることができ、厚く被覆すれば剛性を高めることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0029】
図1は本発明のスイッチの平面図、図2は同スイッチの断面図、図3は同スイッチの上面図である。スイッチは、操作体1および筐体3とからなっており、筐体3から外部端子7が導出している。
【0030】
操作体1は、使用者の押す、引く、回す、倒す等の操作によって可動接点2A〜2Cを駆動させものであり、例えばボタン、レバー、回転子等である。図1乃至図3においては、操作体1として回転子を図示しており、操作体1の下面に可動接点2A〜2Cを有する導体2が装着され、操作体1を回転させることで可動接点2A〜2Cも回転するように構成されている。
【0031】
筐体3は、その内側に固定接点6A〜6Cを収容し、操作体1の可動接点2A〜2Cを含む一部分も可動接点2A〜2Cと固定接点6A〜6Cとが接続可能な状態で収容している。図1乃至図3においては、本体4に各固定接点6A〜6Cを有する導体が装着され、それに操作体1の下方部分が本体4に嵌合され、蓋体5が本体4に嵌合された部分の操作体1を覆っている。筐体3としては、図1および2に示すように本体4および蓋体5から構成されていても、本体だけで構成されていても、更に別の部品を含んでいてもよい。
【0032】
固定接点6A〜6Cは、それぞれ外部端子7A〜7Cと電気的に接続しており、可動接点2A〜2Cとの接続状態によって種々の回路を構成することができる。各固定接点6A〜6Cおよび外部端子7A〜7Cは、一体の導体から構成されていてもよいし、複数の導体を接続させて構成されていてもよい。例えば、1枚の金属薄板を筐体内部から外部まで延在させて、筐体内部の可動接点と接触する部分を固定接点とし、筐体から外部に延在した部分を外部端子とすることもできるし、筐体内部の固定接点となる部分と筐体から外部に延在している外部端子とを別々の導体で構成することもできる。一体の導体で固定接点と外部端子を構成すると、部品点数および組み立て工程の削減になり、且つ確実に導通させることができ好ましい。
【0033】
外部端子7は、筐体3の外部に延在した導体であり、プリント基板等と接続するための端子部分8と配線部分9とを有している。外部端子7の配線部分9は、可撓性を有する高分子の被膜10で被覆されている。
【0034】
高分子の被膜10は、外部端子7の配線部分9だけではなく、筐体3の一部、特に筐体3の外部端子を導出した部分近傍を被覆していると、外部端子7の絶縁性および強度を高めることができ好ましい。
【0035】
また、高分子の被膜10は、図1乃至図3に示すように、外部端子7の端子部分8近傍をコネクタ形状に成形されていれば、プリント基板等とコネクタ接続できるようになる。なお、図4AおよびBは、外部端子7の端子部分8の他の実施の形態である。外部端子7の端子部分8は、コネクタを設けず、単に先端の外部端子7A〜7Cを露出させ、プリント基板等とハンダ接続する構成(図4A)でもよいし、外部端子7A〜7Cの一表面を部分的に露出させ、プリント基板等と異方性導電材料等で接続する構成でもよい(図4B)。
【0036】
高分子の被膜10として、可撓性および絶縁性を有する材料が使用でき、例えばポリエステル系の合成樹脂にゴムを混ぜたエラストマーを利用することができる。
【0037】
高分子の被膜10としてエラストマーを使用すると、その厚さによって剛性を制御することができ、薄く被覆すれば可撓性を持たせることができ、厚く被覆すれば剛性を高めることができる。このため、端子部分8近傍をコネクタ形状に成形した場合に、分厚く成形されたコネクタ形状の剛性が高くなり、プリント基板等のコネクタとの嵌合がし易くなる。
【0038】
次に、外部端子7を高分子の被膜10によって被覆する工程を図5および図6を用いて説明する。図5Aおよび図6Aは、本発明のスイッチの製造過程における本体4の平面図、図5Bおよび図6Bは、同断面図である。
【0039】
図5AおよびBは、外部端子7に高分子の被膜10を被覆する前の状態であり、筐体3(本体4)から外部端子7が延在している。外部端子7は、固定接点6A〜6Cと電気的に接続しており、端子部分8が端子の形状に、配線部分9が配線の形状に成形されている。
【0040】
そして、端子部分8を除き外部端子7の配線部分9を被膜10の形状に対応した型の中に配置し、型に高分子材料を充填し、高分子材料を重合して高分子の被膜10を形成する(図6AおよびB)。筐体3(本体4)の一部も型の中に配置すれば、高分子の被膜10は、筐体3(本体4)の一部にも被覆することができ、外部端子7の絶縁性および強度を高めることができる。
【0041】
型の形状を適宜設計することにより、外部端子7の端子部分8近傍において、高分子の被膜10をコネクタ形状とすることができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明のスイッチは、外部端子の配線部分が可撓性を有する高分子の被膜で被覆されているため、配線部分の絶縁性および強度を高めることができ、スイッチを自由に配置することができる。また、実装時において煩雑な接続作業が不要となり、部品点数および組立工程数を減らすことができる。
【0043】
そして、外部端子の配線部分だけでなく、筐体の外部端子が導出した部分も高分子の被膜で被覆することにより、配線部分の絶縁性および強度を更に高めることができる。
【0044】
更に、高分子の被膜を、外部端子の端子部分近傍においてコネクタ形状に成形することにより、コネクタも高分子の被膜で一体成形できるので、部品点数および組立工程数を増やさずに、プリント基板等とコネクタ接続することができる。
【0045】
また、本発明のスイッチは、筐体から外部に延在した外部端子の配線部分を型の中に配置し、型の中に高分子材料を注入し、高分子材料を重合して、配線部分に高分子の被膜を被覆することことにより、外部端子の配線部分に高分子の被膜を被覆することができ、配線部分の絶縁性および強度を高めることができ、スイッチを自由に配置することができる。また、スイッチを製造する際に高分子の被膜の被覆が行われるので、実装時において煩雑な接続作業が不要となり、部品点数および組立工程数を減らすことができる。
【0046】
そして、筐体の外部端子が導出した部分も型の中に配置し、高分子の被膜を被覆することにより、外部端子の配線部分だけでなく、筐体の外部端子が導出した部分も同時に高分子の被膜で被覆することができ、配線部分の絶縁性および強度を更に高めることができる。
【0047】
更に、高分子の被膜を、外部端子の端子部分近傍においてコネクタ形状に成形することにより、端子部分近傍のコネクタ形状を同時に、且つ一体に成形できるので、部品点数および組立工程数を増やさずに、プリント基板等とコネクタ接続することができる。
【0048】
また、高分子の被膜として、ポリエステル系の合成樹脂にゴムを混ぜたエラストマーを採用したことにより、エラストマーの厚さによって剛性を制御することができ、薄く被覆すれば可撓性を持たせることができ、厚く被覆すれば剛性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスイッチの平面図
【図2】本発明のスイッチの断面図
【図3】本発明のスイッチの上面図
【図4】(A)および(B)はそれぞれ本発明の外部端子の端子部分の断面図
【図5】(A)および(B)はそれぞれ本発明のスイッチの製造過程における本体の平面図および断面図
【図6】(A)および(B)はそれぞれ本発明のスイッチの製造過程における本体の平面図および断面図
【符号の説明】
1 操作体
2A,B,C 可動接点
3 筐体
4 本体
5 蓋体
6A,B,C 固定接点
7 外部端子
8 端子部分
9 配線部分
10 被膜
Claims (8)
- 固定接点と、前記固定接点を内部に収容した筐体と、前記固定接点と接続可能に設けられた可動接点と、前記可動接点を駆動する操作体と、前記固定接点と電気的に接続され前記筐体から外部に延在した外部端子とを備えたスイッチであって、前記外部端子の配線部分は可撓性を有する高分子の被膜で被覆されていることを特徴とするスイッチ。
- 請求項1において、前記高分子の被膜は、前記筐体の外部端子が導出した部分も被覆していることを特徴とするスイッチ。
- 請求項1または請求項2において、前記高分子の被膜は、前記外部端子の端子部分近傍においてコネクタ形状に成形されていることを特徴とするスイッチ。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、前記高分子の被膜は、ポリエステル系の合成樹脂にゴムを混ぜたエラストマーからなることを特徴とするスイッチ。
- 固定接点と、前記固定接点を内部に収容した筐体と、前記固定接点と接続可能に設けられた可動接点と、前記可動接点を駆動する操作体と、前記固定接点と電気的に接続され前記筐体から外部に延在した外部端子とを備えたスイッチの製造方法であって、前記筐体から外部に延在した外部端子の配線部分を型の中に配置し、前記型の中に高分子材料を注入し、前記高分子材料を重合して、前記配線部分に高分子の被膜を被覆することを特徴とするスイッチの製造方法。
- 請求項5において、前記筐体の外部端子が導出した部分も前記型の中に配置し、前記高分子の被膜を被覆することを特徴とするスイッチの製造方法。
- 請求項5または請求項6において、前記高分子の被膜は、前記外部端子の端子部分近傍においてコネクタ形状に成形されていることを特徴とするスイッチの製造方法。
- 請求項5乃至請求項7のいずれか1項において、前記高分子の被膜は、ポリエステル系の合成樹脂にゴムを混ぜたエラストマーからなることを特徴とするスイッチの製造方法。
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- 2002-11-26 JP JP2002342684A patent/JP2004178920A/ja not_active Withdrawn
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