JP2004178633A - 磁気テープ - Google Patents

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Hiroshi Hirano
広 平野
Sadamu Kuze
定 久世
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

【課題】テープ幅に対して巻き径が大きいテープについても良好な巻き姿を確保し、テープ1巻当たりの記録容量が大きい大容量化に適した磁気テープを提供する。
【解決手段】リールに巻装されてカートリッジに組み込まれた磁気テープにおいて、前記リールに巻かれた際のテープ巻き径d(mm)とテープ幅w(mm)との間に12<d/w<25なる関係を有し、前記バックコート層の表面粗さ(Ra)が5〜20nmなる範囲であり、前記リールのフランジの開き係数が0.005〜0.022であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はリールに巻装され、カートリッジに組み込まれてなる磁気テープに関し、さらに詳しくは上記リールに巻き取られる際の巻き乱れを防止した、テープ1巻当たりの記録容量の大きな2リール型大容量磁気テープに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、特に磁気テープにおいてはカートリッジに組み込んだ際のテープ1巻当たりの記録容量を大きくするためにテープ厚みを薄くしたり、リールの最大巻き直径を大きくして巻き取られるテープ長さを長くすることや、テープ幅を狭くすることが試みられている。
【0003】
ところが、テープ長さを長くして巻き直径が大きくなるとテープが巻き取られる部分の巻き取り面の曲率半径が大きくなり、巻き取られる際のテープとリールとの間に噛み込まれる空気が逃げ難くなり、この空気が逃げる際にテープを一緒に持ち上げて発生する所謂一枚飛び出しのような巻姿の異常が発生し易くなる。このように巻き姿が悪いテープに対して例えば輸送中などに振動が加わると、テープの飛び出した部分がリール上フランジと接触して折れてダメージを受け、エッジ近傍に記録されているCUEオーディオ信号などの記録内容が読み出せなくなるような障害が発生する。
【0004】
また、このような巻姿の異常はテープ幅が狭く、巻かれているテープ層間の摩擦抵抗が小さい場合にも発生し易いことが分かっている。
【0005】
そこで、このような問題を解決するために、従来、テープにカッピングをつける方法(参考文献:特開平9−54942号公報)やリール形状に工夫をこらしたりする方法(特許文献1、特許文献2、特許文献3)が提案されているが、テープ幅wに対する巻き直径dの比d/wが12より大きくなると充分な巻き姿を確保することが困難であった。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−243054号公報(第2−4頁)
【特許文献2】
特開2002−251859号公報(第2−3頁)
【特許文献3】
特開2002−269711号公報(第5頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このようなテープ幅に対して巻き直径が大きいテープについても良好な巻き姿を確保し、テープ1巻当たりの記録容量が大きい大容量化に適した磁気テープを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために鋭意検討した結果、非磁性支持体上に一方の面に磁性粉とバインダ樹脂とを含む磁性層が形成され、他面に非磁性粉とバインダ樹脂とを含むバック層が形成されてなり、リールに巻装されてカートリッジに組み込まれた磁気テープにおいて、前記リールに巻かれた際のテープ巻き直径d(mm)とテープ幅w(mm)との間に12<d/w<25なる関係を有し、前記バックコート層の表面粗さ(Ra)が5〜20nmなる範囲であり、前記リールのフランジの開き係数が0.005〜0.022である構成にすることにより、巻き姿が良好でテープ1巻当たりの記録容量が大きい磁気テープが得られることを見出した。
【0009】
【発明の実施の形態】
リールに巻かれた際のテープ巻き直径d(mm)とテープ幅w(mm)との関係は、12<d/w<25であることが好ましい。15<d/w<20であることがより好ましい。この範囲が好ましいのは、d/wの値が12以下であるとテープ全長が短くなって十分な記録容量がえられなかったり、25以上になると大きくなりすぎて取り扱いが困難になるためである。
【0010】
バックコート層の表面粗さは、中心線平均粗さ(Ra)で5〜20nmの範囲であることが好ましく、7〜15nmの範囲であることがより好ましい。この範囲が好ましいのは、4nm未満であると、巻き取り時に空気層の上でテープが滑り易くなるために巻き乱れが大きくなり、20nmを越えるとバックコート層の粗さが磁性層に転写して、磁性層の電磁変換特性が悪くなるためである。
【0011】
バックコート層の表面粗さは、バックコート層に含ませる従来公知のカーボンブラックや無機粉末の粒子径や添加量、塗膜形成後のカレンダー処理、研磨処理などで制御することができる。
【0012】
リールのフランジの開き係数は0.005〜0.022の範囲であることが好ましく、0.010〜0.018の範囲であることがより好ましい。この範囲が好ましいのは、開き係数が、0.005未満であると巻き取りを繰り返した時にテープエッジとフランジが擦れてテープエッジが損傷を受け易くなったり、0.022を越えるとテープ端とフランジの間に隙間が生じて巻き乱れが大きくなったりするからである。
【0013】
ここで言う、リールのフランジの開き係数とは、リールのハブ径をDh(mm)、リールのフランジ径をDf(mm)、ハブ位置での上フランジと下フランジとの間隔をL1(mm)、フランジ最外周部での上フランジと下フランジとの間隔をL2(mm)とした時に下式で計算される値を言う。
【0014】
フランジの開き係数=(L2−L1)/(Df−Dh)
上記フランジの開き係数は、ハブ位置から外周側に向かって上下フランジの間隔がどの程度の傾斜をもって広がっているかを示す値であり、大きいほうが上下フランジの間隔が外周側に行くほど急な傾斜をもって広がっていることを示す。
【0015】
また、ハブ位置における上下フランジの間隔とテープ幅の寸法差(L1−w)(mm)は0.1〜1.0の範囲にあることが好ましい。この範囲が好ましいのは、0.1未満であるとテープエッジとフランジが擦れ易く、1.0を越えるとテープ端とフランジの間に隙間が生じて巻き乱れが発生し易くなるためである。
【0016】
本発明と類似の先行技術文献としては、特許文献1、特許文献2、特許文献3などがあるが、いずれもリールに巻かれた際のテープ巻き直径d(mm)とテープ幅w(mm)との関係が、12<d/w<25のような、テープ幅に対して巻き直径の大きな本発明の磁気テープの巻き乱れ防止に関する技術の開示はなく、さらに以下の点で本発明とは異なる。
【0017】
特許文献1では、上フランジ及び下フランジから前記磁気テープの幅方向端部までの間隔の最大値が、0.5mm以上1.0mm未満とすれば、巻き乱れが少なくなることを開示しているが、本発明のように上下フランジの外周方向に向けての開き具合の最適な範囲については開示していない。また、対象としているテープのd/wは9.4程度のもので、本発明の12<d/w<25のものとは大きく異なる。
【0018】
特許文献2では、ハブに磁気テープが巻装されていくにつれてそのハブの外周面より外周側における前記上下フランジ間の寸法が漸減するような構造のハブが開示されているが、本発明のように上下フランジの外周方向に向けての開き具合の最適な範囲については開示していない。また、例示されているテープのd/wは2.2程度のもので、本発明の12<d/w<25のものとは大きく異なる。
【0019】
特許文献3では、ハブ部の上下フランジの間隔S1と、テープ幅の上限値Pとの比(S1/P)が、1.010≦(S1/P)≦1.022の範囲に設定することと、リール外周部内側において対向するフランジの内面間の間隔S2と、テープ幅の上限値Pとの比(S2/P)が、(S1/P)<(S2/P)<1.041の範囲に設定することが開示されているが、この公報は箱状のケース本体の内部に、磁気テープを巻装した1個のリールが配置された、いわゆる1リール型カートリッジに関するもので、本発明の2リール型カートリッジとは異なるものである。また、例示されているテープのd/wは7.2程度のもので、本発明の12<d/w<25のものとは大きく異なる。
【0020】
テープ幅に対して巻き直径の大きな磁気テープの巻き乱れ防止に関しては、特に前述した、フランジの開き係数が重要である。巻き直径が大きくなるほど巻き取り時のテープのぶれが大きくなるので、エッジが接触して損傷するのを防ぐために、通常は外周に向かうにつれて上下フランジの間隔が広くなるように設計されているが本発明のような巻き直径の大きな磁気テープに関しては間隔を広げ過ぎると、巻き乱れが発生するので、バックコート層の粗さを制御して、巻き取り時の、層間に含まれる空気をうまく逃がしてやることが必要となる。しかし、粗さを粗くし過ぎると、磁性層への粗さの転写が起こり磁性層の電磁変換特性が低下するため、その範囲を正確に制御することが必要である。本発明で開示した、フランジの開き係数の範囲に上下フランジの広がりを設定し、かつバックコート層の粗さの範囲に設定してはじめて、巻き乱れのない巻き直径の大きな磁気テープが得られる。
【0021】
次に、本発明の磁気記録媒体の構成要素についてさらに詳述する。
<非磁性支持体>
非磁性支持体の厚さは,用途によって異なるが,好ましくは、2.0〜7.0μmのものが使用される。より好ましくは2.5〜5.0μm,最も好ましくは3.0〜4.0μmである。この範囲の厚さの非磁性支持体が使用されるのは,2.0μm未満では製膜が難しく,またテープ強度が小さくなり,7.0μmを越えるとテープ全厚が大きくなり,テープ1巻当りの記録容量が小さくなるためである。
【0022】
本発明に用いる非磁性支持体の長手方向のヤング率は,5.9GPa(600kg/mm2 )以上が好ましく,6.8GPa(700kg/mm2 )以上がより好ましい。非磁性支持体の長手方向のヤング率が5.9GPa(600kg/mm2 )以上がよいのは,長手方向のヤング率5.9GPa(600kg/mm2 )未満では,テープ走行が不安定になるためである。また,ヘリキャルスキャンタイプでは,長手方向のヤング率/幅方向のヤング率は,0.60〜1.0の特異的範囲が好ましい。長手方向のヤング率/幅方向のヤング率が,0.65〜0.75の範囲がより好ましい。長手方向のヤング率/幅方向のヤング率が,0.60〜1.0の特異的範囲がよいのは,0.60未満または1.0を越えると,メカニズムは現在のところ不明であるが,磁気ヘッドのトラックの入り側から出側間の出力のばらつき(フラットネス)が大きくなるためである。このばらつきは長手方向のヤング率/幅方向のヤング率が0.80付近で最小になる。さらに、リニアレコーディングタイプでは,長手方向のヤング率/幅方向のヤング率は,理由は明らかではないが、0.70〜1.30が好ましい。このような特性を満足する樹脂フィルムには二軸延伸のポリエチレンテレフタレートフィルム,ポリエチレンナフタレートフィルム,芳香族ポリアミドフイルム,芳香族ポリイミドフィルム等がある。
【0023】
<下塗層>
磁性層を薄層化して短波長記録特性を向上させるためには、磁性層と非磁性支持体との間に下塗層を設けると、磁性層の平滑性と耐久性が向上できるので好ましい。
【0024】
下塗層の厚さは、0.2〜2.2μmの範囲であることが好ましい。この範囲が好ましいのは、0.2未満では、磁性層への潤滑剤の供給が不十分になったり、磁性層の平滑化効果が小さくなるためである。
【0025】
下塗層には、導電性改良の目的でカーボンブラック、テープ剛性の制御を目的に酸化鉄を添加する。下塗層が、下塗層中の全無機粉体の重量を基準にして、平均粒子径10〜100nmのカーボンブラックを15〜35重量%、平均長軸径0.05〜0.20μm、平均短軸径5〜200nmの非磁性の酸化鉄を35〜83重量%含有させると、ウエット・オン・ウエットで、その上に形成し、遠赤外線乾燥した磁性層の厚さむらが小さくなるので好ましい。なお、非磁性酸化鉄は通常針状であるが、粒状または無定形の非磁性酸化鉄を使用する場合には平均粒子径5〜200nmの酸化鉄が好ましい。
【0026】
下塗層には、カーボンブラックや非磁性の酸化鉄を添加するのが好ましい。下塗層に添加するカーボンブラック(CB)としては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等を使用できる。平均粒子径が5〜200nmのものが使用されるが、平均粒子径10〜100nmのものが好ましい。この範囲が好ましいのは、カーボンブラックがストラクチャーを持っているため、平均粒子径が10nm以下になるとCBの分散が難しく、100nm以上では平滑性が悪くなるためである。CB添加量は、CBの粒子径によって異なるが、当該下塗層中の全無機粉体の重量を基準にして、15〜35重量%が好ましい。この範囲が好ましいのは、15重量%未満では導電性向上効果が乏しく、35重量%を越えると効果が飽和するためである。粒径15〜80nmのCBを15〜35重量%使用するのがより好ましく、粒径20〜50nmのCBを20〜30重量%用いるのがさらに好ましい。このような粒径・量のカーボンブラックを添加することにより電気抵抗が低減され、静電ノイズの発生やテープ走行むらが小さくなると共に、遠赤外線乾燥した磁性層の厚さむらが小さくなる。
【0027】
また、下塗層に添加する非磁性の酸化鉄としては、針状の場合、平均長軸径0.05〜0.20μm、平均短軸径5〜200nmのものが好ましく、粒状または無定形のものでは、平均粒子径5〜200nmが好ましい。なお、針状のものが磁性層の配向がよくなるのでより好ましい。添加量は、下塗層中の全無機粉体の重量を基準にして、35〜83重量%が好ましい。この範囲の平均粒子径(針状の場合は短軸径)が好ましいのは、平均粒子径が5nm未満では均一分散が難しく、200nmを越えると下塗層と磁性層の界面の凹凸が増加するためである。この範囲の添加量が好ましいのは、35重量%未満では塗膜強度向上効果が小さく、83重量%を越えると反って塗膜強度が低下するためである。また、前記下塗層と磁性層からなる塗布層のヤング率を検討した結果、塗布層のヤング率にも最適範囲があり、塗布層のヤング率が非磁性支持体の長手方向と幅方向におけるヤング率の平均値を40〜200%の範囲にすると、テープの耐久性が大きく、且つテープ−ヘッド間のタッチがよくなり、磁気ヘッドのトラックの入り側から出側間の出力のばらつき(フラットネス)が小さくなることを見出した。50〜150%の範囲がより好ましく、60〜120%の範囲がさらに好ましい。この範囲が好ましいのは40%未満では塗布膜の耐久性が小さくなり、200%を越えるとテープ−ヘッド間のタッチが悪くなるためである。なお、下塗層と磁性層からなる塗布層のヤング率の制御には、カレンダ条件による制御法を用いる。
【0028】
さらに、下塗層のヤング率は、磁性層のヤング率の80〜99%が好ましい。下塗層のヤング率が磁性層のそれより低い方がよいのは、下塗層が一種のクッションの作用をするためである。
【0029】
<潤滑剤>
下塗層と磁性層からなる塗布層に、役割の異なる潤滑剤を使用する。下塗層には全粉体に対して0.5〜4.0重量%の高級脂肪酸を含有させ、0.2〜3.0重量%の高級脂肪酸のエステルを含有させると、ヘッドとの摩擦係数が小さくなるので好ましい。この範囲の高級脂肪酸添加が好ましいのは、0.5重量%未満では、摩擦係数低減効果が小さく、4.0重量%を越えると下塗層が可塑化してしまい強靭性が失われる。また、この範囲の高級脂肪酸のエステル添加が好ましいのは、0.2重量%未満では、摩擦係数低減効果が小さく、3.0重量%を越えると磁性層への移入量が多すぎるため、テープとヘッドが貼り付く等の副作用があるためである。
【0030】
磁性層には強磁性粉末に対して0.5〜3.0重量%の脂肪酸アミドを含有させ、0.2〜3.0重量%の高級脂肪酸のエステルを含有させると、テープ走行時の摩擦係数が小さくなるので好ましい。この範囲の脂肪酸アミドが好ましいのは、0.2重量%未満ではヘッド/磁性層界面での直接接触が起りやすく焼付き防止効果が小さく、3.0重量%を越えるとブリードアウトしてしまいドロップアウトなどの欠陥が発生する。脂肪酸アミドとしてはパルミチン酸、ステアリン酸等のアミドが使用可能である。また、上記範囲の高級脂肪酸のエステル添加が好ましいのは、0.2重量%未満では摩擦係数低減効果が小さく、3.0重量%を越えるとヘッドに貼り付く等の副作用があるためである。なお、磁性層の潤滑剤と下塗層の潤滑剤の相互移動を排除するものではない。
【0031】
<磁性層>
磁性層中に含ませる磁性粉の平均粒子径は、10〜100nmの範囲にあるのが好ましく、15〜60nmの範囲がより好ましい。この範囲が好ましいのは、平均粒子径が10nm未満では、粒子の表面エネルギーが大きくなって分散が困難になり、平均粒子径が100nmを越えるとノイズが大きくなるためである。磁性粉としては、強磁性鉄系金属磁性粉や窒化鉄磁性粉,板状の六方晶Ba−フエライト磁性粉等が好ましい。
【0032】
強磁性鉄系金属磁性粉には、Mn 、Zn 、Ni 、Cu 、Co などの遷移金属を合金として含ませてもよい。その中でも、Co 、Ni が好ましく、とくにCo は飽和磁化を最も向上できるので、好ましい。上記の遷移金属元素の量としては、鉄に対して、5〜50 原子%とするのが好ましく、10〜30 原子%とするのがより好ましい。また、イツトリウム、イツテルビウム、セシウム、プラセオジウム、サマリウム、ランタン、ユ―ロピウム、ネオジム、テルビウムなどから選ばれる少なくとも1 種の希土類元素を含ませても良い。その中でも、ネオジムとサマリウム、テルビウム、イツトリウムを用いたときに、高い保磁力が得られ好ましい。希土類元素の量は鉄に対して0.2〜20 原子%、好ましくは0.3〜15 原子%、より好ましくは0.5〜10 原子%である。
【0033】
強磁性鉄系金属磁性粉にホウ素を含ませてもよい。ホウ素を含ませることにより、平均粒子径が50nm以下の粒状ないし楕円状の超微粒子が得られる。また同ホウ素の量は、磁性粉末全体中、鉄に対して0.5〜30 原子%、好ましくは1〜25 原子%、より好ましくは2〜20 原子%である。上記両原子%は、蛍光X 線分析により測定される値である(参考文献:特開2001−181754号公報)。
【0034】
窒化鉄磁性粉は,公知のものを用いることができ,形状は針状の他に球状や立方体形状などの不定形のものを用いることができる。粒子径や比表面積については磁気記録用の磁性粉としての要求特性をクリアするためには,限定した磁性粉末の製造条件とすることが必要である(参考特許:特開2000−277311号公報)。
【0035】
強磁性鉄系金属磁性粉および窒化鉄磁性粉の保磁力は、80〜320kA/mが好ましく、飽和磁化量は、80〜200A・m2 /kg(80〜200emu/g)が好ましく、100〜180A・m2 /kg(100〜180emu/g)がより好ましい。
【0036】
強磁性鉄系金属磁性粉および窒化鉄磁性粉の平均粒子径としては、10〜100nmが好ましく、15〜60nmがより好ましい。この範囲が好ましいのは、平均粒子径が10nm未満となると、保磁力が低下したり、粒子の表面エネルギーが増大するため塗料中での分散が困難になったり、平均粒子径が100nmより大きいと、粒子の大きさに基づく粒子ノイズが大きくなるためである。また、この強磁性粉末のBET比表面積は、35m2 /g以上が好ましく、40m2 /g以上がより好ましく、50m2 /g以上が最も好ましい。通常100m2 /g以下である。
【0037】
六方晶Ba−フエライト磁性粉の保磁力は、120〜320kA/mが好ましく、飽和磁化量は、40〜70A・m2 /kg(40〜70emu/g)が好ましい。なお、これらの強磁性粉末の磁気特性は、いずれも試料振動形磁束計で外部磁場1273.3kA/m(16kOe)での測定値をいうものである。また,粒径(板面方向の大きさ)は10〜50nmが好ましく、10〜30nmがより好ましく、10〜20nmがさらに好ましい。粒径が10nm未満となると、粒子の表面エネルギーが増大するため塗料中への分散が困難になり、50nmを越えると、粒子の大きさに基づく粒子ノイズが大きくなる。なお、上記の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)にて撮影した写真から各粒子の最大径(針状粉では長軸径、板状粉では板径)を実測し、100個の平均値により求めたものである。また、板状比(板径/板厚)は2〜10が好ましく、2〜5がより好ましく、2〜4がさらに好ましい。また、六方晶Ba−フエライト磁性粉のBET比表面積は、1〜100m2 /gが好ましく用いられる。
【0038】
磁性層(下塗層の場合も同様)に用いるバインダ樹脂としては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合樹脂、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレート共重合樹脂、ニトロセルロース樹脂などのセルロース系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン樹脂とを組み合わせたものが挙げられる。中でも、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレート共重合樹脂とポリウレタン樹脂を併用するのが好ましい。ポリウレタン樹脂には、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリエステルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン樹脂などがある。
【0039】
官能基として−COOH、−SO M、−OSO M、−P=O(OM) 、−O−P=O(OM) [Mは水素原子、アルカリ金属塩基又はアミン塩]、−OH、−NR’ R’’、−N R’’’ R’’’’R’’’’’ [R’ 、R’’、R’’’ 、R’’’’、R’’’’’ は水素または炭化水素基]、エポキシ基を有する高分子からなるウレタン樹脂等の樹脂が使用される。このような樹脂を使用するのは、上述のように磁性粉等の分散性が向上するためである。2種以上の樹脂を併用する場合には、官能基の極性を一致させるのが好ましく、中でも−SO M基どうしの組み合わせが好ましい。
【0040】
これらの樹脂は、強磁性粉末100重量部に対して、7〜50重量部、好ましくは10〜35重量部の範囲で用いられる。特に、塩化ビニル系樹脂5〜30重量部と、ポリウレタン樹脂2〜20重量部とを、複合して用いるのが最も好ましい。
【0041】
これらの樹脂とともに、樹脂中に含まれる官能基などと結合させて架橋する熱硬化性の架橋剤を併用するのが望ましい。この架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどや、これらのイソシアネート類とトリメチロールプロパンなどの水酸基を複数個有するものとの反応生成物、上記イソシアネート類の縮合生成物などの各種のポリイソシアネートが好ましい。これらの架橋剤は、樹脂100重量部に対して、通常10〜50重量部の割合で用いられる。より好ましくは15〜35重量部である。
【0042】
また、磁性層には従来公知の研磨材を添加することができるが、これらの研磨材としては、α−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイアモンド、窒化珪素、炭化珪素、チタンカーバイド、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、など主としてモース硬度6以上のものが単独または組み合わせで使用されるが、これらの中でもアルミナは高硬度で少量の添加量でヘッドクリーニング効果に優れるため特に好ましい。研磨材の粒子径としては、0.01〜0.1μmと薄い磁性層では、通常、平均粒子径で0.002〜0.15μmとすることが好ましく、平均粒子径0.005〜0.10μmがより好ましい。添加量は強磁性粉末に対して5〜20重量%が好ましい。より好ましくは8〜18重量%である。
【0043】
さらに、本発明の磁性層には導電性向上と表面潤滑性向上を目的に従来公知のカーボンブラック(CB)を添加することができるが、これらのカーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等を使用できる。平均粒子径が5〜200nmのものが使用されるが、平均粒子径10〜100nmのものが好ましい。この範囲が好ましいのは、平均粒子径が5nm以下になるとカーボンブラックの分散が難しく、200nm以上では多量のカーボンブラックを添加することが必要になり、何れの場合も表面が粗くなり、出力低下の原因になるためである。添加量は強磁性粉末に対して0.2〜5重量%が好ましい。より好ましくは0.5〜4重量%である。
【0044】
<バックコート層>
本発明の磁気テープを構成する非磁性支持体の他方の面(磁性層が形成されている面とは反対側の面)には、走行性の向上、巻き乱れ防止等を目的としてバックコート層を設ける。バックコート層の厚さは0.2〜0.8μmが好ましい。この範囲が良いのは、0.2μm未満では、走行性向上効果が不充分で、0.8μmを越えるとテープ全厚が厚くなり、1巻当たりの記憶容量が小さくなるためである。バックコート層の導電性、走行性、表面粗さを最適化するために、カーボンブラック(CB)や他の無機粉体を含ませることが好ましい。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、等を使用できる。通常、小粒径カーボンブラックと大粒径カーボンブラックを使用する。小粒径カーボンブラックには、平均粒子径が5〜200nmのものが使用されるが、平均粒子径10〜100nmのものがより好ましい。この範囲がより好ましいのは、平均粒子径が10nm以下になるとカーボンブラックの分散が難しく、平均粒子径が100nm以上では多量のカーボンブラックを添加することが必要になり、何れの場合も表面が粗くなり、磁性層への裏移り(エンボス)原因になるためである。大粒径カーボンブラックとして、小粒径カーボンブラックの5〜15重量%、平均粒子径300〜400nmの大粒径カーボンブラックを使用すると、表面も粗くならず、走行性向上効果も大きくなる。小粒径カーボンブラックと大粒径カーボンブラック合計の添加量は、バックコート層中の全無機粉体重量を基準にして60〜98重量%が好ましく、70〜95重量%がより好ましい。表面粗さRaは5〜20nmが好ましく、7〜15nmがより好ましい。表面粗さは用いるカーボンブラックや無機粉体の粒子径や使用量、塗膜形成後のカレンダ条件により制御することができる。
【0045】
また、バックコート層には、強度向上を目的に、平均粒子径が0.05〜0.6μmの酸化鉄を添加するのが好ましく、0.08〜0.5μmがより好ましい。添加量はバックコート層中の全無機粉体重量を基準にして2〜40重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましい。また、平均粒子径が0.1〜0.6μmのアルミナをバックコート層中の全無機粉体重量を基準にして0.5〜5重量%添加すると、さらにバックコート層の強度が向上する。
【0046】
バックコート層に用いるバインダ樹脂としては、前述した磁性層や下塗層に用いるバインダ樹脂と同じものを使用できるが、これらの中でも摩擦係数を低減し走行性を向上させるため、セルロース系樹脂とポリウレタン系樹脂とを複合して併用することが好ましい。結合剤の含有量は、通常、前記カーボンブラックと前記無機非磁性粉末との合計量100重量部に対して40〜150重量部、好ましくは50〜120重量部、より好ましくは60〜110重量部、さらに好ましくは70〜110重量部である。前記範囲が好ましいのは、50重量部未満では、バックコート層の強度が不十分であり、120重量部を越えると摩擦係数が高くなりやすいためである。セルロース系樹脂を30〜70重量部、ポリウレタン系樹脂を20〜50重量部使用することが好ましい。また、さらに結合剤を硬化するために、ポリイソシアネート化合物などの架橋剤を用いることが好ましい。
【0047】
バックコート層には、前述した磁性層や下塗層に用いる架橋剤と同様の架橋剤を使用する。架橋剤の量は、結合剤100重量部に対して、通常、10〜50重量部の割合で用いられ、好ましくは10〜35重量部、より好ましくは10〜30重量部である。前記範囲が好ましいのは、10重量部未満ではバックコート層の塗膜強度が弱くなりやすく、35重量部を越えるとSUSに対する動摩擦係数が大きくなるためである。
【0048】
【実施例】
以下に実施例によって本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例、比較例の部は重量部を示す。
実施例1:
≪下塗塗料成分≫
(1)
・針状酸化鉄(平均粒子径:100nm) 68部
・粒状アルミナ粉末(平均粒子径:80nm) 8部
・カーボンブラック(平均粒子径:25nm) 24部
・ステアリン酸 2.0部
・塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体共重合体 8.8部
(含有−SO Na基:0.7×10−4当量/g)
・ポリエステルポリウレタン樹脂 4.4部
(Tg:40℃、含有−SO Na基:1×10−4当量/g)
・シクロヘキサノン 25部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 10部
(2)
・ステアリン酸ブチル 1部
・シクロヘキサノン 70部
・メチルエチルケトン 50部
・トルエン 20部
(3)
・ポリイソシアネート 2.5部
・シクロヘキサノン 10部
・メチルエチルケトン 15部
・トルエン 10部
【0049】
≪磁性塗料成分≫
(1)混練工程
・強磁性鉄系金属磁性粉 100部
(Co/Fe:20at%、
Al/(Fe+Co):4.7wt%、
Y/(Fe+Co):2.3at%、
σs:138Am/kg (138emu/g)、
Hc:150kA/m (1885Oe)、
平均粒子径:100nm)
・塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 14部
(含有−SO Na基:0.7×10−4当量/g)
・ポリエステルポリウレタン樹脂(PU) 5部
(含有−SO Na基:0.7×10−4当量/g)
・アルミナ(平均粒子径:200nm) 10部
・カーボンブラック(平均粒子径:25nm) 3部
・メチルアシッドホスフェート(MAP) 2部
・テトラヒドロフラン(THF) 20部
・メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(MEK/A) 9部
(2)希釈工程
・パルミチン酸アミド(PA) 1.5部
・ステアリン酸n−ブチル(SB) 1部
・メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(MEK/A) 350部
(3)配合工程
・ポリイソシアネート 1.5部
・メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(MEK/A) 29部
【0050】
上記の下塗塗料成分において(1)を回分式ニーダで混練したのち、(2)を加えて攪拌の後サンドミルで滞留時間を60分として分散処理を行い、これに(3)を加え攪拌・濾過した後、下塗層用塗料とした。
【0051】
これとは別に、上記の磁性塗料の成分において(1)混連工程成分を予め高速混合しておき、その混合粉末を連続式2軸混練機で混練し、さらに(2)希釈工程成分を加え連続式2軸混練機で少なくとも2段階以上に分けて希釈を行い、サンドミルで滞留時間を45分として分散し、これに(3)配合工程成分を加え攪拌・濾過後、磁性塗料とした。
【0052】
上記の下塗塗料を、ポリエチレンテレフタレートフイルム(厚さ6.0μm、MD=5.9GPa、MD/TD=1.0、商品名:ルミラー、東レ製)からなる非磁性支持体(ベースフィルム)上に、乾燥、カレンダ後の厚さが1.0μmとなるように塗布し、この下塗層上に、さらに上記の磁性塗料を磁場配向処理、乾燥、カレンダー処理後の磁性層の厚さが0.25μmとなるようにウエット・オン・ウエットで塗布し、磁場配向処理後、ドライヤおよび遠赤外線を用いて乾燥し、磁気シートを得た。なお、磁場配向処理は、ドライヤ前にN−N対抗磁石(5kG)を設置し、ドライヤ内で塗膜の指蝕乾燥位置の手前側75cmからN−N対抗磁石(5kG)を2基50cm間隔で設置して行った。塗布速度は100m/分とした。
【0053】
このようにして得られた磁気シートを金属ロールからなる7段カレンダで、温度100℃、線圧196kN/mの条件で鏡面化処理した。
【0054】
≪バックコート層用塗料成分≫
・カーボンブラック(粒径:25nm) 80部
・カーボンブラック(粒径:0.35μm) 10部
・粒状酸化鉄(粒径:50nm) 10部
・ニトロセルロース 45部
・ポリウレタン樹脂(SO Na基含有) 30部
・シクロヘキサノン 260部
・トルエン 260部
・メチルエチルケトン 525部
【0055】
上記バックコート層用塗料成分をサンドミルで滞留時間45分として分散した後、ポリイソシアネート15部を加えてバックコート層用塗料を調整し濾過後、上記で作製した磁気シートの磁性層の反対面に、乾燥、カレンダ後の厚みが0.5μmとなるように塗布し、乾燥した。
【0056】
得られたバックコート層付き磁気シートを金属ロールからなる7段カレンダで、温度120℃、線圧196kN/mの条件で鏡面化処理した。6.35mm幅に裁断し、これを200m/分で走行させながら磁性層表面をラッピングテープ研磨、ブレード研磨そして表面拭き取りの後処理を行い、磁気テープを作製した。この時、ラッピングテープにはK10000、ブレードには超硬刃、表面拭き取りには東レ製トレシー(商品名)を用い、走行張力20gで処理を行った。
【0057】
その後、ハブ位置での上下フランジ間隔が7.05mm、フランジ開き係数が0.006で外径82mmのリールに巻き直径が81mmになるように巻き取り(d/w=12.9)、これを収納するカートリッジに組み込み、評価用テープを作製した。
実施例2:
【0058】
リールをフランジ開き係数が0.006の物から0.014の物に変更し、バックコートのカレンダ条件を温度120℃、線圧196kN/mから温度100℃、線圧196kN/mに変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2の評価用テープを作成した。
【0059】
実施例3:
リールをフランジ開き係数が0.006の物から0.021の物に変更し、バックコートのカレンダ条件を温度120℃、線圧196kN/mから温度80℃、線圧196kN/mに変更した以外は、実施例1と同様にして実施例3の評価用テープを作成した。
【0060】
比較例1:
リールをフランジ開き係数が0.006の物から0.014の物に変更し、バックコートのカレンダ条件を温度120℃、線圧196kN/mから温度130℃、線圧245kN/mに変更した以外は、実施例1と同様にして比較例1の評価用テープを作成した。
【0061】
比較例2:
リールをフランジ開き係数が0.006の物から0.014の物に変更し、バックコートのカレンダ条件を温度120℃、線圧196kN/mから温度60℃、線圧196kN/mに変更した以外は、実施例1と同様にして比較例2の評価用テープを作成した。
【0062】
比較例3:
リールをフランジ開き係数が0.006の物から0.023の物に変更し、バックコートのカレンダ条件を温度120℃、線圧196kN/mから温度100℃、線圧196kN/mに変更した以外は、実施例1と同様にして比較例1の評価用テープを作成した。
【0063】
比較例4:
リールをフランジ開き係数が0.006の物から0.004の物に変更し、バックコートのカレンダ条件を温度120℃、線圧196kN/mから温度100℃、線圧196kN/mに変更した以外は実施例1と同様にして比較例1の評価用テープを作成した。
【0064】
得られたテープの評価は、以下のように行った。
<バックコート層の表面粗さ測定>
ZYGO社製汎用三次元表面構造解析装置New View5000による走査型白色光干渉法にてScan Lengthを5.0μm、FDA Res:Phase1で測定した。測定視野は360μm×270μmである。バックコート層の中心線平均表面粗さをRaとして求めた。
【0065】
<保存後の出力>
テープを50℃、80%RH環境下に168時間保存後、常温常湿に24時間以上放置した後、DVCPRO−XL用VTRにて、41.8MHzの信号を記録1パス後、再生1パスを行い出力を測定する。保存前の出力との差で表した。
【0066】
<走行後のCUEオーディオ出力変動>
DVCPRO−XL用VTRにて100往復走行後、規定記録レベルの正弦波信号(1kHz)をテープ全長に記録し、再生時の出力変動の最大値を出力変動とした。
【0067】
【表1】
Figure 2004178633
【0068】
Figure 2004178633
【0069】
表1から明らかなように、バックコート層の粗さとフランジ開き係数を好ましい範囲にした、本発明の実施例1〜3に係る磁気テープは、巻き姿がよく、テープエッジの損傷が無いことや、バックコート層からの粗さの転写もすくないために、比較例1〜4の磁気テープに比べて諸特性が優れている。
【0070】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば巻き姿が良好で諸特性の優れた、テープ1巻当たりの記録容量が大きい大容量化に適した磁気テープが得られる。

Claims (1)

  1. 非磁性支持体上に一方の面に磁性粉とバインダ樹脂とを含む磁性層が形成され、他面に非磁性粉とバインダ樹脂とを含むバックコート層が形成されてなり、リールに巻装されてカートリッジに組み込まれた磁気テープにおいて、前記リールに巻かれた際のテープ巻き直径d(mm)とテープ幅w(mm)との間に12<d/w<25なる関係を有し、前記バックコート層の表面粗さ(Ra)が5〜20nmなる範囲であり、前記リールのフランジの開き係数が0.005〜0.022であることを特徴とする磁気テープ。
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