JP2004178610A - 接近予測装置 - Google Patents
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Abstract
【構成】 自車両に対する人間等の移動物体の接近度を予測する装置において、横断歩道を検出する横断歩道検出手段201と、自車両の挙動を検出する自車挙動検出手段202と、自車両の走行方向前方に存在する前記移動物体の挙動を検出する物体挙動検出手段203と、検出された横断歩道、移動物体の挙動および自車両の挙動に基づいて自車両に対する移動物体の接近度を予測する接近度予測手段204とを備える。
【選択図】 図1
Description
(1) 検出方向が所定範囲に固定されたレーダーを用いて前方車両等の距離を検出するもの
(2) 自車両の操舵角(たとえばステアリングの操作角)に応じて検出方向が変化するレーダーを用いて前方車両等の距離および方向を検出するもの
(3) レーダーのビーム(照射波)の角度を絞り、ビームを所定角度内において走査(スキャニング)して前方車両等の距離および方向を検出するもの
(4) 撮像装置により撮像された自車両前方の画像を画像処理装置により処理し、自車両前方の路面上に描かれた車線情報を検出し、自車両の走行車線にレーダーの検出範囲を制御するもの
第1実施例は、たとえば図2に示すように、車線R0を走行する車両MVaの前方に走行車線R+1を走行する前方車両MVb(以下、前方車両と呼ぶ)が存在した場合、車両MVaの位置A、速度ベクトルVaおよび前方車両MVbの位置B、速度ベクトルVbを算出し、さらに、車線R0と車線R+1との境界線となる白線WLbの方向を示す方向ベクトルDbを算出して、車両MVaの走行する車線に前方車両MVbが車線変更してくるかどうか、そして、車線変更した後で車両MVaに対して安全な車間距離以下に接近してしまうかどうかを判断する。なお、以下の説明において、X軸、Y軸およびZ軸を図2に示すようにとる。
(1)画像処理ルーチン
図5は、図4のステップS10で実行される画像処理ルーチンの詳細を示す。ステップS11ではCCDカメラ3で撮像されて前処理部4で処理された画像データを読み込み、ステップS12では、前処理部4において得られた画像データの視点を変換する。すなわち、図6(a)に示すように、CCDカメラ3は車両MVaの所定高さから路面RDを斜めに俯瞰して撮像しているが、後述する白線WLの方向ベクトル(図2においてDbで示す)を算出するためには、路面RDや車両MVa,MVbを真上から見下ろした画像を得ておくほうが都合がよい。図6(a)に示すCCDカメラ3から得られた観測画像から、同図(b)に示すような真上から見下ろした画像(以下、視点変換画像と称する)に変換するための変換式は次式で与えられる。
i,j:P(I,J)に対応する視点変換画像上のp点の座標値
A,B:視点変換画像の表示サイズ
p,q:CCDカメラの画素サイズ
θv:CCDカメラの俯角
f:CCDカメラの焦点距離
int( ):( )内の値の整数部分を示す関数
なお、上述の(1),(2)式による視点変換は、CCDカメラ3により撮像された物体がすべて路面RD上に存在する平面物体であることを前提としているので、たとえば図6(a)に示す前方車両MVbは、同図(b)ではMVb’に示すように歪んで変換される。
M:画像の横方向画素数
図11は、図4に示したメインフローチャートのステップS40で実行されるデータ抽出ルーチンを示すフローチャートである。ステップS41では、図4のステップS20で入力された車輪速センサ1からの信号に基づいて、車両MVaの位置する座標を、所定時間における車両MVaの位置を原点とする座標、つまり路面RDに固定された絶対座標系上で求める。図2に示すように、車両MVaの絶対座標値をA(xa,ya,0)とする。
図4のステップS50の前方車両の挙動予測の詳細は次の通りである。本実施例では、前方車両MVbが車両MVaの走行車線に車線変更してくるかどうかを予測する。この予測式は次式で与えられる。
∩:アンド条件を示す演算子
k1:定数(0<k1<1であり、かつ、k1は0に近い値)
k2:定数(0<k2であり、かつ、k2は0に近い値)
⊃:左辺が真ならば右辺が真であることを表す記号
RC(+1,0):前方車両が車線R+1からR0に車線変更するという事実
( )z:( )内のベクトルのz成分
A∈R0 :座標Aが車線R0内にあるという事実
B∈R+1:座標Bが車線R+1内にあるという事実
図4のステップS60におけるルールのIF部照合は次のように行なわれる。データ抽出部51および前方車両の挙動予測部53で算出された各種データに基づいて、IF部照合部53bが、このデータをIF部のパラメータとして含むルールを接近度判断部53のルールメモリ53a内に記憶された多数のルール内から選択し、選択されたルールについて各種データを入力してIF部の照合、すなわち、各ルールのIF部が真と判定されるか否かを判断する。
ルール番号2のルールのIF部が真と判定されるためには、RC(+1,0),速度ベクトルVa,Vbおよび座標値A,Bが入力される必要がある。
接近度=0 ...影響なし
接近度=1 ...前方車両に対して注意を払うべきである
接近度=2 ...前方車両に接触するおそれがある
とする。なお、−f(Va,Vb)の項に1より小さい定数を乗じたものについて距離yb−yaとの大小関係を求めれば、接近度=2の判定もできる。
図4のステップS70におけるルールの競合について説明する。本実施例および後述する実施例に示すように、車両MVaが走行している間に接近を予測すべき状況は多数存在し、様々な状況において的確な判断をする必要があるので、接近度判断部53のルールメモリ53a内には複数のルールが記憶されている(図14参照)。したがって、1つの状況に対して複数のルールのIF部が成立する場合もあるため、IF部が成立する複数のルールを競合させて適切な接近度を出力する。
イ.IF部が成立するルールのそれぞれから出力される接近度の和をとる
ロ.ルールに優先順位をつけ、優先順位の高いルールの接近度を出力する
ハ.これら2つの組み合わせ
といった方法が挙げられる。イについては、接近度の加重平均をとってもよい。なお、ルールの競合を例示して詳細に後述する。
図4のステップS80では、次のようにして接近度が出力される。なお、ルールメモリ53a内に記憶されたルールの全てのIF部が成立しないときは、接近度としてデフォルト値の0が出力される。出力された接近度は、車両MVaに備えられたランプ、ブザー等の警報装置により運転者に報知され、あるいは、車両MVaに備えられたディスプレイ等に文字を用いて表示される。なお、出力された接近度に基づいて車両MVaの走行を制御する例については後述する。
上述の第1実施例では、白線の単位方向ベクトルを走行案内情報として利用していたが、これに限らず、道路状況を的確に把握しうる走行案内情報を用いることができる。図16は、第1実施例の変形例を示すフローチャートであり、図4のステップS40の詳細を説明するためのものである。なお、ステップS40および後述するステップS50を除いて、図4の他のステップの内容は上述の第1実施例と同様であるため、その説明を省略する。
上述の第1実施例およびその変形例では、走行案内情報として白線の単位方向ベクトルを用いたが、第2実施例のように、車線に描かれた白線以外のパターンの形状をパターン認識した結果を走行案内情報として用いることもできる。
R-1=RJ ...(11)
と表す。一方、判定が否定されるとステップS4505に進み、隣接車線は合流車線でないと判断する。
B∈R-1:座標Bが車線R-1内にあるという事実
上述の第2実施例では、車両MVaの前方視界を撮像した画面に対してパターン認識を行って合流車線の判定を行ったが、これに限らず、種々の方法により隣接車線が合流車線であるか否かを判定することができる。合流車線判定ルーチンの別の例である図22により説明する。
第3実施例は、前方車両の存在する車線に描かれたパターンを走行案内情報として利用した別の例であり、図24に示すように、車線R0を走行する車両MVaの前方に路肩である車線R-1を走行する前方車両MVbが存在した場合を想定している。したがって、前方車両MVbが走行している車線はどのような種類の車線であるか、たとえば、車線R0,R+1のような走行車線であるか、あるいは、車線R-1のような路肩であるかを路面に描かれているパターンの形状により認識する。その上で、車両MVaの位置A,速度ベクトルVaおよび前方車両MVbの位置B,速度ベクトルVbを用いて、車両MVaの走行する車線に前方車両MVbが車線変更してくるかどうか、そして、車線変更した後で車両MVaに対して安全な車間距離以下に接近してしまうかどうかを判断するものである。
R-1=RC ...(13)
と表す。一方、判定が否定されるとステップS4534に進み、隣接車線は路肩でないと判断する。
k3は符号判定のための値であり、測定誤差等を考慮して0に近い正の定数に設定してある。
第4実施例は、道路の路側に所定間隔毎に設置されたサインポストから送信される道路状況を示す道路情報を車両が受信し、その受信した道路情報も使用して前方車両の挙動を予測するものである。
R-1=RX ...(15)
と表す。
k7:定数(k7>0であり、かつ、k7は0に近い値)
(16)式は上述の(6)式と類似しており、ただし、図27に示すように前方車両MVbが左隣の車線(離脱路)R-1を走行しているため、符号の判定が逆になっている点のみ異なる。
第5実施例は、車両の前方を走行する前方車両である前方車両が2台存在した場合、これら前方車両相互の位置、速度から挙動を予測したものである。たとえば、図31に示すように、車両MVaの前方に2台の前方車両MVb,MVcが存在した場合、先行する前方車両MVcの後方に後続する前方車両MVbが、車両MVaの走行車線に車線変更して前方車両MVcを追い抜こうとしているかどうか、そして、車線変更した後で車両MVaに対して安全な車間距離以下に接近してしまうかどうかを、車両MVaの位置A,速度ベクトルVa、および前方車両MVb,MVcの位置B,C(xc,yc,0),速度ベクトルVb,Vcにより判断する。
k5:定数(k5<0)
ya<yb<ycなる条件は、前から順に前方車両MVc、前方車両MVb、車両MVaの順に並んでいることを示しており、図31に示す配置状態に対応している。また、yc−ybは、Y軸方向に沿った前方車両MVcと前方車両MVbとの間の距離であり、|Vc|−|Vb|は、前方車両MVcと前方車両MVbとの間の速度差である。
上述した第1〜第5実施例では車両との接近を検出していたが、これに限らず、たとえば横断歩道を横断する歩行者との接近を検出するようにしてもよい。第6実施例は、路面に描かれたパターンの形状をパターン認識して横断歩道の有無を判断した一例である。たとえば、図32に示すように、車両MVaの前方視界にある横断歩道CRの路側に歩行者WPが立っていた場合、車両MVaの前方視界に横断歩道CRが存在するかどうかをパターン形状により認識し、その認識結果を、歩行者WPの位置Bおよび車両MVaの位置A,速度ベクトルVaとともに用いて、横断歩道CRを歩行者WPが横断するか、そして、歩行者WPが横断歩道CRを横断した場合に車両MVaが安全に停止しうるかを判断する。図32に示すように、横断歩道CRは車線幅の全幅にわたる横方向の2本の白線WLd,WLeを備えているので、車線幅の全幅にわたり横方向に延在する2本の白線WLd,WLeをパターン認識できれば横断歩道CRの存在を判断することができる。
Kb=Human...(18)
と表す。一方、判定が否定されるとステップS465に進み、走行車線R0に横断歩道は存在しないと判断する。
RE:歩行者WPが横断歩道を横断しようとしている事実
yp :横断歩道CRの中央点P(xp,yp)のY座標
上述の第6実施例では、車両MVaの前方視界を撮像した画面に対してパターン認識を行って横断歩道CRの判定を行っていたが、上述の合流車線判定の場合と同様に、種々の方法により前方視界に横断歩道CRが存在するか否かを判定することができる。
−第7実施例−
図39は、いわゆる定速走行装置の制御に上述の接近予測装置から出力される接近度を用いた第7実施例の概略構成を示すブロック図である。この図において、50は上述の第1〜第6実施例による接近予測装置である。61は希望車速設定部であり、希望車速を車両の乗員が入力する。希望車速設定部61は、たとえば、UP/DOWNを指令する押ボタンを備え、UPボタンが連続的に押動されると設定車速を上昇させる信号が送信され、一方、DOWNボタンが連続的に押動されると設定車速を下降させる信号が送信されるよう構成される。62は動作ON/OFFスイッチであり制御部63による定速走行動作の開始及び終了を指示する。
(1)スロットルアクチュエータだけを駆動
(2)スロットルアクチュエータと変速アクチュエータを駆動
(3)スロットルアクチュエータとブレーキアクチュエータを駆動
することができる。
上述の第7実施例では、接近予測装置50から接近度が出力されると定速走行動作を一律に終了していたが、接近度のレベルに応じて制御してもよい。図42は、このような制御手順の一例を示すフローチャートであり、図40のフローチャートに示すプログラムが実行されている間において、接近予測装置50から接近度が出力されると、図42のサブルーチンフローチャートに示す割り込み動作が実行される。ステップS901では、接近予測装置50から出力された接近度のレベルに応じて、定速走行動作が目標とする目標速度を減速する。特に、接近度のレベルが高いほど目標速度を低く設定すればよく、たとえば、接近度=1であれば単にスロットルアクチュエータを戻してエンジンブレーキにより減速し、接近度=2であれば積極的にブレーキアクチュエータを制御して減速すればよい。
図43は本発明の第8実施例を示し、接近予測装置から出力される信号に基づいて自車両が前方車両に接近することを回避する接近回避装置の概略構成を示すブロック図である。なお、以下の説明において、上述の第7実施例と共通の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。図43において、65は後方および側方車両検出部であり、車両MVaの後方と側方の車両の存在を検出する。この後方および側方車両検出部は、たとえば距離センサ、光スイッチ等を備え、これら距離センサ、光スイッチ等の検出結果に基づいて車両の存在を検出する。また、アクチュエータ群64は、ステアリングアクチュエータ、スロットルアクチュエータ、ブレーキアクチュエータおよび変速アクチュエータを備えている。
2 タイヤ
3 CCDカメラ
4,7 前処理部
5 制御装置置
6 レーダ装置
10 赤外線検知装置
50 接近予測装置
51 データ抽出部
52 前方車両の挙動予測部
53 接近度判断部
53a ルールメモリ
53b IF部照合部
53c ルール選択部
53d ルール競合部
MVa 車両
MVb,MVc 前方車両
WLa〜WLc 白線
WLRa〜WLRc 白線領域
MP 合流車線パターン
RF 路側反射体
CR 横断歩道
201 横断歩道検出手段
202 自車挙動検出手段
203 前車挙動検出手段
204 接近度予測手段
Claims (6)
- 路面を走行する自車両に対する人間等の移動物体の接近度を予測する装置であって、
横断歩道を検出する横断歩道検出手段と、
前記自車両の挙動を検出する自車挙動検出手段と、
前記自車両の走行方向前方に存在する前記移動物体の挙動を検出する物体挙動検出手段と、
検出された前記横断歩道、前記移動物体の挙動および前記自車両の挙動に基づいて前記自車両に対する前記移動物体の接近度を予測する接近度予測手段とを備えたことを特徴とする接近予測装置。 - 請求項1に記載の接近予測装置において、
前記横断歩道検出手段は、前記路面に描かれた白線の形状から横断歩道を検出することを特徴とする接近予測装置。 - 請求項1に記載の接近予測装置において、
前記横断歩道検出手段は、路側に設置されたサインポストから送信される道路情報を受信する受信手段を備え、受信された前記道路情報から前記横断歩道を検出することを特徴とする接近予測装置。 - 請求項1に記載の接近予測装置において、
前記横断歩道検出手段は、衛星からのGPS信号を受信する受信手段と、道路地図データが記憶された記憶手段とを備え、受信された前記GPS信号と前記道路地図データとから前記横断歩道を検出することを特徴とする接近予測装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の接近予測装置において、
前記物体挙動検出手段は、前記移動物体が放射する赤外線を検出する赤外線検出手段を備えていることを特徴とする接近予測装置。 - 請求項1〜5のいずれかの項に記載の接近予測装置において、
前記自車挙動検出手段は、前記自車両の位置および速度ベクトルを演算し、
前記物体挙動検出手段は、前記移動物体の位置を演算するとともに、前記移動物体と前記横断歩道との間の距離が所定値以下である時に前記移動物体が前記横断歩道を横断すると判断し、
前記接近度予測手段は、前記移動物体が前記横断歩道を横断すると判断された時、前記移動物体および前記自車両の位置および前記自車両の速度ベクトルに基づいて接近度を出力することを特徴とする接近予測装置。
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