JP2004178349A - プリントシステム及びその資源の利用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ネットワーク中のプリンタ間でジョブの負荷を分散し効率よくプリント出力を得る手段。特に、カラープリンタの各色成分を、ネットワーク中の白黒プリンタで描画展開する。
【解決手段】他のプリンタの稼動状態および動作仕様を検知する手段と、得られる情報によりプリント待ちのプリンタに対して、画像を描画展開する工程を分担するプリントシステム制御手段。特に、プリント待ちの白黒プリンタに対して、カラープリンタの各色成分画像の描画展開を分担する。
【選択図】 図1
【解決手段】他のプリンタの稼動状態および動作仕様を検知する手段と、得られる情報によりプリント待ちのプリンタに対して、画像を描画展開する工程を分担するプリントシステム制御手段。特に、プリント待ちの白黒プリンタに対して、カラープリンタの各色成分画像の描画展開を分担する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はネットワークを介して接続されるプリンタシステムに関し、特にネットワークの内の複数のプリンタ間で、ジョブの負荷を分散し合い効率良くカラープリント出力を得るためのカラープリントシステム及びその資源の利用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ネットワーク化が進み、プリンタもローカルプリンタから、ネットワークの中に組み込まれて複数ユーザが1台のプリンタを共有できるようになり、利用者の利便性が改善されてきている。又、ネットワーク上に複数のプリンタを設置することで、あるユーザが通常利用しているプリンタが使用中であった場合などは、別の使用されていないプリンタを選んで印刷することで、生産性を増すことができるようになっている。
【0003】
上述したようなプリントシステムの場合、ユーザはプリント出力を得る際に、自らのパソコン上にてプリントしたいドキュメント及びプリンタを選び、プリントを指示する。ドキュメントは自動的にページ記述言語に変換され、ネットワークを介してプリンタに転送される。プリンタは、受け取ったページ記述言語から画像を描画展開し、プリント出力を得るようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プリントに要する時間は、ページ記述言語から画像を描画展開する時間によって大きく左右され、例えば、簡単なドキュメントは、画像を描画展開する時間があまりかからないため、直ちにプリント出力が得られるが、複雑なドキュメントは、画像を描画展開する時間がかかり、生産性が悪くなっていた。特にカラー画像は、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック等4面を描画展開する必要があり、さらに時間がかかってしまっていた。
【0005】
本発明の目的は、上記の問題点を解決するためになされたもので、プリントシステムにおけるプリントジョブの負荷を分散することで、複雑なドキュメントまたは、カラーのドキュメントでも、生産性を維持してプリントできるプリントシステム及びその資源の利用方法を提供することにある。
【0006】
すなわち、プリント指示を受けたカラープリンタもしくはプリントサーバが、ネットワーク上のプリント指示待ち、すなわちプリントJOBを実行していないプリンタを探し出して、最も時間がかかる工程、例えば画像を描画展開する工程、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック等4面を描画展開する工程を、上記待ち状態のプリンタと分担することで、生産性を維持してプリントできるカラープリントシステムを提供する。特に、プリント指示待ちの複数の白黒プリンタに対しても、カラー画像を構成する各色成分マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック等を、各色成分毎に分担させることで、生産性を維持してプリントできるカラープリントシステムを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明のプリントシステムは、ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータから送られる画像データをプリント出力するカラープリントシステムにおいて、ネットワークに接続されたプリンタの稼動状態及び動作仕様を検知する検知手段と、プリント指示を受けたプリントサーバもしくはカラープリンタが、前記プリント指示と前記検知手段により得られる情報とに基づいて、プリント指示待ちの他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させるように制御するプリントシステム制御手段とを有することを特徴とする。特に、プリント指示待ちの複数の白黒プリンタに対しても、カラー画像を構成する各色成分マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック等を、各色成分毎に分担させることを特徴とする。
【0008】
ここで、前記プリントシステム制御手段は、前記プリント指示の負荷が所定の基準値より大きい場合に、他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させる。また、前記プリントシステム制御手段は、ネットワークに接続されたプリンタの描画展開の能力に応じて画像を描画展開する処理を分担させる。また、画像を描画展開する処理の分担を許可するか否か、あるいは処理分担の優先順位を設定する設定手段を更に有する。また、プリントサーバが前記プリントシステム制御手段を有する。また、プリンタあるいは複合機が前記プリントシステム制御手段を有する。また、クライアントコンピュータが前記プリントシステム制御手段を有する。
【0009】
又、本発明のプリントサーバは、ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータから送られる画像データをプリント出力するプリントシステムに接続されるプリントサーバであって、ネットワークに接続されたプリンタの稼動状態及び動作仕様を検知する検知手段と、プリント指示を受けたプリントサーバもしくはプリンタが、前記プリント指示と前記検知手段により得られる情報とに基づいて、プリント指示待ちの他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させるように制御するプリントシステム制御手段とを有することを特徴とする。ここで、前記プリントシステム制御手段は、前記プリント指示の負荷が所定の基準値より大きい場合に、他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させる。また、前記プリントシステム制御手段は、ネットワークに接続されたプリンタの描画展開の能力に応じて画像を描画展開する処理を分担させる。また、画像を描画展開する処理の分担を許可するか否か、あるいは処理分担の優先順位を設定する設定手段を更に有する。
【0010】
又、本発明のプリンタは、ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータから送られる画像データをプリント出力するプリントシステムに接続されるプリンタであって、ネットワークに接続されたプリンタの稼動状態及び動作仕様を検知する検知手段と、プリント指示を受けたプリントサーバもしくはプリンタが、前記プリント指示と前記検知手段により得られる情報とに基づいて、プリント指示待ちの他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させるように制御するプリントシステム制御手段とを有することを特徴とする。ここで、前記プリントシステム制御手段は、前記プリント指示の負荷が所定の基準値より大きい場合に、他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させる。また、前記プリントシステム制御手段は、ネットワークに接続されたプリンタの描画展開の能力に応じて画像を描画展開する処理を分担させる。また、画像を描画展開する処理の分担を許可するか否か、あるいは処理分担の優先順位を設定する設定手段を更に有する。
【0011】
又、本発明のネットワークコンピュータは、ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータから送られる画像データをプリント出力するプリントシステムに接続されるネットワークコンピュータであって、ネットワークに接続されたプリンタの稼動状態及び動作仕様を検知する検知手段と、プリント指示を受けたプリントサーバもしくはプリンタが、前記プリント指示と前記検知手段により得られる情報とに基づいて、プリント指示待ちの他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させるように制御するプリントシステム制御手段とを有することを特徴とする。ここで、前記プリントシステム制御手段は、前記プリント指示の負荷が所定の基準値より大きい場合に、他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させる。また、前記プリントシステム制御手段は、ネットワークに接続されたプリンタの描画展開の能力に応じて画像を描画展開する処理を分担させる。また、画像を描画展開する処理の分担を許可するか否か、あるいは処理分担の優先順位を設定する設定手段を更に有する。
【0012】
又、本発明の資源の利用方法は、ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータから送られる画像データをプリント出力するプリントシステムにおける資源の利用方法であって、ネットワークに接続されたプリンタの稼動状態及び動作仕様を検知し、プリント指示を受けたプリントサーバもしくはプリンタが、前記プリント指示と前記検知された情報とに基づいて、プリント指示待ちの他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させるように制御することを特徴とする。ここで、前記分担の制御では、前記プリント指示の負荷が所定の基準値より大きい場合に、他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させる。また、前記分担の制御では、ネットワークに接続されたプリンタの描画展開の能力に応じて画像を描画展開する処理を分担させる。また、画像を描画展開する処理の分担を許可するか否か、あるいは処理分担の優先順位を設定する工程を更に有する。
【0013】
又、本発明のプリント制御プログラムは、ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータから送られる画像データをプリント出力するプリント制御プログラムであって、ネットワークに接続されたプリンタの稼動状態及び動作仕様を検知して管理する管理モジュールと、プリント指示を受けたプリントサーバもしくはプリンタが、前記プリント指示と前記検知された情報とに基づいて、プリント指示待ちの他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させるように制御する制御モジュールとを含むことを特徴とする。ここで、前記制御モジュールは、前記プリント指示の負荷が所定の基準値より大きい場合に、他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させる。また、前記制御モジュールは、ネットワークに接続されたプリンタの描画展開の能力に応じて画像を描画展開する処理を分担させる。また、画像を描画展開する処理の分担を許可するか否か、あるいは処理分担の優先順位を設定する設定モジュールを更に含む。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
<本実施の形態のプリントシステムの構成例>
図1は本発明の実施の形態におけるプリントシステムの全体構成を示す概略ブロック図である。
【0016】
同図において、101は、プリントシステムの各々の装置を接続するローカルエリアネットワークであり、プリントサーバ104を中心として、予め決められたプロトコルによって各装置間の通信及び制御を行っている。102はクライアントコンピュータであり、ユーザによって書類の作成、編集及びデータ処理を行うコンピュータである。103はカラープリンタであり、プリントサーバ104の制御のもとで、クライアントコンピュータ102から送られるプリントデータをプリントするカラープリンタである。
【0017】
105は、複写機の機能を中心とした、FAX、ネットワークプリンタなどの機能を備えた複合機である。107は公衆電話回線であり、複合機105はFAXの送受信をこの回線を介して行っている。又、複合機105は、カラープリンタ103と同様に、プリントサーバ104の制御のもとで、クライアントコンピュータ102から送られるプリントデータをプリントすることもできるようになっている。もちろん単独で複写機として用いることもできる。
【0018】
106、108は白黒プリンタであり、ネットワーク101に接続され、プリントサーバ104の制御のもとプリント出力ができるようになっている。
【0019】
クライアントコンピュータ102にて編集、作成されたドキュメントは、ユーザが希望すると、アプリケーションソフトウェア及びプリンタドライバソフトウェア等により、ユーザが選択した共有プリンタ、即ちカラープリンタ103、白黒プリンタ106、108又は複合機105のいずれかに対するプリントファイルが作成され、対応するプリンタに転送される。この時、各クライアントコンピュータに搭載されるアプリケーションソフトウェア及びプリンタドライバにより、作成されたドキュメントは選択されたプリンタが受け付けるページ記述言語に変換され、プリントファイルとして転送される。これらの操作は、クライアントコンピュータ102にてドキュメントの作成、編集に使用しているアプリケーションソフトやプリンタドライバのユーザインターフェースによって、ユーザが容易に設定、出力指示できるようになっている。
【0020】
プリンタに転送されるプリントファイルは、一時、プリントサーバ104に貯えられた後、選択されたプリンタに転送される。プリントサーバ104は、クライアントコンピュータ102又は106から送られるプリントファイルを、指定されたプリンタ毎に整理してJOBとして管理し、各プリンタの制御を集中して行っている。
【0021】
例えば、クライアントコンピュータ側に多量のプリントファイルがあった場合でも、プリントサーバ104がプリントファイルを連続して順次受けられるようにすることで、クライアントコンピュータ側は個々のプリントJOBの終了を待つことなくそれぞれ自身のプリントJOBから開放され、あとはプリントサーバ104に処理させることによって次の作業に移る事ができ、クライアントコンピュータ側の生産性を高める工夫がされている。
【0022】
更に、本実施の形態のプリントサーバ104は、常にネットワーク101を介して、ネットワーク上のクライアントコンピュータや、プリンタの稼動状況、JOBの状況を監視確認し、システム全体の動作制御を行っている。これは、例えばクライアントコンピュータ102からカラープリンタ103が選択されプリント出力を行う場合、プリントサーバ104は、他のプリンタ106、108または複合機105の稼動状態、JOBの状況又、パフォーマンスを検知、把握することにより、カラープリンタ103へのJOBの一部すなわち、最も時間のかかる工程、すなわち送られたプリントファイルからの画像を描画展開する工程を他の白黒プリンタ106、108または、複合機105に分担させることにより、JOBの負荷分散を行って、より生産性を高めることを行っている。特に、出力画像がカラーだった場合、各色成分、例えばマゼンタ、シアン、イエロー、ブラック等を、他の白黒プリンタに描画展開させることにより負荷分散を行うことによって効率を高めている。例えば、マゼンタの描画展開は、複合機105に、またシアンの描画展開は白黒プリンタ106、イエローの描画展開は白黒プリンタ108、ブラックはカラープリンタ103自信が行うようし、負荷分散するようになっている。また例えば、各色成分のなかで、最も描画展開が重たいものについては、システムのなかで最もパフォーマンスの高いものに分散させるような工夫もされている。
【0023】
尚、図1では、クライアントコンピュータ102と、プリントサーバ104、カラープリンタ103、複合機105、白黒プリンタ106、107からなるシステム例を示したが、これらの台数には何ら制限はない。又、プリントサーバ104を介さなくてもカラープリンタ103、複合機105、白黒プリンタ106、107自身が、それぞれの稼動状態及びJOBの状況を検知し、お互いのJOBを分担するように分散管理してもよい。又、クライアントコンピュータやその他のローカルエリアネットワーク101に接続された装置により分散あるいは集中管理されてもよい。
【0024】
<プリントサーバ104の構成及び動作例>
(ブロック構成例)
図2は、プリントサーバ104の内部構成を説明するための概略ブロック図である。尚、上記説明のように、資源管理がカラープリンタ103、複合機105、白黒プリンタ106、108自身よる場合や、クライアントコンピュータ102による場合は、これらの装置内に以下に示すようなデータが用意されて、同様の制御が実施されることで達成される。
【0025】
201はネットワークI/Fであり、クライアントコンピュータ102、プリンタ103、複合機105、白黒プリンタ106、108などネットワーク101に接続される各装置との予め決められたプロトコルによる通信を行っている。ネットワークI/F201上には、図示はしないが、専用のネットワークコントローラICとCPU、コントロールプログラムが書かれたROM及びワークRAMが搭載されており、それらによりプロトコルがコントロールされ、より高速な通信が可能となっている。
【0026】
202はプリントサーバ104をコントロールするCPU、204は各クライアントコンピュータ102から送られるプリントファイルや、ネットワーク101に接続される各装置の稼動状況、JOBの状況また分散処理の結果得られる画像ファイル等を一時格納するハードディスク、205はワークRAM及び制御プログラムが書かれたROMであり、これらブロック201〜201はそれぞれローカルバス203にて相互接続されている。
【0027】
プリントサーバ104は、各クライアントコンピュータからネットワーク101に送られる各プリントファイルを、指定の出力先毎、すなわちカラープリンタ103、複合機105、白黒プリンタ106、108毎に整理分別し、ハードディスク204に順次格納していく。そして、カラープリンタ103又は複合機105、白黒プリンタ106、108がプリント可能になり次第、順次ハードディスク204に格納したプリントファイルを所望のプリンタ103又は複合機105、白黒プリンタ106、108に転送するようになっている。
【0028】
又、プリントサーバ104は、システム全体に接続されるプリンタの種類、例えば、そのプリンタが扱うページ記述言語の種類、そしてそのパフォーマンス、また稼動状況、JOB状況の監視、確認の作業も行っている。
【0029】
例えば、今まで稼動していなかったカラープリンタ103に対してユーザが電源を入れると、そのパワーオンシーケンスの中で、カラープリンタ103は、プリントサーバ104に対して稼動中いう通知と共に、自らの画像の描画展開性能、また自らが扱うページ記述言語、例えば、ポストスクリプト言語、LIPS言語等の情報もネットワーク101を介し送ってくるよう設計されている。
【0030】
又、逆に電源を切ると、そのパワーダウンシーケンスの中で、電源が切れる前に稼動停止という通知を送ってくるようになっている。これらパワーダウンシーケンス及びパワーダウンシーケンスにおける通知機能は、ネットワーク101に接続されるすべての装置に適応され、予めそれぞれの装置のプログラムに組み込まれている。
【0031】
これらの通知は、上述したパワーオンシーケンスやパワーダウンシーケンスだけでなく、必要ならば随時通知できるようになっている。もちろん、これら通知を行う場合には、ネットワーク機器のネットワークアドレス等、プリントサーバ104が通知元を特定可能な情報を含めて通知することは言うまでもない。
【0032】
(管理情報例)
上記のように各装置から通知されるデータを基に、プリントサーバ104は、図3の上段に示すようなプリンタテーブル30を作成し、ネットワーク101に接続されるプリンタ及び複合機の管理、確認の作業を行っている。このプリンタテーブル30の作成は、ネットワーク上の各プリンタがパワーオンシーケンス時にデータを送付し作成されるが、プリントサーバ104から各プリンタ及び各複合機へ情報の要求を出すことによっても作成できるようになっている。
【0033】
図3の上段に示す様に、システムに接続されているプリント機能を有する機器について、カラープリンタ103については行31、複合機105については行32のように記憶されている。例えば、本実施の形態のシステムでは、カラープリンタ103は稼動中であり、ページ記述言語はLIPS言語に対応している。例えば、ポストスクリプト言語に対応しているならば、PSとなる。パフォーマンスは、受け取ったプリントファイルすなわち、ページ記述言語から、画像を描画展開する能力を示し、各プリンタもしくは複合機に搭載されるプリンタコントローラの性能を表す。例えば、そのプリンタが搭載するCPUの種類やメモリの容量などから数値化して表している。例えば本実施の形態では、パフォーマンスが高いほうが大きい数字になっている。カラープリンタ103が4、複合機105が16となり、複合機105の方が、カラープリンタ103の4倍のパフォーマンスを持っていることを示している。尚、図3のプリンタテーブル30の内容は本例に限定されない。例えば、言語やパフォーマンス以外のプリント機能(例えばフォント形式など)が記憶されて、分散の判断に使用されてもよいし、パフォーマンスの値もクロック速度やメモリ容量、描画展開方式などから、JOBの内容を考慮して算出されてもよい。
【0034】
JOBは、プリントサーバ104が各プリンタもしくは複合機にプリントファイルを転送すると同時に、実行中に書き換えられる。各プリンタもしくは複合機は、JOBの実行を終了すると終了通知をプリントサーバ104に転送し、終了通知を受け取ったプリントサーバ104は、待機中に書き換え、JOBの終了を検知出来るようになっている。また複合機105に固有の動作、例えばコピー動作などの場合は、複合機105から通知を受け、JOBの実行中としてサーバ104が認識できるようになっている。
【0035】
例えば、クライアントコンピュータ102にて編集、作成されたドキュメントは、ユーザにより、出力したいプリンタ、例えば、カラープリンタ103が選択され、ドキュメントはアプリケーションソフトもしくはプリンタドライバによって自動的にカラープリンタ103に一致したページ記述言語に変換され、カラープリンタ103に転送される。例えば本実施の形態ではLIPS言語に変換される。
【0036】
この場合に、図3の下段のカラープリンタ103のJOBテーブル50に、行51のように、例えばJOB−No.と、このJOBを指示したクライアントのシステムID(本例では102)、プリントするページ数、JOBの現状(プリント中/待機中)などが記憶される。尚、本例では簡単のためにページ数とパフォーマンスを分散処理の基準として説明するが、JOBテーブル50の内容は本例に限定されず、分散処理の実行を何を基準に判断するかによって変更や追加がされる。プリントデータ(ファイル)60が各JOBに対応して記憶される。
【0037】
プリンタに転送されるプリントファイルは、一時、プリントサーバ104に貯えられ後、選択されたカラープリンタ103に転送される。この時、プリントサーバ104は、送られたプリントファイルの内容及び選択されたプリンタのパフォーマンスからプリント時間を予想する。例えば、複雑なプリントデータで大量にプリントする場合には、終了までに多くの時間を要する。これは、プリントに要する時間は、ページ記述言語から画像を描画展開する時間によって大きく左右されるためである。
【0038】
プリントサーバ104は、ある与えられた評価値より長く時間がかかる場合には、JOBを分散すべく制御を行うようになっている。ここで、ある評価値とは、JOBを分散することによって、効率が上がる場合のスレッショルド値であり、この値は、システム管理者が任意に設定できるようになっている。又、システム全体の稼動率に応じて自動的に計算するようにしてもよい。例えば、値評価を小さくすると分散処理を行う確率が高くなり、結果的にネットワーク101の使用率が上がり、プリント以外の処理やクライアントコンピュータ102の通信例えばファイル転送やメイルの転送等が阻害されやすくなり、値評価を大きくすると分散処理を行う確率が低くなり、プリントのJOBのパフォーマンスは低くなるが、プリント以外の処理は阻害されにくくなる。システム管理者は、システムの動作に最適な値を設定している。
【0039】
プリントサーバ104は、JOBを分散すべく、ネットワークに接続されるプリンタの検索を図3に示すテーブル30を参照し行う。この時の条件は、稼動中であり、同じページ記述言語を扱い、待機中であるプリンタもしくは複合機を抽出する。
【0040】
例えば、条件に合致した複合機105、および白黒プリンタ106、108が抽出されると、そのパフォーマンス及びネットワークの状況からJOBの分散方法を決定し、カラープリンタ103及び複合機105、白黒プリンタ106、108に通知する。例えば、カラー画像の場合は、各色成分、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックをシステムの中の他の白黒プリンタに描画展開を負荷分散し、また、そのカラー画像においての最も描画展開が重たい色成分を、最もパフォーマンスの高い白黒プリンタ、例えば複合機105に負荷分散するようになっている。
【0041】
また例えば、白黒画像の場合は、プリントファイルの5ページのうち1ページは、カラープリンタ103に、残り4ページは複合機105にJOBを分散転送し、プリンタ105にて画像を描画展開する。例えばこれは、得られるパフォーマンス情報から、複合機105は、プリンタ103に比べて約4倍パフォーマンスが高いと判断され、プリンタ103にて画像1ページを描画展開処理する時間に、複合機105は4ページを描画展開処理できることから最も効率の良い分散方法を決定したものである。また後述するが、分散方法の決定に際しては、ユーザにより優先順位をつけたり、分散処理を行うネットワークグループからはずしたりすることができるようになっている。
【0042】
例えば、カラー画像を負荷分散する処理を示すと、図3の中段に示す複合機105のJOBテーブル40には、待機中のJOBが無いので(例えばJOB−No.が0)、複合機105へ、例えば最も重い色成分マゼンタの描画展開処理が決定され、図4のように、複合機105のJOBテーブル40の行41に、分散指示されたJOBが分散元のJOBとの関連を保持して記憶される。
【0043】
複合機105にて描画展開が終了した色成分画像は、もちろんそのまま複合機105にてプリント出力を得るのではなく、プリントサーバ104に返送されるようになっている。
【0044】
この時、ネットワーク101の状況、すなわち、他の装置によるネットワークの占有状態によって、圧縮するか、そのままプリントサーバ104に返送されるかが決定される。すなわち、ネットワーク101の占有状態よって、描画展開した色成分画像ファイルの転送に時間が掛かる場合があり、例えば圧縮することによってデータを縮小し、転送時間を小さくする工夫がされている。
【0045】
そのままプリントサーバ104に返送された画像ファイルはカラープリンタ103に転送され、圧縮されていれば直ちに伸張され他の色成分とともにプリント出力を得られるようになっている。このように、待機中の複合機に対してカラー画像の色成分毎にJOBの分散を行うことにより、カラープリンタ103のみでの描画展開に比較して描画展開の速度の効率が上がるため、普通にプリントする場合より生産性を上げることができる。
【0046】
JOBの分散方法は、例えば、描画展開工程そのものを分散するだけでなく、描画展開の工程の中で、後述するが、ページ記述言語から、各プリンタもしくは複合機のコントローラの画像展開制御に都合の良い中間言語までの変換処理の分散でもよい。システムを構築するネットワークや、それに接続されるプリンタや複合機など諸条件によって、最も効率の良い方法を選択できるような分散方法が考えられる。
【0047】
(処理フローチャート例)
上述した処理を説明する簡潔なフローチャートを、図5に示す。
【0048】
ステップS101は、送られたプリントファイルからプリント時間を予測し、分散処理をした方が効率的か否かの評価を行う。本実施の形態では、予め与えられるある評価値と比較して分散処理を行うか決定する。分散処理を行わない場合は、ステップS102にて選択されたプリンタのみで処理を続行する。
【0049】
分散処理を行う場合には、ステップS103にてネットワーク101に接続されるプリンタの検索を行う。本実施の形態では、予め作成されている図3に示すプリンタテーブル30より検索する。ステップS104にて検索の結果、分散処理を実行できる条件に一致したプリンタがない場合は、ステップS102にて選択されたプリンタで処理を続行する。分散処理を実行できる条件に一致したプリンタがある場合には、ステップS105にてシステムの条件によって分散処理方法を決定する。本実施の形態では、上述したようにプリンタのパフォーマンスによって分散処理方法を決定し、分散処理を開始するようになっている。また後述するが、分散方法の決定に際しては、ユーザにより優先順位をつけたり、分散処理を行うネットワークグロープからはずしたりすることができるようになっている。
【0050】
(サーバ処理の課金例)
本実施の形態におけるネットワークプリントシステム及びネットワークに接続される機器を、ユーザ以外の第三者すなわち専門業者が管理する場合には、業者がユーザに課すメンテナンス費用は、ステップS101における評価値と、ステップS105における分散処理方法によって課金するようになっている。これは、ステップS101における評価値は、ネットワーク101の回線利用率に関係し、ステップS105における分散処理方法は、例えば本実施の形態では、プリンタのパフォーマンスによって分散処理方法を決定するため、パフォーマンスの高いプリンタほど、印刷はしないがプリンタ内部のコントローラの利用率が高くなるためである。例えばこれらの利用率を計算しそれに応じて、基本料金を増加させるのも有効である。
【0051】
<カラープリンタ103および白黒プリンタ106、108の構成及び動作例>
(ブロック構成例)
図6にカラープリンタ103および白黒プリンタ106、108の内部構成の概略ブロック図を示す。このとき、プリンタエンジン507がカラープリンタエンジンの場合にカラープリンタとなり、白黒エンジンの場合に白黒プリンタとなる。以下の説明は、カラープリンタとしての動作の説明を行う。白黒プリンタは、カラー特有の色成分例えば、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの4成分が、1成分、例えばブラックのみとなった場合に等しいので、詳細な動作の説明は、省略する。
【0052】
501はネットワークI/Fであり、クライアントコンピュータ102、カラープリンタ103、白黒プリンタ106、108、複合機105、及びプリントサーバ104などネットワーク101に接続される各装置との、予め決められたプロトコルによる通信を行っている。502はCPU(中央演算処理装置)で、ROM(リードオンリーメモリ)503に記憶された制御プログラムに基づいてプリンタ103の全体の制御を司っている。504はワークRAMで、図示しないオプションRAMによりその容量を拡張可能に構成されている。ワークRAM504は、各種の情報を格納するとともに、CPU502のワークエリアとしても機能する。
【0053】
505は専用画像コントローラ(ASIC)で、画像メモリ506への各色成分のレンダリング処理と、該レンダリングされた画像データのカラープリンタエンジン507への転送を制御する。具体的には、ページ記述言語で記述されたファイルに基づいて画像メモリ506に色成分毎のラスタイメージ画像を展開し、カラープリンタエンジン507からの同期信号508に基づいて展開画像を転送する機能を有している。この時、各色成分毎、例えばマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの合計4回の転送を行い、1カラー画像を形成するようになっている。510はハードディスクであり、ワークRAM504及び画像メモリ506に格納されるデータの一時待避等に用いられ、補助的な役割に用いられる。511は操作部で、印刷状態や設定された内容を確認するためのキーや表示機を備え、外部からの各種操作を行ったり、エラー情報等の各種情報を表示できるようになっている。
【0054】
512はCPUバスで、該CPUバス512を介して接続される各デバイスとのアクセスをCPU502が制御している。なお、カラープリンタエンジン507は、インクジェットプリンタエンジンやレーザービームプリンタエンジン等で構成され、図示しないプリンタ部を駆動するもので、ビデオバス509を介してASIC505に接続され同期信号508を出力する。画像メモリ506は、ASIC506に接続され各色成分毎のラスタイメージ画像が展開されるものである。またその領域は、αとβとの2つの領域に分かれている。これは、2領域に限定するものではなく、複数領域に分かれていてもかまわない。
【0055】
(基本動作例)
次に、上記構成のシステム各部の動作を説明する。
【0056】
クライアントコンピュータ102よりプリントを指示され、プリントサーバ104経由で送付されたページ記述言語、例えばLIPS、PSによって記述されたページ記述言語データのプリントファイルは、ネットワークコントローラ501により受け取られ、CPU502を介しワークRAM504上に確保される、例えば受信バッファ等に一時格納される。CPU502はワークRAM504に一時格納してあるページ記述言語データを参照し、ASIC505が利用できる中間言語データに変換し、再びワークRAM504に順次格納していく。
【0057】
CPU502は、上記中間言語データへの変換処理がある程度進むと、ASIC505に対して画像展開開始のコマンドを送り、ASIC505はワークRAM504に格納されている中間言語データを参照しながら高速に画像メモリ506のα側領域へ最初に現像される色成分、例えばマゼンタのラスタイメージ画像の展開処理(レンダリング処理)を行う。又、CPU502は、同時に引き続き中間言語データへの変換処理を行い、ワークRAM504に格納していく。このとき、CPU502とASIC505が、バス512を介して同時にワークRAM504へのアクセスが発生しないように、ASIC505に内蔵しているバス512獲得のための調停回路(アービトレーション回路)によって調停を行っている。
【0058】
CPU502は、ASIC505からの画像メモリ506のα領域への画像データの展開終了の割り込みを受けると、プリンタエンジン507に対して最初の色成分例えばマゼンタの現像のための起動コマンドを送り、カラープリンタエンジン507に起動をかける。これと同時にCPU502は、ASIC505にコマンドを送ってメモリ506のα領域をビデオ出力モードとして、プリンタエンジン507からの同期信号508を待機する状態となる。このようにしてカラープリンタエンジン507が起動すると、図示はしないが、印刷用紙が給紙され、水平同期信号、垂直同期信号(以下まとめて同期信号508と記述する)が発生してASIC505に送られ、ASIC505に同期信号508が入力されると、画像メモリ506のα領域に展開されている色成分例えばマゼンタの画像データを、ビデオバス509を介し順次カラープリンタエンジン507に転送するようになっている。
【0059】
このとき同時にCPU502、ASIC505は、前述した上記中間言語データへの変換処理とRAM504の格納されている中間言語データを参照しながら、高速に画像メモリ506のβ側領域へ続けて色成分のラスタイメージ画像の展開処理(レンダリング処理)が続けられており、α側領域のプリンタエンジン507への転送が終了すると、β側領域に切り換わり、β側領域に展開された色成分画像のカラープリンタエンジン507への転送が続けられる。
【0060】
プリンタエンジン507への転送と、画像メモリ506へのラスタイメージ画像の展開を、α、β交互に行うことによって、ラスタイメージ画像の展開とプリントを同時に行い、プリントスピードを上げることによってより生産性を高める工夫がされている。
【0061】
各色成分マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの順番に上述した処理を4回くり返し、カラー画像を形成するようになっている。
【0062】
白黒プリンタ106、108についても、カラープリンタ103と基本構成、基本動作は、ほぼ同じで、画像の展開が色成分ではなく白黒画像となり、プリンタエンジンも白黒エンジンとなり現像は一回となる。
【0063】
(分散処理例)
以下に、カラー画像の分散処理をネットワーク101に接続される白黒プリンタ106、108に指示された場合を説明する。図6を白黒プリンタの説明図として用いる。
【0064】
クライアントコンピュータ102よりプリントを指示され、プリントサーバ104経由で分散処理の指示コマンドともに送付されたページ記述言語データのカラー画像ファイルは、ネットワークコントローラ501により受け取られ、CPU502を介しワークRAM504上に確保される。CPU502はワークRAM504に一時格納してあるページ記述言語データを参照し、ASIC505が利用できる中間言語データに変換し、再びワークRAM504に順次格納していく。分散処理として指示されている場合は、分散処理条件によって中間言語データに変換した時点で、再びプリントサーバ104へRAM504に格納されている中間言語データを返送するようになっている。
【0065】
CPU502は、上記中間言語データへの変換処理がある程度進むと、ASIC505に対して画像展開開始のコマンドを送り、ASIC505はワークRAM504の格納されている中間言語データを参照しながら、高速に画像メモリ506のα側領域へラスタイメージ画像の展開処理(レンダリング処理)を行う。この時、あらかじめ、展開するカラー画像の色成分はサーバ104から指事を受けており、必要な色成分のみ、例えばマゼンタの展開処理を行うようになっている。又、CPU502は、引き続き中間言語データへの変換処理を行い、ワークRAM504に格納していく。このとき、CPU502とASIC505が、バス512を介して同時にワークRAM504へのアクセスが発生しないように、ASIC505内のバス512獲得のための調停回路(アービトレーション回路)によって調停を行っている。
【0066】
CPU502は、ASIC505からの画像メモリ506のα領域への色成分画像データの展開終了の割り込みを受けると、ASIC505に内蔵しているDMAコントロール回路に対して起動コマンドを送り、ネットワークコントローラ501へ画像メモリ506のα領域への色成分画像データを転送するように指示を送る。DMAコントロール回路は、メモリ506のα領域から画像データを読み取り、調停回路(アービトレーション回路)の調停によって順次CPUバス512を獲得し、介してネットワークコントローラ501に転送する。
【0067】
このとき同時にCPU502及びASIC505は、前述した、上記中間言語データへの変換処理とRAM504の格納されている中間言語データを参照しながら、高速に画像メモリ506のβ側領域へラスタイメージ画像の展開処理(レンダリング処理)が続けられており、α側領域のネットワークコントローラ501への転送が終了すると、β側領域に切り換わり、β側領域に展開された画像のネットワークコントローラ501への転送が続けられる。
【0068】
このように、分散処理として指示されている場合は、色成分画像データの展開終了の割り込みを受けると、ネットワークコントローラ501を介して、再びプリントサーバ104へ画像メモリ506に格納されている展開画像データを順次返送するようになっている。又、上述したように、場合によっては、画像圧縮してデータを小さくし、送り返すこともできるようになっている。
【0069】
(処理フローチャート例)
図7に、上記プリンタ103の処理手順のフローチャートを示す。
【0070】
ステップS201では、プリントサーバ104からの指示を待つ。プリントサーバ104からの指示があると、ステップS202で、その指示からプリントの指示か、他の機器でのプリントのための分散描画展開処理の指示かを判断する。
【0071】
プリント指示であれば、ステップS203でそのプリント指示に添付されたデータが、描画展開の必要なデータか、既に他の機器で描画展開処理が終了したデータかが、判断される。描画展開が必要であれば、ステップS204で受信データに基づく描画展開が実行される。ステップS204で描画展開されたデータ、あるいは他の機器で描画展開されたデータは、ステップS205でプリントされる。
【0072】
一方、分散処理の指示であれば、ステップS206に進んで受信データの描画展開を行い、ステップS207で描画展開されたデータがプリントサーバ104に返送される。
【0073】
尚、図7には、圧縮などの処理は示していない。又、実際には、分散処理中に優先的なプリント処理の指示があった場合などに、処理の一時中断や、プリントサーバへの変更通知、処理の順序の変更などを行なうのが好ましいが、図7には煩雑さを避けるために示されていない。
【0074】
<複合機105の構成及び動作例>
(ブロック構成例)
図8に、複合機105の内部構成の概略ブロック図を示す。
【0075】
601はネットワークI/Fであり、クライアントコンピュータ102及び106、プリンタ103、複合機105などネットワーク101に接続される各装置との予め決められたプロトコルによる通信を行っている。
【0076】
602はCPU(中央演算処理装置)で、ROM(リードオンリーメモリ)603に記憶された制御プログラムに基づいて複合機105の全体の制御を司っている。604はワークRAMで、各種の情報を格納するとともに、CPU602のワークエリアとしても機能する。605は専用画像コントローラ(ASIC)で、画像メモリ606へのレンダリング処理と、該レンダリングされた画像データや、スキャナ608及びスキャナI/F609を介して送られるスキャナ画像もしくは、FAXユニット612からの画像などを、画像メモリ606を経由させ、プリンタエンジン607への転送を制御する。
【0077】
レンダリング処理は、ページ記述言語で記述されたファイルに基づいて画像メモリ606にラスタイメージ画像を展開し、プリンタエンジン607からの同期信号615に基づいて展開画像をビデオバス614を介して転送する機能である。又、スキャナI/F609やFAXユニット612からの画像データを、メモリ606を介して転送する機能も有している。610はハードディスクであり、ワークRAM604及び画像メモリ606に対して補助的な役割を担う。611は操作部で、コピー状態や、印刷状態、設定された内容を確認するためのキーや表示機を備え、外部からの各種操作を行ったり、エラー情報等の各種情報を表示できるようになっている。612はFAXユニットであり、公衆回線に接続され、FAX通信が可能になっている。
【0078】
613はCPUバスで、該CPUバス613を介して接続される各デバイスとのアクセスをCPU602が制御している。なお、プリンタエンジン607は、インクジェットプリンタエンジンやレーザービームプリンタエンジン等で構成され、図示しないプリンタ部を駆動するもので、ビデオバス614を介してASIC605に接続され同期信号615を出力する。画像メモリ606は、ASIC606に接続され、ラスタイメージ画像が展開及びスキャナ画像やFAX画像が一時格納されるものである。又、その領域は、α、βと2つに分かれている。これは、2領域に限定するものではなく、複数領域に分かれていてもかまわない。
【0079】
(基本動作例)
次に、上記構成のシステム各部の動作を説明する。
【0080】
ユーザがスキャナ608上に原稿を置き操作部611のコピーボタンを押すと、CPU602は、CPUバス613を介してコピーボタンが押されたことを検知し、各ブロックに対し、コピー動作のための制御を開始する。CPU602はネットワークコントローラ601、ネットワーク101通じて、サーバ104に対してコピー動作の通知を発行する。複合機105からコピー動作通知を受け取ったサーバ104は、前述したように、例えば図3に示すプリンタテーブル30のJOBを、待機中から実行中とし、複写機固有の動作中であることを認識できる。
【0081】
又、CPU602は、直ちにコピー動作のための制御を開始する。CPU602は、ASIC605、プリンタエンジン607及びスキャナI/F609に対してコピー動作のためのコマンドを、CPUバス613を介して発行する。コマンドを受け取ったスキャナI/F609は、さらに通信線616を介しスキャン動作の指令を出す。指令を受けたスキャナ608は、図示しない光源より光を原稿に当て、図示しないセンサにより順次原稿を読み取り、データバス617を介して読み取ったデータを同期信号618に同期させながら、順次スキャナI/F609に転送していく。画像データを受け取ったスキャナI/F609は、階調補正等のプリンタエンジン607よりプリントするための適切な補正を行い、順次バス619を介して画像メモリ606に格納していく。同時にコマンドを受け取ったプリンタエンジン607は、同期信号615は発生し、またASIC605は、同期信号615に基づいて順次画像メモリ606に格納されるコピー画像を読み出し、バス614を介してプリンタエンジン607に転送し、コピー出力を得るようになっている。この時、画像メモリ606は独立に動くスキャナ608、及びプリンタエンジン607のタイミングを合わせるためのバッファメモリとして用いている。
【0082】
FAXを送信する場合は、操作部611により、送信先の電話番号を入力後、スタートボタンを押すことにより、CPU602はCPUバス613を介してFAXのスタートボタンが押されたことを検知し、各ブロックに対し、FAX動作のための制御を開始する。CPU602はネットワークコントローラ601、ネットワーク101通じて、サーバ104に対してFAX動作の通知を発行する。複合機105からFAX送信動作通知を受け取ったサーバ104は、前述したように、例えば図3に示すプリンタテーブル30のJOBを、待機中から実行中とし、複写機固有の動作中であることを認識できる。
【0083】
又、CPU602は、ASIC605及びスキャナI/F609に対してFAX動作のためのコマンドを、FAXユニット612に対しては、操作部611より読み取った送信先の電話番号及びコマンドを、CPUバス613を介して発行する。コマンドを受け取ったスキャナI/F609は、さらに通信線616を介しスキャン動作の指令を出す。指令を受けたスキャナ608は、図示しない光源より光を原稿に当て、図示しないセンサにより順次原稿を読み取り、データバス617を介して読み取ったデータを同期信号618に同期させながら、順次スキャナI/F609に転送していく。画像データを受け取ったスキャナI/F609は、順次バス619を介して画像メモリ606に格納していく。又、ASIC605は、内蔵のDMAコントローラにより順次画像メモリ606に格納されるスキャナ画像を読み出し、CPUバス613を介してFAXユニット612に転送し、FAXユニット612は規格に沿った画像圧縮を行い公衆回線107を介して送信するようになっている。この時、画像メモリ606は独立に動くスキャナ608、及びFAXユニット612へのDMAのタイミングを合わせるためのバッファメモリとして用いている。
【0084】
FAXが公衆回線107を介して受信された場合は、FAXユニット612はバス613を介してCPU602にFAX受信通知を発行する。FAX受信通知を受けたCPU602はネットワークコントローラ601、ネットワーク101通じて、サーバ104に対してFAX受信動作の通知を発行する。複合機105からFAX受信動作通知を受け取ったサーバ104は、前述したように、例えば図3に示すプリンタテーブル30のJOBを、待機中から実行中とし、複写機固有の動作中であることを認識できる。
【0085】
又、CPU602は、CPUバス613を介し、FAXユニット612、プリンタエンジン607、ASIC605にFAX動作のためのコマンドを発行する。FAXユニット612により受信された画像は、規格によって順次伸張され、ASIC605に内蔵されるDMAコントローラによりCPUバス613を介してFAXユニット612から順次画像メモリ606に転送される。同時に起動がかけられた、プリンタエンジン607から同期信号615が発生し、ASIC605は同期信号615によって順次画像メモリ606からFAX画像を読み出しプリント出力を得るようになっている。
【0086】
この時、上述したプリントシステムの負荷分散により、複合機105内のプリンタ部の一部、特にASIC605、画像メモリ606が実行中の場合は、FAX受信動作ができないため、CPU602は、プリンタ607に対して起動はかけずに、FAXユニット612に対し、受信した画像をハードディスク610に格納するように指示を出す。ハードディスク610に格納された画像は、システムのJOBが待機中の時間帯にユーザによって操作部より自由にプリントできるようになっている。もちろん別のプリンタ、例えば、プリンタ103を操作部にて指定して、ネットワーク101を介して転送し、プリントできるようになっている。上述したプリントシステムの負荷分散により、複合機105内のプリンタ部の一部、特にASIC605、画像メモリ606が実行中の場合は、コピー動作、FAX送受信ができないためCPU602は、操作部611の状態表示部を用い、プリントJOBの待ち状態をユーザに知らせるようになっている。
【0087】
しかしながら、分散処理のために、複合機独自の機能がしばしば阻害される場合には、複合機105の操作部611から、複合機105を分散処理をするネットワークグループからはずしたり、又、図5のステップS105において、システムの条件において分散処理方法を決定する際に用いる、優先順位を設定できるようになっている。
【0088】
尚、分散処理の指示の動作例、その手順のフローチャートは、プリンタ103と同様であるので、重複した説明はしない。
【0089】
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、又、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0090】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(本実施形態例では図5や図7に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。その場合、プログラムの機能を有していれば、形態は、プログラムである必要はない。
【0091】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明のクレームでは、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0092】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。又、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明のクレームに含まれるものである。
【0093】
又、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0094】
又、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0095】
更に、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0096】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のによれば、プリントシステムにおけるプリントジョブの負荷を分散することで、複雑なドキュメントでも、生産性を維持してプリントできるプリントシステム及びその資源の利用方法を提供できる。
【0097】
すなわち、本発明は、複数のプリンタもしくはそれらをコントロールするプリントサーバに、プリンタもしくは複合機の稼動状態及び動作仕様を検知する検知手段を設け、プリント指示を受けたプリントサーバ、ネットワークプリンタもしくは複合機は、前記検知手段によって得られる情報により、プリント指示待ちの別のネットワークプリンタもしくは複合機に対して、カラー色成分画像を描画展開する工程を分担する制御を行うことによって効率良くカラープリント出力を得られるプリントシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のプリントシステムの構成例を示す図である。
【図2】本実施の形態のプリントサーバの構造例を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態のプリントサーバが記憶するプリント時のテーブルの構成例を示す図である。
【図4】本実施の形態のプリントサーバが記憶する分散処理時のテーブルの構成例を示す図である。
【図5】本実施の形態のプリントサーバの処理手順を表すフローチャートである。
【図6】本実施の形態のプリンタの構造例を示すブロック図である。
【図7】本実施の形態のプリンタの処理手順を表すフローチャートである。
【図8】本実施の形態の複合機の構造例を示すブロック図である。
【発明の属する技術分野】
本発明はネットワークを介して接続されるプリンタシステムに関し、特にネットワークの内の複数のプリンタ間で、ジョブの負荷を分散し合い効率良くカラープリント出力を得るためのカラープリントシステム及びその資源の利用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ネットワーク化が進み、プリンタもローカルプリンタから、ネットワークの中に組み込まれて複数ユーザが1台のプリンタを共有できるようになり、利用者の利便性が改善されてきている。又、ネットワーク上に複数のプリンタを設置することで、あるユーザが通常利用しているプリンタが使用中であった場合などは、別の使用されていないプリンタを選んで印刷することで、生産性を増すことができるようになっている。
【0003】
上述したようなプリントシステムの場合、ユーザはプリント出力を得る際に、自らのパソコン上にてプリントしたいドキュメント及びプリンタを選び、プリントを指示する。ドキュメントは自動的にページ記述言語に変換され、ネットワークを介してプリンタに転送される。プリンタは、受け取ったページ記述言語から画像を描画展開し、プリント出力を得るようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プリントに要する時間は、ページ記述言語から画像を描画展開する時間によって大きく左右され、例えば、簡単なドキュメントは、画像を描画展開する時間があまりかからないため、直ちにプリント出力が得られるが、複雑なドキュメントは、画像を描画展開する時間がかかり、生産性が悪くなっていた。特にカラー画像は、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック等4面を描画展開する必要があり、さらに時間がかかってしまっていた。
【0005】
本発明の目的は、上記の問題点を解決するためになされたもので、プリントシステムにおけるプリントジョブの負荷を分散することで、複雑なドキュメントまたは、カラーのドキュメントでも、生産性を維持してプリントできるプリントシステム及びその資源の利用方法を提供することにある。
【0006】
すなわち、プリント指示を受けたカラープリンタもしくはプリントサーバが、ネットワーク上のプリント指示待ち、すなわちプリントJOBを実行していないプリンタを探し出して、最も時間がかかる工程、例えば画像を描画展開する工程、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック等4面を描画展開する工程を、上記待ち状態のプリンタと分担することで、生産性を維持してプリントできるカラープリントシステムを提供する。特に、プリント指示待ちの複数の白黒プリンタに対しても、カラー画像を構成する各色成分マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック等を、各色成分毎に分担させることで、生産性を維持してプリントできるカラープリントシステムを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明のプリントシステムは、ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータから送られる画像データをプリント出力するカラープリントシステムにおいて、ネットワークに接続されたプリンタの稼動状態及び動作仕様を検知する検知手段と、プリント指示を受けたプリントサーバもしくはカラープリンタが、前記プリント指示と前記検知手段により得られる情報とに基づいて、プリント指示待ちの他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させるように制御するプリントシステム制御手段とを有することを特徴とする。特に、プリント指示待ちの複数の白黒プリンタに対しても、カラー画像を構成する各色成分マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック等を、各色成分毎に分担させることを特徴とする。
【0008】
ここで、前記プリントシステム制御手段は、前記プリント指示の負荷が所定の基準値より大きい場合に、他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させる。また、前記プリントシステム制御手段は、ネットワークに接続されたプリンタの描画展開の能力に応じて画像を描画展開する処理を分担させる。また、画像を描画展開する処理の分担を許可するか否か、あるいは処理分担の優先順位を設定する設定手段を更に有する。また、プリントサーバが前記プリントシステム制御手段を有する。また、プリンタあるいは複合機が前記プリントシステム制御手段を有する。また、クライアントコンピュータが前記プリントシステム制御手段を有する。
【0009】
又、本発明のプリントサーバは、ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータから送られる画像データをプリント出力するプリントシステムに接続されるプリントサーバであって、ネットワークに接続されたプリンタの稼動状態及び動作仕様を検知する検知手段と、プリント指示を受けたプリントサーバもしくはプリンタが、前記プリント指示と前記検知手段により得られる情報とに基づいて、プリント指示待ちの他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させるように制御するプリントシステム制御手段とを有することを特徴とする。ここで、前記プリントシステム制御手段は、前記プリント指示の負荷が所定の基準値より大きい場合に、他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させる。また、前記プリントシステム制御手段は、ネットワークに接続されたプリンタの描画展開の能力に応じて画像を描画展開する処理を分担させる。また、画像を描画展開する処理の分担を許可するか否か、あるいは処理分担の優先順位を設定する設定手段を更に有する。
【0010】
又、本発明のプリンタは、ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータから送られる画像データをプリント出力するプリントシステムに接続されるプリンタであって、ネットワークに接続されたプリンタの稼動状態及び動作仕様を検知する検知手段と、プリント指示を受けたプリントサーバもしくはプリンタが、前記プリント指示と前記検知手段により得られる情報とに基づいて、プリント指示待ちの他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させるように制御するプリントシステム制御手段とを有することを特徴とする。ここで、前記プリントシステム制御手段は、前記プリント指示の負荷が所定の基準値より大きい場合に、他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させる。また、前記プリントシステム制御手段は、ネットワークに接続されたプリンタの描画展開の能力に応じて画像を描画展開する処理を分担させる。また、画像を描画展開する処理の分担を許可するか否か、あるいは処理分担の優先順位を設定する設定手段を更に有する。
【0011】
又、本発明のネットワークコンピュータは、ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータから送られる画像データをプリント出力するプリントシステムに接続されるネットワークコンピュータであって、ネットワークに接続されたプリンタの稼動状態及び動作仕様を検知する検知手段と、プリント指示を受けたプリントサーバもしくはプリンタが、前記プリント指示と前記検知手段により得られる情報とに基づいて、プリント指示待ちの他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させるように制御するプリントシステム制御手段とを有することを特徴とする。ここで、前記プリントシステム制御手段は、前記プリント指示の負荷が所定の基準値より大きい場合に、他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させる。また、前記プリントシステム制御手段は、ネットワークに接続されたプリンタの描画展開の能力に応じて画像を描画展開する処理を分担させる。また、画像を描画展開する処理の分担を許可するか否か、あるいは処理分担の優先順位を設定する設定手段を更に有する。
【0012】
又、本発明の資源の利用方法は、ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータから送られる画像データをプリント出力するプリントシステムにおける資源の利用方法であって、ネットワークに接続されたプリンタの稼動状態及び動作仕様を検知し、プリント指示を受けたプリントサーバもしくはプリンタが、前記プリント指示と前記検知された情報とに基づいて、プリント指示待ちの他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させるように制御することを特徴とする。ここで、前記分担の制御では、前記プリント指示の負荷が所定の基準値より大きい場合に、他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させる。また、前記分担の制御では、ネットワークに接続されたプリンタの描画展開の能力に応じて画像を描画展開する処理を分担させる。また、画像を描画展開する処理の分担を許可するか否か、あるいは処理分担の優先順位を設定する工程を更に有する。
【0013】
又、本発明のプリント制御プログラムは、ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータから送られる画像データをプリント出力するプリント制御プログラムであって、ネットワークに接続されたプリンタの稼動状態及び動作仕様を検知して管理する管理モジュールと、プリント指示を受けたプリントサーバもしくはプリンタが、前記プリント指示と前記検知された情報とに基づいて、プリント指示待ちの他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させるように制御する制御モジュールとを含むことを特徴とする。ここで、前記制御モジュールは、前記プリント指示の負荷が所定の基準値より大きい場合に、他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させる。また、前記制御モジュールは、ネットワークに接続されたプリンタの描画展開の能力に応じて画像を描画展開する処理を分担させる。また、画像を描画展開する処理の分担を許可するか否か、あるいは処理分担の優先順位を設定する設定モジュールを更に含む。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
<本実施の形態のプリントシステムの構成例>
図1は本発明の実施の形態におけるプリントシステムの全体構成を示す概略ブロック図である。
【0016】
同図において、101は、プリントシステムの各々の装置を接続するローカルエリアネットワークであり、プリントサーバ104を中心として、予め決められたプロトコルによって各装置間の通信及び制御を行っている。102はクライアントコンピュータであり、ユーザによって書類の作成、編集及びデータ処理を行うコンピュータである。103はカラープリンタであり、プリントサーバ104の制御のもとで、クライアントコンピュータ102から送られるプリントデータをプリントするカラープリンタである。
【0017】
105は、複写機の機能を中心とした、FAX、ネットワークプリンタなどの機能を備えた複合機である。107は公衆電話回線であり、複合機105はFAXの送受信をこの回線を介して行っている。又、複合機105は、カラープリンタ103と同様に、プリントサーバ104の制御のもとで、クライアントコンピュータ102から送られるプリントデータをプリントすることもできるようになっている。もちろん単独で複写機として用いることもできる。
【0018】
106、108は白黒プリンタであり、ネットワーク101に接続され、プリントサーバ104の制御のもとプリント出力ができるようになっている。
【0019】
クライアントコンピュータ102にて編集、作成されたドキュメントは、ユーザが希望すると、アプリケーションソフトウェア及びプリンタドライバソフトウェア等により、ユーザが選択した共有プリンタ、即ちカラープリンタ103、白黒プリンタ106、108又は複合機105のいずれかに対するプリントファイルが作成され、対応するプリンタに転送される。この時、各クライアントコンピュータに搭載されるアプリケーションソフトウェア及びプリンタドライバにより、作成されたドキュメントは選択されたプリンタが受け付けるページ記述言語に変換され、プリントファイルとして転送される。これらの操作は、クライアントコンピュータ102にてドキュメントの作成、編集に使用しているアプリケーションソフトやプリンタドライバのユーザインターフェースによって、ユーザが容易に設定、出力指示できるようになっている。
【0020】
プリンタに転送されるプリントファイルは、一時、プリントサーバ104に貯えられた後、選択されたプリンタに転送される。プリントサーバ104は、クライアントコンピュータ102又は106から送られるプリントファイルを、指定されたプリンタ毎に整理してJOBとして管理し、各プリンタの制御を集中して行っている。
【0021】
例えば、クライアントコンピュータ側に多量のプリントファイルがあった場合でも、プリントサーバ104がプリントファイルを連続して順次受けられるようにすることで、クライアントコンピュータ側は個々のプリントJOBの終了を待つことなくそれぞれ自身のプリントJOBから開放され、あとはプリントサーバ104に処理させることによって次の作業に移る事ができ、クライアントコンピュータ側の生産性を高める工夫がされている。
【0022】
更に、本実施の形態のプリントサーバ104は、常にネットワーク101を介して、ネットワーク上のクライアントコンピュータや、プリンタの稼動状況、JOBの状況を監視確認し、システム全体の動作制御を行っている。これは、例えばクライアントコンピュータ102からカラープリンタ103が選択されプリント出力を行う場合、プリントサーバ104は、他のプリンタ106、108または複合機105の稼動状態、JOBの状況又、パフォーマンスを検知、把握することにより、カラープリンタ103へのJOBの一部すなわち、最も時間のかかる工程、すなわち送られたプリントファイルからの画像を描画展開する工程を他の白黒プリンタ106、108または、複合機105に分担させることにより、JOBの負荷分散を行って、より生産性を高めることを行っている。特に、出力画像がカラーだった場合、各色成分、例えばマゼンタ、シアン、イエロー、ブラック等を、他の白黒プリンタに描画展開させることにより負荷分散を行うことによって効率を高めている。例えば、マゼンタの描画展開は、複合機105に、またシアンの描画展開は白黒プリンタ106、イエローの描画展開は白黒プリンタ108、ブラックはカラープリンタ103自信が行うようし、負荷分散するようになっている。また例えば、各色成分のなかで、最も描画展開が重たいものについては、システムのなかで最もパフォーマンスの高いものに分散させるような工夫もされている。
【0023】
尚、図1では、クライアントコンピュータ102と、プリントサーバ104、カラープリンタ103、複合機105、白黒プリンタ106、107からなるシステム例を示したが、これらの台数には何ら制限はない。又、プリントサーバ104を介さなくてもカラープリンタ103、複合機105、白黒プリンタ106、107自身が、それぞれの稼動状態及びJOBの状況を検知し、お互いのJOBを分担するように分散管理してもよい。又、クライアントコンピュータやその他のローカルエリアネットワーク101に接続された装置により分散あるいは集中管理されてもよい。
【0024】
<プリントサーバ104の構成及び動作例>
(ブロック構成例)
図2は、プリントサーバ104の内部構成を説明するための概略ブロック図である。尚、上記説明のように、資源管理がカラープリンタ103、複合機105、白黒プリンタ106、108自身よる場合や、クライアントコンピュータ102による場合は、これらの装置内に以下に示すようなデータが用意されて、同様の制御が実施されることで達成される。
【0025】
201はネットワークI/Fであり、クライアントコンピュータ102、プリンタ103、複合機105、白黒プリンタ106、108などネットワーク101に接続される各装置との予め決められたプロトコルによる通信を行っている。ネットワークI/F201上には、図示はしないが、専用のネットワークコントローラICとCPU、コントロールプログラムが書かれたROM及びワークRAMが搭載されており、それらによりプロトコルがコントロールされ、より高速な通信が可能となっている。
【0026】
202はプリントサーバ104をコントロールするCPU、204は各クライアントコンピュータ102から送られるプリントファイルや、ネットワーク101に接続される各装置の稼動状況、JOBの状況また分散処理の結果得られる画像ファイル等を一時格納するハードディスク、205はワークRAM及び制御プログラムが書かれたROMであり、これらブロック201〜201はそれぞれローカルバス203にて相互接続されている。
【0027】
プリントサーバ104は、各クライアントコンピュータからネットワーク101に送られる各プリントファイルを、指定の出力先毎、すなわちカラープリンタ103、複合機105、白黒プリンタ106、108毎に整理分別し、ハードディスク204に順次格納していく。そして、カラープリンタ103又は複合機105、白黒プリンタ106、108がプリント可能になり次第、順次ハードディスク204に格納したプリントファイルを所望のプリンタ103又は複合機105、白黒プリンタ106、108に転送するようになっている。
【0028】
又、プリントサーバ104は、システム全体に接続されるプリンタの種類、例えば、そのプリンタが扱うページ記述言語の種類、そしてそのパフォーマンス、また稼動状況、JOB状況の監視、確認の作業も行っている。
【0029】
例えば、今まで稼動していなかったカラープリンタ103に対してユーザが電源を入れると、そのパワーオンシーケンスの中で、カラープリンタ103は、プリントサーバ104に対して稼動中いう通知と共に、自らの画像の描画展開性能、また自らが扱うページ記述言語、例えば、ポストスクリプト言語、LIPS言語等の情報もネットワーク101を介し送ってくるよう設計されている。
【0030】
又、逆に電源を切ると、そのパワーダウンシーケンスの中で、電源が切れる前に稼動停止という通知を送ってくるようになっている。これらパワーダウンシーケンス及びパワーダウンシーケンスにおける通知機能は、ネットワーク101に接続されるすべての装置に適応され、予めそれぞれの装置のプログラムに組み込まれている。
【0031】
これらの通知は、上述したパワーオンシーケンスやパワーダウンシーケンスだけでなく、必要ならば随時通知できるようになっている。もちろん、これら通知を行う場合には、ネットワーク機器のネットワークアドレス等、プリントサーバ104が通知元を特定可能な情報を含めて通知することは言うまでもない。
【0032】
(管理情報例)
上記のように各装置から通知されるデータを基に、プリントサーバ104は、図3の上段に示すようなプリンタテーブル30を作成し、ネットワーク101に接続されるプリンタ及び複合機の管理、確認の作業を行っている。このプリンタテーブル30の作成は、ネットワーク上の各プリンタがパワーオンシーケンス時にデータを送付し作成されるが、プリントサーバ104から各プリンタ及び各複合機へ情報の要求を出すことによっても作成できるようになっている。
【0033】
図3の上段に示す様に、システムに接続されているプリント機能を有する機器について、カラープリンタ103については行31、複合機105については行32のように記憶されている。例えば、本実施の形態のシステムでは、カラープリンタ103は稼動中であり、ページ記述言語はLIPS言語に対応している。例えば、ポストスクリプト言語に対応しているならば、PSとなる。パフォーマンスは、受け取ったプリントファイルすなわち、ページ記述言語から、画像を描画展開する能力を示し、各プリンタもしくは複合機に搭載されるプリンタコントローラの性能を表す。例えば、そのプリンタが搭載するCPUの種類やメモリの容量などから数値化して表している。例えば本実施の形態では、パフォーマンスが高いほうが大きい数字になっている。カラープリンタ103が4、複合機105が16となり、複合機105の方が、カラープリンタ103の4倍のパフォーマンスを持っていることを示している。尚、図3のプリンタテーブル30の内容は本例に限定されない。例えば、言語やパフォーマンス以外のプリント機能(例えばフォント形式など)が記憶されて、分散の判断に使用されてもよいし、パフォーマンスの値もクロック速度やメモリ容量、描画展開方式などから、JOBの内容を考慮して算出されてもよい。
【0034】
JOBは、プリントサーバ104が各プリンタもしくは複合機にプリントファイルを転送すると同時に、実行中に書き換えられる。各プリンタもしくは複合機は、JOBの実行を終了すると終了通知をプリントサーバ104に転送し、終了通知を受け取ったプリントサーバ104は、待機中に書き換え、JOBの終了を検知出来るようになっている。また複合機105に固有の動作、例えばコピー動作などの場合は、複合機105から通知を受け、JOBの実行中としてサーバ104が認識できるようになっている。
【0035】
例えば、クライアントコンピュータ102にて編集、作成されたドキュメントは、ユーザにより、出力したいプリンタ、例えば、カラープリンタ103が選択され、ドキュメントはアプリケーションソフトもしくはプリンタドライバによって自動的にカラープリンタ103に一致したページ記述言語に変換され、カラープリンタ103に転送される。例えば本実施の形態ではLIPS言語に変換される。
【0036】
この場合に、図3の下段のカラープリンタ103のJOBテーブル50に、行51のように、例えばJOB−No.と、このJOBを指示したクライアントのシステムID(本例では102)、プリントするページ数、JOBの現状(プリント中/待機中)などが記憶される。尚、本例では簡単のためにページ数とパフォーマンスを分散処理の基準として説明するが、JOBテーブル50の内容は本例に限定されず、分散処理の実行を何を基準に判断するかによって変更や追加がされる。プリントデータ(ファイル)60が各JOBに対応して記憶される。
【0037】
プリンタに転送されるプリントファイルは、一時、プリントサーバ104に貯えられ後、選択されたカラープリンタ103に転送される。この時、プリントサーバ104は、送られたプリントファイルの内容及び選択されたプリンタのパフォーマンスからプリント時間を予想する。例えば、複雑なプリントデータで大量にプリントする場合には、終了までに多くの時間を要する。これは、プリントに要する時間は、ページ記述言語から画像を描画展開する時間によって大きく左右されるためである。
【0038】
プリントサーバ104は、ある与えられた評価値より長く時間がかかる場合には、JOBを分散すべく制御を行うようになっている。ここで、ある評価値とは、JOBを分散することによって、効率が上がる場合のスレッショルド値であり、この値は、システム管理者が任意に設定できるようになっている。又、システム全体の稼動率に応じて自動的に計算するようにしてもよい。例えば、値評価を小さくすると分散処理を行う確率が高くなり、結果的にネットワーク101の使用率が上がり、プリント以外の処理やクライアントコンピュータ102の通信例えばファイル転送やメイルの転送等が阻害されやすくなり、値評価を大きくすると分散処理を行う確率が低くなり、プリントのJOBのパフォーマンスは低くなるが、プリント以外の処理は阻害されにくくなる。システム管理者は、システムの動作に最適な値を設定している。
【0039】
プリントサーバ104は、JOBを分散すべく、ネットワークに接続されるプリンタの検索を図3に示すテーブル30を参照し行う。この時の条件は、稼動中であり、同じページ記述言語を扱い、待機中であるプリンタもしくは複合機を抽出する。
【0040】
例えば、条件に合致した複合機105、および白黒プリンタ106、108が抽出されると、そのパフォーマンス及びネットワークの状況からJOBの分散方法を決定し、カラープリンタ103及び複合機105、白黒プリンタ106、108に通知する。例えば、カラー画像の場合は、各色成分、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックをシステムの中の他の白黒プリンタに描画展開を負荷分散し、また、そのカラー画像においての最も描画展開が重たい色成分を、最もパフォーマンスの高い白黒プリンタ、例えば複合機105に負荷分散するようになっている。
【0041】
また例えば、白黒画像の場合は、プリントファイルの5ページのうち1ページは、カラープリンタ103に、残り4ページは複合機105にJOBを分散転送し、プリンタ105にて画像を描画展開する。例えばこれは、得られるパフォーマンス情報から、複合機105は、プリンタ103に比べて約4倍パフォーマンスが高いと判断され、プリンタ103にて画像1ページを描画展開処理する時間に、複合機105は4ページを描画展開処理できることから最も効率の良い分散方法を決定したものである。また後述するが、分散方法の決定に際しては、ユーザにより優先順位をつけたり、分散処理を行うネットワークグループからはずしたりすることができるようになっている。
【0042】
例えば、カラー画像を負荷分散する処理を示すと、図3の中段に示す複合機105のJOBテーブル40には、待機中のJOBが無いので(例えばJOB−No.が0)、複合機105へ、例えば最も重い色成分マゼンタの描画展開処理が決定され、図4のように、複合機105のJOBテーブル40の行41に、分散指示されたJOBが分散元のJOBとの関連を保持して記憶される。
【0043】
複合機105にて描画展開が終了した色成分画像は、もちろんそのまま複合機105にてプリント出力を得るのではなく、プリントサーバ104に返送されるようになっている。
【0044】
この時、ネットワーク101の状況、すなわち、他の装置によるネットワークの占有状態によって、圧縮するか、そのままプリントサーバ104に返送されるかが決定される。すなわち、ネットワーク101の占有状態よって、描画展開した色成分画像ファイルの転送に時間が掛かる場合があり、例えば圧縮することによってデータを縮小し、転送時間を小さくする工夫がされている。
【0045】
そのままプリントサーバ104に返送された画像ファイルはカラープリンタ103に転送され、圧縮されていれば直ちに伸張され他の色成分とともにプリント出力を得られるようになっている。このように、待機中の複合機に対してカラー画像の色成分毎にJOBの分散を行うことにより、カラープリンタ103のみでの描画展開に比較して描画展開の速度の効率が上がるため、普通にプリントする場合より生産性を上げることができる。
【0046】
JOBの分散方法は、例えば、描画展開工程そのものを分散するだけでなく、描画展開の工程の中で、後述するが、ページ記述言語から、各プリンタもしくは複合機のコントローラの画像展開制御に都合の良い中間言語までの変換処理の分散でもよい。システムを構築するネットワークや、それに接続されるプリンタや複合機など諸条件によって、最も効率の良い方法を選択できるような分散方法が考えられる。
【0047】
(処理フローチャート例)
上述した処理を説明する簡潔なフローチャートを、図5に示す。
【0048】
ステップS101は、送られたプリントファイルからプリント時間を予測し、分散処理をした方が効率的か否かの評価を行う。本実施の形態では、予め与えられるある評価値と比較して分散処理を行うか決定する。分散処理を行わない場合は、ステップS102にて選択されたプリンタのみで処理を続行する。
【0049】
分散処理を行う場合には、ステップS103にてネットワーク101に接続されるプリンタの検索を行う。本実施の形態では、予め作成されている図3に示すプリンタテーブル30より検索する。ステップS104にて検索の結果、分散処理を実行できる条件に一致したプリンタがない場合は、ステップS102にて選択されたプリンタで処理を続行する。分散処理を実行できる条件に一致したプリンタがある場合には、ステップS105にてシステムの条件によって分散処理方法を決定する。本実施の形態では、上述したようにプリンタのパフォーマンスによって分散処理方法を決定し、分散処理を開始するようになっている。また後述するが、分散方法の決定に際しては、ユーザにより優先順位をつけたり、分散処理を行うネットワークグロープからはずしたりすることができるようになっている。
【0050】
(サーバ処理の課金例)
本実施の形態におけるネットワークプリントシステム及びネットワークに接続される機器を、ユーザ以外の第三者すなわち専門業者が管理する場合には、業者がユーザに課すメンテナンス費用は、ステップS101における評価値と、ステップS105における分散処理方法によって課金するようになっている。これは、ステップS101における評価値は、ネットワーク101の回線利用率に関係し、ステップS105における分散処理方法は、例えば本実施の形態では、プリンタのパフォーマンスによって分散処理方法を決定するため、パフォーマンスの高いプリンタほど、印刷はしないがプリンタ内部のコントローラの利用率が高くなるためである。例えばこれらの利用率を計算しそれに応じて、基本料金を増加させるのも有効である。
【0051】
<カラープリンタ103および白黒プリンタ106、108の構成及び動作例>
(ブロック構成例)
図6にカラープリンタ103および白黒プリンタ106、108の内部構成の概略ブロック図を示す。このとき、プリンタエンジン507がカラープリンタエンジンの場合にカラープリンタとなり、白黒エンジンの場合に白黒プリンタとなる。以下の説明は、カラープリンタとしての動作の説明を行う。白黒プリンタは、カラー特有の色成分例えば、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの4成分が、1成分、例えばブラックのみとなった場合に等しいので、詳細な動作の説明は、省略する。
【0052】
501はネットワークI/Fであり、クライアントコンピュータ102、カラープリンタ103、白黒プリンタ106、108、複合機105、及びプリントサーバ104などネットワーク101に接続される各装置との、予め決められたプロトコルによる通信を行っている。502はCPU(中央演算処理装置)で、ROM(リードオンリーメモリ)503に記憶された制御プログラムに基づいてプリンタ103の全体の制御を司っている。504はワークRAMで、図示しないオプションRAMによりその容量を拡張可能に構成されている。ワークRAM504は、各種の情報を格納するとともに、CPU502のワークエリアとしても機能する。
【0053】
505は専用画像コントローラ(ASIC)で、画像メモリ506への各色成分のレンダリング処理と、該レンダリングされた画像データのカラープリンタエンジン507への転送を制御する。具体的には、ページ記述言語で記述されたファイルに基づいて画像メモリ506に色成分毎のラスタイメージ画像を展開し、カラープリンタエンジン507からの同期信号508に基づいて展開画像を転送する機能を有している。この時、各色成分毎、例えばマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの合計4回の転送を行い、1カラー画像を形成するようになっている。510はハードディスクであり、ワークRAM504及び画像メモリ506に格納されるデータの一時待避等に用いられ、補助的な役割に用いられる。511は操作部で、印刷状態や設定された内容を確認するためのキーや表示機を備え、外部からの各種操作を行ったり、エラー情報等の各種情報を表示できるようになっている。
【0054】
512はCPUバスで、該CPUバス512を介して接続される各デバイスとのアクセスをCPU502が制御している。なお、カラープリンタエンジン507は、インクジェットプリンタエンジンやレーザービームプリンタエンジン等で構成され、図示しないプリンタ部を駆動するもので、ビデオバス509を介してASIC505に接続され同期信号508を出力する。画像メモリ506は、ASIC506に接続され各色成分毎のラスタイメージ画像が展開されるものである。またその領域は、αとβとの2つの領域に分かれている。これは、2領域に限定するものではなく、複数領域に分かれていてもかまわない。
【0055】
(基本動作例)
次に、上記構成のシステム各部の動作を説明する。
【0056】
クライアントコンピュータ102よりプリントを指示され、プリントサーバ104経由で送付されたページ記述言語、例えばLIPS、PSによって記述されたページ記述言語データのプリントファイルは、ネットワークコントローラ501により受け取られ、CPU502を介しワークRAM504上に確保される、例えば受信バッファ等に一時格納される。CPU502はワークRAM504に一時格納してあるページ記述言語データを参照し、ASIC505が利用できる中間言語データに変換し、再びワークRAM504に順次格納していく。
【0057】
CPU502は、上記中間言語データへの変換処理がある程度進むと、ASIC505に対して画像展開開始のコマンドを送り、ASIC505はワークRAM504に格納されている中間言語データを参照しながら高速に画像メモリ506のα側領域へ最初に現像される色成分、例えばマゼンタのラスタイメージ画像の展開処理(レンダリング処理)を行う。又、CPU502は、同時に引き続き中間言語データへの変換処理を行い、ワークRAM504に格納していく。このとき、CPU502とASIC505が、バス512を介して同時にワークRAM504へのアクセスが発生しないように、ASIC505に内蔵しているバス512獲得のための調停回路(アービトレーション回路)によって調停を行っている。
【0058】
CPU502は、ASIC505からの画像メモリ506のα領域への画像データの展開終了の割り込みを受けると、プリンタエンジン507に対して最初の色成分例えばマゼンタの現像のための起動コマンドを送り、カラープリンタエンジン507に起動をかける。これと同時にCPU502は、ASIC505にコマンドを送ってメモリ506のα領域をビデオ出力モードとして、プリンタエンジン507からの同期信号508を待機する状態となる。このようにしてカラープリンタエンジン507が起動すると、図示はしないが、印刷用紙が給紙され、水平同期信号、垂直同期信号(以下まとめて同期信号508と記述する)が発生してASIC505に送られ、ASIC505に同期信号508が入力されると、画像メモリ506のα領域に展開されている色成分例えばマゼンタの画像データを、ビデオバス509を介し順次カラープリンタエンジン507に転送するようになっている。
【0059】
このとき同時にCPU502、ASIC505は、前述した上記中間言語データへの変換処理とRAM504の格納されている中間言語データを参照しながら、高速に画像メモリ506のβ側領域へ続けて色成分のラスタイメージ画像の展開処理(レンダリング処理)が続けられており、α側領域のプリンタエンジン507への転送が終了すると、β側領域に切り換わり、β側領域に展開された色成分画像のカラープリンタエンジン507への転送が続けられる。
【0060】
プリンタエンジン507への転送と、画像メモリ506へのラスタイメージ画像の展開を、α、β交互に行うことによって、ラスタイメージ画像の展開とプリントを同時に行い、プリントスピードを上げることによってより生産性を高める工夫がされている。
【0061】
各色成分マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの順番に上述した処理を4回くり返し、カラー画像を形成するようになっている。
【0062】
白黒プリンタ106、108についても、カラープリンタ103と基本構成、基本動作は、ほぼ同じで、画像の展開が色成分ではなく白黒画像となり、プリンタエンジンも白黒エンジンとなり現像は一回となる。
【0063】
(分散処理例)
以下に、カラー画像の分散処理をネットワーク101に接続される白黒プリンタ106、108に指示された場合を説明する。図6を白黒プリンタの説明図として用いる。
【0064】
クライアントコンピュータ102よりプリントを指示され、プリントサーバ104経由で分散処理の指示コマンドともに送付されたページ記述言語データのカラー画像ファイルは、ネットワークコントローラ501により受け取られ、CPU502を介しワークRAM504上に確保される。CPU502はワークRAM504に一時格納してあるページ記述言語データを参照し、ASIC505が利用できる中間言語データに変換し、再びワークRAM504に順次格納していく。分散処理として指示されている場合は、分散処理条件によって中間言語データに変換した時点で、再びプリントサーバ104へRAM504に格納されている中間言語データを返送するようになっている。
【0065】
CPU502は、上記中間言語データへの変換処理がある程度進むと、ASIC505に対して画像展開開始のコマンドを送り、ASIC505はワークRAM504の格納されている中間言語データを参照しながら、高速に画像メモリ506のα側領域へラスタイメージ画像の展開処理(レンダリング処理)を行う。この時、あらかじめ、展開するカラー画像の色成分はサーバ104から指事を受けており、必要な色成分のみ、例えばマゼンタの展開処理を行うようになっている。又、CPU502は、引き続き中間言語データへの変換処理を行い、ワークRAM504に格納していく。このとき、CPU502とASIC505が、バス512を介して同時にワークRAM504へのアクセスが発生しないように、ASIC505内のバス512獲得のための調停回路(アービトレーション回路)によって調停を行っている。
【0066】
CPU502は、ASIC505からの画像メモリ506のα領域への色成分画像データの展開終了の割り込みを受けると、ASIC505に内蔵しているDMAコントロール回路に対して起動コマンドを送り、ネットワークコントローラ501へ画像メモリ506のα領域への色成分画像データを転送するように指示を送る。DMAコントロール回路は、メモリ506のα領域から画像データを読み取り、調停回路(アービトレーション回路)の調停によって順次CPUバス512を獲得し、介してネットワークコントローラ501に転送する。
【0067】
このとき同時にCPU502及びASIC505は、前述した、上記中間言語データへの変換処理とRAM504の格納されている中間言語データを参照しながら、高速に画像メモリ506のβ側領域へラスタイメージ画像の展開処理(レンダリング処理)が続けられており、α側領域のネットワークコントローラ501への転送が終了すると、β側領域に切り換わり、β側領域に展開された画像のネットワークコントローラ501への転送が続けられる。
【0068】
このように、分散処理として指示されている場合は、色成分画像データの展開終了の割り込みを受けると、ネットワークコントローラ501を介して、再びプリントサーバ104へ画像メモリ506に格納されている展開画像データを順次返送するようになっている。又、上述したように、場合によっては、画像圧縮してデータを小さくし、送り返すこともできるようになっている。
【0069】
(処理フローチャート例)
図7に、上記プリンタ103の処理手順のフローチャートを示す。
【0070】
ステップS201では、プリントサーバ104からの指示を待つ。プリントサーバ104からの指示があると、ステップS202で、その指示からプリントの指示か、他の機器でのプリントのための分散描画展開処理の指示かを判断する。
【0071】
プリント指示であれば、ステップS203でそのプリント指示に添付されたデータが、描画展開の必要なデータか、既に他の機器で描画展開処理が終了したデータかが、判断される。描画展開が必要であれば、ステップS204で受信データに基づく描画展開が実行される。ステップS204で描画展開されたデータ、あるいは他の機器で描画展開されたデータは、ステップS205でプリントされる。
【0072】
一方、分散処理の指示であれば、ステップS206に進んで受信データの描画展開を行い、ステップS207で描画展開されたデータがプリントサーバ104に返送される。
【0073】
尚、図7には、圧縮などの処理は示していない。又、実際には、分散処理中に優先的なプリント処理の指示があった場合などに、処理の一時中断や、プリントサーバへの変更通知、処理の順序の変更などを行なうのが好ましいが、図7には煩雑さを避けるために示されていない。
【0074】
<複合機105の構成及び動作例>
(ブロック構成例)
図8に、複合機105の内部構成の概略ブロック図を示す。
【0075】
601はネットワークI/Fであり、クライアントコンピュータ102及び106、プリンタ103、複合機105などネットワーク101に接続される各装置との予め決められたプロトコルによる通信を行っている。
【0076】
602はCPU(中央演算処理装置)で、ROM(リードオンリーメモリ)603に記憶された制御プログラムに基づいて複合機105の全体の制御を司っている。604はワークRAMで、各種の情報を格納するとともに、CPU602のワークエリアとしても機能する。605は専用画像コントローラ(ASIC)で、画像メモリ606へのレンダリング処理と、該レンダリングされた画像データや、スキャナ608及びスキャナI/F609を介して送られるスキャナ画像もしくは、FAXユニット612からの画像などを、画像メモリ606を経由させ、プリンタエンジン607への転送を制御する。
【0077】
レンダリング処理は、ページ記述言語で記述されたファイルに基づいて画像メモリ606にラスタイメージ画像を展開し、プリンタエンジン607からの同期信号615に基づいて展開画像をビデオバス614を介して転送する機能である。又、スキャナI/F609やFAXユニット612からの画像データを、メモリ606を介して転送する機能も有している。610はハードディスクであり、ワークRAM604及び画像メモリ606に対して補助的な役割を担う。611は操作部で、コピー状態や、印刷状態、設定された内容を確認するためのキーや表示機を備え、外部からの各種操作を行ったり、エラー情報等の各種情報を表示できるようになっている。612はFAXユニットであり、公衆回線に接続され、FAX通信が可能になっている。
【0078】
613はCPUバスで、該CPUバス613を介して接続される各デバイスとのアクセスをCPU602が制御している。なお、プリンタエンジン607は、インクジェットプリンタエンジンやレーザービームプリンタエンジン等で構成され、図示しないプリンタ部を駆動するもので、ビデオバス614を介してASIC605に接続され同期信号615を出力する。画像メモリ606は、ASIC606に接続され、ラスタイメージ画像が展開及びスキャナ画像やFAX画像が一時格納されるものである。又、その領域は、α、βと2つに分かれている。これは、2領域に限定するものではなく、複数領域に分かれていてもかまわない。
【0079】
(基本動作例)
次に、上記構成のシステム各部の動作を説明する。
【0080】
ユーザがスキャナ608上に原稿を置き操作部611のコピーボタンを押すと、CPU602は、CPUバス613を介してコピーボタンが押されたことを検知し、各ブロックに対し、コピー動作のための制御を開始する。CPU602はネットワークコントローラ601、ネットワーク101通じて、サーバ104に対してコピー動作の通知を発行する。複合機105からコピー動作通知を受け取ったサーバ104は、前述したように、例えば図3に示すプリンタテーブル30のJOBを、待機中から実行中とし、複写機固有の動作中であることを認識できる。
【0081】
又、CPU602は、直ちにコピー動作のための制御を開始する。CPU602は、ASIC605、プリンタエンジン607及びスキャナI/F609に対してコピー動作のためのコマンドを、CPUバス613を介して発行する。コマンドを受け取ったスキャナI/F609は、さらに通信線616を介しスキャン動作の指令を出す。指令を受けたスキャナ608は、図示しない光源より光を原稿に当て、図示しないセンサにより順次原稿を読み取り、データバス617を介して読み取ったデータを同期信号618に同期させながら、順次スキャナI/F609に転送していく。画像データを受け取ったスキャナI/F609は、階調補正等のプリンタエンジン607よりプリントするための適切な補正を行い、順次バス619を介して画像メモリ606に格納していく。同時にコマンドを受け取ったプリンタエンジン607は、同期信号615は発生し、またASIC605は、同期信号615に基づいて順次画像メモリ606に格納されるコピー画像を読み出し、バス614を介してプリンタエンジン607に転送し、コピー出力を得るようになっている。この時、画像メモリ606は独立に動くスキャナ608、及びプリンタエンジン607のタイミングを合わせるためのバッファメモリとして用いている。
【0082】
FAXを送信する場合は、操作部611により、送信先の電話番号を入力後、スタートボタンを押すことにより、CPU602はCPUバス613を介してFAXのスタートボタンが押されたことを検知し、各ブロックに対し、FAX動作のための制御を開始する。CPU602はネットワークコントローラ601、ネットワーク101通じて、サーバ104に対してFAX動作の通知を発行する。複合機105からFAX送信動作通知を受け取ったサーバ104は、前述したように、例えば図3に示すプリンタテーブル30のJOBを、待機中から実行中とし、複写機固有の動作中であることを認識できる。
【0083】
又、CPU602は、ASIC605及びスキャナI/F609に対してFAX動作のためのコマンドを、FAXユニット612に対しては、操作部611より読み取った送信先の電話番号及びコマンドを、CPUバス613を介して発行する。コマンドを受け取ったスキャナI/F609は、さらに通信線616を介しスキャン動作の指令を出す。指令を受けたスキャナ608は、図示しない光源より光を原稿に当て、図示しないセンサにより順次原稿を読み取り、データバス617を介して読み取ったデータを同期信号618に同期させながら、順次スキャナI/F609に転送していく。画像データを受け取ったスキャナI/F609は、順次バス619を介して画像メモリ606に格納していく。又、ASIC605は、内蔵のDMAコントローラにより順次画像メモリ606に格納されるスキャナ画像を読み出し、CPUバス613を介してFAXユニット612に転送し、FAXユニット612は規格に沿った画像圧縮を行い公衆回線107を介して送信するようになっている。この時、画像メモリ606は独立に動くスキャナ608、及びFAXユニット612へのDMAのタイミングを合わせるためのバッファメモリとして用いている。
【0084】
FAXが公衆回線107を介して受信された場合は、FAXユニット612はバス613を介してCPU602にFAX受信通知を発行する。FAX受信通知を受けたCPU602はネットワークコントローラ601、ネットワーク101通じて、サーバ104に対してFAX受信動作の通知を発行する。複合機105からFAX受信動作通知を受け取ったサーバ104は、前述したように、例えば図3に示すプリンタテーブル30のJOBを、待機中から実行中とし、複写機固有の動作中であることを認識できる。
【0085】
又、CPU602は、CPUバス613を介し、FAXユニット612、プリンタエンジン607、ASIC605にFAX動作のためのコマンドを発行する。FAXユニット612により受信された画像は、規格によって順次伸張され、ASIC605に内蔵されるDMAコントローラによりCPUバス613を介してFAXユニット612から順次画像メモリ606に転送される。同時に起動がかけられた、プリンタエンジン607から同期信号615が発生し、ASIC605は同期信号615によって順次画像メモリ606からFAX画像を読み出しプリント出力を得るようになっている。
【0086】
この時、上述したプリントシステムの負荷分散により、複合機105内のプリンタ部の一部、特にASIC605、画像メモリ606が実行中の場合は、FAX受信動作ができないため、CPU602は、プリンタ607に対して起動はかけずに、FAXユニット612に対し、受信した画像をハードディスク610に格納するように指示を出す。ハードディスク610に格納された画像は、システムのJOBが待機中の時間帯にユーザによって操作部より自由にプリントできるようになっている。もちろん別のプリンタ、例えば、プリンタ103を操作部にて指定して、ネットワーク101を介して転送し、プリントできるようになっている。上述したプリントシステムの負荷分散により、複合機105内のプリンタ部の一部、特にASIC605、画像メモリ606が実行中の場合は、コピー動作、FAX送受信ができないためCPU602は、操作部611の状態表示部を用い、プリントJOBの待ち状態をユーザに知らせるようになっている。
【0087】
しかしながら、分散処理のために、複合機独自の機能がしばしば阻害される場合には、複合機105の操作部611から、複合機105を分散処理をするネットワークグループからはずしたり、又、図5のステップS105において、システムの条件において分散処理方法を決定する際に用いる、優先順位を設定できるようになっている。
【0088】
尚、分散処理の指示の動作例、その手順のフローチャートは、プリンタ103と同様であるので、重複した説明はしない。
【0089】
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、又、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0090】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(本実施形態例では図5や図7に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。その場合、プログラムの機能を有していれば、形態は、プログラムである必要はない。
【0091】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明のクレームでは、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0092】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。又、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明のクレームに含まれるものである。
【0093】
又、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0094】
又、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0095】
更に、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0096】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のによれば、プリントシステムにおけるプリントジョブの負荷を分散することで、複雑なドキュメントでも、生産性を維持してプリントできるプリントシステム及びその資源の利用方法を提供できる。
【0097】
すなわち、本発明は、複数のプリンタもしくはそれらをコントロールするプリントサーバに、プリンタもしくは複合機の稼動状態及び動作仕様を検知する検知手段を設け、プリント指示を受けたプリントサーバ、ネットワークプリンタもしくは複合機は、前記検知手段によって得られる情報により、プリント指示待ちの別のネットワークプリンタもしくは複合機に対して、カラー色成分画像を描画展開する工程を分担する制御を行うことによって効率良くカラープリント出力を得られるプリントシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のプリントシステムの構成例を示す図である。
【図2】本実施の形態のプリントサーバの構造例を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態のプリントサーバが記憶するプリント時のテーブルの構成例を示す図である。
【図4】本実施の形態のプリントサーバが記憶する分散処理時のテーブルの構成例を示す図である。
【図5】本実施の形態のプリントサーバの処理手順を表すフローチャートである。
【図6】本実施の形態のプリンタの構造例を示すブロック図である。
【図7】本実施の形態のプリンタの処理手順を表すフローチャートである。
【図8】本実施の形態の複合機の構造例を示すブロック図である。
Claims (27)
- ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータから送られる画像データをプリント出力するプリントシステムにおいて、
ネットワークに接続されたプリンタの稼動状態及び動作仕様を検知する検知手段と、
プリント指示を受けたプリントサーバもしくはプリンタが、前記プリント指示と前記検知手段により得られる情報とに基づいて、プリント指示待ちの他の白黒プリンタに対してカラー画像を描画展開する処理を分担させるように制御するプリントシステム制御手段とを有することを特徴とするプリントシステム。 - 前記プリントシステム制御手段は、前記プリント指示の負荷が所定の基準値より大きい場合に、他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させることを特徴とする請求項1記載のプリントシステム。
- 前記プリントシステム制御手段は、ネットワークに接続されたプリンタの描画展開の能力に応じて画像を描画展開する処理を分担させることを特徴とする請求項2記載のプリントシステム。
- 画像を描画展開する処理の分担を許可するか否か、あるいは処理分担の優先順位を設定する設定手段を更に有することを特徴とする請求項1記載のプリントシステム。
- プリントサーバが前記プリントシステム制御手段を有することを特徴とする請求項1記載のプリントシステム。
- プリンタあるいは複合機が前記プリントシステム制御手段を有することを特徴とする請求項1記載のプリントシステム。
- クライアントコンピュータが前記プリントシステム制御手段を有することを特徴とする請求項1記載のプリントシステム。
- ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータから送られる画像データをプリント出力するプリントシステムに接続されるプリントサーバであって、
ネットワークに接続されたプリンタの稼動状態及び動作仕様を検知する検知手段と、
プリント指示を受けたプリントサーバもしくはプリンタが、前記プリント指示と前記検知手段により得られる情報とに基づいて、プリント指示待ちの他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させるように制御するプリントシステム制御手段とを有することを特徴とするプリントサーバ。 - 前記プリントシステム制御手段は、前記プリント指示の負荷が所定の基準値より大きい場合に、他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させることを特徴とする請求項8記載のプリントサーバ。
- 前記プリントシステム制御手段は、ネットワークに接続されたプリンタの描画展開の能力に応じて画像を描画展開する処理を分担させることを特徴とする請求項9記載のプリンサーバ。
- 画像を描画展開する処理の分担を許可するか否か、あるいは処理分担の優先順位を設定する設定手段を更に有することを特徴とする請求項8記載のプリントサーバ。
- ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータから送られる画像データをプリント出力するプリントシステムに接続されるプリンタであって、
ネットワークに接続されたプリンタの稼動状態及び動作仕様を検知する検知手段と、
プリント指示を受けたプリントサーバもしくはプリンタが、前記プリント指示と前記検知手段により得られる情報とに基づいて、プリント指示待ちの他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させるように制御するプリントシステム制御手段とを有することを特徴とするプリンタ。 - 前記プリントシステム制御手段は、前記プリント指示の負荷が所定の基準値より大きい場合に、他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させることを特徴とする請求項12記載のプリンタ。
- 前記プリントシステム制御手段は、ネットワークに接続されたプリンタの描画展開の能力に応じて画像を描画展開する処理を分担させることを特徴とする請求項13記載のプリンタ。
- 画像を描画展開する処理の分担を許可するか否か、あるいは処理分担の優先順位を設定する設定手段を更に有することを特徴とする請求項12記載のプリンタ。
- ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータから送られる画像データをプリント出力するプリントシステムに接続されるネットワークコンピュータであって、
ネットワークに接続されたプリンタの稼動状態及び動作仕様を検知する検知手段と、
プリント指示を受けたプリントサーバもしくはプリンタが、前記プリント指示と前記検知手段により得られる情報とに基づいて、プリント指示待ちの他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させるように制御するプリントシステム制御手段とを有することを特徴とするネットワークコンピュータ。 - 前記プリントシステム制御手段は、前記プリント指示の負荷が所定の基準値より大きい場合に、他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させることを特徴とする請求項16記載のネットワークコンピュータ。
- 前記プリントシステム制御手段は、ネットワークに接続されたプリンタの描画展開の能力に応じて画像を描画展開する処理を分担させることを特徴とする請求項17記載のネットワークコンピュータ。
- 画像を描画展開する処理の分担を許可するか否か、あるいは処理分担の優先順位を設定する設定手段を更に有することを特徴とする請求項16記載のネットワークコンピュータ。
- ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータから送られる画像データをプリント出力するプリントシステムにおける資源の利用方法であって、
ネットワークに接続されたプリンタの稼動状態及び動作仕様を検知し、
プリント指示を受けたプリントサーバもしくはプリンタが、前記プリント指示と前記検知された情報とに基づいて、プリント指示待ちの他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させるように制御することを特徴とする資源の利用方法。 - 前記分担の制御では、前記プリント指示の負荷が所定の基準値より大きい場合に、他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させることを特徴とする請求項20記載の資源の利用方法。
- 前記分担の制御では、ネットワークに接続されたプリンタの描画展開の能力に応じて画像を描画展開する処理を分担させることを特徴とする請求項21記載の資源の利用方法。
- 画像を描画展開する処理の分担を許可するか否か、あるいは処理分担の優先順位を設定する工程を更に有することを特徴とする請求項20記載の資源の利用方法。
- ネットワークを介して通信可能なホストコンピュータから送られる画像データをプリント出力するプリント制御プログラムであって、
ネットワークに接続されたプリンタの稼動状態及び動作仕様を検知して管理する管理モジュールと、
プリント指示を受けたプリントサーバもしくはプリンタが、前記プリント指示と前記検知された情報とに基づいて、プリント指示待ちの他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させるように制御する制御モジュールとを含むことを特徴とするプリント制御プログラム。 - 前記制御モジュールは、前記プリント指示の負荷が所定の基準値より大きい場合に、他のプリンタに対して画像を描画展開する処理を分担させることを特徴とする請求項24記載のプリント制御プログラム。
- 前記制御モジュールは、ネットワークに接続されたプリンタの描画展開の能力に応じて画像を描画展開する処理を分担させることを特徴とする請求項25記載のプリント制御プログラム。
- 画像を描画展開する処理の分担を許可するか否か、あるいは処理分担の優先順位を設定する設定モジュールを更に含むことを特徴とする請求項24記載のプリント制御プログラム。
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JP2002345023A JP2004178349A (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | プリントシステム及びその資源の利用方法 |
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JP2011198232A (ja) * | 2010-03-23 | 2011-10-06 | Fuji Xerox Co Ltd | 印刷制御装置、画像形成システムおよびプログラム |
-
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- 2002-11-28 JP JP2002345023A patent/JP2004178349A/ja not_active Withdrawn
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