JP2004177517A - 偏光部材の製造方法および偏光子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】偏光子の平面方向および厚さ方向における、偏波光を生成するための要素の配列を規則化する。
【解決手段】偏波光を生成する偏光部と、偏光部を通過した偏波光が透過する光透過部とを備える偏光子の製造方法であって、その長手方向に偏波光を生成するための要素が整列された線材を複数作製し、複数の線材を束ねた状態で熱圧着して偏光部を構成する部材(a)を作製し、部材(a)と、光透過部を構成する光透過性材料からなる部材(b)とを、積層した状態で熱圧着する。
【選択図】 図2
【解決手段】偏波光を生成する偏光部と、偏光部を通過した偏波光が透過する光透過部とを備える偏光子の製造方法であって、その長手方向に偏波光を生成するための要素が整列された線材を複数作製し、複数の線材を束ねた状態で熱圧着して偏光部を構成する部材(a)を作製し、部材(a)と、光透過部を構成する光透過性材料からなる部材(b)とを、積層した状態で熱圧着する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファラデー回転子とともに光アイソレータを構成する偏光部材または偏光子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、伝送容量の小さい電気通信に対して、光通信の普及が加速している。その理由は、以下説明するように、光通信は、高速大容量伝送が可能であること、中継器が少なくて済むために長距離伝送に有利であること、さらに電磁ノイズの影響を受けないことに集約される。
光は、TV・ラジオ放送あるいは無線通信で使用されている電波と電磁波である点で一致する。しかし、光通信で使用される電磁波の周波数は約200THzで、衛星放送(約10GHz)の約20000倍にあたる。周波数が高いということは、波長が短いことを意味し、それだけ多くの信号を高速で伝送できることになる。ちなみに、光通信で使用される電磁波の波長(中心波長)は、1.31μmおよび1.55μmである。
光通信に使用される光ファイバは、よく知られているように、屈折率の異なるガラスの二重構造をなしている。中心のコアを通る光はコア内部で反射を繰り返すので、たとえ光ファイバが曲がっていたとしても正確に信号が伝送される。しかも、光ファイバには透明度の高い高純度石英ガラスが使用されているため、光通信は、1kmあたり0.2dB程度しか減衰しない。したがって、増幅器を介することなく約100kmの伝送が可能であり、電気通信に比べて中継器の数を低減することができる。
電気通信ではEMI(電磁障害)が問題になるが、光ファイバを使った通信は、電磁誘導によるノイズの影響を受けない。そのため、極めて高品質な情報伝送が可能である。
【0003】
現在の光通信システムは、電気信号を光送信器のLD(レーザ・ダイオード)で光信号に変換し、この光信号を光ファイバで伝送してから、光受信器のPD(フォト・ダイオード)で電気信号に変換する。このように、光通信システムに不可欠な要素は、LD、PD、光ファイバおよび光コネクタである。比較的低速かつ近距離の通信システムはともかく、高速かつ長距離の通信システムにおいては、以上の要素のほかに、光増幅器、光分配器などの光伝送機器、これら機器に適用される光アイソレータ、光カプラ、光分波器、光スイッチ、光変調器、光減衰器などの光部品が必要となる。
【0004】
高速・長距離伝送、あるいは多分岐の光通信システムで、とりわけ重要となるのは光アイソレータである。現在の光通信システムにおいて、光アイソレータは、光送信器のLDモジュールおよび中継器の中で使用されている。光アイソレータは、電磁波を一方向にだけ伝え、途中で反射して戻ってくる電磁波を阻止する役割を持った光部品である。光アイソレータは、磁気光学効果の一種であるファラデー効果を応用したものである。ファラデー効果は、ファラデー効果を示す材料、すなわち希土類鉄ガーネット単結晶膜などのファラデー回転子を透過した光の偏波面が回転する現象をいう。ファラデー効果のように、光の偏波方向が回転する性質を旋光性と呼ぶが、通常の旋光性と異なって、ファラデー効果においては、光の進行方向を逆にしても元に戻らずに、さらに偏波方向が回転する。ファラデー効果によって光の偏波方向が回転する現象を利用した素子をファラデー回転子という。
【0005】
LDモジュールを例にして光アイソレータの機能を説明する。
LDは、光ファイバと一体化したLDモジュールとして光送信器に組み込まれる。光アイソレータは、LDと光ファイバの間に配置され、ファラデー効果を応用してLDへの反射戻り光を防止する機能を果たす。反射戻り光とは、LDから出射した光が光コネクタなどの部品でわずかに反射して戻ってくる光をいう。反射戻り光はLDに対してノイズの原因となる。光を一方向だけに通す光アイソレータは、このノイズを除去して通信品質を維持する。
【0006】
光送信器のLDの場合、LDから出射される光の振動方向(偏波方向)は1方向に決まっているので、構造の簡易な偏波依存型の光アイソレータが用いられる。従来の偏波依存型の光アイソレータ40の基本構成を図17に示す。光アイソレータ40は、ガーネット単結晶膜から構成されるファラデー回転子41と、ファラデー回転子41を取り囲みかつファラデー回転子41を磁化するための円筒状の永久磁石42と、ファラデー回転子41の表裏両面に配置される偏光子43,44とから構成される。この偏光子43と44とは、45°の相対角度をもって配置される。
【0007】
次に、図18(永久磁石の記載を省略してある)に基づいて、光アイソレータ40が逆方向の光の通過を阻止する仕組みについて説明する。なお、図18(a)は順方向の光が光アイソレータ40を通過する様子を示し、図18(b)は逆方向の光が光アイソレータ40の通過を阻止される様子を示す図である。
図18(a)に示すように、順方向においては、偏光子43を通過した直線偏光はファラデー回転子41により45°回転し、45°の相対角度をもって配置される偏光子44を通過する。一方、図18(b)に示すように、逆方向においては、偏光子44を通過した直線偏光はファラデー回転子41によりさらに45°回転するため、偏光子43を通過することができなくなる。
【0008】
偏光子43,44としては、従来、コーニング社(米国)の製造するポーラコア(商品名)が専ら使用されている。ポーラコアは、以下のような製造工程を経て製造される。
まず、塩化物、臭化物およびヨウ化物からなるハロゲン化物と銀を含むアルカリ−アルミノ−ボロシリケイトガラスを必要な形状を持って溶融させる。
このガラスをひずみ点(約462℃)以上に加熱し、ハロゲン化銀粒子をガラス中に析出させる。
ハロゲン化銀粒子が析出したガラスを、除冷点(約495℃)と軟化点(約663℃)の間で、ロール等の手段を用いて延伸する。この延伸によって、ハロゲン化銀粒子は、楕円体形(アスペクト比;2:1〜5:1)に成形される。同時に、ハロゲン化銀粒子は、応力が付与された方向に整列する。
延伸されたガラスは、所定の厚さに研磨される。研磨後に、水素雰囲気中で約250〜495℃の温度範囲で加熱処理される。この加熱処理により、ハロゲン化銀は、2:1より大きいアスペクト比を持つ銀粒子に還元、析出される。
【0009】
【非特許文献1】
O plus E 1998年3月号 Vol.20 No.3 p.294−299 「ガラス偏光素子ポーラコアの特性と応用例」
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ガラス中に析出した銀粒子は、延伸方向に整列して偏光層を形成する。この偏光層は、銀粒子、つまり偏波光を生成するための要素が規則正しく配列されていることが、偏光子にとって望ましい。ところが、上述した方法によると、前記要素を規則的に配列させることは極めて困難である。ハロゲン化銀粒子の析出位置を制御することが困難だからである。特に、偏光子における平面方向の銀粒子の配列は延伸によってある程度の規則性を具現することができるものの、偏光子の厚さ方向の配列は不規則の度合いが強い。
【0011】
そこで本発明は、偏光子の平面方向および厚さ方向における、偏波光を生成するための要素の配列を規則化することのできる偏光部材または偏光子の製造方法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前述のように、従来の偏光子は、偏光層を構成する銀が析出するという現象に起因しているため、規則的な配列を実現することができない。そこで、本発明では、偏光子を構成する母材に、偏光層を構成する例えば導電性の粒子を規則的に配列することのできる収容路を形成する。この収容路に例えば銀粒子を配列した状態で、加熱下で延伸処理することにより、収容路を封止して、偏光子母材中に銀粒子が規則的に配列された偏光子を形成することができる。この銀粒子は、偏光子の平面方向および厚さ方向の両者において規則性を確保することができる。本発明は、以上の知見に基づくものであり、導電性を有する粒子が光透過性母材中に分散された偏光部材の製造方法であって、前記光透過性母材に形成された前記粒子を収容する収容路に前記粒子を配置する工程(a)と、前記収容路を封止する工程(b)と、を備えたことを特徴とする偏光部材の製造方法である。
【0013】
本発明のより具体的な態様として、前記工程(a)が、光透過性材料から構成される管状部材の中空孔に前記粒子を配置することを含み、
前記工程(b)が、前記管状部材を加熱下で延伸することを含むことができる。また本発明の他の態様として、前記工程(a)が、その表面に所定間隔をもって形成された溝状の前記収容路が形成された部材を複数用意するとともに、複数の前記部材の前記収容路に前記粒子を配置し、かつ複数の前記部材を積層することを含み、前記工程(b)が、積層された前記複数の部材を真空中または減圧雰囲気における加熱下で圧着することを含むことができる。
さらに本発明の他の態様として、前記工程(a)が、互いに所定間隔をもって形成された空孔からなる前記収容路が複数設けてあるブロック状部材を用意するとともに、前記ブロック状部材の前記収容路に前記粒子を配置することを含み、前記工程(b)は、前記ブロック状部材を真空中または減圧雰囲気における加熱下で圧着することを含むことができる。
【0014】
本発明は、偏波光を生成する偏光部と、前記偏光部を通過した前記偏波光が透過する光透過部とを備える偏光子の製造方法に適用することができる。具体的には、その長手方向に前記偏波光を生成するための要素が整列された線材を複数作製し、複数の前記線材を束ねた状態で熱圧着して前記偏光部を構成する部材(a)を作製し、前記部材(a)と、前記光透過部を構成する光透過性材料からなる部材(b)とを、積層した状態で熱圧着することを特徴とする。本発明の偏光子の製造方法において、前記線材は、その中空孔内に前記要素を配置した管を溶融、固化することにより得ることができる。
【0015】
また本発明は、偏波光を生成する偏光部と、前記偏光部を通過した前記偏波光が透過する光透過部とを備える偏光子の製造方法であって、その表面にストライプ状の溝が形成された板体を複数用意し、複数の前記板体の前記溝内に前記偏波光を生成するための要素を配置し、前記要素が配置された前記複数の板体を積層した状態で熱圧着し、前記熱圧着で得られた部材(c)と、前記光透過部を構成する光透過性材料からなる部材(d)とを、積層した状態で熱圧着することを特徴とする偏光子の製造方法を提供する。前記複数の板体を積層した状態で熱圧着することにより、前記溝が封止される。
【0016】
さらに本発明は、偏波光を生成する偏光部と、前記偏光部を通過した前記偏波光が透過する光透過部とを備える偏光子の製造方法であって、前記偏光部に対応する領域に、所定の長さを有する空孔が平面方向および厚さ方向に所定間隔を隔てて形成されたブロック体を用意し、前記ブロック体の前記空孔内に前記偏波光を生成するための要素を配置し、前記要素が配置された前記ブロック体を加熱下で加圧して前記空孔を封止することを特徴とする偏光子の製造方法をも提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明をより詳細かつ具体的に説明する。
はじめに、本発明のうち、管状の部材を用いて偏光子1を得る方法について説明する。偏光子1は、図1に示すように、偏光部2と光透過部3とから構成されている。偏光部2には、偏波光を生成するための要素たる針状の粒子が分散されている。なお、この形態を第1の実施の形態ということにする。
第1の実施の形態による偏光子1の製造方法の概略が図2のフローチャートに示してある。第1の実施の形態は、ガラス管内に針状の銀メッキされたCrO2粒子を配置する工程(S101)、針状粒子が配置されたガラス管を溶融状態で延伸する工程(S103)、延伸により得られた線材を複数束ねた状態で熱圧着する工程(S105)、熱圧着体を所定の寸法まで加熱下で圧延する工程(S107)および圧延により得られた偏光部2と別途用意された光透過部3とを積層した状態で例えばプレスにより熱圧着する工程(S109)とを備えている。以下、各工程毎に具体的な内容を説明する。
【0018】
例えば、外径1mm、内径0.5mm程度の寸法を有する硼ケイ酸ガラス製の管を用意する。ガラス管の寸法、材質はあくまで一例であって、適宜変更することが可能である。
一方で、水等の分散媒中に銀メッキされたCrO2粒子(以下、単にCrO2粒子ということがある)を分散させたスラリを用意する。CrO2粒子は、針状のものを用いるのが望ましい。針状粒子は、長径が100〜700nm、短径が10〜50nmの範囲とすることが望ましく、より具体的な値として長径を200nm、短径を20nmとすることができる。
ガラス管をこのスラリ中に浸漬することにより、CrO2粒子はガラス管中に分散媒とともに毛管現象により吸引される。分散媒を乾燥除去することにより、図3に示すように、CrO2粒子11がその中空孔内に配置されたガラス管10を得ることができる。この中空孔は、CrO2粒子11を収容する収容路としての意味をなす。
【0019】
次に、CrO2粒子11がその中空孔内に配置されたガラス管10を溶融状態で延伸することにより、図4に示すように、CrO2粒子11がその長手方向に整列された線材12を得る。この延伸加工で、ガラス管10の中空孔は封止される。また、線材12の径は、サブ・ミクロン、例えば0.2μm程度とすることが望ましい。加熱温度は、ガラス管10が延伸加工できる温度であれば特に限定されないが、延伸加工の作業性を考慮すると、600〜900℃の範囲とすることが望ましい。また、延伸加工の具体的手法は限定されないが、例えばガラス紡糸装置を適用することができる。
【0020】
次に、図5に示すように、CrO2粒子11がその長手方向に配列された線材12を複数本積層して束Bを得る。このとき、線材12同士の間にダミー線材13を配置することもできる。このダミー線材13は、例えば、硼ケイ酸ガラスのみから構成されるものであり、配列されたCrO2粒子11のX軸方向およびY軸方向の間隔を規制する役割を果たす。ただし、ダミー線材13は、必須の要素ではない。
束Bは、プレス装置を用いた熱圧着に供される。その様子が図6に示されている。つまり、束Bをダイ14のキャビティ内に配置し、かつパンチ15で押圧する。このとき、少なくともダイ14のキャビティ内は、線材12およびダミー線材13同士が熱圧着するに足る温度に加熱されている。加熱温度としては、硼ケイ酸ガラスを要素とする線材12およびダミー線材13の場合、460〜600℃の範囲とすればよい。
【0021】
熱圧着により得られた熱圧着体は、図7に示すように、所望する厚さ、例えば0.5〜1μmを得るために、一対のロール16による圧延加工に供される。この圧延加工は、前述の熱圧着と同程度の加熱温度(460〜600℃)を採用することができる。圧延加工が施された熱圧着体は、偏光部2を構成する。もっとも、プレス装置を用いた熱圧着で、所望する厚さを精度よく得ることができれば、圧延加工を省略することもできる。
【0022】
圧延により得られた偏光部2は、所定の寸法に切断される。一方で、光透過部3を構成する部材を用意し、図8に示すように、偏光部2と光透過部3とを積層する。積層された状態の偏光部2と光透過部3とを、プレス装置を用いて熱圧着することにより、偏光部2と光透過部3とを一体化する。一体化された偏光部2と光透過部3とが、偏光子1を構成する。偏光部2と光透過部3とを一体化する熱圧着は、線材12同士の熱圧着と同様の温度域で行うことができる。
【0023】
以上の工程で得られる偏光子1は、偏波光を生成するための要素であるCrO2粒子11が、偏光部2において、平面方向およびその厚さ方向に規則化された配列をなす。線材12を束状に積層した状態で熱圧着するため、隣接する線材12同士のCrO2粒子11間の間隔が規制されるためである。
以上の第1の実施の形態において、偏光部2および光透過部3に硼ケイ酸ガラスを用いたが、本発明は他のガラスあるいは樹脂材料を用いることができる。また、偏波光を生成するための要素としての粒子として、銀がメッキされたCrO2粒子11を用いたが、銀、金、白金および銅等の導電性を有する粒子、とりわけ針状粒子を用いることができる。なお、本発明における導電性の粒子とは、導電性を有する材料から粒子を形成する場合のみならず、絶縁性の材料からなる粒子の表面に導電性を有する材料をメッキ等によるコーティングする場合をも包含している。さらに、ガラス管10として、円管を用いた例を示したが、三角形状あるいは四角形状のガラス管を用いることもできる。
【0024】
次に、図9〜図11に基づいて、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、図9に示すように、ストライプ状に溝が形成されたガラス製の板体を用意し、その溝に針状の銀メッキされたCrO2粒子(以下、単にCrO2粒子ということがある)を配置する工程(S201)、CrO2粒子がその溝に配置された板体を複数積層する工程(S203)、積層状態の複数の板体を例えばプレスにより熱圧着する工程(S205)、熱圧着体を所定の寸法まで加熱下で圧延する工程(S207)および圧延により得られた偏光部と別途用意される光透過部とを積層した状態で例えばプレスにより熱圧着する工程(S209)とを備えている。なお、S207およびS209は、第1の実施の形態のS107およびS109と同様の工程である。
【0025】
図10に、ストライプ状に溝が形成された板体20を示す。この板体20は、例えば、硼ケイ酸ガラス等の光透過率に優れた材料から構成される。ストライプ状に形成された各々の溝21は、偏波光を生成するための要素たるCrO2粒子を収容する収容路として機能する。以下では、針状のCrO2粒子を偏波光生成要素として用いるものとして説明する。板体20に形成された溝21は、例えば、単純な板状のガラスにレーザ加工、あるいはエッチング加工を施すことによって形成することができる。また、溝21は、板体20の全長に亘って形成したが、断続的に形成することもできる。
【0026】
板体20の溝21へのCrO2粒子の配置は、第1の実施の形態と同様に、水等の分散媒にCrO2粒子11を分散させたスラリを作成し、このスラリを板体20上に滴下する。滴下されたスラリは、溝21内に浸入する。その後、溶媒を乾燥、除去することにより、図11に示すように、収容路である溝21にCrO2粒子11を配置させることができる。この溝21にCrO2粒子11を配置した板体20を複数枚用意する。なお、図11は、図10に示した板体20の部分拡大平面図である。
【0027】
溝21内にCrO2粒子11を配置した後に、図12に示すように、板体20を積層して積層体Lを得る。積層体Lの最上層には、封止板22を積層してある。積層体Lにおいて、板体20に形成された溝21は、X方向およびY方向に所定の間隔をあけて規則的に配列されることになる。したがって、溝21内に配置されたCrO2粒子11もまた、X方向およびY方向に所定の間隔をあけて規則的に配列されることになる。なお、板体20を積層する際に、溝21内に硼ケイ酸ガラスからなる線材等を充填しておくことも有効である。次工程である熱圧着による溝21内の封止を容易にするためである。
【0028】
次に、積層体Lをプレス装置にて熱圧着する。熱圧着の様子を図13に示してある。熱圧着は、ダイ14のキャビティ内に積層体Lを配置し、かつパンチ15で押圧する。このとき、少なくともダイ14のキャビティ内は、板体20および封止板22が硼ケイ酸ガラスの場合、600〜900℃の範囲に加熱されている。この熱圧着により、板体20に形成された溝21は、板体20および封止板22を構成する硼ケイ酸ガラスが浸入、あるいは溝21に予め充填された線材等によって封止される。この熱圧着は真空または減圧雰囲気で行うことができる。溝21内への空気の巻き込みを防止するためである。熱圧着後においてもCrO2粒子11の相対的な位置は大きく変わることがないから、熱圧着体におけるCrO2粒子11の配列は規則的なものになる。なお、この例では、熱圧着にプレス装置を用いることにしたが、圧延あるいはその他の手段を用いることもできる。つまり、溝21を封止することができれば、その手段は問われない。
【0029】
熱圧着体は、第1の実施の形態と同様に、所定厚さを得るための加熱下における圧延、光透過部3との熱圧着による一体化を経て、偏光子1を構成することになる。
【0030】
次に、図14〜図16に基づいて、本発明の第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は、図14に示すように、X軸方向およびY軸方向に所定間隔を隔てて貫通孔を形成したガラス製ブロック体を用意する工程(S301)、ブロック体の貫通孔内に針状の銀メッキされたCrO2粒子(以下、単にCrO2粒子ということがある)を配置する工程(S303)、針状のCrO2粒子が貫通孔に配置されたガラス製ブロック体をプレスにより熱圧着する工程(S305)、熱圧着により得られたプレス体を所定の寸法まで加熱下で圧延する工程(S307)とを備えている。なお、S305およびS307は、第1の実施の形態のS105およびS107と同様の工程である。
【0031】
第3の実施の形態において、例えば10×10×1mm程度の寸法を有する硼ケイ酸ガラス製のブロックを用意する。ブロックの寸法、材質はあくまで一例であって、適宜変更することが可能である。図15に示すように、このブロック体30に、例えば、レーザ加工機を用いて貫通孔31を形成する。貫通孔31は、ブロック体30の所定の領域に、かつX軸方向およびY軸方向に所定間隔を隔てて形成する。貫通孔31の径は、0.2mm程度とすればよい。貫通孔31は、CrO2粒子11の収容路として機能する。
ブロック体30において、最終的に偏光子1となる際に、貫通孔31が形成されている領域が偏光部2を構成し、貫通孔31が形成されていない領域が光透過部3を構成することになる。
【0032】
ブロック体30の貫通孔31に針状のCrO2粒子11を配置する。CrO2粒子11の配置は、第1の実施の形態と同様に行えばよい。
CrO2粒子11が貫通孔31に配置されたブロック体30は、加熱下におけるプレス加工に供される。このプレス加工によって、貫通孔31を封止する。この様子を図16に示すが、ブロック体30をダイ14のキャビティ内に配置し、かつパンチ15で押圧する。このとき、少なくともダイ14のキャビティ内は、ブロック体30が流動化して貫通孔31を充填、封止することができる程度の温度、例えば600〜900℃の範囲に加熱されている。
以上の加熱・加圧を経たブロック体30は、必要に応じて、所定厚さを得るための圧延加工に供される。圧延後にさらに、研磨加工、コーティング剤の塗布等を適宜行うことにより、偏光子1を得ることになる。
【0033】
第3の実施の形態は、ブロック体30を偏光部2のみならず光透過部3として機能する部分を設けた。したがって、第1の実施の形態および第2の実施の形態のように、偏光部2と光透過部3とを一体化するという工程を省くことができる。
【0034】
以上説明した第1〜3の実施の形態は、いずれも、中空孔、溝21というように間隔が規制された収容路にCrO2粒子11を配置する。そして、この状態を実質的に維持するようにして収容路を封止した偏光部2を得る。したがって、この偏光部2を要素とする偏光子1は、偏波光を生成するための要素たるCrO2粒子11の配列が規則化される。従来は、この規則化が容易でないために、偏光子製造の歩留まりが低く、結果として偏光子の製造コストを押し上げていた。これに対して、本実施の形態による偏光子1は、規則化を容易に得ることができるため、偏光子1のコスト低減にも寄与することができる。
なお、以上の実施の形態は、光アイソレータに使用される偏光子1を対象にした。しかし、本発明の偏光子の製造方法は、他の用途に用いられる偏光部材の製造方法に適用できることは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、偏光子の平面方向および厚さ方向における、偏波光を生成するための要素の配列を規則化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態による偏光子を示す図である。
【図2】第1の実施の形態による偏光子の製造方法の工程を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施の形態において、ガラス管内にCrO2粒子が配置されている状態を示す図である。
【図4】第1の実施の形態において、ガラス管を延伸して得られた線材中にCrO2粒子が配列している様子を示す図である。
【図5】第1の実施の形態において、線材を束ねて積層した状態を示す図である。
【図6】第1の実施の形態において、積層された線材をプレス装置を用いて熱圧着する様子を示す断面図である。
【図7】第1の実施の形態において、熱圧着体を圧延する様子を示す図である。
【図8】第1の実施の形態において、偏光部と光透過部とを積層した状態を示す図である。
【図9】第2の実施の形態による偏光子の製造方法の工程を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施の形態に用いる、ストライプ状の溝が形成された板体を示す図である。
【図11】第2の実施の形態において、板体の溝にCrO2粒子が配置された様子を示す図である。
【図12】第2の実施の形態において、板体を積層した様子を示す図である。
【図13】第2の実施の形態において、積層された板体を熱圧着する様子を示す断面図である。
【図14】第3の実施の形態による偏光子の製造方法の工程を示すフローチャートである。
【図15】第3の実施の形態に用いる、貫通孔の形成されたブロック体を示す図である。
【図16】第3の実施の形態において、CrO2粒子が貫通孔に配置されたブロック体を加熱下でプレスする様子を示す断面図である。
【図17】光アイソレータの構成を示す図である。
【図18】光アイソレータの原理を説明する図である。
【符号の説明】
1…偏光子、2…偏光部、3…光透過部、10…ガラス管、11…CrO2粒子、12…線材、13…ダミー線材、14…ダイ、15…パンチ、16…ロール、20…板体、21…溝、22…封止板、30…ブロック体、31…貫通孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファラデー回転子とともに光アイソレータを構成する偏光部材または偏光子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、伝送容量の小さい電気通信に対して、光通信の普及が加速している。その理由は、以下説明するように、光通信は、高速大容量伝送が可能であること、中継器が少なくて済むために長距離伝送に有利であること、さらに電磁ノイズの影響を受けないことに集約される。
光は、TV・ラジオ放送あるいは無線通信で使用されている電波と電磁波である点で一致する。しかし、光通信で使用される電磁波の周波数は約200THzで、衛星放送(約10GHz)の約20000倍にあたる。周波数が高いということは、波長が短いことを意味し、それだけ多くの信号を高速で伝送できることになる。ちなみに、光通信で使用される電磁波の波長(中心波長)は、1.31μmおよび1.55μmである。
光通信に使用される光ファイバは、よく知られているように、屈折率の異なるガラスの二重構造をなしている。中心のコアを通る光はコア内部で反射を繰り返すので、たとえ光ファイバが曲がっていたとしても正確に信号が伝送される。しかも、光ファイバには透明度の高い高純度石英ガラスが使用されているため、光通信は、1kmあたり0.2dB程度しか減衰しない。したがって、増幅器を介することなく約100kmの伝送が可能であり、電気通信に比べて中継器の数を低減することができる。
電気通信ではEMI(電磁障害)が問題になるが、光ファイバを使った通信は、電磁誘導によるノイズの影響を受けない。そのため、極めて高品質な情報伝送が可能である。
【0003】
現在の光通信システムは、電気信号を光送信器のLD(レーザ・ダイオード)で光信号に変換し、この光信号を光ファイバで伝送してから、光受信器のPD(フォト・ダイオード)で電気信号に変換する。このように、光通信システムに不可欠な要素は、LD、PD、光ファイバおよび光コネクタである。比較的低速かつ近距離の通信システムはともかく、高速かつ長距離の通信システムにおいては、以上の要素のほかに、光増幅器、光分配器などの光伝送機器、これら機器に適用される光アイソレータ、光カプラ、光分波器、光スイッチ、光変調器、光減衰器などの光部品が必要となる。
【0004】
高速・長距離伝送、あるいは多分岐の光通信システムで、とりわけ重要となるのは光アイソレータである。現在の光通信システムにおいて、光アイソレータは、光送信器のLDモジュールおよび中継器の中で使用されている。光アイソレータは、電磁波を一方向にだけ伝え、途中で反射して戻ってくる電磁波を阻止する役割を持った光部品である。光アイソレータは、磁気光学効果の一種であるファラデー効果を応用したものである。ファラデー効果は、ファラデー効果を示す材料、すなわち希土類鉄ガーネット単結晶膜などのファラデー回転子を透過した光の偏波面が回転する現象をいう。ファラデー効果のように、光の偏波方向が回転する性質を旋光性と呼ぶが、通常の旋光性と異なって、ファラデー効果においては、光の進行方向を逆にしても元に戻らずに、さらに偏波方向が回転する。ファラデー効果によって光の偏波方向が回転する現象を利用した素子をファラデー回転子という。
【0005】
LDモジュールを例にして光アイソレータの機能を説明する。
LDは、光ファイバと一体化したLDモジュールとして光送信器に組み込まれる。光アイソレータは、LDと光ファイバの間に配置され、ファラデー効果を応用してLDへの反射戻り光を防止する機能を果たす。反射戻り光とは、LDから出射した光が光コネクタなどの部品でわずかに反射して戻ってくる光をいう。反射戻り光はLDに対してノイズの原因となる。光を一方向だけに通す光アイソレータは、このノイズを除去して通信品質を維持する。
【0006】
光送信器のLDの場合、LDから出射される光の振動方向(偏波方向)は1方向に決まっているので、構造の簡易な偏波依存型の光アイソレータが用いられる。従来の偏波依存型の光アイソレータ40の基本構成を図17に示す。光アイソレータ40は、ガーネット単結晶膜から構成されるファラデー回転子41と、ファラデー回転子41を取り囲みかつファラデー回転子41を磁化するための円筒状の永久磁石42と、ファラデー回転子41の表裏両面に配置される偏光子43,44とから構成される。この偏光子43と44とは、45°の相対角度をもって配置される。
【0007】
次に、図18(永久磁石の記載を省略してある)に基づいて、光アイソレータ40が逆方向の光の通過を阻止する仕組みについて説明する。なお、図18(a)は順方向の光が光アイソレータ40を通過する様子を示し、図18(b)は逆方向の光が光アイソレータ40の通過を阻止される様子を示す図である。
図18(a)に示すように、順方向においては、偏光子43を通過した直線偏光はファラデー回転子41により45°回転し、45°の相対角度をもって配置される偏光子44を通過する。一方、図18(b)に示すように、逆方向においては、偏光子44を通過した直線偏光はファラデー回転子41によりさらに45°回転するため、偏光子43を通過することができなくなる。
【0008】
偏光子43,44としては、従来、コーニング社(米国)の製造するポーラコア(商品名)が専ら使用されている。ポーラコアは、以下のような製造工程を経て製造される。
まず、塩化物、臭化物およびヨウ化物からなるハロゲン化物と銀を含むアルカリ−アルミノ−ボロシリケイトガラスを必要な形状を持って溶融させる。
このガラスをひずみ点(約462℃)以上に加熱し、ハロゲン化銀粒子をガラス中に析出させる。
ハロゲン化銀粒子が析出したガラスを、除冷点(約495℃)と軟化点(約663℃)の間で、ロール等の手段を用いて延伸する。この延伸によって、ハロゲン化銀粒子は、楕円体形(アスペクト比;2:1〜5:1)に成形される。同時に、ハロゲン化銀粒子は、応力が付与された方向に整列する。
延伸されたガラスは、所定の厚さに研磨される。研磨後に、水素雰囲気中で約250〜495℃の温度範囲で加熱処理される。この加熱処理により、ハロゲン化銀は、2:1より大きいアスペクト比を持つ銀粒子に還元、析出される。
【0009】
【非特許文献1】
O plus E 1998年3月号 Vol.20 No.3 p.294−299 「ガラス偏光素子ポーラコアの特性と応用例」
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ガラス中に析出した銀粒子は、延伸方向に整列して偏光層を形成する。この偏光層は、銀粒子、つまり偏波光を生成するための要素が規則正しく配列されていることが、偏光子にとって望ましい。ところが、上述した方法によると、前記要素を規則的に配列させることは極めて困難である。ハロゲン化銀粒子の析出位置を制御することが困難だからである。特に、偏光子における平面方向の銀粒子の配列は延伸によってある程度の規則性を具現することができるものの、偏光子の厚さ方向の配列は不規則の度合いが強い。
【0011】
そこで本発明は、偏光子の平面方向および厚さ方向における、偏波光を生成するための要素の配列を規則化することのできる偏光部材または偏光子の製造方法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前述のように、従来の偏光子は、偏光層を構成する銀が析出するという現象に起因しているため、規則的な配列を実現することができない。そこで、本発明では、偏光子を構成する母材に、偏光層を構成する例えば導電性の粒子を規則的に配列することのできる収容路を形成する。この収容路に例えば銀粒子を配列した状態で、加熱下で延伸処理することにより、収容路を封止して、偏光子母材中に銀粒子が規則的に配列された偏光子を形成することができる。この銀粒子は、偏光子の平面方向および厚さ方向の両者において規則性を確保することができる。本発明は、以上の知見に基づくものであり、導電性を有する粒子が光透過性母材中に分散された偏光部材の製造方法であって、前記光透過性母材に形成された前記粒子を収容する収容路に前記粒子を配置する工程(a)と、前記収容路を封止する工程(b)と、を備えたことを特徴とする偏光部材の製造方法である。
【0013】
本発明のより具体的な態様として、前記工程(a)が、光透過性材料から構成される管状部材の中空孔に前記粒子を配置することを含み、
前記工程(b)が、前記管状部材を加熱下で延伸することを含むことができる。また本発明の他の態様として、前記工程(a)が、その表面に所定間隔をもって形成された溝状の前記収容路が形成された部材を複数用意するとともに、複数の前記部材の前記収容路に前記粒子を配置し、かつ複数の前記部材を積層することを含み、前記工程(b)が、積層された前記複数の部材を真空中または減圧雰囲気における加熱下で圧着することを含むことができる。
さらに本発明の他の態様として、前記工程(a)が、互いに所定間隔をもって形成された空孔からなる前記収容路が複数設けてあるブロック状部材を用意するとともに、前記ブロック状部材の前記収容路に前記粒子を配置することを含み、前記工程(b)は、前記ブロック状部材を真空中または減圧雰囲気における加熱下で圧着することを含むことができる。
【0014】
本発明は、偏波光を生成する偏光部と、前記偏光部を通過した前記偏波光が透過する光透過部とを備える偏光子の製造方法に適用することができる。具体的には、その長手方向に前記偏波光を生成するための要素が整列された線材を複数作製し、複数の前記線材を束ねた状態で熱圧着して前記偏光部を構成する部材(a)を作製し、前記部材(a)と、前記光透過部を構成する光透過性材料からなる部材(b)とを、積層した状態で熱圧着することを特徴とする。本発明の偏光子の製造方法において、前記線材は、その中空孔内に前記要素を配置した管を溶融、固化することにより得ることができる。
【0015】
また本発明は、偏波光を生成する偏光部と、前記偏光部を通過した前記偏波光が透過する光透過部とを備える偏光子の製造方法であって、その表面にストライプ状の溝が形成された板体を複数用意し、複数の前記板体の前記溝内に前記偏波光を生成するための要素を配置し、前記要素が配置された前記複数の板体を積層した状態で熱圧着し、前記熱圧着で得られた部材(c)と、前記光透過部を構成する光透過性材料からなる部材(d)とを、積層した状態で熱圧着することを特徴とする偏光子の製造方法を提供する。前記複数の板体を積層した状態で熱圧着することにより、前記溝が封止される。
【0016】
さらに本発明は、偏波光を生成する偏光部と、前記偏光部を通過した前記偏波光が透過する光透過部とを備える偏光子の製造方法であって、前記偏光部に対応する領域に、所定の長さを有する空孔が平面方向および厚さ方向に所定間隔を隔てて形成されたブロック体を用意し、前記ブロック体の前記空孔内に前記偏波光を生成するための要素を配置し、前記要素が配置された前記ブロック体を加熱下で加圧して前記空孔を封止することを特徴とする偏光子の製造方法をも提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明をより詳細かつ具体的に説明する。
はじめに、本発明のうち、管状の部材を用いて偏光子1を得る方法について説明する。偏光子1は、図1に示すように、偏光部2と光透過部3とから構成されている。偏光部2には、偏波光を生成するための要素たる針状の粒子が分散されている。なお、この形態を第1の実施の形態ということにする。
第1の実施の形態による偏光子1の製造方法の概略が図2のフローチャートに示してある。第1の実施の形態は、ガラス管内に針状の銀メッキされたCrO2粒子を配置する工程(S101)、針状粒子が配置されたガラス管を溶融状態で延伸する工程(S103)、延伸により得られた線材を複数束ねた状態で熱圧着する工程(S105)、熱圧着体を所定の寸法まで加熱下で圧延する工程(S107)および圧延により得られた偏光部2と別途用意された光透過部3とを積層した状態で例えばプレスにより熱圧着する工程(S109)とを備えている。以下、各工程毎に具体的な内容を説明する。
【0018】
例えば、外径1mm、内径0.5mm程度の寸法を有する硼ケイ酸ガラス製の管を用意する。ガラス管の寸法、材質はあくまで一例であって、適宜変更することが可能である。
一方で、水等の分散媒中に銀メッキされたCrO2粒子(以下、単にCrO2粒子ということがある)を分散させたスラリを用意する。CrO2粒子は、針状のものを用いるのが望ましい。針状粒子は、長径が100〜700nm、短径が10〜50nmの範囲とすることが望ましく、より具体的な値として長径を200nm、短径を20nmとすることができる。
ガラス管をこのスラリ中に浸漬することにより、CrO2粒子はガラス管中に分散媒とともに毛管現象により吸引される。分散媒を乾燥除去することにより、図3に示すように、CrO2粒子11がその中空孔内に配置されたガラス管10を得ることができる。この中空孔は、CrO2粒子11を収容する収容路としての意味をなす。
【0019】
次に、CrO2粒子11がその中空孔内に配置されたガラス管10を溶融状態で延伸することにより、図4に示すように、CrO2粒子11がその長手方向に整列された線材12を得る。この延伸加工で、ガラス管10の中空孔は封止される。また、線材12の径は、サブ・ミクロン、例えば0.2μm程度とすることが望ましい。加熱温度は、ガラス管10が延伸加工できる温度であれば特に限定されないが、延伸加工の作業性を考慮すると、600〜900℃の範囲とすることが望ましい。また、延伸加工の具体的手法は限定されないが、例えばガラス紡糸装置を適用することができる。
【0020】
次に、図5に示すように、CrO2粒子11がその長手方向に配列された線材12を複数本積層して束Bを得る。このとき、線材12同士の間にダミー線材13を配置することもできる。このダミー線材13は、例えば、硼ケイ酸ガラスのみから構成されるものであり、配列されたCrO2粒子11のX軸方向およびY軸方向の間隔を規制する役割を果たす。ただし、ダミー線材13は、必須の要素ではない。
束Bは、プレス装置を用いた熱圧着に供される。その様子が図6に示されている。つまり、束Bをダイ14のキャビティ内に配置し、かつパンチ15で押圧する。このとき、少なくともダイ14のキャビティ内は、線材12およびダミー線材13同士が熱圧着するに足る温度に加熱されている。加熱温度としては、硼ケイ酸ガラスを要素とする線材12およびダミー線材13の場合、460〜600℃の範囲とすればよい。
【0021】
熱圧着により得られた熱圧着体は、図7に示すように、所望する厚さ、例えば0.5〜1μmを得るために、一対のロール16による圧延加工に供される。この圧延加工は、前述の熱圧着と同程度の加熱温度(460〜600℃)を採用することができる。圧延加工が施された熱圧着体は、偏光部2を構成する。もっとも、プレス装置を用いた熱圧着で、所望する厚さを精度よく得ることができれば、圧延加工を省略することもできる。
【0022】
圧延により得られた偏光部2は、所定の寸法に切断される。一方で、光透過部3を構成する部材を用意し、図8に示すように、偏光部2と光透過部3とを積層する。積層された状態の偏光部2と光透過部3とを、プレス装置を用いて熱圧着することにより、偏光部2と光透過部3とを一体化する。一体化された偏光部2と光透過部3とが、偏光子1を構成する。偏光部2と光透過部3とを一体化する熱圧着は、線材12同士の熱圧着と同様の温度域で行うことができる。
【0023】
以上の工程で得られる偏光子1は、偏波光を生成するための要素であるCrO2粒子11が、偏光部2において、平面方向およびその厚さ方向に規則化された配列をなす。線材12を束状に積層した状態で熱圧着するため、隣接する線材12同士のCrO2粒子11間の間隔が規制されるためである。
以上の第1の実施の形態において、偏光部2および光透過部3に硼ケイ酸ガラスを用いたが、本発明は他のガラスあるいは樹脂材料を用いることができる。また、偏波光を生成するための要素としての粒子として、銀がメッキされたCrO2粒子11を用いたが、銀、金、白金および銅等の導電性を有する粒子、とりわけ針状粒子を用いることができる。なお、本発明における導電性の粒子とは、導電性を有する材料から粒子を形成する場合のみならず、絶縁性の材料からなる粒子の表面に導電性を有する材料をメッキ等によるコーティングする場合をも包含している。さらに、ガラス管10として、円管を用いた例を示したが、三角形状あるいは四角形状のガラス管を用いることもできる。
【0024】
次に、図9〜図11に基づいて、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、図9に示すように、ストライプ状に溝が形成されたガラス製の板体を用意し、その溝に針状の銀メッキされたCrO2粒子(以下、単にCrO2粒子ということがある)を配置する工程(S201)、CrO2粒子がその溝に配置された板体を複数積層する工程(S203)、積層状態の複数の板体を例えばプレスにより熱圧着する工程(S205)、熱圧着体を所定の寸法まで加熱下で圧延する工程(S207)および圧延により得られた偏光部と別途用意される光透過部とを積層した状態で例えばプレスにより熱圧着する工程(S209)とを備えている。なお、S207およびS209は、第1の実施の形態のS107およびS109と同様の工程である。
【0025】
図10に、ストライプ状に溝が形成された板体20を示す。この板体20は、例えば、硼ケイ酸ガラス等の光透過率に優れた材料から構成される。ストライプ状に形成された各々の溝21は、偏波光を生成するための要素たるCrO2粒子を収容する収容路として機能する。以下では、針状のCrO2粒子を偏波光生成要素として用いるものとして説明する。板体20に形成された溝21は、例えば、単純な板状のガラスにレーザ加工、あるいはエッチング加工を施すことによって形成することができる。また、溝21は、板体20の全長に亘って形成したが、断続的に形成することもできる。
【0026】
板体20の溝21へのCrO2粒子の配置は、第1の実施の形態と同様に、水等の分散媒にCrO2粒子11を分散させたスラリを作成し、このスラリを板体20上に滴下する。滴下されたスラリは、溝21内に浸入する。その後、溶媒を乾燥、除去することにより、図11に示すように、収容路である溝21にCrO2粒子11を配置させることができる。この溝21にCrO2粒子11を配置した板体20を複数枚用意する。なお、図11は、図10に示した板体20の部分拡大平面図である。
【0027】
溝21内にCrO2粒子11を配置した後に、図12に示すように、板体20を積層して積層体Lを得る。積層体Lの最上層には、封止板22を積層してある。積層体Lにおいて、板体20に形成された溝21は、X方向およびY方向に所定の間隔をあけて規則的に配列されることになる。したがって、溝21内に配置されたCrO2粒子11もまた、X方向およびY方向に所定の間隔をあけて規則的に配列されることになる。なお、板体20を積層する際に、溝21内に硼ケイ酸ガラスからなる線材等を充填しておくことも有効である。次工程である熱圧着による溝21内の封止を容易にするためである。
【0028】
次に、積層体Lをプレス装置にて熱圧着する。熱圧着の様子を図13に示してある。熱圧着は、ダイ14のキャビティ内に積層体Lを配置し、かつパンチ15で押圧する。このとき、少なくともダイ14のキャビティ内は、板体20および封止板22が硼ケイ酸ガラスの場合、600〜900℃の範囲に加熱されている。この熱圧着により、板体20に形成された溝21は、板体20および封止板22を構成する硼ケイ酸ガラスが浸入、あるいは溝21に予め充填された線材等によって封止される。この熱圧着は真空または減圧雰囲気で行うことができる。溝21内への空気の巻き込みを防止するためである。熱圧着後においてもCrO2粒子11の相対的な位置は大きく変わることがないから、熱圧着体におけるCrO2粒子11の配列は規則的なものになる。なお、この例では、熱圧着にプレス装置を用いることにしたが、圧延あるいはその他の手段を用いることもできる。つまり、溝21を封止することができれば、その手段は問われない。
【0029】
熱圧着体は、第1の実施の形態と同様に、所定厚さを得るための加熱下における圧延、光透過部3との熱圧着による一体化を経て、偏光子1を構成することになる。
【0030】
次に、図14〜図16に基づいて、本発明の第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は、図14に示すように、X軸方向およびY軸方向に所定間隔を隔てて貫通孔を形成したガラス製ブロック体を用意する工程(S301)、ブロック体の貫通孔内に針状の銀メッキされたCrO2粒子(以下、単にCrO2粒子ということがある)を配置する工程(S303)、針状のCrO2粒子が貫通孔に配置されたガラス製ブロック体をプレスにより熱圧着する工程(S305)、熱圧着により得られたプレス体を所定の寸法まで加熱下で圧延する工程(S307)とを備えている。なお、S305およびS307は、第1の実施の形態のS105およびS107と同様の工程である。
【0031】
第3の実施の形態において、例えば10×10×1mm程度の寸法を有する硼ケイ酸ガラス製のブロックを用意する。ブロックの寸法、材質はあくまで一例であって、適宜変更することが可能である。図15に示すように、このブロック体30に、例えば、レーザ加工機を用いて貫通孔31を形成する。貫通孔31は、ブロック体30の所定の領域に、かつX軸方向およびY軸方向に所定間隔を隔てて形成する。貫通孔31の径は、0.2mm程度とすればよい。貫通孔31は、CrO2粒子11の収容路として機能する。
ブロック体30において、最終的に偏光子1となる際に、貫通孔31が形成されている領域が偏光部2を構成し、貫通孔31が形成されていない領域が光透過部3を構成することになる。
【0032】
ブロック体30の貫通孔31に針状のCrO2粒子11を配置する。CrO2粒子11の配置は、第1の実施の形態と同様に行えばよい。
CrO2粒子11が貫通孔31に配置されたブロック体30は、加熱下におけるプレス加工に供される。このプレス加工によって、貫通孔31を封止する。この様子を図16に示すが、ブロック体30をダイ14のキャビティ内に配置し、かつパンチ15で押圧する。このとき、少なくともダイ14のキャビティ内は、ブロック体30が流動化して貫通孔31を充填、封止することができる程度の温度、例えば600〜900℃の範囲に加熱されている。
以上の加熱・加圧を経たブロック体30は、必要に応じて、所定厚さを得るための圧延加工に供される。圧延後にさらに、研磨加工、コーティング剤の塗布等を適宜行うことにより、偏光子1を得ることになる。
【0033】
第3の実施の形態は、ブロック体30を偏光部2のみならず光透過部3として機能する部分を設けた。したがって、第1の実施の形態および第2の実施の形態のように、偏光部2と光透過部3とを一体化するという工程を省くことができる。
【0034】
以上説明した第1〜3の実施の形態は、いずれも、中空孔、溝21というように間隔が規制された収容路にCrO2粒子11を配置する。そして、この状態を実質的に維持するようにして収容路を封止した偏光部2を得る。したがって、この偏光部2を要素とする偏光子1は、偏波光を生成するための要素たるCrO2粒子11の配列が規則化される。従来は、この規則化が容易でないために、偏光子製造の歩留まりが低く、結果として偏光子の製造コストを押し上げていた。これに対して、本実施の形態による偏光子1は、規則化を容易に得ることができるため、偏光子1のコスト低減にも寄与することができる。
なお、以上の実施の形態は、光アイソレータに使用される偏光子1を対象にした。しかし、本発明の偏光子の製造方法は、他の用途に用いられる偏光部材の製造方法に適用できることは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、偏光子の平面方向および厚さ方向における、偏波光を生成するための要素の配列を規則化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態による偏光子を示す図である。
【図2】第1の実施の形態による偏光子の製造方法の工程を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施の形態において、ガラス管内にCrO2粒子が配置されている状態を示す図である。
【図4】第1の実施の形態において、ガラス管を延伸して得られた線材中にCrO2粒子が配列している様子を示す図である。
【図5】第1の実施の形態において、線材を束ねて積層した状態を示す図である。
【図6】第1の実施の形態において、積層された線材をプレス装置を用いて熱圧着する様子を示す断面図である。
【図7】第1の実施の形態において、熱圧着体を圧延する様子を示す図である。
【図8】第1の実施の形態において、偏光部と光透過部とを積層した状態を示す図である。
【図9】第2の実施の形態による偏光子の製造方法の工程を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施の形態に用いる、ストライプ状の溝が形成された板体を示す図である。
【図11】第2の実施の形態において、板体の溝にCrO2粒子が配置された様子を示す図である。
【図12】第2の実施の形態において、板体を積層した様子を示す図である。
【図13】第2の実施の形態において、積層された板体を熱圧着する様子を示す断面図である。
【図14】第3の実施の形態による偏光子の製造方法の工程を示すフローチャートである。
【図15】第3の実施の形態に用いる、貫通孔の形成されたブロック体を示す図である。
【図16】第3の実施の形態において、CrO2粒子が貫通孔に配置されたブロック体を加熱下でプレスする様子を示す断面図である。
【図17】光アイソレータの構成を示す図である。
【図18】光アイソレータの原理を説明する図である。
【符号の説明】
1…偏光子、2…偏光部、3…光透過部、10…ガラス管、11…CrO2粒子、12…線材、13…ダミー線材、14…ダイ、15…パンチ、16…ロール、20…板体、21…溝、22…封止板、30…ブロック体、31…貫通孔
Claims (9)
- 導電性を有する粒子が光透過性母材中に分散された偏光部材の製造方法であって、
前記光透過性母材に形成された前記粒子を収容する収容路に前記粒子を配置する工程(a)と、
前記収容路を封止する工程(b)と、
を備えたことを特徴とする偏光部材の製造方法。 - 前記工程(a)は、
光透過性材料から構成される管状部材の中空孔に前記粒子を配置することを含み、
前記工程(b)は、
前記管状部材を加熱下で延伸することを含む請求項1に記載の偏光部材の製造方法。 - 前記工程(a)は、
その表面に所定間隔をもって形成された溝状の前記収容路が形成された部材を複数用意するとともに、複数の前記部材の前記収容路に前記粒子を配置し、かつ複数の前記部材を積層することを含み、
前記工程(b)は、
積層された前記複数の部材を真空中または減圧雰囲気における加熱下で圧着することを含む請求項1に記載の偏光部材の製造方法。 - 前記工程(a)は、
互いに所定間隔をもって形成された空孔からなる前記収容路が複数設けてあるブロック状部材を用意するとともに、前記ブロック状部材の前記収容路に前記粒子を配置することを含み、
前記工程(b)は、
前記ブロック状部材を真空中または減圧雰囲気における加熱下で圧着することを含む請求項1に記載の偏光部材の製造方法。 - 偏波光を生成する偏光部と、前記偏光部を通過した前記偏波光が透過する光透過部とを備える偏光子の製造方法であって、
その長手方向に前記偏波光を生成するための要素が整列された線材を複数作製し、
複数の前記線材を束ねた状態で熱圧着して前記偏光部を構成する部材(a)を作製し、
前記部材(a)と、前記光透過部を構成する光透過性材料からなる部材(b)とを、積層した状態で熱圧着することを特徴とする偏光子の製造方法。 - 前記線材は、その中空孔内に前記要素を配置した管を溶融、固化することにより得ることを特徴とする請求項5に記載の偏光子の製造方法。
- 偏波光を生成する偏光部と、前記偏光部を通過した前記偏波光が透過する光透過部とを備える偏光子の製造方法であって、
その表面にストライプ状の溝が形成された板体を複数用意し、
複数の前記板体の前記溝内に前記偏波光を生成するための要素を配置し、
前記要素が配置された前記複数の板体を積層した状態で熱圧着し、
前記熱圧着で得られた部材(c)と、前記光透過部を構成する光透過性材料からなる部材(d)とを、積層した状態で熱圧着することを特徴とする偏光子の製造方法。 - 前記熱圧着により、前記溝が封止されることを特徴とする請求項7に記載の偏光子の製造方法。
- 偏波光を生成する偏光部と、前記偏光部を通過した前記偏波光が透過する光透過部とを備える偏光子の製造方法であって、
前記偏光部に対応する領域に、所定の長さを有する空孔が平面方向および厚さ方向に所定間隔を隔てて形成されたブロック体を用意し、
前記ブロック体の前記空孔内に前記偏波光を生成するための要素を配置し、
前記要素が配置された前記ブロック体を加熱下で加圧して前記空孔を封止することを特徴とする偏光子の製造方法。
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JP2002341346A JP2004177517A (ja) | 2002-11-25 | 2002-11-25 | 偏光部材の製造方法および偏光子の製造方法 |
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Cited By (1)
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JP2009265545A (ja) * | 2008-04-30 | 2009-11-12 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 光学素子及びそれを用いた光アイソレータ |
-
2002
- 2002-11-25 JP JP2002341346A patent/JP2004177517A/ja not_active Withdrawn
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