JP2004177130A - Nqr−squidによる地雷探知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】非金属系の地雷にも適用でき、しかも異種の爆発物質を同時に検知することができる携帯可能な小型の地雷探知装置を提供する。
【解決手段】ラジオ波を発信して地雷に含まれる窒素14原子(14N)のNQRを高感度な高温超伝導SQUID磁気センサを使用して検知する。
【選択図】 図1
【解決手段】ラジオ波を発信して地雷に含まれる窒素14原子(14N)のNQRを高感度な高温超伝導SQUID磁気センサを使用して検知する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は地雷探知装置に関するものであり、さらに詳しくは、地雷に含まれる爆発性物質である窒素14原子のNQR(核四極共鳴)信号を検知することによる地雷の探知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明の課題】
地雷の探知・除去に関する技術の特許文献は国の内外を問わず数多く出願されている(たとえば、引用文献1〜4を参照)。しかしながら、上記文献に記載されている技術はもとより、これまで紹介されている数多くの文献に記載の地雷の探知・除去に関する技術は地中レーダや金属探知器を使用して地雷を、その地雷が埋設されている周囲の土壌に対して異物と認識する検知方法である。
【0003】
【文献】
1; 特開2001−74387号公報
2; 特開2001−153597号公報
3; 特表平06−506295号公報
4; USP6,411,208B1
これまでに開発された地雷の探知方法は大きく分けて2種類ある。一つは地雷とその地雷が埋設されている周囲の土壌との物性の違いを検知する方法であり、他の1つは地雷(爆発性物質)自体の物性を直接検知する方法がある。
【0004】
前者に分類される方法としては、電磁誘導法(金属探知)、電波法(誘電率)、電気探査法(比抵抗)、熱探査法(熱容量)、超音波法(物質密度)等があり、後者に分類される方法としては、核磁気共鳴法(磁気特性)、中性子法(放射化特性)、化学法(原子の結合状態)、生物法(抗体生体膜)等がある。
【0005】
後者に分類される核磁気共鳴法は一般にNMR法(Nuclear Magnetic Resonance Spectrometer)と呼ばれ、現在では医療機器に利用されている。
【0006】
このNMR法と呼ばれる核磁気共鳴を利用して地雷を探知する方法は、電磁誘導法(金属探知器)や電波法(地中レーダ)のように、地雷と地雷が埋設されている周囲の土壌の電気伝導度や誘電率等の相対的な物性の違いを検知するのではなく、地雷(爆発性物質)を構成する原子が持っている特有の核磁気を直接検知する方法であり、検知する対象物の爆発性物質を直接検知できるため地雷探知手段としては優れたものとされている。
【0007】
ところが、このNMR法は強い磁場を発生させるための大型磁石が不可欠であり、核磁気共鳴を利用するNMR法は装置の小型化という意味では致命的な欠陥を持っている。したがって、NMR法による化学物質の検知装置としては医療診断装置としてのMRI(Magnetic Resonanne Imaging)として実用化しているに過ぎず携帯可能な地雷探知装置には適応しないものとされていた。
【0008】
そこで、この出願の発明は従来のこのような問題点を解決するものであり、携帯可能で屋外でも簡便に使用できる地雷探知装置を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するためのものとして、第1には、電波発信機、電波発信アンテナおよび爆発性物質に含まれる窒素14原子のNQR信号を受信する高温超伝導SQUIDを備えていることを特徴とする地雷探知装置を提供し、第2には、さらに、環境磁気受信用SQUIDが具備されている地雷探知装置を、また、第3には、高温超伝導SQUID及び/または環境磁気受信用SQUIDの冷却媒体が液体窒素であることを特徴とする地雷探知装置を、第4には、高温超伝導SQUIDと環境磁気受信用SQUIDが差分回路に連結されていることを特徴とする地雷探知装置を提供する。
【0010】
そして、この出願の発明は、第5には、常伝導金属線による1次微分または2次微分のピックアップコイルと磁気シールドに入ったSQUIDへ磁場を誘導するインプットコイルを連結した受信コイルを用いることを特徴とする地雷探知装置を、また、第6には、電波発信アンテナと高温超伝導SQUIDが把持可能に備えられ、電波発信機、高温超伝導SQUID制御器およびデータ処理器がバッテリ駆動できることを特徴とする携帯可能な地雷探知装置を、そして、第7には、発信電波の周波数が0.1〜10MHz帯域のラジオ波である地雷探知装置を、第8には、発信電波を0.1〜10MHzで掃引して、得られるNQR信号の共鳴信号を利用することを特徴とする地雷探知装置を、また、第9には、電波発信アンテナが指向性であることを特徴とする地雷探知装置を、さらに、第10には、矩形波を電波発信アンテナから発信し、得られる高温超伝導SQUIDの検出信号を高速フーリエ解析した周波数スペクトルとデータベースの化学物質のスペクトル分布を比較する地雷探知装置を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
この出願の発明はその原理として、交流の磁界を地中に発信して、目的とする爆発性物質、たとえば地雷用火薬として使用されているTNT(Trinitrotoluene)中の窒素14原子(14N)が発生する固有の電磁波である核四極共鳴(Nuclear Quadrupole Resonance:NQRと省略する)をラジオ波で共鳴させて検知するものであるが、この際に、特に検知が困難とされる低周波数帯域の検知に超伝導量子干渉素子(Superconducting Quantum Interference Device:SQUIDと省略する)と称する超高感度磁気センサを利用する点に特徴を有している。
【0012】
NQR信号とSQUIDを組み合わせた地雷探知装置の概念を模式的に示すと図3のようになる。ラジオ波発信機からラジオ波発信アンテナを経由してラジオ波を発信する。ラジオ波が地中に埋設されている地雷に照射した時に共鳴するNQRを信号受信用SQUIDで受信してパソコン等を利用したデータ処理装置で既知の共鳴周波数と対比して地雷に含まれる爆発性物質を特定する。この出願の発明の地雷探知装置に使用するNQRはNMR(Nuclear Magnetic Resonance Spectrometer)と同様な原理により物質を検地する方法であるが、NQRとNMRとの本質的な違いはNMRが磁気を利用するのに対して、NQRは原子核周辺の電界勾配を利用することであり、ゼロ磁界でも物質を特定することが可能であるという有利な特徴を有している。
【0013】
NQRの原理を示すと図4のようになる。図4の模式図に示されているように、核スピンが1以上の原子には、原子核周辺の電場勾配と核四極の相互作用により物質固有の共鳴周波数を持っており、この共鳴周波数を検知することによって物質を同定するものである。今日では既に数十万の化学物質特有の共鳴周波数が調べられており対象となる爆発性物質を容易に検知することができる。
【0014】
たとえば、爆発物質はTNTなどの窒素を含有している物質がほとんどであることから各スピンが1である窒素14(14N)からのNQR信号を捕えることができる。
【0015】
NQR信号の検知に使用する電波は通常10MHz以下のラジオ波と呼ばれる帯域の電波を使用する。通常は、この帯域の電波を照射するアンテナを目的物に近づけながら目的物を検知するものであるが、電波発信用アンテナを指向性のアンテナにすることにより遠隔の爆発性物質の検知が可能となる。
【0016】
しかしながら、NQR信号の共鳴周波数は一般に数MHz(メガヘルツ)以下と通常のNMRに比べて低周波であるため通常使用する電磁波検出コイルでは爆発性物質を十分に検知できないという欠点がある。
【0017】
この周波数(f)と感度の関係を示したものが図5である。図5から明らかなように低周波帯域での電磁波検出コイルのNQR信号の受信感度は著しく低下するが、SQUIDは周波数(f)の変化に係りなく一定である。
【0018】
この出願の発明は、このような共鳴周波数が低周波でNQR信号の検知が十分にできない帯域の検出器としてSQUIDを用いることによりNQR信号を利用する地雷探知装置の欠点を克服しようとするものである。
【0019】
このSQUIDとは超伝導の量子化現象を応用した超高感度磁気センサであり、従来の磁気センサに比べて100倍以上の感度を有しており地磁気の5,000万分の1以下という微弱電場も検出することが可能である。
【0020】
なお、この出願の発明ではヘリウムを冷却媒体とする一般的なSQUIDではなく、高温超伝導SQUIDを使用することが必要である。と言うのも冷却媒体として液体ヘリウムが使用されているような従来のSQUIDは取り扱いが難しいだけでなく、液体ヘリウムのコスト高、断熱方法の大型化などの課題があり、携帯可能な地雷探知装置に利用することは困難であると考えられる。
【0021】
これに対して、高温超伝導SQUIDは取り扱いが簡便で、しかも低コストの液体窒素(77.3K:−196℃)の使用が可能であるため、高温超伝導SQUIDの小型軽量化が可能になる。そして、高温超伝導SQUIDを地雷探知装置に利用することによって地雷探知装置の携帯化を可能にする。したがって、この出願の発明において、SQUIDとは高温超伝導SQUIDを意味している。
【0022】
しかしながら、SQUIDを利用する超高感度磁気センサは感度が格別に優れているため実際の地雷探知装置ではノイズも取り込んでしまうと言う問題がある。このため、ノイズを除去して爆発性物質の存在を正確に検知するためには、環境ノイズ測定用SQUIDを連結してノイズを除去することが必要であるが、その態様は図3に示されている。この地雷探知装置では、ノイズ除去するために信号受信用SQUIDと共に磁気雑音受信用SQUIDを設けて、爆発物質からのNQR信号だけを測定する。
【0023】
なお、この信号受信用SQUIDや磁気雑音受信用SQUIDの冷却には液体窒素を入れた液体窒素容器の中に浸漬するだけでよい。
【0024】
そして、この信号受信用SQUIDと磁気雑音受信用SQUIDを差分回路に連結することによって環境ノイズを除去する。このように環境ノイズを除去したものをパソコン等のデータ処理装置で処理する。
【0025】
なお、この出願の発明の地雷探知装置は周波数を変化させることによって複数の物質の同定を同時に検知することができるという特徴を有する。この時の周波数の帯域は特に限定されるものではないが0.1−10MHzの範囲が好ましい。
【0026】
以上、詳しく述べたように、この出願の発明の地雷探知装置は他の地雷探知装置に比較して数々の特徴を有するが、この出願の発明を優れた部分を列挙すると下記のようになる。
(イ)爆発性物質そのものが直接検知できる。
(ロ)周波数を変化させることにより複数の異なった爆発物(地雷)を同時に検知することが可能になる。
(ハ)装置の小型携帯化が可能になる。
(ニ)検知に磁場が不要となる。
(ホ)SQUIDをセンサとして用いるため高感度の測定が可能になる。
(ヘ)高温超電導SQUIDを利用するため少量の液体窒素により作動が可能になる。
【0027】
この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下に、この装置を利用する実施の状態について詳しく説明する。
【0028】
【実施例】
<実施例1>
図1は実施例としての地雷探知装置の全体図である。探知用のラジオ波(0.1〜10MHz)はラジオ波発信機(2)により発信し、増幅アンプ(12)により増幅された後、ラジオ波発信アンテナ(1)へ導入され、ラジオ波が地面に向かって発信される。
【0029】
このラジオ波を受けた地雷(13)から共鳴するNQR信号が発信され、それを信号受信用SQUID1(8)が受信する。SQUID2(7)は環境磁気ノイズ磁気測定用に設けられており、SQUID1(8)とSQUID2(7)のそれぞれの電子回路(10)(9)を経由して差動アンプ(11)により、環境ノイズを取り除いたNQR信号のみが出力し、ロックインアンプ(3)へ導かれる。
【0030】
ロックインアンプ(3)ではラジオ波発信機(2)の信号を参照信号として取り込んでおり、差動アンプ(11)に導入された信号の中でラジオ波の周波数の信号のみを取り出しノイズを低減することができる。この信号をパソコン等を利用した処理装置(PC)へA/D変換して入れる。この信号を100〜10000回積算平均処理して、さらに環境ノイズを低減した後、最終的なデータとする。この作業を0.1〜10MHzまで10Hzピッチで繰り返して、0.1〜10MHz全域のスペクトルを採取することができる。
【0031】
地雷の探知では、この他、簡易化のため、既にわかっている周波数のみについて(表1参照)、上記の処理をすることで効率を上げることができる。
【0032】
【表1】
【0033】
具体的には、TNT,ニトロトルエン、RDX,HMXについて、検出を実施した。その結果すべての爆発物について、NQR信号をSQUIDの検出限界以上で明瞭に確認することができた。特に、地雷としてよく使用されているTNTについて詳細に述べると、
100gのTNTを地中(4)に埋めて5cm離れたSQUIDでNQR信号を検出した。NQR信号は約1pT(ピコテスラ)の強度であった。この方法で使用したSQUIDは10mm角の基板上に設けたY1Ba2Cu3O7の0.1μmの厚みの膜を超伝導膜を使用した。測定には図1の電子回路を用いロックインアンプの出力をパソコン等を利用した処理装置(PC)に取り入れてモニターした。そして、積算平均は1000回とした。このSQUIDの磁場分解能は約0.01pT(ピコテスラ)であり、TNTのNQR信号の受信は明瞭に実施できた。
<実施例2>
図2は環境ノイズの影響を極力減少して測定することができる地雷探知装置装置の全体図である。この地雷探知装置は2次微分型コイル(15)にて、NQR信号を捕まえ、その磁場を磁場誘導コイル(17)により、SQUID磁場として出力し、SQUIDにて検出する。
【0034】
2次微分コイル(15)は上部100巻、中部200巻、下部100巻、直径5cmである。上部と下部のコイルは同一方向に巻き、中部のコイルは反対方向に巻く。そして、磁場誘電コイル(17)は200巻直径5cmである。この磁場誘導コイル(17)直下に液体窒素(5)に浸漬したSQUID(8)を取り付けて磁場をモニターした。この磁場誘導コイル(17)とSQUID(8)は磁気シールド(16)の中に入れられている。この磁気シールド(16)は図2に示されるように二重構造になっており高透磁率のパーマロイで作成されている。二重の円筒(底と上蓋付き)であるこの磁気シールド(16)によりSQUIDへ環境磁場が加わらないためにSQUID(8)は安定に作動することが確認された。爆発物の検出実験は実施例と同一の方法を用いた。NQR信号は約1pT(ピコテスラ)であるのに対しSQUIDノイズは0.01pT(ピコテスラ)であり、測定するための十分な強度を有することが確認された。
【0035】
【発明の効果】
従来の地雷探知機と言われているものは、ほとんどが金属探知機であった。しかしながら、最近ではプラスチック爆弾に見られるように非金属系の地雷の比重が高くなってきている。この出願の発明の地雷探知機はこのようなプラスチック系の地雷にも適用でき、しかも携帯可能であり、地雷探知機としての将来性は大きな伸びが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】地雷探知装置の全体図である。
【図2】磁気シールドを使用した地雷探知装置の全体図である。
【図3】地雷探知装置の概念を示した模式図である。
【図4】NQRを利用する地雷探知の原理を示したものである。
【図5】周波数と感度の関係を示した図面である。
【符号の説明】
1 ラジオ波発信アンテナ
2 ラジオ波発信機
3 ロックインアンプ
4 地面
5 液体窒素
6 液体窒素容器
7 SQUID1
8 SQUID2
9 SQUID1用電子回路
10 SQUID2用電子回路
11 差動アンプ
12 増幅アンプ
13 地雷
15 2次微分型コイル
16 磁気シールド
17 磁場誘導コイル
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は地雷探知装置に関するものであり、さらに詳しくは、地雷に含まれる爆発性物質である窒素14原子のNQR(核四極共鳴)信号を検知することによる地雷の探知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明の課題】
地雷の探知・除去に関する技術の特許文献は国の内外を問わず数多く出願されている(たとえば、引用文献1〜4を参照)。しかしながら、上記文献に記載されている技術はもとより、これまで紹介されている数多くの文献に記載の地雷の探知・除去に関する技術は地中レーダや金属探知器を使用して地雷を、その地雷が埋設されている周囲の土壌に対して異物と認識する検知方法である。
【0003】
【文献】
1; 特開2001−74387号公報
2; 特開2001−153597号公報
3; 特表平06−506295号公報
4; USP6,411,208B1
これまでに開発された地雷の探知方法は大きく分けて2種類ある。一つは地雷とその地雷が埋設されている周囲の土壌との物性の違いを検知する方法であり、他の1つは地雷(爆発性物質)自体の物性を直接検知する方法がある。
【0004】
前者に分類される方法としては、電磁誘導法(金属探知)、電波法(誘電率)、電気探査法(比抵抗)、熱探査法(熱容量)、超音波法(物質密度)等があり、後者に分類される方法としては、核磁気共鳴法(磁気特性)、中性子法(放射化特性)、化学法(原子の結合状態)、生物法(抗体生体膜)等がある。
【0005】
後者に分類される核磁気共鳴法は一般にNMR法(Nuclear Magnetic Resonance Spectrometer)と呼ばれ、現在では医療機器に利用されている。
【0006】
このNMR法と呼ばれる核磁気共鳴を利用して地雷を探知する方法は、電磁誘導法(金属探知器)や電波法(地中レーダ)のように、地雷と地雷が埋設されている周囲の土壌の電気伝導度や誘電率等の相対的な物性の違いを検知するのではなく、地雷(爆発性物質)を構成する原子が持っている特有の核磁気を直接検知する方法であり、検知する対象物の爆発性物質を直接検知できるため地雷探知手段としては優れたものとされている。
【0007】
ところが、このNMR法は強い磁場を発生させるための大型磁石が不可欠であり、核磁気共鳴を利用するNMR法は装置の小型化という意味では致命的な欠陥を持っている。したがって、NMR法による化学物質の検知装置としては医療診断装置としてのMRI(Magnetic Resonanne Imaging)として実用化しているに過ぎず携帯可能な地雷探知装置には適応しないものとされていた。
【0008】
そこで、この出願の発明は従来のこのような問題点を解決するものであり、携帯可能で屋外でも簡便に使用できる地雷探知装置を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するためのものとして、第1には、電波発信機、電波発信アンテナおよび爆発性物質に含まれる窒素14原子のNQR信号を受信する高温超伝導SQUIDを備えていることを特徴とする地雷探知装置を提供し、第2には、さらに、環境磁気受信用SQUIDが具備されている地雷探知装置を、また、第3には、高温超伝導SQUID及び/または環境磁気受信用SQUIDの冷却媒体が液体窒素であることを特徴とする地雷探知装置を、第4には、高温超伝導SQUIDと環境磁気受信用SQUIDが差分回路に連結されていることを特徴とする地雷探知装置を提供する。
【0010】
そして、この出願の発明は、第5には、常伝導金属線による1次微分または2次微分のピックアップコイルと磁気シールドに入ったSQUIDへ磁場を誘導するインプットコイルを連結した受信コイルを用いることを特徴とする地雷探知装置を、また、第6には、電波発信アンテナと高温超伝導SQUIDが把持可能に備えられ、電波発信機、高温超伝導SQUID制御器およびデータ処理器がバッテリ駆動できることを特徴とする携帯可能な地雷探知装置を、そして、第7には、発信電波の周波数が0.1〜10MHz帯域のラジオ波である地雷探知装置を、第8には、発信電波を0.1〜10MHzで掃引して、得られるNQR信号の共鳴信号を利用することを特徴とする地雷探知装置を、また、第9には、電波発信アンテナが指向性であることを特徴とする地雷探知装置を、さらに、第10には、矩形波を電波発信アンテナから発信し、得られる高温超伝導SQUIDの検出信号を高速フーリエ解析した周波数スペクトルとデータベースの化学物質のスペクトル分布を比較する地雷探知装置を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
この出願の発明はその原理として、交流の磁界を地中に発信して、目的とする爆発性物質、たとえば地雷用火薬として使用されているTNT(Trinitrotoluene)中の窒素14原子(14N)が発生する固有の電磁波である核四極共鳴(Nuclear Quadrupole Resonance:NQRと省略する)をラジオ波で共鳴させて検知するものであるが、この際に、特に検知が困難とされる低周波数帯域の検知に超伝導量子干渉素子(Superconducting Quantum Interference Device:SQUIDと省略する)と称する超高感度磁気センサを利用する点に特徴を有している。
【0012】
NQR信号とSQUIDを組み合わせた地雷探知装置の概念を模式的に示すと図3のようになる。ラジオ波発信機からラジオ波発信アンテナを経由してラジオ波を発信する。ラジオ波が地中に埋設されている地雷に照射した時に共鳴するNQRを信号受信用SQUIDで受信してパソコン等を利用したデータ処理装置で既知の共鳴周波数と対比して地雷に含まれる爆発性物質を特定する。この出願の発明の地雷探知装置に使用するNQRはNMR(Nuclear Magnetic Resonance Spectrometer)と同様な原理により物質を検地する方法であるが、NQRとNMRとの本質的な違いはNMRが磁気を利用するのに対して、NQRは原子核周辺の電界勾配を利用することであり、ゼロ磁界でも物質を特定することが可能であるという有利な特徴を有している。
【0013】
NQRの原理を示すと図4のようになる。図4の模式図に示されているように、核スピンが1以上の原子には、原子核周辺の電場勾配と核四極の相互作用により物質固有の共鳴周波数を持っており、この共鳴周波数を検知することによって物質を同定するものである。今日では既に数十万の化学物質特有の共鳴周波数が調べられており対象となる爆発性物質を容易に検知することができる。
【0014】
たとえば、爆発物質はTNTなどの窒素を含有している物質がほとんどであることから各スピンが1である窒素14(14N)からのNQR信号を捕えることができる。
【0015】
NQR信号の検知に使用する電波は通常10MHz以下のラジオ波と呼ばれる帯域の電波を使用する。通常は、この帯域の電波を照射するアンテナを目的物に近づけながら目的物を検知するものであるが、電波発信用アンテナを指向性のアンテナにすることにより遠隔の爆発性物質の検知が可能となる。
【0016】
しかしながら、NQR信号の共鳴周波数は一般に数MHz(メガヘルツ)以下と通常のNMRに比べて低周波であるため通常使用する電磁波検出コイルでは爆発性物質を十分に検知できないという欠点がある。
【0017】
この周波数(f)と感度の関係を示したものが図5である。図5から明らかなように低周波帯域での電磁波検出コイルのNQR信号の受信感度は著しく低下するが、SQUIDは周波数(f)の変化に係りなく一定である。
【0018】
この出願の発明は、このような共鳴周波数が低周波でNQR信号の検知が十分にできない帯域の検出器としてSQUIDを用いることによりNQR信号を利用する地雷探知装置の欠点を克服しようとするものである。
【0019】
このSQUIDとは超伝導の量子化現象を応用した超高感度磁気センサであり、従来の磁気センサに比べて100倍以上の感度を有しており地磁気の5,000万分の1以下という微弱電場も検出することが可能である。
【0020】
なお、この出願の発明ではヘリウムを冷却媒体とする一般的なSQUIDではなく、高温超伝導SQUIDを使用することが必要である。と言うのも冷却媒体として液体ヘリウムが使用されているような従来のSQUIDは取り扱いが難しいだけでなく、液体ヘリウムのコスト高、断熱方法の大型化などの課題があり、携帯可能な地雷探知装置に利用することは困難であると考えられる。
【0021】
これに対して、高温超伝導SQUIDは取り扱いが簡便で、しかも低コストの液体窒素(77.3K:−196℃)の使用が可能であるため、高温超伝導SQUIDの小型軽量化が可能になる。そして、高温超伝導SQUIDを地雷探知装置に利用することによって地雷探知装置の携帯化を可能にする。したがって、この出願の発明において、SQUIDとは高温超伝導SQUIDを意味している。
【0022】
しかしながら、SQUIDを利用する超高感度磁気センサは感度が格別に優れているため実際の地雷探知装置ではノイズも取り込んでしまうと言う問題がある。このため、ノイズを除去して爆発性物質の存在を正確に検知するためには、環境ノイズ測定用SQUIDを連結してノイズを除去することが必要であるが、その態様は図3に示されている。この地雷探知装置では、ノイズ除去するために信号受信用SQUIDと共に磁気雑音受信用SQUIDを設けて、爆発物質からのNQR信号だけを測定する。
【0023】
なお、この信号受信用SQUIDや磁気雑音受信用SQUIDの冷却には液体窒素を入れた液体窒素容器の中に浸漬するだけでよい。
【0024】
そして、この信号受信用SQUIDと磁気雑音受信用SQUIDを差分回路に連結することによって環境ノイズを除去する。このように環境ノイズを除去したものをパソコン等のデータ処理装置で処理する。
【0025】
なお、この出願の発明の地雷探知装置は周波数を変化させることによって複数の物質の同定を同時に検知することができるという特徴を有する。この時の周波数の帯域は特に限定されるものではないが0.1−10MHzの範囲が好ましい。
【0026】
以上、詳しく述べたように、この出願の発明の地雷探知装置は他の地雷探知装置に比較して数々の特徴を有するが、この出願の発明を優れた部分を列挙すると下記のようになる。
(イ)爆発性物質そのものが直接検知できる。
(ロ)周波数を変化させることにより複数の異なった爆発物(地雷)を同時に検知することが可能になる。
(ハ)装置の小型携帯化が可能になる。
(ニ)検知に磁場が不要となる。
(ホ)SQUIDをセンサとして用いるため高感度の測定が可能になる。
(ヘ)高温超電導SQUIDを利用するため少量の液体窒素により作動が可能になる。
【0027】
この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下に、この装置を利用する実施の状態について詳しく説明する。
【0028】
【実施例】
<実施例1>
図1は実施例としての地雷探知装置の全体図である。探知用のラジオ波(0.1〜10MHz)はラジオ波発信機(2)により発信し、増幅アンプ(12)により増幅された後、ラジオ波発信アンテナ(1)へ導入され、ラジオ波が地面に向かって発信される。
【0029】
このラジオ波を受けた地雷(13)から共鳴するNQR信号が発信され、それを信号受信用SQUID1(8)が受信する。SQUID2(7)は環境磁気ノイズ磁気測定用に設けられており、SQUID1(8)とSQUID2(7)のそれぞれの電子回路(10)(9)を経由して差動アンプ(11)により、環境ノイズを取り除いたNQR信号のみが出力し、ロックインアンプ(3)へ導かれる。
【0030】
ロックインアンプ(3)ではラジオ波発信機(2)の信号を参照信号として取り込んでおり、差動アンプ(11)に導入された信号の中でラジオ波の周波数の信号のみを取り出しノイズを低減することができる。この信号をパソコン等を利用した処理装置(PC)へA/D変換して入れる。この信号を100〜10000回積算平均処理して、さらに環境ノイズを低減した後、最終的なデータとする。この作業を0.1〜10MHzまで10Hzピッチで繰り返して、0.1〜10MHz全域のスペクトルを採取することができる。
【0031】
地雷の探知では、この他、簡易化のため、既にわかっている周波数のみについて(表1参照)、上記の処理をすることで効率を上げることができる。
【0032】
【表1】
【0033】
具体的には、TNT,ニトロトルエン、RDX,HMXについて、検出を実施した。その結果すべての爆発物について、NQR信号をSQUIDの検出限界以上で明瞭に確認することができた。特に、地雷としてよく使用されているTNTについて詳細に述べると、
100gのTNTを地中(4)に埋めて5cm離れたSQUIDでNQR信号を検出した。NQR信号は約1pT(ピコテスラ)の強度であった。この方法で使用したSQUIDは10mm角の基板上に設けたY1Ba2Cu3O7の0.1μmの厚みの膜を超伝導膜を使用した。測定には図1の電子回路を用いロックインアンプの出力をパソコン等を利用した処理装置(PC)に取り入れてモニターした。そして、積算平均は1000回とした。このSQUIDの磁場分解能は約0.01pT(ピコテスラ)であり、TNTのNQR信号の受信は明瞭に実施できた。
<実施例2>
図2は環境ノイズの影響を極力減少して測定することができる地雷探知装置装置の全体図である。この地雷探知装置は2次微分型コイル(15)にて、NQR信号を捕まえ、その磁場を磁場誘導コイル(17)により、SQUID磁場として出力し、SQUIDにて検出する。
【0034】
2次微分コイル(15)は上部100巻、中部200巻、下部100巻、直径5cmである。上部と下部のコイルは同一方向に巻き、中部のコイルは反対方向に巻く。そして、磁場誘電コイル(17)は200巻直径5cmである。この磁場誘導コイル(17)直下に液体窒素(5)に浸漬したSQUID(8)を取り付けて磁場をモニターした。この磁場誘導コイル(17)とSQUID(8)は磁気シールド(16)の中に入れられている。この磁気シールド(16)は図2に示されるように二重構造になっており高透磁率のパーマロイで作成されている。二重の円筒(底と上蓋付き)であるこの磁気シールド(16)によりSQUIDへ環境磁場が加わらないためにSQUID(8)は安定に作動することが確認された。爆発物の検出実験は実施例と同一の方法を用いた。NQR信号は約1pT(ピコテスラ)であるのに対しSQUIDノイズは0.01pT(ピコテスラ)であり、測定するための十分な強度を有することが確認された。
【0035】
【発明の効果】
従来の地雷探知機と言われているものは、ほとんどが金属探知機であった。しかしながら、最近ではプラスチック爆弾に見られるように非金属系の地雷の比重が高くなってきている。この出願の発明の地雷探知機はこのようなプラスチック系の地雷にも適用でき、しかも携帯可能であり、地雷探知機としての将来性は大きな伸びが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】地雷探知装置の全体図である。
【図2】磁気シールドを使用した地雷探知装置の全体図である。
【図3】地雷探知装置の概念を示した模式図である。
【図4】NQRを利用する地雷探知の原理を示したものである。
【図5】周波数と感度の関係を示した図面である。
【符号の説明】
1 ラジオ波発信アンテナ
2 ラジオ波発信機
3 ロックインアンプ
4 地面
5 液体窒素
6 液体窒素容器
7 SQUID1
8 SQUID2
9 SQUID1用電子回路
10 SQUID2用電子回路
11 差動アンプ
12 増幅アンプ
13 地雷
15 2次微分型コイル
16 磁気シールド
17 磁場誘導コイル
Claims (10)
- 電波発信機、電波発信アンテナおよび爆発性物質に含まれる窒素14原子のNQR信号を受信する高温超伝導SQUIDを備えていることを特徴とする地雷探知装置。
- 環境磁気受信用SQUIDが具備されていることを特徴とする請求項1の地雷探知装置。
- 高温超伝導SQUID及び/または環境磁気受信用SQUIDの冷却媒体が液体窒素であることを特徴とする請求項1または2の地雷探知装置。
- 高温超伝導SQUIDと環境磁気受信用SQUIDが差分回路に連結されていることを特徴とする請求項3の地雷探知装置。
- 常伝導金属線による1次微分または2次微分のピックアップコイルと磁気シールドに入ったSQUIDへ磁場を誘導するインプットコイルを連結した受信コイルを用いることを特徴とする請求項1の地雷探知装置。
- 電波発信アンテナと高温超伝導SQUIDが把持可能に備えられ、電波発信機、高温超伝導SQUID制御器およびデータ処理器がバッテリ駆動できることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかの携帯可能な地雷探知装置。
- 発信電波の周波数が0.1〜10MHz帯域のラジオ波であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかの地雷探知装置。
- 発信電波を0.1〜10MHzで掃引して、得られるNQR信号の共鳴信号を利用することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかの地雷探知装置。
- 電波発信アンテナが指向性であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかの地雷探知装置。
- 矩形波を電波発信アンテナから発信し、得られる高温超伝導SQUIDの検出信号を高速フーリエ解析した周波数スペクトルとデータベースの化学物質のスペクトル分布を比較することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかの地雷探知装置。
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