JP2004176913A - 能力調節機能付き定流量弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ニードル弁を絞る事により広範に亘る能力切替を可能にしても、小能力時にニードル弁の外周がこれに対応する流入口の内周に引っ掛かる心配を少なくすること。
【解決手段】 一端が固定弁座(35d)に対して接離動作する可動筒(45a)の外周に一次圧室(67)と二次圧室(64)を区画する受圧板(45f)が張り出した可動弁(45)と、前記可動筒(45a)の他端の一次圧室(67)側端部に開放する流入口(45b)に挿入された小能力状態と前記流入口(45b)から脱出した大能力状態との間で往復移動するニードル弁(47)と、前記可動筒(45a)に設けられて二次圧を前記二次圧室(64)に導く開口(45d)と、前記ニードル弁(47)を軸方向に移動させる能力切替手段(70)と、前記可動弁(45)を開弁方向に付勢する為の二次圧バネ(32)と、前記可動弁(45)を閉弁方向に付勢する一次圧バネ(53)と、を具備し、前記一次圧バネ(53)は前記ニードル弁(47)と前記可動弁(45)との間に介装された状態で圧縮されること。
【選択図】 図4

Description

本発明は、流体回路の一次圧変動が生じても流量を一定に保つ定流量弁、特に、能力調節機能を備えた定流量弁に関するもので、例えば、給湯機の水回路に適用することができる。
図8は従来の定流量弁(2)が組み込まれた配管継手の断面図である(先行文献1の図4参照)。
継手本体(3)内には、図8の上方から下方に向かう流体が流れる流路(4)が貫通している。
前記流路(4)に装填された本願発明の対象たる定流量弁(2)は、大径筒(35a)とその一端から突出する小径筒(35b)具備する弁箱(35)を有しており、前記小径筒(35b)には下流端が開放した可動弁(45)の可動筒(45a)が内装されている。
上記小径筒(35b)の側壁には弁口(35c)が開設されている一方、前記可動筒(45a)の一端と固定弁座(35d)の間の流出間隙(A)は前記可動筒(45a)の軸線方向への往復移動に伴って変化するようになっている。
又、上記可動筒(45a)の上流端には受圧フランジ(45c)(一次圧P1と二次圧P2との圧力差を決定する流入口(45b)が形成されている)が張り出していると共に、該受圧フランジ(45c)はバネ(32)によって開弁方向に付勢されている。又、可動筒(45a)の上流端近傍の周囲壁には開口(45d)が開設されている。
このものでは、継手本体(3)の下流側の給湯機(98)に配管接続された出湯蛇口(96)が閉状態にあるときには、定流量弁(2)内の可動弁(45)に作用する一次圧P1と二次圧P2が等しく、両者が圧力バランスしていることから、バネ(32)が伸張状態に維持されている。従って、可動筒(45a)は最上流側に位置して、流出間隙(A)が最大の状態に維持されている。(図8の中心線より上半分の状態)
次に、給湯機(98)の出湯蛇口(96)が開放されて二次圧P2が低下すると、受圧フランジ(45c)の上流側の一次圧P1と受圧フランジ(45c)の下流側の二次圧P2の圧力差が該受圧フランジ(45c)に作用し、これにより、可動弁(45)がバネ(32)を圧縮させながら下流側に移動する。これにより、可動筒(45a)と固定弁座(35d)の間の流出間隙(A)が前記圧力差に応じた大きさに維持され、前記圧力差と流出間隙(A)で決まる定格流量Qの水が前記出湯蛇口(96)側に供給される。(図8の中心線より下半分の状態)
この状態で、一次圧P1が上昇して出湯蛇口(96)への流量が増加しそうになると、受圧フランジ(45c)に作用する圧力差(P1―P2)が一時的に大きくなり、可動弁(45)が閉方向に移動して流出間隙(A)が小さくなって流量増加が抑えられる。又、小さくなった前記流出間隙(A)部分の通路抵抗が増加する結果、可動筒(45a)内の圧力P2が上昇し、これにより、受圧フランジ(45c)に作用する圧力差(P1―P2)が一次圧上昇前の初期値に戻って安定する。
これにより、前記一次圧P1の変動に影響されることなく、定格流量Qの水が出湯蛇口(96)側に安定的に供給される。
尚、一次圧P1の変動に関わらず前記作用で定格流量Qを安定させる機能を、以下、「ガバナ機能」という。
しかしながら、上記従来のものでは、下流側に給水し得る定格流量Qの大きさはバネ(32)の強さに依存して決まることから一定であり、前記給湯機(98)等の能力等に応じて上記定格流量Qを変更することができない。
従って、上記のように給湯機(98)の給水回路に定流量弁(2)を適用して定格流量Qを一定とする場合は次のような問題が生じる。
1.多量の給湯を可能にすべく、定格流量Qの大きな定流量弁(2)を用いる場合
この場合は、給湯機(98)のリモコン等で温水使用者が高温設定すると、給湯機(98)内のガスバーナが最大出力で燃焼しても設定温度に達しない状態に陥った場合には、給水量を絞ることができないから上記リモコン等で設定された高温の温水が得られない。
2.高温給湯を可能にすべく、定格流量の小さな定流量弁(2)を用いる場合
この場合は、シャワーや台所での給湯が同時に行われて多量の温水が必要になっても、給湯機(98)への給水量を増加させることができず、前記シャワー等の流量が不足する不都合がある。
そこで、上記問題を解決する為の改良案として、定格流量Qを調節可能にするために定流量弁(2)に手動の絞り弁を付加することが考えられる。
具体的には、図9に示すように、可動弁(45)の一端に流入口(45b)を形成すると共に、この可動弁(45)の流入口(45b)に絞り弁としてのニードル弁(47)を手動で挿抜し得るように構成する。そして、大能力状態に切替える場合は、ニードル弁(47)を流入口(45b)から脱出させ(同図の想像線の状態)、この部分の流体の通過面積Nを流入口(45b)の面積に一致させる。一方、小能力状態に切替える場合はニードル弁(47)を流入口(45b)に挿入し(同図の実線の状態)、これにより、ニードル弁(47)と流入口(45b)の内周との間に小さな通過面積Nが確保されるようにする。
このようにすると、既述給湯機(98)等の能力に合わせて、定流量弁(2)の定格流量を調節することが出来、これにより、能力調節機能付きの定流量弁を構成することができる。
ところが、上記改良案の能力調節機能付きの定流量弁において、大能力の給湯機(98)に適用可能にする為には流入口(45b)の直径を大きくして多量の流量を確保できるようにする必要がある。
この場合、ニードル弁(47)を流入口(45b)に挿入することにより、該ニードル弁(47)と流入口(45b)との間の通過面積Nを小さくして定格流量Qを「小」に切替えたとき、前記通過面積Nは、次の式で表される。
即ち、ニードル弁(47)の外半径をr2,流入口(45b)の内半径をr1とすると、
通過面積N=π(r1 ―r2
=π(r1+r2)(r1―r2
上式で(r1―r2)はニードル弁(47)の外周と流入口(45b)の内周との間隙(K)の大きさであるから、該間隙(K)の寸法をKとおくと、
通過面積N=π(r1+r2)K ・・・・a
となる。
従って、大能力の給湯機に適用可能にするために流入口(45b)の直径を大きくすると、上記a式の(r1+r2)が大きくなる。
よって、上記a式に於いて、定格流量Qを「小」に切替えたときの通過面積Nを一定とすれば、間隙(K)の寸法Kは、流入口(45b)の内半径r1が大きくなる程小さくなる。間隙(K)の寸法Kが小さくなるのは、流入口(45b)の内半径r1が大きくなるよりも、ニードル弁(47)の外半径r2が著しく大きくなって(r1―r2)=Kが小さくなることを意味している。
そして、上記改良案の能力調節機能付き定流量弁を大能力の給湯器に適用可能にする為にニードル弁(47)の外半径r2が大きくなって流入口(45b)の内周とニードル弁(47)の間の間隙(K)が小さくなると、可動弁(45)に設けた流入口(45b)の内周にニードル弁(47)が引っ掛かって可動弁(45)の円滑な流量制御動作が阻害されるという問題があった。
特開2001−355752号公報(第4図)
本発明はかかる点に鑑みて成されたもので、ニードル弁(47)を流入口(45b)に挿入して小能力(小流量状態)に切替えたときでも、可動弁(45)とニードル弁(47)が引っ掛かることのない、能力調節機能付き定流量弁を提供することを課題とする。
[1項]
上記課題を解決するための本発明の技術的手段を図1を引用しながら説明すると、本発明の技術的手段は、
『一次圧室(67)に開放する流入口(45b)が軸方向一端に形成された両端開放の可動筒(45a)の外周に前記一次圧室(67)と二次圧室(64)を区画する受圧板(45f)が周設された可動弁(45)と、
前記流入口(45b)に挿入された小能力状態と前記流入口(45b)から脱出した大能力状態との間で軸方向に往復移動するニードル弁(47)と、
前記可動筒(45a)の周壁に設けられて二次圧を前記二次圧室(64)に導く開口(45d)と、
前記ニードル弁(47)を前記小能力状態と前記大能力状態との間で移動させる能力切替え手段(70)と、
前記可動筒(45a)の前記流入口(45b)と反対側端部に対向する固定弁座(35d)と、
前記可動筒(45a)が前記固定弁座(35d)から離反する開弁方向に前記可動弁(45)を付勢する為の二次圧バネ(32)と、
前記可動筒(45a)が前記固定弁座(35d)に接近する閉弁方向に前記可動弁(45)を付勢する一次圧バネ(53)と、を具備し、
前記一次圧バネ(53)は、前記流入口(45b)に挿入される前記ニードル弁(47)と前記可動弁(45)の間に圧縮状態に介装される』ことである。
上記技術的手段によれば、一次圧バネ(53)を設けたからニードル弁(47)を細くすることが出来、これにより、流入口(45b)の内周とニードル弁(47)の間隙(K)を大きくすることが可能となって前記課題を解決することができる。
以下、本発明の作用を、図1〜2を引用しながら更に詳述する。
可動弁(45)の上流側の一次圧は、該可動弁(45)を閉弁方向(可動筒(45a)を固定弁座(35d)に接近させて両者間の流出間隙(A)を小さくする方向)に付勢する一次圧バネ(53)の付勢力と共に受圧板(45f)の上流面(図1では上面)に作用している。又、流入口(45b)の下流側の二次圧は、可動弁(45)を開弁方向(可動筒(45a)を固定弁座(35d)から離反させて両者間の流出間隙(A)を大きくする方向)に付勢する二次圧バネ(32)の付勢力と共に受圧板(45f)の下流面(図1では下面)に作用している。
この状態で下流側の蛇口等の開放によって流体の流れが発生すると、可動弁(45)の上流側→可動弁(45)の流入口(45b)→可動筒(45a)内→可動筒(45a)と固定弁座(35d)の間の流出間隙(A)→固定弁座(35d)の下流側、と繋がる経路で流体が流れる。そして、前記受圧板(45f)の上流面と下流面に加わる一次圧P1と二次圧P2が釣り合う位置で可動弁(45)が安定し、このときの流出間隙(A)によって流量が一定に保たれる。
次に、定格流量Qを大能力状態と小能力状態との間で切替える操作と、これに伴う定流量弁(2)の流量調節動作の関係を説明する。
能力切替え手段(70)の作動により、図1の(ロ)に示す大能力状態になると、ニードル弁(47)が可動筒(45a)の流入口(45b)から脱出し、流体の通過面積Nが流入口(45b)の面積に一致する。これにより、後述の小能力状態に比べて、前記通過面積Nが大きな状態に保たれ、この状態で、定流量弁の既述ガバナ機能により、流量が一定の大流量Qmaxに維持される。
これとは逆に、能力切替え手段(70)により、図1の(イ)に示す小能力状態に切替えられると、ニードル弁(47)の先端が可動筒(45a)の流入口(45b)に進入し、該ニードル弁(47)と流入口(45b)の内周との間に小さな間隙(K)が確保されて前記通過面積Nが小さくなる。そして、この状態で、定流量弁の既述ガバナ機能により、流量が一定の小流量Qminに維持される。
次に、上記大能力状態(流量Qmax)から小能力状態(流量Qmin)への切替えに伴って流量が低下する原理を2つ説明する。
1.図9の改良案のものと同様に、ニードル弁(47)が可動弁(45)の流入口(45b)を絞ることによる流量低下。
大能力状態から小能力状態に切替えられると、既述改良案と同様に、ニードル弁(47)の先端が流入口(45b)に進入し、該流入口(45b)が絞られて、流量が低下する。その結果、図2に示す初期の大流量Qmaxから、改良案の小能力状態と同じ、仮想の絞り状態LまでΔL1分だけ流量低下する。
2.一次圧バネ(53)が圧縮されることによる流量低下。
可動弁(45)の有効受圧面積をS,一次圧バネ(53)のバネ定数をk1,大能力状態での一次圧バネ(53)の圧縮量をB1,二次圧バネ(32)のバネ定数をk2,大能力状態での二次圧バネ(32)の圧縮量をB2とすると、大能力状態に於ける可動弁(45)の一次圧側と二次圧側の力の釣り合いの式は、
S×P1+k1×B1=S×P2+k2×B2 ・・・b
一方、小能力状態(図1の(イ)の状態)に切替えたときに一次圧バネ(53)の圧縮量が(B1+ΔB1)になったとすると、これを式bに代入して、
S×P1+k1×(B1+ΔB1)=S×P2+k2×(B2+ΔB2) ・・・c
の式を得る。
従って、小能力状態に切替えたときには、可動弁(45)がΔB2だけ閉方向に移動して流出間隙(A)が更に減少して流量がΔL2分だけ低下する。
よって、図2に示す絞り状態L(上記「1」の効果が生じている状態)から、更に最終絞り状態QminまでΔL2分だけ流量低下される。
以上のように、本発明によれば、既述改良案の能力調節機能付き定流量弁が奏する前記「1」の流量絞り効果に加えて、更に前記「2」の流量絞り効果が生じる結果、本願発明では、改良案に比べて流量調節範囲がΔL2だけ大きくなる。
よって、本願発明では、小能力状態に切替えた場合の流量が上記ΔL2だけ高くなるような構造にしても改良案の流量調節機能付き定流量弁と同一の流量調節性能(図2のQmax〜絞り状態Lの流量調節範囲を保有する性能)の定流量弁とすることができる。
即ち、改良案のものと同じ大流量Qmax(図1の(ロ)の大能力状態での流量)が得られるように流入口(45b)の径寸法を改良案と同一に設定し、且つ、小流量Qmin(図1の(イ)の小能力状態での流量)を改良案と同じレベルの絞り状態Lまで高める分だけ通過面積Nを大きくしても、前記改良案と同じ流量調節範囲(Qmax―L)に設定することができる。
つまり、流入口(45b)の内半径r1を改良案と同じ寸法に設定しながら通過面積Nを拡大させる為に、ニードル弁(47)を細くして(r2を小さくして)間隙寸法Kを大きくできる。
このように、本発明のものでは、改良案と同じ流量調節性能に設定したとき、小能力状態での上記間隙(K)の寸法Kを大きくできるから、小能力状態において、ニードル弁(47)が可動弁(45)の流入口(45b)の周縁に引っ掛かることがない。従って、可動弁(45)が円滑に動作するから、流量を一定にする定流量弁のガバナ機能を確実に得ることができる。
[2項]
前記2項に於いて、
『前記能力切替え手段(70)は、入力軸の回転に連動して前記ニードル弁(47)を軸線方向に往復移動させるカム機構を備えている』ものでは、入力軸を手動又はモータ等で正逆転させると、ニードル弁(47)が可動弁(45)の流入口(45b)に接離動作して既述流量調節ができる。
[3項]
前記2項に於いて、
『前記入力軸は、手動の切替え操作部(73)の回動によって回転される』ものとすることができる。
本発明は、上記構成であるから次の特有の効果を有する。
既述したように、図9に示す改良案のものに比べて小能力状態での流入口(45b)の内周とニードル弁(47)の間隙(K)の寸法Kを大きくできるから、小能力状態において、ニードル弁(47)が可動弁(45)の流入口(45b)の周縁に引っ掛かることのない能力調節機能付き流量調整弁を提供することができる。
次に、上記した本発明の実施の形態を図面に従って詳述する。
図3は、本発明の実施の形態に係る能力調節機能付き定流量弁(2)の断面図であり、通水停止状態を示す図である。又、図4は、図3に於けるニードル弁(47)と可動弁(45)の相関部の拡大図である。
これら図3,図4のニードル弁(47)と可動弁(45)の中心線(想像線で示している)より右側は、大能力に切替えた状態で通水が停止している場合を図示している一方、前記中心線より左側は、小能力に切替えた状態で通水が停止している場合を図示している。
又、上記通水停止時には可動弁(45)が固定弁座(35d)から離反していると共に、これら可動弁(45)と固定弁座(35d)の間の流出間隙(A)は、後述する通水時に比べて大きい寸法に保たれている。
図3に示すように、本発明の実施の形態に係る能力調節機能付き定流量弁(2)は、本体ケース(40)に貫設されたL字状流路(4)の屈曲点の下流部に配設された弁機構部(41)と、定格流量を設定変更する切替え操作部(73)を有する能力切替え手段(70)と、弁機構部(41)の上流側に位置する流量計(89)を備えている。
[弁機構部(41)について]
図3,図4に示すように、弁機構部(41)は本体ケース(40)内に挿入された円筒状の弁箱(35)のフランジ(35h)に摺動自在に挿入された可動筒(45a)を具備する可動弁(45)と、該可動弁(45)の流入口(45b)に遊挿されるニードル弁(47)とを備えている。
可動弁(45)を構成する可動筒(45a)の上端外周に形成された環状溝(45e)には、流路(4)内の圧力を受ける受圧板(45f)が嵌入されている。尚、該受圧板(45f)の外周の下端部(45f2)と上端部(45f1)の表面積の和が圧力を受ける有効面積になっている。
前記可動筒(45a)には、前記環状溝(45e)の下側に張り出す環状バネ受け片(45a1)が設けられていると共に、該環状バネ受け片(45a1)と弁箱(35)のフランジ(35h)の間には、可動弁(45)をその上流側の一次圧室(67)側に向けて付勢する二次圧バネ(32)が圧縮状態で介装されており、更に、該可動筒(45a)の側壁には、受圧板(45f)の内側の二次圧室(64)と可動筒(45a)内を連通させる開口(45d)が貫通している。
又、本体ケース(40)に貫設された流路(4)の下流端出口(39)から組み込まれた弁固定筒(34)の上端は、可動弁(45)を収容する弁箱(35)に下方から当接している。該弁箱(35)の内壁にはこれと一体形成され且つ紙面に対して前後に延びる固定弁座(35d)が設けられている。
尚、フランジ(35h)の内周縁部には、前記可動筒(45a)を、水密性を確保しながらガイドする為の環状シール部材(38)が配設されている。
可動筒(45a)の上端に外嵌装着された受圧板(45f)の上端部(45f1)は一次圧バネ(53)の一端で下方(二次側)に押圧されるようになっている。該一次圧バネ(53)の他端は、ニードル弁(47)の外周段部(47a)に係合するバネ受け(54)に当接している。
[能力切替え手段(70)について]
図3,図7に示すように、ニードル弁(47)の入力側端部には、スライダ(56)が結合ピン(27)で回り止め状態に外嵌している。このスライダ(56)の側壁に形成されたカム溝(57)には、カム筒(61)の外周に螺旋状に周設されたカムフランジ(62)が係合している。従って、カム筒(61)を回転させると、カム機構を構成するスライダ(56)のカム溝(57)と前記カムフランジ(62)のカム対偶により、スライダ(56)がニードル弁(47)と共に軸方向に往復移動する。
上記カム筒(61)の中心部に回り止め状態に嵌入された中心軸(72)は、能力調節用の手動の操作つまみ(73)に固定された入力軸(74)に対して連結ピン(75)で同軸状に連結されている。そして、上記連結ピン(75)は、カム筒(61)を収納するカムケース(81)から起立した一対のストッパ突起(83)(84)の間で回動し得るように、その回動角度が定められており、該回動角度により、本実施の形態に係る能力調節機能付き定流量弁で能力調節できる範囲が図5〜図6の範囲に設定できる構造になっている。
[動作の実際]
次に、上記能力調節機能付き定流量弁の動作の実際を説明する。
通水停止状態を表した図3に示すように、本実施の形態に係る能力調節機能付き定流量弁は、例えば、給湯機(98)への給水回路(97)に配設して使用される。
例えば、大能力の給湯機(98)を最大能力で燃焼させて多量の低温の湯を取り出す必要がある場合には、図4(通水停止状態を示している)に於いてニードル弁(47)をその中心線より右側に現れる大能力状態(ニードル弁(47)を上昇させた大能力状態)に移動させる。具体的には、図3に現れる操作つまみ(73)の操作によってカム筒(61)を回転させることにより、該カム筒(61)の外周のカムフランジ(62)をスライダ(56)のカム溝(57)内で摺動させ、これにより、該スライダ(56)をニードル弁(47)の後端方向に移動させて流入口(45b)の開度を最大にする(ニードル弁(47)を最後退位置にセットする)。
このものでは、流入口(45b)の上流側の圧力としての一次圧P1は、一次圧バネ(53)の付勢力と協働して受圧板(45f)の上端部(45f1)及び下端部(45f2)を上方から押圧している。又、流入口(45b)の下流側の二次圧P2(図3,図4の通水停止状態では一次圧P1に一致している。)は、可動筒(45a)に設けた開口(45d)から前記受圧板(45f)の上端部(45f1)や下端部(45f2)の下面側の二次圧室(64)に導入されている。これにより、可動弁(45)を開弁方向に付勢する二次圧バネ(32)の付勢力と前記二次圧P2が協働して前記上端部(45f1)及び下端部(45f2)等の下面に作用している。
次に、図3,4に示す停止状態から、図5,6に示す通水状態に変化した場合の各部の動作を説明する。
図6の状態(大能力状態で且つ通水停止状態)で、給湯機(98)の下流側の出湯蛇口(96)等の開放によって通水状態になると、上水道に繋がる上流端入口(90)→一次圧室(67)→可動弁(45)の流入口(45b)→可動筒(45a)内→可動筒(45a)と固定弁座(35d)の流出間隙(A)と繋がる経路で通水される。又、出湯蛇口(96)の開放に伴って受圧板(45f)の上流側の一次圧P1と下流側の二次圧P2の圧力差(P1―P2)が発生し、これにより、図6(大能力状態に切替られている場合を示す)に示すように、可動弁(45)が二次圧バネ(32)の付勢力に抗して固定弁座(35d)に接近し、この状態で可動筒(45a)と固定弁座(35d)との間の流出間隙(A)が所定の寸法に維持されて下流側への給水が継続する。このとき、定流量弁(2)の上流側の一次圧P1が変動しても、既述したガバナ機能により、給湯機(98)側への給水量がQmaxの一定に保たれる。
次に、図6に示す大能力状態(大流量状態)から図5に示す小能力状態(小流量状態)に流量を切替える操作と、これに伴う定流量弁(2)内の流量変化を説明する。
図6に示すようにニードル弁(47)が上昇した大能力状態において、図3に現れる操作つまみ(73)を回動させて小能力状態に切替えると、既述作用によってニードル弁(47)が進出する。具体的には、ニードル弁(47)が図6の上昇位置から図5に示す位置まで降下する。
小能力切替え状態で通水が生じている場合には、図5に示すように、可動弁(45)が固定弁座(35d)に接近した状態に維持され、一次圧室(67)→ニードル弁(47)の外周と流入口(45b)の内周の間隙(K)→可動筒(45a)と固定弁座(35d)の流出間隙(A)→下流端出口(39)と繋がる経路で給水される。
そして、図6の大能力状態から図5の小能力状態に切替えられたときには、既述した本発明の作用で説明した「1」及び「2」の流量絞り効果が生じる。即ち、図9の改良案の能力調節機能付き定流量弁が奏する前記「1」の流量絞り効果に加えて、更に前記「2」の流量絞り効果が生じる。その結果、本願の流量調節機能付き定流量弁では、改良案に比べて、流量調節範囲が図2に表れるΔL2だけ大きくなる。
よって、本願の能力調節機能付き定流量弁では、小能力状態に切替えた場合の流量が上記ΔL2だけ高くなるようにしても図9の改良案の流量調節機能付き定流量弁と同一の流量調節性能(流量調節範囲が図2のQmax〜絞り状態Lの範囲であること)の定流量弁とすることができる。
即ち、流入口(45b)の径寸法を改良案と同一に設定してこれと同じ大流量Qmax(図6の大能力状態での流量)が確保できるようにし、且つ、小流量Qmin(図5の小能力状態での流量)を改良案と同じレベルの絞り状態Lまで高める分だけ通過面積N(図5に示す小能力状態での流入口(45b)内周とニードル弁(47)の間の面積)を大きくしても、改良案と同じ流量調節範囲(図2に示す「Qmax―L」)を確保することができる。
つまり、流入口(45b)の内半径r1を改良案と同じ寸法に設定しながら通過面積Nを拡大させる為に、ニードル弁(47)を細くして(r2を小さくして)間隙寸法Kを大きくできる。
このように、本発明の流量調節機能付き定流量弁では、改良案のものに比べて、小能力に切替えた状態での上記間隙(K)の寸法Kを大きくできるから、小能力状態において、ニードル弁(47)が可動弁(45)の流入口(45b)の周縁に引っ掛かることがない。従って、可動弁(45)が円滑に動作するから、流量を一定にする定流量弁のガバナ機能を確実に得ることができる。よって、小能力状態に於いてニードル弁(47)が可動弁(45)の流入口(45b)の周縁に引っ掛かることのない能力調節機能付き流量調整弁を提供することができる。
尚、上記実施の形態では、本発明の能力調節機能付きの定流量弁を給湯機(98)への給水回路に適用する場合を例示的に説明したが、本発明は、ガス回路や気体回路等の種々の流体回路に適用できることはいうまでもない。
又、上記実施の形態では、カム筒(61)を手動で回動させるようにしたが、該カム筒(61)をモータで回動させる構成にしてもよい。
本発明の作用説明図 図1の小能力状態(イ)と大能力状態(ロ)の状態での流量差を説明するグラフ 本発明の実施の形態に係る能力調節機能付き定流量弁の通水停止時の断面図 図3の要部(ニードル弁(47)と可動弁(45)の相関部)の拡大断面図 本発明の実施の形態に係る能力調節機能付き定流量弁を小能力状態に切替えた状態での通水時の要部断面図 本発明の実施の形態に係る能力調節機能付き定流量弁を大能力状態に切替えた状態での通水時の要部断面図 スライダ(56)の平面図 従来例の説明図 改良案の説明図
符号の説明
(32)・・・二次圧バネ
(35d)・・・固定弁座
(45)・・・可動弁
(45a)・・・可動筒
(45b)・・・流入口
(45f)・・・受圧板
(47)・・・ニードル弁
(53)・・・一次圧バネ
(64)・・・二次圧室
(67)・・・一次圧室
(70)・・・能力切替え手段
(73)・・・切替え操作部


Claims (3)

  1. 一次圧室(67)に開放する流入口(45b)が軸方向一端に形成された両端開放の可動筒(45a)の外周に前記一次圧室(67)と二次圧室(64)を区画する受圧板(45f)が周設された可動弁(45)と、
    前記流入口(45b)に挿入された小能力状態と前記流入口(45b)から脱出した大能力状態との間で軸方向に往復移動するニードル弁(47)と、
    前記可動筒(45a)の周壁に設けられて二次圧を前記二次圧室(64)に導く開口(45d)と、
    前記ニードル弁(47)を前記小能力状態と前記大能力状態との間で移動させる能力切替え手段(70)と、
    前記可動筒(45a)の前記流入口(45b)と反対側端部に対向する固定弁座(35d)と、
    前記可動筒(45a)が前記固定弁座(35d)から離反する開弁方向に前記可動弁(45)を付勢する為の二次圧バネ(32)と、
    前記可動筒(45a)が前記固定弁座(35d)に接近する閉弁方向に前記可動弁(45)を付勢する一次圧バネ(53)と、を具備し、
    前記一次圧バネ(53)は、前記流入口(45b)に挿入される前記ニードル弁(47)と前記可動弁(45)の間に圧縮状態に介装される、能力調節機能付き定流量弁。
  2. 請求項1に記載の能力調節機能付き定流量弁に於いて、
    前記能力切替え手段(70)は、入力軸の回転に連動して前記ニードル弁(47)を軸線方向に往復移動させるカム機構を備えている、定流量弁。
  3. 請求項2に記載の能力調節機能付き定流量弁に於いて、
    前記入力軸は、手動の切替え操作部(73)の回動によって回転される、定流量弁。


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