JP2013213530A - 湯水混合水栓装置 - Google Patents

湯水混合水栓装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013213530A
JP2013213530A JP2012083503A JP2012083503A JP2013213530A JP 2013213530 A JP2013213530 A JP 2013213530A JP 2012083503 A JP2012083503 A JP 2012083503A JP 2012083503 A JP2012083503 A JP 2012083503A JP 2013213530 A JP2013213530 A JP 2013213530A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
hot water
temperature
hot
spring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012083503A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Nagata
博 永田
Hideyuki Matsui
英之 松井
Naoki Amamoto
直樹 天本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toto Ltd filed Critical Toto Ltd
Priority to JP2012083503A priority Critical patent/JP2013213530A/ja
Publication of JP2013213530A publication Critical patent/JP2013213530A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Domestic Plumbing Installations (AREA)
  • Temperature-Responsive Valves (AREA)
  • Multiple-Way Valves (AREA)

Abstract

【課題】水道水圧が高く、流入する水の流量が大きくなる場合に、湯が流入することによって給湯器が着火することを防止することができ、また、水道水圧が高い場合に、混合された湯水の温度が過度に低温化されるのを抑制することができる湯水混合水栓装置を提供する。
【解決手段】本発明は、湯及び水を混合し適温に調整された湯水を吐出させる湯水混合水栓装置であって、水流入開口部22bと湯流入開口部22aとが形成されている湯水混合水栓装置本体と、開口量調整部材30と、感温ばね34と、バイアスばね32と、開口量調整部材を湯流入開口部を閉止する方向に付勢する補助ばね52とを有し、開口量調整部材は、感温ばね及び補助ばねより受ける湯流入開口部を閉止させる方向の力と、バイアスばねより受ける湯流入開口部を開放させる方向の力と、が等しくなるように移動することにより、水流入開口部の開口量及び上記湯流入開口部の開口量を調整する。
【選択図】図4

Description

本発明は、湯水混合水栓装置に関し、特に、湯及び水を混合し適温に調整された湯水を吐出させる湯水混合水栓装置に関する。
従来の湯水混合装置の一例として、円筒状の湯水混合水栓装置本体内部に摺動可能に配置された円筒状の主弁体の両側に感温ばねとバイアスばねが配置され、これらのばねによる付勢力が釣り合う位置に主弁体が移動されるようになっているものが知られている。このような湯水混合装置においては、混合された湯水の温度が上昇すると、感温ばねの付勢力が増加して湯水混合装置本体に形成された湯側シート面と主弁体との間の隙間が狭くなり、水側シート面と主弁体との間の隙間が広くなるように主弁体が移動され、湯水混合装置から吐水される湯水の温度が操作ハンドルにより設定された所定の温度に調整されるようになっている。
また、特許文献1に記載されているように、筒状態の湯水混合弁装置内部に摺動可能に配置された主軸の両側に感温ばねとバイアスばねが配置され、これらのばねによる付勢力がバランスする位置に主軸に嵌合されている水弁体及び湯弁体が移動されるようになっているものが知られている。
特許第3395660号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているような湯水混合装置では、水道から流入する水圧が高く、且つ水を多量に吐水させるために流入する水の流量が大きくなる場合に、感温ばねが湯弁体を付勢する力が弱くなり、湯弁体が水流から湯流入開口部を開くように力を受け、温度操作ハンドルを水側に設定しても湯流入開口部を完全に閉じることができずに給湯器が着火してしまうという問題がある。また、水道から流入する水圧が高い場合に、水弁体が水流入開口部が開くように力を受け、温度操作ハンドルを高温側に設定しても吐水される混合湯水の温度が低くなるという問題がある。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題を解決するためになされたものであり、水道から流入する水圧が高く、且つ流入する水の流量が大きくなる場合に、湯が湯流入開口部から漏れて流入するのを抑制し、湯が流入することによって給湯器が着火することを防止することができ、また、水道から流入する水圧が高い場合に、水流入開口部の開口量が過度に大きくされて水流入量が大きくなり、混合された湯水の温度が過度に低温化されるのを抑制することができる湯水混合水栓装置を提供することを目的としている。
上述した目的を達成するために、本発明は、湯及び水を混合し適温に調整された湯水を吐出させる湯水混合水栓装置であって、水流入開口部と、湯が流入する湯流入開口部とが形成されている、湯水混合水栓装置本体と、湯水混合水栓装置本体の内部に移動可能に配置された開口量調整部材と、湯水混合水栓装置本体内に流入して混合された湯水の温度に応じた強さで、開口量調整部材を湯流入開口部を閉止させる方向に付勢する感温ばねと、開口量調整部材を湯流入開口部を開放させる方向に付勢するバイアスばねと、開口量調整部材を湯流入開口部を閉止する方向に付勢する補助ばねとを有し、開口量調整部材は、感温ばね及び補助ばねより受ける湯流入開口部を閉止させる方向の力と、バイアスばねより受ける湯流入開口部を開放させる方向の力とを受けて移動することにより、水流入開口部の開口量及び湯流入開口部の開口量を調整することを特徴としている。
水を湯水混合水栓装置本体から吐出させようと温度調整ハンドルを水側に設定する場合に、水道から流入する水圧が比較的高い場合を考える。このとき、水流入開口部から流入する水の流量が大きくなる為、開口量調整部材が水流の勢いによって付勢され、湯流入開口部を開放させる方向へ付勢される力が増大する。一方、低温の水が湯水混合水栓装置本体内に流入するため感温ばねの温度が低下し、感温ばねによって湯流入開口部を閉止させる方向に付勢される力は弱くなる。これに対し、このように構成された本発明においては、開口量調整部材が湯流入開口部を閉止できなくなることを抑制するように、補助ばねによって開口量調整部材を湯流入開口部を閉止する方向に付勢することで、湯が湯流入開口部から漏れて流入するのを抑制し、湯が流入することによって給湯器が着火することを防止することができる。
さらに、このように構成された本発明においては、補助ばねを設けない場合と比較して、開口量調整部材が湯流入開口部を開く方向へ付勢される力が増大する。そのため、開口量調整部材を水流入開口部を開く方向へ付勢するバイアスばねの力を大きく設定することが可能となる。これにより、開口量調整部材の位置を決定する力が双方ともに増大することになる。よって、補助ばねを設けない場合と比較して、水流の乱れなどの外乱の影響を相対的に低減することが可能となる。
なお、本発明における補助ばねとしては、感温ばねと異なり、温度と比例してばね定数が変化しない通常のばねが用いられる。そのため、感温ばねによって湯流入開口部を閉止させる方向に付勢される力が弱くなる低温領域においても、開口量調整部材を湯流入開口部を閉止する方向に確実に付勢することが可能である。
本発明において、好ましくは、感温ばね及び補助ばねは、それぞれお互いのばねを介さずに、開口量調整部材を付勢するように構成される。
このように構成された本発明においては、感温ばね及び補助ばねのばね定数が大きく異なるような場合において、一方のばねが他方のばねによって押しつぶされてしまい、開口量調整部材に対する付勢力がうまく作用しなくなるという問題を回避することができる。
本発明において、好ましくは、開口量調整部材は、開口量調整部材の水流入開口部近傍に、水流入開口部に流入する水の圧力を水流入開口部を閉止させる方向に受ける水圧受け部を設けている。
このように構成された本発明においては、水道から流入する水圧が高い場合において、開口量調整部材の水圧受け部が、流入する水の圧力を水流入開口部を閉止させる方向に受けることにより、流入する水の水圧が開口量調整部材を水流入開口部を開放する方向に作用する力を打ち消すので、水流入開口部の開口量が過度に大きくされて水流入量が大きくなるのを抑制でき、混合された湯水の温度が過度に低温化されるのを抑制することができる。
本発明において、好ましくは、開口量調整部材は、感温ばねと補助ばねを軸方向にガイドするばねガイドを備え、このばねガイドにガイドされた補助ばねは、感温ばねに対して同軸外側に配置されている。
このように構成された本発明においては、開口量調整部材が感温ばねと補助ばねを径方向の移動を規制しながらガイドすることができ、このガイドされた補助ばねが、感温ばねに対して並列に配置されているので、装置全体の全長を短く押さえながら、補助ばねを配置することができる。
本発明の湯水混合水栓装置によれば、水道から流入する水圧が高く、流入する水の流量が大きくなる場合に、意図せず湯が流入してしまうことを防止することができ、また、水道から流入する水圧が高い場合に、混合された湯水の温度が過度に低温化されるなどの外乱の影響を抑制することができる。
本発明の一実施形態による湯水混合水栓全体を示す斜視図である。 本発明の一実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合水栓装置の斜視図である。 本発明の一実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合水栓装置の分解斜視図である。 本発明の一実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合水栓装置の断面図である。 本発明の一実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合水栓装置の一部分を拡大した部分拡大断面図である。 本実施形態の湯水混合水栓装置で用いられる補助ばねを採用していない比較例1の湯水混合水栓装置において、水道から流入する水圧が高く、使用者が湯温調節用操作ハンドル8を水のみを吐水させることを示すCの目盛りに設定している場合に、湯が湯流入開口部から漏れる量と、スパウト又はシャワーヘッドから吐水する流量と、の関係について調べた実験結果を示す図である。 本実施形態の湯水混合水栓装置において、水道から流入する水圧が高く、使用者が湯温調節用操作ハンドル8を水のみを吐水させることを示すCの目盛りに設定している場合に、湯が湯流入開口部から漏れる量と、スパウト又はシャワーヘッドから吐水する流量と、の関係について調べた実験結果を示す図である。 本実施形態の湯水混合水栓装置で用いられる補助ばね及び水圧受け部を採用していない比較例2の湯水混合水栓装置において、水道から流入する水圧が高く、使用者が湯温調節用操作ハンドルを高温の温度目盛りに設定する場合に、湯温調節用操作ハンドルの回転角度と、スパウト又はシャワーヘッドから吐水湯水の温度と、の関係について調べた実験結果を示す図である。 本実施形態の湯水混合水栓装置において、水道から流入する水圧が高く、使用者が湯温調節用操作ハンドルを高温の温度目盛りに設定する場合に、湯温調節用操作ハンドルの回転角度と、スパウト又はシャワーヘッドから吐水湯水の温度と、の関係について調べた実験結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態による湯水混合水栓を添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態による湯水混合水栓全体を示す斜視図である。
図1に示すように、本発明の実施形態による湯水混合水栓装置1は、水栓本体2と、この水栓本体2に給湯器(図示せず)(瞬間湯わかし器)からの湯を供給する湯供給脚4と、水栓本体2に水道水を供給する水供給脚6と、を有する。さらに、湯水混合水栓装置1は、水栓本体2左端部に取り付けられた湯温調節用操作ハンドル8と、右端部に取り付けられた吐止水切替ハンドル10と、を有する。また、湯水混合水栓装置1は、温度調節された湯を吐出させる吐出部であるスパウト12及びシャワーヘッド14を有する。さらに、水栓本体2には、開閉弁である切替バルブ16が内蔵されている。本実施形態の湯水混合水栓装置1は、湯供給脚4及び水供給脚6から夫々供給された湯及び水を、湯温調節用操作ハンドル8によって設定された温度になるように混合し、吐止水切替ハンドル10を操作して、スパウト12又はシャワーヘッド14から吐出させるように構成されている。
湯供給脚4は、壁面に設けられた給湯管(図示せず)と水栓本体2とを連結し、水栓本体2に湯を供給するように構成されている。この給湯管(図示せず)は湯を温めて供給する給湯器(図示せず)に接続されている。給湯器(図示せず)は、ガス等を着火して湯を作るガス式給湯器のほか、電力を使用する電気式の給湯器であってもよい。これら給湯器から供給される湯は、給湯器内に設けられた減圧弁(図示せず)等により一般的に圧力は比較的低圧で一定に保たれている。
水供給脚6は、壁面に設けられた水道管(図示せず)と水栓本体2とを連結し、水栓本体2に水を供給するように構成されている。このように水供給脚6は、水道管(図示せず)と直結されるので、水道管から供給される水の水圧が通常多い約0.2MPaの水圧に対し、比較的高圧になっている場合においては、例えば0.75MPa以上の比較的高圧の水が水栓本体2に流入することになる。
水栓本体2には、湯供給脚4及び水供給脚6を介して導入された湯及び水を、適宜混合して所望の温度に調節する湯水混合水栓装置20が内蔵されている。また、水栓本体2に取り付けられた吐止水切替ハンドル10は、これを回転操作することによって、水栓本体2に内蔵された切替バルブ16を切替え、止水状態、スパウト12からの吐水状態、シャワーヘッド14からの吐水状態が切替えられるようになっている。吐止水切替ハンドル10をスパウト側に回転させると、湯水混合水栓装置20によって適温に混合された湯がスパウト12から吐水され、吐止水切替ハンドル10をシャワーの側に回転させると、適温に混合された湯が、シャワーヘッド14から吐水される。
また、湯温調節用操作ハンドル8は、これを廻すことによって水栓本体2に内蔵された湯水混合水栓装置20を操作し、湯水混合水栓装置20によって調節される湯の温度を変化させることができるように構成されている。
つぎに、図2乃至5を参照して、本実施形態の湯水混合水栓装置1に内蔵された湯水混合水栓装置20を説明する。図2は本発明の一実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合水栓装置の斜視図であり、図3は本発明の一実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合水栓装置の分解斜視図であり、図4は本発明の一実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合水栓装置の断面図であり、図5は本発明の一実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合水栓装置の一部分を拡大した部分拡大断面図である。
図2乃至4に示すように、湯水混合水栓装置20は、バルブケース22と、このバルブケース22に取り付けられている水側弁座部材24と、バルブケース22と水側弁座部材24との間の外周を覆うように円筒状に配置されている湯流入開口部フィルター23と、水流入開口部フィルター25と、湯温調節用操作ハンドル8に連結される送りねじ26と、この送りねじ26に螺合され、送りねじ26が回転されるとバルブケース22内で摺動する摺動部材28と、を有する。
また、湯水混合水栓装置20は、バルブケース22の内部に移動可能に配置された主弁体30(開口量調整部材)と、主弁体30を下流方向(主弁体30が湯流入開口部22aを開放する方向且つ水流入開口部22bを閉止する方向)に付勢する付勢部であるバイアスばね32と、バイアスばね32とは反対方向の上流方向(主弁体30が湯流入開口部22aを閉止する方向且つ水流入開口部22bを開放する方向)に主弁体30を付勢する感温付勢部である感温ばね34と、を有する。
感温ばね34は、本実施形態においては、例えばニッケルチタン合金等の形状記憶合金製のコイルばねを使用している。感温ばね34は、感温ばね34の温度により、感温ばね34が発生する荷重の強さ(大きさ)が変わる性質を持ったばねであり、感温ばね34が取付けられてある荷重の付勢力を発生している状態において、感温ばね34の温度が低くなると感温ばね34が発生する荷重が低下(感温ばね34のばね定数が比較的小さく減少)し、感温ばね34の温度が高くなると感温ばね34が発生する荷重が増大する(感温ばね34のばね定数が比較的大きく増大する)特性を有する。本実施形態において、湯水混合水栓装置20内にて混合された湯水が感温ばね34内を通過して下流に流れるので、この水流の温度により感温ばね34の温度が変化されて、それにより感温ばね34が発生する荷重(付勢力)が変化し、主弁体30に加わる荷重が変化するようになっている。
バルブケース22は、概ね円筒状の形態であり、図4において下流側に位置する水側弁座部材24と係合されることにより湯水混合水栓装置本体20aを構成している。また、バルブケース22には、湯を流入させるための湯流入開口部22a及び水を流入させるための水流入開口部22bがそれぞれ円周方向に設けられている。また、湯流入開口部22aの湯温調節用操作ハンドル8側の端面は、主弁体30と当接する湯側シート面22cとして形成されている。
また、バルブケース22の外側には、湯流入開口部22aを覆うように湯流入開口部フィルター23が、及び水流入開口部22bを覆うように水流入開口部フィルター25が、それぞれ配置されており、湯又は水に混入したゴミ等が、湯水混合水栓装置20内に流入するのを防止している。
水側弁座部材24は、概ね円筒状の形態であり、その外周端部に形成された水側弁座部材取付部24aを、バルブケース22の端部に形成されたバルブケース取付部22dと係合させることによって、バルブケース22に取り付けられている。また、水側弁座部材24の先端部は、主弁体30と当接する水側シート面24bとして形成されている。水側弁座部材24の水側シート面24bとは反対側の端部には、湯水混合水栓装置本体20a内で混合された湯を流出させる吐出口24cが形成されている。
送りねじ26は、バルブケース22の内部に回転可能に配置されている。送りねじ26の一方の端部には、湯温調節用操作ハンドル8が取り付けられるスプライン部26aが形成され、他方の端部には、摺動部材28と螺合される送り雄ねじ部26bが形成されている。
摺動部材28は、概ね円筒形の形態であり、バルブケース22の内部に摺動可能に配置されている。摺動部材28の内側には、送りねじ26の送り雄ねじ部26bと螺合される送り雌ねじ部28aが形成されている。これにより、送りねじ26を回転させると、摺動部材28はバルブケース22の軸線方向に摺動される。
主弁体30は、概ね円筒状の円筒部30aを有し、この円筒状の円筒部30aの両端には、湯側シート面22cと当接する湯側シート部30bと、水側シート面24bと当接する水側シート部30cがそれぞれ形成されている。
また、湯水隔離手段であって、位置規制部材であるスペーサーリング38は、主弁体30の円筒部30aの外周に当接するように配置し、脚付スペーサーリング40は主弁体30とバルブケース22の間に配置されている。スペーサーリング38は、Oリングであり、バルブケース22の内壁に形成された段部22eに係合するように配置されている。これらのスペーサーリング38及び脚付スペーサーリング40は、主弁体30の円筒部30aとバルブケース22の内壁面との間に位置し、湯水混合水栓装置本体20a内に流入した湯及び水が主弁体30の外側で混合されるのを抑制している。
また、主弁体30の左側には、脚付環状部材42、ブッシュ44、バイアスばね32、ばね押え部材46、及び、クリップ48が配置されている。
脚付環状部材42は、その脚部42aが主弁体30に当接すると共に、環状部42bがバイアスばね32の右側端部の内周部に挿入されてバイアスばね32を保持している。
ばね押え部材46は、中央部が隆起したドーナツ板状の金具であり、摺動部材28とバイアスばね32との間に介在して設けられており、バイアスばね32の左側端部を押えて保持している。さらに、バイアスばね32は、予め圧縮された状態で脚付環状部材42の環状部42bとばね押え部材46との間に挟まれて配置されている。これらの構成により、湯温調節用操作ハンドル8の操作によって摺動部材28が図4における下流方向(主弁体30が湯流入開口部22aを開放する方向且つ主弁体30が水流入開口部22bを閉止する方向)に摺動してばね押え部材46に当接すると、ばね押え部材46が図4の下流方向に移動し、バイアスばね32が圧縮されて脚付環状部材42を介して主弁体30を図4における下流方向(主弁体30が湯流入開口部22aを開放する方向且つ主弁体30が水流入開口部22bを閉止する方向)に付勢するようになっている。
また、ブッシュ44は、主弁体30とは別体として、主弁体30の内部に軸方向に相対的に移動可能に配置され、湯水混合水栓装置本体20a内に供給された湯及び水の混合を促進する湯水混合促進部材として機能している。このブッシュ44は、クリップ48を介してばね押え部材46に連結されている。
一方、主弁体30の右側には、コイルガイド部材50(ばねガイド)及び感温ばね34が配置されている。コイルガイド部材50は、概ね円筒状の部材であり、水側弁座部材24の内部で摺動可能に配置されている。
また、コイルガイド部材50の図4における主弁体側端部50aは主弁体30に当接するように配置され、この主弁体側端部50aには、湯水混合水栓装置本体20aに流入した湯及び水を混合させ、温度を均一にするための放射状の羽根50bが設けられている。
さらに、感温ばね34は、コイルガイド部材50の内部に配置されており、この感温ばね34の湯流入開口部22a及び水流入開口部22b側の上流側端部34aは、コイルガイド部材当接部51を介してコイルガイド部材50に当接し、下流側端部34bは水側弁座部材24の内壁面の端部に当接するように配置されている。なお、コイルガイド部材当接部51は別体としてコイルガイド部材50に固定されているが、コイルガイド部材50に固定されコイルガイド部材50の一部として考えることができる。
この構成により、感温ばね34は、コイルガイド部材50を介して、主弁体30を図4における上流方向(開口量調整部材が湯流入開口部を閉止する方向且つ開口量調整部材が水流入開口部を開放する方向)に付勢する。
補助ばね52は、コイルガイド部材50と水側弁座部材24との間に配置され、同じくコイルガイド部材50と水側弁座部材24との間に配置されている感温ばね34に対して同軸外側に配置され、この感温ばね34の外側に並列するように配置されている。コイルガイド部材50は、感温ばね34と補助ばね52の径方向への移動を規制するようになっている。
補助ばね52は、補助ばね52のコイルガイド側端部52aがコイルガイド部材50の補助ばね当接部50cに当接され、コイルガイド部材50を上流側に向かって付勢して、主弁体30を湯流入開口部22aを閉止する方向に付勢するようになっている。補助ばね52の水側弁座部材側端部52bは、水側弁座部材24に当接して支持されている。
補助ばね52は、温度変化の影響を受けにくい素材により形成され、例えばステンレス鋼などの金属により形成されている。さらに、補助ばね52は、コイルガイド部材50の位置が移動することにより補助ばね52の長さが変化される場合に、発生する荷重の変動を抑えることができるように、補助ばね52のばね定数が比較的小さく形成されている。
感温ばね及び補助ばねは、それぞれお互いのばねを介さずに、それぞれ独立してコイルガイド部材50と水側弁座部材24との間に配置されている。感温ばね及び補助ばねのばね定数が大きく異なるような場合(例えば、感温ばね及び補助ばねのばね定数が大きく異なるような温度領域における場合)において、ばね定数の違いにより生じる荷重の差異により、一方のばねが他方のばねによって押しつぶされてしまい、コイルガイド部材50に対する付勢力が適切に作用しなくなるという問題が生じることを回避することができる。
主弁体30の円筒部30aの水流入開口部22b近傍には、水流の圧力を受ける水圧受け部54が形成されている。この水圧受け部54は、主弁体30の外側から内側に向かって流入してくる水流の流れを受けて、主弁体30を水流入開口部22bを閉止させる方向に移動させるような力F2を発生させる。この水圧受け部54は、主弁体30の外周面から、円周方向外側に段状に突出したフランジ形状(つば形状)によって形成されている。この水圧受け部54の突出したフランジ形状の高さh1は、0.2mmの高さに設定されている。水圧受け部54は、主弁体30の円筒部30a上から円周方向外側に斜めに立ち上がる立上がり壁54aを備え、この立上がり壁54aが水圧受け部54にほぼ直角に流入してくる水流の力又は乱れながら流入してきた水流による水圧の力を水圧受け部54から横向き(水流入開口部22bを閉じる向き)に作用する力F2として発生することができるようになっている。この水圧受け部54は、水流の圧力を受けて横向きに作用する力を発生する部分が主弁体30の水流入開口部22b近傍において形成されていれば、その形状や大きさは変更することが可能である。
つぎに、図1〜図5を参照して、本発明の一実施形態による湯水混合水栓装置1の作用について説明する。
先ず、本発明の一実施形態による湯水混合水栓装置1の通常の動作(作用)について説明する。
まず、湯水混合水栓装置1の使用者は、湯温調節用操作ハンドル8を所望の温度に設定する。ここで、湯温調節用操作ハンドル8を最低温度に設定した場合(湯温調節用操作ハンドル8を水のみを吐水させることを示すCの目盛りに設定した場合)には、摺動部材28は図4における左端に位置される。この状態では、図4に示すように、摺動部材28がばね押え部材46から離間するのでバイアスばね32による付勢力は作用せず、主弁体30の湯側シート部30bは、感温ばね34の付勢力により湯側シート面22cに当接される。すなわち、湯水混合水栓装置本体20a内には、水のみが流入できる状態となる。
つぎに、使用者が設定温度を上昇させるために、湯温調節用操作ハンドル8を操作して送りねじ26を回転させると、摺動部材28は図4における下流方向に移動され、摺動部材28はばね押え部材46と当接する。これにより、バイアスばね32による付勢力も主弁体30に作用するようになり、主弁体30は、バイアスばね32の付勢力と、感温ばね34の付勢力と、補助ばね52の付勢力とが釣り合う位置に移動される。
湯温調節用操作ハンドル8を設定した後、使用者が吐止水切替ハンドル10を操作して、切替バルブ16を止水位置からスパウト12又はシャワーヘッド14からの吐水位置に切替えると、スパウト又はシャワーヘッドからの吐水が開始される。吐水が開始されると、湯供給脚4から導入された湯は、フィルター23を介して湯流入開口部22aに流入し、水供給脚6から導入された水は、フィルター24を介して水流入開口部22bに流入する。湯流入開口部22aから流入した湯は主弁体30の湯側シート部30bと湯側シート面22cの間を通って湯水混合水栓装置本体20a内部に流入し、水流入開口部22bから流入した水は主弁体30の水側シート部30cと水側シート面24bの間を通って湯水混合水栓装置本体20a内部に流入する。
湯水混合水栓装置本体20aに流入した湯は、主弁体30の円筒部30aの中を通って、図4における下流方向(感温ばね34内を通過する方向)に流れる。また、湯水混合水栓装置本体20aに流入した水は、主弁体30の円筒部30aの中を流れる湯と混合され、ブッシュ44の下流側端部44aの外側を通過し、感温ばね34の内部を通って吐出口24cから流出する。この吐出口24cから流出した湯は、切替バルブ16(図1)を通って、スパウト12又はシャワーヘッド14から吐出される。
感温ばね34の内部を流れる湯の温度が設定温度よりも高い場合には、感温ばね34は伸びるように作用するので、感温ばね34が発生する荷重が増大し、感温ばね34による付勢力が増大する。これにより、感温ばね34による付勢力と、バイアスばね32による付勢力と、補助ばね52の付勢力とが釣り合う位置が図4における下側(主弁体30が湯流入開口部22aを閉止する方向且つ主弁体30が水流入開口部22bを開放する方向)に移動し、主弁体30はその方向に移動される。その結果、湯側シート部30bと湯側シート面22cの間の距離は短くなり、水側シート部30cと水側シート面24bの間の距離は長くなるので、湯水混合水栓装置本体20aに流入する水の割合が増大し、吐出される湯の温度が低下する。逆に、感温ばね34の内部を流れる湯の温度が設定温度よりも低い場合には、感温ばね34が発生する荷重が減少し、感温ばね34による付勢力は減少し、主弁体30は図4における上流方向(主弁体30が湯流入開口部22aを開放する方向且つ主弁体30が水流入開口部22bを閉止する方向)に移動されて、湯水混合水栓装置本体20aに流入する湯の割合が増大し、吐出される湯の温度が上昇する。これらの作用により、スパウト12又はシャワーヘッド14から吐出される湯の温度が、設定温度に調節される。
つぎに、本発明の一実施形態による湯水混合水栓装置1が高水圧の水が供給されている水道に接続されている場合の動作(作用)について説明する。
先ず、水道から供給される水の水圧が比較的高圧になっている湯水混合水栓装置1において、使用者が、湯温調節用操作ハンドル8を水のみを吐水させることを示すCの目盛りに設定し、比較的大流量の水を吐水させようとする場合について説明する。
使用者が、湯温調節用操作ハンドル8を水のみを吐水させることを示すCの目盛りに設定し、比較的大流量の水を吐水させようとする場合には、主弁体30の湯側シート部30bは、感温ばね34の付勢力により湯側シート面22cに当接され、主弁体30の水側シート部30cと水側弁座部材24の水側シート面24bとの間が開放された状態となっている。
水道からの高い水圧を有したままの水流が水流入開口部22bから水側シート部30cと水側シート面24bとの間を通って湯水混合水栓装置本体20a内に流入する。この流入した水の流れをA1で示している。このとき、この流入する水流A1の流量Q(リットル/分)が大きくなると、この水流A1が主弁体30及びコイルガイド部材50を引っ張るような力を主弁体30に及ぼす、すなわち、主弁体30及びコイルガイド部材50が水流A1の勢いにより生じる力を水流A1の下流方向に向かって受ける。主弁体30等が水流A1により受ける力の向きは下流方向であり、主弁体30が、湯流入開口部22aを開放する方向且つ水流入開口部22bを閉止する方向である。
水流A1は、コイルガイド部材50から下流側の感温ばね34内を流下して吐出口24cから流出する。感温ばね34は、水温の比較的低い水流A1が内部を流れるので、感温ばね34が発生する荷重が低減し、感温ばね34による付勢力が弱くなり、主弁体30及びコイルガイド部材50を湯流入開口部22aを閉止させる方向に付勢する力が弱くなっている。
このように感温ばね34が主弁体30等を湯流入開口部22aを閉止させる方向に付勢する力が弱くなっているときに、主弁体30等が、湯側シート部30bと湯側シート面22cとの当接が離間するように引かれるので、湯側シート部30bと湯側シート面22cとの間に隙間ができると湯流入開口部22aから湯が流入する。この流入する湯の量が一定量を超えると、湯を供給するために、湯の供給元である給湯器が着火してしまう。このため、本実施形態では、主弁体30が、湯側シート部30bと湯側シート面22cとの当接が離間するように引かれるような力を受けても、湯側シート部30bと湯側シート面22cとの間に隙間ができるのを抑制し、湯流入開口部22aから湯が漏れるのを抑制するようになっている。
具体的には、補助ばね52が、感温ばね34と同じ方向への付勢力を発生するように補助する付勢力を発生し、コイルガイド部材50及び主弁体30を湯流入開口部22aを閉止する方向に付勢している。補助ばね52は、水温の比較的低い水流A1が内部を流れた場合においてもその温度に応じた荷重の変化は比較的少なく、ほぼ一定の荷重を付勢力としてコイルガイド部材50及び主弁体30に及ぼすことが出来る。さらに、水流A1の勢いによりコイルガイド部材50及び主弁体30が引かれて移動して補助ばね52自身の長さが縮められるときに、補助ばね52はばね定数が比較的小さくされており、ほぼ一定の荷重を付勢力としてコイルガイド部材50及び主弁体30に及ぼすことが出来る。このように、高水圧の水流が大流量で水流入開口部22bから湯水混合水栓装置本体20a内に流入するときに、補助ばね52が主弁体30等を湯流入開口部22aを閉止する方向に付勢し続けている。従って、主弁体30が湯側シート部30bと湯側シート面22cとの間に隙間ができるように移動されるのを抑制し、湯流入開口部22aから湯が流入することを抑制し、使用者が水を比較的大量に使用するときに気付かないうちに湯を使用してしまい、給湯器が着火してしまうことを防ぐことができる。
先ず、水道から供給される水の水圧が比較的高圧になっている湯水混合水栓装置1において、使用者が、湯温調節用操作ハンドル8を高温の温度目盛りに設定する場合について説明する。
使用者が、湯温調節用操作ハンドル8を高温の温度目盛りに設定し、比較的高温の湯水を吐水させようとする場合には、湯流入開口部22aから流入した湯は主弁体30の湯側シート部30bと湯側シート面22cの間を通って湯水混合水栓装置本体20a内部に流入し、水流入開口部22bから流入した水は主弁体30の水側シート部30cと水側シート面24bの間を通って湯水混合水栓装置本体20a内部に流入している状態であり、湯流入開口部22aから湯水混合水栓装置本体20a内部に流入する湯の割合が、水流入開口部22bから流入する水の割合よりも多くなっている。
ここで、水流入開口部22bから流入する水流の水圧による力は、F1に示すように、水流入開口部22bを拡げる向きに主弁体30の水側シート部30cに作用する。この力F1が主弁体30に作用すると、感温ばね34より作用する荷重を補助することになる。
主弁体30がこの力を受けて湯流入開口部22aを閉止する方向且つ水流入開口部22bを開放する方向に移動すると、水の流入量が増えてしまうので、使用者が湯温調節用操作ハンドル8で設定した温度よりも低い温度(ぬるい温度)の湯水が吐水されてしまう原因となる。このとき、主弁体30の水圧受け部54が、水流入開口部22bから流入する水流の水圧による力をF2の方向に受ける。このF2で示す力の方向は、主弁体30が湯流入開口部22aを開放する方向且つ水流入開口部22bを閉止する方向である。よって、主弁体30に作用するF1の力とF2の力が互いに相殺して打ち消しあうように作用する。水道からの水圧がさらに高くなるような場合にも、F1の大きさが増大するのと同時にF2の大きさも増大して相殺することができる。このように、水流入開口部22bの開口量が高水圧により過度に拡げられて水流入量が大きくなるのを抑制でき、混合された湯水の温度が過度に低温化されるのを抑制するようになっている。
主弁体30は、F1の力とF2の力が互いに相殺して打ち消しあうように作用した上で、感温ばね34による付勢力と、バイアスばね32による付勢力と、補助ばね52の付勢力とが釣り合うような位置に移動されるようになっている。
つぎに、図6及び図7を参照して、本実施形態の湯水混合水栓装置1において、水道から供給される水の水圧が比較的高圧になっている現場において、使用者が、湯温調節用操作ハンドル8を水のみを吐水させることを示すCの目盛りに設定し、比較的大流量の水を吐水させようとする場合に、湯が湯流入開口部22aから漏れる量を抑制し、給湯器が着火することを防止する効果について、本実施形態と比較例を比較しながら説明する。
図6は、本実施形態の湯水混合水栓装置で用いられる補助ばねを採用していない比較例1の湯水混合水栓装置において、水道から流入する水圧が高く、使用者が湯温調節用操作ハンドルを水のみを吐水させることを示すCの目盛りに設定している場合に、湯が湯流入開口部から漏れる量と、スパウト又はシャワーヘッドから吐水する流量と、の関係について調べた実験結果を示す図である。
図7は、本実施形態の湯水混合水栓装置において、水道から流入する水圧が高く、使用者が湯温調節用操作ハンドルを水のみを吐水させることを示すCの目盛りに設定している場合に、湯が湯流入開口部から漏れる量と、スパウト又はシャワーヘッドから吐水する流量と、の関係について調べた実験結果を示す図である。
ここで、図6及び図7において、横軸は流量Q(リットル/分)を示し、縦軸は湯漏れ量B(リットル/分)を示し、湯漏れ量B1は給湯器がこのB1の湯量が流れると湯を作るために着火する判定基準としての量を示している。
まず、図6に示すように、本実施形態の湯水混合水栓装置1で用いられる補助ばね52を採用していない比較例1の湯水混合水栓装置において、スパウト又はシャワーヘッドから吐水する流量Q(リットル/分)がQ1まで増加するとき、吐水流量を増やすにつれて、湯側シート部と湯側シート面との隙間が空いて、湯流入開口部から湯水混合水栓装置本体内に湯が漏れる量B(リットル/分)がB1まで達し、給湯器が湯を供給するために着火する必要があると判定して、着火することが確認できた。
次に、図7に示すように、本実施形態の湯水混合水栓装置1において、スパウト12又はシャワーヘッド14から吐水する流量Q(リットル/分)がQ2まで増加するとき、湯側シート部30bと湯側シート面22cとの隙間が空いて、湯流入開口部22aから湯水混合水栓装置本体20a内に湯が漏れる量B(リットル/分)がB1まで達し、給湯器(図示せず)が湯を供給するために着火する必要があると判定して、着火することが確認できた。本実施形態の湯水混合水栓装置1において、吐水する流量Q2は、Q1よりも大きく、25リットル/分を超えるような値となっている。本実施形態の湯水混合水栓装置1において、スパウト12又はシャワーヘッド14から吐水する流量QがQ2まで増加するまでは、給湯器が着火しないことが確認できた。
つぎに、図8及び図9を参照して、本実施形態の湯水混合水栓装置1において、供給される水の水圧が比較的高圧になっている水道が直接に湯水混合水栓装置1に接続されている状態で、使用者が、湯温調節用操作ハンドル8を高温の温度目盛りに設定する場合について、混合された湯水の温度が過度に低温化されることを抑制する効果について、本実施形態と比較例2を比較しながら説明する。
図8は、本実施形態の湯水混合水栓装置で用いられる補助ばね及び水圧受け部を採用していない比較例2の湯水混合水栓装置において、水道から流入する水圧が高く、使用者が湯温調節用操作ハンドルを高温の温度目盛りに設定する場合に、湯温調節用操作ハンドルの回転角度と、スパウト又はシャワーヘッドから吐水湯水の温度と、の関係について調べた実験結果を示す図である。
図9は、本実施形態の湯水混合水栓装置において、水道から流入する水圧が高く、使用者が湯温調節用操作ハンドルを高温の温度目盛りに設定する場合に、湯温調節用操作ハンドルの回転角度と、スパウト又はシャワーヘッドから吐水湯水の温度と、の関係について調べた実験結果を示す図である。
ここで、図8及び図9において、横軸は湯温調節用操作ハンドル回転角度θ(度)を示し、縦軸は吐水温度T(℃)を示し、給湯器からの湯水温度が高温度と中温度のそれぞれの場合について、湯圧は低圧としたまま、水圧を低圧と高圧とで変えた場合を示している。
まず、図8に示すように、本実施形態の湯水混合水栓装置1で用いられる補助ばね52及び水圧受け部54を採用していない比較例2の湯水混合水栓装置において、湯温調節用操作ハンドルを、例えば40℃の湯水を吐水することを示す設定目盛りの回転角度θ1まで回転したとき、給湯湯水が高温度且つ水道水圧が低圧の場合のスパウト等からの吐水される湯水の温度がT1、給湯湯水が中温度且つ水道水圧が低圧の場合のスパウト等からの吐水される湯水の温度がT2、給湯湯水が高温度且つ水道水圧が高圧の場合のスパウト等からの吐水される湯水の温度がT3、給湯湯水が中温度且つ水道水圧が高圧の場合のスパウト等からの吐水される湯水の温度がT4となることが確認できた。さらに、水道水圧が高圧の場合の湯水の温度T3はT1よりも低温化され、同様に湯水の温度T4はT2よりも低温化されていることが分かる。
次に、図9に示すように、本実施形態の湯水混合水栓装置1において、湯温調節用操作ハンドル8を、例えば40℃の湯水を吐水することを示す設定目盛りの回転角度θ2まで回転したとき、給湯湯水が高温度且つ水道水圧が低圧の場合のスパウト12等からの吐水される湯水の温度がT5、給湯湯水が中温度且つ水道水圧が低圧の場合のスパウト12等からの吐水される湯水の温度がT6、給湯湯水が高温度且つ水道水圧が高圧の場合のスパウト12等からの吐水される湯水の温度がT7、給湯湯水が中温度且つ水道水圧が高圧の場合のスパウト12等からの吐水される湯水の温度がT8となることが確認できた。
従って、本実施形態の湯水混合水栓装置1において、給湯温度が高温の状態において水道水圧が低圧から高圧となる場合に、湯水の温度T7はT5から数度程度のみ減少され、給湯温度が中温の状態において水道水圧が低圧から高圧となる場合に、湯水の温度T8はT6から数度程度のみ減少されるので、スパウト12等から吐水される湯水の温度が過度に低温化されるのが抑制できていることが確認できた。
上述した本実施形態の湯水混合水栓装置1によれば、水を湯水混合水栓装置本体20aから吐出させるようとする場合に、例えば水道から流入する水圧が比較的高い場合において、水流入開口部22bから流入する水の流量が大きくなるときに、主弁体30が、水流の勢いによる力を湯流入開口部22aを開放させる方向に受け、さらに、主弁体30が、水が湯水混合水栓装置本体20a内に流入して水温が低くなるので感温ばねによって湯流入開口部22aを閉止させる方向に付勢される力が弱くなる。これに対し、主弁体30が湯流入開口部22aを閉止できなくなることを抑制するように、補助ばね52が、主弁体30を湯流入開口部22aを閉止する方向に付勢し、湯が湯流入開口部22aから漏れて流入するのを抑制し、湯が流入することによって給湯器が着火することを防止することができる。
さらに、このように構成された本発明においては、補助ばね52を設けない場合と比較して、主弁体30が湯流入開口部22aを開く方向へ付勢される力が増大する。そのため、主弁体30を水流入開口部22bを開く方向へ付勢するバイアスばね32の力を大きく設定することが可能となる。これにより、主弁体30の位置を決定する力が双方ともに増大することになる。よって、補助ばね52を設けない場合と比較して、水流の乱れなどの外乱の影響を相対的に低減することが可能となる。
なお、本発明における補助ばね52としては、感温ばね34と異なり、温度と比例してばね定数が変化しない通常のばねが用いられる。そのため、感温ばね34によって湯流入開口部22aを閉止させる方向に付勢される力が弱くなる低温領域においても、主弁体30を湯流入開口部22aを閉止する方向に確実に付勢することが可能である。
また、本実施形態の湯水混合水栓装置1によれば、感温ばね34及び補助ばね52のばね定数が大きく異なるような場合において、一方のばねが他方のばねによって押しつぶされてしまい、主弁体30に対する付勢力がうまく作用しなくなるという問題を回避することができる。
また、本実施形態の湯水混合水栓装置1によれば、水道から流入する水圧が高い場合において、主弁体30の水圧受け部54が、流入する水の圧力を水流入開口部22bを閉止させる方向に受けることにより、流入する水の水圧が主弁体30を水流入開口部22bを開放する方向に作用する力を打ち消すので、水流入開口部22bの開口量が過度に大きくされて水流入量が大きくなるのを抑制でき、混合された湯水の温度が過度に低温化されるのを抑制することができる。
さらに、本実施形態の湯水混合水栓装置1によれば、主弁体30が感温ばね34と補助ばね52を軸方向にガイドすることができ、このガイドされた補助ばね52が、感温ばね34に対して同軸外側に並列に配置されているので、装置全体の全長を短く押さえながら、補助ばね52を配置することができる。
1 湯水混合水栓装置
2 水栓本体
8 湯温調節用操作ハンドル
12 スパウト
20 湯水混合水栓装置
20a 湯水混合水栓装置本体
22 バルブケース
22a 湯流入開口部
22b 水流入開口部
28 摺動部材
30 主弁体(開口量調整部材)
32 バイアスばね
34 感温ばね
50 コイルガイド部材(ばねガイド)
52 補助ばね
54 水圧受け部
54a 立上がり壁
A1 水流
F1 力
F2 力
Q1 流量
Q2 流量
T1 温度
T2 温度
T3 温度
T4 温度
T5 温度
T6 温度
T7 温度
T8 温度
θ1 角度
θ2 角度

Claims (4)

  1. 湯及び水を混合し適温に調整された湯水を吐出させる湯水混合水栓装置であって、
    水流入開口部と、湯が流入する湯流入開口部とが形成されている、湯水混合水栓装置本体と、
    上記湯水混合水栓装置本体の内部に移動可能に配置された開口量調整部材と、
    上記湯水混合水栓装置本体内に流入して混合された湯水の温度に応じた強さで、上記開口量調整部材を上記湯流入開口部を閉止させる方向に付勢する感温ばねと、
    上記開口量調整部材を上記湯流入開口部を開放させる方向に付勢するバイアスばねと、
    上記開口量調整部材を上記湯流入開口部を閉止する方向に付勢する補助ばねとを有し、
    上記開口量調整部材は、感温ばね及び補助ばねより受ける湯流入開口部を閉止させる方向の力と、バイアスばねより受ける湯流入開口部を開放させる方向の力と、を受けて移動することにより、上記水流入開口部の開口量及び上記湯流入開口部の開口量を調整することを特徴とする湯水混合水栓装置。
  2. 上記感温ばね及び上記補助ばねは、それぞれお互いのばねを介さずに、上記開口量調整部材を付勢することを特徴とする請求項1に記載の湯水混合水栓装置。
  3. 上記開口量調整部材は、上記開口量調整部材の水流入開口部近傍に、上記水流入開口部に流入する水の圧力を上記水流入開口部を閉止させる方向に受ける水圧受け部を設けた請求項1に記載の湯水混合水栓装置。
  4. 上記開口量調整部材は、上記感温ばねと上記補助ばねの径方向への移動を規制するばねガイドを備え、このばねガイドにガイドされた上記補助ばねは、上記感温ばねに対して同軸外側に配置されている、請求項1乃至3の何れか一項に記載の湯水混合水栓装置。
JP2012083503A 2012-04-02 2012-04-02 湯水混合水栓装置 Pending JP2013213530A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012083503A JP2013213530A (ja) 2012-04-02 2012-04-02 湯水混合水栓装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012083503A JP2013213530A (ja) 2012-04-02 2012-04-02 湯水混合水栓装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013213530A true JP2013213530A (ja) 2013-10-17

Family

ID=49586995

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012083503A Pending JP2013213530A (ja) 2012-04-02 2012-04-02 湯水混合水栓装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013213530A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105889560A (zh) * 2014-12-29 2016-08-24 余姚市云松增压恒温科技有限公司 一种射流增压恒温阀芯总成
CN108474486A (zh) * 2015-12-26 2018-08-31 日本恒温装置株式会社 热水混合水龙头用流体控制阀装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105889560A (zh) * 2014-12-29 2016-08-24 余姚市云松增压恒温科技有限公司 一种射流增压恒温阀芯总成
CN108474486A (zh) * 2015-12-26 2018-08-31 日本恒温装置株式会社 热水混合水龙头用流体控制阀装置
CN108474486B (zh) * 2015-12-26 2019-10-11 日本恒温装置株式会社 热水混合水龙头用流体控制阀装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN202216414U (zh) 水温/流量自动调节装置
JP2009024780A (ja) 定流量弁装置
EP2644953B1 (en) Water mixing valve device
JP2013213530A (ja) 湯水混合水栓装置
JP4681945B2 (ja) 湯水混合栓
US9885483B2 (en) Thermostat
GB2549601A (en) Water heater
US20080035209A1 (en) Hot Water-Water Mixing Faucet
GB2522464A (en) A thermostatic flow valve for use in water heating systems
JP3882192B2 (ja) 湯水混合装置及びそれを備えた湯水混合水栓
JP5672637B2 (ja) 水栓装置
EP3721122A1 (en) Gas valve
JP5648179B2 (ja) 流量調節弁装置
JPS6040874A (ja) 湯水混合栓
JP4157876B2 (ja) ミストサウナ兼用給湯装置
JP4273522B2 (ja) 貯湯式温水器
JP2014009782A (ja) 調圧機能付き止水栓装置、及び、それを備えた水栓装置及び湯水混合水栓装置
JP2011021328A (ja) 湯水混合装置
JP5006539B2 (ja) 湯水混合栓
JP2005240972A (ja) 湯水混合水栓
JP4160909B2 (ja) 湯水混合水栓
JPH09137877A (ja) 湯水混合水栓のサーモスタット
JP5995185B2 (ja) 調圧機能付き止水栓装置、及び、それを備えた水栓装置及び湯水混合水栓装置
JP6256861B2 (ja) 湯水混合吐水装置
JP2005282264A (ja) 湯水調圧装置