JP2004176183A - 抄紙方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械パルプ、古紙あるいは脱墨パルプが配合されているためにアニオン性物質や懸濁コロイド物質を製紙原料中に多く含む。あるいは蛍光染料が添加されている場合にカチオン性歩留向上剤を使用すると成紙の発色阻害を引き起こす。このような製紙原料を抄紙する場合、アニオン性物質や懸濁コロイド物質などに影響を受けずに、安定してパルプ、填料及び微細繊維などの製紙原料の歩留率向上並びに濾水性の向上を図ることができる抄紙方法を提供する。
【解決手段】抄紙前の製紙原料中に合成ノニオン性水溶性ポリマーを紙料中に添加し、抄紙することによって達成できる。
【選択図】 なし
【解決手段】抄紙前の製紙原料中に合成ノニオン性水溶性ポリマーを紙料中に添加し、抄紙することによって達成できる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抄紙方法に関するものであり、特に製紙原料として機械パルプや古紙を含有する場合の歩留率及び濾水性を向上させる抄紙方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平11−335996号公報
従来、新聞用紙、中質紙及び更紙等の抄紙工程において、微細繊維、填料等の歩留率向上を図るために、種々の歩留剤並びにシステムが用いられているが、近年、機械パルプや古紙及び脱墨パルプの配合割合が多くなった結果、それらに含まれるアニオン性物質や懸濁コロイド物質が多くなり、従来、最も多く用いられてきたカチオン性ポリマーを用いたポリマー単独処方では、それらの影響を受け易く、その量が多くなると殆どポリマーとして性能を発揮できなくなるという欠点があった。更に抄紙工程にアニオン性である蛍光染料が添加されている場合には成紙において発色阻害が引き起こされることもありカチオンポリマーを多量に添加できない状況であった。
【0003】
また、アニオン性のポリマーを用いる処方も検討される。この方法は、ポリマー自身がアニオン性であることから、機械パルプや古紙及び脱墨パルプに含まれるアニオン性物質や懸濁コロイド物質などの影響は受けにくい特徴をもっている。しかし、新聞用紙、中質紙及び更紙の抄紙工程では、硫酸バンドや硫酸が添加されているため、原料のpHは酸性側を示し、アニオン基が解離せずにイオン性を示せず、その凝集性の特徴が十分得られないという欠点があった。また、酸性側で凝集性を示す微・弱アニオン性ポリマーは優れた歩留率を示す場合があるが、繊維への吸着は電気的なものではなく、ポリマー自身の水素結合に基づく架橋による凝集機構であるため、ワイヤー上での水切れが悪くなる可能性がある。また、カチオン性ポリマーを使用した場合と比較して濾水性が劣る傾向にある。
【0004】
また、アニオン性物質や懸濁コロイド物質が多くなった抄紙工程での製紙原料の歩留向上を図るために二液添加を添加する方法が開示されている。例えば、特許文献1に、フェノール芳香環に対するオルト置換とパラ置換の配向性比が2以上であるフェノール系樹脂を含有する水溶液である製紙用樹脂組成物とポリエチレンオキサイド等のノニオン性水溶性ポリマーとを用いる方法が開示されている。
【0005】
この方法によりパルプスラリーにおける砕木パルプ及びサーモメカニカルパルプ等の機械パルプ使用比率が高くなる場合、特にパルプスラリー中の脱墨剤残存量が多い場合においても、優れた歩留り効果が得られるとしている。フェノール系樹脂と併用するノニオン性ポリマーとしては、ポリエチレンオキサイド、及びポリプロピレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイド、ポリアクリルアミド類、並びに(ポリ)オキシエチレン基を有するビニルモノマー類とアクリルアミド類との共重合物等が挙げられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
機械パルプ、古紙あるいは脱墨パルプを含む製紙原料は、アニオン性物質や懸濁コロイド物質を通常より多く含む。また蛍光染料が添加されている場合、カチオン性の歩留向上剤を使用すると成紙の発色阻害を引き起こす。従って本発明の目的は、アニオン性物質や懸濁コロイド物質などに影響を受けずに、安定してパルプ、填料及び微細繊維などの製紙原料の歩留率向上並びに濾水性の向上を図ることができる抄紙方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、合成ノニオン性水溶性ポリマーが、機械パルプや古紙及び脱墨パルプを多く含む製紙原料や、あるいはアニオン性物質や懸濁コロイド物質を多く含む製紙原料に対して、アニオン性物質や懸濁コロイド物質などに影響を受けずに、高い歩留率向上を図ることができること見出して、本発明とした。すなわち、 請求項1の発明は、製紙工程における抄紙時に製紙原料の歩留向上が得られることを目的として合成ノニオン性水溶性ポリマーを紙料中に添加することを特徴とする抄紙方法に関する。
【0008】
請求項2の発明は、前記合成ノニオン性水溶性ポリマーが、アクリルアミド系水溶性ポリマーであることを特徴とする請求項1記載の抄紙方法である。
【0009】
請求項3の発明は、前記アクリルアミド系水溶性ポリマーが、塩水溶液中に可溶な高分子分散剤存在下、塩水溶液中で(メタ)アクリルアミドあるいは(メタ)アクリルアミドを必須とするモノマー混合物を重合して得られた分散液であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の抄紙方法である。
【0010】
請求項4の発明は、前記製紙原料が、機械パルプ、古紙あるいは脱墨パルプのうち一種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の抄紙方法。
【0011】
請求項5の発明は、前記製紙原料中のアニオン量(カチオン要求量)が0.03meq/L以上であることを特徴とする請求項1あるいは4に記載の抄紙方法である。
【0012】
請求項6の発明は、前記製紙原料中に蛍光染料が0.01〜1.0重量%添加されていることを特徴とする請求項1、4あるいは5に記載の抄紙方法である。
【0013】
請求項7の発明は、抄紙pHが3〜6の酸性側であることを特徴とする請求項1〜6に記載の抄紙方法。
【0014】
請求項8の発明は、前記合成ノニオン性水溶性ポリマーの添加量が製紙原料に対して0.001〜1.0重量%であることを特徴とする請求項1〜7に記載の抄紙方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の抄紙方法は、アニオン性物質や懸濁コロイド物質を多く含む製紙原料に対して、合成ノニオン性水溶性ポリマーを添加し抄紙することを特徴とする。合成ノニオン性水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイドあるいはポリビニルピロリドンなど使用できるが、アクリルアミド系水溶性ポリマーが最も有効であり好ましい。これは重合度の高いものが得られることが最も大きな理由である。またポリエチレンオキサイドやポリビニルピロリドンに較べ水素結合能が高いことにもよる。また、製品形態は、水溶液、塩水溶液中に分散した高分子微粒子分散液、油中水型エマルジョンあるいは粉末などあり、どのようなものでも使用できるが、塩水溶液中に分散した高分子微粒子分散液が最も好ましい。
【0016】
塩水溶液中に分散した高分子微粒子分散液からなる水溶性ポリマーは、特開昭62−15251号公報などによって製造することができる。この方法は、水溶性モノマーを、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶なイオン性高分子からなる分散剤共存下で、攪拌しながら製造された粒系100mμ以下の高分子微粒子の分散液からなるもである。イオン性高分子からなる分散剤は、ジメチルジアリルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物の単独重合体や非イオン性単量体との共重合体を使用する。塩水溶液を構成する無機塩類は、多価アニオン塩類が、より好ましく、硫酸塩又は燐酸塩が適当であり、具体的には、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、燐酸水素アンモニウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素カリウム等を例示することができ、これらの塩を濃度15%以上の水溶液として用いることが好ましい。
【0017】
本発明で使用する合成ノニオン性ポリマーのうち、特にノニオン性アクリルアミド系ポリマーは、アクリルアミドの単独重合体あるいは他の非イオン性モノマーとの共重合体である。他の非イオン性モノマーの例としては、メタアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどがあげられる。このうちアクリルアミドの共重合率は、20〜100モル%であり、好ましくは40〜100モル%、最も好ましくは50〜100モル%である。
【0018】
本発明で用いるノニオン性水溶性ポリマーは、その分子量の指標として0.5重量%ポリマー水溶液に1規定分の食塩を溶かした塩溶液の粘度が水温25℃で測定した場合、10mPa・s以上の粘度を示していれば本発明の作用・効果・特徴が得られるので好ましく、30mPa・s以上であればより好ましい。10mPa・s未満では本発明の効果は得られない恐れがある。これを重量平均分子量で表すと、通常50万〜2000万、好ましくは100万〜2000万、さらに好ましくは300万〜2000万である。
【0019】
また本発明で用いるノニオン性水溶性ポリマーは、その代替品として弱カチオン性あるいは弱アニオン性のタイプも使用することができる。すなわち弱カチオン性水溶性ポリマーは、アニオン性物質との相互作用は比較的弱いので、古紙、機械パルプあるいは脱墨パルプが配合された製紙原料中への適用が可能である。また、弱アニオン性のタイプも製紙原料のプレス時の脱水性を大きくは損なわず使用が可能である。これら弱カチオン性あるいは弱アニオン性のイオン化度は、ポリマーの繰り返し単位中、3モル%以下である。
【0020】
更に本発明の抄紙方法は、製紙原料の配合状態、あるいはカチオン要求量の程度によってノニオン性水溶性ポリマーの他に、アニオン性水溶性ポリマーやカチオン性水溶性ポリマーを併用することを妨げるものではない。上記イオン性の水溶性ポリマーの分子量あるいはイオン当量値を適宜選択することにより、製紙原料中アニオン性物質を受けにくい条件で併用し、ノニオン性水溶性ポリマーの効果を増強することができる。これらの水溶性ポリマーの物性としては、イオン性単量体の共重合比が5〜50モル%、ノニオン性単量体あるいは最も好ましくはアクリルアミドの共重合比が50〜95モル%の共重合体である。分子量は、100万〜2000万、好ましくは300万〜1500万である。
【0021】
本発明の抄紙方法は、製紙原料に機械パルプ、古紙あるいは脱墨パルプが配合されている場合が特に有効である。こうした場合、抄紙系内のアニオン量(カチオン要求量)が大きくなり、特にインレット製紙原料においてカチオン要求量が0.03meq/L以上の場合、カチオン性ポリマーは、そのアニオン性物質に消費されて歩留効果を阻害される。ただし、本発明でいうカチオン要求量とは、製紙原料(通常はインレット製紙原料)を、常用の濾紙にて(特にADVANTEC Whatman No.41濾紙)にて濾過した濾液について測定したものである。
【0022】
又近年の製紙原料は、アニオン性の蛍光染料が添加されている場合が多く、カチオン性の歩留向上剤を使用すると前記蛍光染料と反応し、その発色が阻害される場合もある。すなわち、これらカチオン性ポリマーやアニオン性ポリマーに比べて、ノニオン性水溶性ポリマーはパルプ繊維分、填料とイオン結合ではなく、主に水素結合によって作用し、歩留効果を発現するため抄紙系内のアニオン量に消費されることや蛍光染料と反応し発色阻害を引き起こすことなく用いることができる。このような場合、本発明の合成ノニオン性水溶性ポリマーが有効である。
【0023】
上記機械パルプとは、グランドウッドパルプ・リファイナーグランドウッドパルプ・加圧砕木パルプ・サーモメカニカルパルプ・ケミサーモメカニカルパルプなどがあり、サーモメカニカルパルプが最も一般的なものである。
【0024】
アニオン性ポリマーは、自身がアニオン性を示すために、紙料中のカチオン要求量を発生させる原因物質の影響を受けにくいが、機械パルプおよび/または古紙が含まれている紙料が酸性側のpH域である場合、一般的なアニオン性基(カルボキシル基)の解離が抑えられるために、その特徴が現れず、その凝集性能が発揮されない。従って本発明の抄紙方法は、特に上記カチオン要求量の高い製紙原料を酸性側のpH域で抄紙する時、特に有効である。
【0025】
合成ノニオン性水溶性ポリマーの添加量は一般的には、0.001〜0.5重量%であるが、通常0.001〜0.1重量%にて十分な効果が得られる。0.001重量%未満では顕著な効果が得られない。一方、0.5重量%を超えて添加してもさらなる効果の改善は少なく不経済であり、抄紙系内に汚れが出る恐れもある。したがって、経済性及び現場の情況を予想し考慮した場合、実用上添加される量は0.001〜0.05重量%が最も好ましい。
【0026】
合成ノニオン性ポリマーの抄紙工程中における添加場所については特に限定しないが、より高い歩留効果を得るためには、なるたけインレット近いスクリーン前後に添加することが好ましい。但し、地合い、その他、紙質に影響を与える場合または予想される場合には、インレットから遠ざけて、スクリーンの前もしくはファンポンプの前後に添加することが好ましい。
【0027】
【実施例】
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
【0028】
(合成例1〜2)攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水:181.8g、硫酸アンモニウム64.0g、50%アクリルアミド:120.0gを加え、高分子分散剤としてジメチルジアリルアンモニウム塩化物重合体15.0(20重量%溶液、2250mPa・s)g、及びアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物重合体15.0(20重量%溶液、9750mPa・s)gを添加した(それぞれ対単量体5重量%)。また重合度調節剤として、フッ化ナトリウム0.3g(対単量体50ppm)を加えた。その後、ウオ−タ−バスで外部から加熱し、反応容器内の温度を35℃に調節し、攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行う。30分の後、2、2−アゾビスアミジノプロパンニ塩化水素化物の1重量%溶液0.9g(対単量体150ppm)を添加し重合を開始させた。反応を35℃で継続させ7時間後前記開始剤溶液を0.6g追加し、15時間で反応を終了した。この試作品をN−1とする。なお、顕微鏡観察の結果、5〜35μmの粒子であることが判明した。また、静的光散乱法による分子量測定器(大塚電子製DLS−7000)によって重量平均分子量を測定した。同様な操作によって分子量の異なるN−2を合成した。結果を表1に示す。
【0029】
(合成例3)同様な操作によってアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物30モル%及びアクリルアミド70モル%からなる共重合体分散液C−1を合成した。結果を表1に示す。
【0030】
【実施例1〜4】
Britt式 Dynamic Jar Testerを用い、下記試験条件でノニオン性水溶性ポリマー添加し、攪拌を開始する。30秒後に10秒間白水を排出し、30秒間白水を採取し、下記条件で総歩留率を測定した。試験試料は表1に記載したノニオン性あるいは各種イオン性水溶性高分子を使用した。使用紙料は、グラビア用紙抄造インレット紙料、pH 5.45、カチオン要求量 0.1353meq/L。Britt式 Dynamic Jar Tester試験条件は、ワイヤー125Pスクリーン(200メッシュ相当)、攪拌回転数 1000r.p.m.である。白水採取条件は、ノニオン性ポリマーを添加後、攪拌開始し、30秒後10秒間白水を排出し捨てた後、30秒間白水採取。総歩留率(SS濃度):ADVANTEC No.2にて濾過して測定する。カチオン要求量:Mutek社製PCD−03型を使用し(流動電流法)。pHを調整せず、Whatman No.41濾紙にて濾過した濾液について測定した。測定結果を表2に示す。
【0031】
【比較例1〜5】
実施例1〜3と同様な操作により、ポリアクリルアミド系カチオン性水溶性ポリマーあるいはアニオン性水溶性ポリマーを用いて試験した。また、歩留剤無添加の場合についても試験した。測定結果を表2に示す。
【0032】
【表1】
製品形態;分散は塩水溶液中分散液、エマルションは油中水型エマルション、DMQ;アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、AAC;アクリル酸、AAM;アクリルアミド、液製品粘度;mPa・s、分子量;重量平均分子量
【0033】
【表2】
添加量;対乾燥製紙原料当たり、
【0034】
表2から、カチオン性ポリマーの歩留剤に比べて、合成ノニオン性水溶性ポリマーN−1〜N−4を用いることにより、カチオン性あるいはアニオン性水溶性ポリマーに較べ大きな総歩留率(%)、灰分歩留率(%)が得られることがわかる。
【0035】
【実施例5〜14】
Britt式 Dynamic Jar Testerを用い、下記試験条件でノニオン性水溶性ポリマーN−1あるいはN−3、250ppmを添加した後、20秒後カチオン性あるいはアニオン性水溶性ポリマー、100ppmを添加する。30秒後に10秒間白水を排出し、30秒間白水を採取し、下記条件で総歩留率を測定した。使用紙料は、古紙と機械パルプを配合した新聞用紙紙料、pH 4.85、カチオン要求量 0.1750meq/L。Britt式 Dynamic Jar Tester試験条件は、ワイヤー125Pスクリーン(200メッシュ相当)、攪拌回転数 1000r.p.m.である。総歩留率(SS濃度):ADVANTEC No.2にて濾過して測定する。カチオン要求量:Mutek社製PCD−03型を使用し(流動電流法)。pHを調整せず、Whatman No.41濾紙にて濾過した濾液について測定した。測定結果を表3に示す。
【0036】
【比較例6〜9】
実施例5〜14と同様な操作により、ポリアクリルアミド系カチオン性あるいはアニオン性水溶性ポリマー、350ppm単独の場合に関して試験した。結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
添加量;対乾燥製紙原料当たり、
【0038】
表4から、合成ノニオン性水溶性ポリマーN−1〜N−4にカチオン性あるいはアニオン性水溶性ポリマーを併用することにより更に総歩留率(%)、灰分歩留率(%)が向上することがわかる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、抄紙方法に関するものであり、特に製紙原料として機械パルプや古紙を含有する場合の歩留率及び濾水性を向上させる抄紙方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平11−335996号公報
従来、新聞用紙、中質紙及び更紙等の抄紙工程において、微細繊維、填料等の歩留率向上を図るために、種々の歩留剤並びにシステムが用いられているが、近年、機械パルプや古紙及び脱墨パルプの配合割合が多くなった結果、それらに含まれるアニオン性物質や懸濁コロイド物質が多くなり、従来、最も多く用いられてきたカチオン性ポリマーを用いたポリマー単独処方では、それらの影響を受け易く、その量が多くなると殆どポリマーとして性能を発揮できなくなるという欠点があった。更に抄紙工程にアニオン性である蛍光染料が添加されている場合には成紙において発色阻害が引き起こされることもありカチオンポリマーを多量に添加できない状況であった。
【0003】
また、アニオン性のポリマーを用いる処方も検討される。この方法は、ポリマー自身がアニオン性であることから、機械パルプや古紙及び脱墨パルプに含まれるアニオン性物質や懸濁コロイド物質などの影響は受けにくい特徴をもっている。しかし、新聞用紙、中質紙及び更紙の抄紙工程では、硫酸バンドや硫酸が添加されているため、原料のpHは酸性側を示し、アニオン基が解離せずにイオン性を示せず、その凝集性の特徴が十分得られないという欠点があった。また、酸性側で凝集性を示す微・弱アニオン性ポリマーは優れた歩留率を示す場合があるが、繊維への吸着は電気的なものではなく、ポリマー自身の水素結合に基づく架橋による凝集機構であるため、ワイヤー上での水切れが悪くなる可能性がある。また、カチオン性ポリマーを使用した場合と比較して濾水性が劣る傾向にある。
【0004】
また、アニオン性物質や懸濁コロイド物質が多くなった抄紙工程での製紙原料の歩留向上を図るために二液添加を添加する方法が開示されている。例えば、特許文献1に、フェノール芳香環に対するオルト置換とパラ置換の配向性比が2以上であるフェノール系樹脂を含有する水溶液である製紙用樹脂組成物とポリエチレンオキサイド等のノニオン性水溶性ポリマーとを用いる方法が開示されている。
【0005】
この方法によりパルプスラリーにおける砕木パルプ及びサーモメカニカルパルプ等の機械パルプ使用比率が高くなる場合、特にパルプスラリー中の脱墨剤残存量が多い場合においても、優れた歩留り効果が得られるとしている。フェノール系樹脂と併用するノニオン性ポリマーとしては、ポリエチレンオキサイド、及びポリプロピレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイド、ポリアクリルアミド類、並びに(ポリ)オキシエチレン基を有するビニルモノマー類とアクリルアミド類との共重合物等が挙げられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
機械パルプ、古紙あるいは脱墨パルプを含む製紙原料は、アニオン性物質や懸濁コロイド物質を通常より多く含む。また蛍光染料が添加されている場合、カチオン性の歩留向上剤を使用すると成紙の発色阻害を引き起こす。従って本発明の目的は、アニオン性物質や懸濁コロイド物質などに影響を受けずに、安定してパルプ、填料及び微細繊維などの製紙原料の歩留率向上並びに濾水性の向上を図ることができる抄紙方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、合成ノニオン性水溶性ポリマーが、機械パルプや古紙及び脱墨パルプを多く含む製紙原料や、あるいはアニオン性物質や懸濁コロイド物質を多く含む製紙原料に対して、アニオン性物質や懸濁コロイド物質などに影響を受けずに、高い歩留率向上を図ることができること見出して、本発明とした。すなわち、 請求項1の発明は、製紙工程における抄紙時に製紙原料の歩留向上が得られることを目的として合成ノニオン性水溶性ポリマーを紙料中に添加することを特徴とする抄紙方法に関する。
【0008】
請求項2の発明は、前記合成ノニオン性水溶性ポリマーが、アクリルアミド系水溶性ポリマーであることを特徴とする請求項1記載の抄紙方法である。
【0009】
請求項3の発明は、前記アクリルアミド系水溶性ポリマーが、塩水溶液中に可溶な高分子分散剤存在下、塩水溶液中で(メタ)アクリルアミドあるいは(メタ)アクリルアミドを必須とするモノマー混合物を重合して得られた分散液であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の抄紙方法である。
【0010】
請求項4の発明は、前記製紙原料が、機械パルプ、古紙あるいは脱墨パルプのうち一種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の抄紙方法。
【0011】
請求項5の発明は、前記製紙原料中のアニオン量(カチオン要求量)が0.03meq/L以上であることを特徴とする請求項1あるいは4に記載の抄紙方法である。
【0012】
請求項6の発明は、前記製紙原料中に蛍光染料が0.01〜1.0重量%添加されていることを特徴とする請求項1、4あるいは5に記載の抄紙方法である。
【0013】
請求項7の発明は、抄紙pHが3〜6の酸性側であることを特徴とする請求項1〜6に記載の抄紙方法。
【0014】
請求項8の発明は、前記合成ノニオン性水溶性ポリマーの添加量が製紙原料に対して0.001〜1.0重量%であることを特徴とする請求項1〜7に記載の抄紙方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の抄紙方法は、アニオン性物質や懸濁コロイド物質を多く含む製紙原料に対して、合成ノニオン性水溶性ポリマーを添加し抄紙することを特徴とする。合成ノニオン性水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイドあるいはポリビニルピロリドンなど使用できるが、アクリルアミド系水溶性ポリマーが最も有効であり好ましい。これは重合度の高いものが得られることが最も大きな理由である。またポリエチレンオキサイドやポリビニルピロリドンに較べ水素結合能が高いことにもよる。また、製品形態は、水溶液、塩水溶液中に分散した高分子微粒子分散液、油中水型エマルジョンあるいは粉末などあり、どのようなものでも使用できるが、塩水溶液中に分散した高分子微粒子分散液が最も好ましい。
【0016】
塩水溶液中に分散した高分子微粒子分散液からなる水溶性ポリマーは、特開昭62−15251号公報などによって製造することができる。この方法は、水溶性モノマーを、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶なイオン性高分子からなる分散剤共存下で、攪拌しながら製造された粒系100mμ以下の高分子微粒子の分散液からなるもである。イオン性高分子からなる分散剤は、ジメチルジアリルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物の単独重合体や非イオン性単量体との共重合体を使用する。塩水溶液を構成する無機塩類は、多価アニオン塩類が、より好ましく、硫酸塩又は燐酸塩が適当であり、具体的には、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、燐酸水素アンモニウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素カリウム等を例示することができ、これらの塩を濃度15%以上の水溶液として用いることが好ましい。
【0017】
本発明で使用する合成ノニオン性ポリマーのうち、特にノニオン性アクリルアミド系ポリマーは、アクリルアミドの単独重合体あるいは他の非イオン性モノマーとの共重合体である。他の非イオン性モノマーの例としては、メタアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどがあげられる。このうちアクリルアミドの共重合率は、20〜100モル%であり、好ましくは40〜100モル%、最も好ましくは50〜100モル%である。
【0018】
本発明で用いるノニオン性水溶性ポリマーは、その分子量の指標として0.5重量%ポリマー水溶液に1規定分の食塩を溶かした塩溶液の粘度が水温25℃で測定した場合、10mPa・s以上の粘度を示していれば本発明の作用・効果・特徴が得られるので好ましく、30mPa・s以上であればより好ましい。10mPa・s未満では本発明の効果は得られない恐れがある。これを重量平均分子量で表すと、通常50万〜2000万、好ましくは100万〜2000万、さらに好ましくは300万〜2000万である。
【0019】
また本発明で用いるノニオン性水溶性ポリマーは、その代替品として弱カチオン性あるいは弱アニオン性のタイプも使用することができる。すなわち弱カチオン性水溶性ポリマーは、アニオン性物質との相互作用は比較的弱いので、古紙、機械パルプあるいは脱墨パルプが配合された製紙原料中への適用が可能である。また、弱アニオン性のタイプも製紙原料のプレス時の脱水性を大きくは損なわず使用が可能である。これら弱カチオン性あるいは弱アニオン性のイオン化度は、ポリマーの繰り返し単位中、3モル%以下である。
【0020】
更に本発明の抄紙方法は、製紙原料の配合状態、あるいはカチオン要求量の程度によってノニオン性水溶性ポリマーの他に、アニオン性水溶性ポリマーやカチオン性水溶性ポリマーを併用することを妨げるものではない。上記イオン性の水溶性ポリマーの分子量あるいはイオン当量値を適宜選択することにより、製紙原料中アニオン性物質を受けにくい条件で併用し、ノニオン性水溶性ポリマーの効果を増強することができる。これらの水溶性ポリマーの物性としては、イオン性単量体の共重合比が5〜50モル%、ノニオン性単量体あるいは最も好ましくはアクリルアミドの共重合比が50〜95モル%の共重合体である。分子量は、100万〜2000万、好ましくは300万〜1500万である。
【0021】
本発明の抄紙方法は、製紙原料に機械パルプ、古紙あるいは脱墨パルプが配合されている場合が特に有効である。こうした場合、抄紙系内のアニオン量(カチオン要求量)が大きくなり、特にインレット製紙原料においてカチオン要求量が0.03meq/L以上の場合、カチオン性ポリマーは、そのアニオン性物質に消費されて歩留効果を阻害される。ただし、本発明でいうカチオン要求量とは、製紙原料(通常はインレット製紙原料)を、常用の濾紙にて(特にADVANTEC Whatman No.41濾紙)にて濾過した濾液について測定したものである。
【0022】
又近年の製紙原料は、アニオン性の蛍光染料が添加されている場合が多く、カチオン性の歩留向上剤を使用すると前記蛍光染料と反応し、その発色が阻害される場合もある。すなわち、これらカチオン性ポリマーやアニオン性ポリマーに比べて、ノニオン性水溶性ポリマーはパルプ繊維分、填料とイオン結合ではなく、主に水素結合によって作用し、歩留効果を発現するため抄紙系内のアニオン量に消費されることや蛍光染料と反応し発色阻害を引き起こすことなく用いることができる。このような場合、本発明の合成ノニオン性水溶性ポリマーが有効である。
【0023】
上記機械パルプとは、グランドウッドパルプ・リファイナーグランドウッドパルプ・加圧砕木パルプ・サーモメカニカルパルプ・ケミサーモメカニカルパルプなどがあり、サーモメカニカルパルプが最も一般的なものである。
【0024】
アニオン性ポリマーは、自身がアニオン性を示すために、紙料中のカチオン要求量を発生させる原因物質の影響を受けにくいが、機械パルプおよび/または古紙が含まれている紙料が酸性側のpH域である場合、一般的なアニオン性基(カルボキシル基)の解離が抑えられるために、その特徴が現れず、その凝集性能が発揮されない。従って本発明の抄紙方法は、特に上記カチオン要求量の高い製紙原料を酸性側のpH域で抄紙する時、特に有効である。
【0025】
合成ノニオン性水溶性ポリマーの添加量は一般的には、0.001〜0.5重量%であるが、通常0.001〜0.1重量%にて十分な効果が得られる。0.001重量%未満では顕著な効果が得られない。一方、0.5重量%を超えて添加してもさらなる効果の改善は少なく不経済であり、抄紙系内に汚れが出る恐れもある。したがって、経済性及び現場の情況を予想し考慮した場合、実用上添加される量は0.001〜0.05重量%が最も好ましい。
【0026】
合成ノニオン性ポリマーの抄紙工程中における添加場所については特に限定しないが、より高い歩留効果を得るためには、なるたけインレット近いスクリーン前後に添加することが好ましい。但し、地合い、その他、紙質に影響を与える場合または予想される場合には、インレットから遠ざけて、スクリーンの前もしくはファンポンプの前後に添加することが好ましい。
【0027】
【実施例】
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
【0028】
(合成例1〜2)攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水:181.8g、硫酸アンモニウム64.0g、50%アクリルアミド:120.0gを加え、高分子分散剤としてジメチルジアリルアンモニウム塩化物重合体15.0(20重量%溶液、2250mPa・s)g、及びアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物重合体15.0(20重量%溶液、9750mPa・s)gを添加した(それぞれ対単量体5重量%)。また重合度調節剤として、フッ化ナトリウム0.3g(対単量体50ppm)を加えた。その後、ウオ−タ−バスで外部から加熱し、反応容器内の温度を35℃に調節し、攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行う。30分の後、2、2−アゾビスアミジノプロパンニ塩化水素化物の1重量%溶液0.9g(対単量体150ppm)を添加し重合を開始させた。反応を35℃で継続させ7時間後前記開始剤溶液を0.6g追加し、15時間で反応を終了した。この試作品をN−1とする。なお、顕微鏡観察の結果、5〜35μmの粒子であることが判明した。また、静的光散乱法による分子量測定器(大塚電子製DLS−7000)によって重量平均分子量を測定した。同様な操作によって分子量の異なるN−2を合成した。結果を表1に示す。
【0029】
(合成例3)同様な操作によってアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物30モル%及びアクリルアミド70モル%からなる共重合体分散液C−1を合成した。結果を表1に示す。
【0030】
【実施例1〜4】
Britt式 Dynamic Jar Testerを用い、下記試験条件でノニオン性水溶性ポリマー添加し、攪拌を開始する。30秒後に10秒間白水を排出し、30秒間白水を採取し、下記条件で総歩留率を測定した。試験試料は表1に記載したノニオン性あるいは各種イオン性水溶性高分子を使用した。使用紙料は、グラビア用紙抄造インレット紙料、pH 5.45、カチオン要求量 0.1353meq/L。Britt式 Dynamic Jar Tester試験条件は、ワイヤー125Pスクリーン(200メッシュ相当)、攪拌回転数 1000r.p.m.である。白水採取条件は、ノニオン性ポリマーを添加後、攪拌開始し、30秒後10秒間白水を排出し捨てた後、30秒間白水採取。総歩留率(SS濃度):ADVANTEC No.2にて濾過して測定する。カチオン要求量:Mutek社製PCD−03型を使用し(流動電流法)。pHを調整せず、Whatman No.41濾紙にて濾過した濾液について測定した。測定結果を表2に示す。
【0031】
【比較例1〜5】
実施例1〜3と同様な操作により、ポリアクリルアミド系カチオン性水溶性ポリマーあるいはアニオン性水溶性ポリマーを用いて試験した。また、歩留剤無添加の場合についても試験した。測定結果を表2に示す。
【0032】
【表1】
製品形態;分散は塩水溶液中分散液、エマルションは油中水型エマルション、DMQ;アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、AAC;アクリル酸、AAM;アクリルアミド、液製品粘度;mPa・s、分子量;重量平均分子量
【0033】
【表2】
添加量;対乾燥製紙原料当たり、
【0034】
表2から、カチオン性ポリマーの歩留剤に比べて、合成ノニオン性水溶性ポリマーN−1〜N−4を用いることにより、カチオン性あるいはアニオン性水溶性ポリマーに較べ大きな総歩留率(%)、灰分歩留率(%)が得られることがわかる。
【0035】
【実施例5〜14】
Britt式 Dynamic Jar Testerを用い、下記試験条件でノニオン性水溶性ポリマーN−1あるいはN−3、250ppmを添加した後、20秒後カチオン性あるいはアニオン性水溶性ポリマー、100ppmを添加する。30秒後に10秒間白水を排出し、30秒間白水を採取し、下記条件で総歩留率を測定した。使用紙料は、古紙と機械パルプを配合した新聞用紙紙料、pH 4.85、カチオン要求量 0.1750meq/L。Britt式 Dynamic Jar Tester試験条件は、ワイヤー125Pスクリーン(200メッシュ相当)、攪拌回転数 1000r.p.m.である。総歩留率(SS濃度):ADVANTEC No.2にて濾過して測定する。カチオン要求量:Mutek社製PCD−03型を使用し(流動電流法)。pHを調整せず、Whatman No.41濾紙にて濾過した濾液について測定した。測定結果を表3に示す。
【0036】
【比較例6〜9】
実施例5〜14と同様な操作により、ポリアクリルアミド系カチオン性あるいはアニオン性水溶性ポリマー、350ppm単独の場合に関して試験した。結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
添加量;対乾燥製紙原料当たり、
【0038】
表4から、合成ノニオン性水溶性ポリマーN−1〜N−4にカチオン性あるいはアニオン性水溶性ポリマーを併用することにより更に総歩留率(%)、灰分歩留率(%)が向上することがわかる。
Claims (8)
- 製紙工程における抄紙時に製紙原料の歩留向上が得られることを目的として合成ノニオン性水溶性ポリマーを紙料中に添加することを特徴とする抄紙方法。
- 前記合成ノニオン性水溶性ポリマーが、アクリルアミド系水溶性ポリマーであることを特徴とする請求項1記載の抄紙方法。
- 前記アクリルアミド系水溶性ポリマーが、塩水溶液中に可溶な高分子分散剤存在下、塩水溶液中で(メタ)アクリルアミドあるいは(メタ)アクリルアミドを必須とするモノマー混合物を重合して得られた分散液であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の抄紙方法。
- 前記製紙原料が、機械パルプ、古紙あるいは脱墨パルプのうち一種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の抄紙方法。
- 前記製紙原料中のアニオン量(カチオン要求量)が0.03meq/L以上であることを特徴とする請求項1あるいは5に記載の抄紙方法。
- 前記製紙原料中に蛍光染料が0.01〜1.0重量%添加されていることを特徴とする請求項1、4あるいは5に記載の抄紙方法。
- 抄紙pHが3〜6の酸性側であることを特徴とする請求項1〜6に記載の抄紙方法。
- 前記合成ノニオン性水溶性ポリマーの添加量が製紙原料に対して0.001〜1.0重量%であることを特徴とする請求項1〜7に記載の抄紙方法。
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