JP2004175682A - O/w型乳化物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧料などに有用なO/W型乳化物、ならびにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アトピー性皮膚炎や乾皮症などの患者の皮膚を保護するために、乳剤、クリーム等の油性成分を多く含有する乳化系基剤が一般的に用いられている。乳化系基剤を作製するためには界面活性剤を使用するが、これら皮膚の過敏な患者が使用する場合には、皮膚刺激性を低減するために皮膚刺激性及び皮膚感作性の低い界面活性剤を用い、界面活性剤の使用量を低く抑える必要がある。
従来、皮膚刺激性の比較的低い界面活性剤として非イオン系界面活性剤が広く利用されてきた。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のポリオキシアルキレン誘導体;ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム等の合成および天然の高分子が知られている。
しかしながら、これらの皮膚刺激性の低い界面活性剤を使用した場合でも、油脂含量に対する界面活性剤の使用量が高く、必ずしも皮膚によい影響を与えないことがあった。
【0003】
一方、皮膚刺激性の低い界面活性剤として生体膜に類似した構造であるホスホリルコリン基を有する重合体が知られている。
例えば、生体膜に類似した構造であるホスホリルコリン基を有する重合体を用いることにより、安定した多層乳化組成物ができ、化粧料等に適することが知られていた(例えば、特許文献1参照。)。また、ホスホリルコリン類似基を有するモノマーと疎水性モノマーの共重合体が可溶化剤、乳化剤、分散剤として利用できることも開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、ホスホリルコリン類似基含有(メタ)アクリル酸エステルと疎水性(メタ)アクリル酸エステルとを重合してなる共重合体を乳化剤として用い、被乳化物としてスクワランを含む乳化組成物が開示されている(特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−45525号公報(第2頁)
【特許文献2】
特開平10−109029号公報(第2頁)
【特許文献3】
特開2000−119130号公報(第2頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1ないし3には、ホスホリルコリン類似基含有(メタ)アクリル酸エステルを構成単位として含む共重合体を用いた乳化物が開示されている。しかし、これらに開示された乳化物では、乳化可能な油性成分の量に限度があり、高濃度の油性成分の分散が要求されるような使用には適さなかった。
本発明の第一の目的は、ホスホリルコリン類似基含有(メタ)アクリレートを構成単位として含む共重合体を用いた乳化物であり、高濃度の油性成分を含有させることができ、高い安定性を有するO/W型乳化物を提供することにある。
また、本発明の第二の目的は、第一の目的のO/W型乳化物の製造方法を提供することにある。
さらに、本発明の第三の目的は、第一の目的のO/W型乳化物よりなる使用感に優れた化粧料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次の(1)〜(6)である。
(1)下記式[1]で示されるホスホリルコリン類似基含有(メタ)アクリレートに基づく構成単位を含む共重合体0.5〜5重量%、油性成分40〜60重量%、水系媒体35〜60重量%を含み、油滴の平均粒径が10〜3000nmである実質的に均一なO/W型乳化物。
【0008】
【化3】
【0009】
(式中、R1、R2およびR3は同一または異なる基であって、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基を示す。R4は−CH2CH2−または−CH2CH2CH2−で表される基を示す。R5は−(CHR7)m−または−(CH2CHR7O)n−CH2CHR7−で表される基を示す。但し、R7は水素原子またはメチル基を示し、mは2〜18の整数を示し、nは1〜16の整数を示す。R6は水素原子またはメチル基を示す。)
(2)さらに非イオン性界面活性剤1〜10重量%を含む前記(1)のO/W型乳化物。
【0010】
(3)非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーまたはポリグリセリン脂肪酸エステルである前記(2)のO/W型乳化物。
(4)下記式[1]で示されるホスホリルコリン類似基含有(メタ)アクリレートに基づく構成単位を含む共重合体0.5〜5重量%、油性成分40〜60重量%および水系媒体35〜60重量%を含む混合物を高圧乳化機により40MPa以上の圧力下で乳化処理することを特徴とするO/W型乳化物の製造方法。
【0011】
【化4】
【0012】
(式中、R1、R2およびR3は同一または異なる基であって、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基を示す。R4は−CH2CH2−または−CH2CH2CH2−で表される基を示す。R5は−(CHR7)m−または−(CH2CHR7O)n−CH2CHR7−で表される基を示す。但し、R7は水素原子またはメチル基を示し、mは2〜18の整数を示し、nは1〜16の整数を示す。R6は水素原子またはメチル基を示す。)
(5)高圧乳化機がマイクロフルイダイザーである前記(4)の製造方法。
(7)前記(1)〜(3)のいずれかのO/W型乳化物よりなる化粧料。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のO/W型乳化物は、下式[1]で示されるホスホリルコリン類似基含有(メタ)アクリル酸エステル(以下、PC(メタ)アクリレートと略記する。)を構成単位として含む共重合体0.5〜5重量%、油性成分40〜60重量%および水系媒体35〜60重量%を含み、油滴の平均粒径が10〜3000nmであるO/W型乳化物である。
本発明で用いる共重合体は、PC(メタ)アクリレートを構成単位の一部とし、その他の共重合可能なモノマーとの共重合体である。
【0014】
【化5】
【0015】
式中、R1、R2およびR3は、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基のいずれかであるが、炭素数1〜8のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基などの基が挙げられ、炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基としてはヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘキシル、ヒドロキシヘプチル、ヒドロキシオクチルなどの基が挙げられるが、安定性の点からは炭素数1〜4のアルキル基又はヒドロキシアルキル基が好ましく、更にはメチル基が最も好ましく挙げられる。
また、R4は−CH2CH2−、または−CH2CH2CH2−のいずれかの基であり、中でも生体膜の構成成分であるリン脂質と同じ骨格を持つエチレン基が好ましい。R5は−(CHR7)m−、または−(CH2CHR7O)n−CH2CHR7−のいずれかで表される基であり(ここでR7は水素原子またはメチル基を示す。mは2〜18の整数であり、水への溶解性の点からmは2〜10であるのが好ましい。またnは1〜16の整数であり、前記一般式[1]で表される側鎖の性能を十分に発揮させるためにはnが1〜4であるのが好ましい。)、このうち式[1]で表される側鎖の性能を十分に発揮させるためにはR2はエチレン基が好ましい。R6は水素原子またはメチル基を示す。
【0016】
式[1]で示されるPC(メタ)アクリレートの具体例としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリブチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(2”−トリヒドロキシエチルアンモニオ)エチルホスフェート等のPC(メタ)アクリレートを好ましく挙げることができる。これらの中で、入手性、安全性等の点から、より好ましくは2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート(以下MPCと略すこともある)が挙げられる。
【0017】
本発明に用いられる共重合体の一部を構成するための他のモノマーは、式[1]で示されるPC(メタ)アクリレートと、共重合可能なモノマーである。例えばスチレン、メチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエーテル系モノマー;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート系モノマー;(メタ)アクリル酸;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸アミド、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル等の含窒素モノマー;塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のハロゲン置換炭化水素系又は炭化水素系モノマーを、その他のモノマーとして用いることができる。
【0018】
このうち、PC(メタ)アクリレートと共重合することにより親水/疎水のバランスが乳化に最も適している理由から、アルキル(メタ)アクリレート、より好ましくはn−ブチル(メタ)アクリレートが用いられる。
【0019】
上記のモノマーのうち、1種もしくは2種以上をPC(メタ)アクリレートと公知の方法で共重合させることによって、本発明に用いられる共重合体を合成することができる。
【0020】
また前記共重合体の構成単位において、PC(メタ)アクリレートに基づく構成単位と、その他のモノマーに基づく構成単位のモル比は、好ましくは10:90〜97:3である。前記共重合体中におけるPC(メタ)アクリレートに基づく構成単位と、その他のモノマーに基づく構成単位のモル比が、10:90より少なくなる(PC(メタ)アクリレートに基づく構成単位が少なくなる。)と、水への分散性が劣るので好ましくなく、また、前記共重合体中におけるPC(メタ)アクリレートとその他の共重合可能な(メタ)アクリル酸エステルに基づく構成単位のモル比が97:3より多くなる(PC(メタ)アクリレートに基づく構成単位の量が多くなる)と、乳化を行った場合にO/W型乳化物の乳化安定性が悪くなることがあるので好ましくない。
【0021】
本発明に使用するPC(メタ)アクリレートを構成単位として含む共重合体を入手するには、前記共重合体の条件に合う市販の共重合体を用いても良いが、従来の高分子化学の知識を用いて共重合を行うことにより共重合体を入手することも勿論行ってよい。このとき共重合を行うことにより共重合体を入手するには、好ましくは、PC(メタ)アクリレートと、その他のモノマー成分を適量とりラジカル重合開始剤と共に反応容器に入れ、且つ反応容器を窒素、二酸化炭素、ヘリウム等の不活性ガスで置換するか、またはその雰囲気下において、例えば塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等の公知のラジカル重合を行えばよい。
【0022】
尚、前記ラジカル重合開始剤としては、通常のラジカル重合開始剤であれば特に限定されるものではないが、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキネオデカノエート、t−ブチルペルオキシジイソブチレート、アゾビスイソブチロニトリル、アゾイソビスジメチルバレロニトリル、過硫酸塩及び過硫酸塩−亜硫酸水素塩系等を挙げることができる。
【0023】
前記ラジカル重合開始剤の仕込量は、モノマー成分100重量部に対して0.0001〜10重量部が好ましく、更に0.01〜5重量部が好ましい。またラジカル重合方法により共重合を行うときの重合温度は20〜100℃が好ましく、重合時間は0.5〜72時間が好ましい。
【0024】
本発明に使用するPC(メタ)アクリレートを構成単位として含む共重合体の重量平均分子量は、ラジカル重合の条件を変化させることで調整でき、またその使用目的に応じて種々の重量平均分子量のものを使用することができるが、感触面、ゲル化能等を勘案した場合、好ましい重量平均分子量は、ポリエチレングリコール換算で10,000〜5,000,000の範囲であり、より好ましくは、50,000〜1,000,000の範囲である。共重合体の重量平均分子量が、10,000未満の場合は、分子量制御が難しく製造の面から好ましくなく、共重合体の重量平均分子量が5,000,000より大きい場合は、粘度が高くなり製造し難くなるので好ましくない。
【0025】
このようにして入手されるPC(メタ)アクリレートを構成単位とする共重合体のうち、好ましい共重合体は、PC(メタ)アクリレートと、アルキル(メタ)アクリレートとの共重合体で、より好ましい共重合体は、PC(メタ)アクリレートと、n−ブチル(メタ)アクリレートとの共重合体である。中でも、分子量が50,000〜500,000である共重合体が入手性、重合のしやすさ、乳化力等の理由から、本発明に用いる共重合体として最も好ましく用いられる。
【0026】
本発明において、PC(メタ)アクリレートを構成単位として含む共重合体は、乳化物全体中0.5〜5重量%の範囲で含まれることが好ましく、より好ましくは0.7〜2重量%の範囲で含有される。0.5重量%より少ない場合には、高濃度に油性成分を含有した乳化物が満足に得られないため、実用上、好ましくない。また共重合体が5重量%より多い場合には、その量に見合うだけの著しい効果の向上が得られず、皮膚等に使用した場合に、べたつき感などの使用感が損なわれるため好ましくない。
【0027】
本発明に用いられる油性成分は、皮膚からの水分の蒸発を防ぐ役割を果たすものであり、皮膚にダメージを与えるようなものでなければ、従来公知の油性成分を特に制限されることなく使用することが可能である。具体的には、例えばスクワラン、ワセリン、流動パラフィン等の炭化水素系油性成分;オリーブ油、アーモンド油、カカオ脂、ホホバ油、マカデミアナッツ油、アボガド油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、月見草油等の植物油系油性成分;ミツロウ、ラノリン等の固体油脂系油性成分;コレステロールエステル;トリグリセライド;高級脂肪酸及びその塩;高級アルコール;等を好ましく挙げることが出来る。中でも皮膚保護効果の高さなどからワセリン又はスクワランがより好ましい。またこれらの油性成分は単独で混合物に配合しても、2種類以上を混合物に配合してもよい。
【0028】
前記油性成分の乳化物への配合量は、乳化物全体に対して、好ましくは40〜60重量%の範囲である。このとき配合量が40重量%より少ないと、例えば、化粧料などに用いたとき、油性成分が少なく皮膚保護効果が十分でないなどの不都合がある。また60重量%より多いと長期間の保存状態などが安定したO/W型乳化物が得られないため好ましくない。
【0029】
本発明において、O/W型乳化物の乳化安定性並びに使用感の改善を目的として、さらに非イオン性界面活性剤を含むことが好ましい。本発明に使用可能な非イオン性界面活性剤は、通常非イオン性界面活性剤として知られており、皮膚にダメージを与えるようなものでなければ特に制限されるものではないが、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー等を挙げることができる。中でも塗布したときの伸びやべたつきなどの点からポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーが、またはこれらの併用がより好ましい。
【0030】
非イオン性界面活性剤の量は、乳化物全体に対して、好ましくは1〜10重量%であり、より好ましくは2〜7重量%である。乳化物への配合量が1重量%より少ないと非イオン性界面活性剤の効果が十分でなく、10重量%を超えると安定性を損なう恐れがあるため好ましくない。
また、乳化物には、油性成分を分散させる媒体として、水系媒体を全量に対して35〜60重量部程度の量を加えることができるが、この時用いられる水系媒体としては、例えば、蒸留水、精製水、水道水、海洋深層水、緩衝水溶液、水−エタノール混合水など、通常知られている水系媒体を適当量加えて用いることができる。
【0031】
本発明において乳化物中の油滴の平均粒子径は10〜3000nm、好ましくは50〜1000nm、更に好ましくは100〜800nmである。平均粒子径を10nmより小さくすることは、ホスホリルコリン類似基含有(メタ)アクリレートを構成単位として含む共重合体の分子の大きさから技術的に困難である。また平均粒子径が3000nmを超えると、乳化物の乳化安定性が低下するので好ましくない。
本発明において、油滴は多分散せず実質的に均一であることを要する。本発明において乳化物中の油滴の分散度は、好ましくは40%以下、さらに好ましくは30%以下である。分散度が40%を超えると、凝集や合一が起こりやすくなり、安定性が悪くなる。
【0032】
本発明においては、使用目的に応じて、その他成分も用いることができ、その他成分としてエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、マルトース、ショ糖、トレハロース等の多価アルコール類;グリシン、アラニン、グルタミン酸、アルギニン、リジン、タウリン、ピロカルボン酸等のアミノ酸類;無機塩、安息香酸、パラベン、ソルビン酸、フェノキシエタノールなどの防腐剤;カルボキビニルポリマー、キサンタンガム、ヒアルロン酸ナトリウムなどの高分子類;酸化チタン、マイカ、酸化鉄などの無機顔料;ビタミン類;紫外線吸収剤;色素;香料;酸化防止剤;抗炎症剤;キレート剤などを適宜配合して、O/W型乳化乳化物とすることができる。また、これらの化合物は、安定性を損なわない限り、高圧乳化処理後に加えることも出来る。
【0033】
本発明のO/W型乳化物は、原料の混合物を高圧乳化機により高圧乳化処理することを特徴とする製造方法を用いることにより得ることができる。本発明における高圧乳化処理とは、40MPa以上、好ましくは50MPa〜200MPaという高圧の駆動力による高剪断力で乳化させる処理である。
これにより、油性成分よりなる油滴の粒子径を、10〜3000nm、好ましくは50〜1000nm、更に好ましくは100〜800nmの大きさまで細かく均一にすることができる。
【0034】
このような高圧乳化処理を行うには、40 MPa以上という高圧の駆動力による高剪断力で混合物を乳化させることのできる乳化装置、即ち高圧乳化機を用いればよいが、例えば、マイクロフルイダイザー(商品名、マイクロフルイディスク社製)、ナノマイザー(商品名、ナノマイザー社製)、アルティマイザー(商品名、タウテクノロジー社製)等の市販の乳化装置が使用できる。
【0035】
本発明のO/W型乳化物の製造方法においては、混合物の高圧乳化処理は、均一な粒子径の油滴を含んでなるO/W型乳化物を製造する目的で、複数回繰り返して行っても良い。本発明のO/W型乳化物の製造方法においては、高圧乳化処理の回数を増加させることにより、粒子径の分散が均一化する傾向がある。
【0036】
本発明のO/W型乳化物は、皮膚へ塗布することを目的とした、肌荒れ防止や保湿などの効果がある化粧料としての剤形をとり得る。具体的には、本発明のO/W型乳化物を、公知の化粧料の処方に準じて、乳液,クリーム,クレンジングクリーム,乳化ファンデーション等の形態とし、本発明のO/W型乳化物よりなる化粧料として使用することもできる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
合成例1:<MPC/BMA=80/20共重合体の合成>
MPC 23.62g(80ミリモル)、n−ブチルメタクリレート(BMA) 2.84g(20ミリモル)をガラス製重合管に秤量し、重合開始剤として、t−ブチルペルオキシネオデカノエート(商品名、パーブチルND、日本油脂株式会社製)0.12gを加え、エタノール100mlに溶解した。溶液中にアルゴンガスを5分間吹き込んだ後、重合管を溶封し、60℃で6時間重合反応を行った。反応終了後、反応混合物をエーテル中に滴下し、沈殿した共重合体を濾別し、未反応の単量体を除去した後減圧乾燥し、MPC/BMA共重合体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリエチレングリコールを用いて分子量を求めたところ、重量平均分子量は550000であった。
【0038】
合成例2:<MPC/BMA=30/70共重合体の合成>
合成例1で用いたMPC 23.62g(80ミリモル)を8.85g(30ミリモル)に、BMA 2.84g(20ミリモル)から9.94g(70ミリモル)に変更し、重合開始剤量を調整して、合成例1と同様に反応を行いMPC/BMA共重合体を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は90000であった。
【0039】
合成例3:<MPC/SMA=30/70共重合体の合成>
合成例1で用いたMPC 23.62g(80ミリモル)を26.57g(90ミリモル)に、BMA2.84g(20ミリモル)をステアリルメタクリレート(SMA) 3.39g(10ミリモル)に変更し、重合開始剤量を調整して、合成例1と同様に反応を行いMPC/BMA共重合体を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は160000であった。
【0040】
実施例1
<乳化物の調製>
表1の実施例1の組成になるように原料を配合し、乳化物100gを調整した(表中の組成は、重量%で示している)。すなわち、合成例1の重合体0.5g、1,3−ブチレングリコール5g、蒸留水54.5gを容器にとり、75℃で加熱撹拌しながら、油性成分であるワセリン40gを75℃で融解してから加え、更に75℃を保ちながら卓上ホモミキサー(LR−1、みづほ工業(株)製)を用いて予備乳化した。これを室温まで冷却した後、マイクロフルイダイザー(M−120E、みづほ工業(株)製)を用いて51MPaの圧力で3回処理することにより乳化物を得た。この乳化物を使用して、粒子径測定、安定性試験および皮膚に対する評価を行った。
【0041】
【表1】
【0042】
(表1中の組成は、重量%で示している)
乳化物の評価は下記のように行った。
【0043】
<粒子径測定方法>
得られた乳化物を蒸留水で5000倍に希釈し、NICOMP 380ZLS(PARTICLE SIZING SYSTEMS製)を用いて粒径を測定した。結果を表1に示した。但し、すぐに分離するものについては未測定とした。また、粒子径分布が広く多分散を示すものは、メインピークの粒子径を測定結果とした(*を測定値の横に付けて表示した)。
【0044】
<乳化安定性試験方法>
得られた乳化組成物を20mlサンプルビンにとり蓋をして、製造直後から40℃の条件下に静置し、目視により分離状態を確認した。1ヶ月後分離したものを×、1ヵ月後安定なものを○で示した。結果を表1に示した。
【0045】
<皮膚に対する評価>
10名の男女に、実使用し、べたつきやのび等の使用感を◎(良好)、○(普通)、△(やや悪い)の3段階で評価してもらい、使用感が良好と判定した人数から、下記、使用感の判定基準に従い結果を表1に示した。
<使用感の判定基準>
◎:8〜10名が良好
○:5〜7名が良好
△:3〜4名が良好
×:0〜2名が良好
【0046】
実施例2
<乳化物の調製>
表1の実施例2の組成になるように原料を配合し乳化物100gを調整した。すなわち、合成例1の重合体1g、プロノン208(商品名、日本油脂(株)製ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー)5g、蒸留水44gを容器にとり、75℃で加熱撹拌しながら、油性成分であるワセリン50gを75℃で融解してから加え、更に75℃を保ちながら卓上ホモミキサー(LR−1:商品名、みづほ工業(株)製)を用いて予備乳化した。これを室温まで冷却した後マイクロフルイダイザー(M−120E:商品名、みづほ工業(株)製)を用いて51MPaの圧力で3回処理することにより乳化物を得た。この乳化物を使用して、粒子径測定、安定性試験および皮膚に対する評価を行った。
<乳化物の試験及び評価>
得られた乳化物を使用して実施例1と同様の試験並びに評価を行った。結果を表1に示した。
【0047】
実施例3
<乳化物の調製>
表1の実施例3の組成になるように原料を配合し乳化物100gを調整した。すなわち、合成例2の重合体1.5g、Decaglyn1−L(商品名、日光ケミカルズ(株)製モノラウリン酸デカグリセリル)5g、蒸留水33.5gを容器にとり、75℃で加熱撹拌しながら、油性成分であるワセリン60gを75℃で融解してから加え、更に75℃を保ちながら卓上ホモミキサー(LR−1:商品名、みづほ工業(株)製)を用いて予備乳化した。これを室温まで冷却した後マイクロフルイダイザー(M−120E:商品名、みづほ工業(株)製)を用いて51MPaの圧力で3回処理することにより乳化物を得た。この乳化物を使用して、粒子径測定、安定性試験および皮膚に対する評価を行った。
<乳化物の試験及び評価>
得られた乳化物を使用して実施例1と同様の試験並びに評価を行った。結果を表1に示した。
【0048】
実施例4
<乳化物の調製>
表1の実施例4の組成になるように原料を配合し乳化物100gを調整した。すなわち、合成例3の重合体1g、1,3−ブチレングリコール10g、蒸留水49gを容器にとり、75℃で加熱撹拌しながら、油性成分であるスクワラン40gを加え、更に75℃を保ちながら卓上ホモミキサー(LR−1:商品名、みづほ工業(株)製)を用いて予備乳化した。これを室温まで冷却した後マイクロフルイダイザー(M−120E:商品名、みづほ工業(株)製)を用いて51MPaの圧力で3回処理することにより乳化物を得た。この乳化物を使用して、粒子径測定、安定性試験および皮膚に対する評価を行った。
<乳化物の試験及び評価>
得られた乳化物を使用して実施例1と同様の試験並びに評価を行った。結果を表1に示した。
【0049】
実施例5
<乳化物の調製>
表1の実施例5の組成になるように原料を配合し乳化物100gを調整した。すなわち、合成例1の重合体1g、フェノキシエタノール1g、蒸留水48gを容器にとり、75℃で加熱撹拌しながら、油性成分であるスクワラン50gを加え、更に75℃を保ちながら卓上ホモミキサー(LR−1:商品名、みづほ工業(株)製)を用いて予備乳化した。これを室温まで冷却した後マイクロフルイダイザー(M−120E:商品名、みづほ工業(株)製)を用いて51MPaの圧力で3回処理することにより乳化物を得た。この乳化物を使用して、粒子径測定、安定性試験および皮膚に対する評価を行った。
<乳化物の試験及び評価>
得られた乳化物を使用して実施例1と同様の試験並びに評価を行った。結果を表1に示した。
【0050】
実施例6
<乳化物の調製>
表1の実施例6の組成になるように原料を配合し乳化物100gを調整した。すなわち、合成例1の重合体1g、プロノン208(商品名、日本油脂(株)製ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー)5g、蒸留水43gを容器にとり、75℃で加熱撹拌しながら、油性成分であるワセリン50gを75℃で融解してから加え、更に75℃を保ちながら卓上ホモミキサー(LR−1:商品名、みづほ工業(株)製)を用いて予備乳化した。これを室温まで冷却した後マイクロフルイダイザー(M−120E:商品名、みづほ工業(株)製)を用いて82MPaの圧力で3回処理することにより乳化物を得た。この乳化物を使用して、粒子径測定、安定性試験および皮膚に対する評価を行った。
<乳化物の試験及び評価>
得られた乳化物を使用して実施例1と同様の試験並びに評価を行った。結果を表1に示した。
【0051】
比較例1
<油性成分のみの乳化物の調製>
表2の比較例1の組成になるように原料を配合し乳化物100gを調整した。すなわち、蒸留水50gを容器にとり、75℃で加熱撹拌しながら、油性成分であるスクワラン50gを加え、更に75℃を保ちながら卓上ホモミキサー(LR−1:商品名、みづほ工業(株)製)を用いて予備乳化した。これを室温まで冷却した後マイクロフルイダイザー(M−120E:商品名、みづほ工業(株)製)を用いて51MPaの圧力で3回処理することにより乳化物を得た。この乳化物を使用して、粒子径測定、安定性試験および皮膚に対する評価を行った。
【0052】
【表2】
【0053】
(表2中の組成は、重量%で示している)
※1 すぐに分離したので測定不能
* 多分散なので、メインピークの粒子径を示した。
【0054】
<乳化物の試験及び評価>
得られた乳化物を使用して実施例1と同様の試験並びに評価を行った。結果を表2に示した。
【0055】
比較例2
<PC重合体未含有、非イオン界面活性剤含有の乳化組成物の調製>
表2の比較例2の組成になるように原料を配合し乳化物100gを調整した。すなわち、プロノン208(商品名、日本油脂(株)製ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー)5g、蒸留水45gを容器にとり、75℃で加熱撹拌しながら、油性成分であるワセリン50gを75℃で融解してから加え、更に75℃を保ちながら卓上ホモミキサー(LR−1:商品名、みづほ工業(株)製)を用いて予備乳化した。これを室温まで冷却した後マイクロフルイダイザー(M−120E:商品名、みづほ工業(株)製)を用いて51MPaの圧力で3回処理することにより乳化物を得た。この乳化物を使用して、粒子径測定、安定性試験および皮膚に対する評価を行った。
<乳化組成物の試験及び評価>
得られた乳化物を使用して実施例1と同様の試験並びに評価を行った。結果を表2に示した。
【0056】
比較例3
<油性成分過剰含有の乳化物の調製>
表2の比較例3の組成になるように原料を配合して乳化物100gを調整した。すなわち、合成例1の重合体1g、プロノン208(商品名、日本油脂(株)製ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー)5g、蒸留水24gを容器にとり、75℃で加熱撹拌しながら、油性成分であるスクワラン70gを加え、更に75℃を保ちながら卓上ホモミキサー(LR−1:商品名、みづほ工業(株)製)を用いて予備乳化した。これを室温まで冷却した後マイクロフルイダイザー(M−120E:商品名、みづほ工業(株)製)を用いて51MPaの圧力で3回処理することにより乳化物を得た。この乳化物を使用して、粒子径測定、安定性試験および皮膚に対する評価を行った。
<乳化物の試験及び評価>
得られた乳化物を使用して実施例1と同様の試験並びに評価を行った。結果を表2に示した。
【0057】
比較例4
<油性成分低含有の乳化物の調製>
表1の比較例4の組成になるように原料を配合し乳化物100gを調整した。すなわち、合成例1の重合体1g、プロノン208(商品名、日本油脂(株)製ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー)5g、蒸留水64gを容器にとり、75℃で加熱撹拌しながら、油性成分であるワセリン30gを75℃で融解してから加え、更に75℃を保ちながら卓上ホモミキサー(LR−1:商品名、みづほ工業(株)製)を用いて予備乳化した。これを室温まで冷却した後マイクロフルイダイザー(M−120E:商品名、みづほ工業(株)製)を用いて51MPaの圧力で3回処理することにより乳化組成物を得た。この乳化物を使用して、粒子径測定、安定性試験および皮膚に対する評価を行った。
<乳化物の試験及び評価>
得られた乳化物を使用して実施例1と同様の試験並びに評価を行った。結果を表2に示した。
【0058】
比較例5
<高圧乳化未処理による乳化物の調製>
表2の比較例5の組成になるように原料を配合して乳化物100gを調整した。すなわち、合成例1の重合体0.5g、プロノン208(商品名、日本油脂(株)製ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー)5g、蒸留水54.5gを容器にとり、75℃で加熱撹拌しながら、油性成分であるワセリン40gを75℃で融解してから加え、更に75℃を保ちながら卓上ホモミキサー(LR−1:商品名、みづほ工業(株)製)を用いて乳化した。これを室温まで冷却することにより乳化物を得た。この乳化物を使用して、粒子径測定、安定性試験および皮膚に対する評価を行った。
<乳化物の試験及び評価>
得られた乳化物を使用して実施例1と同様の試験並びに評価を行った。結果を表2に示した。乳化安定性試験を行ったところ、1週間で分離した。
【0059】
比較例6
<低圧力処理による乳化物の調製>
表2の比較例6の組成になるように原料を配合して乳化物100gを調整した。すなわち、合成例1の重合体1g、プロノン208(商品名、日本油脂(株)製ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー)5g、蒸留水44gを容器にとり、75℃で加熱撹拌しながら、油性成分であるワセリン50gを75℃で融解してから加え、更に75℃を保ちながら卓上ホモミキサー(LR−1:商品名、みづほ工業(株)製)を用いて予備乳化した。これを室温まで冷却した後マイクロフルイダイザー(M−120E:商品名、みづほ工業(株)製)を用いて30MPaの圧力で3回処理することにより乳化物を得た。この乳化物を使用して、粒子径測定、安定性試験および皮膚に対する評価を行った。
<乳化物の試験及び評価>
得られた乳化物を使用して実施例1と同様の試験並びに評価を行った。結果を表2に示した。
【0060】
以上、実施例1〜6、比較例1〜6の結果より、実施例の本発明のO/W型乳化物では油性成分の配合が40〜60重量%の高濃度であっても、安定な乳化物が調製できた。また、その場合、界面活性剤を用いずに調製することもできるが、実施例2、3及び6の結果からは、非イオン界面活性剤を使用したもので粒子径が低下し、使用感が良くなる傾向が見られた。しかしながら、比較例2、4の結果を見ると、粒子径が比較的小さくても、共重合体を使用しない場合、又は油性成分が少ない場合には、安定性、使用感ともに十分ではない。尚、比較例4及び6では、見かけ上、粒子径の小さな乳化物が得られたが、均一ではなく多分散を示しており、安定性が悪かった。
また、高圧乳化未処理の乳化物である比較例5では、前記のように安定性が悪かった。
【0061】
【発明の効果】
本発明のO/W型乳化物は、ホスホリルコリン類似基含有(メタ)アクリレートを構成単位として含む共重合体を特定量用いた乳化物であり、高濃度の油性成分を含有させることができ、高い乳化安定性を有するO/W型乳化物である。
また、本発明のO/W型乳化物の製造方法は、高圧乳化機により40MPa以上の圧力下で乳化処理することにより、均一な粒子径の油滴を含む乳化物が得られる。
さらに、上記のO/W型乳化物よりなる化粧料は使用感に優れている。
@
Claims (6)
- 下記式[1]で示されるホスホリルコリン類似基含有(メタ)アクリレートに基づく構成単位を含む共重合体0.5〜5重量%、油性成分40〜60重量%、水系媒体35〜60重量%を含み、油滴の平均粒径が10〜3000nmである実質的に均一なO/W型乳化物。
- さらに非イオン性界面活性剤1〜10重量%を含む請求項1記載のO/W型乳化物。
- 非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーまたはポリグリセリン脂肪酸エステルである請求項2記載のO/W型乳化物。
- 下記式[1]で示されるホスホリルコリン類似基含有(メタ)アクリレートに基づく構成単位を含む共重合体0.5〜5重量%、油性成分40〜60重量%および水系媒体35〜60重量%を含む混合物を高圧乳化機により40MPa以上の圧力下で乳化処理することを特徴とするO/W型乳化物の製造方法。
- 高圧乳化機がマイクロフルイダイザーである請求項4記載の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のO/W型乳化物よりなる化粧料。
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