JP2004175529A - 乗客コンベヤーの中間支持装置 - Google Patents

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良弘 近藤
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Abstract

【課題】主枠等の関連部材の製作、設置誤差に容易に対応できる高さ調整範囲を有する乗客コンベヤーの中間支持装置を得る。
【解決手段】主枠2の長手両端をそれぞれ建物の構造体に支持し、また支持台3を建物に設けて主枠2の長手中間位置に配置する。そして、主枠2及び支持台3の間に設けたジャッキ機構5を伸長して主枠2を支持する。
この構成において、ジャッキ機構5の機能に基づく高さ調整範囲は適宜に高く設計でき、一般的な建築構造体の誤差範囲に容易に対応できる。このため、高さが調整できず支持台3を再製作して据付工程に影響を及ぼす短所を解消でき、また中間支持装置におけるライナー調整の手数を省くことができる。したがって、据付作業を省力化できて費用を節減することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、主枠の長手中間を建物の構造体に支持する乗客コンベヤーの中間支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
乗客コンベヤーにおいて、主枠の長手両端がそれぞれ建物の構造体に支持され、また主枠が長大である場合には主枠の長手中間が建物に支持される。これによって主枠の軽量化、発生する撓みの減少が図られる。そして、従来の乗客コンベヤーの中間支持装置においては、主枠の長手中間に支持台が設けられ、支持台に対応した主枠下面に受け金具が装着される。そして、支持台及び受け金具の間に複数枚のライナーが介装されて主枠の長手中間が支持台によって建物の構造体に支持される。
【0003】
上記のように構成された乗客コンベヤーの中間支持装置では、支持台及び受け金具の製作誤差、主枠、支持台及び受け金具の設置誤差を、ライナーの厚さ、枚数を加減することによって吸収し、主枠の長手中間を建物の構造体に確実に支持する構造になっている。(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献 1】
特開平5−8979号公報(第1頁、図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の乗客コンベヤーの中間支持装置では、例えばライナーによる高さ調整範囲は、一般的に建築構造体の誤差とされている30mm程度である。このため、このような高さ調整範囲を超える建築構造体誤差については調整不能であって、支持台を再製作することになり乗客コンベヤーの据付工程の障害になるという問題点があった。
なお、地盤の不等沈下等によって建築構造体の局所が変位したときにも、ライナーによる高さ調整範囲によって対応不能になる。
【0006】
この発明は、かかる問題点を解消するためになされたものであり、主枠等の関連部材の比較的に大きな製作誤差、設置誤差に容易に対応できる高さ調整範囲を有する乗客コンベヤーの中間支持装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る乗客コンベヤーの中間支持装置においては、長手の両端がそれぞれ建物の構造体に支持された主枠、建物に設けられて主枠の長手中間位置に配置された支持台と、主枠及び支持台の間に設けられ伸長して主枠を支持するジャッキ機構とが設けられる。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1〜図3は、この発明の実施の形態の一例を示す図で、図1は乗客コンベヤーの設置状態を概念的に示す側面図、図2は図1のA部拡大図、図3は図2のジャッキ機構の他の状態を示す図である。図において、建物の構造体1からなる支持体が互いに離れて設けられ、エスカレーターからなる乗客コンベヤーの主枠2の長手の両端がそれぞれ建物の構造体1に支持される。
【0009】
また、建物に設けられた支持台3が主枠2の長手中間位置に配置され、主枠2に設けられた受け金具4が支持台3に対向した位置に配置される。そして、主枠2、すなわち受け金具4と支持台3の間に、リンク機構によって構成された後述するジャッキ機構5が設けられて伸長して主枠2を支持する。
【0010】
ジャッキ機構5は次に述べるように構成される。すなわち、二つのリンク片が互いに枢着された二連リンク6の二組が並列に配置されて、それぞれの一端が支持台3に枢着され他端は受け金具4に枢着される。また、それぞれの二連リンク6はリンク片相互の枢着部でく字状に屈折されて枢着部、すなわち、く字の屈折部が外側に配置された対称姿勢に配置される。そして、二組の二連リンク6の枢着部に両端が係合されて枢着部に設けられたナットにねじ込まれた操作ねじ7が配置される。
【0011】
上記のように構成された乗客コンベヤーの中間支持装置において、ジャッキ機構5の上端が主枠2の受け金具4に連結され、またジャッキ機構5の下端は支持台3に連結される。そして、図2に示す状態において操作ねじ7がねじ込まれると二組の二連リンク6のく字の屈折部が互いに接近する。これにより、支持台3と主枠2における受け金具4中心位置との図2に示すジャッキ機構5の高さH1が、図3に示す高さH2に伸長する。
【0012】
そして、ジャッキ機構5の機能に基づく高さ調整範囲は、一般的な建築構造体の誤差範囲を超えて適宜に高く設計することができる。このため、建築構造体の誤差範囲に容易に対応することができ、高さが調整できず支持台を再製作して乗客コンベヤーの据付工程に影響を及ぼす短所を解消することができる。
【0013】
また、ジャッキ機構5を使用することによって従来の乗客コンベヤーの中間支持装置におけるライナーの厚さ、枚数を加減して受け金具4と支持台3の間に介装する作業を省くことができる。このため、乗客コンベヤーの据付作業を省力化できて据付費を低減することができる。
【0014】
さらに、ジャッキ機構5を使用することによって調整範囲を高くすることができる。これによって、乗客コンベヤーの設置場所に対応してそれぞれ製作されていた支持台3を規格化し、例えば数種類に限定することができて生産性が向上し支持台3の製造費を節減することができる。
【0015】
実施の形態2.
図4及び図5は、この発明の他の実施の形態の一例を示す図で、図4は前述の図2相当図、図5は図4のジャッキ機構の他の状態を示す図である。図において、前述の図1〜図3と同符号は相当部分を示し、主枠2と支持台3の間に、ウォーム歯車機構及びウォーム歯車に固定されたカムによって構成された後述するジャッキ機構8が設けられ伸長して主枠2を支持する。
【0016】
ジャッキ機構8は次に述べるように構成される。すなわち、支持台3に設けられた座板9、座板9に長手が水平に配置されて枢着されたウォーム10、座板9に枢着されてウォーム10とかみ合うウォーム歯車11及びウォーム歯車11に固定されて主枠2下面に対向したカム12が設けられる。
【0017】
上記のように構成された乗客コンベヤーの中間支持装置において、ジャッキ機構8の上部、すなわちカム12は主枠2の下面に接して配置され、またジャッキ機構8の下部は支持台3に装着される。そして、図4に示す状態においてウォーム10が人為操作によって回転されると、支持台3と主枠2下面における図4に示すジャッキ機構8の高さH1が、図5に示す高さH2に伸長する。
【0018】
そして、ジャッキ機構8の機能に基づく高さ調整範囲は、一般的な建築構造体の誤差範囲を超えて適宜に高く設計することができる。したがって、詳細な説明を省略するが図4及び図5の実施の形態においても図1〜図3の実施の形態と同様な作用が得られる。
【0019】
実施の形態3.
図6及び図7は、この発明の他の実施の形態の一例を示す図で、図6は前述の図2相当図、図7は図6のジャッキ機構の他の状態を示す図である。図において、前述の図1〜図3と同符号は相当部分を示し、主枠2の受け金具4と支持台3の間に、楔片及び楔片を挟圧する挟圧板によって構成された後述するジャッキ機構13が設けられ伸長して主枠2を支持する。
【0020】
ジャッキ機構13は次に述べるように構成される。すなわち、支持台3に設けられた座板14、座板14に互いに離れて配置された挟圧板15、上端が受け金具4に固定されて下部の楔傾斜面が挟圧板15の相互間に配置された楔片16及び一方の挟圧板15に挿通されて他方の挟圧板15にねじ込まれて両方の挟圧板15を互いに接近する方向に締めつける操作ねじ17が設けられる。
【0021】
上記のように構成された乗客コンベヤーの中間支持装置において、ジャッキ機構13の上部、すなわち楔片16は受け金具4を介して主枠2の下面に接して配置され、またジャッキ機構13の下部は支持台3に配置される。そして、図6に示す状態において操作ねじ17が人為操作によって回転されると、挟圧板15に挟圧されて楔片16が上昇する。これによって、支持台3と主枠2における受け金具4中心位置との図6に示すジャッキ機構13の高さH1が、図7に示す高さH2に伸長する。
【0022】
そして、ジャッキ機構13の機能に基づく高さ調整範囲は、一般的な建築構造体の誤差範囲を超えて適宜に高く設計することができる。したがって、詳細な説明を省略するが図6及び図7の実施の形態においても図1〜図3の実施の形態と同様な作用が得られる。
【0023】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、長手の両端がそれぞれ建物の構造体に支持された主枠、建物に設けられて主枠の長手中間位置に配置された支持台と、主枠及び支持台の間に設けられ伸長して主枠を支持するジャッキ機構とを設けたものである。
【0024】
これによって、ジャッキ機構の上端が主枠に係合され、またジャッキ機構の下端は支持台に配置される。そして、ジャッキ機構を操作してジャッキ機構を伸長し支持台と主枠の間隔に対応した高さとして、主枠の長手中間部を支持台を介して建物に支持する。この構成においてジャッキ機構の機能に基づく高さ調整範囲は、一般的な建築構造体の誤差範囲を超えて適宜に高く設計することができる。このため、建築構造体の比較的に大きい誤差範囲に容易に対応することができ、高さが調整できず支持台を再製作して乗客コンベヤーの据付工程に影響を及ぼす短所を解消する効果がある。また、ジャッキ機構を使用することによって従来の乗客コンベヤーの中間支持装置におけるライナーの厚さ、枚数を加減して受け金具と支持台の間に介装する作業を省くことができる。このため、乗客コンベヤーの据付作業を省力化できて据付費を低減する効果がある。さらに、ジャッキ機構を使用することにより調整範囲を高くすることができるので、乗客コンベヤーの設置場所に対応してそれぞれ製作されていた支持台を規格化し、例えば数種類に限定することができて生産性が向上し支持台の製造費を節減する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1を示す図で、乗客コンベヤーの設置状態を概念的に示す側面図。
【図2】図1のA部拡大図。
【図3】図2のジャッキ機構の他の状態を示す図。
【図4】この発明の実施の形態2を示す図で、前述の図2相当図。
【図5】図4のジャッキ機構の他の状態を示す図。
【図6】この発明の実施の形態3を示す図で、前述の図2相当図。
【図7】図6のジャッキ機構の他の状態を示す図。
【符号の説明】
1 建物の構造体、 2 主枠、 3 支持台、 5 ジャッキ機構、6 二連リンク、 7 操作ねじ、 8 ジャッキ機構、 9 座板、 10 ウォーム、 11 ウォーム歯車、 12 カム、 13 ジャッキ機構、 14 座板、 15 挟圧板、 16 楔片、 17操作ねじ。

Claims (4)

  1. 長手の両端がそれぞれ建物の構造体に支持された主枠、上記建物に設けられて上記主枠の長手中間位置に配置された支持台と、上記主枠及び支持台の間に設けられ伸長して上記主枠を支持するジャッキ機構とを備えた乗客コンベヤーの中間支持装置。
  2. ジャッキ機構を、リンク機構及びこのリンク機構を伸長変位する操作ねじによって構成されたものとしたことを特徴とする請求項1記載の乗客コンベヤーの中間支持装置。
  3. ジャッキ機構を、ウォーム歯車機構及びこのウォーム歯車機構のウォーム歯車に固定されて上昇変位するカムによって構成されたものとしたことを特徴とする請求項1記載の乗客コンベヤーの中間支持装置。
  4. ジャッキ機構を、楔片及びこの楔片を操作ねじの操作によって挟圧し上記楔片を上昇変位する挟圧板によって構成されたものとしたことを特徴とする請求項1記載の乗客コンベヤーの中間支持装置。
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