JP2004175390A - 感熱性粘着剤活性化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱により粘着力を発現させる感熱ラベルの装置であり、熱効率の良い直接加熱方式を採用しながら、加熱部と感熱ラベルの貼り付きや、加熱部への糊の付着が発生しない感熱ラベルの加熱機構を得る。
【解決手段】送りローラ14等によって搬送されているラベル紙10を加熱するヒーター15には、圧電素子23が固着され、矢印B方向にヒーター15を振動させる。これにより、ヒーター15でラベル10を加熱し、粘着性を発現させながら、ラベル10がヒーター15に貼り付くのを防止する。
【選択図】 図1
【解決手段】送りローラ14等によって搬送されているラベル紙10を加熱するヒーター15には、圧電素子23が固着され、矢印B方向にヒーター15を振動させる。これにより、ヒーター15でラベル10を加熱し、粘着性を発現させながら、ラベル10がヒーター15に貼り付くのを防止する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、ディレードタック紙等の台紙無しラベル用紙の感熱粘着剤を活性化させて、粘着性を発現させる加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来使用される粘着ラベルとして、ラベル貼り付け前には、ラベルの粘着面は剥離紙(ライナーやセパレータとも呼ばれる)で覆われており、貼り付け時に、その剥離紙を剥がして使用するタイプが一般的であった。しかし、この剥離紙がゴミとなることから、近年、剥離紙を必要としない台紙無しラベルが提案されており、その中には、加熱により粘着性を発生させる感熱性粘着剤を用いた感熱粘着ラベル、例えばディレードタック紙がある。
【0003】
ディレードタック紙は、加熱するとすぐに粘着性が発現するので、一般に、加熱部を感熱粘着剤が塗布された面に接触させるのではなく、僅かの隙間を設けて非接触で加熱する。例えば、特許文献1に示すように、ディレードタック紙の糊面を、遠赤外線の輻射熱により加熱する方法が提案されている。このような非接触の加熱方式を間接加熱と呼ぶ。
【0004】
間接加熱は熱効率が悪く、大容量の電源を必要とするので、特許文献2に示すように、加熱部をディレードタック紙に接触させる直接加熱の方式も、一部では、提案されているが、糊が加熱部に付着することについて、有効な施策は提示されていない。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−245018号公報(図3)
【特許文献2】
特開2000−318718号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の感熱粘着剤の活性化装置では、加熱部とディレードタック紙との貼り付きや、加熱部への糊の付着を防止するためには、熱効率の悪い間接加熱方式を採用しなければならなかった。
【0007】
直接加熱方式で、初期的に、強い貼り付きが無い場合でも、加熱部に糊が付着し、その糊が堆積すると、ディレ−ドタック紙のスムーズな搬送を妨げ、紙詰まりの原因になる。よって、クリーニングによって、加熱部に付着した糊を除去する必要がある。
【0008】
そこで、本発明は従来のこのような問題を解決する為のもので、その目的とするところは、熱効率の良い直接加熱を行い、加熱部とディレードタック紙との貼り付きや糊の付着を防止することができる加熱装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為に、本発明は、
(1)感熱性粘着剤層を設ける感熱ラベル紙を搬送する搬送手段と、走行中の感熱ラベル紙と接触し、感熱ラベル紙を加熱するための加熱部と、振動源である振動素子と、振動素子を駆動する駆動回路とを備え、加熱部には、加熱部を感熱ラベル紙の面に対して略直交方向に振動させるように振動素子が固着されていることを特徴とする。
【0010】
上記構成では、粘着性を発現させる加熱部を振動させることで、感熱ラベル紙が貼り付くことを防止できる。
【0011】
(2)感熱性粘着剤層を設ける感熱ラベル紙を搬送する搬送手段と、走行中の感熱ラベル紙と接触し、感熱ラベル紙を加熱するための加熱部と、振動源である振動素子と、振動素子を駆動する駆動回路と、振動素子が固着された共振振動体とを備え、共振振動体は、感熱ラベル紙の面に対して略直交方向に振動する方向で、ラベル紙に接触するように配置されていることを特徴とする。
【0012】
上記構成では、感熱ラベル紙を振動させることで、感熱ラベル紙が加熱部に貼り付くことを防止できる。
【0013】
(3)共振振動体は、加熱部に対して、感熱ラベルの搬送方向の下流側で、加熱部に隣接する位置に配置されていることを特徴とする。
【0014】
上記構成では、感熱粘着ラベルが粘着性の無い時に、感熱粘着ラベルに、共振振動体による振動を効率良く与えることができる。
【0015】
(4)加熱部は、感熱ラベル紙の面と平行で、且つ、感熱ラベル紙が走行する方向と垂直な直線状の接触面を有し、感熱ラベル紙を、接触面に、感熱ラベル紙自体の振動を妨げない所定の力で、均一に密着させる押え部材を備えることを特徴とする。
【0016】
上記構成では、走行する感熱ラベルに対して、簡易な構造で均一な加熱を行うことができ、むらの無い粘着面が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、貼付図面に従って、本発明に係る実施の形態について説明する。
【0018】
図1は、感熱粘着ラベルの片面に粘着性を発現させて、粘着ラベルとして排出する第1の実施例の機構を示す機構説明図である。10はディレードタック接着剤の塗布面を内側にしてロール状に巻かれたラベル紙である。このラベル紙10は、回転する引き込みローラ11に挟持され、矢印A方向に引き込まれ、更にその先に位置する送りローラ14に送られる。ラベル紙10には、一定寸法の間隔で、読み取りマークが予め印刷されており、この読み取りマークを検出器12で検知し、ラベル紙10が一定寸法だけ送られると、引き込みローラ11と送りローラ14を一旦停止させ、オートカッタ13でラベル紙10を切断する。
【0019】
その後、一葉毎に切断されたラベル紙10は、送りローラ14により、ヒーター15へ送られる。ヒーター15方向にあるラベル紙10の片側面10aには、ディレードタック接着剤が塗布されており、ヒーター15の表面温度は、このディレードタック接着剤の活性化温度以上にして、ラベル紙10を加熱する。
【0020】
ヒーター15は、搬送されるラベル紙10の幅方向に直線状に接触するように、ラベル紙10の面に平行に配置されている。ラベル紙10は、ヒーター15と確実に密着するように、押えローラ16が、ヒーター15と共にラベル紙10を挟むように配置されている。この押えローラ16により、ラベル紙10はヒーター15方向に押し付けられているが、この時の押し付け力は小さく設定することが望ましい。具体的に、本実施例では、ラベル幅8cmとして、押えローラ16の長さはラベル幅全域を押えるように、ラベル幅と同様に8cmとし、この押えローラ16が回転駆動するのでなく、押えローラ16の自重のみで、ラベル紙10をヒーター15方向に押し付けて、ラベル紙10の走行に従動して自由回転する。押えローラ16の質量は40g以下とすることで、ラベル幅1cmあたりにかかる力は49mN以下となる。
【0021】
これにより、ヒーター15はラベル紙10に対し、比較的弱い力で、幅方向に均一にむらなく接触させられる。ヒーター15の加熱により、ラベル紙10に塗布されたディレードタック接着剤が活性化され粘着性が発現する。
【0022】
粘着性が発現したラベル紙10は排出ローラ17a、17bに挟持され、ラベル排出口18から排出される。尚、排出ローラ17bはラベル紙10の粘着面と接するので、テフロン(登録商標)コーティング等の非粘着処理が施されている。
【0023】
ここで用いるヒーターとしては、各種方式を用いることが可能であるが、実施例では、最も安価で一般的なシーズヒーターを用いる場合の例を示す。断面形状が略半円型のメタルシース20には、MgOパウダー21が充填され、発熱線22がメタルシース20の略中心部に配置されている。メタルシース20には金型でフラットな面が形成されており、このフラット面には、圧電素子23が固着されている。駆動回路24は圧電素子23に電圧を印加して、圧電素子23に振動を起こす。メタルシース20は矢印B方向、即ち、ラベル紙10の面と直交する方向に振動する。
【0024】
本例では、振動源となる振動素子としてPZT圧電素子を用いて説明する。圧電素子23としては、圧電性誘電体膜がチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)膜で、これを積層した構造であり、この圧電素子23に高周波電圧を印加することにより、20kHz以上の超音波振動を発生させる。超音波振動の為、騒音発生等の悪要因にはならない。また、超音波振動は数μm以下の微小振幅の為、ヒーター15が停止して、ラベル紙10を直接加熱する場合と同様に、効率良くヒーター15の表面の熱が伝達される。そして、更に、振動によって、ラベル紙10に摩擦熱が与えられ、ヒーター15の温度を補完する働きもある。よって、発熱線22への消費電流を低減させることもできる。
【0025】
ラベル紙10がヒ−ター15に接触しながら走行する時、ヒーター15の表面温度は、ディレードタック接着剤の種類により、適正な温度になるように設定されている。例えば、活性化温度が100℃のディレードタック接着剤の場合、ヒーター15の表面温度は100℃から110℃の範囲を常に維持するように設定されている。
【0026】
ヒーター15の表面温度が適正温度に維持された状態で、ラベル紙10を加熱する時、ディレードタック接着剤の貯蔵弾性率は、ゴム状の柔らかい性質に変化し、粘着性が発現する。適正温度以上に加熱してしまうと、ディレードタック接着剤の貯蔵弾性率は、更に低下し、接着剤は非常に柔らかくなる。この状態でも、粘着ラベルとして貼り付けることに関しては、支障は無いが、塗布された接着剤が、必要以上に柔らかくなると、紙基材部分から接着剤成分が剥がれやすくなってしまう。よって、ヒーター15は、活性化温度より極端に高い温度にならないように設定されている。
【0027】
ラベル紙10とヒーター15を接触させた状態で、ヒーター15に、ラベル紙10の面と直交する方向に超音波振動を与えると、ラベル紙10とヒーター15との接触圧が、極めて短い周期で変動する。この超音波振動をかけている状態で、ヒーター15を適正温度にしている場合、ラベル紙10は、粘着性がありながら、ヒーター15と強く貼り付くことは無い。これは、前述した押えローラ16が、強い力でラベル紙10を押え込んでいるのでなく、ラベル幅1cmあたりにかかる力が49mN以下に設定していることにも起因している。
【0028】
図2は第1の実施例で示した装置において、ヒーター15とラベル紙10が接触している要部の斜視図である。図2に示すように、ヒーター15に同一サイズ、同一形状の圧電素子23を複数付けることで、ラベル紙10の幅方向に対して、均一なエネルギの振動を与えることができる。
【0029】
以上述べたように、第1の実施例では、ディレードタック接着剤を活性化する加熱部に圧電素子を固着し、超音波振動をさせることで、ディレードタック紙の貼り付きや、加熱部への糊の付着といった問題を解決した。これにより、熱効率の良い直接加熱方式で、高速にディレードタック紙を搬送して、ディレードタック接着剤の活性化が可能になる。
【0030】
次に、本発明の第2の実施例について、図3を用いて説明する。第1の実施例では圧電素子をヒーターに直接取り付け、ヒーター自身を振動させる構造であるが、第2の実施例では、圧電素子23を共振振動体25に取り付け、共振振動体25でラベル紙10を振動させる構造としている。ラベル紙10は、共振振動体25と送りローラ19に挟持されて、矢印C方向に振動しながら、ヒーター15に送られる。それ以外の構造は第1の実施例と同じであり、ヒーター15の加熱により、ラベル紙10の粘着性が発現する。この様に、第2の実施例では、共振振動体25で発生した振動がヒーター15の位置まで伝達されることを利用し、この振動によって、ヒーター15とラベル紙10の貼り付きを防止している。
【0031】
第2の実施例では、共振振動体25はヒーター15に対して搬送方向の上流側で、ヒーター15にできるだけ接近させる配置とすることが望ましい。これにより、ラベル10が粘着性の無い時に振動を与え、ヒーター15へ確実な振動伝達ができる。尚、貼り付きを防止する効果としては、ヒーター15自身を直接振動させる第1の実施例には及ばないが、振動させる媒体が質量の軽いラベル紙10である為、駆動エネルギは第1の実施例より小さくすることができ、省エネルギという特徴がある。
【0032】
尚、実施例では、加熱方法として、シーズヒーターを用いて説明したが、シーズヒーターに限定するものでは無く、抵抗体を薄板状にして、その抵抗体自体を発熱体として利用する方式(ヒートシーラー等に使われている)や、渦電流の誘導によって発熱するIH方式等、周知のヒーターを用いることができる。
【0033】
また、実施例では、振動素子として、PZT圧電素子を用いて説明したが、PZT圧電素子に限定するものでは無く、PZT以外の圧電セラミックスや、水晶、ニオブ酸リチウムなどの単結晶振動子や、圧電高分子膜を用いる方式や、酸化亜鉛(ZnO)を材料とする圧電薄膜方式など各種の振動子を適宜、用いれば良い。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、(1)本発明の感熱性粘着剤活性化装置では、粘着性を発現させるヒーター自身を振動させることで、ヒーターと感熱接着剤が塗布されたラベル紙が貼り付くことを防止できる。また、振動による摩擦熱でヒーターの温度上昇を補完する効果も併せ持っている。
【0035】
また、(2)質量の小さいラベル紙を振動させる構成を採用したので、小さな駆動エネルギで振動を与えることができ、省力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施例の機構を示す機構説明図である。
【図2】第1の実施例の機構の要部斜視図である。
【図3】本発明に係る第2の実施例の機構を示す機構説明図である。
【符号の説明】
10 ラベル紙
11 引き込みローラ
14 送りローラ
15 ヒーター
16 押えローラ
17a、17b 排出ローラ
18 ラベル排出口
20 メタルシース
23 圧電素子
24 駆動回路
25 共振振動体
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、ディレードタック紙等の台紙無しラベル用紙の感熱粘着剤を活性化させて、粘着性を発現させる加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来使用される粘着ラベルとして、ラベル貼り付け前には、ラベルの粘着面は剥離紙(ライナーやセパレータとも呼ばれる)で覆われており、貼り付け時に、その剥離紙を剥がして使用するタイプが一般的であった。しかし、この剥離紙がゴミとなることから、近年、剥離紙を必要としない台紙無しラベルが提案されており、その中には、加熱により粘着性を発生させる感熱性粘着剤を用いた感熱粘着ラベル、例えばディレードタック紙がある。
【0003】
ディレードタック紙は、加熱するとすぐに粘着性が発現するので、一般に、加熱部を感熱粘着剤が塗布された面に接触させるのではなく、僅かの隙間を設けて非接触で加熱する。例えば、特許文献1に示すように、ディレードタック紙の糊面を、遠赤外線の輻射熱により加熱する方法が提案されている。このような非接触の加熱方式を間接加熱と呼ぶ。
【0004】
間接加熱は熱効率が悪く、大容量の電源を必要とするので、特許文献2に示すように、加熱部をディレードタック紙に接触させる直接加熱の方式も、一部では、提案されているが、糊が加熱部に付着することについて、有効な施策は提示されていない。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−245018号公報(図3)
【特許文献2】
特開2000−318718号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の感熱粘着剤の活性化装置では、加熱部とディレードタック紙との貼り付きや、加熱部への糊の付着を防止するためには、熱効率の悪い間接加熱方式を採用しなければならなかった。
【0007】
直接加熱方式で、初期的に、強い貼り付きが無い場合でも、加熱部に糊が付着し、その糊が堆積すると、ディレ−ドタック紙のスムーズな搬送を妨げ、紙詰まりの原因になる。よって、クリーニングによって、加熱部に付着した糊を除去する必要がある。
【0008】
そこで、本発明は従来のこのような問題を解決する為のもので、その目的とするところは、熱効率の良い直接加熱を行い、加熱部とディレードタック紙との貼り付きや糊の付着を防止することができる加熱装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為に、本発明は、
(1)感熱性粘着剤層を設ける感熱ラベル紙を搬送する搬送手段と、走行中の感熱ラベル紙と接触し、感熱ラベル紙を加熱するための加熱部と、振動源である振動素子と、振動素子を駆動する駆動回路とを備え、加熱部には、加熱部を感熱ラベル紙の面に対して略直交方向に振動させるように振動素子が固着されていることを特徴とする。
【0010】
上記構成では、粘着性を発現させる加熱部を振動させることで、感熱ラベル紙が貼り付くことを防止できる。
【0011】
(2)感熱性粘着剤層を設ける感熱ラベル紙を搬送する搬送手段と、走行中の感熱ラベル紙と接触し、感熱ラベル紙を加熱するための加熱部と、振動源である振動素子と、振動素子を駆動する駆動回路と、振動素子が固着された共振振動体とを備え、共振振動体は、感熱ラベル紙の面に対して略直交方向に振動する方向で、ラベル紙に接触するように配置されていることを特徴とする。
【0012】
上記構成では、感熱ラベル紙を振動させることで、感熱ラベル紙が加熱部に貼り付くことを防止できる。
【0013】
(3)共振振動体は、加熱部に対して、感熱ラベルの搬送方向の下流側で、加熱部に隣接する位置に配置されていることを特徴とする。
【0014】
上記構成では、感熱粘着ラベルが粘着性の無い時に、感熱粘着ラベルに、共振振動体による振動を効率良く与えることができる。
【0015】
(4)加熱部は、感熱ラベル紙の面と平行で、且つ、感熱ラベル紙が走行する方向と垂直な直線状の接触面を有し、感熱ラベル紙を、接触面に、感熱ラベル紙自体の振動を妨げない所定の力で、均一に密着させる押え部材を備えることを特徴とする。
【0016】
上記構成では、走行する感熱ラベルに対して、簡易な構造で均一な加熱を行うことができ、むらの無い粘着面が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、貼付図面に従って、本発明に係る実施の形態について説明する。
【0018】
図1は、感熱粘着ラベルの片面に粘着性を発現させて、粘着ラベルとして排出する第1の実施例の機構を示す機構説明図である。10はディレードタック接着剤の塗布面を内側にしてロール状に巻かれたラベル紙である。このラベル紙10は、回転する引き込みローラ11に挟持され、矢印A方向に引き込まれ、更にその先に位置する送りローラ14に送られる。ラベル紙10には、一定寸法の間隔で、読み取りマークが予め印刷されており、この読み取りマークを検出器12で検知し、ラベル紙10が一定寸法だけ送られると、引き込みローラ11と送りローラ14を一旦停止させ、オートカッタ13でラベル紙10を切断する。
【0019】
その後、一葉毎に切断されたラベル紙10は、送りローラ14により、ヒーター15へ送られる。ヒーター15方向にあるラベル紙10の片側面10aには、ディレードタック接着剤が塗布されており、ヒーター15の表面温度は、このディレードタック接着剤の活性化温度以上にして、ラベル紙10を加熱する。
【0020】
ヒーター15は、搬送されるラベル紙10の幅方向に直線状に接触するように、ラベル紙10の面に平行に配置されている。ラベル紙10は、ヒーター15と確実に密着するように、押えローラ16が、ヒーター15と共にラベル紙10を挟むように配置されている。この押えローラ16により、ラベル紙10はヒーター15方向に押し付けられているが、この時の押し付け力は小さく設定することが望ましい。具体的に、本実施例では、ラベル幅8cmとして、押えローラ16の長さはラベル幅全域を押えるように、ラベル幅と同様に8cmとし、この押えローラ16が回転駆動するのでなく、押えローラ16の自重のみで、ラベル紙10をヒーター15方向に押し付けて、ラベル紙10の走行に従動して自由回転する。押えローラ16の質量は40g以下とすることで、ラベル幅1cmあたりにかかる力は49mN以下となる。
【0021】
これにより、ヒーター15はラベル紙10に対し、比較的弱い力で、幅方向に均一にむらなく接触させられる。ヒーター15の加熱により、ラベル紙10に塗布されたディレードタック接着剤が活性化され粘着性が発現する。
【0022】
粘着性が発現したラベル紙10は排出ローラ17a、17bに挟持され、ラベル排出口18から排出される。尚、排出ローラ17bはラベル紙10の粘着面と接するので、テフロン(登録商標)コーティング等の非粘着処理が施されている。
【0023】
ここで用いるヒーターとしては、各種方式を用いることが可能であるが、実施例では、最も安価で一般的なシーズヒーターを用いる場合の例を示す。断面形状が略半円型のメタルシース20には、MgOパウダー21が充填され、発熱線22がメタルシース20の略中心部に配置されている。メタルシース20には金型でフラットな面が形成されており、このフラット面には、圧電素子23が固着されている。駆動回路24は圧電素子23に電圧を印加して、圧電素子23に振動を起こす。メタルシース20は矢印B方向、即ち、ラベル紙10の面と直交する方向に振動する。
【0024】
本例では、振動源となる振動素子としてPZT圧電素子を用いて説明する。圧電素子23としては、圧電性誘電体膜がチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)膜で、これを積層した構造であり、この圧電素子23に高周波電圧を印加することにより、20kHz以上の超音波振動を発生させる。超音波振動の為、騒音発生等の悪要因にはならない。また、超音波振動は数μm以下の微小振幅の為、ヒーター15が停止して、ラベル紙10を直接加熱する場合と同様に、効率良くヒーター15の表面の熱が伝達される。そして、更に、振動によって、ラベル紙10に摩擦熱が与えられ、ヒーター15の温度を補完する働きもある。よって、発熱線22への消費電流を低減させることもできる。
【0025】
ラベル紙10がヒ−ター15に接触しながら走行する時、ヒーター15の表面温度は、ディレードタック接着剤の種類により、適正な温度になるように設定されている。例えば、活性化温度が100℃のディレードタック接着剤の場合、ヒーター15の表面温度は100℃から110℃の範囲を常に維持するように設定されている。
【0026】
ヒーター15の表面温度が適正温度に維持された状態で、ラベル紙10を加熱する時、ディレードタック接着剤の貯蔵弾性率は、ゴム状の柔らかい性質に変化し、粘着性が発現する。適正温度以上に加熱してしまうと、ディレードタック接着剤の貯蔵弾性率は、更に低下し、接着剤は非常に柔らかくなる。この状態でも、粘着ラベルとして貼り付けることに関しては、支障は無いが、塗布された接着剤が、必要以上に柔らかくなると、紙基材部分から接着剤成分が剥がれやすくなってしまう。よって、ヒーター15は、活性化温度より極端に高い温度にならないように設定されている。
【0027】
ラベル紙10とヒーター15を接触させた状態で、ヒーター15に、ラベル紙10の面と直交する方向に超音波振動を与えると、ラベル紙10とヒーター15との接触圧が、極めて短い周期で変動する。この超音波振動をかけている状態で、ヒーター15を適正温度にしている場合、ラベル紙10は、粘着性がありながら、ヒーター15と強く貼り付くことは無い。これは、前述した押えローラ16が、強い力でラベル紙10を押え込んでいるのでなく、ラベル幅1cmあたりにかかる力が49mN以下に設定していることにも起因している。
【0028】
図2は第1の実施例で示した装置において、ヒーター15とラベル紙10が接触している要部の斜視図である。図2に示すように、ヒーター15に同一サイズ、同一形状の圧電素子23を複数付けることで、ラベル紙10の幅方向に対して、均一なエネルギの振動を与えることができる。
【0029】
以上述べたように、第1の実施例では、ディレードタック接着剤を活性化する加熱部に圧電素子を固着し、超音波振動をさせることで、ディレードタック紙の貼り付きや、加熱部への糊の付着といった問題を解決した。これにより、熱効率の良い直接加熱方式で、高速にディレードタック紙を搬送して、ディレードタック接着剤の活性化が可能になる。
【0030】
次に、本発明の第2の実施例について、図3を用いて説明する。第1の実施例では圧電素子をヒーターに直接取り付け、ヒーター自身を振動させる構造であるが、第2の実施例では、圧電素子23を共振振動体25に取り付け、共振振動体25でラベル紙10を振動させる構造としている。ラベル紙10は、共振振動体25と送りローラ19に挟持されて、矢印C方向に振動しながら、ヒーター15に送られる。それ以外の構造は第1の実施例と同じであり、ヒーター15の加熱により、ラベル紙10の粘着性が発現する。この様に、第2の実施例では、共振振動体25で発生した振動がヒーター15の位置まで伝達されることを利用し、この振動によって、ヒーター15とラベル紙10の貼り付きを防止している。
【0031】
第2の実施例では、共振振動体25はヒーター15に対して搬送方向の上流側で、ヒーター15にできるだけ接近させる配置とすることが望ましい。これにより、ラベル10が粘着性の無い時に振動を与え、ヒーター15へ確実な振動伝達ができる。尚、貼り付きを防止する効果としては、ヒーター15自身を直接振動させる第1の実施例には及ばないが、振動させる媒体が質量の軽いラベル紙10である為、駆動エネルギは第1の実施例より小さくすることができ、省エネルギという特徴がある。
【0032】
尚、実施例では、加熱方法として、シーズヒーターを用いて説明したが、シーズヒーターに限定するものでは無く、抵抗体を薄板状にして、その抵抗体自体を発熱体として利用する方式(ヒートシーラー等に使われている)や、渦電流の誘導によって発熱するIH方式等、周知のヒーターを用いることができる。
【0033】
また、実施例では、振動素子として、PZT圧電素子を用いて説明したが、PZT圧電素子に限定するものでは無く、PZT以外の圧電セラミックスや、水晶、ニオブ酸リチウムなどの単結晶振動子や、圧電高分子膜を用いる方式や、酸化亜鉛(ZnO)を材料とする圧電薄膜方式など各種の振動子を適宜、用いれば良い。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、(1)本発明の感熱性粘着剤活性化装置では、粘着性を発現させるヒーター自身を振動させることで、ヒーターと感熱接着剤が塗布されたラベル紙が貼り付くことを防止できる。また、振動による摩擦熱でヒーターの温度上昇を補完する効果も併せ持っている。
【0035】
また、(2)質量の小さいラベル紙を振動させる構成を採用したので、小さな駆動エネルギで振動を与えることができ、省力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施例の機構を示す機構説明図である。
【図2】第1の実施例の機構の要部斜視図である。
【図3】本発明に係る第2の実施例の機構を示す機構説明図である。
【符号の説明】
10 ラベル紙
11 引き込みローラ
14 送りローラ
15 ヒーター
16 押えローラ
17a、17b 排出ローラ
18 ラベル排出口
20 メタルシース
23 圧電素子
24 駆動回路
25 共振振動体
Claims (4)
- 感熱性粘着剤層を設ける感熱ラベル紙を搬送する搬送手段と、走行中の前記感熱ラベル紙と接触し、前記感熱ラベル紙を加熱するための加熱部と、振動源である振動素子と、該振動素子を駆動する駆動回路とを備え、前記加熱部には、前記加熱部を前記感熱ラベル紙の面に対して略直交方向に振動させるように前記振動素子が固着されていることを特徴とする感熱性粘着剤活性化装置。
- 感熱性粘着剤層を設ける感熱ラベル紙を搬送する搬送手段と、走行中の前記感熱ラベル紙と接触し、前記感熱ラベル紙を加熱するための加熱部と、振動源である振動素子と、該振動素子を駆動する駆動回路と、前記振動素子が固着された共振振動体とを備え、前記共振振動体は、前記感熱ラベル紙の面に対して略直交方向に振動する方向で、前記ラベル紙に接触するように配置されていることを特徴とする感熱性粘着剤活性化装置。
- 前記共振振動体は、前記加熱部に対して、前記感熱ラベルの搬送方向の下流側で、前記加熱部に隣接する位置に配置されていることを特徴とする請求項2記載の感熱性粘着剤活性化装置。
- 前記加熱部は、前記感熱ラベル紙の面と平行で、且つ、前記感熱ラベル紙が走行する方向と垂直な直線状の接触面を有し、前記感熱ラベル紙を、前記接触面に、前記感熱ラベル紙自体の振動を妨げない所定の力で、均一に密着させる押え部材を備えることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の感熱性粘着剤活性化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002342501A JP2004175390A (ja) | 2002-11-26 | 2002-11-26 | 感熱性粘着剤活性化装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002342501A JP2004175390A (ja) | 2002-11-26 | 2002-11-26 | 感熱性粘着剤活性化装置 |
Publications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004175390A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102007058765A1 (de) * | 2007-12-06 | 2009-06-25 | Pago Ag, Grabs | Etikettierautomat für Linerless-Etiketten |
CN103895920A (zh) * | 2014-04-28 | 2014-07-02 | 四川沃文特生物技术有限公司 | 自动对试剂管进行标签贴附的系统 |
-
2002
- 2002-11-26 JP JP2002342501A patent/JP2004175390A/ja not_active Withdrawn
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