JP2004174690A - 切断装置および切断方法 - Google Patents

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信 新明
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Matsushita Refrigeration Co
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Abstract

【課題】極めて異形の被切断対象物1に対しても切断することができる切断装置および切断方法を提供する。
【解決手段】被切削対象物の回転中心軸を中心として対称な位置に配置されたヘッド回転軸2を中心として、回動自在に支持された2つのヘッド3と、各ヘッド3に、ヘッド回転軸2の軸心から等距離の位置において同一面内で回転自在にそれぞれ2つずつ取り付けられて、被切断対象物1を周囲から切断する円盤状のカッター4と、ヘッド回転軸2を支持するヘッド支持部材6を回転中心軸側に付勢しながら支持するヘッド支持機構とを備え、各ヘッド3に取り付けられた前記2つのカッター4同士が、カッター4間の距離を変更可能に取り付けられている。この構成により、極めて異形な断面形状の被切断対象物や、外周径の極端な大小のある被切断対象物であっても、切断が可能になる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵庫やエアコンプレッサに使用される密閉型コンプレッサの外殻シェル(容器)等の中空で略筒形状または略球形状の物体からなる被切断対象物を周方向に切断する切断装置および切断方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、家電製品のリサイクルが進みつつある。この種のものをリサイクルするに際して、分解の難しかった密閉型コンプレッサを良好かつ能率的に分解できる切断装置および切断方法が望まれている。
【0003】
この密閉型コンプレッサの外殻シェル等の、略円筒形状または略球形状の中空物体からなる被切断対象物を、周方向に切断する従来の切断装置としては、旋盤やパイプカッターが一般的に用いられていた。しかし、これらの旋盤やパイプカッターを用いた切断装置は、被切断対象物として、何れも周方向の断面形状が真円のものを想定しており、このような従来の切断装置では、周方向の断面が異形の物体、例えば断面が楕円形のものを周方向に切断することが困難であった。すなわち、周方向の断面が異形である被切断対象物は、断面の直径が一定でないため、旋盤を用いた場合やパイプカッターを用いた場合でも、断面の直径に応じて刃の位置や被切断対象物の位置を切削の都度調節する必要があって極めて多くの手間や時間がかかり、事実上異形の断面形状の中空物体を周方向に切断することは困難であった。また、旋盤を用いた場合には、切断の際に切り屑が出て作業に支障があった。
【0004】
このため、これらの周方向の断面が異形の被切削対象物に対して、周方向切断を容易にし、解体作業を容易に行う切断装置の開発が望まれていた。
周方向の断面が異形である被切削対象物を切断可能な切断装置として、特許文献1にて開示された切断装置がある。以下、図面を参照しながら上記従来の切断装置および切断方法について説明する。
【0005】
図12(a)および(b)はそれぞれ従来の切断装置の平面図、図13および図14は同従来の切断装置の側面図およびその要部側面図、図15(a)〜(d)は、同従来の切断装置を用いた切断工程を示す平面図である。これらの図に示すように、従来の切断装置は、被切削対象物1の回転中心軸aを中心として対称な位置に配置されたヘッド回転軸2を中心として、回動自在に支持された2つのヘッド3と、各ヘッド3に、ヘッド回転軸2の軸心から等距離の位置において同一面内で回転自在にそれぞれ2つずつヘッドアーム9を介して取り付けられた円盤状のカッター4と、カッター4を被切断対象物1の回転中心軸aに向かって移動させる駆動シリンダ5と、被切削対象物1を固定する回転テーブル10などから構成されている。
【0006】
なお、ヘッド3に対する、円盤状のカッター4を回転自在に支持するヘッドアーム9の取付位置は固定されており、各ヘッド3におけるカッター4間の離間距離L(図15(a)参照)も一定である。また、回転テーブル10に対するヘッド3の上下方向相対位置も一定である。また、図12(a)、(b)における6A、6Bはヘッド回転軸2を介してヘッド3を揺動可能に支持するヘッド支持部材、18はヘッド支持部材6A、6B同士が回転中心軸aから同距離となるように連動させる連動歯車、図13、図14における31は回転テーブル10を回転させる回転駆動モータ、32は回転テーブル10に取り付けられる高さ調整用の治具で、この高さ調整用の治具32は、被切削対象物1の種類に応じて複数種類用意され、切断断面の高さに応じて、選択されて回転テーブル31に取り付けられる。
【0007】
この従来の切断装置を用いた切断方法について説明する。
まず、図12(a)、図13に示すように、被切削対象物1の種類に応じた高さ調整用の治具32が回転テーブル31に取り付けられ、この高さ調整用の治具32を介して、被切断対象物1を、回転テーブル10における回転中心軸aを中心とする位置にセットし、ヘッドアーム9を介して切断位置に対応するカッター4をヘッド3に取り付けて、被切断対象物1の外周側に位置させる。
【0008】
次に、図12(b)、図14および図15(a)〜(d)に示すように、回転テーブル10を駆動させて被切断対象物1を回転させながら、カッター4を駆動シリンダ5で回転中心軸aに向かって移動させて、カッター4を被切断対象物1に押圧させ、被切断対象物1の回転によって被切断対象物(密閉型コンプレッサの外殻シェル等)1を切断するものである。
【0009】
この切断装置によれば、切断工程時には、ヘッド3が被切断対象物1における長軸の交点側に向けて揺動することで、4つのカッター4が楕円形状の被切断対象物1に対して、被切断対象物1の回転中心軸aと垂直な平面と交わる側面の線上を、常に離れることなく、押圧しながら回転し、被切断対象物1が切断される。
【0010】
この際、ヘッド3が図15(a)〜(d)に示すように揺動することで、断面形状が真円の被切断対象物1(図12(a)の仮想線部参照)だけでなく、周方向の断面が楕円形の被切断対象物1(図12(a)の実線部参照)でも切断できる。
【0011】
また、切断工程時には、4つのカッター4が被切断対象物1に対して常に離れることなく、押圧しながら回転するので、被切断対象物1は塑性変形されながら切断され、切断の際の切り屑は最小限に抑えられる。
【0012】
【特許文献1】
特開2001−113410号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の切断装置では、各ヘッド3におけるカッター4間の離間距離Lが一定であるため、断面が楕円形の被切断対象物1においても、その直径が小さいものには、各ヘッド3におけるカッター4の刃が届かないで対応できなかったり、一部に窪み部を有するような断面が極端に異形の被切断対象物1に対しても同様の理由で切断が困難となったりする欠点があった。また、カッター4やヘッド3の回転軸磨耗や変形によって4つのカッター4が同一平面からずれて切断が困難となったりするおそれもあった。
【0014】
また、エアコンプレッサや冷蔵庫に使用された密閉型圧縮機では、エアコンプレッサや冷蔵庫のタイプ、容量、メーカー、性能の分類ごとに前記圧縮機の形状や切断位置の高さが異なるため、その度に高さ調整用の治具32を取り替えなければならない。さらに、切断断面が複数ある場合にも、その切断位置に合った高さ調整用の治具32を取り替えなければならない。したがって、高さ調整用の治具32等の交換が煩雑になって、交換作業に極めて多くの手間や時間がかかって、能率が悪かった。
【0015】
本発明は、上記従来の切断装置および切断方法が有していた課題を解決するもので、極端に異形の被切断対象物に対しても切断することができ、また、能率よく切断作業を行うことができる切断装置および切断方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、回転駆動手段により回転中心軸を中心として回転される略筒形状または略球形状の被切断対象物を切断する切断装置であって、被切削対象物の回転中心軸を中心として対称な位置に配置されたヘッド回転軸を中心として、回動自在に支持された2つのヘッドと、各ヘッドに、前記ヘッド回転軸の軸心から等距離の位置において同一面内で回転自在にそれぞれ2つずつ取り付けられて、被切断対象物を周囲から切断する円盤状のカッターと、前記ヘッド回転軸を支持するヘッド支持部材を前記回転中心軸側に付勢しながら支持するヘッド支持機構とを備え、各ヘッドに取り付けられた前記2つのカッター同士が、カッター間の距離を変更可能に取り付けられていることを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、極めて異形な断面形状の被切断対象物や、外周径の極端な大小のある被切断対象物であっても、ヘッドにおける2つのカッター間の距離を変えられるため、被切断対象物の切断が可能になる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の切断装置において、4つのカッターならびに2つのヘッドが設けられた切断ユニットを、カッターが配置される面と略直交する方向に移動させる切断ユニット移動手段が設けられていることを特徴とする。
【0019】
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の切断装置において、回転する被切断対象物を、回転中心軸に略沿う方向に移動させる被切断対象物移動手段が設けられていることを特徴とする。
【0020】
これらの構成により、切断ユニットを、カッターが配置される面と略直交する方向に移動させたり、被切断対象物を、回転中心軸に略沿う方向に移動させたりすることにより、被切断対象物の外殻の切断断面の位置を変更したり、複数位置を切断したりすることが容易に行え、切断作業を能率的に行うことができる。
【0021】
請求項4記載の発明は、請求項2または3に記載の切断装置において、被切断対象物とカッターとの、回転中心軸に沿った方向に対する複数の切断用の相対位置を記憶する記憶手段と、前記記憶手段による複数の切断用の相対位置に基づいて順次切断処理を行わせる制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0022】
この構成により、同一のタイプの被切断対象物を連続して切断する場合において、事前に被切断対象物の切断位置を記憶させておくことにより、複数の切断を順序よく能率的に行うことができる。
【0023】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の切断装置において、ヘッドにおけるヘッド回転軸が設けられている、ヘッド支持部材に接触する箇所の横幅が、ヘッドにおけるカッター間最大距離よりも大きく形成されていることを特徴とする。
【0024】
この構成により、ヘッドとヘッド支持部材との接触面積が大きくなるので、ヘッドがヘッド支持部材により良好に案内されて、4つのカッターを同一面内に安定して位置させることができ、被切断対象物を良好に切断できる。
【0025】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の切断装置において、ヘッドとヘッド回転軸との接触部分およびカッターとヘッドとの回転軸周囲箇所の少なくとも一方に耐磨耗性材料を配設したことを特徴とする。
【0026】
この構成により、ヘッドとヘッド回転軸との接触部分の隙間が広がったり、カッターとヘッドとの回転軸周囲箇所との接触部分の隙間が広がったりすることを防止できるので、これらの接触部分でのゆるみやがたつきを防止できて、4つのカッターを同一面内に安定して位置させることができ、被切断対象物を良好に切断できる。
【0027】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6の何れかに記載の切断装置において、カッターを軸支するカッター支持軸に外嵌する筒状部をカッターに一体形成して、この筒状部でヘッド側部材の取付内壁面に当接させて位置規制するように構成したことを特徴とする。
【0028】
この構成により、カッターの姿勢が位置規制されるので、カッターを同一面内に安定して位置させることができ、被切断対象物を良好に切断できる。
請求項8記載の発明は、請求項1〜7の何れかに記載の切断装置において、回転駆動手段により、被切断対象物を保持して回転させる回転テーブルを、正方向ならびに逆方向の両方向に切り換えて回転可能に構成したことを特徴とする。
【0029】
この構成により、切断中にカッターの位置が同一平面よりずれて切断し難くなった場合でも、回転方向を逆方向に切り換えることで、最初の切断位置まで戻して、切断時におけるカッターの押圧窪みをなぞることができるため、被切断対象物の外殻を良好に切断することができる。
【0030】
請求項9記載の発明は、回転中心軸を中心として回転される略筒形状または略球形状で異形の被切断対象物を切断する切断方法であって、被切断対象物を、回転中心軸を中心として回転させる回転テーブルに固定し、この回転テーブルに固定した被切断対象物の外周側に、前記回転中心軸を中心として対称な位置に配置されたヘッド回転軸を中心として回動自在に支持された2つのヘッドにおける前記ヘッド回転軸の軸心から等距離かつ同一面内の位置で回転自在にそれぞれ2つずつ取り付けた円盤状のカッターを配置し、各ヘッドにおけるカッターの取付位置をカッター同士の距離が互いに広めとなる位置に取り付け、被切断対象物を、回転テーブルに固定して回転させ、前記ヘッド同士を接近させることでカッターにより被切断対象物に当接させるとともに押圧して、カッターにより切り溝を形成し、被切断対象物における切り溝に沿った箇所で、カッターが届かないために未切断部を生じていた場合に、各ヘッドにおけるカッターの取付位置をカッター同士が互いに接近する位置になるように変更し、この状態で、回転テーブルを回転させながら前記ヘッド同士を接近させることでカッターにより前記未切断部を切断することを特徴とする。
【0031】
この方法によれば、極めて異形な断面形状の被切断対象物や、外周径の極端な大小のある被切断対象物であっても、被切断対象物を良好に切断することができる。
【0032】
請求項10記載の発明は、回転中心軸を中心として回転される略筒形状または略球形状で異形の被切断対象物を切断する切断方法であって、被切断対象物を、回転中心軸を中心として回転させる回転テーブルに固定し、この回転テーブルに固定した被切断対象物の外周側に、前記回転中心軸を中心として対称な位置に配置されたヘッド回転軸を中心として回動自在に支持された2つのヘッドにおける前記ヘッド回転軸の軸心から等距離かつ同一面内の位置で回転自在にそれぞれ2つずつ取り付けた円盤状のカッターを配置し、被切断対象物を、回転テーブルに固定して回転させ、予め記憶させておいた高さデータに応じて、ヘッド側の高さまたは回転テーブル側の高さを自動的に移動させて前記ヘッド同士を接近させることで、カッターにより被切断対象物の前記高さデータに応じた断面の位置に当接させるとともに押圧して、カッターにより被切断対象物を切断することを特徴とする。
【0033】
この方法によれば、被切断対象物の切断すべき断面位置の高さデータを予め記憶させることで、その断面位置で自動的に切断させることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る切断装置および切断方法について、図面を参照しながら説明する。なお、従来の切断装置と同様な構成については、同一符号を付す。
【0035】
図1は本発明の実施の形態に係る切断装置の斜視図、図2(a)および(b)はそれぞれ同切断装置の平面図、図3は同切断装置における回転テーブルの箇所の平面図、図4は同切断装置におけるヘッドおよびその近傍箇所の平面図、図5(a)〜(d)および図6(a)〜(d)は、それぞれこの切断装置を用いた切断工程を示す平面図である。
【0036】
図1および図2(a)、(b)に示すように、本実施の形態に係る切断装置は、密閉型コンプレッサ等の略筒形状の被切削対象物1を回転自在に保持する回転保持ユニット30と、被切削対象物1を実際に切断する4つのカッター4などを有する切断ユニット50と、この切断ユニット50を昇降させる切断ユニット移動手段としての昇降ユニット60などを備えている。
【0037】
回転保持ユニット30は、図1、図3に示すように、回転駆動モータ31により回転中心軸aを中心として回転される回転テーブル10と、この回転テーブル10における上部に、回転中心軸aを中心として例えば120度間隔で半径方向に沿ってスライド自在に3つ配設され、回転中心軸aを中心として被切削対象物1を下部側方から保持するワークチャック11とから構成されている。また、回転テーブル10を回転させる回転駆動モータ31は正方向ならびに逆方向に回転可能とされ、図示しない切換スイッチにより、回転テーブル10を、正方向ならびに逆方向の両方向に切り換えて回転可能に構成している。
【0038】
図1、図2(a)、(b)に示すように、切断ユニット50は、回転中心軸aを中心として対称な位置に配置されたヘッド回転軸2を中心として、回動自在に支持された略台形形状の2つのヘッド3と、ヘッド回転軸2を介して各ヘッド3をそれぞれ支持する一対のヘッド支持部材6(6A、6B)と、各ヘッド3に、ヘッド回転軸2の軸心から等距離の位置において同一面内で回転自在にそれぞれヘッド側部材としてのヘッドアーム9を介して2つずつ取り付けられて、被切断対象物1を周囲から切断する円盤状のカッター4と、ヘッド回転軸2を支持するヘッド支持部材6を回転中心軸a側に付勢しながら支持する押付機構12とを備えている。
【0039】
図4に示すように、各ヘッド3には、円盤状の各カッター4を取り付けるための取付孔7A、7Bが、ヘッド3の異なる位置に2つずつ形成されている。そして、各ヘッド3に取り付けられた2つのカッター4を取り付けるための取付ボルト8を、互いに広い距離L1で離間した取付孔7Aに挿通させて取り付けた場合と、図5に示すように、互いに狭い距離L2で離間した取付孔7Bに挿通させて取り付けた場合との、2種類の異なる間隔で取り付け可能に構成されている。なお、図4における19はカッター4を回転自在に支持するカッター回転支持軸、図4における斜線部は、ヘッド3とヘッド支持部材6との接触面部である。
【0040】
押付機構12は、図1および図2(a)、(b)に示すように、一方のヘッド支持部材6Aを回転中心軸aに向けて出退させる駆動シリンダ13と、この駆動シリンダ13の基部が固定されている取付台部14と、この取付台部14から他方のヘッド支持部材6Bにかけて水平方向に延設され、途中の部分で、一方のヘッド支持部材6Aと後述するガイドブロック15とを貫通して配置されている左右一対の外側可動アーム16と、他方のヘッド支持部材6Bから延設されている左右一対の内側可動アーム17と、外側可動アーム16に形成されたラック部16aと内側可動アーム17に形成されたラック部17aとに挟まれた姿勢で噛合されている左右一対の連動歯車18と、回転中心軸aから所定距離離れた箇所に配置されて、各連動歯車18を回転自在に支持するガイドブロック15とから構成されている。
【0041】
そして、図2(a)、(b)に示すように、ガイドブロック15により外側可動アーム16および他方のヘッド支持部材6Bがb方向に移動自在に案内されており、また、外側可動アーム16により一方のヘッド支持部材6Aもb方向に移動自在に案内されている。したがって、駆動シリンダ13により一方のヘッド支持部材6Aおよび内側可動アーム17が回転中心軸aに向けて接近、離反されると、この出退動作が連動歯車18を介して反対側に伝達され、外側可動アーム16および他方のヘッド支持部材6Bが同じ距離だけ回転中心軸aに向けて接近、離反される。すなわち、駆動シリンダ13により一方のヘッド支持部材6Aならびにそのヘッド回転軸2が回転中心軸aに向けて接近するように移動されると、同じ距離だけ他方のヘッド支持部材6Bならびにそのヘッド回転軸2が回転中心軸aに向けて接近して、この結果、ヘッド3およびカッター4を被切断対象物1に接近、押圧するようになっている。
【0042】
このようにして構成された切断ユニット50は、ガイドブロック15から側方に突設されたユニット回転軸21の横軸心を中心として、図1において仮想線で示すように、上方に略90度まで回動可能に配設されているとともに、昇降ユニット60により昇降可能に配設されている。
【0043】
昇降ユニット60は、ユニット回転軸21を両側方から回動自在に支持する昇降枠64と、ベース20上に立設された一対の立設アーム61と、立設アーム61に取り付けられた昇降ガイド62に沿って昇降自在とされ、前記昇降枠64に固着されて、昇降枠64と一体的に昇降する昇降ブロック63と、ベース20から上方に突出した姿勢で回転自在に支持され、昇降枠64をその上部で螺合した状態で支持して昇降させる昇降ねじ軸65と、昇降ねじ軸65の下端部に取り付けられた伝達歯車66およびこの伝達歯車66に噛み合う伝達ピニオン67を介して昇降ねじ軸65を回転する昇降モータ68とを備えている。そして、昇降モータ68を駆動させることにより、昇降ねじ軸65が回転し、この昇降ねじ軸65に螺合した昇降枠64に伴って切断ユニット50が昇降されるようになっている。また、図1における69は、立設アーム61に取り付けられて、切断ユニット50が水平姿勢である際に、外側可動アーム16を下方から受けるアーム受けである。
【0044】
さらに、この切断装置には、図外に接続された制御装置に記憶部が設けられており、切断時の切断ユニット50の高さデータや、駆動シリンダ13による適した押圧力に対応する値が前もって記憶されている。また、前記制御装置に、被切断対象物1の種類を指定するための入力手段や表示装置なども設けられている。
【0045】
上記構成において、密閉型コンプレッサ等の外殻シェル等の、略円筒形状または略球形状の中空物体からなる被切断対象物1を切断する方法について以下に述べる。
【0046】
まず、図1において仮想線で示すように、ユニット回転軸21を中心として切断ユニット50を回転させて持ち上げた状態で、図1および図2(a)に示すように、被切断対象物1を回転テーブル10に載せる。そして、ワークチャック11を回転中心軸a側に移動させて、被切削対象物1の中心が、回転テーブル10上における回転中心軸aとほぼ一致する姿勢で保持してセットする。なお、この際には、ヘッド3を支持するヘッド支持部材6(6A、6B)同士が互いに離れた位置に配置しておき、カッター4を被切断対象物1から離反させておく。また、被切断対象物1が、図5(a)〜(d)に示すように、比較的大きいものである場合には、各ヘッド3に取り付けられた2つのカッター4を取り付けるための取付ボルト8を、互いに広い距離L1(図4参照)で離間した取付孔7Aに挿通させて取り付けておく。
【0047】
次に、切断ユニット50を下方に回動させて、カッター4を被切断対象物1の外周側に位置させる。また、昇降モータ68を駆動させて、カッター4が被切断対象物1の切断に適した位置となるように下降させる。そして、駆動シリンダ13の出退ロッドを伸展させて、ヘッド支持部材6(6A、6B)同士を回転中心軸aに近づける。
【0048】
これにより、図5(a)に示すように、4つのカッター4が、ほぼ同時に被切断対象物1の外周に接触する。そして、さらに各カッター4を被切断対象物1に押圧させながら回転テーブル10を回転させることで、4つのカッター3が被切断対象物1の外周に沿って食い込み始め、被切断対象物1は、やがて周方向に切断される。
【0049】
この場合に、カッター4を支持するヘッド3は、回転中心軸aを中心として対称な位置に配置されたヘッド回転軸2を中心として、回動自在に支持されており、各ヘッド3に、ヘッド回転軸2の軸心から等距離の位置において同一面内で回転自在にそれぞれ2つずつ取り付けられているので、断面形状が真円の被切断対象物1だけでなく、周方向の断面が楕円形の被切断対象物1でも切断できる。
【0050】
この切断時の様子について以下に述べる。
図5(a)および(c)に示すように、カッター4が、楕円形状の被切断対象物1における長軸dの交点d1と短軸eの交点e1との間の中間部に臨んでいる場合に、全ての箇所で良好に当接するだけでなく、図5(b)および(d)に示すように、カッター4が、楕円形状の被切断対象物1における長軸dの交点d1と、短軸eの交点e1とにほぼ臨んでいる場合でも、ヘッド3が被切断対象物1における長軸の交点d1側に向けて傾斜するように揺動することにより、全ての箇所で良好に当接する。すなわち、切断工程時には、ヘッド3が被切断対象物1における長軸dの交点d1側に向けて揺動することで、4つのカッター4が、楕円形状の被切断対象物1に対して、被切断対象物1の回転中心軸aと垂直な平面と交わる側面の線上を、常に離れることなく、押圧しながら回転する。この結果、4つのカッター4の押圧によって被切断対象物1は塑性変形され、被切断対象物は円周方向に切断される。
【0051】
このように、本実施の形態の切断装置ならびに切断方法によれば、被切断対象物1の切断が塑性変形によるので、切断による切り屑が生ぜず、また、4つのカッター4が被切断対象物1を押圧する力が互いに打ち消しあい、回転しながらの切断に伴うストロークは同期される。さらに、ヘッド3が、回転中心軸aを中心として対称な位置に配置されたヘッド回転軸2を支点として回転自在に支持されているので、被切断対象物1の切断面が楕円形の場合であっても、4つのカッター4が被切断対象物1の回転に追従してその側面を常に一定の力で、かつ4つのカッター4がそれぞれほぼ均等の力で被切断対象物1を押圧し続けることができる。この結果、被切断対象物1の回転負荷が変化せず、被切断対象物1の切断面が楕円形の場合であっても、被切断対象物1の切断面が真円の場合と同程度の回転トルクとなる。また、回転軸に曲げモーメントが発生しにくいため、被切断対象物1の保持が容易となる。
【0052】
また、楕円形状の被切断対象物1が、図6(a)〜(d)に示すように、比較的小さいものである場合には、各ヘッド3に取り付けられた2つのカッター4を取り付けるための取付ボルト8を、互いに狭い距離L2(図4参照)で離間した取付孔7Bに挿通させて取り付けておき、この状態で、同様に、各カッター4を被切断対象物1に押圧させながら回転テーブル10を回転させる。これにより、被切断対象物1が小さいものである場合でも、4つのカッター3が被切断対象物1の外周に沿って食い込み、被切断対象物1を良好に切断することができる。
【0053】
また、被切断対象物1が、図7(a)に示すような、窪み1aを有する異形の密閉型コンプレッサの外殻シェル(容器)である場合でも、図7(a)〜(d)に示すように、ヘッド3が揺動しながら、4つのカッター3により被切断対象物1を良好に切断でき、さらには、被切断対象物1の断面形状が角丸の三角形状である場合や、角丸の四角形状である場合でも良好に切断できる。
【0054】
さらに、被切断対象物1が、図8(a)に示すように、比較的大きい形状でありながら、大きな窪み1bを有する異形の密閉型コンプレッサの外殻シェル(容器)である場合には、まず、図8(a),(b)に示すように、カッター4を取り付けるための取付ボルト8を、互いに広い距離L1で離間した取付孔7Aに取り付けた状態で、上記切断作業(回転テーブル10を回転させながらヘッド3同士を接近させて切断すること)を行わせ、この状態で切断可能な箇所を切断する(切断部分を太線で示す)。なお、この状態では、窪み1bが深く形成されている場合に、カッター4を取り付ける取付ボルト8間の離間距離L1が大きいために、このような箇所にカッター4が届かず、未切断部1cを生じてしまう場合がある。したがって、この後、各ヘッド3におけるカッター4を取り付ける取付ボルト8の取付位置を、狭い距離L2で離間した取付孔7Bに取り付け直し、図8(c),(d)に示すように、この状態で、再度、上記と同様に切断作業を行わせることでカッター4により未切断部1cを切断する。
【0055】
これによりに、極めて異形な断面形状の被切断対象物1や、外周径の極端な大小のある被切断対象物1であっても、ヘッド3における2つのカッター4間の距離を変えることで、被切断対象物1を良好に切断することができる。
【0056】
また、ロータリ型のコンプレッサでは、ステータが外殻シェルの容器に固着されているので、切断後に、内部の各種部品を良好に取り出すためには、このステータの両端側部分を含めた複数の切断ラインC1〜C3(図1参照)で切断することが必要となるが、このような場合に応じて、この切断装置では、制御装置の記憶部に、切断ラインC1〜C3に応じた、切断ユニット50の設定高さならびに、駆動シリンダ13による適した押圧力に対応する値が予め記憶されている。そして、被切断対象物1を回転テーブル10上にセットさせて、切断装置に設けられている入力装置などを操作して被切断対象物1の種類を指定することで、記憶部に記憶されたデータに基づき、切断ユニット50が上方の切断ラインC1〜C3から順に位置決めされる。したがって、上段の切断ラインC1における切断作業を実行して切断を確認して切断部分を取り除いた状態で、再度、切断動作の再開を指示すると、上記と次の切断ラインC2まで、切断ユニット50が降下されて、切断動作が再開される。このようにして、上方の切断ラインC1から下方の切断ラインC3まで、位置決め動作および切断作業が順に繰り返されて行われる。
【0057】
上記のようにこの切断装置によれば、従来のように、その切断位置に合った、ヘッドアーム付きのカッターに取り替えるなどの作業を行わなくても、複数の切断ラインC1〜C3の切断を順次、確実かつ能率的に行うことができる。また、各機種のコンプレッサに対応する切断ラインC1〜C3の切断位置などの値を予め入力しておき、切断時には被切断対象物1に対応する種類を選択して指示するだけで、位置決め動作ならびに切断動作を自動的に行わせることができるので、作業能率が極めて良好となる。
【0058】
ところで、上記切断作業を行っている際に、4つのカッター4が同一面内から外れてしまい、カッター4が当接して形成されている溝が略螺旋状の軌跡を描く状態となる場合がある。このような状態でそのまま切断動作を継続させると、カッター4やヘッド3の回転軸磨耗や変形によって切断動作が困難となったり、カッター4の早期破損などを生じたりする不具合を生じる。
【0059】
これに対処すべく、この切断装置においては、4つのカッター4が同一面内から外れてしまい、カッター4で形成されている溝が略螺旋状の軌跡を描くようになっている状態を発見した場合には、回転テーブル10を、正方向ならびに逆方向の両方向に切り換える切換スイッチにより、一旦回転テーブル10を停止させ、その後、前記切換スイッチを操作して、回転テーブル10の回転方向を逆転させる。これにより、カッター4の刃面は、略螺旋状の軌跡を逆に戻り、その後、既に形成されていた同一円周状の一本の切断溝に戻り、もしくは、新たに同一円周状に軌跡を作って一本の切断溝を形成し、何れの場合も、支障をきたすことなく切断作業を良好に行うことができる。これにより、カッター4の早期破損などを最小限に抑えることもできる。
【0060】
さらに、4つのカッター4の少なくとも一部が同一面内から外れること自体を防止するように、図9において概略的に示すような構成を採用してもよい。すなわち、この実施の形態では、ヘッド83が平面視して略矩形形状に形成されているとともに、ヘッド83におけるヘッド回転軸2が設けられている箇所の横幅Dが、ヘッド83におけるカッター4間最大距離F1よりも大きく形成され、ヘッド83とヘッド支持部材6との接触面積が極めて大きくなるように構成されている。
【0061】
この構成により、ヘッド83とヘッド支持部材6との接触面積が大きくなるので、ヘッド83がヘッド支持部材6により良好に案内されるとともに、上下方向に振れてがたつくことがより確実に規制されて、4つのカッター4を同一面内に安定して位置させることができ、被切断対象物1を良好に切断できる。なお、ヘッド83の形状としては矩形状に限るものではなく、台形状やその他の形状に形成してもよいことはもちろんである。また、ヘッド83およびヘッド支持部材6における互いの接触部分の少なくとも一方の面を耐磨耗性材料で形成してもよく、これによれば、接触部分での良好な接触状態が長期間にわたって維持されるので、4つのカッター4を同一面内に良好かつ長期間にわたって維持することができる。
【0062】
また、ヘッド83とヘッド回転軸2との接触部分や、カッター4とカッター回転支持軸19との接触部分の少なくとも一部に、軸受メタル等の耐磨耗性材料を配設してもよく、この場合にも、接触部分での良好な接触状態が長期間にわたって維持されて、4つのカッター4を同一面内に良好かつ長期間にわたって維持することができる。
【0063】
さらに、図10(a)に示すように、カッター4自体を耐磨耗性材料で構成し、ヘッドアーム9の先端に挿通させたカッター支持軸19に円盤状のカッター4を単に挿通するだけではなく、図10(b)に示すように、カッター支持軸19に外嵌する筒状部4aをカッター4に形成して、この筒状部4aがヘッドアーム9の取付内壁面9aに当接させるように構成してもよい。さらに、図10(c)に示すように、カッター4における筒状部4aを太く形成して、ヘッドアーム9の取付内壁面9aに対する接触面積を増加させるとともに、カッター4の刃の長さを最小限に抑えてもよく、これによっても、カッター4の刃面部分での振れが最小限に抑えられて、4つのカッター4を同一面内に良好かつ長期間にわたって維持することができる。なお、図10(d)に示すように、カッター4の筒状部4aとヘッドアーム9の取付内壁面9aとの間に耐磨耗性材料からなるワッシャ84を介装するように構成してもよい。
【0064】
また、上記実施の形態では、円盤状の各カッター4のカッター支持軸19を取り付けるための取付孔7A、7Bを、各ヘッド3の異なる位置に2つずつ形成した場合を述べたが、これに限るものではなく、前記取付孔を各カッター支持軸19に対してそれぞれ3箇所以上形成して、その中から選択できるように構成してもよい。さらに、図11に示すように、カッター支持軸19を嵌入させる箇所を長孔80の形状にして、自由に調整可能に構成してもよく、さらに、ヘッド3の形状を略V字形状に形成して、このヘッド3のV字状凹部間に、被切削対象物1が入り込むことを許容するように構成してもよい。なお、カッター支持軸19を嵌入させる箇所を長孔80の形状にした場合には、切断作業中にカッター4がずれないようにロックする機構を設けることが望ましい。
【0065】
また、上記実施の形態においては、切断ユニット50を昇降自在に構成した場合を述べたが、これに限るものではなく、回転テーブル10側を昇降自在に構成してもよく、この場合には、ステッピングモータやエアシリンダなどにより、回転テーブル10ごと昇降させるように構成すればよい。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、各ヘッドに取り付けられた2つのカッター同士を、カッター間の距離を変更可能に取り付けることにより、極めて異形な断面形状の被切断対象物や、外周径の極端な大小のある被切断対象物であっても、ヘッドにおける2つのカッター間の距離を変えられるため、被切断対象物の切断が可能になる。したがって、たとえば冷蔵庫やエアコンに使用されるコンプレッサの外殻シェル等をその形状が異形である場合でも周方向に容易に切断することができる。
【0067】
また、4つのカッターならびに2つのヘッドが設けられた切断ユニットを、カッターが配置される面と略直交する方向に移動させる切断ユニット移動手段を設けたり、回転する被切断対象物を回転中心軸に略沿う方向に移動させる被切断対象物移動手段を設けたりすることにより、被切断対象物の外殻の切断断面の位置を変更したり、複数位置を切断したりすることが容易に行え、切断作業を能率的に行うことができる。
【0068】
また、被切断対象物とカッターとの、回転中心軸に沿った方向に対する複数の切断用の相対位置を記憶する記憶手段と、前記記憶手段による複数の切断用の相対位置に基づいて順次切断処理を行わせる制御手段とを備えたことにより、複数の切断位置の位置決め動作ならびに切断動作を自動的に行わせることができるので、作業能率が極めて良好となる。
【0069】
また、ヘッドにおけるヘッド回転軸が設けられている箇所の横幅を、ヘッドにおけるカッター間最大距離よりも大きく形成することにより、ヘッドとヘッド支持部材との接触面積が大きくなり、4つのカッターを同一面内に安定して位置させることができて、被切断対象物を良好に切断できる。
【0070】
また、ヘッドとヘッド回転軸との接触部分およびカッターとヘッドとの回転軸周囲箇所の少なくとも一方に耐磨耗性材料を配設したことによっても、これらの接触部分でのゆるみやがたつきを防止できて、4つのカッターを同一面内に安定して位置させることができ、被切断対象物を良好に切断できる。
【0071】
さらに、カッターを軸支するカッター支持軸に外嵌する筒状部をカッターに一体形成して、この筒状部でヘッド側部材の取付内壁面に当接させて位置規制するように構成することにより、カッターの姿勢が位置規制されるので、カッターを同一面内に安定して位置させることができ、被切断対象物を良好に切断できる。
【0072】
また、回転テーブルを正方向ならびに逆方向の両方向に切り換えて回転可能に構成したことにより、切断中にカッターの位置が同一平面よりずれて切断し難くなった場合でも、回転方向を逆方向に切り換えることで、最初の切断位置まで戻すことができて、被切断対象物の外殻を良好に切断することができる。
【0073】
さらに、カッターが届かないために未切断部を生じていた場合に、各ヘッドにおけるカッターの取付位置をカッター同士が互いに接近させるように変更し、この状態で、回転テーブルを回転させながら前記ヘッド同士を接近させることでカッターにより前記未切断部を切断することにより、極めて異形な断面形状の被切断対象物や、外周径の極端な大小のある被切断対象物であっても、ヘッドにおける2つのカッター間の距離を変えられるため、被切断対象物を良好に切断することができる。
【0074】
また、予め記憶させておいた高さデータに応じて、ヘッド側の高さまたは回転テーブル側の高さを自動的に移動させてヘッド同士を接近させることで、被切断対象物の切断すべき断面位置で自動的に切断させることができ、複数の断面位置での切断も能率よく行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る切断装置の部分切欠斜視図
【図2】(a)および(b)は同切断装置の全体平面図で、(a)は被切断対象物をセットした状態を示し、(b)は被切断対象物を切断している状態を示す図
【図3】同切断装置における回転テーブルの箇所の平面図
【図4】同切断装置におけるヘッドおよびその近傍箇所の平面図
【図5】(a)〜(d)はそれぞれ同切断装置により比較的大きな楕円形状の被切断対象物を切断している状態を簡略的に示す平面図
【図6】(a)〜(d)はそれぞれ同切断装置により比較的小さな楕円形状の被切断対象物を切断している状態を簡略的に示す平面図
【図7】(a)〜(d)はそれぞれ同切断装置により比較的小さな異形の被切断対象物を切断している状態を簡略的に示す平面図
【図8】(a)〜(d)はそれぞれ同切断装置により比較的窪みの大きな異形の被切断対象物を切断している状態を簡略的に示す平面図
【図9】本発明の他の実施の形態にかかる切断装置のヘッドおよびカッターの概略的な平面図
【図10】(a)〜(d)はそれぞれ本発明の実施の形態にかかる切断装置のカッター取付部の側面断面図
【図11】本発明の他の実施の形態に係るヘッドの平面図
【図12】(a)および(b)は従来の切断装置の全体平面図で、(a)は被切断対象物をセットした状態を示し、(b)は被切断対象物を切断している状態を示す図
【図13】同従来の切断装置の側面図
【図14】同従来の切断装置の要部側面図
【図15】(a)〜(d)はそれぞれ、この切断装置を用いた切断工程を示す平面図
【符号の説明】
1 被切削対象物
1b 窪み
1c 未切断部
2 ヘッド回転軸
3、83 ヘッド
4 カッター
4a 筒状部
6、6A、6B ヘッド支持部材
7A、7B 取付孔
8 取付ボルト
9 ヘッドアーム
9a 取付内壁面
10 回転テーブル
11 ワークチャック
12 押付機構
13 駆動シリンダ
14 取付台部
15 ガイドブロック
16 外側可動アーム
17 内側可動アーム
18 連動歯車
19 カッター回転支持軸
20 ベース
21 ユニット回転軸
30 回転保持ユニット
31 回転駆動モータ
50 切断ユニット
60 昇降ユニット(切断ユニット移動手段)
64 昇降枠
61 立設アーム
62 昇降ガイド
63 昇降ブロック
65 昇降ねじ軸
66 伝達歯車
67 伝達ピニオン
68 昇降モータ
69 アーム受け
a 回転中心軸

Claims (10)

  1. 回転駆動手段により回転中心軸を中心として回転される略筒形状または略球形状の被切断対象物を切断する切断装置であって、
    被切削対象物の回転中心軸を中心として対称な位置に配置されたヘッド回転軸を中心として、回動自在に支持された2つのヘッドと、
    各ヘッドに、前記ヘッド回転軸の軸心から等距離の位置において同一面内で回転自在にそれぞれ2つずつ取り付けられて、被切断対象物を周囲から切断する円盤状のカッターと、
    前記ヘッド回転軸を支持するヘッド支持部材を前記回転中心軸側に付勢しながら支持するヘッド支持機構とを備え、
    各ヘッドに取り付けられた前記2つのカッター同士が、カッター間の距離を変更可能に取り付けられていることを特徴とする切断装置。
  2. 4つのカッターならびに2つのヘッドが設けられた切断ユニットを、カッターが配置される面と略直交する方向に移動させる切断ユニット移動手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の切断装置。
  3. 回転する被切断対象物を、回転中心軸に略沿う方向に移動させる被切断対象物移動手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の切断装置。
  4. 被切断対象物とカッターとの、回転中心軸に沿った方向に対する複数の切断用の相対位置を記憶する記憶手段と、前記記憶手段による複数の切断用の相対位置に基づいて順次切断処理を行わせる制御手段とを備えたことを特徴とする請求項2または3に記載の切断装置。
  5. ヘッドにおけるヘッド回転軸が設けられている、ヘッド支持部材に接触する箇所の横幅が、ヘッドにおけるカッター間最大距離よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の切断装置。
  6. ヘッドとヘッド回転軸との接触部分およびカッターとヘッドとの回転軸周囲箇所の少なくとも一方に耐磨耗性材料を配設したことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の切断装置。
  7. カッターを軸支するカッター支持軸に外嵌する筒状部をカッターに一体形成して、この筒状部でヘッド側部材の取付内壁面に当接させて位置規制するように構成したことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の切断装置。
  8. 回転駆動手段により、被切断対象物を保持して回転させる回転テーブルを、正方向ならびに逆方向の両方向に切り換えて回転可能に構成したことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の切断装置。
  9. 回転中心軸を中心として回転される略筒形状または略球形状で異形の被切断対象物を切断する切断方法であって、
    被切断対象物を、回転中心軸を中心として回転させる回転テーブルに固定し、
    この回転テーブルに固定した被切断対象物の外周側に、前記回転中心軸を中心として対称な位置に配置されたヘッド回転軸を中心として回動自在に支持された2つのヘッドにおける前記ヘッド回転軸の軸心から等距離かつ同一面内の位置で回転自在にそれぞれ2つずつ取り付けた円盤状のカッターを配置し、各ヘッドにおけるカッターの取付位置をカッター同士の距離が互いに広めとなる位置に取り付け、
    被切断対象物を、回転テーブルに固定して回転させ、
    前記ヘッド同士を接近させることでカッターにより被切断対象物に当接させるとともに押圧して、カッターにより切り溝を形成し、
    被切断対象物における切り溝に沿った箇所で、カッターが届かないために未切断部を生じていた場合に、各ヘッドにおけるカッターの取付位置をカッター同士が互いに接近する位置になるように変更し、
    この状態で、回転テーブルを回転させながら前記ヘッド同士を接近させることでカッターにより前記未切断部を切断することを特徴とする切断方法。
  10. 回転中心軸を中心として回転される略筒形状または略球形状で異形の被切断対象物を切断する切断方法であって、
    被切断対象物を、その縦軸を中心として回転させる回転テーブルに固定し、
    この回転テーブルに固定した被切断対象物の外周側に、前記回転中心軸を中心として対称な位置に配置されたヘッド回転軸を中心として回動自在に支持された2つのヘッドにおける前記ヘッド回転軸の軸心から等距離かつ同一面内の位置で回転自在にそれぞれ2つずつ取り付けた円盤状のカッターを配置し、
    被切断対象物を、回転テーブルに固定して回転させ、
    予め記憶させておいた高さデータに応じて、ヘッド側の高さまたは回転テーブル側の高さを自動的に移動させて前記ヘッド同士を接近させることで、カッターにより被切断対象物の前記高さデータに応じた断面の位置に当接させるとともに押圧して、カッターにより被切断対象物を切断することを特徴とする切断方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108817523A (zh) * 2018-08-15 2018-11-16 江西铭鑫冶金设备有限公司 废旧压缩机切割机
CN113714558A (zh) * 2021-09-22 2021-11-30 淮阴工学院 细长杆件的定位槽自动化加工系统
CN115213688A (zh) * 2022-05-20 2022-10-21 航天材料及工艺研究所 一种大尺寸异形防热壳体的切断工装及快速切断方法
CN115213688B (zh) * 2022-05-20 2024-05-31 航天材料及工艺研究所 一种大尺寸异形防热壳体的切断工装及快速切断方法

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