JP2004174472A - 浄水器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ストレート吐出及びシャワー吐出のそれぞれ吐出水流に勢いがなく、洗浄力が弱いので使用水量が多くなっていた。
【解決手段】水道蛇口5に接続され、下面にストレート吐出口18及びシャワー吐出口19を備えた浄水器において、上記ストレート吐出口18及びシャワー吐出口19に多数の小孔29,30を開口した散水板27,28を設け、この散水板の孔の総開口面積を20mm2以下にした。これによりストレート吐出口18及びシャワー吐出口19の開口面積が絞られるのでそれぞれの吐出水流が速くなり、水流に勢いが与えられるため、洗浄力が強化され、また使用水量を軽減することができ、節水効果を奏する
【選択図】 図2
【解決手段】水道蛇口5に接続され、下面にストレート吐出口18及びシャワー吐出口19を備えた浄水器において、上記ストレート吐出口18及びシャワー吐出口19に多数の小孔29,30を開口した散水板27,28を設け、この散水板の孔の総開口面積を20mm2以下にした。これによりストレート吐出口18及びシャワー吐出口19の開口面積が絞られるのでそれぞれの吐出水流が速くなり、水流に勢いが与えられるため、洗浄力が強化され、また使用水量を軽減することができ、節水効果を奏する
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭用浄水器において、浄水器から吐出されるストレート吐出流及びシャワー吐出流の勢いを強くした浄水器に関する。
【0002】
【従来の技術】
蛇口直結型浄水器は、例えば特開平7−116657号公報に示される通り、浄水器本体を水道蛇口に取り付け、この蛇口から導入した水道水、つまり原水を切換弁を介して上記浄水器本体の下面に開口したストレート吐出口又はシャワー吐出口より吐出させるとともに、上記本体の側部にフィルターカートリッジ等の塩素除去機能等を備える浄化部を連結し、上記切換弁の切り換えによって原水を浄化部に導き、ここで浄化された浄水を浄水吐出口より吐出するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の浄水器は、ストレート吐出口から吐出されるストレート水及びシャワー吐出口から吐出されるシャワー水の勢いが弱いといった問題がある。
すなわち、従来の浄水器は、フィルターカートリッジでの濾渦能力及び圧力損失などを考慮して濾過流量を1.5ないし3.5リットル/分程度に設定してあり、比較的低水量で使用するようになっている。
これとともに、ストレート吐出口の大きさは直径10〜15mm程度に設定されており、実質的な総開口面積は80mm2ないし170mm2程度である。このような開口面積は使用流量に比べて相対的に大きく、このため吐出口で吐出面積を絞り切れず、このことから吐出水流が弱くなっていた。
同様に、シャワー吐出口では、この吐出口に樹脂製の散水板を取り付け、この散水板に多数の小孔を分散して設けた構造を採用しているが、この場合も各小孔の直径が0.8mmないし1.2mm程度であり、その孔の数も80ないし120個程度であるので、実質的な総開口面積は40mm2ないし140mm2程度となっている。このようなシャワー吐出口も開口面積が比較的大きく、吐出水流が弱くなっている。
吐出水流が弱いと落下する水の勢いがなくなり、特に毎分1リットル程度の低流量で吐出した場合は、自然落下のごとくいわゆるちょろちょろ水になってしまう。
このような水流では洗浄力が弱く、このため洗い物をするのに水道水を長時間流すことになって、結果として多量に水を消費するといった不具合がある。
本発明はこのような事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、ストレート吐出流及びシャワー吐出流に勢いを与えるようにし、洗浄力が強化されて使用水量も軽減でき、つまり節水効果のある浄水器を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1の発明は、水道蛇口に接続され、下面にストレート吐出口を備えた浄水器において、上記ストレート吐出口に多数の小孔を開口した散水板を設け、この散水板の孔の総開口面積を20mm2以下にした浄水器が提供される。
また、請求項2の発明は、水道蛇口に接続され、下面にシャワー吐出口を備えた浄水器において、上記シャワー吐出口に多数の小孔を開口した散水板を設け、この散水板の孔の総開口面積を20mm2以下にした浄水器が提供される。
このような請求項1及び請求項2の発明の場合は、ストレート吐出口及びシャワー吐出口の開口が絞られるので、吐出口の内部圧力が高くなり、吐出水流が速くなる。このため、洗浄力が高められ、使用水量を少なくすることができる。
なお、ストレート吐出口及びシャワー吐出口とも、総開口面積は6mm2ないし16mm2が好ましい。総開口面積が6mm2未満であると、水流が速すぎて洗い物やシンクに当たったときの跳ね返りが激しくなり、使用に不向きとなる。本発明の好ましい態様は、それぞれ散水板に形成される小孔の数が200個以上であることである。
小孔の数が多いと、吐出される水流が細かいすじとなって分散され、水流の束内に空気が混ざるので、洗い物やシンクに衝突したときの跳ね返りを少なくすることができる。
他の好ましい態様は、小孔の大きさが0.3mm以下であることである。
孔を小さくすると、水流が速くなり、勢いが増して洗浄効果が向上する。
更に好ましい態様は、散水板がステンレス製薄板からなり、小孔がエッチング加工にて形成されていることである。
孔径が小さな孔を多数個開けるためには、ステンレス薄板にエッチング加工すれば容易に開けられる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下本発明について、一実施例を図面にもとづき説明する。図1は蛇口直結型浄水器を本体部分で断面して示す図、図2はストレート吐出口及びシャワー吐出口を拡大した断面図、図3はストレート吐出口用散水板及びシャワー吐出口用散水板の平面図である。
図において、1は浄水器の本体であり、2は上記本体1の側方に連設された浄化部である。
浄化部2は水道水を浄化する箇所であり、例えば周知の通り、内部にフィルターカートリッジ3を脱着可能に収容しており、このカートリッジ3に水道原水を通したときフィルターが水道水に含まれる臭い成分、汚れ成分、残留塩素、トリハロメタン等を吸着濾過して浄化する作用を有する。なお、フィルターとしては、活性炭、中空糸膜、不織布、セラミックス、逆浸透膜などが知られている。また、この浄化部2としては、上記フィルターによる物理的吸着の他に、イオン交換樹脂などの媒体を用いる方式であってもよく、またはアスコルビン酸(ビタミンC)を原水に混ぜることによって残留塩素を中和する化学反応的浄化手段を用いた浄水方式であってもよい。
上記浄化部2の下面には、上記フィルターにて浄化された水、つまり浄水を吐出する浄水吐出口4が形成されている。この浄水吐出口4は、詳図しないがストレート吐出口となっており、直径が従来と同様に、10〜15mm程度に設定されており、実質的な総開口面積は65mm2ないし160mm2程度であってよい。
【0006】
上記浄水器本体1は、上部に水道蛇口5に連なる原水取入口6を備えている。この原水取入口6にはリング状のパッキング7が装着されるとともに、水道蛇口5に圧着される押圧リング8が設けられており、これらパッキング7および押圧リング8を上記原水取入口6の周壁に螺合した取付ナット9で押え付けることにより本体1を蛇口5に水密に取り付けるようになっている。これにより蛇口5から水道水、つまり原水を原水取入口6に導入する。
原水取入口6の下部には切換弁10が構成されている。切換弁10は、上記原水取入室口6を一体に備える合成樹脂製の弁室ボディ11と、この弁室ボディ11内で回動される合成樹脂製の円筒型弁体12とで構成されている。
【0007】
上記弁室ボディ11は両端が開放された円筒形をなしており、その軸線が水平方向に伸びるように配置されている。この弁室ボディ11の図示左側の開口端は、原水送り通路13を構成している。この原水送り通路13より前記浄化部2に向かって水道原水が送られるようになっている。したがって、この原水送り通路13から送られてきた水道原水はがカートリッジ3のフィルターに送られ、このフィルターを通過する過程で浄化され、この浄水が浄化部2の下面に開口した浄水吐出口4より、ストレート流として吐出されるようになっている。
上記弁室ボディ11の上面には、上記原水取入口6に連なる原水送水口14及び原水導入口15が互いに軸方向に離れて開口されている。
また、弁室ボディ11の下面には、ストレート供給口16とシャワー供給口17が互いに軸方向に離れて開設されている。
ストレート供給口16は弁室ボディ11の下面に一体に形成したシャワー吐出口18に連なっているとともに、シャワー供給口17は同じく弁室ボディ11の下面に一体に形成したシャワー吐出口19に連なっている。ストレート吐出口18は、前記水道蛇口5の直下に位置して下向きに開口した円筒形に形成されており、シャワー吐出口19は上記ストレート吐出口18を囲んでドーナツ型をなして下向きに開口されている。
これらストレート吐出口18及びシャワー吐出口19にはそれぞれ散水板が取り付けられているが、これについては後で説明する。
【0008】
上記弁室ボディ11に回動自在に挿入された弁体12は、両端が開放された円筒形をなしており、軸方向の途中に仕切壁20を備えている。この仕切壁20にて区画される左側の開放端は前記弁室ボディ11の端部の原水送り通路13に連なっている。そして、この仕切壁20よりも左側に位置して弁体12の側壁には原水送り口21が形成されている。この原水送り口21は原水送水口14に対応しており、弁体12を所定位置に回動するとこの原水送り口21が原水送水口14に対向するようになっており、これが対向したとき、原水取入口6の原水を原水送水口14、原水送り口21を通じて原水送り通路13へ供給するようになっている。
また、弁体12の側壁には、上記仕切壁20よりも右側に位置して、原水流入口22が開口されている。この原水流入口22は前記原水送り口21に対して周方向に位相がずれて形成されており、かつ周方向に沿ってスリット状に開口されている。原水流入口22は原水導入口15に対応しており、弁体12を所定位置に回動したとき、原水流入口22が原水導入口15に対向し、原水取入口6の原水を原水導入口15、原水流入口22を通じて弁体12の円筒型空間に導入するようになっている。なお、原水流入口22は周方向に亘りスリット状に開口されてるので、弁体12の所定の回動範囲に亘り原水流入口22が原水導入口15に対向し、つまり原水導入口15を開く。
【0009】
さらに、弁体12の側壁には、上記仕切壁20よりも右側に位置して、ストレート流出口23及びシャワー流出口24が開口されている。ストレート流出口23は弁室ボディ11に形成した前記ストレート供給口16に対応するとともにシャワー流出口24はシャワー供給口17に対応しており、かつこれらストレート流出口23とシャワー流出口24は周方向に位相がずれて開口されている。
弁体12を所定位置に回動すると、前記原水導入口15が開かれている状態で、ストレート流出口23がストレート供給口16と対向し、このとき弁体12内の原水をストレート供給口16を通じてストレート吐出口18に流出させるようになっている。
また、弁体12を他の所定位置に回動すると、同じく原水導入口15が開かれ散る状態で、シャワー流出口24がシャワー供給口17と対向し、このとき弁体12内の原水をシャワー供給口17を通じてスシャワー吐出口19に流出させるようになっている。
【0010】
このような弁体12は、その右側の開放端が、この開放端を液密に閉塞する閉塞部材を兼ねる連結軸25に連結されており、この連結軸25には切換レバー26が連結されている。切換レバー26は回動可能となっており、図示しないバネなどを用いた節度感を付与する手段によって、所定角度、例えば45度ずつ間欠的に回動されるようになっている。そして、この切換レバー26を所定角度ずつ回動操作することにより弁体12が一体的に回動され、これにより後述するように、吐出水の吐出形態を、原水ストレート、原水シャワー、浄水ストレートに切り換えができるようになっている。
【0011】
前記ストレート吐出口18及びシャワー吐出口19には、図2及び図3に示すストレート散水板27及びシャワー散水板28が取り付けられている。
ストレート散水板27は、円筒形のストレート吐出口18の開口部に取り付けられるため円板形状をなしており、この円板に多数個の小孔29…を開口してある。このストレート散水板27は、厚さ0.2mmないし0.5mmのステンレス製薄板に孔径0.15mmないし0.3mmの小孔29…を総数200個以上形成したもので、これら小孔29…の総開口面積が20mm2以下となるように設定されている。
具体的には、直径15mmのステンレス薄板に孔径0.2mmの小孔29…を、総数300個、均等に分散して開けてある。この場合の総開口面積は9.4mm2となっている。このようなストレート散水板27は、ステンレス薄板を用いてフォトエッチング加工により成形することができる。
シャワー散水板28は、ドーナツ形のシャワー吐出口19の開口部に取り付けられるのでドーナツ形円板をなしており、このドーナツ形円板に多数個の小孔30…を開口してある。このシャワー散水板28も、厚さ0.2mmないし0.5mmのステンレス製薄板に、孔径0.15mmないし0.3mmの小孔30…を総数200個以上形成したもので、これら小孔30…の総開口面積が20mm2以下となるように設定されている。
具体的には、外径50mm、内径15mmのドーナツ形ステンレス薄板に、孔径0.2mmの小孔30…を、総数450個、均等に分散して開けてある。この場合の総開口面積は14.1mm2となっている。このようなシャワー散水板28も、ステンレス薄板のフォトエッチング加工により成形することができる。なお、シャワー散水板28は、周囲が上に向かって僅かに湾曲しており、吐出されたシャワー水が所定角度拡がるように配慮してある。
上記ストレート散水板27は、ストレート吐出口18の周壁にねじ込まれた中央ナット31により本体1に取り付けられており、またシャワー散水板29は、中央部が上記中央ナット31にて共締めされるとともに周囲がシャワー吐出口19の周壁に螺合された外周ナット32により本体1に取り付けられている。なお、33は水漏れを防ぐパッキングを示す。
【0012】
このような構成による実施例の浄水器について作用を説明する。
浄水器本体1を水道蛇口5に取り付け、蛇口5を開けると水道水(原水)が原水取入口6に導入される。
「浄水吐出(ストレート)」
切換レバー26を回動操作して弁体12を浄水吐出の位置に回動すると、弁体の12の原水送り口21が弁室ボディ11の原水送水口14に対向し、原水送水口14を開くので原水取入口6の原水が原水送り通路13へ供給される。この原水は浄化部2に送られ、カートリッジ3のフィルターにて浄化される。そして、この浄水は、浄化部2の下面に開口した浄水吐出口4よりストレート流として吐出され。
この時は、原水導入口15が閉じられており、原水はストレート吐出口18及びシャワー吐出口19のいずれにも送られない。
「原水ストレート」
切換レバー26を操作して、弁体12を原水ストレートの位置に回動すると、原水送水口14が閉じられ、原水を浄化部2に供給すのを停止する。同時に弁体12の原水流入口22が原水導入口15と対向する。よって、原水取入口6の原水が原水導入口15、原水流入口22を通じて弁体12内に流入する。このとき、ストレート流出口23がストレート供給口16と対向し、よって弁体12内に導入した原水がストレート吐出口18より流出する。
すなわち、原水取入口6の原水は切換弁10を通じてストレート吐出口18に供給されることになり、このストレート吐出口18より吐出される。
原水がストレート吐出口18より吐出される場合、このストレート吐出口18には多数の小孔29…を形成したストレート散水板27が取り付けられているので、原水は各小孔29…から噴射される。このとき、ストレート散水板27には、直径15mm程度の小さな面積内に多数の小孔29…を高密度に形成してあるので、原水は多数の小さな水流に分散され、しかも高密度に噴射されるから、ストレート噴射になる。
しかもこのとき、散水板27の総開口面積は小さくなっているので、開口が絞られていることになる。これによりストレート吐出口18内の水圧が高まり、水は高い圧力で噴射されて高速なジェット噴射になる。よって、洗い物に対する洗浄力が増す。
また、開口が絞られていることから、水の勢いが強くなるにも拘わらず、水量を少なくすることができ、水道水の使用量を節減することができる。
そして、水の勢いが増大するにも拘わらず、多数の小さな水流として噴射されるため、洗い物やシンクに衝突したときの跳ね返りも少なく、いわゆる泡沫作用を奏する。
「原水シャワー」
さらに切換レバー26を操作して、弁体12を原水シャワーの位置に回動すると、同じく原水送水口14が閉じられて原水を浄化部2に送るのを停止する。同時に弁体12の原水流入口22が原水導入口15と対向しているので、原水取入口6の原水が原水導入口15、原水流入口22を通じて弁体12内に流入する。このときは、シャワー流出口24がシャワー供給口17と対向し、よって弁体12内に導入した原水はシャワー吐出口19より流出する。
すなわち、原水取入口6の原水は切換弁10を通じてシャワー吐出口19に供給されることになり、このシャワー吐出口19から吐出される。
そして、原水がシャワー吐出口19より吐出されると、ドーナツ状の空間に拡がり、シャワー吐出口19取り付けてあるシャワー散水板28の多数の小孔30…から噴射される。このとき、シャワー散水板28には、多数の小孔30…を高密度に形成してあるので、原水は多数の小さな水流となって噴射される。
しかもこのとき、シャワー散水板28の総開口面積は小さくなっているので、開口が絞られていることになる。これによりシャワー吐出口19内の水圧が高まり、水は高い圧力で噴射されて高速なジェット噴射になる。すなわち、シャワー水は、多数の水流として分かれて噴射されるが、それぞれの水流が速いので、洗い物に対する洗浄力が増す。
また、この場合も開口が絞られていることから、水の勢いが強くなるにも拘わらず、従来に比べて水量を少なくすることができ、水道水の使用量を節減することができる。
同じく、水の勢いが増大するにも拘わらず、多数の小さな水流として噴射されるため、洗い物やシンクに衝突したときの跳ね返りも少なく、いわゆる泡沫作用を奏する。
【0013】
次に、各散水板27,28のそれぞれ総開口面積を20mm2以下に規制した理由について説明する。
従来の一般的な浄水器は、カートリッジ3での濾過能力及び圧力損失などを考慮して濾過流量を毎分1.5ないし3.5リットル程度に設定してあり、ストレート供給口16の直径が5mmないし7mm程度に形成されるとともに、ストレート吐出口18の直径は10〜15mm程度に設定されており、総開口面積は80mm2ないし170mm2程度である。
ストレート吐出口18の直径を上記従来の浄水器と同等な直径6mmに形成しておいて、本実施例の散水板27を用いた場合、総開口面積は9.4mm2であるからストレート吐出口は絞られることになる。
同様に、従来のシャワー吐出口は、多数の小孔を形成した散水板を設けてあるが、この場合も各小孔の直径は0.8mmないし1.2mm程度であり、その孔の数も80ないし120個程度であるので、実質的な総開口面積は40mm2ないし140mm2程度となっている。
これに対し、本発明に係る実施例のシャワー散水板28を用いると総開口面積は14.1mm2となっているので、シャワー吐出面積は小さくなっている。
下記の表は、吐出口の開口面積と流量と内部圧力の変化を調べた測定データである。
測定条件は、水道蛇口5に東京計装(株)製の流量計(型式QLK−1020RE)及び横河M&C(株)製の圧力計(型式VS100)を設置し、ストレート供給口16の直径を7mm、ストレート吐出口18の直径を12mmとした浄水器を連結し、このストレート吐出口18にストレート散水板27を取り付けた。
散水板27に開ける小孔29…の大きさ及び数を種々変えて開口面積を変化させた。
【0014】
【0015】
上記測定結果、流量が毎分1リットルの場合、散水板の総開口面積が20mm2を越えると内圧(静水圧)が低くなってストレート吐出口18で内圧が上がらない。このため吐出水の流速が上がらず、勢いが弱い。
これに対し、散水板の総開口面積を20mm2以下にすると内圧が上昇し、よって吐出水に吐出圧力が加わり、流速が高くなる。故に、水の勢いが強くなることを確認した。
したがって、総開口面積を20mm2以下にすると、毎分1リットルの小通水量であっても、水の勢いが増し、洗浄力が向上するとともに、使用感が良くなることになる。
【0016】
上記実施例では、原水を浄化部2で浄化したのちこの浄水を、浄化部2の下面に形成した浄水吐出口4より吐出するようにしたので、この浄水の吐出時はジェット噴流による洗浄力の向上及び節水効果は期待できないが、この浄水吐出口4にも上記実施例のように総開口面積を絞ったストレート散水板27と同様な散水板を取り付けるようにしてもよい。
また、上記実施例の浄水吐出口4はストレート吐出口18と異なる場所に設けられているので、浄水と原水を切り換えて使用する場合、吐出落下位置が異なり、洗い物をその都度移動させなければならないといった不便がある。これを解消するため、図4に示す他の実施例のようにしてもよい。すなわち、図4に示す実施例は、原水の流れ経路は第1の実施例と同様とし、浄水の流れ経路は、カートリッジ3にて浄化された浄水を切換弁40に戻し、この切換弁40の操作で、浄水をストレート吐出口18及びシャワー吐出口19に切り換えて供給するようにしたものである。つまり、切換弁40は、原水ストレート、原水シャワー、浄水ストレート、浄水シャワーの4種類に切換可能となっている。
このようにすれば、単一のストレート吐出口を浄水と原水に共用し、かつ単一のシャワー吐出口を浄水と原水に共用することができる。
この場合、ストレート吐出口18及びシャワー吐出口19にそれぞれストレート散水板27及びシャワー散水板28を取り付けることはいうまでもない。
このようにすれば、それぞれ原水と浄水を切り換えても水の出口は一定位置になるため、水の落下位置が変化せず、浄水器の下方で調理や洗いものをする場合、作業場所を移す必要がなくなり、作業がやり易くなる。
さらに前記第1の実施例の切換弁10は、円筒型弁体12を用いた例を示したが、本発明は切換弁として円筒型弁体12を用いるものには限らず、公知の種々の弁構造を使用することができる。
【0017】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明によれば、ストレート吐出口及びシャワー吐出口の開口面積を小さくしたのでそれぞれの吐出水流が速くなり、水流に勢いが与えられるから、洗浄力が強化され、これにより使用水量を軽減することができ、節水効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、蛇口直結型浄水器を本体部分で断面して示す図
【図2】同実施例のストレート吐出口及びシャワー吐出口を拡大した断面図
【図3】同実施例のストレート吐出口用散水板及びシャワー吐出口用散水板の平面図
【図4】本発明の他の実施例を示し、原水と浄水のそれぞれストレート吐出及びシャワー吐出を切り換える系統を説明する図
【符号の説明】
1…浄水器本体
2…浄化部
5…水道蛇口
6…原水取入口
10…切換弁
18…ストレート吐出口
19…シャワー吐出口
27…ストレート散水板
28…シャワー散水板
29…小孔
30…小孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭用浄水器において、浄水器から吐出されるストレート吐出流及びシャワー吐出流の勢いを強くした浄水器に関する。
【0002】
【従来の技術】
蛇口直結型浄水器は、例えば特開平7−116657号公報に示される通り、浄水器本体を水道蛇口に取り付け、この蛇口から導入した水道水、つまり原水を切換弁を介して上記浄水器本体の下面に開口したストレート吐出口又はシャワー吐出口より吐出させるとともに、上記本体の側部にフィルターカートリッジ等の塩素除去機能等を備える浄化部を連結し、上記切換弁の切り換えによって原水を浄化部に導き、ここで浄化された浄水を浄水吐出口より吐出するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の浄水器は、ストレート吐出口から吐出されるストレート水及びシャワー吐出口から吐出されるシャワー水の勢いが弱いといった問題がある。
すなわち、従来の浄水器は、フィルターカートリッジでの濾渦能力及び圧力損失などを考慮して濾過流量を1.5ないし3.5リットル/分程度に設定してあり、比較的低水量で使用するようになっている。
これとともに、ストレート吐出口の大きさは直径10〜15mm程度に設定されており、実質的な総開口面積は80mm2ないし170mm2程度である。このような開口面積は使用流量に比べて相対的に大きく、このため吐出口で吐出面積を絞り切れず、このことから吐出水流が弱くなっていた。
同様に、シャワー吐出口では、この吐出口に樹脂製の散水板を取り付け、この散水板に多数の小孔を分散して設けた構造を採用しているが、この場合も各小孔の直径が0.8mmないし1.2mm程度であり、その孔の数も80ないし120個程度であるので、実質的な総開口面積は40mm2ないし140mm2程度となっている。このようなシャワー吐出口も開口面積が比較的大きく、吐出水流が弱くなっている。
吐出水流が弱いと落下する水の勢いがなくなり、特に毎分1リットル程度の低流量で吐出した場合は、自然落下のごとくいわゆるちょろちょろ水になってしまう。
このような水流では洗浄力が弱く、このため洗い物をするのに水道水を長時間流すことになって、結果として多量に水を消費するといった不具合がある。
本発明はこのような事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、ストレート吐出流及びシャワー吐出流に勢いを与えるようにし、洗浄力が強化されて使用水量も軽減でき、つまり節水効果のある浄水器を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1の発明は、水道蛇口に接続され、下面にストレート吐出口を備えた浄水器において、上記ストレート吐出口に多数の小孔を開口した散水板を設け、この散水板の孔の総開口面積を20mm2以下にした浄水器が提供される。
また、請求項2の発明は、水道蛇口に接続され、下面にシャワー吐出口を備えた浄水器において、上記シャワー吐出口に多数の小孔を開口した散水板を設け、この散水板の孔の総開口面積を20mm2以下にした浄水器が提供される。
このような請求項1及び請求項2の発明の場合は、ストレート吐出口及びシャワー吐出口の開口が絞られるので、吐出口の内部圧力が高くなり、吐出水流が速くなる。このため、洗浄力が高められ、使用水量を少なくすることができる。
なお、ストレート吐出口及びシャワー吐出口とも、総開口面積は6mm2ないし16mm2が好ましい。総開口面積が6mm2未満であると、水流が速すぎて洗い物やシンクに当たったときの跳ね返りが激しくなり、使用に不向きとなる。本発明の好ましい態様は、それぞれ散水板に形成される小孔の数が200個以上であることである。
小孔の数が多いと、吐出される水流が細かいすじとなって分散され、水流の束内に空気が混ざるので、洗い物やシンクに衝突したときの跳ね返りを少なくすることができる。
他の好ましい態様は、小孔の大きさが0.3mm以下であることである。
孔を小さくすると、水流が速くなり、勢いが増して洗浄効果が向上する。
更に好ましい態様は、散水板がステンレス製薄板からなり、小孔がエッチング加工にて形成されていることである。
孔径が小さな孔を多数個開けるためには、ステンレス薄板にエッチング加工すれば容易に開けられる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下本発明について、一実施例を図面にもとづき説明する。図1は蛇口直結型浄水器を本体部分で断面して示す図、図2はストレート吐出口及びシャワー吐出口を拡大した断面図、図3はストレート吐出口用散水板及びシャワー吐出口用散水板の平面図である。
図において、1は浄水器の本体であり、2は上記本体1の側方に連設された浄化部である。
浄化部2は水道水を浄化する箇所であり、例えば周知の通り、内部にフィルターカートリッジ3を脱着可能に収容しており、このカートリッジ3に水道原水を通したときフィルターが水道水に含まれる臭い成分、汚れ成分、残留塩素、トリハロメタン等を吸着濾過して浄化する作用を有する。なお、フィルターとしては、活性炭、中空糸膜、不織布、セラミックス、逆浸透膜などが知られている。また、この浄化部2としては、上記フィルターによる物理的吸着の他に、イオン交換樹脂などの媒体を用いる方式であってもよく、またはアスコルビン酸(ビタミンC)を原水に混ぜることによって残留塩素を中和する化学反応的浄化手段を用いた浄水方式であってもよい。
上記浄化部2の下面には、上記フィルターにて浄化された水、つまり浄水を吐出する浄水吐出口4が形成されている。この浄水吐出口4は、詳図しないがストレート吐出口となっており、直径が従来と同様に、10〜15mm程度に設定されており、実質的な総開口面積は65mm2ないし160mm2程度であってよい。
【0006】
上記浄水器本体1は、上部に水道蛇口5に連なる原水取入口6を備えている。この原水取入口6にはリング状のパッキング7が装着されるとともに、水道蛇口5に圧着される押圧リング8が設けられており、これらパッキング7および押圧リング8を上記原水取入口6の周壁に螺合した取付ナット9で押え付けることにより本体1を蛇口5に水密に取り付けるようになっている。これにより蛇口5から水道水、つまり原水を原水取入口6に導入する。
原水取入口6の下部には切換弁10が構成されている。切換弁10は、上記原水取入室口6を一体に備える合成樹脂製の弁室ボディ11と、この弁室ボディ11内で回動される合成樹脂製の円筒型弁体12とで構成されている。
【0007】
上記弁室ボディ11は両端が開放された円筒形をなしており、その軸線が水平方向に伸びるように配置されている。この弁室ボディ11の図示左側の開口端は、原水送り通路13を構成している。この原水送り通路13より前記浄化部2に向かって水道原水が送られるようになっている。したがって、この原水送り通路13から送られてきた水道原水はがカートリッジ3のフィルターに送られ、このフィルターを通過する過程で浄化され、この浄水が浄化部2の下面に開口した浄水吐出口4より、ストレート流として吐出されるようになっている。
上記弁室ボディ11の上面には、上記原水取入口6に連なる原水送水口14及び原水導入口15が互いに軸方向に離れて開口されている。
また、弁室ボディ11の下面には、ストレート供給口16とシャワー供給口17が互いに軸方向に離れて開設されている。
ストレート供給口16は弁室ボディ11の下面に一体に形成したシャワー吐出口18に連なっているとともに、シャワー供給口17は同じく弁室ボディ11の下面に一体に形成したシャワー吐出口19に連なっている。ストレート吐出口18は、前記水道蛇口5の直下に位置して下向きに開口した円筒形に形成されており、シャワー吐出口19は上記ストレート吐出口18を囲んでドーナツ型をなして下向きに開口されている。
これらストレート吐出口18及びシャワー吐出口19にはそれぞれ散水板が取り付けられているが、これについては後で説明する。
【0008】
上記弁室ボディ11に回動自在に挿入された弁体12は、両端が開放された円筒形をなしており、軸方向の途中に仕切壁20を備えている。この仕切壁20にて区画される左側の開放端は前記弁室ボディ11の端部の原水送り通路13に連なっている。そして、この仕切壁20よりも左側に位置して弁体12の側壁には原水送り口21が形成されている。この原水送り口21は原水送水口14に対応しており、弁体12を所定位置に回動するとこの原水送り口21が原水送水口14に対向するようになっており、これが対向したとき、原水取入口6の原水を原水送水口14、原水送り口21を通じて原水送り通路13へ供給するようになっている。
また、弁体12の側壁には、上記仕切壁20よりも右側に位置して、原水流入口22が開口されている。この原水流入口22は前記原水送り口21に対して周方向に位相がずれて形成されており、かつ周方向に沿ってスリット状に開口されている。原水流入口22は原水導入口15に対応しており、弁体12を所定位置に回動したとき、原水流入口22が原水導入口15に対向し、原水取入口6の原水を原水導入口15、原水流入口22を通じて弁体12の円筒型空間に導入するようになっている。なお、原水流入口22は周方向に亘りスリット状に開口されてるので、弁体12の所定の回動範囲に亘り原水流入口22が原水導入口15に対向し、つまり原水導入口15を開く。
【0009】
さらに、弁体12の側壁には、上記仕切壁20よりも右側に位置して、ストレート流出口23及びシャワー流出口24が開口されている。ストレート流出口23は弁室ボディ11に形成した前記ストレート供給口16に対応するとともにシャワー流出口24はシャワー供給口17に対応しており、かつこれらストレート流出口23とシャワー流出口24は周方向に位相がずれて開口されている。
弁体12を所定位置に回動すると、前記原水導入口15が開かれている状態で、ストレート流出口23がストレート供給口16と対向し、このとき弁体12内の原水をストレート供給口16を通じてストレート吐出口18に流出させるようになっている。
また、弁体12を他の所定位置に回動すると、同じく原水導入口15が開かれ散る状態で、シャワー流出口24がシャワー供給口17と対向し、このとき弁体12内の原水をシャワー供給口17を通じてスシャワー吐出口19に流出させるようになっている。
【0010】
このような弁体12は、その右側の開放端が、この開放端を液密に閉塞する閉塞部材を兼ねる連結軸25に連結されており、この連結軸25には切換レバー26が連結されている。切換レバー26は回動可能となっており、図示しないバネなどを用いた節度感を付与する手段によって、所定角度、例えば45度ずつ間欠的に回動されるようになっている。そして、この切換レバー26を所定角度ずつ回動操作することにより弁体12が一体的に回動され、これにより後述するように、吐出水の吐出形態を、原水ストレート、原水シャワー、浄水ストレートに切り換えができるようになっている。
【0011】
前記ストレート吐出口18及びシャワー吐出口19には、図2及び図3に示すストレート散水板27及びシャワー散水板28が取り付けられている。
ストレート散水板27は、円筒形のストレート吐出口18の開口部に取り付けられるため円板形状をなしており、この円板に多数個の小孔29…を開口してある。このストレート散水板27は、厚さ0.2mmないし0.5mmのステンレス製薄板に孔径0.15mmないし0.3mmの小孔29…を総数200個以上形成したもので、これら小孔29…の総開口面積が20mm2以下となるように設定されている。
具体的には、直径15mmのステンレス薄板に孔径0.2mmの小孔29…を、総数300個、均等に分散して開けてある。この場合の総開口面積は9.4mm2となっている。このようなストレート散水板27は、ステンレス薄板を用いてフォトエッチング加工により成形することができる。
シャワー散水板28は、ドーナツ形のシャワー吐出口19の開口部に取り付けられるのでドーナツ形円板をなしており、このドーナツ形円板に多数個の小孔30…を開口してある。このシャワー散水板28も、厚さ0.2mmないし0.5mmのステンレス製薄板に、孔径0.15mmないし0.3mmの小孔30…を総数200個以上形成したもので、これら小孔30…の総開口面積が20mm2以下となるように設定されている。
具体的には、外径50mm、内径15mmのドーナツ形ステンレス薄板に、孔径0.2mmの小孔30…を、総数450個、均等に分散して開けてある。この場合の総開口面積は14.1mm2となっている。このようなシャワー散水板28も、ステンレス薄板のフォトエッチング加工により成形することができる。なお、シャワー散水板28は、周囲が上に向かって僅かに湾曲しており、吐出されたシャワー水が所定角度拡がるように配慮してある。
上記ストレート散水板27は、ストレート吐出口18の周壁にねじ込まれた中央ナット31により本体1に取り付けられており、またシャワー散水板29は、中央部が上記中央ナット31にて共締めされるとともに周囲がシャワー吐出口19の周壁に螺合された外周ナット32により本体1に取り付けられている。なお、33は水漏れを防ぐパッキングを示す。
【0012】
このような構成による実施例の浄水器について作用を説明する。
浄水器本体1を水道蛇口5に取り付け、蛇口5を開けると水道水(原水)が原水取入口6に導入される。
「浄水吐出(ストレート)」
切換レバー26を回動操作して弁体12を浄水吐出の位置に回動すると、弁体の12の原水送り口21が弁室ボディ11の原水送水口14に対向し、原水送水口14を開くので原水取入口6の原水が原水送り通路13へ供給される。この原水は浄化部2に送られ、カートリッジ3のフィルターにて浄化される。そして、この浄水は、浄化部2の下面に開口した浄水吐出口4よりストレート流として吐出され。
この時は、原水導入口15が閉じられており、原水はストレート吐出口18及びシャワー吐出口19のいずれにも送られない。
「原水ストレート」
切換レバー26を操作して、弁体12を原水ストレートの位置に回動すると、原水送水口14が閉じられ、原水を浄化部2に供給すのを停止する。同時に弁体12の原水流入口22が原水導入口15と対向する。よって、原水取入口6の原水が原水導入口15、原水流入口22を通じて弁体12内に流入する。このとき、ストレート流出口23がストレート供給口16と対向し、よって弁体12内に導入した原水がストレート吐出口18より流出する。
すなわち、原水取入口6の原水は切換弁10を通じてストレート吐出口18に供給されることになり、このストレート吐出口18より吐出される。
原水がストレート吐出口18より吐出される場合、このストレート吐出口18には多数の小孔29…を形成したストレート散水板27が取り付けられているので、原水は各小孔29…から噴射される。このとき、ストレート散水板27には、直径15mm程度の小さな面積内に多数の小孔29…を高密度に形成してあるので、原水は多数の小さな水流に分散され、しかも高密度に噴射されるから、ストレート噴射になる。
しかもこのとき、散水板27の総開口面積は小さくなっているので、開口が絞られていることになる。これによりストレート吐出口18内の水圧が高まり、水は高い圧力で噴射されて高速なジェット噴射になる。よって、洗い物に対する洗浄力が増す。
また、開口が絞られていることから、水の勢いが強くなるにも拘わらず、水量を少なくすることができ、水道水の使用量を節減することができる。
そして、水の勢いが増大するにも拘わらず、多数の小さな水流として噴射されるため、洗い物やシンクに衝突したときの跳ね返りも少なく、いわゆる泡沫作用を奏する。
「原水シャワー」
さらに切換レバー26を操作して、弁体12を原水シャワーの位置に回動すると、同じく原水送水口14が閉じられて原水を浄化部2に送るのを停止する。同時に弁体12の原水流入口22が原水導入口15と対向しているので、原水取入口6の原水が原水導入口15、原水流入口22を通じて弁体12内に流入する。このときは、シャワー流出口24がシャワー供給口17と対向し、よって弁体12内に導入した原水はシャワー吐出口19より流出する。
すなわち、原水取入口6の原水は切換弁10を通じてシャワー吐出口19に供給されることになり、このシャワー吐出口19から吐出される。
そして、原水がシャワー吐出口19より吐出されると、ドーナツ状の空間に拡がり、シャワー吐出口19取り付けてあるシャワー散水板28の多数の小孔30…から噴射される。このとき、シャワー散水板28には、多数の小孔30…を高密度に形成してあるので、原水は多数の小さな水流となって噴射される。
しかもこのとき、シャワー散水板28の総開口面積は小さくなっているので、開口が絞られていることになる。これによりシャワー吐出口19内の水圧が高まり、水は高い圧力で噴射されて高速なジェット噴射になる。すなわち、シャワー水は、多数の水流として分かれて噴射されるが、それぞれの水流が速いので、洗い物に対する洗浄力が増す。
また、この場合も開口が絞られていることから、水の勢いが強くなるにも拘わらず、従来に比べて水量を少なくすることができ、水道水の使用量を節減することができる。
同じく、水の勢いが増大するにも拘わらず、多数の小さな水流として噴射されるため、洗い物やシンクに衝突したときの跳ね返りも少なく、いわゆる泡沫作用を奏する。
【0013】
次に、各散水板27,28のそれぞれ総開口面積を20mm2以下に規制した理由について説明する。
従来の一般的な浄水器は、カートリッジ3での濾過能力及び圧力損失などを考慮して濾過流量を毎分1.5ないし3.5リットル程度に設定してあり、ストレート供給口16の直径が5mmないし7mm程度に形成されるとともに、ストレート吐出口18の直径は10〜15mm程度に設定されており、総開口面積は80mm2ないし170mm2程度である。
ストレート吐出口18の直径を上記従来の浄水器と同等な直径6mmに形成しておいて、本実施例の散水板27を用いた場合、総開口面積は9.4mm2であるからストレート吐出口は絞られることになる。
同様に、従来のシャワー吐出口は、多数の小孔を形成した散水板を設けてあるが、この場合も各小孔の直径は0.8mmないし1.2mm程度であり、その孔の数も80ないし120個程度であるので、実質的な総開口面積は40mm2ないし140mm2程度となっている。
これに対し、本発明に係る実施例のシャワー散水板28を用いると総開口面積は14.1mm2となっているので、シャワー吐出面積は小さくなっている。
下記の表は、吐出口の開口面積と流量と内部圧力の変化を調べた測定データである。
測定条件は、水道蛇口5に東京計装(株)製の流量計(型式QLK−1020RE)及び横河M&C(株)製の圧力計(型式VS100)を設置し、ストレート供給口16の直径を7mm、ストレート吐出口18の直径を12mmとした浄水器を連結し、このストレート吐出口18にストレート散水板27を取り付けた。
散水板27に開ける小孔29…の大きさ及び数を種々変えて開口面積を変化させた。
【0014】
【0015】
上記測定結果、流量が毎分1リットルの場合、散水板の総開口面積が20mm2を越えると内圧(静水圧)が低くなってストレート吐出口18で内圧が上がらない。このため吐出水の流速が上がらず、勢いが弱い。
これに対し、散水板の総開口面積を20mm2以下にすると内圧が上昇し、よって吐出水に吐出圧力が加わり、流速が高くなる。故に、水の勢いが強くなることを確認した。
したがって、総開口面積を20mm2以下にすると、毎分1リットルの小通水量であっても、水の勢いが増し、洗浄力が向上するとともに、使用感が良くなることになる。
【0016】
上記実施例では、原水を浄化部2で浄化したのちこの浄水を、浄化部2の下面に形成した浄水吐出口4より吐出するようにしたので、この浄水の吐出時はジェット噴流による洗浄力の向上及び節水効果は期待できないが、この浄水吐出口4にも上記実施例のように総開口面積を絞ったストレート散水板27と同様な散水板を取り付けるようにしてもよい。
また、上記実施例の浄水吐出口4はストレート吐出口18と異なる場所に設けられているので、浄水と原水を切り換えて使用する場合、吐出落下位置が異なり、洗い物をその都度移動させなければならないといった不便がある。これを解消するため、図4に示す他の実施例のようにしてもよい。すなわち、図4に示す実施例は、原水の流れ経路は第1の実施例と同様とし、浄水の流れ経路は、カートリッジ3にて浄化された浄水を切換弁40に戻し、この切換弁40の操作で、浄水をストレート吐出口18及びシャワー吐出口19に切り換えて供給するようにしたものである。つまり、切換弁40は、原水ストレート、原水シャワー、浄水ストレート、浄水シャワーの4種類に切換可能となっている。
このようにすれば、単一のストレート吐出口を浄水と原水に共用し、かつ単一のシャワー吐出口を浄水と原水に共用することができる。
この場合、ストレート吐出口18及びシャワー吐出口19にそれぞれストレート散水板27及びシャワー散水板28を取り付けることはいうまでもない。
このようにすれば、それぞれ原水と浄水を切り換えても水の出口は一定位置になるため、水の落下位置が変化せず、浄水器の下方で調理や洗いものをする場合、作業場所を移す必要がなくなり、作業がやり易くなる。
さらに前記第1の実施例の切換弁10は、円筒型弁体12を用いた例を示したが、本発明は切換弁として円筒型弁体12を用いるものには限らず、公知の種々の弁構造を使用することができる。
【0017】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明によれば、ストレート吐出口及びシャワー吐出口の開口面積を小さくしたのでそれぞれの吐出水流が速くなり、水流に勢いが与えられるから、洗浄力が強化され、これにより使用水量を軽減することができ、節水効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、蛇口直結型浄水器を本体部分で断面して示す図
【図2】同実施例のストレート吐出口及びシャワー吐出口を拡大した断面図
【図3】同実施例のストレート吐出口用散水板及びシャワー吐出口用散水板の平面図
【図4】本発明の他の実施例を示し、原水と浄水のそれぞれストレート吐出及びシャワー吐出を切り換える系統を説明する図
【符号の説明】
1…浄水器本体
2…浄化部
5…水道蛇口
6…原水取入口
10…切換弁
18…ストレート吐出口
19…シャワー吐出口
27…ストレート散水板
28…シャワー散水板
29…小孔
30…小孔
Claims (5)
- 水道蛇口に接続され、下面にストレート吐出口を備えた浄水器において、
上記ストレート吐出口に多数の小孔を開口した散水板を設け、この散水板の孔の総開口面積を20mm2以下にしたことを特徴とする浄水器。 - 水道蛇口に接続され、下面にシャワー吐出口を備えた浄水器において、
上記シャワー吐出口に多数の小孔を開口した散水板を設け、この散水板の孔の総開口面積を20mm2以下にしたことを特徴とする浄水器。 - 小孔の数は200個以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の浄水器。
- 小孔の大きさが0.3mm以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一に記載の浄水器。
- 散水板がステンレス製薄板からなり、小孔がエッチング加工にて形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一に記載の浄水器。
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Cited By (2)
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WO2008087850A1 (ja) | 2007-01-16 | 2008-07-24 | Toray Industries, Inc. | 浄水器 |
JP2013044216A (ja) * | 2011-08-26 | 2013-03-04 | Kvk Corp | 浄水機能付き水栓 |
-
2002
- 2002-11-27 JP JP2002382671A patent/JP2004174472A/ja active Pending
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WO2008087850A1 (ja) | 2007-01-16 | 2008-07-24 | Toray Industries, Inc. | 浄水器 |
JP2013044216A (ja) * | 2011-08-26 | 2013-03-04 | Kvk Corp | 浄水機能付き水栓 |
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