JP2004172660A - イコライザ回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】伝送路の長さ等が変わっても、データの誤りが生じないようにする。
【解決手段】イコライザ回路11において、フィルタ部12の可変抵抗22の抵抗値を制御する抵抗値制御部13を備える。抵抗値制御部13には、比較器と、カウンタ回路と、抵抗値調整回路とが備えられる。比較器は、入力端子Pinから供給される受信信号のピーク値と抵抗値調整回路の出力電圧とを比較し、カウンタ回路は、比較結果に応じてカウント値を設定する。カウンタ回路は、このカウント値に基づいて、抵抗値調整回路から出力される出力電圧を設定する。受信信号のピーク値と抵抗値調整回路の出力電圧とがほぼ等しくなると、抵抗値制御部13は、カウント回路が設定したカウント値に基づいてフィルタ部12の可変抵抗22の抵抗値を調整する。
【選択図】 図1
【解決手段】イコライザ回路11において、フィルタ部12の可変抵抗22の抵抗値を制御する抵抗値制御部13を備える。抵抗値制御部13には、比較器と、カウンタ回路と、抵抗値調整回路とが備えられる。比較器は、入力端子Pinから供給される受信信号のピーク値と抵抗値調整回路の出力電圧とを比較し、カウンタ回路は、比較結果に応じてカウント値を設定する。カウンタ回路は、このカウント値に基づいて、抵抗値調整回路から出力される出力電圧を設定する。受信信号のピーク値と抵抗値調整回路の出力電圧とがほぼ等しくなると、抵抗値制御部13は、カウント回路が設定したカウント値に基づいてフィルタ部12の可変抵抗22の抵抗値を調整する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イコライザ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の装置を伝送線を介して接続した場合、伝送線による周波数特性の影響が現れる。特に伝送路(伝送線)が長くなると、伝送路の周波数特性の影響で低周波成分の減衰量に比べ、高周波成分の減衰量が大きくなる。
【0003】
デジタル信号の伝送状態を調べる方法として、疑似ランダム信号を伝送して信号波形の応答をオシロスコープ等で観測して、いわゆる目の形をしたアイパターンの開口率を調べる方法がある。高周波成分の減衰量が大きくなると、アイパターンの開口率は狭くなる。
【0004】
また、高周波成分の減衰量が大きくなると、送信装置から送信された信号を受信する受信装置では、元の送信信号を再現することができない。
例えば、送信信号が図7(a)に示すような波形を有している場合に、高周波成分の減衰量が大きくなると、この送信信号に対応する受信信号は、図7(b)に示すような波形を有することになる。
【0005】
一般に、受信信号を受信する受信装置では、受信した受信信号が「1」(ハイレベル)か「0」(ローレベル)かを判定するため、予めスレッシュホールドレベルが設けられている。
【0006】
受信装置は、受信信号の信号レベルを、このスレッシュホールドレベルと比較することにより受信信号の「1」又は「0」を判定する。図7(b)に示すように、受信信号のハイレベルを電圧V0として、このスレッシュホールドレベルを1/2V0とする。
【0007】
この場合、時刻t1〜t2において、「1」であるべき受信信号の信号レベルが、高周波成分が減衰して、このスレッシュホールドレベルを越えないと、時刻t1〜t2における受信信号の信号レベルは「0」と判定されてしまう。
【0008】
また、時刻t3〜t4において、「0」になるべき受信信号の信号レベルがこのスレッシュホールドレベル以下にならなければ、この受信信号の信号レベルは「1」と判定されてしまう。
高周波成分の減衰により、このように判定されてしまうと、受信装置は、図7(c)に示すような信号を出力してしまい、データエラーが生ずる。
【0009】
このため、従来より、イコライザ回路を受信装置に挿入して伝送信号の振幅等の周波数応答を補正し、周波数特性を平坦にすることによりデータの誤りを防止しているものがある。(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開平8−149161号公報(第3頁、図1)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、伝送路の周波数特性は、伝送路の長さ、材質等により変わってくる。伝送路の長さ、材質等により伝送路の周波数特性が変化したにもかかわらず、イコライザ回路の周波数特性が変わらなければ、周波数特性の補正が足りなかったり、過剰な補正になったりする。
【0012】
例えば、伝送路の影響による高周波成分の減衰量が大きいにもかかわらず、周波数特性の補正が足りなければ、受信信号の信号レベルが誤ってスレッシュホールドレベルを越えたり、誤ってこのレベル以下になったりして、受信装置側で、データエラーが生ずる。
【0013】
一方、伝送路の影響による高周波成分の減衰量が小さいにもかかわらず、高周波成分の補正が過剰になれば、低周波成分の減衰量が大きくなり、同じように受信信号の信号レベルを誤判定してしまい、受信装置側で、データエラーが生ずる。
【0014】
このように、周波数特性の補正が足りなかったり、過剰になったりすると、データの誤りを防止することができない。
本来、伝送路の長さ、材質等により伝送路の周波数特性が変化すれば、イコライザ回路の周波数特性も伝送路の周波数特性に応じたものに変更すべきである。
【0015】
しかし、伝送路の長さ、材質等の種類に応じて、最適のイコライザ回路を用意しておくとすると、数多くのイコライザ回路が必要となる。また、伝送路を切り替えると、その度にイコライザ回路も交換しなければならず、不便である。
【0016】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、データの誤りの防止を可能とするイコライザ装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るイコライザ回路は、
伝送路を介して受信した受信信号の周波数特性を補正するイコライザ回路において、
周波数に対する信号レベルがほぼ一定となるように、前記伝送路における減衰特性と相反する周波数特性を有するフィルタ部と、
前記伝送路における減衰量と前記フィルタ部の利得との和が、前記伝送路における周波数特性が変化しても前記受信信号の周波数にかかわらずほぼ一定となるように、前記受信信号の受信レベルに基づいて前記フィルタ部の利得を調整する利得調整手段と、を備えたものである。
【0018】
前記フィルタ部は、コンデンサと可変抵抗とからなるハイパスフィルタによって構成され、
前記利得調整手段は、前記フィルタ部の可変抵抗の抵抗値を、前記受信信号の信号レベルに基づいて調整することにより、前記フィルタ部の利得を調整するように構成されたものであってもよい。
【0019】
前記利得調整手段は、
予め設定された電圧を分圧する抵抗値が可変の抵抗を有し、前記抵抗で分圧した分圧電圧を生成する電圧生成手段と、
前記電圧生成手段が生成した分圧電圧と前記受信信号の信号レベルとを比較する電圧比較手段と、
前記電圧比較手段が比較する分圧電圧と前記受信信号の信号レベルとがほぼ等しくなるように前記電圧生成手段の前記可変抵抗の抵抗値を調整し、調整した抵抗値となるように、前記可変抵抗の抵抗値を調整する抵抗値調整手段と、を備えたものであってもよい。
【0020】
前記フィルタ部は、可変容量コンデンサと抵抗とからなるハイパスフィルタによって構成され、
前記利得調整手段は、前記フィルタ部の可変容量コンデンサの容量値を、前記受信信号の信号レベルに基づいて調整することにより、前記フィルタ部の利得を調整するように構成されたものであってもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るイコライザ回路を図面を参照して説明する。
本実施の形態に係るイコライザ回路の構成を図1に示す。
本実施の形態に係るイコライザ回路11は、フィルタ部12と、抵抗値制御部13と、からなる。
【0022】
フィルタ部12は、伝送路における減衰特性と相反する周波数特性を有するように、コンデンサ21と可変抵抗22とからなるハイパスフィルタによって構成されている。フィルタ部12がこのように構成されるのは、伝送線では、一般に、ローパスフィルタと同じように、低周波成分の減衰率が小さく、周波数が高くなるに従って減衰率は大きくなり、このような周波数特性を補正するためである。
【0023】
コンデンサ21は、受信信号の高周波成分を通過させるための回路素子であり、このコンデンサ21の一端はイコライザ回路11の入力端Pinに接続され、コンデンサ21の他端は、イコライザ回路11の出力端Poutに接続される。
【0024】
可変抵抗22は、受信信号の低周波成分を通過させるための回路素子であり、可変抵抗22の一端は、コンデンサ21の一端に接続され、他端は接地されている。
【0025】
尚、フィルタ部12の遮断周波数は、コンデンサ21の容量値と可変抵抗22の抵抗値とに基づいて設定され、この遮断周波数よりも低い周波数成分が低周波成分であり、遮断周波数よりも高い周波数成分が高周波成分である。
【0026】
抵抗値制御部13は、伝送路における減衰量とフィルタ部12の利得との和が、伝送路における周波数特性が変化しても受信信号の周波数にかかわらずほぼ一定となるように、受信信号の受信レベル(振幅)に基づいてフィルタ部12の利得を調整するものである。抵抗値制御部13は、図2に示すように、抵抗値調整回路31と、比較器32と、カウンタ回路33と、からなる。
【0027】
抵抗値調整回路31は、受信信号と同じ信号レベルの電圧を出力するように抵抗値を調整するための回路であり、抵抗34−1〜34−4と、抵抗35と、スイッチ36−1〜36−4と、からなる。尚、フィルタ部12内の可変抵抗22も、抵抗値調整回路31と同様に構成される。
【0028】
抵抗34−1〜34−4は、抵抗値を可変するために備えられた抵抗であり、その各一端は、電圧Vccの電源に接続されている。抵抗34−1〜34−4の各他端は、それぞれ、スイッチ36−1〜36−4の各一端に接続されている。抵抗35の一端は、スイッチ36−1〜36−4の各他端に接続され、他端は接地されている。
【0029】
抵抗34−1〜34−4の抵抗値は、数10〜100Ω程度とされる。尚、抵抗34−1〜34−4の抵抗値は、等しくてもよいし、抵抗34−1〜34−4の抵抗値をそれぞれ重み付けして、抵抗34−2,34−3,34−4の抵抗値を抵抗34−1の2、3,4倍とすることもできる。
【0030】
比較器32は、抵抗値調整回路31の出力電圧と受信信号の信号レベルとを比較するものであり、比較器32の非反転入力端(図中、「+」と記す。)には、受信信号のピーク値が供給される。また、比較器32の反転入力端(図中、「+」と記す。)は、抵抗値調整回路31のスイッチ36−1〜36−4の各一端と抵抗35との接続点に接続される。
【0031】
比較器32は、抵抗値調整回路31の出力電圧と受信信号の信号レベルとを比較した比較結果を出力する。受信信号の信号レベルが抵抗値調整回路31の出力電圧よりも高ければ、「H」(高)レベルの信号を出力し、受信信号の信号レベルが抵抗値調整回路31の出力電圧以下になれば、「L」(低)レベルの信号を出力する。
【0032】
カウンタ回路33は、抵抗値調整回路31の出力電圧と受信信号の受信レベルとがほぼ等しくなるようなカウント値を求めてスイッチ36−1〜36−4の開閉を制御するものである。そして、カウンタ回路33は、求めたカウント値に基づいて可変抵抗22の抵抗値を調整するように、可変抵抗22内の各スイッチの開閉を制御する。
【0033】
カウンタ回路33は、4ビットカウンタとして抵抗34−1〜34−4と対応させる。尚、前述のように重み付けした抵抗34−1〜34−4とカウンタ回路33のビット値とを対応させることもできる。即ち、カウンタ回路33の1ビット目を抵抗34−1に、2ビット目を抵抗34−2に、3ビット目を抵抗34−3に、4ビット目を抵抗34−4に対応させることもできる。
【0034】
カウンタ回路33は、比較器32から出力された信号の信号レベルが「H」であれば、カウント値をインクリメントし、「L」レベルであれば、カウント値をデクリメントする。
【0035】
但し、カウンタ回路33がカウント値をインクリメント又はデクリメントする方法は、このような方法に限られるものではない。例えば、受信信号の信号レベルが「1」から「0」、又は「0」から「1」への変化を識別しながら、抵抗値が大きく変化させて、次第にある抵抗値に収束させていく方法であってもよい。
【0036】
このようなイコライザ回路11は、図3に示すような送受信システムの受信装置2に備えられる。この送受信システムは、送信装置1と、受信装置2と、伝送線3と、からなる。
送信装置1は、信号を送信するものである。受信装置2は、伝送線3を介して信号を受信する。
【0037】
次に、本実施の形態に係るイコライザ回路11の動作を説明する。
まず、必要な信号を伝送する前に、送信装置1からテスト用の周波数信号を送信し、受信装置2では、受信した信号に基づいてイコライザ回路11の定数が調整される。尚、テスト用の周波数信号の周波数は、伝送線3の減衰が顕著に現れる帯域内、例えば、0.1〜1000MHzの範囲に設定される。
このような調整は、最初に送信装置1と受信装置2とを伝送線3を介して接続したとき、あるいは、保守、点検時に行われる。
【0038】
抵抗値制御部13内の比較器32は、受信信号の信号レベルと、抵抗値調整回路31の出力電圧とを比較する。比較器32は、受信信号の信号レベルが抵抗値調整回路31の出力電圧よりも高ければ、「H」(高)レベルの信号を出力し、受信信号の信号レベルが抵抗値調整回路31の出力電圧よりも低ければ、「L」(高)レベルの信号を出力する。
【0039】
比較器32は、「H」(高)レベルの信号を出力すると、カウンタ回路33は、カウント値をインクリメントする。また、受信信号の信号レベルが抵抗値調整回路31の出力電圧以下になれば、比較器32は、「L」(低)レベルの信号を出力する。カウンタ回路33は、このカウント値に応じて、スイッチ36−1〜36−4の開閉を制御する。
【0040】
抵抗値調整回路31は、このような動作を受信信号の信号レベルと抵抗値調整回路31の出力電圧とがほぼ等しくなるまで繰り返す。抵抗値調整回路31の出力電圧とがほぼ等しくなると、カウンタ回路33は、このときのカウント値を可変抵抗22に出力し、可変抵抗22内の各スイッチの開閉を制御する。これにより、フィルタ部12の可変抵抗22の抵抗値は、抵抗値調整回路31の抵抗値とほぼ同じ値に設定される。
【0041】
伝送路における伝送信号の信号レベルの減衰が小さい場合、受信装置2の受信信号の振幅は大きくなり、ピーク値は高くなる。この場合、抵抗値制御部13は、可変抵抗22の抵抗値が小さくなるように調整する。一方、伝送路における伝送信号の減衰が大きい場合は、受信装置2の受信信号の振幅は小さくなり、ピーク値は高くなる。この場合、抵抗値制御部13は、可変抵抗22の抵抗値が大きくなるように調整する。
【0042】
抵抗値制御部13で調整した抵抗値をそのままフィルタ部12内の可変抵抗22の抵抗値とすることによって、イコライザ回路11の周波数特性は伝送線3の減衰特性に応じた特性になる。
【0043】
この伝送線3の減衰特性とイコライザ回路11の周波数特性(利得)との関係を図4に示す。この例では、伝送線3の減衰量は、周波数が0.1MHzにおいて、実線で示すように0dBであり、周波数0.1MHzから次第に大きくなり、周波数1000MHzでは、−10dBになる。伝送線3がこのような特性を有している場合、イコライザ回路11の周波数特性(図中、「EQ特性」と記す。)は、抵抗値制御部13の調整により、一点鎖線で示すように、周波数0.1MHzでは、−10dBとなり、周波数1000MHzでは、0dBとなる。このようになれば、図中、二点鎖線で示すように、伝送路全体の周波数特性は、周波数0.1〜1000MHzにおいて−10dBとなり、平坦となる。
【0044】
この場合の送信信号の信号波形を図5に示す。送信信号が図5(a)に示すような波形を有する場合、受信信号の波形は、図5(b)に示すようになる。このような波形であれば、受信信号は、孤立波も含めて1/2V0を中心に上下する。このため、送信信号は、受信装置2においてデータの誤りもなく再現され、受信装置2は、図5(c)に示すような信号を出力する。
【0045】
また、伝送路(伝送線3)の減衰量が小さい場合、抵抗値制御部13がフィルタ部12の可変抵抗22の値が小さくなるように調整するため、低周波成分の減衰量は大きくなる。また伝送線3の減衰量が大きい場合、抵抗値制御部13が可変抵抗22の抵抗値が大きくなるように調整するため、低周波成分の減衰量は小さくなる。
【0046】
このように、抵抗値制御部13が可変抵抗22の抵抗値を、伝送路の減衰量に応じて制御するので、伝送路の長さ、材質等により伝送路の減衰量が変化しても受信信号の周波数特性は平坦になる。
【0047】
以上説明したように、本実施の形態によれば、抵抗値制御部13が、受信装置2の受信信号の信号レベル(振幅)に基づいてフィルタ部12の可変抵抗22の抵抗値を、伝送路の減衰特性に応じた周波数特性になるように調整するようにした。これにより、前記伝送路における減衰量と前記フィルタ部12の利得との和は、前記伝送路における周波数特性が変化しても受信信号の周波数にかかわらずほぼ一定となる。
【0048】
従って、伝送路の長さ、特性が変化しても、イコライザ回路11は、周波数特性を平坦にした信号を出力することができ、受信装置2でのアイパターンの開口率も大きくなり、受信時のデータ誤りを防止することができる。
【0049】
また、伝送路の状態によって最適なイコライザ回路11を用意する必要もなく、最初に伝送線3を介して送信装置1と受信装置2とを接続したとき、あるいは、保守、点検時の作業性も良好となる。
【0050】
尚、本発明を実施するにあたっては、種々の形態が考えられ、上記実施の形態に限られるものではない。
例えば、上記実施の形態では、抵抗値調整回路31の抵抗値調整用の抵抗を4つとした。しかし、抵抗は4つには限られず、さらに増やすこともできる。抵抗の数を増やせば、フィルタ部12の利得を詳細に設定することができる。
【0051】
また、抵抗値調整回路31の構成も、図2に示すような構成に限られず、抵抗値調整回路31は、例えば、抵抗35を電圧Vcc側にして、抵抗34−1〜34−4を接地するように構成されたものであってもよい。
【0052】
また、フィルタ部12の可変抵抗22の抵抗値を、受信信号の信号レベルに応じて調整するようにした。しかし、このような構成に限られるものではなく、例えば、図6に示すように、フィルタ部12が、可変容量コンデンサ41と抵抗42とからなるハイパスフィルタによって構成され、さらに、可変容量コンデンサ41の容量値を調整する容量値制御部14を備えるように構成されてもよい。そして、容量値制御部14が可変容量コンデンサ41の容量値を、前記受信信号の信号レベル(振幅)に基づいて調整することにより、前記フィルタ部12の利得を調整するように構成されることもできる。この場合、容量値制御部14の構成も図2に示す抵抗値制御部13の構成とは異なり、可変容量コンデンサ41と同じような可変容量コンデンサを備える。
【0053】
また、フィルタ部12は、伝送路の特性に応じて構成されるものであって、必ずしもハイパスフィルタであるとは限らない。例えば、伝送路が、ある周波数帯域で減衰するような特性を有していれば、フィルタ部12は、ローパスフィルタとハイパスフィルタを組み合わせて構成される。また、伝送路が、ある周波数帯域で信号強度が増大するような特性を有していれば、フィルタ部12は、バンドパスフィルタによって構成される。
【0054】
上記実施の形態では、イコライザ回路を信号を送受信する送受信システムに適用した場合について説明した。しかし、これに限らず、本実施の形態に係るイコライザ回路を、例えば、光磁気ディスクのような記録媒体に記録再生する記録再生装置に適用することもできる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、データの誤りを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るイコライザ回路の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の抵抗値制御部の構成を示す回路図である。
【図3】図1のイコライザ回路を用いた送受信システムの構成を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態における周波数特性の説明図である。
【図5】図1のイコライザ回路により等化した場合の信号波形を示す信号波形図である。
【図6】イコライザ回路の応用例を示すブロック図である。
【図7】従来のイコライザ回路においてデータ誤りが生ずる場合の信号波形を示す信号波形図である。
【符号の説明】
1 送信装置
2 受信装置
11 イコライザ回路
12 フィルタ部
13 抵抗値制御部
31 抵抗値調整回路
32 比較器
33 カウンタ回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、イコライザ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の装置を伝送線を介して接続した場合、伝送線による周波数特性の影響が現れる。特に伝送路(伝送線)が長くなると、伝送路の周波数特性の影響で低周波成分の減衰量に比べ、高周波成分の減衰量が大きくなる。
【0003】
デジタル信号の伝送状態を調べる方法として、疑似ランダム信号を伝送して信号波形の応答をオシロスコープ等で観測して、いわゆる目の形をしたアイパターンの開口率を調べる方法がある。高周波成分の減衰量が大きくなると、アイパターンの開口率は狭くなる。
【0004】
また、高周波成分の減衰量が大きくなると、送信装置から送信された信号を受信する受信装置では、元の送信信号を再現することができない。
例えば、送信信号が図7(a)に示すような波形を有している場合に、高周波成分の減衰量が大きくなると、この送信信号に対応する受信信号は、図7(b)に示すような波形を有することになる。
【0005】
一般に、受信信号を受信する受信装置では、受信した受信信号が「1」(ハイレベル)か「0」(ローレベル)かを判定するため、予めスレッシュホールドレベルが設けられている。
【0006】
受信装置は、受信信号の信号レベルを、このスレッシュホールドレベルと比較することにより受信信号の「1」又は「0」を判定する。図7(b)に示すように、受信信号のハイレベルを電圧V0として、このスレッシュホールドレベルを1/2V0とする。
【0007】
この場合、時刻t1〜t2において、「1」であるべき受信信号の信号レベルが、高周波成分が減衰して、このスレッシュホールドレベルを越えないと、時刻t1〜t2における受信信号の信号レベルは「0」と判定されてしまう。
【0008】
また、時刻t3〜t4において、「0」になるべき受信信号の信号レベルがこのスレッシュホールドレベル以下にならなければ、この受信信号の信号レベルは「1」と判定されてしまう。
高周波成分の減衰により、このように判定されてしまうと、受信装置は、図7(c)に示すような信号を出力してしまい、データエラーが生ずる。
【0009】
このため、従来より、イコライザ回路を受信装置に挿入して伝送信号の振幅等の周波数応答を補正し、周波数特性を平坦にすることによりデータの誤りを防止しているものがある。(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開平8−149161号公報(第3頁、図1)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、伝送路の周波数特性は、伝送路の長さ、材質等により変わってくる。伝送路の長さ、材質等により伝送路の周波数特性が変化したにもかかわらず、イコライザ回路の周波数特性が変わらなければ、周波数特性の補正が足りなかったり、過剰な補正になったりする。
【0012】
例えば、伝送路の影響による高周波成分の減衰量が大きいにもかかわらず、周波数特性の補正が足りなければ、受信信号の信号レベルが誤ってスレッシュホールドレベルを越えたり、誤ってこのレベル以下になったりして、受信装置側で、データエラーが生ずる。
【0013】
一方、伝送路の影響による高周波成分の減衰量が小さいにもかかわらず、高周波成分の補正が過剰になれば、低周波成分の減衰量が大きくなり、同じように受信信号の信号レベルを誤判定してしまい、受信装置側で、データエラーが生ずる。
【0014】
このように、周波数特性の補正が足りなかったり、過剰になったりすると、データの誤りを防止することができない。
本来、伝送路の長さ、材質等により伝送路の周波数特性が変化すれば、イコライザ回路の周波数特性も伝送路の周波数特性に応じたものに変更すべきである。
【0015】
しかし、伝送路の長さ、材質等の種類に応じて、最適のイコライザ回路を用意しておくとすると、数多くのイコライザ回路が必要となる。また、伝送路を切り替えると、その度にイコライザ回路も交換しなければならず、不便である。
【0016】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、データの誤りの防止を可能とするイコライザ装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るイコライザ回路は、
伝送路を介して受信した受信信号の周波数特性を補正するイコライザ回路において、
周波数に対する信号レベルがほぼ一定となるように、前記伝送路における減衰特性と相反する周波数特性を有するフィルタ部と、
前記伝送路における減衰量と前記フィルタ部の利得との和が、前記伝送路における周波数特性が変化しても前記受信信号の周波数にかかわらずほぼ一定となるように、前記受信信号の受信レベルに基づいて前記フィルタ部の利得を調整する利得調整手段と、を備えたものである。
【0018】
前記フィルタ部は、コンデンサと可変抵抗とからなるハイパスフィルタによって構成され、
前記利得調整手段は、前記フィルタ部の可変抵抗の抵抗値を、前記受信信号の信号レベルに基づいて調整することにより、前記フィルタ部の利得を調整するように構成されたものであってもよい。
【0019】
前記利得調整手段は、
予め設定された電圧を分圧する抵抗値が可変の抵抗を有し、前記抵抗で分圧した分圧電圧を生成する電圧生成手段と、
前記電圧生成手段が生成した分圧電圧と前記受信信号の信号レベルとを比較する電圧比較手段と、
前記電圧比較手段が比較する分圧電圧と前記受信信号の信号レベルとがほぼ等しくなるように前記電圧生成手段の前記可変抵抗の抵抗値を調整し、調整した抵抗値となるように、前記可変抵抗の抵抗値を調整する抵抗値調整手段と、を備えたものであってもよい。
【0020】
前記フィルタ部は、可変容量コンデンサと抵抗とからなるハイパスフィルタによって構成され、
前記利得調整手段は、前記フィルタ部の可変容量コンデンサの容量値を、前記受信信号の信号レベルに基づいて調整することにより、前記フィルタ部の利得を調整するように構成されたものであってもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るイコライザ回路を図面を参照して説明する。
本実施の形態に係るイコライザ回路の構成を図1に示す。
本実施の形態に係るイコライザ回路11は、フィルタ部12と、抵抗値制御部13と、からなる。
【0022】
フィルタ部12は、伝送路における減衰特性と相反する周波数特性を有するように、コンデンサ21と可変抵抗22とからなるハイパスフィルタによって構成されている。フィルタ部12がこのように構成されるのは、伝送線では、一般に、ローパスフィルタと同じように、低周波成分の減衰率が小さく、周波数が高くなるに従って減衰率は大きくなり、このような周波数特性を補正するためである。
【0023】
コンデンサ21は、受信信号の高周波成分を通過させるための回路素子であり、このコンデンサ21の一端はイコライザ回路11の入力端Pinに接続され、コンデンサ21の他端は、イコライザ回路11の出力端Poutに接続される。
【0024】
可変抵抗22は、受信信号の低周波成分を通過させるための回路素子であり、可変抵抗22の一端は、コンデンサ21の一端に接続され、他端は接地されている。
【0025】
尚、フィルタ部12の遮断周波数は、コンデンサ21の容量値と可変抵抗22の抵抗値とに基づいて設定され、この遮断周波数よりも低い周波数成分が低周波成分であり、遮断周波数よりも高い周波数成分が高周波成分である。
【0026】
抵抗値制御部13は、伝送路における減衰量とフィルタ部12の利得との和が、伝送路における周波数特性が変化しても受信信号の周波数にかかわらずほぼ一定となるように、受信信号の受信レベル(振幅)に基づいてフィルタ部12の利得を調整するものである。抵抗値制御部13は、図2に示すように、抵抗値調整回路31と、比較器32と、カウンタ回路33と、からなる。
【0027】
抵抗値調整回路31は、受信信号と同じ信号レベルの電圧を出力するように抵抗値を調整するための回路であり、抵抗34−1〜34−4と、抵抗35と、スイッチ36−1〜36−4と、からなる。尚、フィルタ部12内の可変抵抗22も、抵抗値調整回路31と同様に構成される。
【0028】
抵抗34−1〜34−4は、抵抗値を可変するために備えられた抵抗であり、その各一端は、電圧Vccの電源に接続されている。抵抗34−1〜34−4の各他端は、それぞれ、スイッチ36−1〜36−4の各一端に接続されている。抵抗35の一端は、スイッチ36−1〜36−4の各他端に接続され、他端は接地されている。
【0029】
抵抗34−1〜34−4の抵抗値は、数10〜100Ω程度とされる。尚、抵抗34−1〜34−4の抵抗値は、等しくてもよいし、抵抗34−1〜34−4の抵抗値をそれぞれ重み付けして、抵抗34−2,34−3,34−4の抵抗値を抵抗34−1の2、3,4倍とすることもできる。
【0030】
比較器32は、抵抗値調整回路31の出力電圧と受信信号の信号レベルとを比較するものであり、比較器32の非反転入力端(図中、「+」と記す。)には、受信信号のピーク値が供給される。また、比較器32の反転入力端(図中、「+」と記す。)は、抵抗値調整回路31のスイッチ36−1〜36−4の各一端と抵抗35との接続点に接続される。
【0031】
比較器32は、抵抗値調整回路31の出力電圧と受信信号の信号レベルとを比較した比較結果を出力する。受信信号の信号レベルが抵抗値調整回路31の出力電圧よりも高ければ、「H」(高)レベルの信号を出力し、受信信号の信号レベルが抵抗値調整回路31の出力電圧以下になれば、「L」(低)レベルの信号を出力する。
【0032】
カウンタ回路33は、抵抗値調整回路31の出力電圧と受信信号の受信レベルとがほぼ等しくなるようなカウント値を求めてスイッチ36−1〜36−4の開閉を制御するものである。そして、カウンタ回路33は、求めたカウント値に基づいて可変抵抗22の抵抗値を調整するように、可変抵抗22内の各スイッチの開閉を制御する。
【0033】
カウンタ回路33は、4ビットカウンタとして抵抗34−1〜34−4と対応させる。尚、前述のように重み付けした抵抗34−1〜34−4とカウンタ回路33のビット値とを対応させることもできる。即ち、カウンタ回路33の1ビット目を抵抗34−1に、2ビット目を抵抗34−2に、3ビット目を抵抗34−3に、4ビット目を抵抗34−4に対応させることもできる。
【0034】
カウンタ回路33は、比較器32から出力された信号の信号レベルが「H」であれば、カウント値をインクリメントし、「L」レベルであれば、カウント値をデクリメントする。
【0035】
但し、カウンタ回路33がカウント値をインクリメント又はデクリメントする方法は、このような方法に限られるものではない。例えば、受信信号の信号レベルが「1」から「0」、又は「0」から「1」への変化を識別しながら、抵抗値が大きく変化させて、次第にある抵抗値に収束させていく方法であってもよい。
【0036】
このようなイコライザ回路11は、図3に示すような送受信システムの受信装置2に備えられる。この送受信システムは、送信装置1と、受信装置2と、伝送線3と、からなる。
送信装置1は、信号を送信するものである。受信装置2は、伝送線3を介して信号を受信する。
【0037】
次に、本実施の形態に係るイコライザ回路11の動作を説明する。
まず、必要な信号を伝送する前に、送信装置1からテスト用の周波数信号を送信し、受信装置2では、受信した信号に基づいてイコライザ回路11の定数が調整される。尚、テスト用の周波数信号の周波数は、伝送線3の減衰が顕著に現れる帯域内、例えば、0.1〜1000MHzの範囲に設定される。
このような調整は、最初に送信装置1と受信装置2とを伝送線3を介して接続したとき、あるいは、保守、点検時に行われる。
【0038】
抵抗値制御部13内の比較器32は、受信信号の信号レベルと、抵抗値調整回路31の出力電圧とを比較する。比較器32は、受信信号の信号レベルが抵抗値調整回路31の出力電圧よりも高ければ、「H」(高)レベルの信号を出力し、受信信号の信号レベルが抵抗値調整回路31の出力電圧よりも低ければ、「L」(高)レベルの信号を出力する。
【0039】
比較器32は、「H」(高)レベルの信号を出力すると、カウンタ回路33は、カウント値をインクリメントする。また、受信信号の信号レベルが抵抗値調整回路31の出力電圧以下になれば、比較器32は、「L」(低)レベルの信号を出力する。カウンタ回路33は、このカウント値に応じて、スイッチ36−1〜36−4の開閉を制御する。
【0040】
抵抗値調整回路31は、このような動作を受信信号の信号レベルと抵抗値調整回路31の出力電圧とがほぼ等しくなるまで繰り返す。抵抗値調整回路31の出力電圧とがほぼ等しくなると、カウンタ回路33は、このときのカウント値を可変抵抗22に出力し、可変抵抗22内の各スイッチの開閉を制御する。これにより、フィルタ部12の可変抵抗22の抵抗値は、抵抗値調整回路31の抵抗値とほぼ同じ値に設定される。
【0041】
伝送路における伝送信号の信号レベルの減衰が小さい場合、受信装置2の受信信号の振幅は大きくなり、ピーク値は高くなる。この場合、抵抗値制御部13は、可変抵抗22の抵抗値が小さくなるように調整する。一方、伝送路における伝送信号の減衰が大きい場合は、受信装置2の受信信号の振幅は小さくなり、ピーク値は高くなる。この場合、抵抗値制御部13は、可変抵抗22の抵抗値が大きくなるように調整する。
【0042】
抵抗値制御部13で調整した抵抗値をそのままフィルタ部12内の可変抵抗22の抵抗値とすることによって、イコライザ回路11の周波数特性は伝送線3の減衰特性に応じた特性になる。
【0043】
この伝送線3の減衰特性とイコライザ回路11の周波数特性(利得)との関係を図4に示す。この例では、伝送線3の減衰量は、周波数が0.1MHzにおいて、実線で示すように0dBであり、周波数0.1MHzから次第に大きくなり、周波数1000MHzでは、−10dBになる。伝送線3がこのような特性を有している場合、イコライザ回路11の周波数特性(図中、「EQ特性」と記す。)は、抵抗値制御部13の調整により、一点鎖線で示すように、周波数0.1MHzでは、−10dBとなり、周波数1000MHzでは、0dBとなる。このようになれば、図中、二点鎖線で示すように、伝送路全体の周波数特性は、周波数0.1〜1000MHzにおいて−10dBとなり、平坦となる。
【0044】
この場合の送信信号の信号波形を図5に示す。送信信号が図5(a)に示すような波形を有する場合、受信信号の波形は、図5(b)に示すようになる。このような波形であれば、受信信号は、孤立波も含めて1/2V0を中心に上下する。このため、送信信号は、受信装置2においてデータの誤りもなく再現され、受信装置2は、図5(c)に示すような信号を出力する。
【0045】
また、伝送路(伝送線3)の減衰量が小さい場合、抵抗値制御部13がフィルタ部12の可変抵抗22の値が小さくなるように調整するため、低周波成分の減衰量は大きくなる。また伝送線3の減衰量が大きい場合、抵抗値制御部13が可変抵抗22の抵抗値が大きくなるように調整するため、低周波成分の減衰量は小さくなる。
【0046】
このように、抵抗値制御部13が可変抵抗22の抵抗値を、伝送路の減衰量に応じて制御するので、伝送路の長さ、材質等により伝送路の減衰量が変化しても受信信号の周波数特性は平坦になる。
【0047】
以上説明したように、本実施の形態によれば、抵抗値制御部13が、受信装置2の受信信号の信号レベル(振幅)に基づいてフィルタ部12の可変抵抗22の抵抗値を、伝送路の減衰特性に応じた周波数特性になるように調整するようにした。これにより、前記伝送路における減衰量と前記フィルタ部12の利得との和は、前記伝送路における周波数特性が変化しても受信信号の周波数にかかわらずほぼ一定となる。
【0048】
従って、伝送路の長さ、特性が変化しても、イコライザ回路11は、周波数特性を平坦にした信号を出力することができ、受信装置2でのアイパターンの開口率も大きくなり、受信時のデータ誤りを防止することができる。
【0049】
また、伝送路の状態によって最適なイコライザ回路11を用意する必要もなく、最初に伝送線3を介して送信装置1と受信装置2とを接続したとき、あるいは、保守、点検時の作業性も良好となる。
【0050】
尚、本発明を実施するにあたっては、種々の形態が考えられ、上記実施の形態に限られるものではない。
例えば、上記実施の形態では、抵抗値調整回路31の抵抗値調整用の抵抗を4つとした。しかし、抵抗は4つには限られず、さらに増やすこともできる。抵抗の数を増やせば、フィルタ部12の利得を詳細に設定することができる。
【0051】
また、抵抗値調整回路31の構成も、図2に示すような構成に限られず、抵抗値調整回路31は、例えば、抵抗35を電圧Vcc側にして、抵抗34−1〜34−4を接地するように構成されたものであってもよい。
【0052】
また、フィルタ部12の可変抵抗22の抵抗値を、受信信号の信号レベルに応じて調整するようにした。しかし、このような構成に限られるものではなく、例えば、図6に示すように、フィルタ部12が、可変容量コンデンサ41と抵抗42とからなるハイパスフィルタによって構成され、さらに、可変容量コンデンサ41の容量値を調整する容量値制御部14を備えるように構成されてもよい。そして、容量値制御部14が可変容量コンデンサ41の容量値を、前記受信信号の信号レベル(振幅)に基づいて調整することにより、前記フィルタ部12の利得を調整するように構成されることもできる。この場合、容量値制御部14の構成も図2に示す抵抗値制御部13の構成とは異なり、可変容量コンデンサ41と同じような可変容量コンデンサを備える。
【0053】
また、フィルタ部12は、伝送路の特性に応じて構成されるものであって、必ずしもハイパスフィルタであるとは限らない。例えば、伝送路が、ある周波数帯域で減衰するような特性を有していれば、フィルタ部12は、ローパスフィルタとハイパスフィルタを組み合わせて構成される。また、伝送路が、ある周波数帯域で信号強度が増大するような特性を有していれば、フィルタ部12は、バンドパスフィルタによって構成される。
【0054】
上記実施の形態では、イコライザ回路を信号を送受信する送受信システムに適用した場合について説明した。しかし、これに限らず、本実施の形態に係るイコライザ回路を、例えば、光磁気ディスクのような記録媒体に記録再生する記録再生装置に適用することもできる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、データの誤りを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るイコライザ回路の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の抵抗値制御部の構成を示す回路図である。
【図3】図1のイコライザ回路を用いた送受信システムの構成を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態における周波数特性の説明図である。
【図5】図1のイコライザ回路により等化した場合の信号波形を示す信号波形図である。
【図6】イコライザ回路の応用例を示すブロック図である。
【図7】従来のイコライザ回路においてデータ誤りが生ずる場合の信号波形を示す信号波形図である。
【符号の説明】
1 送信装置
2 受信装置
11 イコライザ回路
12 フィルタ部
13 抵抗値制御部
31 抵抗値調整回路
32 比較器
33 カウンタ回路
Claims (4)
- 伝送路を介して受信した受信信号の周波数特性を補正するイコライザ回路において、
周波数に対する信号レベルがほぼ一定となるように、前記伝送路における減衰特性と相反する周波数特性を有するフィルタ部と、
前記伝送路における減衰量と前記フィルタ部の利得との和が、前記伝送路における周波数特性が変化しても前記受信信号の周波数にかかわらずほぼ一定となるように、前記受信信号の受信レベルに基づいて前記フィルタ部の利得を調整する利得調整手段と、を備えた、
ことを特徴とするイコライザ回路。 - 前記フィルタ部は、コンデンサと可変抵抗とからなるハイパスフィルタによって構成され、
前記利得調整手段は、前記フィルタ部の可変抵抗の抵抗値を、前記受信信号の信号レベルに基づいて調整することにより、前記フィルタ部の利得を調整するように構成されたものである、
ことを特徴とする請求項1に記載のイコライザ回路。 - 前記利得調整手段は、
予め設定された電圧を分圧する抵抗値が可変の抵抗を有し、前記抵抗で分圧した分圧電圧を生成する電圧生成手段と、
前記電圧生成手段が生成した分圧電圧と前記受信信号の信号レベルとを比較する電圧比較手段と、
前記電圧比較手段が比較する分圧電圧と前記受信信号の信号レベルとがほぼ等しくなるように前記電圧生成手段の前記可変抵抗の抵抗値を調整し、調整した抵抗値となるように、前記可変抵抗の抵抗値を調整する抵抗値調整手段と、を備えたものである、
ことを特徴とする請求項2に記載のイコライザ回路。 - 前記フィルタ部は、可変容量コンデンサと抵抗とからなるハイパスフィルタによって構成され、
前記利得調整手段は、前記フィルタ部の可変容量コンデンサの容量値を、前記受信信号の信号レベルに基づいて調整することにより、前記フィルタ部の利得を調整するように構成されたものである、
ことを特徴とする請求項1に記載のイコライザ回路。
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-
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