JP2004172148A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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Abstract

【課題】前面基板と背面基板の静電力及び不均一による騒音及び誤放電を防止できるようにしたプラズマディスプレイパネルを提供する。
【解決手段】背面基板と、背面基板に形成される多数の隔壁と、前面基板と、隔壁と当接する領域に沿って所定の深さの溝を有するように前面基板に形成された誘電層と、誘電層の溝に沿って形成され、互いの両端がそれぞれ共通に連結されるように形成された接地用電極とを含む。それにより、製品の騒音発生を防止し、動作条件を最適化して製品の品質を向上させることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は平板形表示装置、特に、プラズマディスプレイパネルに関する。
プラズマディスプレイパネルと液晶表示装置(LCD)は、平板形表示装置中最も実用性の高い次世代の表示装置として脚光を浴びている。特に、プラズマディプレイパネルは、液晶表示装置より輝度が高く、視野角が広いため、屋外広告塔または、壁かけ用テレビ、劇場用ディスプレイなどのような薄型の大型ディスプレイとしての応用性が高い。
一般的な3電極面放電方式のプラズマディスプレイパネルは、図1aに示すように、互いに対向して設けられた前面基板10と背面基板20とを接合させて構成されている。図1bは図1aのプラズマディスプレイパネルの断面構造を示すものであって、説明の便宜のため背面基板20の面が90°回転されている。
前面基板10は互いに平行に形成されたスキャン電極16,16’とサステイン電極17,17’、そして、スキャン電極16,16’とサステイン電極17,17’を含む前面基板10上に形成された誘電層11と保護膜12より構成されており、背面基板20はアドレス電極22と、アドレス電極22を含む基板全面に形成された誘電体膜21と、各放電セル領域を区分するためにアドレス電極22を間に入れるように誘電体膜21上に形成された隔壁23と、そして、各放電セル内の隔壁23及び誘電体膜21の表面に形成された蛍光体24とで構成されている。そして、前面基板10と背面基板20の間の空間はヘリウム(He)、キセノン(Xe)などの不活性ガスを混合したものを300から700Torr程度の圧力で満たして放電領域としている。
かかる3電極面放電方式のAC型プラズマディスプレイパネルの動作を以下に説明する。
まず、アドレス電極とスキャン電極の間に駆動電圧を印加し、アドレス電極とスキャン電極の間に対向放電を生じさせる。この対向放電によって、放電セル内に注入した不活性ガスが一瞬励起されてから再び基底状態に遷移してイオンが発生し、このとき発生したイオン、或いは準励起状態の原子のうち一部が保護層の表面に衝突する。このような電子の衝突により、保護層の表面から2次的に電子が放出する。そして、2次的に放出した電子がプラズマ状態のガスに衝突して放電を拡散させる。
アドレス電極とスキャン電極の間の対向放電が終わると、各アドレス電極とスキャン電極上の保護層の表面にはそれぞれ反対極性の壁電荷が生成する。
スキャン電極とサステイン電極とに、極性が交互に反対になる放電電圧を持続的に加え、同時にアドレス電極に印加されていた駆動電圧を遮断すると、スキャン電極とサステイン電極間の電位差によって、誘電層と保護層の表面の放電領域で面放電が起こる。このような対向放電と面放電によって、放電セル内部に存在する電子が放電セル内部の不活性ガスに衝突する。その結果、放電セルの不活性ガスが励起して、放電セル内に147nm波長の紫外線が発生する。
このような紫外線がアドレス電極と隔壁の周囲を囲む蛍光体と衝突して、蛍光体が励起される。
このようなプラズマディスプレイパネルは次のような問題点があった。
第一に、プラズマディスプレイパネルに電圧が加えられて動作すると、前面基板と背面基板の間には電界による静電力が発生する。このとき、パネルの内側の場合、スキャン電極とサステーン電極とが交互に形成されているので、静電力が消滅可能であるが、パネルの端部側にはスキャン電極またはサステーン電極のいずれかのみが存在するので、電荷が蓄積し、その蓄積電荷の増加に伴う静電力により、プラズマディスプレイパネル動作時に前面基板と背面基板が振動して、騒音が発生する。
このような騒音は前記理由からパネルの端部側で主に発生するが、パネルの内側でも一部の消滅されない静電力によって発生することがある。
第二に、前面基板と背面基板とを結合するための結合用物質の塗布時、均一の厚さに塗布できず、また、結合工程の間、前面基板と背面基板を固定させるために各方向から圧力を加えるが、その固定するためのホルダー間の圧力が均一ではないので、結合後に前面基板と背面基板との間隔が均一にならず、騒音発生や誤放電をもたらす。
従って、本発明は前面基板と背面基板の静電力及び間隔の不均一による騒音及び誤放電を防止できるようにしたプラズマディスプレイパネルを提供することが目的である。
上記目的を達成するための本発明のプラズマディスプレイパネルの第1実施態様は、背面基板と、その背面基板に形成される隔壁と、前面基板と、隔壁と当接する領域に沿って所定の深さの溝を有するように前記前面基板に形成された誘電層と、そして、誘電層の溝に沿って形成され、互いの両端がそれぞれ共通に連結された多数の接地用電極とを含むことを特徴とする。
また、本発明のプラズマディスプレイパネルの第2実施態様は、前面基板と、背面基板と、前面基板と背面基板との間に各放電セルを区分するための隔壁とを含み、前面基板または背面基板のうち何れか一つの所定の領域に結合用物質を塗布して前面基板と背面基板とを結合したプラズマディスプレイパネルである。その特徴は、前面基板または背面基板の何れか一方の結合用物質塗布領域を中心に互いに対向し、所定の長さ及び幅を有し、同じ高さで形成された支持部材対が前記結合用物質塗布領域に沿って所定の間隔をおいて多数形成したことである。
本発明によるプラズマディスプレイパネルは、支持部材を用いて結合工程後フリットの厚さを均等に維持させるので、前面基板と背面基板が均一の間隔を維持して、消音及び誤放電の発生などを防止し且つ、製品の信頼性を向上できるという効果がある。
また、接地電極を形成させると、静電気の原因となる電荷を除去することができるので、静電気の発生による不具合を一掃することができる。
以下、本発明によるプラズマディスプレイパネルの第1、第2実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
本発明によるプラズマディスプレイパネルの第1実施形態を図2に示す。図示のように、本実施形態は、従来同様、前面基板31と背面基板36とを有し、背面基板36から前面基板に向かって突出し、放電領域を区分する隔壁35を備えている。前面基板31にはその内側表面に誘電層32を有しているが、本実施形態ではその誘電層の隔壁の先端に位置する箇所に所定の深さの溝を形成させている。そして、その誘電層32の溝の底の部分に第1接地用電極34が配置されている。前面基板31には第1接地用電極34の両端とそれぞれ連結されるように形成された第2接地用電極33(断面図の特性上、図2に図示せず、図3に図示)が設けられている。
前面基板31の構造を図3を参照してさらに詳細に説明する。
図3は説明の便宜上前面基板31をひっくり返して示したものである。前面基板31の内側表面に形成された誘電層32には隔壁35が当接する位置に溝34が形成されるが、この溝は隔壁35の先端部を差し込むことができる幅とされている。このように、隔壁の先端部を前面基板の誘電層に形成させた溝に挿入すると、固定性及び結合性が向上し、動作時パネルの振動による騒音を防止することができる。
前記のように溝の底、すなわち内部に第1接地用電極34が配置されている。いうまでもなく第1接地電極34の厚さは溝の深さよりも薄く、電極34があっても溝に隔壁35の先端部を挿入できるようになっている。前記のように、この第1接地電極34はそれぞれの隔壁の箇所に形成されるが、その全てが第2接地電極33により共通に接続される。このように接地することで、パネル製造後の正常動作時、隔壁35に誘起されて静電力を発生させ、それに伴うパネル振動により騒音を発生させる電流(電荷)成分を除去させることができる。
次いで、誘電層32の各溝の両端はパネルの端部側部分であって、スキャン電極またはサステーン電極のいずれか一方のみが存在しているだけであるので、前記のように余分な電流成分が残るが、その残留する電流成分を接地させると共に、第1接地用電極34の両端をそれぞれ共通に連結して、第1接地用電極34を介した電流成分を接地させるための第2接地用電極33が第1接地電極と電気的に連結されるように配置されている。本実施形態では、図示のように誘電体層の外側から内側に一部が乗り、誘電層32の端部を囲むように断面L字状に形成されている。
このように構成された本実施形態によるプラズマディスプレイパネルの製造工程を以下に詳く説明する。
まず、前面基板31の所定領域にスキャン電極とサスティン電極とをを形成する。
そして、それらの電極を含む前面基板31の所定領域に誘電層32を所定の厚さに形成する。
次いで、誘電層32の領域のうち、隔壁35と当接する位置の領域をエッチングして、隔壁35の先端を挿入できるような所定の深さの溝を形成する。
そして、溝内に所定の厚さ、即ち、溝の深さに比べて小さい厚さで第1接地用電極34を形成する。このとき、第1接地用電極34は誘電層32に蓄積される電荷を接地させるための構成であるので、誘電層32と接触するように隔壁35の上部に形成することもできる。
次いで、誘電層32の両端に、第1接地用電極34の一端と共通に連結され、誘電層32の端部を囲むように、互いに対応して断面L字状の第2接地用電極33を形成して前面基板の製造が完了する。
このとき、プラズマディスプレイパネルで最も騒音が発生する領域はパネルの周辺部分である。パネルの周辺部分はスキャン電極とサステーン電極とが交互となる形態ではなく、何れか一方のみが引き出されて存在するので、ここに電荷が蓄積され、それによる静電力によってパネルが振動して騒音が発生する。従って、第2接地用電極33が誘電層の端部すなわち周辺に沿って配置されるので、パネル周辺部分の静電力を除去するので、第1接地用電極34を形成せず、第2接地用電極33のみ形成しても消音防止の効果を期待できる。本実施形態では第1接地用電極34を介しても静電力を除去している。
そして、従来と同様にアドレス電極や各放電セルを区分するための隔壁35及び蛍光層(図示せず)などを背面基板36に形成して背面基板製造を完了し、前面基板と背面基板とを結合した後、排気ホールを介して放電ガスを注入し、排気ホールをチップオフしてプラズマディスプレイパネルの製造を完了する。
このように、本実施形態によるプラズマディスプレイパネルは誘電層32に溝を形成し、誘電層32の両端を第2接地用電極33を介して囲むようにすることで、隔壁35と前面基板との結合性及び固定性を向上させ、電源印加時に隔壁35を介して誘起される電流成分を第1接地用電極34及び第2接地用電極33を介して接地させる。
従って、本実施形態によるプラズマディスプレイパネルは前面基板の構造改善を通じて隔壁の固定性及び結合性を向上させ、接地用電極を用いて、隔壁を介して誘起され前面基板と背面基板間で静電力を引き起こす不必要な電流成分を接地させるので、前面基板と背面基板の振動による製品の騒音発生を防止し且つ動作条件を最適化して、製品の品質を向上させ得るという効果がある。
上述した本発明によるプラズマディスプレイパネルの第1実施形態は、誘電層に溝を形成する構成と、接地用電極を形成する構成とを同時に採用することで本願発明の目的を達成し、その効果を極大化するための一つの実施形態を記述している。溝を形成する構成のみを採用しても、隔壁の固定性及び結合性を向上させることにより、主目的であるパネル動作時の騒音発生を防止することができる。また、設置用電極を形成させた構成のみを採用しても、前面基板と背面基板の振動をもたらす静電力を除去することができるので、パネル動作時の騒音発生を防止できる。したがって、本発明は、溝を形成させることと、接地用電極を設けることとを同時に実施しなければならないわけではなく、それぞれの技術構成を別々に採用することが可能であることに注意すべきである。
(第2実施形態)
本発明によるプラズマディスプレイパネルの第2実施形態の構造を図4に示してある。これから説明する図示された構造を除いて特に説明しないが、従来の図1a、1bの構成と同じである。また、同様に前記した第1実施形態に第2実施形態を組み合わせても良い。本実施形態は、図示のように背面基板46の周辺部のフリット塗布領域を中心にその両側に支持部材45を対向して配置してある。この支持部材45は、フリット塗布領域に沿って全体的に設けても良いが、図示のように所定の間隔をおいて複数個形成するのが望ましい。この支持部材45は前面基板41と背面基板46とを結合させるとき、フリットの厚さを一定に維持させ、結合した前面基板と背面基板の間隔を均一化するためである。
この支持部材45は隔壁(図1a及び図1bの図面符号23、図2の図面符号35)と同一物質を使用しても良く、又は結合用ホルダーにより加えられる圧力で変形しない物質ならどのようなものでも使用可能である。印刷技法などによって形成される。
また、各支持部材45は、その間に塗布するフリットの厚さが均一となるように同一の厚さで形成され、他の部分より厚く塗布されたフリットが均等に広がり、超過したフリットが外部へ出るように、長さ方向に所定の距離だけ離して形成される。この間隔は単にフリットを出すためだけであるので、各支持部材45離隔距離が同一である必要はない。。
このように前面基板41と背面基板46の構造が完成すると、前面基板41と背面基板46とを結合する。そのとき、支持部材45で囲まれた空間にフリットを塗布し、多数のニッパー状ホルダーを使用して前面基板41と背面基板46を固定させた後、塑性過程を行う。このとき、同一厚さの支持部材45がフリットを囲み、各支持部材45は互いに所定の距離だけ離隔しているので、あるフリット塗布領域に他の領域より多くのフリットが塗布されても、少量に塗布された所へ広がるか、さらに余分な場合には離隔した部分を介して出されるので、全体のフリットの厚さは均等になる。従って、結合工程の完了後、前面基板41と背面基板46は全領域で均一な間隔を維持することになる。
このような本発明の実施形態は、過多量のフリットが均等になるように迅速に出すことができるように離隔部分を多く形成することで、同一間隔維持の性能を極大化することができる。
しかし、図示の実施形態は最適の場合を示すもので、支持部材45の厚さが均一であり且つ過度量のフリットを出させるための離隔部分が存在するという条件さえ満足すれば、支持部材45の数の調整または多少の形態変化なども可能である。
即ち、前面基板41、背面基板46に係わらず、前記ホルダーにより加えられる圧力に対応して同一間隔を維持できるような適正位置(例えば、四つの角部)に形成することも可能である。
また、支持部材45はフリット塗布領域、即ち、実際の画面表示領域の外側に形成されるので、前面基板41や背面基板46の何れか一方、または前面基板41及び背面基板46の双方に形成できる。
一般的なプラズマディスプレイパネルの構造を示す斜視図及び断面図。 一般的なプラズマディスプレイパネルの構造を示す斜視図及び断面図。 本発明の第1実施形態によるプラズマディスプレイパネルの構造を示す断面図。 図2の前面基板の構造を詳細に示す平面図及び斜視図。 本発明の第2実施形態によるプラズマディスプレイパネルの構造を示す斜視図。
符号の説明
31…前面基板、32…誘電層、33…第2接地電極、34…第1接地電極、35…隔壁、36…背面基板。

Claims (10)

  1. 背面基板と、
    前記背面基板に形成される隔壁と、
    前面基板と、
    前記前面基板領域のうち前記隔壁と当接する領域に沿って所定の厚さの溝を有するように形成された誘電層と
    を含むプラズマディスプレイパネル。
  2. 背面基板と、
    前記背面基板に形成される隔壁と、
    前面基板と、
    前記前面基板に交互に形成されたスキャン電極及びサステーン電極と、
    前記スキャン電極及びサステーン電極を含む前面基板に形成された誘電層と、
    前記スキャン電極またはサステーン電極と垂直方向に前記誘電層の周辺部に形成された接地用電極と
    を含むプラズマディスプレイパネル。
  3. 前記接地用電極の厚さが少なくとも前記誘電層の厚さ以上である請求項2記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 前記接地用電極の一部が前記誘電層を囲むように形成された請求項2記載のプラズマディスプレイパネル。
  5. 背面基板と、
    前記背面基板に形成される隔壁と、
    前面基板と、
    前記前面基板に交互に形成されたスキャン電極及びサステーン電極と、
    前記スキャン電極及びサステーン電極を含む前面基板に形成された誘電層と、
    前記隔壁と前記誘電層領域の前記隔壁に当接する領域との間に形成されるとともに、互いの両端がそれぞれ共通に連結された接地用電極と
    を含むプラズマディスプレイパネル。
  6. 前記接地用電極が誘電層領域の前記隔壁と当接する領域に形成された第1接地用電極と、
    前記第1接地用電極の両端とそれぞれ連結されるように前記前面基板上に形成された第2接地用電極と
    を含む請求項5記載のプラズマディスプレイパネル。
  7. 前記第1接地用電極が前記隔壁上部に形成される請求項6記載のプラズマディスプレイパネル。
  8. 前記第1接地用電極が前記誘電層領域のうち前記隔壁と当接する領域に形成される請求項6記載のプラズマディスプレイパネル。
  9. 前記第2接地用電極の厚さが少なくとも前記誘電層の厚さ以上である請求項6記載のプラズマディスプレイパネル。
  10. 前記第2接地用電極の一部が前記誘電層を囲むように形成された請求項6記載のプラズマディスプレイパネル。
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