JP2004171804A - 外部電極用導電性ペースト、その製造方法、及びセラミック電子部品 - Google Patents

外部電極用導電性ペースト、その製造方法、及びセラミック電子部品 Download PDF

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Takahiro Washimi
高弘 鷲見
Tetsuya Tomita
哲弥 冨田
Satoru Noda
悟 野田
Kunihiko Hamada
邦彦 浜田
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Abstract

【課題】信頼性が高く、かつ、その表面に均一なめっき膜を形成することが可能な外部電極を形成することが可能な外部電極用導電性ペースト及びその製造方法、ならびにセラミック電子部品を提供する。
【解決手段】導電性粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルとを含有する外部電極用導電性ペーストにおいて、末端官能性高分子物質を表面に吸着させたガラスフリットを用いる。
末端官能性高分子物質の量を、ガラスフリット100重量部に対して、0.01〜3重量部の割合とする。
末端基が、カルボキシル基又はアミノ基である末端官能性高分子物質を用いる。
導体ペーストとガラスペーストを混合することにより得られるペーストを加熱エージング処理する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、セラミック電子部品の外部電極を形成するのに用いられる外部電極用導電性ペースト、その製造方法、及びセラミック電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話や小型電子機器の普及に伴い、小型のセラミック電子部品の需要が高まっている。このようなセラミック電子部品の外部電極形成方法としては、例えば、導電性粉末とガラスフリットと有機ビヒクルを配合してなる導電性ペースト(外部電極用導電性ペースト)を、セラミック電子部品素子に塗布し、乾燥した後、焼成し、めっきを施すことにより外部電極を形成する方法が広く用いられている。
【0003】
ところで、外部電極用導電性ペーストを製造する方法として、従来から、導電性粉末とガラスフリットと有機ビヒクルとを三本ロールなどの混合装置を用いて混合することにより外部電極用導電性ペーストを製造する方法が広く用いられている。しかしながら、この方法によって得られた外部電極用導電性ペーストにおいては、ガラスフリットの良好な分散状態を確保することが困難であるという問題点があり、また、導電性粉末の分散状態が経時的に劣化するという問題点がある。
【0004】
前者の問題点は、ガラス表面が水酸基などの親水性基を有しているために、有機ビヒクルとの濡れ性が極めて悪いことから生じるものと考えられる。そのため、例えば、三本ロールによる分散回数を増やすなどの対策を施しても、外部電極用導電性ペースト中に不均一にガラスフリットの塊が存在する場合が多く、後の焼成工程において電極表面にガラスが浮き易くなり、続くめっき処理工程において電極表面に均一なめっき膜を形成することができなくなるという問題点がある。
【0005】
また、後者の問題点は、導電性粉末の比重が大きいために起きるものと考えられる。すなわち、導電性粉末は分散直後から時間の経過とともに徐々に凝集し、焼成時における電極膜密度が低下する。そのため、めっき工程においてめっき液が電極膜中に浸入し易くなり、電極信頼性が低下するという問題点がある。
【0006】
このような問題点を解決するために、導電性粉末、ガラスフリット、有機ビヒクルとを混合する際に、分散剤を添加する方法が提案、実施されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0007】
また、本願出願人は、適度な粘度を有し、無機フィラーの沈降や凝集を抑制することが可能で、塗布時のハンドリング性にも優れた導電性ペースト、及び該導電性ペーストを用いて形成された電極を備えた信頼性の高いセラミック電子部品を提供することを目的として特許出願をしている(先行出願1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−25337号公報
【特許文献2】
特開2001−67951号公報
【先行出願1】
特願2002−190272号
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1や2の方法では、分散剤がガラスフリットの表面だけでなく、導電性粉末の表面にも吸着されるために、ガラスフリットの良好な分散状態を確保することができなかったり、導電性粉末の比重が大きいために、分散剤を吸着させても導電性粉末どうしの経時的な凝集を避けることが困難であったり、さらには、導電性粉末表面に吸着された分散剤により、導電性粉末表面から金属錯体もしくは金属塩の形で金属が溶出し、導電性粉末やガラスフリットの凝集が促進されたりして、後のめっき工程において電極膜中にめっき液が浸入し易くなり、電極信頼性が低下するという問題点がある。
【0010】
さらに、一般に用いられる分散剤は、高分子側鎖に吸着性官能基を有する場合が多く、このようなタイプの分散剤を用いた場合、外部電極用導電性ペーストが増粘し、ハンドリング性が損なわれるばかりでなく、均一な電極膜を得ることができなくなるという問題点がある。
【0011】
また、先行出願1の導電性ペーストでは、導電性粉末などの固形物の表面に吸着される両末端官能性高分子物質により、導電性粉末などの個々の固形物間に弱い三次元架橋構造が形成され、凝集の経時的な進行が抑制されるため、長期間にわたって安定した膜形状と電極の緻密性が保たれ、結果的に高い電極性能信頼性を実現することが可能になるが、まれにガラスフリットや導電性粉末の分散性などが問題になる場合もあり、無機フィラーの沈降や凝集をさらに確実に抑制することが可能な導電性ペーストが望まれているのが実情である。
【0012】
本願発明は、上記問題点を解決するものであり、ガラスフリットや導電性粉末の分散性及び分散状態の安定性に優れ、緻密で、表面に均一なめっき膜を形成することが可能な信頼性の高い外部電極を形成することができる外部電極用導電性ペースト、その製造方法、及びセラミック電子部品を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、ガラスフリット表面にのみ末端官能性高分子物質を吸着させておく工程を経ることにより、ガラスフリットの分散性が向上し、かつ、加熱エージング処理工程を経ることによって、導電性粉末の分散状態を長期間にわたって安定化させ、電極信頼性を長期間維持することが可能になることを知り、さらに実験、検討を行って本願発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本願発明(請求項1)の外部電極用導電性ペーストは、
導電性粉末と、
末端官能性高分子物質を表面に吸着させたガラスフリットと、
有機ビヒクルと
を含有することを特徴としている。
【0015】
導電性粉末とガラスフリットと有機ビヒクルとを含有する外部電極用導電性ペーストにおいて、末端官能性高分子物質を表面に吸着させたガラスフリットを用い、このガラスフリットを導電性粉末及び有機ビヒクルと配合してペースト化することにより、ペースト中におけるガラスフリットの分散性を向上させることが可能になり、ひいては、導電性粉末の分散性を阻害することを抑制することが可能になる。したがって、この外部電極用導電性ペーストを用いて外部電極を形成することにより、緻密で、その表面に均一なめっき膜を形成することが可能な信頼性の高い外部電極を効率よく形成することが可能になる。
【0016】
また、請求項2の外部電極用導電性ペーストは、前記末端官能性高分子物質の量が、ガラスフリット100重量部に対して0.01〜3重量部であることを特徴としている。
【0017】
末端官能性高分子物質の量を、ガラスフリット100重量部に対して0.01〜3重量部の割合とすることにより、確実にガラスフリットの分散性を向上させることが可能になり、本願発明をより実効あらしめることができる。
【0018】
また、請求項3の外部電極用導電性ペーストは、前記末端官能性高分子物質の末端基が、カルボキシル基又はアミノ基であることを特徴としている。
【0019】
末端基がカルボキシル基又はアミノ基である末端官能性高分子物質を用いることにより、さらに確実にガラスフリットの分散性を向上させることが可能になり、本願発明をより実効あらしめることができる。
【0020】
また、請求項4の外部電極用導電性ペーストは、前記導電性粉末が銅粉末であることを特徴としている。
【0021】
導電性粉末として銅粉末を用いることにより、ガラスフリットの分散性のみではなく、導電性粉末の分散性にも優れた外部電極用導電性ペーストを得ることが可能になり、この外部電極用導電性ペーストを用いて外部電極を形成することにより、緻密で、その表面に均一なめっき膜を形成することが可能な、電極信頼性の高い外部電極を効率よく形成することができるようになる。
【0022】
また、本願発明(請求項5)の外部電極用導電性ペーストの製造方法は、
導電性粉末と有機ビヒクルとを混合して導体ペーストを調製する工程と、
ガラスフリットと末端官能性高分子物質と有機ビヒクルとを混合してガラスペーストを調製する工程と、
前記導体ペーストと前記ガラスペーストを混合して導電性ペーストを調製する工程と、
前記導電性ペーストを加熱エージング処理する工程と
を具備することを特徴としている。
【0023】
導電性粉末と有機ビヒクルを混合して調製した導体ペーストと、ガラスフリットと末端官能性高分子物質と有機ビヒクルを混合して調製したガラスペーストを混合して得られる導電性ペーストを加熱エージング処理することにより、外部電極用導電性ペースト中のガラスフリット及び導電性粉末の分散状態を長期間安定化させることが可能になり、この外部電極用導電性ペーストを用いて外部電極を形成することにより、信頼性を長期間維持することが可能な外部電極を確実に形成することが可能になる。
【0024】
また、本願発明(請求項6)のセラミック電子部品は、
請求項1〜4のいずれかに記載の導電性ペーストの焼結体からなる外部電極を備えていることを特徴としている。
【0025】
本願発明のセラミック電子部品は、請求項1〜4のいずれかに記載の導電性ペーストの焼結体からなる、緻密で、その表面に均一なめっき膜を形成することが可能な電極信頼性の高い外部電極を備えており、所望の特性を有し、かつ、高い接続信頼性や実装信頼性を実現することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本願発明の外部電極用導電性ペーストは、ガラスフリット表面にのみ、末端官能性高分子物質が吸着しており、この末端官能性高分子物質は有機ビヒクルと馴染みが良好で、ガラスフリットの分散状態を良好に保つことができることから、均一なめっき膜を形成することが可能になる。
【0027】
さらに、導電性粉末と有機ビヒクルとを混合して調製した導体ペーストと、ガラスフリットと末端官能性高分子物質と有機ビヒクルとを混合して調製したガラスペーストを混合して調製した導電性ペーストを加熱エージング処理するようにした場合、ガラスフリットの分散状態とともに導電性粉末の分散状態を長期間安定化させることが可能になり、電極信頼性を長期間維持することが可能になる。
【0028】
本願発明の外部電極用導電性ペーストにおいて用いられる末端官能性高分子物質は、高分子鎖の末端に官能基を有する物質であり、この末端官能基がガラスフリット表面に吸着することで、ガラスフリットの有機ビヒクルに対する濡れ性が著しく向上し、ガラスフリットのペースト中での分散状態を良好に保つことが可能になる。
この末端官能性高分子物質の官能基としては、例えば、カルボキシル基、無水酢酸基、メルカプト基、水酸基、アルデヒド基、アミド基、アミノ基、シアノ基、及び前記官能基を有する芳香族基、ならびに前記官能基を有する炭化水素鎖などを挙げることができる。特に、カルボキシル基や無水酢酸基のような酸性官能基及びアミノ基のような塩基性官能基はガラスフリット表面と強い親和性を有するために好適に用いられる。
【0029】
また、末端官能性高分子物質の重量平均分子量に特別の制約はないが、通常は重量平均分子量が500〜50000の範囲のものを用いることが好ましい。重量平均分子量が500未満の場合、ガラスフリットの良好な分散状態を確保しにくくなる傾向にあり、重量平均分子量が50000を超える場合には、末端官能性高分子物質のペースト中への拡散及びガラスフリット表面への吸着に時間がかかり、ガラスフリットの良好な分散状態を確保することが困難になったり、初期のレオロジー特性が不安定になったりする傾向があり、好ましくない。
【0030】
また、末端官能性高分子物質中の酸塩基量の総和は、特に限定されるものではないが、通常5μmol/g以上であることが好ましい。酸塩基量の総和が5μmol/g未満の場合、ガラスフリット表面との酸塩基相互作用力が弱いため、ガラスフリット表面への吸着に時間を要し、ガラスフリットの良好な分散状態を確保することが困難になったり、初期のレオロジー特性が不安定になったりするなどの傾向があり、好ましくない。
【0031】
なお、ここでいう末端官能性高分子物質の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーにより標準ポリスチレン換算で算出した値を指す。また、末端官能性高分子物質中の酸量は、末端官能性高分子物質とカリウムメトキシドとを反応させ、その中和に使用したカリウムメトキシド量を指し、塩基量は、末端官能性高分子物質と過塩素酸とを反応させ、その中和に使用した過塩素酸量を指す。
【0032】
本願発明で用いられる末端官能性高分子物質の種類には、特に制約はなく、例えば、脂肪酸誘導体、アクリル系重合体、ポリエーテル系重合体、ポリエステル系重合体、ポリアミド重合体などの公知の高分子骨格を有する種々の高分子物質を用いることができる。特に、安価で熱分解特性に優れる脂肪酸誘導体やアクリル系重合体が好適に用いられる。また、末端官能性高分子物質の合成方法は特に限定されるものではなく、公知の種々の合成方法を用いることができる。
【0033】
さらに、本願発明の外部電極用導電性ペーストにおける末端官能性高分子物質の配合量は特に限定されるものではないが、ガラスフリット100重量部に対して0.01〜3.00重量部であることが好ましい。配合量が0.01重量部未満の場合、ガラスフリットの良好な分散状態を確保しにくくなる傾向があり、配合量が3.00重量部を超える場合には、過剰量の末端官能性高分子物質が導電性粉末表面に吸着して経時的に導電性粉末表面を溶出させ、かえって、ガラスフリットや導電性粉末の凝集を促進させることとなり、電極信頼性が経時低下し易くなる傾向がある。
【0034】
本願発明に用いる導電性粉末としては、銅やニッケルなどの卑金属粉末、銀やパラジウムなどの貴金属粉末、及び表面に上記金属の被覆層を有する粉末などが挙げられ、これら導電性粉末は単独で、又は二種類以上組み合わせて使用することが可能である。特に、高導電性でありながら比較的安価である銅は導電性粉末として好適である。また、導電性粉末の形態は、特に限定されるものではなく、球状、不定形、フレーク状、偏平状などの種々の形態のものが用いられる。さらに、導電性粉末の酸化を防止するために、必要に応じて、公知の酸化防止処理をした導電性粉末を用いてもよい。
【0035】
また、本願発明に用いるガラスフリットの種類には特に制約はなく、例えば、ホウ酸シリカ系ガラス類、ホウ酸亜鉛系ガラス類などの公知の外部電極用ガラスフリットが用いられる。また、ガラスフリットの形態は、特に限定されるものではなく、球状、不定形、フレーク状、偏平状などの形態のものが用いられる。
【0036】
また、本願発明の外部電極用導電性ペーストにおいて用いられる有機ビヒクルは、中性高分子物質と有機溶媒を主たる成分とするものである。中性高分子物質とは、前述の末端官能性高分子物質の酸塩基量測定と同様の方法で求めた酸塩基量の総和が5.0μmol/g以下である物質を指す概念である。したがって、酸塩基量の総和が5.0μmol/g以下であれば、中性高分子物質は、側鎖又は末端に任意の官能基を有していてもよい。中性高分子物質の酸塩基量の総和が5.0μmol/gを超える場合、増粘やゲル化が起き易くなる傾向にある。
また、中性高分子物質の重量平均分子量に特別の制約はないが、通常は重量平均分子量が50000〜1000000の範囲のものを用いることが望ましい。重量平均分子量が50000未満の場合、十分な乾燥塗膜強度を得ることが困難になる傾向にあり、重量平均分子量が1000000を超える場合、ペースト粘度が高くなりハンドリング性が損なわれたり、ペーストの糸引き性が高くなったりして、均一な電極膜を得ることが困難になる傾向がある。
【0037】
さらに、本願発明の外部電極用導電性ペーストにおける中性高分子物質の配合量は、特に限定されるものではないが、外部電極用導電性ペースト100重量%中3.0〜10.5重量%の範囲にあることが好ましい。配合量が3.0重量%未満の場合、乾燥塗膜強度が不十分になる傾向にあり、中性高分子物質の配合量が10.5重量%を超える場合には、焼成過程で亀裂を発生させたり、導電性粉末間の焼結を妨げて電極の緻密性を低下させたりして、電極信頼性を損なう傾向がある。
【0038】
また、中性高分子物質の構造は、特に限定されるものではなく、公知の合成高分子物質や天然高分子物質を用いることが可能である。例えば、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アルキド樹脂、セルロース系樹脂などを挙げることができるが、比較的広範な溶剤に可溶であることや熱分解性に優れることからアクリル系樹脂が特に好適に用いられる。
【0039】
また、有機ビヒクルを構成する有機溶媒は、中性高分子物質を溶解せしめることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ヘキサン、デカン、テレピン油などの脂肪族炭化水素類、ベンジルアルコール、ターピネオールなどのアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどの多価アルコール類、乳酸ブチルなどのエステル類、ケトン類、エーテル類、アセタール類、カルボン酸類、フェノール類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類、フッ素化合物類などを使用することができる。また、これらの有機溶媒は単独で、又は二種類以上混合して用いることが可能である。
【0040】
本願発明の外部電極用導電性ペーストは、導電性粉末と有機ビヒクルとを混合して導体ペーストを得る工程、ガラスフリットと末端官能性高分子物質と有機ビヒクルとを混合してガラスペーストを得る工程、導体ペーストとガラスペーストとを混合する工程、加熱エージング処理工程を経て製造される。
なお、上記の導体ペーストを得る工程、ガラスペーストを得る工程、及び導体ペーストとガラスペーストとを混合する工程を経るのは、ガラスフリット表面に選択的に末端官能性高分子物質を吸着させるためであり、加熱エージング処理工程を経るのは、導電性粉末の分散状態を安定化させるためである。
【0041】
なお、ガラスペーストを得る工程において、ガラスフリット表面への末端官能性高分子物質の吸着を促進する目的で、必要に応じて加熱エージング処理を行ってもよい。また、導電性粉末を球形状導電性粉末と扁平形状などの異方性導電性粉末との混合系で設計する場合には、導体ペーストを、球形状導電性粉末と有機ビヒクルとからなる球形状導体ペーストと、異方性導電性粉末と有機ビヒクルとからなる異方性導体ペーストとに分割して作製することが好ましい。さらに、必要に応じて、導体ペーストとガラスペーストとを混合する際に、粘度調整の目的で、有機ビヒクルを添加することが好ましい。なお、導体ペーストとガラスペーストとの混合方法には特に制約はなく、ディスパー、ボールミル、三本ロールなどを用いることが可能である。
【0042】
また、導体ペーストとガラスペーストとを混合した後の加熱エージング処理工程における処理温度及び処理時間には、特に制約はなく、外部電極用導電性ペーストの構成にもよるが、通常、35℃から90℃の温度範囲で6時間から240時間処理するのが好ましい。この温度範囲及び処理時間を逸脱した場合、導電性粉末の分散状態が経時変化し、電極信頼性が経時的に低下したり、導電性粉末の分散状態の安定化に時間がかかりすぎて不経済になったりする傾向がある。
【0043】
また、導体ペーストとガラスペーストとを混合した後の加熱エージング処理方法には特に制約はなく、有機溶剤の揮発を防止できる密閉容器中に導体ペーストとガラスペーストとを混合したペースト(外部電極用導電性ペースト)を入れ、熱風乾燥機や恒温浴槽などの温度を管理することが可能な公知の装置を用いて、外部電極用導電性ペーストを全体的に均一に加熱する方法などにより容易に行うことが可能である。
【0044】
また、本願発明のセラミック電子部品は、複数のセラミック層と、セラミック層間に配設された内部電極と、内部電極に電気的に接続された外部電極とを備えており、外部電極が、上述の本願発明(請求項1〜4)の外部電極用導電性ペーストを用いて形成されている。なお、外部電極は、セラミック積層体(積層セラミック電子部品素子)に本願発明の外部電極用導電性ペーストを、公知の方法により、塗布・乾燥・焼成し、焼成後の外部電極表面に必要に応じてめっき処理を施すことにより形成される。
【0045】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本願発明を更に詳細に説明するが、本願発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
外部電極用導電性ペーストの素原料として、表1に示す導電性粉末(銅粉末)、表2に示すガラスフリット(ホウ珪酸系ガラス)、表3に示す中性高分子物質(アクリル系樹脂)、表4に示す末端官能性高分子物質(脂肪酸誘導体又はアクリル系樹脂)を用意した(ただし、表4のFP−4は官能基部位が側鎖である側鎖官能性高分子物質で、他は末端官能性高分子物質)。
【0046】
【表1】
Figure 2004171804
【0047】
【表2】
Figure 2004171804
【0048】
【表3】
Figure 2004171804
【0049】
【表4】
Figure 2004171804
【0050】
なお、表1及び表2の粒子サイズは、エキネン溶媒で、マイクロトラックによって測定したD50値を示している。
また、中性高分子物質及び末端官能性高分子物質の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Waters2690allianceシステム)により標準ポリスチレン換算で測定した結果を示している。重量平均分子量の測定は、テトラヒドロフランを溶離液に使用し、流速1.0ml/分で行い、検出には屈折率計を使用した。
【0051】
さらに、中性高分子物質及び末端官能性高分子物質の酸塩基量は、以下の方法で測定した。
酸量は、高分子物質3gを正確に秤量して30mlのメチルイソブチルケトンで溶解した後、この高分子物質溶液10mlを採取し、メチルイソブチルケトンを加えて全量が50mlの高分子物質希釈溶液を作成し、この高分子物質希釈溶液を0.01Mカリウムメトキシド溶液で滴定し、中和に使用したカリウムメトキシド溶液量から高分子物質の酸量を算出した。
塩基量は、高分子物質3gを正確に秤量して30mlのメチルイソブチルケトンで溶解した後、この高分子物質溶液10mlを採取し、メチルイソブチルケトン/エタノール=4/1混合溶液を加えて全量が50mlの高分子物質希釈溶液を作成し、この高分子物質希釈溶液を0.01M過塩素酸溶液で滴定し、中和に使用した過塩素酸溶液量から高分子物質の塩基量を算出した。
【0052】
そして、上記の中性高分子物質(アクリル系樹脂)をソルフィット/ターピネオール混合溶液に溶解して樹脂濃度25wt%の有機ビヒクル(中性高分子物質溶液)を作製した。
また、上記の末端官能性高分子物質(脂肪酸誘導体又はアクリル系樹脂)をキシレン/ブチルセルソルブ混合溶液に溶解して樹脂濃度50wt%の末端官能性高分子物質溶液を作製した。
【0053】
[実施例1〜4及び比較例1〜4の試料の作製]
まず、表1に示す導電性粉末と上記の有機ビヒクルとを三本ロールを用いて混合し、表5に示す導体ペーストを作製するとともに、表2に示すガラスフリットと、表4に示す末端官能性高分子物質と、上述の有機ビヒクルとを三本ロールを用いて混合し、表6に示すガラスペーストを作製した。
なお、表4のFP−4の末端官能性高分子物質は、官能基部位が側鎖である本願発明の範囲外のものである。
また、表6のGP−4のガラスペーストは表4のFP−4の官能基部位が側鎖である官能性高分子物質を含むものであり、また、表6のGP−5のガラスペーストは末端官能性高分子物質を含まないものであって、いずれも本願発明の範囲外のものである。
【0054】
【表5】
Figure 2004171804
【0055】
【表6】
Figure 2004171804
【0056】
それから、表5に示す導体ペースト、表6に示すガラスペースト、及び上記の有機ビヒクルを、表7に示すような混合比率になるように調合し、三本ロールを用いて十分に混合した。
そして、実施例1〜4及び比較例1及び比較例3の外部電極用導電性ペーストについては、ステンレス製の密閉容器中に移して、40℃の熱風乾燥機中で120時間の加熱エージング処理を行った。一方、比較例2及び比較例4の外部電極用導電性ペーストは、加熱エージング処理を行わずに室温に保管した。
【0057】
【表7】
Figure 2004171804
【0058】
[比較例5の試料の作製]
導電性粉末、ガラスフリット、有機ビヒクル、及び末端官能性高分子物質を、上記実施例2と同一組成になるように乳鉢に計り取った後、三本ロールを用いて各素材料を同時に混合(以下、「同時混合」と略す)した後、ステンレス製の密閉容器中に移し、40℃の熱風乾燥機中で120時間の加熱エージング処理を行い、外部電極用導電性ペースト(比較例5の試料)を得た。
【0059】
[比較例6の試料の作製]
加熱エージング処理を行わないこと以外は、比較例5と同一の方法により、外部電極用導電性ペースト(比較例6の試料)を作製した。
【0060】
[比較例7の試料の作製]
導電性粉末、ガラスフリット、有機ビヒクル、及び末端官能性高分子物質を、上記比較例1と同一組成になるように乳鉢に計り取った後、三本ロールを用いて各素材料を同時混合した後、ステンレス製の密閉容器中に移し、40℃の熱風乾燥機中で120時間の加熱エージング処理を行い、外部電極用導電性ペースト(比較例7の試料)を作製した。
【0061】
[比較例8の試料の作製]
加熱エージング処理を行わなかった以外は、比較例7と同一の方法により、外部電極用導電性ペースト(比較例8の試料)を作製した。
【0062】
[比較例9の試料の作製]
導電性粉末、ガラスフリット、有機ビヒクル、及び末端官能性高分子物質を、上記比較例3と同一組成になるように乳鉢に計り取った後、三本ロールを用いて各素材料を同時混合した後、ステンレス製の密閉容器中に移し、40℃の熱風乾燥機中で120時間の加熱エージング処理を行い、外部電極用導電性ペースト(比較例9の試料)を作製した。
【0063】
[比較例10の試料の作製]
加熱エージング処理を行わなかった以外は、比較例9と同一の方法により、外部電極用導電性ペースト(比較例10の試料)を作製した。
【0064】
上述のようにして作製した実施例1〜4及び比較例1〜10の外部電極用導電性ペーストを室温(25℃)に保管し、粘度、降伏値、表面粗さ(Rz値)、めっき膜の均一性、電極信頼性(めっき液浸入度)の経時安定性を評価した。なお、これらの特性評価は、下記の方法によって行った。
【0065】
粘度特性の経時安定性は、E型粘度計を用いて粘度を測定することにより評価した。粘度測定は、ペースト作製直後と3ヶ月後に行い、3ヶ月後の粘度がペースト作製直後の粘度に対して15%以上増加したものを不合格と判定した。また、ペースト作製直後において、実用に供し得ない程に粘度が高くなったものも不合格と判定した。
なお、ここでいうペースト作製直後とは、加熱エージング処理を行っているペーストについては、加熱エージング処理直後を指し、加熱エージング処理を行っていないペーストについては、三本ロールによる混合終了直後を指す(以下同様)。
【0066】
また、降伏値の経時安定性は以下の方法で評価した。まず、レオメトリック社製の粘弾性測定装置(コーン角0.02rad,コーン直径25mm,ギャップ0.0229mm,25℃)を用い、ズリ速度0s−1から10s−1まで1分間で加速し、次いで10s−1から0s−1まで1分間で減速する。こうして得られたフローカーブのダウンカーブにおいて、8.0s−1から0.2s−1にCasson近似を適用して降伏値を算出した。降伏値測定は、ペースト作製直後と3ヶ月後に行い、3ヶ月後の降伏値がペースト作製直後の降伏値に対して15%以上低下したものを不合格と判定した。
【0067】
また、表面粗さ(Rz値)の経時安定性は以下の方法で評価した。まず、ドクターブレードにて外部電極用導電性ペーストをガラス基板上(50mm角)に50μm厚に塗布し、熱風乾燥機にて150℃で15分間乾燥させる。それから、接触式表面粗さ計にてランダムにプローブし(長さ10mm×12個所)、平均値を表面粗さRz値とした。測定は、ペースト作製直後と3ヶ月後に行い、3ヶ月後のRz値がペースト作製直後のRz値に対して15%以上増加したものを不合格と判定した。
【0068】
めっき膜の均一性の経時安定性は以下の方法で評価した。まず、端面2×2mm角、全長5mmの積層セラミックコンデンサの端面に、ディップ工法にて端面折り返し寸500μm、端面厚100μmになるように塗布し、150℃の熱風乾燥機で15分間乾燥させた。次いで、中性雰囲気中、850℃で焼成した後、ニッケルめっき処理を行った。ニッケルめっき処理後の電極表面を顕微鏡(50倍)観察し、下地の銅の露出が確認されたものを不合格とした。なお、めっき処理は、ペースト作製直後とペースト作製から3ヶ月後に行い、いずれか一方だけでも下地の銅の露出が確認されたものについては不合格とした。
【0069】
電極信頼性の経時安定性は以下の方法で評価した。まず、ドクターブレードにて外部電極用導電性ペーストをアルミナ基板上(10mm角)に250μm厚に塗布し、熱風乾燥機にて150℃で15分間乾燥させた後、中性雰囲気下850℃で焼成した。次いで、これらをニッケルめっき処理し、めっき処理後にエポキシ樹脂に埋め固めた。この樹脂固めしたサンプルを研磨し、アルミナ基板/焼成電極膜断面を露出させ、この断面を金属顕微鏡(1000倍)にて観察した。
なお、電極信頼性評価は、ペースト作製直後とペースト作製から3ヶ月後に行い、焼成電極膜中にニッケル金属が確認されたものを電極信頼性不合格とした。なお、焼成膜表面に亀裂が発生していたものも電極信頼性不合格とした。
【0070】
これら実施例1〜4及び比較例1〜10の外部電極用導電性ペーストの粘度、降伏値、表面粗さ、めっき膜の均一性、及び電極信頼性(めっき液浸入度)の経時安定性評価結果を表8に示す。
【0071】
【表8】
Figure 2004171804
【0072】
表8に示すように、本願発明の実施例1〜4の外部電極用導電性ペーストは、長期間に渡ってレオロジー特性(粘度・降伏値)や分散状態(Rz値)が安定しており、その結果、実施例1〜4の外部電極用導電性ペーストを塗布し、焼成することにより形成された電極にめっきを施した場合における、めっき膜の均一性と電極信頼性を長期間に渡り維持できることが確認された。また、実施例1〜4の外部電極用導電性ペーストのハンドリング性、及び実施例1〜4の外部電極用導電性ペーストを塗布して乾燥させた電極乾燥膜(塗布乾燥膜)の強度は実用に供し得るものであった。
【0073】
一方、本願発明の範囲を逸脱した比較例1〜10の外部電極用導電性ペーストは、レオロジー特性(粘度・降伏値)の経時的な変化や、Rz値の経時的な増加などが発生し、結果として、長期間に渡ってめっき膜の均一性と電極信頼性を維持することが困難で、実用に供し得ないものであることが確認された。さらに、比較例3〜6及び比較例9〜10の3ヶ月間室温保管した外部電極用導電性ペーストは、ペースト上層部に濃緑色液層が確認され、この濃緑色液層を定性分析したところ、銅錯体であることが確認された。これから、経時的に分散剤が銅表面を溶出させていることがわかった。
【0074】
さらに、ペースト作製初期及びペースト作製から3ヶ月間室温で保管した実施例1〜4の外部電極用導電性ペーストを、積層セラミックコンデンサ(外部電極を形成する前のセラミックコンデンサ素子)に塗布、乾燥した後、焼成して外部電極を形成し、その表面にニッケルめっき及びスズめっきを行うことにより積層セラミックコンデンサを作製した。
【0075】
図1は実施例1〜4の外部電極用導電性ペーストを用いて外部電極を形成した積層セラミックコンデンサの概略構成を示す断面図である。この積層セラミックコンデンサは、複数の内部電極3がセラミック層2を介して互いに対向するように配設され、かつ、その一端側が交互に異なる側の端面に引き出されたセラミック素子1の両端側に、内部電極3と導通するように一対の外部電極4,4が配設された構造を有しており、この外部電極4,4は、上述のように本願発明の外部電極用導電性ペーストを塗布、乾燥、焼成することにより形成されている。そして、外部電極4,4の表面にはニッケルめっき膜5及びスズめっき膜6が配設されている。
【0076】
上記の積層セラミックコンデンサについて静電容量を測定した。その結果、ペースト作製初期及びペースト作製から3ヶ月間室温で保管した実施例1〜4の導電性ペーストを用いたいずれの場合にも、目標とする静電容量が得られることが確認された。
【0077】
上記実施例より、本願発明の外部電極用導電性ペーストを用いた場合には、長期間にわたって電極信頼性に優れた外部電極を形成することが可能になり、ひいては信頼性の高い積層セラミックコンデンサが得られることがわかる。
【0078】
なお、上記実施例では、導電性粉末がCu粉末である場合を例にとって説明したが、ニッケルなどの卑金属粉末、銀やパラジウムなどの貴金属粉末などを用いる場合にも本願発明を適用することが可能である。
【0079】
また、上記実施例では、積層セラミックコンデンサの外部電極を形成する場合を例にとって説明したが、本願発明の外部電極用導電性ペーストは、積層セラミックコンデンサに限らず、積層バリスタ、多層基板などの内部に電極を備えた積層セラミック電子部品、内部に電極を備えていないセラミック電子部品であるサーミスタなどの種々のセラミック電子部品の外部電極を形成する場合に広く適用することが可能である。
【0080】
なお、本願発明は、その他の点においても上記実施例に限定されるものではなく、外部電極用導電性ペーストの製造方法の具体的な条件、外部電極用導電性ペーストの組成、本願発明の外部電極用導電性ペーストを用いて外部電極が形成されるセラミック電子部品の構成などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0081】
【発明の効果】
上述のように、本願発明(請求項1)の外部電極用導電性ペーストは、導電性粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルとを含有する外部電極用導電性ペーストにおいて、末端官能性高分子物質を表面に吸着させたガラスフリットを用いるようにしているので、ペースト中におけるガラスフリットの分散性を向上させることが可能になり、ひいては、導電性粉末の分散性を阻害することを抑制することが可能になる。したがって、この外部電極用導電性ペーストを用いて外部電極を形成することにより、緻密で、その表面に均一なめっき膜を形成することが可能な信頼性の高い外部電極を効率よく形成することが可能になる。
【0082】
また、請求項2の外部電極用導電性ペーストのように、末端官能性高分子物質の量を、ガラスフリット100重量部に対して0.01〜3重量部の割合とした場合、確実にガラスフリットの分散性を向上させることが可能になり、本願発明をより実効あらしめることができる。
【0083】
また、請求項3の外部電極用導電性ペーストのように、末端基がカルボキシル基又はアミノ基である末端官能性高分子物質を用いることにより、さらに確実にガラスフリットの分散性を向上させることが可能になり、本願発明をより実効あらしめることができる。
【0084】
また、請求項4の外部電極用導電性ペーストのように、導電性粉末として銅粉末を用いることにより、ガラスフリットの分散性のみではなく、導電性粉末の分散性にも優れた外部電極用導電性ペーストを得ることが可能になり、この外部電極用導電性ペーストを用いて外部電極を形成することにより、緻密で、その表面に均一なめっき膜を形成することが可能な、電極信頼性の高い外部電極を効率よく形成することができるようになる。
【0085】
また、本願発明(請求項5)の外部電極用導電性ペーストの製造方法は、導電性粉末と有機ビヒクルを混合して調製した導体ペーストと、ガラスフリットと末端官能性高分子物質と有機ビヒクルを混合して調製したガラスペーストを混合することにより調製される導電性ペーストを加熱エージング処理することにより、外部電極用導電性ペーストを得るようにしているので、ガラスフリット及び導電性粉末の分散状態を長期間安定化させることが可能になり、この外部電極用導電性ペーストを用いて外部電極を形成することにより、信頼性を長期間維持することが可能な外部電極を確実に形成することが可能になる。
【0086】
また、本願発明(請求項6)のセラミック電子部品は、請求項1〜4のいずれかに記載の導電性ペーストの焼結体からなる、緻密で、その表面に均一なめっき膜を形成することが可能な電極信頼性の高い外部電極を備えており、所望の特性を有し、かつ、高い接続信頼性や実装信頼性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ(セラミック電子部品)の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 セラミック素子
2 セラミック層
3 内部電極
4 外部電極
5 ニッケルめっき膜
6 スズめっき膜

Claims (6)

  1. 導電性粉末と、
    末端官能性高分子物質を表面に吸着させたガラスフリットと、
    有機ビヒクルと
    を含有することを特徴とする外部電極用導電性ペースト。
  2. 前記末端官能性高分子物質の量が、ガラスフリット100重量部に対して0.01〜3重量部であることを特徴とする請求項1記載の外部電極用導電性ペースト。
  3. 前記末端官能性高分子物質の末端基が、カルボキシル基又はアミノ基であることを特徴とする請求項1又は2記載の外部電極用導電性ペースト。
  4. 前記導電性粉末が銅粉末であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の外部電極用導電性ペースト。
  5. 導電性粉末と有機ビヒクルとを混合して導体ペーストを調製する工程と、
    ガラスフリットと末端官能性高分子物質と有機ビヒクルとを混合してガラスペーストを調製する工程と、
    前記導体ペーストと前記ガラスペーストを混合して導電性ペーストを調製する工程と、
    前記導電性ペーストを加熱エージング処理する工程と
    を具備することを特徴とする外部電極用導電性ペーストの製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の導電性ペーストの焼結体からなる外部電極を備えていることを特徴とするセラミック電子部品。
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