JP2004171606A - 高密度磁気記録媒体用ナノコンポジット薄膜の製造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本粒状組織膜においては、磁性結晶粒が非磁性アモルファスマトリックス中に分散され、アニーリング時に結晶粒が成長して大径化することを抑制する粒子閉じ込め材料で各結晶粒が囲まれている。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は基板上に形成される粒状組織膜に関し、より詳細には、データ保存のための磁性粒状組織膜の製造に関する。
【0002】
【従来の技術】
様々な磁性粒状組織薄膜が開発されつつあり、磁気的データ保存に関係する各種アプリケーション用に研究されている。そのようなフィルムは、通常、高保磁率と高残留磁化を有する磁性結晶粒を含むように設計され得る。磁性結晶粒は適当な磁気ヘッドからの磁界と相互作用し、書込み操作時には保存のためのデータを受け取り、また読取り操作時には粒子に従前貯蔵されたデータを出力する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そのような磁性粒状組織膜のための好ましい一材料として、FePt系の磁性薄膜がある。FePt結晶粒ないしFePt結晶粒子は、磁気的データ保存に好適な磁気特性を示す。特に、FePt結晶粒は、非磁性のアモルファスSiNマトリックス中に、FePt結晶粒同士が空間的に互いに離間するように分散されるであろう。このような空間的分離によって、隣り合うFePt結晶粒同士の間の粒子間磁気カップリングによるノイズを減少させることができ、これら膜の磁気記録性能を高めることができる。FePt系の磁性薄膜は、高い保磁率Hc、比較的良好な残留磁化Mr、高い結晶磁気異方性Ku、小さい粒径、良好な耐腐食性、及び高いエネルギー積(BH)maxを有するように設計されるであろう。そのようなFePt系の薄膜は、高密度磁気記録アプリケーションの分野において魅力的な媒体として用いられるであろう。
【0004】
本発明は、非磁性マトリックス中に離間して分散された磁性結晶粒を有する、高密度記録媒体用のコンポジット粒状組織膜を製造するための技法を含む。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の一実施形態によれば、本発明に係る製造方法は次のステップを含む。第一のステップでは、適切な磁性材料と、粒子閉じ込め材料と、非磁性アモルファス材料とを基板にスパッタリングし、粒状組織を有する膜を形成する。この膜中、前記磁性材料の結晶粒は、前記非磁性のアモルファスマトリックス中に分散されている。前記粒子閉じ込め材料は、非磁性材料とすることができるが、その選択に当たっては、該材料が主として磁性結晶粒の粒界に存在して各粒子のサイズを限定し、最終製品膜中において所望の小粒径を達成できるものを選択する。第二のステップでは、第一のステップで得た粒状組織膜を高いアニール温度で選定時間アニーリングし、次いで適切なクエンチ液でクエンチして磁性結晶粒を軟磁性相から所望の磁気特性を有する硬磁性相へと転換させる。
本発明の一様相によれば、アニーリング処理に先立ち、不動態化(passivation)キャップ層を粒状組織膜上に形成し、アニーリング処理中に該膜が酸化されることを防ぐ。SiNyなどの窒化ケイ素やその他の好適な不動態化材料を用いてこの不動態化キャップ層を形成することができる。
【0006】
一実施形態においては、前記磁性材料をFePtとし、前記粒子閉じ込め材料をCrとし、非磁性材料をSi3N4などの窒化ケイ素とする。本発明に係る膜を支持するための基板は、自然酸化されたシリコン基板あるいはガラス基板であり得る。上述の製造プロセスによって得られる、最終製品としてのコンポジット粒状組織膜の特性は各種プロセス・パラメータによって変わり、従って、磁気記録のための所望の膜特性が達成されるFePt系膜を製造するために、プロセス・パラメータの値を例示する。
【0007】
上述の及びその他の特徴、及びこれらに関連する利点を、以下の記載、各請求項及び添付の図面によってより詳しく説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に係る製造技術は、以下に記載する認識にその一部を負うものである。即ち、磁気記録における高保存密度を達成するためには、隣接する磁性結晶粒間の粒子間相互作用と、粒状組織膜中の各磁性結晶粒のサイズとの両者を減少させることが好ましいとの認識である。隣接する磁性結晶粒間の粒子間相互作用は、該磁性結晶粒を、窒化ケイ素等のアモルファス非磁性マトリックス中に、空間的に互いに離間するように分散させることによって減少させることができる。この空間的分離は、粒子間の静磁気的相互作用や隣接磁気結晶粒間の交換相互作用等の粒子間相互作用に起因するノイズを減少させることができる。
【0009】
磁性結晶粒の物理的分離によりノイズを減少させることができる一方、各磁性結晶粒の物理的寸法によってもデータ保存密度が制限される。従って、本発明の他の一様相によれば、粒子閉じ込め材料を粒状組織膜に混合して磁性結晶粒の粒界に存在させ、各磁性結晶粒の成長を抑制する。このように粒子サイズを減少させることによって、所定領域における磁性結晶粒の密度を増加させ、その結果、保存密度を増加させることができる。
【0010】
本発明の更に他の一様相においては、磁気記録用に高い面内保磁率を達成するため、磁性結晶粒の結晶異方性定数は大きいことが要求される。後述するように、上記各材料の相対量、例えば粒子閉じ込め材料の量は、所望の結晶異方性定数を達成するために適切に選択する必要がある。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る高密度磁気的保存のための粒状組織薄膜の製造プロセスステップを示すフローチャートである。粒状組織薄膜の支持に適した基板を選択し膜蒸着用に用意する。とりわけシリコン基板やガラス基板等を用いることができる。ステップ110において、磁性結晶粒形成用磁性材料と、各磁性結晶粒の粒界に存在させる粒子閉じ込め材料と、磁性結晶粒を分散させるアモルファスマトリックス形成用非磁性材料とを基板にスパッタリングし、小粒径の磁性結晶粒を有する第一の軟磁性粒状組織膜を形成する。この軟磁性膜中、各磁性結晶粒は該粒子閉じ込め材料によって分離され、アモルファスマトリックス中に分散する。
【0012】
以下の実施例で記載するように、粒状組織膜の形成に用いられる上記3種類の材料の量比は、形成された膜全体が所望の磁気記録特性を示すよう、適切に設定されなければならない。例えば、粒状組織膜中の粒子閉じ込め材料の量が増加すると磁性結晶粒サイズは減少する。しかし、粒状組織膜中の粒子閉じ込め材料の量が増加するにつれ、該材料は各磁性結晶粒の粒界から結晶粒表面へと拡散して、磁性結晶粒の結晶異方性定数を都合悪く減少させる。また、粒子閉じ込め材料として非磁性様のCrをFePt系膜に用いた場合、粒子閉じ込め材料の量の増加によって、最終製品としての粒状組織膜の飽和磁化Msを都合悪く減少させる。上述のような悪影響を粒子閉じ込め材料の量の増加と比較検討する。従って、粒子閉じ込め材料による効果とこのような悪影響とのバランスを考え、粒子閉じ込め材料の量を最適な値あるいは最適な値に近い値に設定する必要がある。
【0013】
非磁性材料に関していえば、その体積率の増加に伴い、磁性結晶粒サイズは減少する。従って、磁性結晶粒サイズを減少させるためには非磁性材料の体積率を増加させることが好ましい。
【0014】
一方、FePt系膜において実証されているように、粒状組織膜に非磁性材料マトリックスが存在することにより、磁性結晶粒が該マトリックス中に散在し、また空間的に離間して、粒子間カップリングに起因するノイズが減少する。従って、粒状組織膜中の非磁性材料マトリックスの体積率を増加させることによって、粒子間カップリングの強さを有益に低下させることができる。また、粒状組織膜中の非磁性材料マトリックスの体積率をある程度増加させることによって、最終製品としての粒状組織膜の飽和磁化を有益に高めることができる。この点に関しては、非磁性材料マトリックスの体積率が最適値にある場合、飽和磁化は最大となり、その体積率が最適値を超えて増加するにつれ、飽和磁化は減少する。
【0015】
更に、粒状組織膜中の非磁性材料マトリックスは保護効果(protective effect)をも発揮する。即ち、該マトリックスによって、アニーリングプロセス等における高温条件下での磁性結晶粒と下地基板との好ましくない反応を有利に抑えることができる。この反応による望ましくない影響の一例として、飽和磁化の低下が挙げられる。非磁性材料マトリックスによって最終製品としての粒状組織膜の飽和磁化が希釈される場合もあるので、該膜中の該マトリックスの体積率は最適値を有する。この体積率が最適値よりも小さい場合、体積率の増加に伴って飽和磁化は高まるが、体積率が最適値を超えると、体積率の増加に伴って飽和磁化は低下する。
【0016】
粒状組織膜の形成に用いる上記3種類の材料の量比によって上述のように様々な影響が及ぼされることから、良好な効果をもたらすためには各材料の量を適切に設定する必要がある。これら材料の好ましい量比を設定するに当たっては、最終製品としての粒状組織膜の特性に及ぼす全ての影響を考慮しなければならない。また、粒状組織膜の特性は各種プロセス・パラメータによっても変わる。幾つかの例を挙げながら、図1に示す製造方法を実施する上での量比について以下に記載する。FePt膜におけるFe:Pt:Crの比率の好ましい範囲の一例は、約45:54:1〜約41:34:25であり、好ましくは45:45:10であることが見出された。FePtCr:SiNの体積率は、約90:10〜約50:50の範囲であり、好ましくは約85:15である。
【0017】
図1に示すステップ110において、スパッタリングはArガスで満たされた真空チャンバ内で行い得る。電極をこのチャンバ内に入れ、チャンバ内に電界を形成しArガスをイオン化してArプラズマを生成する。Arプラズマ中の荷電Arイオンは加速され、カソード表面に衝突する。カソード表面にはターゲット材料、即ち、磁性材料、粒子閉じ込め材料及び非磁性材料が置かれている。このターゲット材料へのArイオン衝撃によって、ターゲット材料はカソード表面近傍に置かれた基板上にスパッタされ、粒状組織膜を形成する。基板温度とAr圧力は、このスパッタリングプロセスを制御するための重要なパラメータである。Arガス圧力が取り得る範囲は約0.3mTorr〜約20mTorrであり、好ましくは約7mTorrであることが判明した。基板温度は、約45℃よりも低い比較的低温、好ましくは約25℃、に設定することができ、所望の特性を有する粒状組織膜が生成される。
【0018】
本発明の製造方法に適したスパッタリングシステムとして、磁界をカソードの周囲に生成し電子捕捉効果を高める、マグネトロンスパッタリングシステムを用いることができる。このようなスパッタリングシステムによって、高い蒸着速度を達成することができる。このマグネトロンスパッタリングシステムは、実施に際して電極間にDC電界又はRF電界を用いてプラズマを生成することができる。
【0019】
スパッタリングプロセスによって形成された粒状組織膜中の磁性結晶粒は、通常軟磁性相を呈する。従って、追加の処理操作を行い磁性結晶粒をデータ保存のために硬磁性相へと転換させる。本明細書に記載の実施形態においては、ステップ120として示すアニーリングと、ステップ130としてに示すクエンチングを用いてこの転換を達成する。アニーリングは通常高温で行う。軟磁性相を呈する粒状組織膜の好ましくない酸化を防ぐために、アニーリングに先立ち、この軟磁性膜上に不動態化層を形成する。本発明においては、窒化ケイ素(例えば、SiNy)等の各種不動態化材料を用いることができる。
【0020】
ステップ120において、粒状組織膜を真空下、所定のアニール温度で適当な時間アニーリングする。非磁性材料マトリックスの存在により、特にアニーリング中に磁性結晶粒の粒界に粒子閉じ込め材料が存在することにより、磁性結晶粒の成長が抑制される。本発明者らは次の(1)〜(3)を見出した:(1)アニーリング中の圧力は約10−6よりも低いこと、(2)アニ−ル温度は約400℃〜約800℃の範囲であり、好ましくは約600℃であること、(3)アニ−ル時間は約5分〜90分であり、好ましくは約30分であること。
【0021】
アニーリング終了後、図1に示すステップ130において、アニ−ル処理された粒状組織膜をクエンチ液中で急速に冷却し、磁性結晶粒を軟磁性相から硬磁性相へと転換させる。クエンチ液の温度は約5℃より低くする。一実施形態においては、例えば約0℃の氷水をクエンチ液として用いることができる。
【0022】
以下、図1に示す製造方法に基づくFePtCr系粒状組織膜の製造例を詳細に説明する。基板としては、自然酸化されたSi基板やガラス基板等のSi基板を用いる。磁性結晶粒形成用磁性材料をFePtとする。粒子閉じ込め材料をCrとし、アモルファスマトリックス用非磁性材料を窒化ケイ素とする。
【0023】
磁気記録用のFePt系粒状組織膜を製造するための操作フローの一例を図2に示す。図中、ステップ210、ステップ220、ステップ230、及びステップ240はそれぞれ、スパッタリングプロセス、不動態化層形成プロセス、アニーリングプロセス、及びクエンチングプロセスを示す。FePt及びCrを有するFePtCrターゲットとしては、FePtCr合金ターゲット、あるいは、各コンポジットターゲットがCrチップで覆われたFePtディスクを含む、複数のFePtCrコンポジットターゲットを用いる。図2に示す方法によって、磁気記録媒体用の高保磁率FePtCr−SiN粒状組織ナノコンポジット薄膜を製造することができる。
【0024】
一実施用形態において、(Fe50−x/2Pt50−x/2Crx)100−z−(SiNy)zナノコンポジット薄膜(x=0〜30at%、z=0〜30vol.%)をコーニング社の1737Fガラス等のガラス基板上、あるいはSi(100)等の自然酸化されたシリコンウェハ基板上に形成した。スパッタリングは、FePtCrターゲットとSi3N4ターゲットを共スパッタリング(co−sputtering)するためのDC及びRFマグネトロンを用い、周囲温度にて行った。付着した膜は軟磁性を示し、軟磁性γ−FePt粒子がアモルファスSiNマトリックスに分散した粒状構造を有する。この付着膜は保磁率が低いため、通常、磁気記録媒体としては用いることができない。この膜を真空下、望ましいアニール温度並びにアニール時間に制御した条件でアニーリングすると、アニール処理膜は粒状構造を保つが、軟磁性γ−FePt相は硬磁性γ−FePt相へと転換される。この転換された膜は高保磁率を示し、且つ磁性結晶粒サイズは小さい。こうして得られた膜は、非常に高密度の磁気記録媒体に用いることができる。
【0025】
ステップ210におけるスパッタリングプロセスによって、高保磁率のFePt結晶粒を非磁性アモルファス窒化ケイ素マトリックス中に分散させ、磁気記録薄膜の結晶粒サイズを減少させることができる。その結果、得られた膜の記録密度は上昇する。しかし、粒子閉じ込め材料としてのCrの非存在下では、膜中のFePt磁性結晶粒のサイズは一定の高密度記録に対しては通常十分に小さい。例えば、FePt−Si3N4膜中のFePt結晶粒のサイズは約30nmであることがわかっており、これによってこの膜の記録密度が制限されている。従って、記録密度を増加させるためには、磁性結晶粒のサイズを減少させる必要がある。磁性結晶粒サイズの減少は、CrをFePt合金膜に添加し、FePt結晶粒の粒界でのCrの析出によってFePt結晶粒の成長を抑制することによって達成される。Crの添加によって、磁性結晶粒のサイズを10nmよりも小さくすることができる。
【0026】
スパッタリング時に、磁性膜の組成を均一にするために基板を回転させた。ステップ220において、磁性膜をSiNyの薄いキャップ層(不動態化層)で覆い、次のアニーリングプロセス中に該膜が酸化されることを防ぐ。蒸着後、得られた膜を真空下、様々な温度でアニーリングし、次いでアニーリング後氷水中でクエンチングした(ステップ230及び240)。得られた膜の磁化容易軸は膜面に対して平行である。こうしてアニール処理されたFePtCr−SiN薄膜の特性を次に示す。面内保磁率Hc//>3500Oe、飽和磁化Ms>425emu/cm3、面内角型比S//(即ち、Mr/Ms比)=約0.75。こうして得られた膜は、非常に高密度の磁気記録媒体に用いることができる。
【0027】
FePtCr−SiN薄膜形成のためのスパッタリングパラメータを表1に示す。スパッタリングチャンバのベース圧力は約3×10−7Torrに設定し、良好な磁気特性を得るために、0.3〜20mTorrのアルゴン圧力(PAr)下で膜を付着した。PArは好ましくは7mTorrである。スパッタリングガンのパワー密度についてはFePtCrターゲット用にDC電源を2W/cm2に設定し、Si3N4ターゲット用RF電源は1.5から12W/cm2に変化させた。FePtCrの付着速度は約0.3nm/sである。基板温度は45℃よりも低い温度、例えば約25℃とした。得られた付着膜は真空下、400℃〜800℃の温度で5〜90分間アニーリングし、次いで氷水中でクエンチングした。クエンチ液の温度は5℃より低い温度、例えば約0℃である。
【0028】
【表1】
【0029】
図1及び2に示した技法についての様々な特徴を以下の実施例によって説明する。膜の微細構造は透過電子顕微鏡(TEM)を用いて観察し、膜の平均粒子サイズは、TEM明視野像によって算出した。磁気特性は振動試料型磁力計(VSM)(最大磁場:13kOe)及び超伝導量子干渉素子(SQUID)(最大磁場:50kOe)を用いて室温にて測定した。膜の組成及び均質性はエネルギー分散スペクトル(EDS)によって決定した。膜厚は原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した。
【0030】
【実施例】
実施例1
基板の初期温度は室温であった。この基板を75rpmで回転させた。スパッタリングチャンバを3×10−7Torrとした後、Arガスをチャンバに導入した。Arガスの圧力をスパッタリング全工程中に亘り7mTorrに保持した。FePtCr−SiN薄膜を作製するためのスパッタリング条件を表1に示す。各種アニール(Fe45Pt45Cr10)100−z−(SiNy)z膜組織中のSiNy体積率に対する平均粒径を図3に示す。アニール温度は、500℃、550℃、600℃、700℃である。Cr含有量は10at.%に固定されている。膜厚は10nm、アニール時間は約30分である。図3から、FePtCr薄膜組織の粒径は、アニール温度の上昇とともに増加するが、SiNy体積率の増加とともに減少することが判る。アニール温度が600℃の場合、アニール(Fe45Pt45Cr10)合金膜組織(SiNy=0vol.%)の平均粒径は約18nmであるが、SiNy体積率が15vol.%に増加すると、平均粒径は約9.5nmに減少する。TEM明視野像から、アニール(Fe45Pt45Cr10)合金膜組織の平均粒径は約18nmであり、(Fe45Pt45Cr10)80−(SiNy)20ナノコンポジット膜組織の平均粒径は約8nmであることがわかる。また、図3とその関連TEM像は、膜のSiNy体積率が増加するとともに、粒子間距離も増大し、磁性結晶粒は小さくなることを示唆している。
【0031】
異なるSiNy体積率を有する各種アニール(Fe45Pt45Cr10)100−z−(SiNy)z膜組織のδMとHaの関係を図4に示す。Cr含有量は10at.%に固定されている。δMが正の値の場合は磁性結晶粒間の相互作用が強いことを示し、この場合の相互作用のタイプは交換カップリングである。δMが負の値の場合は磁性結晶粒間の相互作用が弱いことを示し、この場合の相互作用のタイプは磁気双極子相互作用である。実施に当たっては、磁気記録媒体用途においては媒体のノイズは極力小さいことが望ましいため、負のδMを有する磁性膜が好ましい。図4に見られるように、(Fe45Pt45Cr10)合金膜(SiNy=0vol.%)のδMは正の値であり、この膜内の磁性結晶粒の相互作用は交換カップリングであることがわかる。SiNy体積率が約20vol.%まで増加すると、δMの値はほぼ0に減少し、更にSiNy体積率が増加すると、δMは負の値となる。SiNy体積率が30vol.%に達するとδMは負の値となり、粒子間相互作用のタイプは双極子相互作用になる。磁性膜におけるSiNy体積率の増加により、粒子間相互作用は弱まる。これは、SiNy体積率が高くなると磁性結晶粒間距離が増大するためである。
【0032】
実施例2
スパッタリング条件は、実施例1と同じとした。アニール処理(Fe50−x/2Pt50−x/2Crx)85−(SiNy)15膜組織のCr含有量に対する平均粒径を図5に示す。膜中のSiNy体積率は15vol.%に固定されている。図5において、膜中のCr含有量が増加するとともに膜組織の平均粒径が小さくなることは明らかである。アニール処理(Fe50Pt50)85−(SiNy)15膜組織(Cr=0at.%)の平均粒径は約35nmであるが、Cr含有量が10at.%に増加すると平均粒径は約9.5nmに減少する。アニール処理(Fe50Pt50)85−(SiNy)15膜組織(Cr=0at.%)及び(Fe42.5Pt42.5Cr15)85−(SiNy)15膜組織の関連TEM明視野像(膜厚10nm、アニール時間30分)を得た。(Fe50Pt50)85−(SiNy)15膜組織(Cr=0at.%)及び(Fe42.5Pt42.5Cr15)85−(SiNy)15膜組織の平均粒径はそれぞれ約35nm及び約8nmである。図4とその関連TEM像は、膜中のCr含有量が増加するとともに、磁性結晶粒は小さくなり、粒子間距離が増大することを示唆している。
【0033】
異なるCr含有量を有する各種(Fe50−x/2Pt50−x/2Crx)85−(SiNy)15膜組織のδMと印加磁界Haの関係を図6に示す。膜中のSiNy体積率は15vol.%に固定されている。膜厚は10nm、アニール時間は30分である。(Fe50Pt50)85−(SiNy)15膜組織(Cr=0at.%)のδMは印加磁界下では正の値であるため、この膜内における磁性結晶粒間相互作用のタイプは交換カップリングである。Cr含有量が増加するとともに、(Fe50−x/2Pt50−x/2Crx)85−(SiNy)15膜組織の磁性結晶粒の粒径は小さくなるとともに磁性結晶粒間距離は増大し、磁性結晶粒間相互作用は弱まる。このような理由で、図6に示すようにCr含有量が増加するとδMは減少する。Cr含有量が25at.%になると、δMは絶対値の小さい負の値をとるようになり、結晶粒間相互作用は双極子相互作用になる。TEM像から、図4及び図6のδM−Ha曲線の妥当性が確認される。即ち、これらのテスト条件においては、CrやSiNyの含有量が増加すると結晶粒間距離が増大し、磁性結晶粒間相互作用は弱まることが確認される。
【0034】
実施例3
スパッタリング条件は実施例1と同じとした。図7(a)は、面内角型比S//とアニール処理(Fe50−x/2Pt50−x/2Crx)85−(SiNy)15膜のCr含有量との関係を示す。膜中のSiNyの体積率は15vol.%に固定されている。図7(b)は、アニール処理(Fe45Pt45Cr10)100−z−(SiNy)z膜のSiNyの体積率の変化に伴うS//値の変化を調べた結果を示す。Cr含有量は10at.%で固定し、膜厚は10nm、アニーリング温度は600℃、アニーリング時間は30分である。図7(a)において、Cr含有量が増加するとS//値は明らかに減少している。Cr=0at.%のときS//値は0.81であるが、Cr含有量が15at.%になるとS//値は約0.53に減少する。同様に、図7(b)において、SiNy含有量が増加するとS//値は減少する。SiNyが0vol.%のとき、S//値は0.8であり、磁性膜のSiNy体積率が30vol.%まで増加すると、S//値は約0.48に減少する。これらの測定値から、FePtCr−SiN膜のCrやSiNy含有量が増加するにつれて、磁性FePtCr粒子はランダムに配向し、離間するようになることが示唆される。
【0035】
CrやSiNy含有量の増加により、アニール処理(Fe50−x/2Pt50−x/2Crx)100−z−(SiNy)z膜の面内保磁率Hc//値は減少することがわかる。図8(a)に示すように、SiNy体積率を15vol.%で固定した場合、アニール処理(Fe50−x/2Pt50−x/2Crx)85−(SiNy)15膜のHc//値は、Cr含有量が増加するにつれ減少する。また、図8(a)において、アニール処理(Fe50Pt50)85−(SiNy)15膜(Cr=0at.%)のHc//値は約8000Oeであるが、Cr含有量が10at.%に増加すると、約3700Oeに減少する。図8(a)及び図8(b)における膜は600℃で30分間アニールされており、基板はシリコンウェハである。同様に、図8(b)に示すように、Cr含有量を10at.%で固定すると、アニール処理(Fe45Pt45Cr10)膜(SiNy=0vol.%)のHc//値は約5600Oeであり、膜のSiNy体積率が30vol.%まで増加すると、Hc//値は約350Oeに減少する。磁性膜のCrやSiNy含有量が増加すると、アニーリング中の磁性結晶粒成長を抑制することができる。このため、粒径はシングルドメインのサイズからはずれるようになる。実際、粒子の中には超常磁性結晶粒になるものさえある。更に、CrがFePt粒子表面領域へ分散することによって、FePtの結晶異方性定数を減少させる。従って、膜のCr含有量やSiNy含有量が上昇すると、Hc//値は減少する。
【0036】
一方、Crは非磁性物質であり、Cr含有量が増加すると、磁性膜のMs値は減少する。図8(a)に示すように、SiNy体積率を15vol.%で固定すると、アニール処理(Fe50Pt50)85−(SiNy)15膜(Cr=0at.%)のMs値は約490emu/cm3であるが、Cr含有量が10at.%まで増加すると約425emu/cm3に減少する。また、図8(b)に示すように、不純物を含有しないFePtCr合金膜とSi基板との高温での反応により、アニール処理(Fe45Pt45Cr10)合金膜(SiNy=0vol.%)のMs値はわずか275emu/cm3程度であるが、膜のSiNy体積率が5vol.%まで上昇すると、約480emu/cm3に上昇する。このことから、高温において金属磁性結晶粒上のSiNyがSi基板と反応するのを防ぐ効果は良好であることが示唆される。しかしながら、SiNy体積率がおよそ5vol.%より高くなるとMs値は減少する。SiNyは非磁性基板でもあるので、磁性膜のMs値は減少し、図8(b)に示すように、SiNy体積率が5vol%から30vol.%まで上昇すると、Ms値は480emu/cm3から180emu/cm3まで減少する。
【0037】
実施例4
スパッタリング条件は実施例1と同じとした。約600℃で約30分間アニールした(Fe45Pt45Cr10)85−(SiNy)15薄膜のM−Hループを図9に示す。磁界は膜面に対して平行に印加される。図9から、Ms値は約425emu/cm3、Hc//値は約3700Oeであることがわかる。
【0038】
本発明の明細書においては数例のみを開示したに過ぎないが、本発明の趣旨を逸脱することなく各種変形及び改良を行うことができ、それらは下記の請求項にの範囲に包含されることを了解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る高密度磁気保存用粒状組織薄膜の製造ステップを示すフローチャートである。
【図2】図1に示す技法による磁気記録用のFePt系粒状組織膜を製造するための操作フローの一例である。
【図3】各種アニール処理(Fe45Pt45Cr10)100−z−(SiNy)z膜組織中のSiNy体積率に対する平均粒径の変化を示す。アニール温度は、500℃、550℃、600℃、700℃である。
【図4】異なるSiNy体積率を有する各種アニール処理(Fe45Pt45Cr10)100−z−(SiNy)z膜組織のδMと印加磁界Haの関係を示す。
【図5】アニール処理(Fe50−x/2Pt50−x/2Crx)85−(SiNy)15膜組織のCr含有量に対する平均粒径の変化を示す(膜厚:約10nm、アニール時間:約30分)。
【図6】異なるCr含有量を有する各種(Fe50−x/2Pt50−x/2Crx)85−(SiNy)15膜組織のδMとHaの関係を示す。
【図7】(a)は、アニール処理(Fe50−x/2Pt50−x/2Crx)85−(SiNy)15膜組織の面内角型比S//とCr含有量の関係を示す。(b)は、アニール処理(Fe45Pt45Cr10)100−z−(SiNy)z膜組織の面内角型比S//とSiNy体積率の関係を示す。
【図8】(a)は、アニール処理(Fe50−x/2Pt50−x/2Crx)85−(SiNy)15膜組織のHc//及びMsとCr含有量の関係を示す。(b)は、アニール処理(Fe45Pt45Cr10)100−z−(SiNy)z膜組織のHc//及びMsとSiNy体積率の関係を示す。膜厚:10nm。
【図9】600℃で約30分アニールされたアニール処理(Fe45Pt45Cr10)85−(SiNy)15薄膜(膜厚:10nm)のM−Hループを示す。
Claims (36)
- スパッタリング工程と、アニーリング工程と、それに続くクエンチング工程とを含む方法であって、
前記スパッタリング工程は、磁性結晶粒を形成するための磁性材料と、各磁性粒子の境界に存在せしめられる粒子閉じ込め材料と、磁性結晶粒を分散させるためのアモルファスマトリックスを形成する非磁性材料とを基板上にスパッタリングして、前記粒子閉じ込め材料により囲まれ、前記アモルファスマトリックス中に分散した小粒径の磁性結晶粒を有する初期軟磁性粒状組織膜を形成することを含み、
前記アニーリング工程は、真空中、アニーリング温度でアニーリング時間、アニーリング条件制御下で前記初期軟磁性粒状組織膜をアニーリングすることを含み、
前記クエンチング工程は、アニーリング工程で得られた膜をクエンチ液でクエンチし、前記初期軟磁性粒状組織膜から高い面内保磁率と高い飽和磁化とを有する硬磁性粒状組織膜へと転換させることを含む方法。 - アニーリング工程中の膜の酸化を防ぐため、前記アニーリング工程の前に、前記初期軟磁性粒状組織膜を覆う不動態化層を形成する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
- 前記不動態化層が窒化ケイ素膜を含む、請求項2に記載の方法。
- 前記磁性材料がFePtを含み、前記粒子閉じ込め材料がCrを含み、且つ、前記非磁性材料が窒化ケイ素を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記硬磁性粒状組織膜が(Fe50−x/2Pt50−x/2Crx)100−z−(SiNy)z(x=約0〜約30at.%、z=約0〜約30vol.%)で表される構造を有するように各材料を選択することを更に含む、請求項4に記載の方法。
- 前記膜中の原子比Fe:Pt:Crを約45:54:1〜約41:34:25の範囲となるように選択することを更に含む、請求項4に記載の方法。
- 前記膜中の前記原子比Fe:Pt:Crが約45:45:10である、請求項6に記載の方法。
- 前記膜中の体積率FePtCr:SiNを約90:10〜約50:50の範囲となるように選択する、請求項4に記載の方法。
- 前記膜中の体積率FePtCr:SiNが約85:15である、請求項8に記載の方法。
- 前記スパッタリング工程においてFePtCrターゲットを使用し、前記磁性材料としてFePtを供給し、且つ、前記粒子閉じ込め材料としてCrを供給することを更に含む、請求項4に記載の方法。
- 前記FePtCrターゲットがFePtCr合金ターゲットを含む、請求項10に記載の方法。
- 前記FePtCrターゲットが、Crチップで覆われたFePtディスクを含むFePtCrコンポジットターゲットを含む、請求項10に記載の方法。
- 前記基板が自然酸化されたSiウェハ又はガラス基板である、請求項1に記載の方法。
- スパッタリング工程のためのプラズマを発生させるためにDC電界又はRF電界を印加するマグネトロンスパッタリングシステムを用いて前記スパッタリング工程を実施することを更に含む、請求項1に記載の方法。
- 前記スパッタリング工程中のアルゴンガス圧力を約0.3mTorr〜約20mTorrに設定することを更に含む、請求項1に記載の方法。
- 前記アルゴンガス圧力が約7mTorrである、請求項15に記載の方法。
- 前記スパッタリング工程中の前記基板温度を約45℃未満の値に設定する、請求項1に記載の方法。
- 前記スパッタリング工程中の基板温度を約25℃に設定する、請求項17に記載の方法。
- 前記アニーリング工程中の真空度を約1×10−6Torr未満の圧力となるように制御することを更に含む、請求項1に記載の方法。
- 約5〜約90分のアニール時間に亘りアニール温度を約400℃〜約800℃に制御することを更に含む、請求項1に記載の方法。
- 前記アニール温度を約600℃に設定する、請求項20に記載の方法。
- 前記アニール時間を約30分に設定する、請求項20に記載の方法。
- 前記クエンチ液の温度が約5℃未満である、請求項1に記載の方法。
- 前記磁性材料がFePt、前記粒子閉じ込め材料がCr、前記非磁性材料がSiNであり、FePtCr−SiN粒状組織膜がMs>425emu/cm3及びHc>3500Oeという磁気特性を有するように、材料の比及びアニーリング条件並びにクエンチング条件を制御することを更に含む、請求項1に記載の方法。
- 形成工程と、アニーリング工程と、クエンチング工程とを含む方法であって、
前記形成工程は、軟磁性粒状組織膜を基板上に形成して、磁性FePt結晶粒をアモルファス窒化ケイ素マトリックスに分散させるとともに、Crを各FePt結晶粒の境界に存在させてこのFePtを閉じ込めることを含み、
前記アニーリング工程は、真空中、温度及び時間の条件を制御しながら、前記軟磁性粒状組織膜をアニーリングすることを含み、
前記クエンチング工程は、アニーリング工程で得られた膜をクエンチ液でクエンチし、飽和磁化Ms>425emu/cm3、且つ、面内保磁率Hc>3500Oeである粒状構造を有する硬磁性粒状組織膜へと転換させることを含む方法。 - Fe、Pt、Cr及び窒化ケイ素を含むターゲットを制御されたスパッタリングチャンバ中の前記基板上にスパッタするためにスパッタリング工程が使用される、請求項25に記載の方法。
- 前記ターゲットとして、前記膜中の原子比Fe:Pt:Crを約45:54:1〜約41:34:25の範囲とするターゲットを選択することを更に含む、請求項26に記載の方法。
- 前記膜中の前記原子比Fe:Pt:Crが約45:45:10である、請求項27に記載の方法。
- 前記膜中のFePtCrと窒化ケイ素の体積比を約90:10〜約50:50の範囲となるように選択する、請求項26に記載の方法。
- 前記膜中のFePtCrと窒化ケイ素の体積比が約85:15である、請求項29に記載の方法。
- スパッタリング工程のためのプラズマを発生させるためにDC電界又はRF電界が印加されたマグネトロンスパッタリングシステムを用いて前記スパッタリング工程を実施することを更に含む、請求項26に記載の方法。
- 前記スパッタリング工程中のアルゴンガス圧力を約0.3mTorr〜約20mTorrに設定することを更に含む、請求項26に記載の方法。
- 前記スパッタリング工程中の前記基板温度を約45℃未満の値に設定する、請求項26に記載の方法。
- 前記アニーリング工程中の真空度を約1×10−6Torr未満の圧力となるように制御する工程と、
約5〜約90分のアニール時間に亘りアニール温度を約400℃〜約800℃に制御する工程とを更に含む請求項25に記載の方法。 - 前記クエンチ液の温度が約5℃未満である、請求項25に記載の方法。
- アニーリング工程中における膜の酸化を防ぐため、前記アニーリング工程の前に、前記軟磁性粒状組織膜を覆う不動態化層を形成する工程を更に含む、請求項25に記載の方法。
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