JP2004170709A - カメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】沈胴式の小型カメラの撮影レンズ鏡筒にモード設定用スイッチの一部を配設することにより撮影時の即写性を向上させると共に、その構成を簡素化し、操作性及び信頼性を向上させ、かつ撮影時の手振れを防止したカメラを提供する。
【解決手段】撮影者がカメラの撮影レンズ鏡筒の所定の箇所を保持したことを検出するスイッチ手段17と、このスイッチ手段の検出結果に従って、撮影の動作シーケンスを制御するシーケンス制御手段30と、上記カメラのファインダ接眼部の近傍に設けられた表示手段7を切り換える切換制御手段8a,8bとを具備したことを特徴とする。
【選択図】 図7
【解決手段】撮影者がカメラの撮影レンズ鏡筒の所定の箇所を保持したことを検出するスイッチ手段17と、このスイッチ手段の検出結果に従って、撮影の動作シーケンスを制御するシーケンス制御手段30と、上記カメラのファインダ接眼部の近傍に設けられた表示手段7を切り換える切換制御手段8a,8bとを具備したことを特徴とする。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラ、詳しくは、手振れ防止機能、ストロボのオン/オフ制御等のモード切換機能を有するカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、従来のカメラでは、撮影時に種々多様な撮影モードを設定する場合、撮影者は、カメラ外装筐体の上面や背面に配設されたLCD表示部の表示を見ながら、前記表示部に隣接して配設されたスイッチを操作して設定モードの切換を行っていた。このスイッチ操作は、セルフタイマモードの設定や、風景モード等の設定ならば十分な仕様であったが、被写体を見ながらモードを切り換えたい場合には、即写性という点で満足できるものではなかった。
【0003】
また、近年のカメラは電子制御が進んでおり、必ずしも撮影レンズ鏡筒にシャッタ速度設定用及び絞り設定用等のダイヤルを設けなくとも、カメラ本体側でこれらの設定が自動的に行われるようになっている。
【0004】
このことにより、撮影レンズ鏡筒の機構を簡易化し、カメラの不使用時や携帯時には、撮影レンズ鏡筒をカメラ外装筐体内に収納することができる沈胴式のカメラが市場に多く出回るようになった。この沈胴技術によって、カメラは小型化され、カメラを旅行などに持っていく際のユーザーへの負担が小さくなった。
【0005】
しかし一方で、古くから行われていた、撮影レンズ鏡筒での操作はなくなってしまったため、カメラを両手で保持して構えることが少なくなり、撮影時に手ブレが起こるケースが増加した。
【0006】
上記事情に鑑みて、特許文献1や特許文献2に記載の技術では、マクロモード設定用スイッチや防振モード設定用スイッチを、また特許文献3に記載の技術では電源用SWを撮影レンズ鏡筒に設けている。これにより、被写体を見ながら各種モード設定を行うことができるため、モード設定を行って撮影を行う際の即写性が向上され、また、防振モード設定用スイッチを用いることにより、撮影時の手振れの発生を防止することができる。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−308366号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2001−51315号公報
【0009】
【特許文献3】
特開2000−314907号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献に記載のように、各種撮影モード設定用スイッチが撮影レンズ鏡筒に多く配設されると、レンズ沈胴機構が構成しにくくなり、カメラが大型化してしまうといった問題があった。
【0011】
さらに、撮影レンズ鏡筒に各種メカスイッチを配設すると、撮影レンズ鏡筒の可動部に、種々の電気的な信号線を配設する必要があるため、前記可動部の信頼性が乏しくなりカメラの故障の原因につながる虞があった。
【0012】
本発明の目的は、上記問題を解消するために、撮影時の即写性を向上させると共に、その構成を簡素化し、操作性及び信頼性を向上させ、かつ撮影時の手振れを防止したカメラを提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段、及び作用】
上記の目的を達成するために本発明によるカメラは、撮影者がカメラの撮影レンズ鏡筒の所定の箇所を保持したことを検出するスイッチ手段と、上記スイッチ手段の検出結果に従って、撮影の動作シーケンスを制御するシーケンス制御手段と、上記カメラのファインダ接眼部の近傍に設けられた表示手段を切り換える切換制御手段と、を具備したことを特徴とし、上記スイッチ手段は、上記撮影レンズ鏡筒を保持した撮影者の指の位置が所定箇所にあるか否かを検出する光電スイッチで構成されていることを特徴とし、さらに、上記シーケンス制御手段は、上記スイッチ手段の検出結果により、上記カメラの振動状態を検出し手振れを防止するモード、又は上記カメラに配設されたストロボのオン/オフを制御するモードを設定することを特徴とする。
【0014】
また、本発明によるカメラにおける上記スイッチ手段は、上記撮影レンズ鏡筒に配設された複数の反射部と、上記カメラ外装筐体に配設された発光部と、上記カメラ外装筐体に配設され、受光素子により構成された受光部とを具備し、上記発光部からの発光は、上記反射部で反射され、上記受光部にて受光されることを特徴とし、さらに、このスイッチ手段は、上記発光部の発光による上記受光部の受光の有無で、上記複数の反射部上の撮影者の指の位置を判定することを特徴とし、また、上記受光部は、リモコン信号受光用センサを共用したことを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明によるカメラにおける上記スイッチ手段は、上記撮影レンズ鏡筒に回動自在に配設された回転環と、上記回転環に配設された複数の反射部と、上記回転環に配設された複数の非反射部と、上記カメラ外装筐体に配設された発光部と、上記カメラ外装筐体に配設され、受光素子により構成された受光部とを具備し、上記発光部からの発光は、上記回転環の反射部で反射され、上記受光部にて受光されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明によるカメラにおける上記撮影レンズ鏡筒は、上記カメラ外装筐体内に沈胴する収納状態と、撮影時可能状態の少なくとも2状態に移動制御されることを特徴とする。
【0017】
この構成により、カメラ外装筐体を片手で保持し、もう一方の手で撮影レンズ鏡筒を保持すると共に、スイッチ手段の操作ができるため、手振れが抑えられ確実な写真撮影をすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の第1実施の形態を説明するに先立って、本発明のカメラの概要について説明する。
【0019】
旧来のカメラにおける撮影レンズ鏡筒には、シャッタ速度設定用及び絞り設定用の環状ダイヤルが配設されており、撮影者は、一方の手でカメラボディを保持し、他方の手でこれらのダイヤルを回動操作し、鏡筒を保持するので、両手でカメラを保持して、撮影を行っていた。従って、このようにカメラを両手で保持して撮影を行えば撮影時の手振れが発生し難くなる。
【0020】
ところが、近年のカメラでは、前述したように電子制御が進んでおり、必ずしも撮影レンズ鏡筒にシャッタ速度設定用及び絞り設定用のダイヤルを持たさなくとも、カメラ本体側でシャッタ速度や絞り等が自動的に適正に設定されるようになっている。
【0021】
しかし、撮影時の撮影レンズ鏡筒での操作がなくなってしまったため、カメラを両手で構え保持することが少なくなり、手ブレが起こるケースが増加している。
【0022】
本発明は以上の点に鑑み、撮影レンズ鏡筒の所定の部位とこの部位に対向するカメラ外装筐体の部位に、協働してスイッチ操作を行うスイッチ手段を設け、これを鏡筒を保持した手で操作するようにすることにより、敢えて、両手でカメラを保持する機会を増加させて、手ブレの影響を軽減させるものである。
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施の形態を示すカメラを右斜め上方から見た外観斜視図、図2は、図1のカメラの背面側の斜視図、図3は、図1のカメラの撮影レンズ鏡筒が沈胴された状態を示す斜視図、図4は、図3のカメラの内部構造を省略した要部概略断面図、図5は、図1のカメラの撮影レンズ鏡筒を撮影者が保持して撮影している状態を示す正面図、図6は、美術館での構図の一例を示したファインダ表示図である。
【0024】
図1に示すように、カメラ本体をなすカメラ外装筐体10の前面中央部には、被写体を撮像するための撮影レンズ11aを有する沈胴式の撮影レンズ鏡筒11が配設されており、この撮影レンズ鏡筒11の右側面には、後述するスイッチ手段を構成する反射部22a、22bが配設されている。
【0025】
上記レンズ鏡筒11の上方には、被写体を光学的に観察するためのファインダ窓2が配設されており、このファインダ窓2の右方には、被写体までの距離を測距するための測距ユニットを有するオートフォーカス(以下、AFという)用受光窓3が配設されており、さらに、このAF用受光窓3の右方には、被写体を照射するためのストロボ発光窓9が配設されている。
【0026】
また、このカメラの前面には、摺動可能で不使用時や携帯時に、カメラ外装筐体10内に沈胴した上記撮影レンズ鏡筒11、上記ファインダ対物窓2、上記AF用受光窓3を覆い保護するバリア12が配設されている。このバリア12は、例えば、後述する電源スイッチ8c(図7参照)を兼ねており、開放動作に連動して電源がオンし、カメラ外装筐体内に沈胴している上記撮影レンズ鏡筒11を所定位置まで繰り出させて撮影可能状態とし、閉成動作時には、図3及び図4に示すように、上記撮影レンズ鏡筒11をカメラ外装筐体10内に沈胴させて、電源をオフさせる機能を有している。
【0027】
さらに、前記撮影レンズ鏡筒11の右方には、上記反射部22a,22bと共に、後述するスイッチ手段を構成する光電変換スイッチ17が配設されている。
【0028】
また、前記カメラ外装筐体10の上面左側には、撮影を開始させるためのレリーズ釦1が配設されており、上面中央部には、各種撮影モードや撮影コマ数等を表示するための表示用LCD7が配設されており、さらに、この表示用LCD7の右方には、各種モード切換用スイッチ8a、8bが配設されている。
【0029】
また、図2に示すように、前記カメラ外装筐体10の背面上部中央には、撮影者が撮影構図やシャッタタイミングを決定するためのファインダ接眼窓60が配設されており、このファインダ接眼窓60の近傍には、ファインダLED発光部(以下、FLED発光部と称す)15が配設されている。
【0030】
このように構成された図1乃至図4に示すカメラで撮影を行う場合、図5に示すように、撮影者20の右手20aでカメラ外装筐体10を保持し、上記レリーズ釦1を押し込めるように、その人差し指20bをカメラ外装筐体10の上面左側に配設された上記レリーズ釦1に当てる。今日の全自動カメラは、このような片手のみの保持で撮影を行うことが可能となっているが、本発明のカメラでは、図5に示すように、さらにもう一方の手(左手)20cで上記カメラ外装筐体10の撮影レンズ鏡筒11を保持し、スイッチ手段を操作するようになっている。また、このように両手でカメラを保持すると、カメラが安定し、撮影時の手振れが小さくなる。特に薄暗い所では、露光時間が長くなるので手振れが発生し易く、またストロボオフモード(ストロボを光らせないモード)でも、手振れが発生しやすくなるので、両手を用いて保持した方がよい。
【0031】
また、図6に示すように美術館等で写真を撮る場合には、ストロボ光が展示品に影響を与えるため、カメラをストロボオフの状態にして撮影する必要がある。この時、ストロボオフモードになったことを撮影者に認知させるために、上記ファインダLED発光部15を用いて、ストロボ発光オフモード用表示LED15aをファインダ近くに点灯させればユーザーは安心して撮影に入ることができる。また、この時、上述したように、手振れが発生しやすいので、手振れの振動を検出して手振れ用表示LED15bを点滅させて撮影者にその旨を警告してもよい。
【0032】
図7は、本発明の第1実施の形態を示すカメラの電気回路の全体の構成を示すブロック図、図8は、本発明の第1実施の形態を示すカメラに光電スイッチからなるスイッチ手段を配設したことを示す要部拡大斜視図、図9は、図8のカメラのスイッチ手段の操作の一例を示す要部拡大斜視図である。
【0033】
図7に示すように、上記カメラ外装筐体10内には、撮影者のスイッチ操作に従ってカメラの全体的な動作シーケンスを制御するワンチップマイクロコンピュータ等で構成された演算制御回路(以下、CPUと称す)30が配設されており、このCPU30には、上述したカメラの撮影シーケンスを開始させるためのレリーズスイッチ1と、シャッタ5と、アクチュエータ6と、LCD表示部7と、各種モード切換用スイッチ8a,8bと、バリアスイッチ8cと、ストロボ発光窓を有するストロボ発光部9と、FLED発光部15と、手振れ検出手段16と、スイッチ手段を構成する光電変換スイッチ17と、AF手段32と、AE手段33と、合焦手段34がそれぞれ接続されている。尚、上記レリーズスイッチ1、上記各種モード切換用スイッチ8a,8b、上記ストロボ発光部9は、上述した図1に示したものに相当する。
【0034】
上記バリアスイッチ8cは、前述のバリア12の開閉に従ってカメラの電気回路の電源をオン/オフするスイッチであり、バリア12が開放されて電源がオンされたときには、上記CPU30からの指令によって、上記撮影レンズ鏡筒11を前記カメラ外装筐体10の外に繰り出して撮影可能状態(セットアップ)とし(図1参照)、また、バリア12の閉成時には、レンズ鏡筒11を前記筐体10内に沈胴させて(図3、4参照)電源をオフして携帯性を向上させる。
【0035】
これらの動作は、上記アクチュエータ6によって行われる。このアクチュエータ6には、送りネジ6aが接続されており、この送りネジ6aは、上述した上記撮影レンズ鏡筒11を駆動する。
【0036】
上記アクチュエータ6は、上記CPU30の指示により、前記送りネジ6aを回転させて、前記撮影レンズ11a、前記シャッタ5、前記合焦手段34を有する上記撮影レンズ鏡筒11を光軸方向に移動させるものである。
【0037】
上記CPU30は、上記レリーズスイッチ1のオン検出がなされると、撮影に先立って上記AF手段32及び上記AE手段33を制御して、上記AF受光窓3(図1参照)を介して、被写体距離並びに明るさを測定、測光し、その結果に従って上記CPU30は、ピント合わせを行うために、上記合焦手段34によって上記撮影レンズ11aの適正位置を制御し、上記シャッタ5の露出時間(シャッタスピード)を適正に設定する。また、必要に応じて上記ストロボ発光部9を発光させ、露出を補う。尚、上記CPU30は、シーケンス制御手段を構成している。
【0038】
前記各種モード切換用スイッチ8a,8bは、セルフタイマモードや日付写し込み用のモード(デートモード)など、それほど即写性を求められないモードを設定するものであり、上記各種モード切換用スイッチ8a,8bによるモード切換結果や、撮影コマ数などは上記LCD表示部7に表示される。
【0039】
このLCD表示部7に表示されるモードの設定は、上述したように、セルフタイマモードの設定や、風景モード等の設定ならば、上記カメラ外装筐体10の上面に配設された、上記各種モード切換用スイッチ8a,8bで十分な仕様であるが、被写体を見ながらモードを切り換えたい場合、例えば、撮影時に手振れの発生を防止するために設定する手振れ防止モードの設定スイッチの場合には、上記カメラ外装筐体10の上面でのスイッチ操作では、即写性という点で満足できるものではない。
【0040】
そこで、本発明では、上記赤外発光LED17a,17bを有する、スイッチ手段である上記光電変換スイッチ17を上記カメラ外装筐体10に配設してある(図1参照)。この赤外発光LED17a,17bは、上記CPU30のポートによって直接ドライブされ、受光部17cは、電流電圧変換用の抵抗18を介して、上記CPU30のポートに接続されている。尚、上記赤外発光LED17a,17b、上記受光部17cは、スイッチ手段を構成している。
【0041】
上記CPU30のポートは、オープンドレイン形式になっていて、上記LED17a,17bが発光している時は、抵抗をGNDレベルにおとし、抵抗の反対側の端子は上記CPU30に内蔵の図示しないA/D変換手段に入力させることによって入射光レベルを上記CPU30が検出することができるようになっている。
【0042】
このように上記CPU30に接続された上記光電変換スイッチ17が、詳しくは、図8に示すように、カメラ外装筐体10の、上記撮影レンズ鏡筒11の右側面に対向する位置に配設されている。つまり、上記赤外発光LED17a,17bと受光センサを有する上記受光部17cとからなる光電変換スイッチ17が、赤外光透過部17dを介してカメラ外装筐体10内に配設されている。一方、上記撮影レンズ鏡筒11の右側面には、上記赤外光反射部22a、22bが配設されている。即ち、上記反射部22a、22bは、上記赤外発光LED17a,17bの光を反射して上記受光部17cに入射させる役目をするものであって、スイッチ手段を構成している。
【0043】
このスイッチ手段の開閉は、図8に示すように、撮影者が上記反射部22a,22bを押さえない状態と、図9に示したように、撮影者が上記反射部22a,22bを押さえて、上記撮影レンズを保持した場合とによって行われる。つまり、図8では、2つの上記赤外発光LED17a,17bからの赤外光が、上記反射部22a,22bでそれぞれ反射され、上記受光部17cで受光されていてスイッチはオン状態であるが、図9では、上記反射部22aが撮影者の指20cで隠されているので、上記受光部17cは、上記赤外発光LED17aからの赤外光を受光することがなく片方のスイッチはオフ状態である。
【0044】
上記CPU30は、この撮影者20の指20cの位置を検出して各種設定モードの切換を行う。つまり、上記CPU30は、撮影者が一方の反射部22aを押さえていなければ、撮影時、手振れを発生させる可能性が高いとして、手振れ防止モードをオンにし、上記反射部22aを押さえていれば、撮影レンズ鏡筒を保持していることになるので、撮影時、手振れを発生させる可能性が低いとして、手振れ防止モードをオフにする。
【0045】
また、図9の状態から指20cを他方の反射部22bの位置にずらすと、上述した手段と同様に、例えばストロボ発光モードの設定等のもう1つのモード切換設定ができる。上述したように、ストロボを発光させない場合は、手振れが発生しやすいことから、上記CPU30は、上記反射部22bを押さえてなければ、撮影時、手振れを発生させる可能性が高いとして、ストロボ発光モードをオンにし、上記反射部22bを押さえていれば、撮影時、手振れを発生させる可能性が低いとして、ストロボ発光モードをオフにする。
【0046】
この結果によって、上述した図6に示すように、上記FLED発光部15により、上記LED15a,15bなどが点灯点滅する。上記手振れ検出手段16は、周知の角加速度センサ等を利用してカメラの振動状態を判別する。その結果によって上記CPU30は、図6の上記手振れ用表示LED15bによる手ブレ判定LEDの点滅制御を決定する。
【0047】
このように、上記撮影レンズ鏡筒11での指の動きは、図7の光電変換スイッチ17によって検出されるので、上記撮影レンズ鏡筒11に複雑なメカ機構を設ける必要はない。上記撮影レンズ鏡筒11が複雑な構成になると鏡胴が大型化し、前述の沈胴制御等ができなくなってしまうが、本発明のようにカメラ外装筐体10側に上記光電変換スイッチ17を配設し、鏡筒11側に反射部を設けて、撮影者の鏡筒を保持する手指で、これをオンオフすれば、上記撮影レンズ鏡筒11は簡易化できる。
【0048】
これにより、撮影者は、撮影時、高速性が重視されるモード、例えば手振れ防止モードを設定する場合には、迅速に設定できるため、即写性を満足でき、かつ撮影時の手振れを防止することができる。
【0049】
次に、このように電気回路が構成された本発明の第1実施の形態を示すカメラのCPU30の動作シーケンスの制御を説明する。
【0050】
図10、図11は、本発明によるカメラの撮影手順を示した基本フローチャートである。
【0051】
まず、ステップS1では、撮影者が上記バリア12(図1参照)を開いたか否かを上記電源SW8c(図7参照)によって検出する。前記SW8cにより、上記バリア12の開状態が検出されれば、ステップS2に移行して、上記CPU30(図7参照)により上記アクチュエータ6(図7参照)が制御されて、上記撮影レンズ鏡筒11(図1参照)を基準位置まで繰り出す等のセットアップ動作が行われ、その後ステップS3に移行する。
【0052】
ステップS3では、撮影者によるレリーズ釦1のオン動作が行われたか否かを判定する。ステップS3でレリーズ釦のオン動作が行われると、ステップS11に進み、撮影シーケンスに入る。ステップS11では、上記CPU30は、上記AF手段32及び上記AE手段33(いずれも図7参照)を動作させ露出を適正に制御して、ステップS12に移行する。
【0053】
ステップS12では、ステップS11での露出制御に基づいてストロボ発光が必要か否かを判定する。ストロボ発光が必要であれば、ステップS18に移行して、ステップS18で、後述するストロボ発光モードが撮影者により設定されているか否かを判定し、ストロボ発光モードが設定されていれば、ステップS15に移行して、ストロボフラグを1としてさらにステップS21に移行し、ストロボ発光モードが設定されていなければ、ステップS19に分岐してストロボフラグを0としてステップS21に移行する。
【0054】
ステップS12に戻って、ストロボ発光が不要であれば、ステップS13に分岐して、ステップS13で、後述するストロボ発光モードが撮影者により設定されているか否かを判定し、ストロボ発光モードが設定されていれば、ステップS15に移行してストロボフラグを1としてさらにステップS21に移行し、ストロボ発光モードが設定されていなければ、ステップS14に分岐してストロボフラグを0としてステップS21に移行する。
【0055】
ステップS21では、上記AF手段32によるAF結果に従って、上記撮影レンズ11a(図1参照)のピント合わせを行ってステップS22に移行し、ステップS22では、撮影者により、後述する手振れ防止モードが設定されているか否かを判定する。
【0056】
ステップS22で手振れ防止モードが設定されていなければ、ステップS24に分岐して、前記したステップS15でストロボフラグを1にしたか否かを判定する。ステップS24でストロボフラグが1であれば、ステップS25に移行して、ストロボを発光し、通常の露出演算で決まるシャッタスピードで露出を制御して、その後リターンする。また、ステップS24でストロボフラグが0であれば、ステップS26に分岐して、ストロボは発光されず、通常の露出演算で決まるシャッタスピードで露出を制御して、その後リターンする。
【0057】
ステップS22に戻って、手振れ防止モードが設定されていれば、ステップS23に移行して、上記手振れ検出手段16(図7参照)による手振れ検出を行い、ステップS23で手振れが検出されなければ、ステップS24に分岐して上述した動作を行う。
【0058】
ステップS23で手振れが検出されれば、ステップS27に移行して、前記したステップS15でストロボフラグを1にしたか否かを判定し、ステップS27でストロボフラグが1であれば、ステップS28に移行して、ストロボを発光し、手ブレ対策用のシャッタスピード、即ちステップS25,26で設定したより例えば倍のスピードで露出を制御して手ブレ軽減を行い、その後リターンする。また、ステップS27でストロボフラグが0であれば、ステップS29に分岐して、ストロボは発光されず、手ブレ対策用のシャッタスピード、即ちステップS25,26で設定したよりも、例えば倍のスピードで露出を制御して手ブレ軽減を行い、その後リターンする。
【0059】
このように本発明のカメラでは、ストロボ発光モードや手ブレ防止モードの選択によって、露出方法が切り換えられている。これらのモード切り換えは、撮影者によるレリーズ釦1のオン動作が行われる前に決定される。
【0060】
ステップS3に戻って、ステップS3で、レリーズ釦がオンされていなければ、ステップS4に分岐して、図11に示すように、ステップS4で、撮影者が上記バリア12を開いたか否かを上記電源SW8cによって検出する。ステップS4で、前記SW8cにより、上記バリア12の開状態が検出されれば、上述した図7で示したように、上記光電変換スイッチ17によるモード切り換えや、前記各種モード切換用スイッチ8a,8bのようなプッシュスイッチによるモード切り換えに応じて、モード切り換えが可能となる。これらのモード切り換えは、続くステップS31のフロー以下で行われる。
【0061】
ステップS4に戻って、ステップS4で上記バリア12が閉じているとステップS5に分岐し、上記光電変換スイッチ17及び前記各種モード切換用スイッチ8a,8bにより設定されたモードは、リセットされてステップS6に移行し、ステップ6で、上記撮影レンズ鏡筒11の沈胴制御が行われ、その後リターンする。
【0062】
上述した各種モード切り換えのために、ステップS31では、赤外発光LED17aが、上記撮影レンズ鏡筒11の反射部22aに向けて赤外光を発光してステップS32に移行し、ステップS32では、前記赤外発光LED17aからの赤外光が上記撮影レンズ鏡筒11の反射部22aで反射されて上記受光部17cに受光されたか否かを判定する。
【0063】
ステップS32で、上記受光部17cが前記赤外発光LED17aからの赤外光を受光してなければ、図9に示したように、撮影者の指の位置が上記反射部22aの位置にあり、手ブレが起こりにくいので、ステップS33に移行して、手振れ防止モードをOFFに設定し、ステップS34に移行する。また、上記受光部17cが前記赤外発光LED17aからの赤外光を受光していれば、ステップS34にジャンプする。
【0064】
ステップS34では、上記赤外発光LED17bが、上記撮影レンズ鏡筒11の反射部22bに向けて赤外光を発光してステップS35に移行し、ステップS35では、前記赤外発光LED17bからの赤外光が上記撮影レンズ鏡筒11の反射部22bで反射されて上記受光部17cに受光されたか否かを判定する。
【0065】
ステップS35で、上記受光部17cが前記赤外発光LED17bからの赤外光を受光していなければ、撮影者の指の位置が上記反射部22bの位置にあると判定して、ステップS42に移行して、ストロボモードをOFFに設定し、さらにステップS43に移行し、図6に示すように、ステップS43で上記ストロボ発光オフモード用表示LED15aを点灯または点滅させて、撮影者にストロボを発光しない旨を警告して、ステップS45に移行する。
【0066】
ステップS35に戻って、上記受光部17cが前記赤外発光LED17bからの赤外光を受光していれば、ステップS41に分岐して、上記ストロボ発光オフモード用表示LED15aを消灯し、ステップS45に移行する。
【0067】
ステップS45では、前述したステップS33で手振れ防止モードを設定しなかったか否かを判定する。手振れ防止モードが設定されていなければ、ステップS48にジャンプする。手振れ防止モードが設定されていれば、ステップS46に移行して、上記手振れ検出手段16により実際に手振れが有るか否かを検出し、手振れが無ければステップS48にジャンプし、手振れが有れば、ステップS47に移行して、上記手振れ表示用LED15bを点灯させて、撮影者に手振れが発生している旨を警告して、ステップS48に移行する。
【0068】
最後にステップS48では、上記各種モード切換用スイッチ8a,8bによるデート(日付)モードに切り換えが有るか否かを検出し、切り換えがあれば、ステップS49に移行して、上記表示用LCD7に表示されているデート表示を切り換え、前記ステップS3に戻る。上記ステップS48で上記各種モード切換用スイッチ8a,8bによるデート(日付)モードに切換がなければ、同様に前記ステップS3に戻る。
【0069】
このようにストロボオフモード選択時は、上記ストロボ発光オフモード用表示LED15aが点灯し、非選択時には消灯するため、撮影者にモード選択状態を認知しやすくしている。
【0070】
また、手振れ防止モード設定時は、手振れがあると判定されれば上記手振れ用表示LED15bを点灯させるようにし、これによって、撮影者は手振れが発生したかどうかを確認してカメラの構え方を自分で直すことができる。
【0071】
さらに、日付データ写し込みモードの選択は、特にカメラを構えた状態で行う必要がないので上記各種モード切換用スイッチ8a、8bのスイッチで切り換えればよく、デート表示の切換の様子は、カメラの上部に設けられた上記LCD7に表示すればよい。
【0072】
よって、撮影シーンに応じてカメラを構えながら設定し、かつ手振れに影響するモード設定(手振れ防止モードやストロボモード)は、上記撮影レンズ鏡筒11近傍の上記スイッチ手段によって行い、その他のモードは従来のカメラのように、上記カメラ外装筐体10に配設されたプッシュスイッチと上記LCD7の表示の切り換えによって行うようにすればファインダ近傍のLCDや、上記撮影レンズ鏡筒11近傍の電気配線数を減らして低コスト化することができる。
【0073】
以上説明したように本発明の第1実施の形態のカメラによれば、上記撮影レンズ鏡筒11に複雑な機構の可動部を設けることなく、撮影者の指の位置によってスイッチ手段を動作させて各種モードを切り換えるので、構成を単純化することできる。また、上記撮影レンズ鏡筒11を支えながら各種モード設定ができるため、手振れに強いカメラを提供することができる。
【0074】
図12乃至図14は、本発明の第2実施の形態を示すカメラの撮影レンズ鏡筒を示した斜視図である。
【0075】
この第2実施形態のカメラの構成は、前記図1乃至図11に示した第1実施形態のカメラの構成と殆ど同じであるが、この第2実施形態においては、撮影レンズ鏡筒11の側面に上記反射部22a,22bを設ける代わりに、赤外光を反射する反射部と、赤外光を吸収する非反射部を有する回転環を配設した点のみが異なる。よって、この相違点のみを説明し、第1実施形態のカメラと同様の構成部材には、同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0076】
図12に示すように、撮影レンズ110aを有する撮影レンズ鏡筒110の周面には、赤外光を上記受光部17cに反射する反射部40と、赤外光を吸収又は拡散する非反射部41を有する回転環116が、上記撮影レンズ鏡筒110に対して回動自在に配設されている。この回転環116は、撮影者の手によって、図12,図13,図14に示す3つの状態に回動停止されるようになっており、停止位置は、例えばクリックストップ機構等で暫定的に規定されている。従って、この3つの状態の位置の中間ではクリック感がなく止まらないようになっている。また上記回転環116の反射部40及び非反射部41は、スイッチ手段を構成している。
【0077】
このように構成された、上記撮影レンズ鏡筒110においては、通常は、図12に示すように、赤外発光LED17a,17bから、上記回転環116に配設された反射部40に向かって赤外光をそれぞれ投光し、上記反射部40による反射で受光部17cに赤外光が入射するようになっており、これは、上述した第1実施形態の図8で示した状態に相当する。
【0078】
上記回転環116を回転させて撮影者が図13に示す状態に停止すると、上記赤外発光LED17bからの赤外光は、上記反射部40により反射されて上記受光部17cに受光されるが、上記赤外発光LED17aからの赤外光は、上記非反射部41により、吸収又は拡散されるので、スイッチ手段が動作し、上記受光部17cは、上記赤外発光LED17aからの赤外光を受光することがない。これは、上述した第1実施形態の図9で示した状態に相当する。即ち、手振れ防止モードがオフとなる。
【0079】
この手段によれば、図12に示すように、撮影者が上記回転環116を押さえない状態と、図13に示したように、撮影者が上記回転環116を押さえて移動させ、上記撮影レンズを保持した状態との差異を上述した第1実施形態と同じ手法で、判別することができる。
【0080】
また、図13の状態から、撮影者が上記回転環116を回転させて、図14に示す状態に移動停止すると、上述した第1実施形態と同様に、例えばストロボ発光モードの設定等のもう1つのモード切換設定ができる。
【0081】
即ち、撮影時、手振れを発生させる可能性が低いとして、ストロボ発光モードをオフにする。また、この場合、上記赤外発光LED17aからの赤外光も非反射部41に吸収又は拡散されているので、手振れ防止モードはオフとなる。
【0082】
このように構成された本発明の第2実施の形態においては、上記撮影レンズ鏡筒110に配設された上記回転環116で、上記スイッチ手段を構成したため、より良好な操作感が得られ、撮影者による確実な切換操作を可能としている。また、カメラの大型化を防止することができる。
【0083】
尚、上述した本発明の第1及び第2実施の形態においては、図15に示すように、撮影レンズ211aを有する撮影レンズ鏡筒211側に、上記赤外発光LED17aを配設しても良い。この場合、上記カメラ外装筐体側には、受光部17cのみが配設される。そして、図示しないカメラ外装筐体に配設されたドライバ80と、上記撮影レンズ鏡筒側211に配設された上記赤外発光LED17aをフレキシブル基板81で接続し、上記フレキシブル基板81を介して、上記赤外発光LED17aに上記ドライバ80からの電流を供給して、上記赤外発光LED17aから赤外光を発光させる。このような構成によれば、上記撮影レンズ鏡筒に反射部を配設するよりも、より大きなS/Nが得られ誤動作を防止することができる。
【0084】
尚、上記受光部17cの受光センサは、従来のカメラが有していたリモコン信号の受光部をそのまま代用してもよい。従来のカメラに内蔵されているリモコン信号の受信回路では、撮影者がカメラをリモートコントロールするために、図16に示すように、例えばリモコン等の送信部50を操作した時、リモコン受光部170cは、上記リモコン等の送信部50の発光素子51から送光された赤外パルス光52を受光し、これを増幅器53で増幅したものを、上記CPU30がリモコンの受光を判定して前記シャッタ5を制御するしくみになっている。
【0085】
従って、このリモコン信号受信回路利用するには、図16のスイッチ54をオン、スイッチ55をオフにして、抵抗56、コンデンサ57からなるハイパスフィルタを作動させて、パルス増幅器53に信号光電流を導くようにすればよい。
【0086】
上記受光センサ170cを共用しつつ、リモコン回路を誤動作させないようにするには、図16のモード切換判定用の赤外発光LED170aを、直流又は異なる周波数でパルス駆動し、ロジック制御回路58で上記スイッチ54をオフ、上記スイッチ55をオンにして、光電流を光量検出回路59に導く。
【0087】
続いて、上記光量検出回路59による光量検出結果を上記CPU30が判定すれば、図8、図9及び図12乃至図14並びに図15で示したような構成の光電スイッチの判定が可能となる。この場合、重要なのは上記受光センサ170cに定常的に入射する背景光の影響であるが、これは公知のアクティブAFの技術(定常光除去)を用いてもよいし、上記LED170aの発光前に定常光量を上記CPU30が記憶しておき、上記LED170a発光時の光増加量を判定して、信号光の入射を検出するようにすればよい。
【0088】
このような電気回路の構成によれば、カメラ内に配置するセンサの数を増加させることなく、省スペース化、及び低コスト化を実現することができる。
【0089】
尚、手振れの検出方法として、例えば上記AF手段32(図7参照)のAFセンサを用いて手振れを検出するようにしても良い。例えば、図17に示すように、1対の受光レンズ32c、32dと、1対のセンサアレイ32a、32bからなる、所謂、外光パッシブ方式の測距装置では、周知のように、上記センサアレイ32a及び上記センサアレイ32b上の像位置を比較し、その差xを求めて、被写体距離Lを求める。受光レンズ間距離をBとし、受光レンズの焦点距離をfとすると三角測距の原理よりL=B・f/xの関係で被写体距離Lが求められる。
【0090】
このようなAF(測距)装置を用いると、センサアレイ32aが被写体像を検出できるので、所定時間間隔を隔てた像信号を比較して、像が変化していれば手振れ有り、像が変化してなければ手振れ無しと判定することができる。
【0091】
また、図18に示すように、手振れがあると、所定タイミングt1で得られる像データと、別のタイミングt2で得られる像データが異なるので、この差異を調べるような演算を上記CPU30(図7参照)が行うように構成する。
【0092】
このように、AFセンサの出力を用いて手振れを判定すればコストを増大させることなく手振れを検出でき、その結果によって手振れの警告、シャッタスピードを切り換える等、図10、図11で示したようなアルゴリズムの実施が可能となる。
【0093】
尚、上述した実施の形態では、上記撮影レンズ鏡筒11をカメラの外装筐体10内に収納する沈胴式のカメラについて説明したが、機構を簡易化するのはコスト面、大きさ面からも必須であり、かつ、撮影レンズ鏡筒を保持すれば手振れに強くなるため、撮影レンズ鏡筒にてモード操作ができるような構成は沈胴するしないにかかわらず重要である。
【0094】
従って、図19に示すように、撮影レンズ鏡筒311が、カメラ外装筐体310内に沈胴しないタイプのカメラにおいても、本発明の特徴たる光電変換スイッチ170を配置してモード切換を行うにしてもよい。
【0095】
また、主にモード切換について述べたが、シャッタスピードや絞り等、手振れと関連するパラメータ変更用SWへの応用が可能であることは、云うまでもない。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、操作部の一部を、撮影レンズ鏡筒に設けたので、撮影時に両手でカメラを構える頻度が多くなり手振れの影響を抑えつつ、迅速な操作のできるカメラを提供することができる。また、スイッチ手段に光電変換スイッチを用いたので、操作部や配線を単純化することができ、レンズ鏡筒をカメラ筐体内に沈胴させて携帯性を向上できるカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態を示すカメラを右斜め上方から見た外観斜視図、
【図2】図1のカメラの背面側の斜視図、
【図3】図1のカメラの撮影レンズ鏡筒が沈胴した状態を示す斜視図、
【図4】図3のカメラの内部構造を省略した要部拡大断面図、
【図5】図1のカメラを撮影者が保持した状態を示す正面図、
【図6】美術館での写真撮影の構図の一例を示したファインダ表示部の拡大図、
【図7】本発明の第1実施の形態を示すカメラの電気回路の全体の構成を示すブロック図、
【図8】図1のカメラにおけるスイッチ手段の構成と配設状態を示す要部拡大斜視図、
【図9】図8のスイッチ手段の操作の一例を示す要部拡大斜視図、
【図10】図1のカメラの撮影手順を示した基本フローチャート、
【図11】図1のカメラにおけるスイッチ手段による各種モードの設定手順を示した基本フローチャート、
【図12】本発明の第2実施の形態を示すカメラにおけるスイッチ手段の構成と配設状態を示した斜視図、
【図13】図12のスイッチ手段の操作の一例を示す斜視図、
【図14】図12のスイッチ手段の操作の他の例を示す斜視図、
【図15】本発明のカメラにおけるスイッチ手段の変形例を示す斜視図、
【図16】受光部の受光センサに、従来のカメラが有していたリモコン信号の受光部を代用した場合を示す電気回路図、
【図17】手振れの検出方法として、AFセンサを用いて手振れを検出する場合の光学系統図、
【図18】AFタイミングによって、センサアレイに入力される像データが異なることを示した線図、
【図19】撮影レンズ鏡筒が、カメラ外装筐体内に沈胴しないタイプのカメラに本発明を適用した場合の概略図。
【符号の説明】
10,310…カメラ外装筐体
11,110,211…撮影レンズ鏡筒
17a,17b…赤外発光LED(発光部)(スイッチ手段)
17c…受光部(スイッチ手段)
20…撮影者
20c…撮影者の指
22a,22b…撮影レンズ鏡筒の反射部
30…CPU(シーケンス制御手段)
40…回転環の反射部(スイッチ手段)
41…回転環の非反射部(スイッチ手段)
116…回転環
170c…リモコン受光用センサ(スイッチ手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラ、詳しくは、手振れ防止機能、ストロボのオン/オフ制御等のモード切換機能を有するカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、従来のカメラでは、撮影時に種々多様な撮影モードを設定する場合、撮影者は、カメラ外装筐体の上面や背面に配設されたLCD表示部の表示を見ながら、前記表示部に隣接して配設されたスイッチを操作して設定モードの切換を行っていた。このスイッチ操作は、セルフタイマモードの設定や、風景モード等の設定ならば十分な仕様であったが、被写体を見ながらモードを切り換えたい場合には、即写性という点で満足できるものではなかった。
【0003】
また、近年のカメラは電子制御が進んでおり、必ずしも撮影レンズ鏡筒にシャッタ速度設定用及び絞り設定用等のダイヤルを設けなくとも、カメラ本体側でこれらの設定が自動的に行われるようになっている。
【0004】
このことにより、撮影レンズ鏡筒の機構を簡易化し、カメラの不使用時や携帯時には、撮影レンズ鏡筒をカメラ外装筐体内に収納することができる沈胴式のカメラが市場に多く出回るようになった。この沈胴技術によって、カメラは小型化され、カメラを旅行などに持っていく際のユーザーへの負担が小さくなった。
【0005】
しかし一方で、古くから行われていた、撮影レンズ鏡筒での操作はなくなってしまったため、カメラを両手で保持して構えることが少なくなり、撮影時に手ブレが起こるケースが増加した。
【0006】
上記事情に鑑みて、特許文献1や特許文献2に記載の技術では、マクロモード設定用スイッチや防振モード設定用スイッチを、また特許文献3に記載の技術では電源用SWを撮影レンズ鏡筒に設けている。これにより、被写体を見ながら各種モード設定を行うことができるため、モード設定を行って撮影を行う際の即写性が向上され、また、防振モード設定用スイッチを用いることにより、撮影時の手振れの発生を防止することができる。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−308366号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2001−51315号公報
【0009】
【特許文献3】
特開2000−314907号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献に記載のように、各種撮影モード設定用スイッチが撮影レンズ鏡筒に多く配設されると、レンズ沈胴機構が構成しにくくなり、カメラが大型化してしまうといった問題があった。
【0011】
さらに、撮影レンズ鏡筒に各種メカスイッチを配設すると、撮影レンズ鏡筒の可動部に、種々の電気的な信号線を配設する必要があるため、前記可動部の信頼性が乏しくなりカメラの故障の原因につながる虞があった。
【0012】
本発明の目的は、上記問題を解消するために、撮影時の即写性を向上させると共に、その構成を簡素化し、操作性及び信頼性を向上させ、かつ撮影時の手振れを防止したカメラを提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段、及び作用】
上記の目的を達成するために本発明によるカメラは、撮影者がカメラの撮影レンズ鏡筒の所定の箇所を保持したことを検出するスイッチ手段と、上記スイッチ手段の検出結果に従って、撮影の動作シーケンスを制御するシーケンス制御手段と、上記カメラのファインダ接眼部の近傍に設けられた表示手段を切り換える切換制御手段と、を具備したことを特徴とし、上記スイッチ手段は、上記撮影レンズ鏡筒を保持した撮影者の指の位置が所定箇所にあるか否かを検出する光電スイッチで構成されていることを特徴とし、さらに、上記シーケンス制御手段は、上記スイッチ手段の検出結果により、上記カメラの振動状態を検出し手振れを防止するモード、又は上記カメラに配設されたストロボのオン/オフを制御するモードを設定することを特徴とする。
【0014】
また、本発明によるカメラにおける上記スイッチ手段は、上記撮影レンズ鏡筒に配設された複数の反射部と、上記カメラ外装筐体に配設された発光部と、上記カメラ外装筐体に配設され、受光素子により構成された受光部とを具備し、上記発光部からの発光は、上記反射部で反射され、上記受光部にて受光されることを特徴とし、さらに、このスイッチ手段は、上記発光部の発光による上記受光部の受光の有無で、上記複数の反射部上の撮影者の指の位置を判定することを特徴とし、また、上記受光部は、リモコン信号受光用センサを共用したことを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明によるカメラにおける上記スイッチ手段は、上記撮影レンズ鏡筒に回動自在に配設された回転環と、上記回転環に配設された複数の反射部と、上記回転環に配設された複数の非反射部と、上記カメラ外装筐体に配設された発光部と、上記カメラ外装筐体に配設され、受光素子により構成された受光部とを具備し、上記発光部からの発光は、上記回転環の反射部で反射され、上記受光部にて受光されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明によるカメラにおける上記撮影レンズ鏡筒は、上記カメラ外装筐体内に沈胴する収納状態と、撮影時可能状態の少なくとも2状態に移動制御されることを特徴とする。
【0017】
この構成により、カメラ外装筐体を片手で保持し、もう一方の手で撮影レンズ鏡筒を保持すると共に、スイッチ手段の操作ができるため、手振れが抑えられ確実な写真撮影をすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の第1実施の形態を説明するに先立って、本発明のカメラの概要について説明する。
【0019】
旧来のカメラにおける撮影レンズ鏡筒には、シャッタ速度設定用及び絞り設定用の環状ダイヤルが配設されており、撮影者は、一方の手でカメラボディを保持し、他方の手でこれらのダイヤルを回動操作し、鏡筒を保持するので、両手でカメラを保持して、撮影を行っていた。従って、このようにカメラを両手で保持して撮影を行えば撮影時の手振れが発生し難くなる。
【0020】
ところが、近年のカメラでは、前述したように電子制御が進んでおり、必ずしも撮影レンズ鏡筒にシャッタ速度設定用及び絞り設定用のダイヤルを持たさなくとも、カメラ本体側でシャッタ速度や絞り等が自動的に適正に設定されるようになっている。
【0021】
しかし、撮影時の撮影レンズ鏡筒での操作がなくなってしまったため、カメラを両手で構え保持することが少なくなり、手ブレが起こるケースが増加している。
【0022】
本発明は以上の点に鑑み、撮影レンズ鏡筒の所定の部位とこの部位に対向するカメラ外装筐体の部位に、協働してスイッチ操作を行うスイッチ手段を設け、これを鏡筒を保持した手で操作するようにすることにより、敢えて、両手でカメラを保持する機会を増加させて、手ブレの影響を軽減させるものである。
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施の形態を示すカメラを右斜め上方から見た外観斜視図、図2は、図1のカメラの背面側の斜視図、図3は、図1のカメラの撮影レンズ鏡筒が沈胴された状態を示す斜視図、図4は、図3のカメラの内部構造を省略した要部概略断面図、図5は、図1のカメラの撮影レンズ鏡筒を撮影者が保持して撮影している状態を示す正面図、図6は、美術館での構図の一例を示したファインダ表示図である。
【0024】
図1に示すように、カメラ本体をなすカメラ外装筐体10の前面中央部には、被写体を撮像するための撮影レンズ11aを有する沈胴式の撮影レンズ鏡筒11が配設されており、この撮影レンズ鏡筒11の右側面には、後述するスイッチ手段を構成する反射部22a、22bが配設されている。
【0025】
上記レンズ鏡筒11の上方には、被写体を光学的に観察するためのファインダ窓2が配設されており、このファインダ窓2の右方には、被写体までの距離を測距するための測距ユニットを有するオートフォーカス(以下、AFという)用受光窓3が配設されており、さらに、このAF用受光窓3の右方には、被写体を照射するためのストロボ発光窓9が配設されている。
【0026】
また、このカメラの前面には、摺動可能で不使用時や携帯時に、カメラ外装筐体10内に沈胴した上記撮影レンズ鏡筒11、上記ファインダ対物窓2、上記AF用受光窓3を覆い保護するバリア12が配設されている。このバリア12は、例えば、後述する電源スイッチ8c(図7参照)を兼ねており、開放動作に連動して電源がオンし、カメラ外装筐体内に沈胴している上記撮影レンズ鏡筒11を所定位置まで繰り出させて撮影可能状態とし、閉成動作時には、図3及び図4に示すように、上記撮影レンズ鏡筒11をカメラ外装筐体10内に沈胴させて、電源をオフさせる機能を有している。
【0027】
さらに、前記撮影レンズ鏡筒11の右方には、上記反射部22a,22bと共に、後述するスイッチ手段を構成する光電変換スイッチ17が配設されている。
【0028】
また、前記カメラ外装筐体10の上面左側には、撮影を開始させるためのレリーズ釦1が配設されており、上面中央部には、各種撮影モードや撮影コマ数等を表示するための表示用LCD7が配設されており、さらに、この表示用LCD7の右方には、各種モード切換用スイッチ8a、8bが配設されている。
【0029】
また、図2に示すように、前記カメラ外装筐体10の背面上部中央には、撮影者が撮影構図やシャッタタイミングを決定するためのファインダ接眼窓60が配設されており、このファインダ接眼窓60の近傍には、ファインダLED発光部(以下、FLED発光部と称す)15が配設されている。
【0030】
このように構成された図1乃至図4に示すカメラで撮影を行う場合、図5に示すように、撮影者20の右手20aでカメラ外装筐体10を保持し、上記レリーズ釦1を押し込めるように、その人差し指20bをカメラ外装筐体10の上面左側に配設された上記レリーズ釦1に当てる。今日の全自動カメラは、このような片手のみの保持で撮影を行うことが可能となっているが、本発明のカメラでは、図5に示すように、さらにもう一方の手(左手)20cで上記カメラ外装筐体10の撮影レンズ鏡筒11を保持し、スイッチ手段を操作するようになっている。また、このように両手でカメラを保持すると、カメラが安定し、撮影時の手振れが小さくなる。特に薄暗い所では、露光時間が長くなるので手振れが発生し易く、またストロボオフモード(ストロボを光らせないモード)でも、手振れが発生しやすくなるので、両手を用いて保持した方がよい。
【0031】
また、図6に示すように美術館等で写真を撮る場合には、ストロボ光が展示品に影響を与えるため、カメラをストロボオフの状態にして撮影する必要がある。この時、ストロボオフモードになったことを撮影者に認知させるために、上記ファインダLED発光部15を用いて、ストロボ発光オフモード用表示LED15aをファインダ近くに点灯させればユーザーは安心して撮影に入ることができる。また、この時、上述したように、手振れが発生しやすいので、手振れの振動を検出して手振れ用表示LED15bを点滅させて撮影者にその旨を警告してもよい。
【0032】
図7は、本発明の第1実施の形態を示すカメラの電気回路の全体の構成を示すブロック図、図8は、本発明の第1実施の形態を示すカメラに光電スイッチからなるスイッチ手段を配設したことを示す要部拡大斜視図、図9は、図8のカメラのスイッチ手段の操作の一例を示す要部拡大斜視図である。
【0033】
図7に示すように、上記カメラ外装筐体10内には、撮影者のスイッチ操作に従ってカメラの全体的な動作シーケンスを制御するワンチップマイクロコンピュータ等で構成された演算制御回路(以下、CPUと称す)30が配設されており、このCPU30には、上述したカメラの撮影シーケンスを開始させるためのレリーズスイッチ1と、シャッタ5と、アクチュエータ6と、LCD表示部7と、各種モード切換用スイッチ8a,8bと、バリアスイッチ8cと、ストロボ発光窓を有するストロボ発光部9と、FLED発光部15と、手振れ検出手段16と、スイッチ手段を構成する光電変換スイッチ17と、AF手段32と、AE手段33と、合焦手段34がそれぞれ接続されている。尚、上記レリーズスイッチ1、上記各種モード切換用スイッチ8a,8b、上記ストロボ発光部9は、上述した図1に示したものに相当する。
【0034】
上記バリアスイッチ8cは、前述のバリア12の開閉に従ってカメラの電気回路の電源をオン/オフするスイッチであり、バリア12が開放されて電源がオンされたときには、上記CPU30からの指令によって、上記撮影レンズ鏡筒11を前記カメラ外装筐体10の外に繰り出して撮影可能状態(セットアップ)とし(図1参照)、また、バリア12の閉成時には、レンズ鏡筒11を前記筐体10内に沈胴させて(図3、4参照)電源をオフして携帯性を向上させる。
【0035】
これらの動作は、上記アクチュエータ6によって行われる。このアクチュエータ6には、送りネジ6aが接続されており、この送りネジ6aは、上述した上記撮影レンズ鏡筒11を駆動する。
【0036】
上記アクチュエータ6は、上記CPU30の指示により、前記送りネジ6aを回転させて、前記撮影レンズ11a、前記シャッタ5、前記合焦手段34を有する上記撮影レンズ鏡筒11を光軸方向に移動させるものである。
【0037】
上記CPU30は、上記レリーズスイッチ1のオン検出がなされると、撮影に先立って上記AF手段32及び上記AE手段33を制御して、上記AF受光窓3(図1参照)を介して、被写体距離並びに明るさを測定、測光し、その結果に従って上記CPU30は、ピント合わせを行うために、上記合焦手段34によって上記撮影レンズ11aの適正位置を制御し、上記シャッタ5の露出時間(シャッタスピード)を適正に設定する。また、必要に応じて上記ストロボ発光部9を発光させ、露出を補う。尚、上記CPU30は、シーケンス制御手段を構成している。
【0038】
前記各種モード切換用スイッチ8a,8bは、セルフタイマモードや日付写し込み用のモード(デートモード)など、それほど即写性を求められないモードを設定するものであり、上記各種モード切換用スイッチ8a,8bによるモード切換結果や、撮影コマ数などは上記LCD表示部7に表示される。
【0039】
このLCD表示部7に表示されるモードの設定は、上述したように、セルフタイマモードの設定や、風景モード等の設定ならば、上記カメラ外装筐体10の上面に配設された、上記各種モード切換用スイッチ8a,8bで十分な仕様であるが、被写体を見ながらモードを切り換えたい場合、例えば、撮影時に手振れの発生を防止するために設定する手振れ防止モードの設定スイッチの場合には、上記カメラ外装筐体10の上面でのスイッチ操作では、即写性という点で満足できるものではない。
【0040】
そこで、本発明では、上記赤外発光LED17a,17bを有する、スイッチ手段である上記光電変換スイッチ17を上記カメラ外装筐体10に配設してある(図1参照)。この赤外発光LED17a,17bは、上記CPU30のポートによって直接ドライブされ、受光部17cは、電流電圧変換用の抵抗18を介して、上記CPU30のポートに接続されている。尚、上記赤外発光LED17a,17b、上記受光部17cは、スイッチ手段を構成している。
【0041】
上記CPU30のポートは、オープンドレイン形式になっていて、上記LED17a,17bが発光している時は、抵抗をGNDレベルにおとし、抵抗の反対側の端子は上記CPU30に内蔵の図示しないA/D変換手段に入力させることによって入射光レベルを上記CPU30が検出することができるようになっている。
【0042】
このように上記CPU30に接続された上記光電変換スイッチ17が、詳しくは、図8に示すように、カメラ外装筐体10の、上記撮影レンズ鏡筒11の右側面に対向する位置に配設されている。つまり、上記赤外発光LED17a,17bと受光センサを有する上記受光部17cとからなる光電変換スイッチ17が、赤外光透過部17dを介してカメラ外装筐体10内に配設されている。一方、上記撮影レンズ鏡筒11の右側面には、上記赤外光反射部22a、22bが配設されている。即ち、上記反射部22a、22bは、上記赤外発光LED17a,17bの光を反射して上記受光部17cに入射させる役目をするものであって、スイッチ手段を構成している。
【0043】
このスイッチ手段の開閉は、図8に示すように、撮影者が上記反射部22a,22bを押さえない状態と、図9に示したように、撮影者が上記反射部22a,22bを押さえて、上記撮影レンズを保持した場合とによって行われる。つまり、図8では、2つの上記赤外発光LED17a,17bからの赤外光が、上記反射部22a,22bでそれぞれ反射され、上記受光部17cで受光されていてスイッチはオン状態であるが、図9では、上記反射部22aが撮影者の指20cで隠されているので、上記受光部17cは、上記赤外発光LED17aからの赤外光を受光することがなく片方のスイッチはオフ状態である。
【0044】
上記CPU30は、この撮影者20の指20cの位置を検出して各種設定モードの切換を行う。つまり、上記CPU30は、撮影者が一方の反射部22aを押さえていなければ、撮影時、手振れを発生させる可能性が高いとして、手振れ防止モードをオンにし、上記反射部22aを押さえていれば、撮影レンズ鏡筒を保持していることになるので、撮影時、手振れを発生させる可能性が低いとして、手振れ防止モードをオフにする。
【0045】
また、図9の状態から指20cを他方の反射部22bの位置にずらすと、上述した手段と同様に、例えばストロボ発光モードの設定等のもう1つのモード切換設定ができる。上述したように、ストロボを発光させない場合は、手振れが発生しやすいことから、上記CPU30は、上記反射部22bを押さえてなければ、撮影時、手振れを発生させる可能性が高いとして、ストロボ発光モードをオンにし、上記反射部22bを押さえていれば、撮影時、手振れを発生させる可能性が低いとして、ストロボ発光モードをオフにする。
【0046】
この結果によって、上述した図6に示すように、上記FLED発光部15により、上記LED15a,15bなどが点灯点滅する。上記手振れ検出手段16は、周知の角加速度センサ等を利用してカメラの振動状態を判別する。その結果によって上記CPU30は、図6の上記手振れ用表示LED15bによる手ブレ判定LEDの点滅制御を決定する。
【0047】
このように、上記撮影レンズ鏡筒11での指の動きは、図7の光電変換スイッチ17によって検出されるので、上記撮影レンズ鏡筒11に複雑なメカ機構を設ける必要はない。上記撮影レンズ鏡筒11が複雑な構成になると鏡胴が大型化し、前述の沈胴制御等ができなくなってしまうが、本発明のようにカメラ外装筐体10側に上記光電変換スイッチ17を配設し、鏡筒11側に反射部を設けて、撮影者の鏡筒を保持する手指で、これをオンオフすれば、上記撮影レンズ鏡筒11は簡易化できる。
【0048】
これにより、撮影者は、撮影時、高速性が重視されるモード、例えば手振れ防止モードを設定する場合には、迅速に設定できるため、即写性を満足でき、かつ撮影時の手振れを防止することができる。
【0049】
次に、このように電気回路が構成された本発明の第1実施の形態を示すカメラのCPU30の動作シーケンスの制御を説明する。
【0050】
図10、図11は、本発明によるカメラの撮影手順を示した基本フローチャートである。
【0051】
まず、ステップS1では、撮影者が上記バリア12(図1参照)を開いたか否かを上記電源SW8c(図7参照)によって検出する。前記SW8cにより、上記バリア12の開状態が検出されれば、ステップS2に移行して、上記CPU30(図7参照)により上記アクチュエータ6(図7参照)が制御されて、上記撮影レンズ鏡筒11(図1参照)を基準位置まで繰り出す等のセットアップ動作が行われ、その後ステップS3に移行する。
【0052】
ステップS3では、撮影者によるレリーズ釦1のオン動作が行われたか否かを判定する。ステップS3でレリーズ釦のオン動作が行われると、ステップS11に進み、撮影シーケンスに入る。ステップS11では、上記CPU30は、上記AF手段32及び上記AE手段33(いずれも図7参照)を動作させ露出を適正に制御して、ステップS12に移行する。
【0053】
ステップS12では、ステップS11での露出制御に基づいてストロボ発光が必要か否かを判定する。ストロボ発光が必要であれば、ステップS18に移行して、ステップS18で、後述するストロボ発光モードが撮影者により設定されているか否かを判定し、ストロボ発光モードが設定されていれば、ステップS15に移行して、ストロボフラグを1としてさらにステップS21に移行し、ストロボ発光モードが設定されていなければ、ステップS19に分岐してストロボフラグを0としてステップS21に移行する。
【0054】
ステップS12に戻って、ストロボ発光が不要であれば、ステップS13に分岐して、ステップS13で、後述するストロボ発光モードが撮影者により設定されているか否かを判定し、ストロボ発光モードが設定されていれば、ステップS15に移行してストロボフラグを1としてさらにステップS21に移行し、ストロボ発光モードが設定されていなければ、ステップS14に分岐してストロボフラグを0としてステップS21に移行する。
【0055】
ステップS21では、上記AF手段32によるAF結果に従って、上記撮影レンズ11a(図1参照)のピント合わせを行ってステップS22に移行し、ステップS22では、撮影者により、後述する手振れ防止モードが設定されているか否かを判定する。
【0056】
ステップS22で手振れ防止モードが設定されていなければ、ステップS24に分岐して、前記したステップS15でストロボフラグを1にしたか否かを判定する。ステップS24でストロボフラグが1であれば、ステップS25に移行して、ストロボを発光し、通常の露出演算で決まるシャッタスピードで露出を制御して、その後リターンする。また、ステップS24でストロボフラグが0であれば、ステップS26に分岐して、ストロボは発光されず、通常の露出演算で決まるシャッタスピードで露出を制御して、その後リターンする。
【0057】
ステップS22に戻って、手振れ防止モードが設定されていれば、ステップS23に移行して、上記手振れ検出手段16(図7参照)による手振れ検出を行い、ステップS23で手振れが検出されなければ、ステップS24に分岐して上述した動作を行う。
【0058】
ステップS23で手振れが検出されれば、ステップS27に移行して、前記したステップS15でストロボフラグを1にしたか否かを判定し、ステップS27でストロボフラグが1であれば、ステップS28に移行して、ストロボを発光し、手ブレ対策用のシャッタスピード、即ちステップS25,26で設定したより例えば倍のスピードで露出を制御して手ブレ軽減を行い、その後リターンする。また、ステップS27でストロボフラグが0であれば、ステップS29に分岐して、ストロボは発光されず、手ブレ対策用のシャッタスピード、即ちステップS25,26で設定したよりも、例えば倍のスピードで露出を制御して手ブレ軽減を行い、その後リターンする。
【0059】
このように本発明のカメラでは、ストロボ発光モードや手ブレ防止モードの選択によって、露出方法が切り換えられている。これらのモード切り換えは、撮影者によるレリーズ釦1のオン動作が行われる前に決定される。
【0060】
ステップS3に戻って、ステップS3で、レリーズ釦がオンされていなければ、ステップS4に分岐して、図11に示すように、ステップS4で、撮影者が上記バリア12を開いたか否かを上記電源SW8cによって検出する。ステップS4で、前記SW8cにより、上記バリア12の開状態が検出されれば、上述した図7で示したように、上記光電変換スイッチ17によるモード切り換えや、前記各種モード切換用スイッチ8a,8bのようなプッシュスイッチによるモード切り換えに応じて、モード切り換えが可能となる。これらのモード切り換えは、続くステップS31のフロー以下で行われる。
【0061】
ステップS4に戻って、ステップS4で上記バリア12が閉じているとステップS5に分岐し、上記光電変換スイッチ17及び前記各種モード切換用スイッチ8a,8bにより設定されたモードは、リセットされてステップS6に移行し、ステップ6で、上記撮影レンズ鏡筒11の沈胴制御が行われ、その後リターンする。
【0062】
上述した各種モード切り換えのために、ステップS31では、赤外発光LED17aが、上記撮影レンズ鏡筒11の反射部22aに向けて赤外光を発光してステップS32に移行し、ステップS32では、前記赤外発光LED17aからの赤外光が上記撮影レンズ鏡筒11の反射部22aで反射されて上記受光部17cに受光されたか否かを判定する。
【0063】
ステップS32で、上記受光部17cが前記赤外発光LED17aからの赤外光を受光してなければ、図9に示したように、撮影者の指の位置が上記反射部22aの位置にあり、手ブレが起こりにくいので、ステップS33に移行して、手振れ防止モードをOFFに設定し、ステップS34に移行する。また、上記受光部17cが前記赤外発光LED17aからの赤外光を受光していれば、ステップS34にジャンプする。
【0064】
ステップS34では、上記赤外発光LED17bが、上記撮影レンズ鏡筒11の反射部22bに向けて赤外光を発光してステップS35に移行し、ステップS35では、前記赤外発光LED17bからの赤外光が上記撮影レンズ鏡筒11の反射部22bで反射されて上記受光部17cに受光されたか否かを判定する。
【0065】
ステップS35で、上記受光部17cが前記赤外発光LED17bからの赤外光を受光していなければ、撮影者の指の位置が上記反射部22bの位置にあると判定して、ステップS42に移行して、ストロボモードをOFFに設定し、さらにステップS43に移行し、図6に示すように、ステップS43で上記ストロボ発光オフモード用表示LED15aを点灯または点滅させて、撮影者にストロボを発光しない旨を警告して、ステップS45に移行する。
【0066】
ステップS35に戻って、上記受光部17cが前記赤外発光LED17bからの赤外光を受光していれば、ステップS41に分岐して、上記ストロボ発光オフモード用表示LED15aを消灯し、ステップS45に移行する。
【0067】
ステップS45では、前述したステップS33で手振れ防止モードを設定しなかったか否かを判定する。手振れ防止モードが設定されていなければ、ステップS48にジャンプする。手振れ防止モードが設定されていれば、ステップS46に移行して、上記手振れ検出手段16により実際に手振れが有るか否かを検出し、手振れが無ければステップS48にジャンプし、手振れが有れば、ステップS47に移行して、上記手振れ表示用LED15bを点灯させて、撮影者に手振れが発生している旨を警告して、ステップS48に移行する。
【0068】
最後にステップS48では、上記各種モード切換用スイッチ8a,8bによるデート(日付)モードに切り換えが有るか否かを検出し、切り換えがあれば、ステップS49に移行して、上記表示用LCD7に表示されているデート表示を切り換え、前記ステップS3に戻る。上記ステップS48で上記各種モード切換用スイッチ8a,8bによるデート(日付)モードに切換がなければ、同様に前記ステップS3に戻る。
【0069】
このようにストロボオフモード選択時は、上記ストロボ発光オフモード用表示LED15aが点灯し、非選択時には消灯するため、撮影者にモード選択状態を認知しやすくしている。
【0070】
また、手振れ防止モード設定時は、手振れがあると判定されれば上記手振れ用表示LED15bを点灯させるようにし、これによって、撮影者は手振れが発生したかどうかを確認してカメラの構え方を自分で直すことができる。
【0071】
さらに、日付データ写し込みモードの選択は、特にカメラを構えた状態で行う必要がないので上記各種モード切換用スイッチ8a、8bのスイッチで切り換えればよく、デート表示の切換の様子は、カメラの上部に設けられた上記LCD7に表示すればよい。
【0072】
よって、撮影シーンに応じてカメラを構えながら設定し、かつ手振れに影響するモード設定(手振れ防止モードやストロボモード)は、上記撮影レンズ鏡筒11近傍の上記スイッチ手段によって行い、その他のモードは従来のカメラのように、上記カメラ外装筐体10に配設されたプッシュスイッチと上記LCD7の表示の切り換えによって行うようにすればファインダ近傍のLCDや、上記撮影レンズ鏡筒11近傍の電気配線数を減らして低コスト化することができる。
【0073】
以上説明したように本発明の第1実施の形態のカメラによれば、上記撮影レンズ鏡筒11に複雑な機構の可動部を設けることなく、撮影者の指の位置によってスイッチ手段を動作させて各種モードを切り換えるので、構成を単純化することできる。また、上記撮影レンズ鏡筒11を支えながら各種モード設定ができるため、手振れに強いカメラを提供することができる。
【0074】
図12乃至図14は、本発明の第2実施の形態を示すカメラの撮影レンズ鏡筒を示した斜視図である。
【0075】
この第2実施形態のカメラの構成は、前記図1乃至図11に示した第1実施形態のカメラの構成と殆ど同じであるが、この第2実施形態においては、撮影レンズ鏡筒11の側面に上記反射部22a,22bを設ける代わりに、赤外光を反射する反射部と、赤外光を吸収する非反射部を有する回転環を配設した点のみが異なる。よって、この相違点のみを説明し、第1実施形態のカメラと同様の構成部材には、同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0076】
図12に示すように、撮影レンズ110aを有する撮影レンズ鏡筒110の周面には、赤外光を上記受光部17cに反射する反射部40と、赤外光を吸収又は拡散する非反射部41を有する回転環116が、上記撮影レンズ鏡筒110に対して回動自在に配設されている。この回転環116は、撮影者の手によって、図12,図13,図14に示す3つの状態に回動停止されるようになっており、停止位置は、例えばクリックストップ機構等で暫定的に規定されている。従って、この3つの状態の位置の中間ではクリック感がなく止まらないようになっている。また上記回転環116の反射部40及び非反射部41は、スイッチ手段を構成している。
【0077】
このように構成された、上記撮影レンズ鏡筒110においては、通常は、図12に示すように、赤外発光LED17a,17bから、上記回転環116に配設された反射部40に向かって赤外光をそれぞれ投光し、上記反射部40による反射で受光部17cに赤外光が入射するようになっており、これは、上述した第1実施形態の図8で示した状態に相当する。
【0078】
上記回転環116を回転させて撮影者が図13に示す状態に停止すると、上記赤外発光LED17bからの赤外光は、上記反射部40により反射されて上記受光部17cに受光されるが、上記赤外発光LED17aからの赤外光は、上記非反射部41により、吸収又は拡散されるので、スイッチ手段が動作し、上記受光部17cは、上記赤外発光LED17aからの赤外光を受光することがない。これは、上述した第1実施形態の図9で示した状態に相当する。即ち、手振れ防止モードがオフとなる。
【0079】
この手段によれば、図12に示すように、撮影者が上記回転環116を押さえない状態と、図13に示したように、撮影者が上記回転環116を押さえて移動させ、上記撮影レンズを保持した状態との差異を上述した第1実施形態と同じ手法で、判別することができる。
【0080】
また、図13の状態から、撮影者が上記回転環116を回転させて、図14に示す状態に移動停止すると、上述した第1実施形態と同様に、例えばストロボ発光モードの設定等のもう1つのモード切換設定ができる。
【0081】
即ち、撮影時、手振れを発生させる可能性が低いとして、ストロボ発光モードをオフにする。また、この場合、上記赤外発光LED17aからの赤外光も非反射部41に吸収又は拡散されているので、手振れ防止モードはオフとなる。
【0082】
このように構成された本発明の第2実施の形態においては、上記撮影レンズ鏡筒110に配設された上記回転環116で、上記スイッチ手段を構成したため、より良好な操作感が得られ、撮影者による確実な切換操作を可能としている。また、カメラの大型化を防止することができる。
【0083】
尚、上述した本発明の第1及び第2実施の形態においては、図15に示すように、撮影レンズ211aを有する撮影レンズ鏡筒211側に、上記赤外発光LED17aを配設しても良い。この場合、上記カメラ外装筐体側には、受光部17cのみが配設される。そして、図示しないカメラ外装筐体に配設されたドライバ80と、上記撮影レンズ鏡筒側211に配設された上記赤外発光LED17aをフレキシブル基板81で接続し、上記フレキシブル基板81を介して、上記赤外発光LED17aに上記ドライバ80からの電流を供給して、上記赤外発光LED17aから赤外光を発光させる。このような構成によれば、上記撮影レンズ鏡筒に反射部を配設するよりも、より大きなS/Nが得られ誤動作を防止することができる。
【0084】
尚、上記受光部17cの受光センサは、従来のカメラが有していたリモコン信号の受光部をそのまま代用してもよい。従来のカメラに内蔵されているリモコン信号の受信回路では、撮影者がカメラをリモートコントロールするために、図16に示すように、例えばリモコン等の送信部50を操作した時、リモコン受光部170cは、上記リモコン等の送信部50の発光素子51から送光された赤外パルス光52を受光し、これを増幅器53で増幅したものを、上記CPU30がリモコンの受光を判定して前記シャッタ5を制御するしくみになっている。
【0085】
従って、このリモコン信号受信回路利用するには、図16のスイッチ54をオン、スイッチ55をオフにして、抵抗56、コンデンサ57からなるハイパスフィルタを作動させて、パルス増幅器53に信号光電流を導くようにすればよい。
【0086】
上記受光センサ170cを共用しつつ、リモコン回路を誤動作させないようにするには、図16のモード切換判定用の赤外発光LED170aを、直流又は異なる周波数でパルス駆動し、ロジック制御回路58で上記スイッチ54をオフ、上記スイッチ55をオンにして、光電流を光量検出回路59に導く。
【0087】
続いて、上記光量検出回路59による光量検出結果を上記CPU30が判定すれば、図8、図9及び図12乃至図14並びに図15で示したような構成の光電スイッチの判定が可能となる。この場合、重要なのは上記受光センサ170cに定常的に入射する背景光の影響であるが、これは公知のアクティブAFの技術(定常光除去)を用いてもよいし、上記LED170aの発光前に定常光量を上記CPU30が記憶しておき、上記LED170a発光時の光増加量を判定して、信号光の入射を検出するようにすればよい。
【0088】
このような電気回路の構成によれば、カメラ内に配置するセンサの数を増加させることなく、省スペース化、及び低コスト化を実現することができる。
【0089】
尚、手振れの検出方法として、例えば上記AF手段32(図7参照)のAFセンサを用いて手振れを検出するようにしても良い。例えば、図17に示すように、1対の受光レンズ32c、32dと、1対のセンサアレイ32a、32bからなる、所謂、外光パッシブ方式の測距装置では、周知のように、上記センサアレイ32a及び上記センサアレイ32b上の像位置を比較し、その差xを求めて、被写体距離Lを求める。受光レンズ間距離をBとし、受光レンズの焦点距離をfとすると三角測距の原理よりL=B・f/xの関係で被写体距離Lが求められる。
【0090】
このようなAF(測距)装置を用いると、センサアレイ32aが被写体像を検出できるので、所定時間間隔を隔てた像信号を比較して、像が変化していれば手振れ有り、像が変化してなければ手振れ無しと判定することができる。
【0091】
また、図18に示すように、手振れがあると、所定タイミングt1で得られる像データと、別のタイミングt2で得られる像データが異なるので、この差異を調べるような演算を上記CPU30(図7参照)が行うように構成する。
【0092】
このように、AFセンサの出力を用いて手振れを判定すればコストを増大させることなく手振れを検出でき、その結果によって手振れの警告、シャッタスピードを切り換える等、図10、図11で示したようなアルゴリズムの実施が可能となる。
【0093】
尚、上述した実施の形態では、上記撮影レンズ鏡筒11をカメラの外装筐体10内に収納する沈胴式のカメラについて説明したが、機構を簡易化するのはコスト面、大きさ面からも必須であり、かつ、撮影レンズ鏡筒を保持すれば手振れに強くなるため、撮影レンズ鏡筒にてモード操作ができるような構成は沈胴するしないにかかわらず重要である。
【0094】
従って、図19に示すように、撮影レンズ鏡筒311が、カメラ外装筐体310内に沈胴しないタイプのカメラにおいても、本発明の特徴たる光電変換スイッチ170を配置してモード切換を行うにしてもよい。
【0095】
また、主にモード切換について述べたが、シャッタスピードや絞り等、手振れと関連するパラメータ変更用SWへの応用が可能であることは、云うまでもない。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、操作部の一部を、撮影レンズ鏡筒に設けたので、撮影時に両手でカメラを構える頻度が多くなり手振れの影響を抑えつつ、迅速な操作のできるカメラを提供することができる。また、スイッチ手段に光電変換スイッチを用いたので、操作部や配線を単純化することができ、レンズ鏡筒をカメラ筐体内に沈胴させて携帯性を向上できるカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態を示すカメラを右斜め上方から見た外観斜視図、
【図2】図1のカメラの背面側の斜視図、
【図3】図1のカメラの撮影レンズ鏡筒が沈胴した状態を示す斜視図、
【図4】図3のカメラの内部構造を省略した要部拡大断面図、
【図5】図1のカメラを撮影者が保持した状態を示す正面図、
【図6】美術館での写真撮影の構図の一例を示したファインダ表示部の拡大図、
【図7】本発明の第1実施の形態を示すカメラの電気回路の全体の構成を示すブロック図、
【図8】図1のカメラにおけるスイッチ手段の構成と配設状態を示す要部拡大斜視図、
【図9】図8のスイッチ手段の操作の一例を示す要部拡大斜視図、
【図10】図1のカメラの撮影手順を示した基本フローチャート、
【図11】図1のカメラにおけるスイッチ手段による各種モードの設定手順を示した基本フローチャート、
【図12】本発明の第2実施の形態を示すカメラにおけるスイッチ手段の構成と配設状態を示した斜視図、
【図13】図12のスイッチ手段の操作の一例を示す斜視図、
【図14】図12のスイッチ手段の操作の他の例を示す斜視図、
【図15】本発明のカメラにおけるスイッチ手段の変形例を示す斜視図、
【図16】受光部の受光センサに、従来のカメラが有していたリモコン信号の受光部を代用した場合を示す電気回路図、
【図17】手振れの検出方法として、AFセンサを用いて手振れを検出する場合の光学系統図、
【図18】AFタイミングによって、センサアレイに入力される像データが異なることを示した線図、
【図19】撮影レンズ鏡筒が、カメラ外装筐体内に沈胴しないタイプのカメラに本発明を適用した場合の概略図。
【符号の説明】
10,310…カメラ外装筐体
11,110,211…撮影レンズ鏡筒
17a,17b…赤外発光LED(発光部)(スイッチ手段)
17c…受光部(スイッチ手段)
20…撮影者
20c…撮影者の指
22a,22b…撮影レンズ鏡筒の反射部
30…CPU(シーケンス制御手段)
40…回転環の反射部(スイッチ手段)
41…回転環の非反射部(スイッチ手段)
116…回転環
170c…リモコン受光用センサ(スイッチ手段)
Claims (8)
- 撮影者がカメラの撮影レンズ鏡筒の所定の箇所を保持したことを検出するスイッチ手段と、
上記スイッチ手段の検出結果に従って、撮影の動作シーケンスを制御するシーケンス制御手段と、
上記カメラのファインダ接眼部の近傍に設けられた表示手段を切り換える切換制御手段と、
を具備したことを特徴とするカメラ。 - 上記スイッチ手段は、上記撮影レンズ鏡筒を保持した撮影者の指の位置が所定箇所にあるか否かを検出する光電スイッチで構成されていることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
- 上記シーケンス制御手段は、上記スイッチ手段の検出結果により、上記カメラの振動状態を検出し手振れを防止するモード、又は上記カメラに配設されたストロボのオン/オフを制御するモードを設定することを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
- 上記スイッチ手段は、
上記撮影レンズ鏡筒に配設された複数の反射部と、
上記カメラ外装筐体に配設された発光部と、
上記カメラ外装筐体に配設され、受光素子により構成された受光部と、
を具備し、
上記発光部からの発光は、上記反射部で反射され、上記受光部にて受光されることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。 - 上記スイッチ手段は、上記発光部の発光による上記受光部の受光の有無で、上記複数の反射部上の撮影者の指の位置を判定することを特徴とする請求項2または4に記載のカメラ。
- 上記受光部は、リモコン信号受光用センサを共用したことを特徴とする請求項4または5に記載のカメラ。
- 上記スイッチ手段は、
上記撮影レンズ鏡筒に回動自在に配設された回転環と、
上記回転環に配設された複数の反射部と、
上記回転環に配設された複数の非反射部と、
上記カメラ外装筐体に配設された発光部と、
上記カメラ外装筐体に配設され、受光素子により構成された受光部と、
を具備し、
上記発光部からの発光は、上記回転環の反射部で反射され、上記受光部にて受光されることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。 - 上記撮影レンズ鏡筒は、上記カメラ外装筐体内に沈胴する収納状態と、撮影時可能状態の少なくとも2状態に移動制御されることを特徴とする請求項1記載のカメラ。
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2002
- 2002-11-20 JP JP2002337000A patent/JP2004170709A/ja not_active Withdrawn
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