JP2004170624A - 光学フィルターの取り付け装置および光学フィルターの取り付け装置を有する画像表示装置 - Google Patents

Abstract

【課題】使用するねじの本数は大幅に削減でき、画像表示装置の製造工程および修理サービス時における組立時間および解体時間を削減することができる光学フィルターの取り付け装置を有する画像表示装置を提供すること。
【解決手段】画像表示部が発生する電磁不要輻射を防ぐために電磁不要輻射をシールドするための電磁シールド部２７を有する光学フィルター１４を取り付けるための光学フィルターの取り付け装置２０であり、光学フィルター１４の各端部をはめ込んで保持する前面筐体４０と、前面筐体４０に対して固定されて、光学フィルター１４との間の空間に画像表示部を配置するための背面筐体４３と、光学フィルター１４の電磁シールド部２７の電極部８０と背面筐体４３とを電気的に直接接続することで、光学フィルター１４と、背面筐体４３と、そして光学フィルター１４とで電気導通ループを形成するための電気接触子４５とを備える。
【選択図】 図３

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示装置の前面側に光学フィルターを取り付けるための光学フィルターの取り付け装置および光学フィルターの取り付け装置を有する画像表示装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
画像表示装置の例として、たとえばプラズマディスプレイ装置を例に挙げる。プラズマディスプレイ装置では、その内蔵するプラズマディスプレイパネルモジュール（以下ＰＤＰモジュールという）から輻射する不要な電磁波を防止するために、ＰＤＰモジュールの周囲は電磁シールドする必要がある。ＰＤＰモジュールの前面側には電磁不要輻射を防ぐための電磁シールド部を有する光学フィルターが用いられており、この種の光学フィルターの取り付け構造としては、矩形状の枠体を採用しているものがある（たとえば、特許文献１参照。）。
【０００３】
【特許文献１】
特開２００１−１４１９７２号公報（第２頁乃至第４頁、図１）
【０００４】
この公報に開示されている光学フィルターの取り付け構造は、図９に示している。
光学フィルターの取り付け構造１０００は、矩形状の前面枠体１０１０と、ＰＤＰモジュール１００４、光学フィルター１００６および金属製の背面カバー１０１４を有している。背面カバー１０１４は、多数のねじ１０３０により前面枠体１０１０に対して固定されている。ＰＤＰモジュール１００４は、背面カバー１０１４と光学フィルター１００６および前面枠体１０１０の中の空間に収容されている。光学フィルター１００６は、前面枠体１０１０に対して固定金具１０１２を用いて固定している。
固定金具１０１２は、多数のねじ１０３０を用いて前面枠体１０１０に対して固定されている。光学フィルター１００６の電極部１０４０は、固定金具１０１２を用いて背面カバー１０１４に電気的に接続されている。
このことから、ＰＤＰモジュール１００４から放出される電磁波は、光学フィルター１００６、背面カバー１０１４によりシールドすることができる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来の光学フィルターの取り付け構造では、次のような問題がある。
光学フィルター１００６の電極部１０４０と背面カバー１０１４の間で確実に電気的な導通を確保してシールド効果を得るために、多数のねじ１０３０が必要となり、製造工程におけるプラズマディスプレイパネルの組立性と、修理サービス時における解体性が非常に悪くなってしまう。
また、光学フィルター１００６の内面およびＰＤＰモジュール１００４の表面を清掃するためには、背面カバー１０１４およびＰＤＰモジュール１００４を取り外さなければならないために、この清掃作業時のメンテナンス性が非常に悪くなってしまう。
さらに、前面枠体１０１０は矩形状で一体成形のものである。このために、このような大型の一体成形ものの前面枠体１０１０を形成するためには、高額の金型の投資が必要となる。
そこで本発明は上記課題を解消し、使用するねじの本数は大幅に削減でき、画像表示装置の製造工程および修理サービス時における組立時間および解体時間を削減することができる光学フィルターの取り付け装置および光学フィルターの取り付け装置を有する画像表示装置を提供することを目的としている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
請求項１の発明は、画像表示部が発生する電磁不要輻射を防ぐために前記電磁不要輻射をシールドするための電磁シールド部を有する光学フィルターを取り付けるための光学フィルターの取り付け装置であり、前記光学フィルターの各端部をはめ込んで保持する前面筐体と、前記前面筐体に対して固定されて、前記光学フィルターとの間の空間に前記画像表示部を配置するための背面筐体と、前記光学フィルターの前記電磁シールド部の電極部と前記背面筐体とを電気的に直接接続することで、前記光学フィルターと、前記背面筐体と、そして前記光学フィルターとで電気導通ループを形成するための電気接触子と、を備えることを特徴とする光学フィルターの取り付け装置である。
【０００７】
請求項１では、前面筐体は、光学フィルターの各端部をはめ込んで保持する。背面筐体は、前面筐体に対して固定されて光学フィルターとの空間に画像表示部を配置する。
電気接触子は、光学フィルターの電磁シールド部の電極部と背面筐体とを電気的に直接接続することで、光学フィルターと背面筐体と光学フィルターとで電気導通ループを形成する。
これにより、前面筐体は、光学フィルターの各端部をはめ込んで保持するだけで、固定できる。電気接触子が、光学フィルターと背面筐体と光学フィルターとで電気導通ループを形成するだけで、画像表示部が発生する電磁不要輻射を、簡単な構造でありながらシールドすることができる。
したがって、光学フィルターの取り付け装置を用いることにより、光学フィルターの取り付け装置を設けた画像表示装置の製造工程における組立時間および修理サービス時における解体時間を大幅に削減することができる。
【０００８】
請求項２の発明は、請求項１に記載の光学フィルターの取り付け装置において、前記電気接触子の素材は導電ゴムである。
【０００９】
請求項３の発明は、請求項１に記載の光学フィルターの取り付け装置において、前記前面筐体は、上辺部と、前記上辺部に平行な下辺部と、前記上辺部と前記下辺部に垂直な右辺部と左辺部を有し、前記上辺部、前記下辺部、前記右辺部および前記左辺部は別部材である。
【００１０】
請求項３では、前面筐体は、上辺部、下辺部、右辺部、左辺部から成り、各辺部は別部材になっている。
これにより、矩形状の前面筐体を一体成形で作る必要がなくなるので、大型の画像表示装置に用いる場合であってもコストダウンを図ることができる。
【００１１】
請求項４の発明は、請求項１に記載の光学フィルターの取り付け装置において、前記前面筐体の前記上辺部と前記下辺部と前記右辺部と前記左辺部は、前記対応する前記光学フィルターの各前記端部をはめ込んで保持するための断面Ｕ字型のはめ込み保持部を有する。
【００１２】
請求項４では、前面筐体の上辺部、下辺部、右辺部、左辺部は、断面Ｕ字型のはめ込み保持部を有している。このはめ込み保持部には、光学フィルターの各端部をはめ込んで保持するようになっている。
これにより、光学フィルターはその端部をはめ込み保持部にはめ込むだけで、簡単に取り付けることができ、ねじを用いる必要がなくなる。
【００１３】
請求項５の発明は、請求項４に記載の光学フィルターの取り付け装置において、前記はめ込み保持部内には、前記光学フィルターの前記端部と前記電気接触子と前記背面筐体の端部が密着してはめ込まれている。
【００１４】
請求項５では、はめ込み保持部内には、光学フィルターの端部と電気接触子と背面筐体の端部が密着してはめ込まれている。
【００１５】
請求項６の発明は、請求項１に記載の光学フィルターの取り付け装置において、前記背面筐体の内面には、電気伝導性を有するインナーシールド部材が配置されており、前記光学フィルターと、前記背面筐体の前記インナーシールド部材と、そして前記光学フィルターとで前記電気導通ループが形成されている。
【００１６】
請求項６では、背面筐体の内面には、電気伝導性を有するインナーシールド部材が配置されている。電気導通ループは、光学フィルター、インナーシールド部材、そして光学フィルターとで形成されている。
このようにすることで、背面筐体は電気伝導性を有していないたとえばプラスチックにより作ることも可能である。
【００１７】
請求項７の発明は、画像表示部が発生する電磁不要輻射を防ぐために前記電磁不要輻射をシールドするための電磁シールド部を有する光学フィルターを取り付けるための光学フィルターの取り付け装置を有する画像表示装置であり、前記光学フィルターの各端部をはめ込んで保持する前面筐体と、前記前面筐体に対して固定されて、前記光学フィルターとの間の空間に前記画像表示部を配置するための背面筐体と、前記光学フィルターの前記電磁シールド部の電極部と前記背面筐体とを電気的に直接接続することで、前記光学フィルターと、前記背面筐体と、そして前記光学フィルターとで電気導通ループを形成するための電気接触子と、を備えることを特徴とする光学フィルターの取り付け装置を有する画像表示装置である。
【００１８】
請求項７では、前面筐体は、光学フィルターの各端部をはめ込んで保持する。背面筐体は、前面筐体に対して固定されて光学フィルターとの空間に画像表示部を配置する。
電気接触子は、光学フィルターの電磁シールド部の電極部と背面筐体とを電気的に直接接続することで、光学フィルターと背面筐体と光学フィルターとで電気導通ループを形成する。
これにより、前面筐体は、光学フィルターの各端部をはめ込んで保持するだけで、固定できる。電気接触子が、光学フィルターと背面筐体と光学フィルターとで電気導通ループを形成するだけで、画像表示部が発生する電磁不要輻射を、簡単な構造でありながらシールドすることができる。
したがって、光学フィルターの取り付け装置を用いることにより、光学フィルターの取り付け装置を設けた画像表示装置の製造工程における組立時間および修理サービス時における解体時間を大幅に削減することができる。
【００１９】
請求項８の発明は、請求項７に記載の光学フィルターの取り付け装置を有する画像表示装置において、前記電気接触子の素材は導電ゴムである。
【００２０】
請求項９の発明は、請求項７に記載の光学フィルターの取り付け装置を有する画像表示装置において、前記前面筐体は、上辺部と、前記上辺部に平行な下辺部と、前記上辺部と前記下辺部に垂直な右辺部と左辺部を有し、前記上辺部、前記下辺部、前記右辺部および前記左辺部は別部材である。
【００２１】
請求項９では、前面筐体は、上辺部、下辺部、右辺部、左辺部から成り、各辺部は別部材になっている。
これにより、矩形状の前面筐体を一体成形で作る必要がなくなるので、大型の画像表示装置に用いる場合であってもコストダウンを図ることができる。
【００２２】
請求項１０の発明は、請求項７に記載の光学フィルターの取り付け装置を有する画像表示装置において、前記前面筐体の前記上辺部と前記下辺部と前記右辺部と前記左辺部は、前記対応する前記光学フィルターの各前記端部をはめ込んで保持するための断面Ｕ字型のはめ込み保持部を有する。
【００２３】
請求項１０では、前面筐体の上辺部、下辺部、右辺部、左辺部は、断面Ｕ字型のはめ込み保持部を有している。このはめ込み保持部には、光学フィルターの各端部をはめ込んで保持するようになっている。
これにより、光学フィルターはその端部をはめ込み保持部にはめ込むだけで、簡単に取り付けることができ、ねじを用いる必要がなくなる。
【００２４】
請求項１１の発明は、請求項１０に記載の光学フィルターの取り付け装置を有する画像表示装置において、前記はめ込み保持部内には、前記光学フィルターの前記端部と前記電気接触子と前記背面筐体の端部が密着してはめ込まれている。
【００２５】
請求項１１では、はめ込み保持部内には、光学フィルターの端部と電気接触子と背面筐体の端部が密着してはめ込まれている。
【００２６】
請求項１２の発明は、請求項７に記載の光学フィルターの取り付け装置を有する画像表示装置において、前記背面筐体の内面には、電気伝導性を有するインナーシールド部材が配置されており、前記光学フィルターと、前記背面筐体の前記インナーシールド部材と、そして前記光学フィルターとで前記電気導通ループが形成されている。
【００２７】
請求項１２では、背面筐体の内面には、電気伝導性を有するインナーシールド部材が配置されている。電気導通ループは、光学フィルター、インナーシールド部材、そして光学フィルターとで形成されている。
このようにすることで、背面筐体は電気伝導性を有していないたとえばプラスチックにより作ることも可能である。
【００２８】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【００２９】
図１は、本発明の光学フィルターの取り付け装置を有する画像表示装置の好ましい実施の形態を示している。
この画像表示装置１０は、たとえばプラズマディスプレイ装置である。この画像表示装置１０は、テレビジョン受像機として画像を表示したり、あるいは外部からの入力によりビデオ映像などを表示することができるものである。
この画像表示装置１０は、いわゆる薄型の画像表示装置である。
【００３０】
図２は、図１の画像表示装置１０の構造例を示す分解斜視図である。
図２に示す画像表示装置１０は、光学フィルター１４と光学フィルターの取り付け装置２０と、画像表示部としてのＰＤＰモジュール２４を有している。
光学フィルターの取り付け装置２０は、光学フィルターの取り付け構造部などとも呼んでおり、光学フィルターの取り付け装置２０は、光学フィルター１４を着脱可能に固定することができる。
まず図２の光学フィルター１４について説明する。光学フィルター１４は、ＰＤＰモジュール２４の前面側に配置される板状の部材である。光学フィルター１４は、透明な板状部材であり、たとえば透明なガラス板や透明なアクリル板を採用することができる。
【００３１】
図３は、図１の画像表示装置１０のＡ−Ａにおける断面構造を示しており、図３ではその中間部分を省略している。画像表示装置１０の水平方向の断面構造も、Ａ−Ａ線における断面構造とほぼ同じであるので、Ａ−Ａ線における断面構造を代表して説明する。
図３に示すように光学フィルター１４は、その内面１４Ａ側に、電磁シールド部２７を有している。この電磁シールド部２７は、導電性を有しており、ＰＤＰモジュール２４側から発生する電磁不要輻射を光学フィルター１４の外面側へもらさないようにするために、電磁不要輻射を電磁シールドするためのものである。
電磁シールド部２７は、内面１４Ａ側にほぼ全面的に形成されており、電磁シールド部２７はたとえば透明な導電膜あるいは金属メッシュ部材である。
【００３２】
図２と図３に示すＰＤＰモジュール２４は、ＰＤＰモジュールの駆動回路３０とＰＤＰモジュール本体３１を有している。ＰＤＰモジュール本体３１は、プラズマディスプレイパネルの発光デバイスであり、その発光原理から高レベルの放射性電磁波妨害（通称不要輻射）が発生する場合がある。
このＰＤＰモジュール本体３１とＰＤＰモジュールの駆動回路３０から発生する不要輻射を、規制レベル値以下に抑えるために、電磁シールドを施して、この電磁不要輻射が外部に漏れないようにする必要がある。
ＰＤＰモジュールの駆動回路３０は、ＰＤＰモジュール本体３１を駆動するための回路である。
【００３３】
次に、図２の光学フィルターの取り付け装置２０について説明する。
光学フィルターの取り付け装置２０は、前面筐体４０と、背面筐体４３と、電気接触子４５を有している。
まず前面筐体４０について説明する。前面筐体４０は、組み立てた状態では、図４に示すような長方形状の枠体である。図４に示すように前面筐体４０は、上辺部５１、下辺部５２、右辺部５３、そして左辺部５４を有している。
図３に示すように、前面筐体４０は画像表示装置１０の前面側に位置しており、光学フィルター１４を着脱可能に保持することができる。上辺部５１と下辺部５２の長さは同じであり、右辺部５３と左辺部５４の長さも同じである。上辺部５１と下辺部５２は平行であり、右辺部５３と左辺部５４も平行である。右辺部５３と左辺部５４は、上辺部５１と下辺部５２に対して垂直方向である。
【００３４】
前面筐体４０の各上辺部５１、下辺部５２、右辺部５３および左辺部５４は、金属、たとえば一例としてアルミニウムなどにより作られているかプラスチックにより作られている。図２に示すように、上辺部５１、下辺部５２、右辺部５３および左辺部５４は、それぞれほぼ断面Ｕ字型を有している。各上辺部５１、下辺部５２、右辺部５３および左辺部５４は、上述したように断面Ｕ字型のはめ込み保持部６０を有している。図３はこのはめ込み保持部６０が、断面Ｕ字型を有している構造例を示している。
【００３５】
図２に示すように、上辺部５１のはめ込み保持部６０内には、光学フィルター１４の上端部７１がはめ込まれ、下辺部５２のはめ込み保持部６０には光学フィルター１４の下端部７２がはめ込まれる。右辺部５３のはめ込み保持部６０には光学フィルター１４の右端部７３がはめ込まれ、左辺部５４のはめ込み保持部６０には、光学フィルター１４の左端部７４がはめ込まれてそれぞれ保持されるようになっている。
図４に示すように前面筐体４０の上辺部５１と下辺部５２のそれぞれの端部が、右辺部５３と左辺部５４のそれぞれの端部をたとえば圧入などにより固定されている。各上辺部５１、下辺部５２、右辺部５３、そして左辺部５４の端部の両側の端面は９０度に垂直に形成されている。
【００３６】
次に、図２と図３に示す背面筐体４３について説明する。
背面筐体４３は、導電性を有する金属、たとえばアルミニウムや鉄などにより作られている。背面筐体４３は、光学フィルター１４とで形成する空間７７の中に、ＰＤＰモジュール２４を収容して保持するようになっている。
背面筐体４３は、後ろ側に突出した突出形成部７８と、四辺にわたってぐるりと形成された端部７９を有している。この端部７９の最も外側の長さは、縦方向および横方向ともに光学フィルター１４の縦方向および横方向の長さとほぼ同じである。
電気接触子４５は、光学フィルター１４の内面１４Ａと、背面筐体４３の端部７９の内面７９Ａの間に配置されている。この電気接触子４５は、導電性を有する、たとえば導電ゴムにより作られており、この電気接触子４５は、光学フィルター１４の電磁シールド部２７の露出した電極部８０と、背面筐体４３の端部７９を電気的に直接接続するためのものである。
【００３７】
図３に示すように、前面筐体４０の上辺部５１のはめ込み保持部６０内には、光学フィルター１４の上端部７１と背面筐体４３の端部７９および電気接触子４５がはめ込んで固定されている。同様にして下辺部５２のはめ込み保持部６０内には、光学フィルター１４の下端部７２と、背面筐体４３の端部７９および電気接触子４５が、やはりはめ込んで固定されている。
この状態で、電気接触子４５は、電極部８０と端部７９を電気的に確実に他の大きい部材を用いずに直接的に接続することができる。
同様にして図２の右辺部５３のはめ込み保持部６０内においても、光学フィルター１４の右端部７３と背面筐体４３の端部７９および電気接触子４５がはめ込んで固定されている。左辺部５４のはめ込み保持部６０内においても、光学フィルター１４の左端部７４と背面筐体４３の端部７９および電気接触子４５がはめ込んで固定されている。
【００３８】
このように、光学フィルター１４の端部と背面筐体４３の端部および電気接触子４５は、対応する位置の前面筐体４０の辺部のはめ込み保持部６０に対してはめ込むだけで、簡単かつ確実にはめ込んで保持しかつ電気的に接続できるようになっている。端部７９がはめ込み保持部６０内にはめ込み易くするために、端部７９はテーパ部７９Ｂを有し、上辺部５１、下辺部５２、右辺部５３、左辺部５４の各々の内側にもテーパ部８９Ａを有している。
逆に光学フィルター１４と背面筐体４３を解体する場合には、前面筐体４０の対応する辺部を光学フィルター１４と背面筐体４３のそれぞれの辺部から取り外すだけで簡単に分解することができる。
【００３９】
図３のような光学フィルターの取り付け装置２０の構造を採用することにより、ＰＤＰモジュール２４から発生する電磁不要輻射を電磁シールドするための次のような電気導通ループを形成することができる。
この電気導通ループは、光学フィルター１４の電磁シールド部２７、電極部８０、電気接触子４５、背面筐体４３を経て、再び反対側の電気接触子４５、電極部８０を経て電磁シールド部２７に戻るループである。これによって、ＰＤＰモジュール２４が発生する電磁不要輻射は、外部に漏れることがなくなる。
【００４０】
次に、図５を参照しながら、本発明の光学フィルターの取り付け装置の別の実施の形態について説明する。
図５に示す光学フィルターの取り付け装置２０が、図３の光学フィルターの取り付け装置２０と異なるのは次の点であり、図５の光学フィルターの取り付け装置２０と図３の光学フィルターの取り付け装置２０と同じ個所には同じ符号を記してその説明を用いることにする。
図５の光学フィルターの取り付け装置２０で特に異なるのは、背面筐体４３の材質である。
この背面筐体４３は、導電性の金属で作られているのではなく、たとえば導電性を有しないプラスチックにより作られている。この背面筐体４３がプラスチックにより作られているために電気を通さないことから、この背面筐体４３の内面には、導電性を有するインナーシールド部材１００が形成されている。このインナーシールド部材１００は、金属製の板状の部材である。このインナーシールド部材１００は、背面筐体４３の内面１０１に対して全面的に形成されている。
【００４１】
インナーシールド部材１００は電気接触子４５に対して電気的に接続されているので、この電気接触子４５はこのインナーシールド部材１００と光学フィルター１４の電磁シールド部２７の電極部８０を電気的に接続している。
このことから、電気導通ループは、光学フィルター１４の電磁シールド部２７、電極部８０、電気接触子４５、背面筐体４３のインナーシールド部材１００を通じて、反対側の電気接触子４５、電極部８０を経て電磁シールド部２７に戻るループになる。
このような構造にすることにより、背面筐体４３は金属でなくプラスチックにより作ることができ、さらなるコストダウンおよび軽量化を図ることができる。
【００４２】
図６は、本発明のさらに別の実施の形態を示している。
図６は、図２と同様にして画像表示装置１０の別の構成例を示している。
図６の画像表示装置１０の前面筐体４０は、図７にも示すように、上辺部５１、下辺部５２、右辺部５３、左辺部５４のそれぞれの両端部がほぼ４５度の留め構造になっている。各上辺部５１、下辺部５２、右辺部５３、左辺部５４の両端部は、ほぼ４５度の突き合わせ部分を形成している。
図７（Ｂ）は、図７（Ａ）における部分Ｅを拡大して示している。上辺部５１と右辺部５３のそれぞれの端部５１Ａと５３Ａは、連結部５９により連結できる。この連結部５９は、端部５３Ａの凹部５３Ｃにはまり込んだ後に、たとえばねじをねじ込むことにより端部５１Ａ，５３Ａを着脱可能に固定することができる。
その他の辺部の端部の接合も同様に行うことができる。
【００４３】
図８は、本発明のさらに別の実施の形態を示している。
上辺部５１、下辺部５２、右辺部５３、左辺部５４は、その連結位置において、別部材の接続辺１５０を用いて連結している。
上述した実施の形態では、たとえば図３に示すように電気接触子４５が光学フィルター１４の内面１４Ａと背面筐体４３の端部７９の内面７９Ａの間に設けられている。
これに限らず、本発明の実施の形態では、電気接触子は、端部７９から突出させるかもしくは突出させないようにして、いずれにしても電磁シールド部２７の電極部８０と背面筐体４３の端部７９を直接的に面接触により電気的接続を行っても勿論構わない。
この場合には電気接触子は端部７９の内面７９Ａに形成された平坦部分である。
【００４４】
本発明の実施の形態では、プラズマディスプレイ装置の発光デバイスであるプラズマディスプレイパネルモジュール（ＰＤＰモジュール）は、その発光原理から高レベルの放射性電磁波妨害（電磁不要輻射）を発生することがある。このＰＤＰモジュールから発生する電磁不要輻射は、規制レベル値以下に抑えるために、上述したような電気導通ループを形成することにより、ＰＤＰモジュールから発生する不要輻射を、光学フィルターと背面筐体により電磁波的にシールドすることができる。
【００４５】
しかも、光学フィルターと背面筐体の端部は、前面筐体の各辺部のはめ込み保持部の内部にはめ込むだけで、簡単に組立てることができ、組立作業性が向上する。また逆に解体する場合には、光学フィルター１４と背面筐体４３の端部７９を、前面筐体４０の各辺部のはめ込み保持部６０から取り外すだけで簡単に解体することができる。
このことから、プラズマディスプレイパネルのような画像表示装置の組立性、解体性を良好にし、画像表示装置の保守能力を高め、コストダウンを図ることができる。
前面筐体は、上辺部、下辺部、右辺部、左辺部を有しているが、これらの上辺部、下辺部、右辺部、左辺部はそれぞれ別部材で構成されており、それぞれ組立てるだけで前面筐体を構成することができる。このことから、大型の前面筐体を得る場合であってもコストアップにつながらず、高額の金型投資などが不要になる。
【００４６】
本発明の実施の形態を採用することにより、使用するねじの本数が大幅に削減でき、プラズマディスプレイパネルの製造工程における組立時間および修理サービス時における解体時間が削減できる。
前面筐体の各辺部を簡単に分解することができ、光学フィルターは容易に取り外すことができるので、プラズマディスプレイパネルの製造工程、輸送過程、使用過程、修理サービス時において、光学フィルターの内面またはＰＤＰモジュールの表面に付着した塵埃は、短時間で除去（清掃）することが可能になる。前面筐体４０の各部材を作るための成形金型は、比較的小さくできるために、金型投資金額の削減が図れる。
【００４７】
ところで本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上述した実施の形態では、画像表示装置は、プラズマディスプレイ装置であるが、これに限らず、たとえば有機ＥＬ（エレクトロルミネッセンス）表示装置やその他の構造のものであっても勿論構わない。
【００４８】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、使用するねじの本数は大幅に削減でき、画像表示装置の製造工程および修理サービス時における組立時間および解体時間を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の画像表示装置の一例を示す斜視図。
【図２】図１の画像表示装置の分解斜視図。
【図３】図１の画像表示装置のＡ−Ａ線における断面図。
【図４】前面筐体を示す正面図。
【図５】本発明の光学フィルターの取り付け装置の別の実施の形態を示す断面図。
【図６】本発明の画像表示装置の別の実施の形態を示す分解斜視図。
【図７】図８の前面筐体を示す図。
【図８】本発明の画像表示装置のさらに別の実施の形態を示す分解斜視図。
【図９】従来の光学フィルターの取り付け構造を示す断面図。
【符号の説明】
１０・・・画像表示装置、１４・・・光学フィルター、２０・・・光学フィルターの取り付け装置、２４・・・ＰＤＰモジュール（画像表示部）、２７・・・電磁シールド部、４０・・・前面筐体、４３・・・背面筐体、４５・・・電気接触子、５１・・・上辺部、５２・・・下辺部、５３・・・右辺部、５４・・・左辺部、６０・・・はめ込み保持部、７９・・・背面筐体の端部、８０・・・電極部、１００・・・インナーシールド部材

Claims (12)

1. 画像表示部が発生する電磁不要輻射を防ぐために前記電磁不要輻射をシールドするための電磁シールド部を有する光学フィルターを取り付けるための光学フィルターの取り付け装置であり、
   前記光学フィルターの各端部をはめ込んで保持する前面筐体と、
   前記前面筐体に対して固定されて、前記光学フィルターとの間の空間に前記画像表示部を配置するための背面筐体と、
   前記光学フィルターの前記電磁シールド部の電極部と前記背面筐体とを電気的に直接接続することで、前記光学フィルターと、前記背面筐体と、そして前記光学フィルターとで電気導通ループを形成するための電気接触子と、
   を備えることを特徴とする光学フィルターの取り付け装置。
2. 前記電気接触子の素材は導電ゴムである請求項１に記載の光学フィルターの取り付け装置。
3. 前記前面筐体は、上辺部と、前記上辺部に平行な下辺部と、前記上辺部と前記下辺部に垂直な右辺部と左辺部を有し、前記上辺部、前記下辺部、前記右辺部および前記左辺部は別部材である請求項１に記載の光学フィルターの取り付け装置。
4. 前記前面筐体の前記上辺部と前記下辺部と前記右辺部と前記左辺部は、前記対応する前記光学フィルターの各前記端部をはめ込んで保持するための断面Ｕ字型のはめ込み保持部を有する請求項１に記載の光学フィルターの取り付け装置。
5. 前記はめ込み保持部内には、前記光学フィルターの前記端部と前記電気接触子と前記背面筐体の端部が密着してはめ込まれている請求項４に記載の光学フィルターの取り付け装置。
6. 前記背面筐体の内面には、電気伝導性を有するインナーシールド部材が配置されており、前記光学フィルターと、前記背面筐体の前記インナーシールド部材と、そして前記光学フィルターとで前記電気導通ループが形成されている請求項１に記載の光学フィルターの取り付け装置。
7. 画像表示部が発生する電磁不要輻射を防ぐために前記電磁不要輻射をシールドするための電磁シールド部を有する光学フィルターを取り付けるための光学フィルターの取り付け装置を有する画像表示装置であり、
   前記光学フィルターの各端部をはめ込んで保持する前面筐体と、
   前記前面筐体に対して固定されて、前記光学フィルターとの間の空間に前記画像表示部を配置するための背面筐体と、
   前記光学フィルターの前記電磁シールド部の電極部と前記背面筐体とを電気的に直接接続することで、前記光学フィルターと、前記背面筐体と、そして前記光学フィルターとで電気導通ループを形成するための電気接触子と、
   を備えることを特徴とする光学フィルターの取り付け装置を有する画像表示装置。
8. 前記電気接触子の素材は導電ゴムである請求項７に記載の光学フィルターの取り付け装置を有する画像表示装置。
9. 前記前面筐体は、上辺部と、前記上辺部に平行な下辺部と、前記上辺部と前記下辺部に垂直な右辺部と左辺部を有し、前記上辺部、前記下辺部、前記右辺部および前記左辺部は別部材である請求項７に記載の光学フィルターの取り付け装置を有する画像表示装置。
10. 前記前面筐体の前記上辺部と前記下辺部と前記右辺部と前記左辺部は、前記対応する前記光学フィルターの各前記端部をはめ込んで保持するための断面Ｕ字型のはめ込み保持部を有する請求項７に記載の光学フィルターの取り付け装置を有する画像表示装置。
11. 前記はめ込み保持部内には、前記光学フィルターの前記端部と前記電気接触子と前記背面筐体の端部が密着してはめ込まれている請求項１０に記載の光学フィルターの取り付け装置を有する画像表示装置。
12. 前記背面筐体の内面には、電気伝導性を有するインナーシールド部材が配置されており、前記光学フィルターと、前記背面筐体の前記インナーシールド部材と、そして前記光学フィルターとで前記電気導通ループが形成されている請求項７に記載の光学フィルターの取り付け装置を有する画像表示装置。

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