JP2004170027A - 脱気システム - Google Patents

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Abstract

【課題】起動時において迅速に脱気を行うことができる脱気システムを提供すること。
【解決手段】復水配管35から送られて来る水を脱気する脱気領域3と該脱気領域3で脱気された水を貯水する貯水タンク4とを備えた脱気器1と、該脱気器1によって脱気された水を取り出して下流に設けられたボイラなどの給水利用機器に送る運転中BFP5および待機中BFP6とを備え、前記運転中BFP5および待機中BFP6によって脱気器1から取り出された水を前記脱気領域3に再び送る循環ラインとして、ミニマムフローライン50,55を備えている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば発電プラント設備においてボイラへ通水する給水を脱気するために使用される脱気システムに関するのものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は発電プラントにおいて、ボイラの復水を脱気して再びボイラに通水するまでの脱気器周辺の構成について示した図である。図において符号1は脱気器であり、脱気領域3と貯水タンク4とを備えている。
運転中においては、貯水タンク4内の貯水wは運転中BFP(Boiler Feed Pump;ボイラ給水ポンプ)5により取り出され、高圧ヒータまたはボイラに送られる。待機中においては待機中BFP6により取り出され、高圧ヒータまたはボイラに送られる。
【0003】
運転中の貯水wの流れをより具体的に説明すると、運転中BFP5により取り出された貯水wは逆止弁7およびモータ弁8を経て高圧ヒータまたはボイラに送られる。また逆止弁7とモータ弁8とをバイパスするライン9が設けられており、このライン9にはモータ弁10,逆止弁11,オリフィス12が設けられ、貯水wが逆方向に流れるようになっている。また、運転中BFP5の出口には流量計14が設けられており、運転中BFP5の流量を検出するようになっている。さらに運転中BFP5の下流で分岐して貯水タンク4につながれたミニマムフローライン15が設けられている。このミニマムフローライン15を流れる水は空気弁16によって流量が調整されるようになっている。この空気弁16は流量計14と連動しており、運転中BFP5に対して運転に必要な最小流量が流れるように制御されている。すなわち運転中BFP5が起動している状態においては、運転中BFP5流量が所定量より少ないと運転中BFP5が熱によって損傷してしまう。これを防ぐため、ボイラに送る水量が少ない場合でも空気弁16を適宜の開度に制御することで運転中BFP5に対して最小流量を確保する。ミニマムフローライン15を通った水は再び貯水タンク4に戻され、貯水wは貯水タンク4と運転中BFP5との間で循環する。
【0004】
同様に、待機中の貯水wの流れをより具体的に説明すると、待機中BFP6により取り出された貯水wは逆止弁17およびモータ弁18を経て高圧ヒータまたはボイラに送られる。また逆止弁17とモータ弁18とをバイパスするライン19が設けられており、このライン19にはモータ弁20,逆止弁21,オリフィス22が設けられ、貯水がw逆方向に流れるようになっている。また、待機中BFP6の出口には流量計24が設けられており、待機中BFP6の流量を検出するようになっている。さらに待機中BFP6の下流で分岐して貯水タンク4につながれたミニマムフローライン25が設けられている。このミニマムフローライン25を流れる水は空気弁26によって流量が調整されるようになっている。この空気弁26は流量計24と連動しており、待機中BFP6に対して運転に必要な最小流量が流れるように制御されている。これらミニマムフローライン25、空気弁26および流量計24の作用は上記運転中BFP5の場合と同様であり、説明を省略する。
【0005】
次に、脱気器1についてより具体的に説明する。この種の脱気器1(例えば特許文献1参照)は、図5に示すように、胴体32の上部の脱気領域3に複数段の脱気トレイ34が配設され、復水配管35から復水受け32a、ノズル32bを経て上段の脱気トレイ34に脱気すべき復水が噴霧される。この復水は脱気トレイ34に順次溢流されつつ、脱気領域3の側方に配設された脱気用蒸気吹込管36から蒸気が吹き出されて、上下、左右の脱気トレイ34の相互間を通って蒸気と復水とが気液接触し、復水が脱気される。脱気後の復水は下方の貯水タンク4に滞留し、胴体32の底部に設けた降水管37からボイラ等への給水として取り出される。
またミニマムフローライン15,25(図4参照)は、吐出管38を経て貯水タンク4に導入される。
【0006】
さらに、図4において、符号40は脱気用蒸気吹込管36から吹き出される蒸気量を制御する弁、符号41は復水配管35から脱気器1に供給される復水流量を制御する脱気器給水弁である。この脱気器給水弁41は貯水タンク4の水位検出器42と連動しており、脱気器給水量制御部43によって開度が制御され脱気器1への復水の供給量が制御されるようになっている。より詳細には、図6に示した特性で復水の供給量が決まる。図において、横軸は脱気器給水量制御部43が与える弁開度、縦軸は脱気器給水弁41のCV値(流量特性)である。ボイラでより多くの水を使用する場合は、貯水タンク4からボイラへの給水量が多く、貯水タンク4内における貯水wの減りが速くなる。この場合には、脱気器給水量制御部43はより大きい弁開度を脱気器給水弁41に与え、脱気器1に供給される復水量は図6の流量特性で以て増加される。ボイラで使用される水量が少なくなる場合には、貯水タンク4からボイラへの給水量が少なくなり、貯水タンク4内における貯水wの減りが遅くなる。この場合には、脱気器給水量制御部43はより小さい弁開度を脱気器給水弁41に与え、脱気器1に供給される復水量は図6の流量特性で以て減少される。
【0007】
このようなシステムにおいて、プラント起動時の動作について説明する。
貯水タンク4に最初に投入される水は脱気されていない。この水の溶存酸素濃度DO2は2000ppb程度ある。これをそのままボイラに送ると錆を招くことから、この貯水wをミニマムフローライン15,25を利用して7ppb程度まで脱気する。すなわち、モータ弁8,18を閉としてボイラへの給水を停止した状態で、運転中BFP5および待機中BFP6を起動させる。このとき、ミニマムフローライン15,25を介して運転中BFP5および待機中BFP6と貯水タンク4との間でポンプの最小流量を循環させる。これによって、貯水wが運転中BFP5および待機中BFP6によって徐々に加熱され、貯水w内の酸素が脱気される。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−182108号公報
【特許文献2】
特開平10−61905号公報
【特許文献3】
特開2000−265968号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の方法で行う脱気ではポンプの熱に頼って脱気を行っているため、脱気速度が遅く、脱気が完了するまでに20時間程度必要であるという問題があった。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、起動時において迅速に脱気を行うことができる脱気システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、復水配管から送られて来る水を脱気する脱気領域と該脱気領域で脱気された水を貯水する貯水タンクとを備えた脱気器と、該脱気器によって脱気された水を取り出して下流の給水利用機器に送るポンプとを備えた脱気システムにおいて、前記ポンプによって前記脱気器から取り出された水を前記脱気領域に再び送る循環ラインを備えていることを特徴とする。
【0012】
この発明においては、循環ラインを通った水は貯水タンクではなく脱気領域に戻され、脱気領域で脱気される。したがって、起動時において循環ラインを介してポンプと脱気領域との間で水を循環させることで、単にポンプの熱によって脱気を行っていた従来よりも、水の脱気を速く行うことができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の脱気システムにおいて、前記復水配管に設けられた脱気器給水弁と、前記貯水タンクの水位を検出する水位検出器と、該水位検出器の出力に基づいて前記脱気器給水弁の弁開度を制御する脱気器給水量制御部と、前記脱気領域内に設けられ前記復水配管から送られて来る復水を該脱気領域内に霧状に噴霧するノズルとを備え、前記循環ラインは前記復水配管に接続され、該循環ライン内の水が前記復水配管を経て前記ノズルにより前記脱気領域内に噴霧されることを特徴とする。
【0014】
少量の水を下流の給水利用機器(例えばボイラ)側に送り出す場合、貯水タンクの水位の変動がごくわずかである。このため、脱気器給水量制御部が脱気器給水弁に与える弁開度指令が小さすぎ、脱気器給水弁は開かない(図6において弁開度指令が脱気器給水弁の無感領域にある状態)。貯水タンク内の貯水がある程度まで水位が下がらないと弁が開かず、その結果、間欠的に復水が供給されることとなる。このとき、脱気器に対して突然冷たい復水(例えば30℃)が流れ込み、蒸気が凝縮して圧力が下がる。このため貯水タンク内の飽和水がフラッシュし、気泡がポンプに吸い込まれキャビテーション等の悪影響が生じてしまう恐れがある。
この発明においては、復水配管と循環ラインとが合流し、共通のノズルによって脱気領域内に噴霧される。これによって復水配管に循環ラインを介して比較的温度が高い水(例えば100℃)を連続的に流すことができるため、復水配管の弁が間欠的に開いたときでも、脱気器内に突然冷たい復水が流れ込むことを防止できる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の脱気システムにおいて、前記循環ラインに設けられた弁と、前記ポンプの流量を検出する流量計と、前記ポンプによって下流の給水利用機器に送られる水量を調整する給水制御弁と、下流の給水利用機器が必要とする水量に基づいて前記給水制御弁を制御する給水制御弁制御部とが設けられ、該給水制御弁制御部は、前記下流の給水利用機器が必要とする水量の値が所定の閾値より小さくなった場合に前記循環ラインに設けられた弁の開度を上げる制御を行い、なおかつ、前記流量計によって検出された流量が、前記ポンプの最低流量以上となるように前記循環ラインに設けられた弁の開度を制御することを特徴とする。
【0016】
この発明においては、下流の給水利用機器が必要とする水量の値が所定の閾値より小さくなった場合、換言すると給水制御弁の開度が小さく、貯水タンク内における貯水の減り方がわずかで脱気器給水弁に対する弁開度が無感領域にある場合において、給水制御弁制御部が循環ラインの弁の開度を上げる。これにより、復水配管に循環ラインを介して比較的温度が高い水(例えば100℃)が連続的に流れるため、復水配管の脱気器給水弁が間欠的に開いたときでも、脱気器内に突然冷たい復水が流れ込むことがなく、キャビテーション等の悪影響を防ぐことができる。
下流の給水利用機器が必要とする水量の値が所定の閾値より大きくなり、脱気器給水弁に与えられる弁開度指令が無感領域以上となった場合には循環ラインの弁を開けておく必要はない。しかし、循環ラインはミニマムフローラインと兼用であるため、給水制御弁制御部は、少なくともポンプの最低流量を保つように弁の開度を制御する。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の脱気システムにおいて、前記ポンプによって前記脱気器から取り出された水を前記貯水タンクに再び送るミニマムフローラインを備えていることを特徴とする。
【0018】
この発明においては、循環ラインと別個にミニマムフローラインが設けられている。循環ラインは、起動時に開くことでポンプと脱気器との間で水を循環させ、水を脱気させる。ミニマムフローラインは、従来技術と同様に、常にポンプの最小流量を流しておくことでポンプの損傷を防ぐ。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の脱気システムにおいて、前記循環ラインに設けられた弁と、前記ポンプによって下流の給水利用機器に送られる水量を調整する給水制御弁と、下流の給水利用機器が必要とする水量に基づいて前記給水制御弁を制御する給水制御弁制御部とが設けられ、該給水制御弁制御部は、前記下流の給水利用機器が必要とする水量の値が所定の閾値より小さくなった場合に前記循環ラインに設けられた弁の開度を上げる制御を行うことを特徴とする。
【0020】
この発明においては、下流の給水利用機器が必要とする水量の値が所定の閾値より小さくなった場合、換言すると給水制御弁の開度が小さく、貯水タンク内における貯水の減り方がわずかで脱気器給水弁に対する弁開度が無感領域にある場合において、給水制御弁制御部が循環ラインの弁の開度を上げる。これにより、復水配管に循環ラインを介して比較的温度が高い水(例えば100℃)が連続的に流れるため、復水配管の脱気器給水弁が間欠的に開いたときでも、脱気器内に突然冷たい復水が流れ込むことがなく、キャビテーション等の悪影響を防ぐことができる。
また、ミニマムフローラインは従来と同様に制御される。すなわち循環ラインとは独立して制御され、常にポンプの最小流量を流しておくことでポンプの損傷を防ぐ。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の各実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本発明の脱気システムは、発電プラント(コンベンショナルプラント、コンバインドプラント、原子力プラント、地熱プラント、バイナリプラント)や化学プラントなど、脱気器を要するプラントのすべてに応用可能である。
図1は第1実施形態として示した脱気システムである。なお、従来技術と同一の構成については同一の符号を用い、その説明を省略する。
【0022】
符号50は運転中BFP5の下流で分岐して脱気領域3につながれたミニマムフローライン(循環ライン)である。脱気領域3にはミニマムフローライン50の出口にノズル52が設けられている。このノズル52は復水配管35に対するノズル32bと同様のものであり、ノズル52を介して脱気領域3内に水が噴き出されるようになっている。ミニマムフローライン50には給水制御弁制御部60によって制御される空気弁53が設けられている。また、運転中BFP5の流量を検出する流量計54が運転中BFP5の出口側に設けられている。この流量計54の検出出力は給水制御弁制御部60に与えられる。
【0023】
また、符号55は待機中BFP6の下流で分岐して脱気領域3につながれたミニマムフローライン(循環ライン)である。脱気領域3にはミニマムフローライン55の出口に臨んでノズル56が設けられている。このノズル56は復水配管35に対するノズル32bと同様のものであり、ノズル56を介して脱気領域3内に水が噴き出されるようになっている。ミニマムフローライン55には給水制御弁制御部60によって制御される空気弁57が設けられている。また、待機中BFP6の流量を検出する流量計58が待機中BFP6の出口側に設けられている。この流量計58の検出結果は給水制御弁制御部60に与えられる。
【0024】
なお、図示は省略するが、ノズル52,56には、これに付随して復水受け32a(図5参照)等の構成も設けられている。また、ノズル52,56は噴霧された水が脱気トレイ34に溢流される位置に設けられている。
【0025】
また、給水制御弁制御部60は下流に設けられた不図示のボイラ(給水利用機器)の出力要求値61が与えられ、それに応じてボイラへの給水量を調節する給水制御弁62を制御するようになっている。ボイラの要求値61が高ければ給水制御弁62を開いてボイラに対する給水を増やし、低ければ給水制御弁62を閉じて給水を減らす。
【0026】
このような脱気システムにおいて、起動時の動作について説明する。
貯水タンク4に最初に投入される水は脱気されていない。この水の溶存酸素濃度DO2は2000ppb程度ある。これをそのままボイラに送ると錆を招くことから、これをミニマムフローライン50,55を利用して7ppb程度まで脱気する。すなわち、モータ弁8,18を閉としてボイラへの給水を停止した状態で、運転中BFP5および待機中BFP6を起動させる。このとき、給水制御弁制御部60が流量計54,58の出力に基づいて、運転中BFP5および待機中BFP6に最小流量が流れるように空気弁53,57を開く。ミニマムフローライン50,55内の水は脱気領域3のノズル52,56に供給され、脱気トレイ34および脱気用蒸気吹込管36(図5参照)から送られる蒸気によって脱気される。なお、この蒸気は、補助ボイラや他の系統で用いられる蒸気を利用する。
このようにミニマムフローライン50,55を介して脱気領域3と運転中BFP5および待機中BFP6との間で水が循環することで、貯水wは従来よりも速く脱気され、ボイラへの給水開始を早くすることが可能となる。
【0027】
次に、本発明の第2実施形態について図2を参照して説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については同一の符号を用い、その説明を省略した。
本実施形態においては、上記第1実施形態のミニマムフローライン50,55の変形例として、ミニマムフローライン50’、55’が設けられている。これらミニマムフローライン50’、55’は上記第1実施形態と異なり、復水配管35に合流している。
【0028】
本実施形態においては、ミニマムフローライン50’、55’を通って脱気器1に送られる水は復水配管35に合流し、復水とともに脱気領域3のノズル32bによって脱気領域3に噴霧され脱気される。
さて、起動時において、貯水wの脱気が完全でなくても(50ppb程度であっても)ボイラ側に水を送り出す場合がある。どの程度の脱気が完了した段階でボイラに対する水の供給を開始するかの判断はプラントによって異なるからである。少量の水をボイラ側に送り出す場合、貯水タンク4の水位の変動がごくわずかである。このため、脱気器給水量制御部43が指示する弁開度が小さすぎ、図6の無感領域に位置し、脱気器給水弁41は変動しない。貯水タンク4内の貯水wがある程度まで水位が下がらないと脱気器給水弁41が開かず、その結果、間欠的に復水が供給されることとなる。このとき、脱気器1に対して突然冷たい復水(例えば30℃)が流れ込み、脱気器1内の蒸気が凝縮して圧力が下がる。このため貯水タンク4内の飽和水がフラッシュし、周囲のシステムに悪影響を及ぼす恐れがある。例えば、貯水タンク4に発生した気泡が運転中BFP5及び待機中BFP6に吸い込まれキャビテーションが発生し、振動、破損の原因となってしまう。
【0029】
本実施形態においては給水制御弁制御部60に与えられるボイラ要求値61が所定の閾値より小さい場合、換言すると給水制御弁62の開度が小さく、貯水タンク4内における貯水wの減り方がわずかで脱気器給水弁41に与えられる弁開度が弁41の無感領域にある場合において、給水制御弁制御部60が空気弁53,57の開度を上げる。これにより復水配管35にミニマムフローライン50’、55’を介して比較的温度が高い水(例えば100℃)が連続的に流れるため、復水配管35の脱気器給水弁41が間欠的に開いたときでも、脱気器1内に突然冷たい復水が流れ込むことがなく、上記のようなキャビテーション等の悪影響を防ぐことができる。
ボイラ要求値61が高くなり、給水制御弁62の開度が十分に大きくなると、貯水タンク4内における貯水wの減り方が大きくなり、脱気器給水弁41に対する弁開度が無感領域よりも高い領域に移るため、給水制御弁制御部60は空気弁53,57の開度を下げる。但し、流量計54,58により検出される流量が運転中BFP5および待機中BFP6の最低流量以上となるように、給水制御弁制御部60は空気弁53,57を制御する。
なお、上記の制御は起動時だけではなく、何らかの原因によってボイラがストップした場合またはボイラの要求値が減少した場合にも適用される。
【0030】
このように、本実施形態においては、ミニマムフローライン50’,55’を介して脱気領域3と運転中BFP5および待機中BFP6との間で水が循環することで、貯水wは従来よりも速く脱気され、ボイラへの給水開始を早くすることが可能となる。
また、ミニマムフローライン50’,55’を介して復水配管35に比較的温度が高い水が供給されているから、ボイラ給水量が少ないときであっても復水配管35から脱気器1への給水量が連続的となる。したがって脱気器内圧力を安定に保つことができ、キャビテーション等の悪影響を防止することができる。
また、上記第1実施形態とは異なり、新たなノズル52,56(図1参照)等は不要である。
【0031】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図3は第3実施形態として示した脱気システムである。なお、従来技術と同一の構成については同一の符号を用い、その説明を省略する。
本実施形態においては、従来技術の脱気システムに加えて、ミニマムフローライン15から分岐する再循環ライン(循環ライン)65が設けられている。この再循環ライン65はミニマムフローライン15の空気弁16の上流側で分岐し、復水配管35に合流している。また、再循環ライン65はモータ弁66により流量が調整されるようになっている。
ミニマムフローライン25についても同様に、再循環ライン(循環ライン)67が空気弁26の上流側で分岐し、復水配管35に合流している。また、再循環ライン67はモータ弁68により流量が調整されるようになっている。
これら再循環ライン65,67に設けられているモータ弁66,68は、給水制御弁制御部70によって制御される。給水制御弁制御部70は下流に設けられた不図示のボイラ(給水利用機器)に対する出力要求値61が入力され、それに応じてボイラへの給水量を調節する給水制御弁62を制御するようになっている。ボイラの要求値61が高ければ給水制御弁62を開いてボイラに対する給水を増やし、低ければ給水制御弁62を閉じて給水を減らす。
【0032】
このように構成された脱気システムの動作について説明する。
まず起動時の動作を説明する。貯水タンク4に最初に投入される水は脱気されていない。この水の溶存酸素濃度DO2は2000ppb程度ある。これをそのままボイラに送ると錆を招くことから、再循環ライン65,67を利用して脱気する。すなわち、モータ弁8,18を閉じてボイラへの給水を停止し、また、ミニマムフローライン15,25を閉じた状態で、モータ弁66,68を開き、運転中BFP5および待機中BFP6を起動させる。再循環ライン65,67内の水は復水配管35を経てノズル32bによって脱気領域3内に吹き出され、脱気トレイ34および脱気用蒸気吹込管36から送られる蒸気によって脱気される。なお、この蒸気は、補助ボイラや他の系統で用いられる蒸気を利用する。
脱気が十分に行われた後は、再循環ライン65,67を閉じる。このとき、空気弁16,26は、運転中BFP5および待機中BFP6に最小流量が流れるように流量計14,24に連動して開度が調整されているから、再循環ライン65,67が閉じた後は空気弁16,26が必要に応じて開き、運転中BFP5および待機中BFP6の最小流量が確保される。
【0033】
さて、プラント運転中において、何らかの原因によってボイラがストップした場合またはボイラの要求値が減少した場合、ボイラの給水を抑えるために給水制御弁制御部70が給水制御弁62を絞る。ここで、ボイラの給水量が所定より少なくなると、上記第2実施形態で示したように、貯水タンク4内における貯水wの減り方が少なくなり、脱気器給水量制御部43が与える弁開度が脱気器給水弁41の無感領域に入ってしまう。このため、脱気器1には復水が間欠的に導入され、ポンプにキャビテーションが発生する等、周囲のシステムに悪影響を及ぼす恐れがある。
これを防ぐために、ボイラ要求61が所定の閾値より小さい場合、換言すると給水制御弁62の開度が小さく、貯水タンク4内における貯水wの減り方がわずかで脱気器給水弁41に与えられる弁開度が弁41の無感領域にある場合において、給水制御弁制御部70がモータ弁66,68を開く。これにより復水配管35に再循環ライン65,67を介して比較的温度が高い水(例えば100℃)が連続的に流れるため、復水配管35の脱気器給水弁41が間欠的に開いたときでも、脱気器1内に突然冷たい復水が流れ込むことがなく、上記のようなキャビテーション等の悪影響を防ぐことができる。
ボイラ要求が高くなり、給水制御弁62の開度が十分に大きくなると、貯水タンク4の減り方が大きくなり、脱気器給水弁41に対する弁開度が無感領域よりも高い領域に移るため、給水制御弁制御部70はモータ弁66,68を閉じる。
【0034】
このように、本実施形態においては、再循環ライン65,67を介して脱気領域3と運転中BFP5および待機中BFP6との間で水が循環することで、貯水wは従来よりも速く脱気され、ボイラへの給水開始を早くすることが可能となる。
また、再循環ライン65,67を介して復水配管35に比較的温度が高い水が供給されているから、ボイラ給水量が少ないときであっても復水配管35から脱気器1への給水量が連続的となる。したがって脱気器内圧力を安定に保つことができ、キャビテーション等の悪影響を防止することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては以下の効果を得ることができる。
請求項1に記載の発明によれば、循環ラインを通った水は脱気領域に戻され、脱気領域で脱気される。したがって、貯水は従来よりも速く脱気され、ボイラへの給水開始を早くすることが可能となる。
【0036】
請求項2に記載の発明によれば、循環ラインを介して復水配管に比較的温度が高い水が供給されるから、復水配管から脱気器への給水量が連続的となる。したがって下流の機器に送る給水量が少ないときであっても脱気器内圧力を安定に保つことができ、キャビテーション等の悪影響を防止することができる。
【0037】
請求項3に記載の発明によれば、何らかの原因によってボイラがストップした場合またはボイラの要求値が減少した場合に循環ラインを介して復水配管に比較的温度が高い水が連続的に流れるため、復水配管の脱気器給水弁が間欠的に開いたときでも、脱気器内に突然冷たい復水が流れ込むことがなく、キャビテーション等の悪影響を防ぐことができる。
また、給水制御弁制御部は流量計によって検出された流量がポンプの最低流量以上となるように循環ラインに設けられた弁を制御する。したがって、流量不足によるポンプの損傷を防止することができる。
【0038】
請求項4に記載の発明によれば、循環ラインを通った水は脱気領域に戻され、脱気領域で脱気される。したがって、貯水は従来よりも速く脱気され、ボイラへの給水開始を早くすることが可能となる。また、循環ラインとは別個に設けられたミニマムフローラインにより、ポンプの損傷を防ぐことができる。
【0039】
請求項5に記載の発明によれば、何らかの原因によってボイラがストップした場合またはボイラの要求値が減少した場合に循環ラインを介して復水配管に比較的温度が高い水が連続的に流れるため、復水配管の脱気器給水弁が間欠的に開いたときでも、脱気器内に突然冷たい復水が流れ込むことがなく、キャビテーション等の悪影響を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の脱気システムについて示した図である。
【図2】本発明の第2実施形態の脱気システムについて示した図である。
【図3】本発明の第3実施形態の脱気システムについて示した図である。
【図4】従来の脱気システムについて示した図である。
【図5】従来の脱気器の概略構成について示した縦断面図である。
【図6】脱気器給水弁に与えられる弁開度と流量特性との関係を示した図である。
【符号の説明】
1 脱気器
3 脱気領域
4 貯水タンク
5 運転中BFP
6 待機中BFP
32b ノズル
35 復水配管
41 脱気器給水弁
42 水位検出器
43 脱気器給水量制御部
50,55 ミニマムフローライン(循環ライン)
50’,55’ ミニマムフローライン(循環ライン)
53,57 空気弁
54,58 流量計
60 給水制御弁制御部
62 給水制御弁
65,67 再循環ライン(循環ライン)
66,68 モータ弁
70 給水制御弁制御部

Claims (5)

  1. 復水配管から送られて来る水を脱気する脱気領域と該脱気領域で脱気された水を貯水する貯水タンクとを備えた脱気器と、該脱気器によって脱気された水を取り出して下流の給水利用機器に送るポンプとを備えた脱気システムにおいて、
    前記ポンプによって前記脱気器から取り出された水を前記脱気領域に再び送る循環ラインを備えていることを特徴とする脱気システム。
  2. 請求項1に記載の脱気システムにおいて、
    前記復水配管に設けられた脱気器給水弁と、前記貯水タンクの水位を検出する水位検出器と、該水位検出器の出力に基づいて前記脱気器給水弁の弁開度を制御する脱気器給水量制御部と、前記脱気領域内に設けられ前記復水配管から送られて来る復水を該脱気領域内に霧状に噴霧するノズルとを備え、前記循環ラインは前記復水配管に接続され、該循環ライン内の水が前記復水配管を経て前記ノズルにより前記脱気領域内に噴霧されることを特徴とする脱気システム。
  3. 請求項2に記載の脱気システムにおいて、
    前記循環ラインに設けられた弁と、前記ポンプの流量を検出する流量計と、前記ポンプによって下流の給水利用機器に送られる水量を調整する給水制御弁と、下流の給水利用機器が必要とする水量に基づいて前記給水制御弁を制御する給水制御弁制御部とが設けられ、
    該給水制御弁制御部は、前記下流の給水利用機器が必要とする水量の値が所定の閾値より小さくなった場合に前記循環ラインに設けられた弁の開度を上げる制御を行い、なおかつ、前記流量計によって検出された流量が、前記ポンプの最低流量以上となるように前記循環ラインに設けられた弁の開度を制御することを特徴とする脱気システム。
  4. 請求項2に記載の脱気システムにおいて、
    前記ポンプによって前記脱気器から取り出された水を前記貯水タンクに再び送るミニマムフローラインを備えていることを特徴とする脱気システム。
  5. 請求項4に記載の脱気システムにおいて、
    前記循環ラインに設けられた弁と、前記ポンプによって下流の給水利用機器に送られる水量を調整する給水制御弁と、下流の給水利用機器が必要とする水量に基づいて前記給水制御弁を制御する給水制御弁制御部とが設けられ、該給水制御弁制御部は、前記下流の給水利用機器が必要とする水量の値が所定の閾値より小さくなった場合に前記循環ラインに設けられた弁の開度を上げる制御を行うことを特徴とする脱気システム。
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