JP2004169449A - 舗装体及び舗装体の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】保水性の高い舗装体を得ること、もしくは高い保水性を有するとともに充分な強度及び耐久性を有する舗装体を得ることであり、さらにこのような舗装体の形成方法を提供する。
【解決手段】舗装体に備えられた表層2は、骨材の粒度分布とアスファルト量とを調整することによって、骨材間に空隙が形成されたアスファルト混合物であり、空隙には少なくとも、水とセメントとバーミキュライトとを混練した充填材が充填されている。バーミキュライトは保水性及び吸湿性に優れているため、空隙に充填された少量のバーミキュライトによって雨水や水蒸気等を吸収し、表層に十分な水分を保持することができる。また、充分な保水性を有する配合としても硬化時に高い強度が発現する。さらに、バーミキュライトは、セメント及び水と混練したときに分散性がよいため、充填材を骨材間に容易に流し入れることができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アスファルト混合物からなり、保水力の高い表層を有する舗装体、及び保水力の高い表層を備えた舗装体を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
都市部における平均気温は年々上昇し続けており、エネルギー消費にともなう排熱の増加によってますます局地的な高温域化、すなわちヒートアイランド化が進んでいる。また、ヒートアイランド化は緑の減少、すなわちアスファルト混合物やコンクリートで舗装された路面の増加によっても引き起こすことが指摘され、舗装体の蓄熱および路面からの輻射熱が周囲に放出されることによる気温の上昇が問題となっている。
【0003】
このため、路面の温度上昇を抑えることによってヒートアイランド現象の緩和を図ろうとする技術が提案されている。
特許文献1には、シルト質、粘土質又はこれらの混合物を50重量%以上含む土質材料を粒状に加工し、これを保水材として、アスファルト混合物からなる表層の連続空隙内に充填する舗装体が記載されている。この舗装体では、充填材によって雨水を効率良く蓄えることができ、周囲の温度が上昇すると蓄えられた水が蒸発し、気化熱として路面の熱を吸収する。これにより、路面温度の上昇が抑制される。
【0004】
特許文献2には、高い空隙率のアスファルト混合物やコンクリートで表層を形成し、シルト系粉末が20〜60重量%となるようにシルト系粉末、セメント及び水を混練したスラリー状の充填材を、上記表層の空隙内に充填した舗装体が記載されている。表層中の空隙に充填材が充填されて固化すると、固化した部分に連続した微細空隙が形成され、この微細空隙に水分が滞留して保水される。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−109699号公報
【特許文献2】
特開平10−46513号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載した舗装体では次のような問題点がある。
特許文献1に開示されている舗装体では、シルト質又は粘土質等の材料を粒状に加工したものを表層の空隙に充填しただけで、充填材料は強度を有するものではない。このため、通行する車輌の荷重によって舗装体が流動変形するのを抑える効果はない。また、粒状化された材料は吸水するものの蒸発が早く、気化熱として熱を吸収する効果が長時間持続しない。
【0007】
また、特許文献2に記載の舗装体では、シルト系粉末がセメント及び水と混合することにより硬化するので十分な強度を有するが、吸水量はせいぜい40%程度であり、充分ではない。40%以上の吸水率を得るために、吸水材であるシルト質材料の含有率を大きくすると強度の低下が著しくなる。
【0008】
本願に係る発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、保水力の高い舗装体を得ること、もしくは高い保水力を有するとともに充分な強度及び耐久性を有する舗装体を得ることであり、さらにこのような舗装体の形成方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 少なくとも骨材とアスファルトを混合した、アスファルト混合物からなり、アスファルト量及び混合する骨材の粒度分布を調整することによって前記骨材間に空隙が形成された表層を有し、 前記空隙には、少なくとも水とセメントとバーミキュライトとを混合した充填材が充填され、該充填材が固化している舗装体を提供する。
【0010】
バーミキュライトは、SiO、MgO、Alを主成分とする雲母状の粘土鉱物である。上記舗装体で用いるバーミキュライトとしては、バーミキュライト原石を急熱し、垂直方向に著しく伸ばした後、破砕・分級したものを使用することができる。
また、上記充填材には、必要に応じて増粘剤、気泡剤、AE剤、AE減水剤、高性能AE剤、流動化剤等の混和剤を加えることができる。また、細粒度の珪砂を混合しても良い。
【0011】
バーミキュライトは、他の粘土鉱物や粘土より粒径の大きいシルトに比べて保水力及び湿潤性が高い。このため、表層の空隙に充填された少量のバーミキュライトによって雨水等の水分を速やかに吸収し、表層中に充分な水分を保持することができる。また、バーミキュライトは水及びセメントと混合して充填材とした時、少量の混入でも大きな吸水率を有するので、硬化時に高い保水力を発現する配合としても、十分な充填材の強度を確保できる。
さらに、バーミキュライトは、セメント及び水と混練したときの分散性に優れ、均一に混合されるとともに、充填時に材料分離が極めて生じにくく、表層の空隙内に均一に充填することが可能である。
また、バーミキュライトを含む上記硬化体は、下記の夜間などのように、気温が低下して相対湿度が上昇したときに大気中の水蒸気を効率良く吸収する性質が見出された。この性質により、夜間に吸収した水蒸気が翌日の高温時に蒸発し、舗装体表面の温度の上昇が更に抑制される。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の舗装体において、 前記充填材は、水、セメント及びバーミキュライトのそれぞれの重量比が、水39〜56%、セメント34〜57%、バーミキュライト4〜11%であるものとする。
【0013】
上記重量比とすることによって充填材は、表層の空隙内で硬化し、雨水等によって流出するのが防止される。また、硬化した充填材は有効に吸水性を有するものとなる。つまり、バーミキュライトが4%より少ないと、吸水量は一般的なセメントペーストの硬化したものと変わらなくなり、バーミキュライトが11%より多くなると充填材が固化した状態を維持できないことが生じる。また、セメント量と水量とを上記範囲とすることによって、良好な流動性と有効な硬化性能を維持することができる。
【0014】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の舗装体において、 前記充填材は、セメントに対するバーミキュライトの重量比が7〜30%であるものとする。
【0015】
上記重量比とすることによって、充填材が充分な流動性を有する程度の水量で混合しても、充填時に材料が分離することがなく、充填後は空隙内で硬化するものとなる。
【0016】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の舗装体において、 前記充填材は、水、セメント及びバーミキュライトのそれぞれの重量比が、水48〜53%、セメント38〜46%、バーミキュライト6.5〜8.7%であるものとする。
【0017】
上記重量比とすることによって、上記充填材の混合物の最大吸水率を40%以上とし、圧縮強度は1.5N/mm以上とすることができる。これにより、表層のアスファルト混合物の空隙内に充填し硬化させたとき、表層が大きな保水力を有するとともに、流動変形に対して大きな耐性を有するものとなる。そして、バーミキュライトの量を上記範囲より低減すると、吸水量が急激に低下し、バーミキュライトの量を上記範囲より増加すると強度が急激に低下する。
なお、最大吸水率とは、温度20℃、相対湿度95%以上の恒温槽で材令3日養生後、40℃の乾燥炉内において24時間乾燥させたφ10cm×20cmの供試体を用い、24時間以上吸水させた供試体を表乾状態として、表乾質量を測定し、40℃の乾燥炉内にて24時間以上乾燥させ絶乾状態として、乾燥質量を測定し、以下の式で求める。
最大吸水率(%)=((表乾質量−絶乾質量)/絶乾質量)×100
【0018】
請求項5に係る発明は、請求項1又は請求項4に記載の舗装体において、 前記充填材は、セメントに対するバーミキュライトの重量比が14〜22%であるものとする。
【0019】
上記重量比とすることによって、充填材の最大吸水率を40%以上とするとともに、圧縮強度は1.5N/mm以上とすることができる。また、この重量比を上記範囲より低減すると、吸水量が急激に低下し、上記範囲より大きくすると強度が急激に低下する。
【0020】
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5までのいずれかに記載の舗装体において、 前記バーミキュライトは、粒径を5〜1000μmとする。
【0021】
バーミキュライトの粒径を上記範囲とすることによって、充填材は良好な流動性を有するとともに、バーミキュライトが分離することなく、空隙中に均一に充填される。
【0022】
請求項7に係る発明は、 アスファルト混合物からなる基層の上に、アスファルト量及び混合する骨材の粒度分布を調整することによって前記骨材間に空隙が形成されたアスファルト混合物の表層を形成し、 前記表層の上から、少なくとも水とセメントとバーミキュライトとを混練した充填材を散布し、前記骨材間を流下させて、前記空隙内に充填し、硬化させることを特徴とする舗装体の形成方法を提供するものである。
【0023】
この方法では、バーミキュライトを含む充填材を簡単な方法で、表層内の空隙に充填することができる。そして、バーミキュライトは保水力及び湿潤性に優れているため、充填材に混合するバーミキュライトを少量とすることができ、水の重量比を高くし流動性を大きくして充填しても、硬化後の充填材は充分な強度を有するものが得られる。
また、バーミキュライトは水及びセメントと混合したときに分散性が良好であるとともに、流動性を大きくしても材料分離が生じ難い。これにより、表層の空隙内に充填材を満遍なく充填することでき、保水力と耐久性に優れた舗装体を得ることができる。
【0024】
請求項8に係る発明は、 請求項7に記載の舗装体の形成方法において、 前記充填材は、セメントに対するバーミキュライトの重量比を決定し、該重量比のセメントとバーミキュライトと水とを混合した時に、前記骨材間を流下可能となるように水量を決定し、これらを混練するものである。
【0025】
セメントに対するバーミキュライトの重量比を適切に定めておき、表層の空隙内に流下する程度の流動性を有するように水量を決定することによって、硬化後に充分な強度が発現するとともに、充填時に材料の分離をほとんど生じることなく、表層の空隙中に良好に充填することができる。また、セメント量に対するバーミキュライト量が比較的少量であるが、硬化後の充填材は十分な保水性を有するものとなる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本願に係る発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本願発明の一実施形態である舗装体を示す概略断面図である。
この舗装体は、一般に車道の基層として用いられる密粒度のアスファルト混合物からなる基層1と、保水力を有するアスファルト混合物からなる表層2とが、路盤3の上に順次敷き均され、締め固められている。
【0027】
上記表層2を形成するアスファルト混合物は、アスファルト量及び混合する各骨材の配合を調整することによって、空隙率が約15〜30%となるようにしたものである。この表層2は、図2に示すようにアスファルト2aが骨材2bに付着し、骨材を包み込むように層を形成しており、このアスファルト2aによって骨材間を接合している。そして、骨材間にはアスファルトが充填されない空隙が形成されている。なお、このアスファルト混合物は、耐流動性と剥離抵抗性とに優れたものが望ましく、混合するアスファルトとして高粘度改質アスファルト等を用いるのが望ましい。
【0028】
上記表層2の骨材間に形成された空隙には、水、セメント及びバーミキュライトからなる充填材2cが充填されている。また、充填材2cには、必要に応じて、珪砂又は増粘剤、気泡剤、AE剤、AE減水剤、高性能AE剤、流動化剤等の混和剤を加えるものとする。
バーミキュライトは優れた保水力を有する粘土鉱物の一種であり、保水材として用いられている。本実施形態では、水、セメント及びバーミキュライトの重量比は、水43.5%、セメント49.3%、バーミキュライト7.2%となっている。また、バーミキュライトは粒度分布が、500μmが7.8%、250μmが18.2%、150μmが12.2%、75μmが16.0%、45μmが25.2%であるものを用いた。なお、百分率は、それぞれのふるい目を有するふるい上に留まるバーミキュライトの質量百分率である。
【0029】
上記粒度分布のバーミキュライトを用いて、水、セメント及びバーミキュライトの重量比を、水48〜53%、セメント38〜46%、バーミキュライト6.5〜8.7%とし、かつ、セメントに対するバーミキュライトの重量比を14〜22%とすることによって、充填材が硬化した後、高い保水力とともに十分な強度を有する。
【0030】
上記舗装体は、先ず、路盤3上に基層1用の加熱アスファルト混合物を敷設し、転圧する。その後、基層1上に、空隙率が約15〜30%となるように、アスファルト量及び混合する各骨材の配合を調整した表層2用のアスファルト混合物を敷設し、転圧する。そして、水、セメント及びバーミキュライト、更に必要に応じて混和剤を混練してスラリー状の充填材とし、この充填材を表層2の上方から注入する。充填材は表層2の骨材2b間を流下し、骨材間の空隙に充填され、硬化する。
【0031】
上記充填材の配合は、まずセメントに対するバーミキュライトの重量比を上記範囲内で決定する。そして、水を徐々に加えながら混練し、表層2の空隙内に流下するのに充分な流動性を有するものとする。
【0032】
次に、充填材における水、セメント及びバーミキュライトのそれぞれの重量比を変えて供試体を作製し、それぞれの供試体の最大吸水率、圧縮強度及び曲げ強度(「JIS R 5201」準用、7日養生)を測定した結果を表1及び図3に示す。
【0033】
【表1】
Figure 2004169449
【0034】
表1及び図3より、充填材におけるバーミキュライトの重量比が6.6%〜8.7%のとき、充填材の最大吸水率は42%〜115%となり、このとき充填材は十分な圧縮強度及び曲げ強度を有していることがわかる。そして、バーミキュライトの重量比が、上記範囲より多くなると、充填材が硬化した時の強度が急激に低下し、11%を超えると脆い状態となる。このような充填材では、雨水等によって流出するおそれが生じる。一方、バーミキュライトの重量比が4%より低下すると最大吸水量がますます低下し、バーミキュライトを混入することによる硬化が得られなくなる。
【0035】
なお、東京都作成の資料である「保水力舗装 試験施工設計・施工マニュアル(案)」(平成14年3月)では、表層となるアスファルト混合物に充填する充填材の最大吸水率を40%以上、圧縮強度を0.5N/mm以上と規定しており、車道を適用先とした保水性舗装における充填材として吸水率及び強度は上記程度の値が妥当であると考えられる。本実施形態では、バーミキュライトの重量比が7.2%であり、充填材の最大吸水率及び圧縮強度は、上記規定された値を十分満たしている。
【0036】
また、バーミキュライトに代えて、保水材としてベントナイト、ゼオライト、又はパーライトを用い、上記方法と同様に充填材の最大吸水率、圧縮強度及び曲げ強度を測定した。この結果を表2及び図4に示す。
【0037】
【表2】
Figure 2004169449
【0038】
これらの測定結果より、バーミキュライトはベントナイトなど他の保水材に比べると保水材配合が低くても、当該充填材は硬化後に十分な最大吸水率を得ることができる。また、バーミキュライトの重量比が8.7%以下では、充填材の強度が著しく低下するおそれもない。バーミキュライト以外の保水材では、バーミキュライトほどの最大吸水率は得られず、大きな吸水率を得るために保水材の重量比を大きくすると強度低下の原因となってしまう。
【0039】
また、バーミキュライトは他の保水材に比べ、水とセメントとの混合物すなわちセメントミルクと混合したときの分散性に優れ、材料分離も少ない。このため、充填材をアスファルト混合物の空隙へ充填するとき、時間が経過してもバーミキュライトが分離しにくく、空隙内にバーミキュライトをほぼ均一に分散させて充填することができる。
【0040】
さらに、バーミキュライトを含む充填材は硬化した後も大気中からの吸湿性を有しており、この吸湿性を確認するために以下の実験を行なった。
水、セメント及びバーミキュライトからなる充填材を、表層となるアスファルト混合物の空隙中に充填し、20℃、相対湿度(以下、RHと表示する)65%の条件で1週間養生した。その後、アスファルト混合物を水侵させ、十分に吸水させた後、水中から引き上げ、40℃、RH40%で9日間養生し、アスファルト混合物内の水をほとんど蒸発させた。その後、25℃、RH90%の条件での24時間養生と、40℃、RH40%の条件での24時間養生とを交互に行った。図5は、養生日数と累積蒸発量との関係を示したものである。
なお、累積蒸発量は、アスファルト混合物から蒸発した水量を示す。また、試験条件は、都心部における夏の深夜がほぼ25℃、RH90%になる実測データから決定したものである。
【0041】
図5より、アスファルト混合物は25℃、RH90%、24時間で0.1リットル/m吸湿することがわかる。このように、バーミキュライトを保水材として使用することによって、充填材中の水分がほとんど蒸発した場合にも、夜間に大気中の水蒸気を吸収し、日中に放湿される。したがって晴天が続いた場合にも路面温度を低下させる効果を維持することができる。このような吸湿性はバーミキュライトを保水材に用いた充填材のみに見られる特有の性質であり、ベントナイトやゼオライト等を保水材として用いた充填材には見られない。
【0042】
このように、バーミキュライトは保水力、吸湿性又は充填材中での分散性に非常に優れた鉱物であり、さらに水・セメントとともに混練し、硬化させたときに充填材として十分な強度を有する。このため、少量のバーミキュライトを保水材として用い、アスファルト混合物の空隙に充填することによって、バーミキュライトが雨水等や大気中の水蒸気を効率良く吸収し、アスファルト混合物中に水分を蓄えることができる。そして、周囲の温度が上昇すると表層中の水分が蒸発し、この際気化熱として舗装体表面の熱を吸収する。これにより、舗装体の温度が上昇するのを抑制し、舗装体からの輻射熱を低減できる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明に係る舗装体では、表層となるアスファルト混合物の骨材間に空隙が形成されており、空隙内に水、セメント及びバーミキュライトを混合した充填材が充填されている。バーミキュライトは保水力に優れているため、空隙に充填された少量のバーミキュライトによって雨水等の水分を吸収し、表層に十分な水分を保持することができる。また、充分な保水力を有する配合としても硬化時に高い強度が発現する。さらに、バーミキュライトは、セメント及び水と混練したときに分散性がよく、均一に混合されるとともに、充填時に材料の分離が極めて生じにくく、表層の空隙内に均一に充填することが可能である。
また、本願発明に係る舗装体の形成方法では、アスファルト混合物の空隙に充填材を簡単かつ確実に充填し、保水力に優れた舗装体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態である舗装体を示す概略断面図である。
【図2】図1に示す舗装体が備える表層の拡大断面図である。
【図3】充填材中のバーミキュライトの重量比と、充填材の最大吸水率、圧縮強度及び曲げ強度との関係を示す図である。
【図4】他の保水材を用いた場合における、充填材中の保水材の重量比と、充填材の最大吸水率、圧縮強度及び曲げ強度との関係を示す図である。
【図5】バーミキュライトを含む充填材が充填されたアスファルト混合物の養生日数と累積蒸発量との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 基層
2 表層
2a アスファルト
2b 骨材
2c 充填材
3 路盤

Claims (8)

  1. 少なくとも骨材とアスファルトを混合した、アスファルト混合物からなり、アスファルト量及び混合する骨材の粒度分布を調整することによって前記骨材間に空隙が形成された表層を有し、
    前記空隙には、少なくとも水とセメントとバーミキュライトとを混合した充填材が充填され、該充填材が固化していることを特徴とする舗装体。
  2. 前記充填材は、水、セメント及びバーミキュライトのそれぞれの重量比が、水39〜56%、セメント34〜57%、バーミキュライト4〜11%であることを特徴とする請求項1に記載の舗装体。
  3. 前記充填材は、セメントに対するバーミキュライトの重量比が7〜30%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の舗装体。
  4. 前記充填材は、水、セメント及びバーミキュライトのそれぞれの重量比が、水48〜53%、セメント38〜46%、バーミキュライト6.5〜8.7%であることを特徴とする請求項1に記載の舗装体。
  5. 前記充填材は、セメントに対するバーミキュライトの重量比が14〜22%であることを特徴とする請求項1又は請求項4に記載の舗装体。
  6. 前記バーミキュライトは、粒径を5〜1000μmとすることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の舗装体。
  7. アスファルト混合物からなる基層の上に、アスファルト量及び混合する骨材の粒度分布を調整することによって前記骨材間に空隙が形成されたアスファルト混合物の表層を形成し、
    前記表層の上から、少なくとも水とセメントとバーミキュライトとを混練した充填材を散布し、前記骨材間を流下させて、前記空隙内に充填し、硬化させることを特徴とする舗装体の形成方法。
  8. 前記充填材は、セメントに対するバーミキュライトの重量比を決定し、該重量比のセメントとバーミキュライトと水とを混合した時に、前記骨材間を流下可能となるように水量を決定し、これらを混練することを特徴とする請求項7に記載の舗装体の形成方法。
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