JP2004168960A - 光硬化性樹脂組成物、それを用いたインクジェット用インク組成物及び画像形成方法 - Google Patents
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- BNGFRXWUOHQLKZ-UHFFFAOYSA-N CC1C=C(C2(c3ccccc3)OC(C)(C)C2(C)C)C=CC1 Chemical compound CC1C=C(C2(c3ccccc3)OC(C)(C)C2(C)C)C=CC1 BNGFRXWUOHQLKZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Abstract
【課題】本発明の目的は、粘度安定性、インク保存性、顔料粒子の粒状、濾過性、出射安定性に優れた光硬化性樹脂組成物と、記録材料との接着性及び画像耐久性が良好なインクジェット用インク組成物及び画像形成方法を提供することにある。
【解決手段】少なくとも酸性顔料、重合性化合物及び光重合開始剤を含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】少なくとも酸性顔料、重合性化合物及び光重合開始剤を含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光硬化性樹脂組成物、それを用いたインクジェット用インク組成物及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作成できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に、微細なドットを出射、制御する記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインク及びインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。今日のインクジェット記録方式の画質向上は、記録装置、インク、専用紙の全てが揃って初めて達成されている。
【0003】
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェットシステムは、記録材料が制限されること、記録材料のコストアップが問題となる。そこで、専用紙と異なる被転写媒体へインクジェット方式により記録する試みが多数なされている。具体的には、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式や、記録後紫外線(UV)光により架橋させるUVインクジェット方式などである。
【0004】
中でも、UVインクジェット方式は、ソルベント系インクジェット方式に比べ比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性の無い記録材料への記録が出来る点で、近年注目されつつあり、例えば、特公平5−54667号、特開平6−200204号、特表2000−504778において、紫外線硬化型インクジェットインクが開示されている。
【0005】
上述のように、紫外線硬化型インクジェットインクに代表される光硬化性樹脂組成物を含有した光硬化性インクは、乾燥が早いこと、揮発性溶媒がなく環境適性に優れること、様々な記録材料に印刷できることから、オフセット印刷、グラビヤ印刷、スクリーン印刷、凸版印刷、インクジェット印刷などの幅広い分野で利用されてきている。
【0006】
近年、フレキソ印刷分野においては、高画質化のための技術改良が盛んに進められており、グラビヤ印刷やオフセット印刷に比べ、小ロット対応が可能であることから、注目が寄せられている。また、インクジェット方式はオンデマンド印刷が可能であり、光硬化性インクは専用紙を必要としないことから、特に注目されている。
【0007】
このような無溶剤である光硬化性インクを、フレキソ印刷やインクジェット方式に適用するためには、インクの低粘度化が必要な要件となる。特に、インクジェット方式においては、比較的インク適正範囲の広いピエゾ型ヘッドであっても、出射時の粘度を2〜30mPa・s、好ましくは3〜20mPa・sとする必要があるため、その粘度を維持するための素材選択の幅が極めて狭くなっているのが現状である。
【0008】
一方、インクジェット方式においては、色材として顔料を用いることが、活性光線による硬化性や画像耐久性の観点から好ましいが、1μmを超える粒径の顔料粒子は、記録ヘッドのノズルを詰まらせてしまうという問題点を有しているため、微細な顔料粒子の使用が望まれている。
【0009】
一般に、各種コーティング組成物中において、鮮明な色調と高い着色力を発揮する実用上有用な顔料は、主に微細な粒子からなっている。しかしながら、顔料の微細粒子は、オフセットインキ、グラビアインキ、あるいは光硬化性インクのような非水性のビヒクルに分散させる場合、安定な分散体を得ることが難しく、製造工程上及び得られる製品の品質に重要な影響を及ぼす種々の問題を引き起すことが、往々にして生ずる。例えば、微細な粒子からなる顔料を含む分散体は、その多くは高粘度を有し、製造時での分散機等からの排出や送液が困難となるばかりでなく、上述したフレキソインクやインクジェット用インクとしての使用は困難になる。更に、分散安定性が低い場合は、凝集による色分れや、保存時に沈降、分離を起こすなど、好ましくない結果を招くこととなる。
【0010】
特に、無溶剤の光硬化性インク等においては、非水性ビヒクル中で、表面エネルギー的に不安定な顔料の結晶粒子が、その大きさや形態を変化させることにより、より安定な状態へ移行するため、最終的にインクとしたときに粘度の上昇、色相の変化、着色力の減少、粗粒子の発生などを引き起こし、印刷適性を損なうという問題が発生する。顔料の分散とは直接関係しないが、一部の有機顔料では顔料の結晶状態の変化を伴う現象もある。
【0011】
このような無溶剤の光硬化型インクジェット用インクについて、様々な方法や構成が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)が、いずれの方法もインクの分散安定性に対する色材物性等の記載はみられない。また、着色剤として黒色顔料を用いた黒インクについての提案がなされている(例えば、特許文献1、2参照。)が、有色顔料に関する記載は一切なく、今後の益々のフルカラー化に対応すべく、各種有色の有機顔料による光硬化性インクの開発が望まれている。
【0012】
【特許文献1】
特開平5−214279号公報 (特許請求の範囲)
【0013】
【特許文献2】
特開平5−214280号公報 (特許請求の範囲)
【0014】
【特許文献3】
特表2000−504778号公報 (特許請求の範囲)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、粘度安定性、インク保存性、顔料粒子の粒状、濾過性、出射安定性に優れた光硬化性樹脂組成物と、記録材料との接着性及び画像耐久性が良好なインクジェット用インク組成物及び画像形成方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
【0017】
1.少なくとも酸性顔料、重合性化合物及び光重合開始剤を含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
【0018】
2.前記酸性顔料が、酸性官能基を有する顔料、酸性処理された顔料及び電子受容性を有する顔料から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【0019】
3. 前記重合性化合物が、オキセタン化合物と、エポキシ化合物及びビニルエーテル化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記1または2項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【0020】
4. 前記オキセタン化合物が、2位が置換されたオキセタン化合物であることを特徴とする前記3項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【0021】
5. 前記オキセタン化合物が、1〜4個のオキセタン環を有することを特徴とする前記3または4項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【0022】
6. 前記光重合開始剤が、光酸発生剤であることを特徴とする前記1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【0023】
7. 前記酸性顔料が、カーボンブラック、有機顔料及び無機顔料から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【0024】
8. 前記有機顔料が、マゼンタ有機顔料、イエロー有機顔料、シアン有機顔料及び白色有機顔料から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記7項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【0025】
9. 顔料分散剤を含有することを特徴とする前記1〜8項のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【0026】
10. 前記顔料分散剤が、アニオン性分散剤であることを特徴とする前記9項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【0027】
11. 前記顔料分散剤が、ノニオン性分散剤であることを特徴とする前記9項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【0028】
12. 前記顔料分散剤が、高分子系分散剤であることを特徴とする前記9〜11項のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【0029】
13. 前記1〜12項のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物を含有することを特徴とするインクジェット用インク組成物。
【0030】
14. 25℃における粘度が7〜500mPa・sで、35℃以上に加熱することにより粘度が5〜30mPa・sになることを特徴とする前記13項に記載のインクジェット用インク組成物。
【0031】
15. 前記14項に記載のインクジェット用インク組成物を、インクジェット方式により、記録ヘッドから吐出して記録材料上に画像記録を行うことを特徴とする画像形成方法。
【0032】
16. 前記記録ヘッド及びインクジェット用インク組成物を、35〜100℃に加熱してインクを記録材料に付与することを特徴とする前記15項に記載の画像形成方法。
【0033】
17. 前記インクジェット用インク組成物を記録材料に付与した後、光照射を行うことを特徴とする前記15または16項に記載の画像形成方法。
【0034】
18. 前記記録材料が、非インク吸収性であることを特徴とする前記15〜17項のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0035】
本発明者らは、上記課題を鑑みて鋭意検討を行った結果、光硬化性樹脂組成物における顔料分散安定性は、主に顔料の表面物性に大きく起因していることが判明し、特に、カチオン系の光硬化性樹脂組成物中では、酸性顔料を用いることにより、良好な分散性が得られることを見出し、本発明に至った次第である。
【0036】
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、少なくとも酸性顔料、重合性化合物及び光重合開始剤から構成される。
【0037】
はじめに、本発明に係る酸性顔料について説明する。
本発明でいう酸性顔料とは、顔料を蒸留水中に縣濁させた液の水素イオン濃度を測定した時、pHが7.0未満、2.0以上の範囲のものを指す。一般に、顔料のpHは、顔料自体の表面状態、溶解性、製造条件、表面処理剤等によって支配される。該水素イオン濃度は、顔料5gを蒸留水100g中に縣濁させ十分に攪拌させた後に1〜3日静置し、上澄み液の水素イオン濃度をpHメーター等で測定した数値である。顔料のpHが7.0より高いと、特に、カチオン重合系の組成物中での顔料分散性が悪くなり、一方pHが2.0より低いと保存安定性に影響を与えるため好ましくない。
【0038】
酸性顔料としては、上述したように顔料自体の表面状態や、溶解性、製造条件、表面処理剤等によって支配されるため、酸性顔料か塩基性顔料かの判断は実際にpHを測定することによって判断される。
【0039】
本発明で用いることのできる酸性顔料としては、酸性官能基を含有する顔料、酸性処理された顔料及び電子受容性を有する顔料のうちのいずれか1種又は2種以上の顔料であることが好ましい。
【0040】
このような酸性顔料としては、その特徴で分類すると、例えば、酸性カーボン系ブラック顔料のようにスルホン基やカルボキシル基や水酸基等の酸性官能基を含有する顔料、スルホン酸基やカルボキシル基や水酸基等の導入により得られた顔料、酸性官能基を有する顔料、顔料誘導体や染料で処理された顔料、オゾン処理された顔料、アクリル酸モノマー等のグラフト反応などで得られた顔料のような酸性処理された顔料、臭素化銅フタロシアニン系グリーンやジクロロキナクリドン、塩素化イソインドリン系イエロー顔料のような電子受容性を有する顔料等を挙げることができる。
【0041】
本発明で用いることのできる酸性顔料の具体例としては、特に限定されるものではなく、有機顔料でも、無機顔料でも、あるいはそれらの混合物であっても構わない。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、キナクリドン系、キナクリドンキノン系、アントラピリミジン系、アンサンスロン系、インダンスロン系、フラバンスロン系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、インジゴ系、チオインジゴ系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ベンツイミダゾロン系、アゾ系等を挙げることができる。
【0042】
また、無機顔料としては、例えば、カーボン系、チタン系、バリウム系、アルミニウム系、カルシウム系、鉄系、鉛系、コバルト系等が挙げられる。
【0043】
本発明においては、有機顔料が、マゼンタ有機顔料、イエロー有機顔料、シアン有機顔料及び白色有機顔料から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0044】
本発明で好適に用いることのできる有機顔料を、カラーインデックス(C.I.)ネームで以下に列挙するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0045】
1)C.I. Pigment Yellow;1、3、12、13、14、17、42、74、81、83、87、93、95、109、151、166、180、185、
2)C.I. Pigment Orange;16、36、38、
3)C.I. Pigment Red;5、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、144、146、185、101、122、184、202、221、254、
4)C.I. Pigment Violet;19、23、
5)C.I. Pigment Blue;15:1、15:3、15:4、18、60、27、29、
6)C.I. Pigment Green;7、36、
7)C.I. Pigment White;6、18、21、
8)C.I. Pigment Black−7、
等を挙げることができる。
【0046】
また、白インクで用いる白色顔料としては、無機及び/または有機の白色顔料を用いることができる。無機の白色顔料としては、硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等があげられる。好ましくは酸化チタンである。
【0047】
本発明においては白色有機顔料を用いることが好ましく、例えば、特開平11−129613号に示される有機化合物塩や、特開平11−140365号、特開2001−234093号に示されるアルキレンビスメラミン誘導体が挙げられる。上記白色顔料の具体的な商品としては、ShigenoxOWP、ShigenoxOWPL、ShigenoxFWP、ShigenoxFWG、ShigenoxUL、ShigenoxU(以上、ハッコールケミカル社製、何れも商品名)などが挙げられる。
【0048】
次いで、本発明に係る光重合開始剤及び重合性化合物について説明する。
はじめに、本発明で用いることのできる光重合開始剤について説明する。
【0049】
本発明で用いる光重合開始剤としては光酸発生剤であることが好ましく、光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。
【0050】
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C6F5)4 −、PF6 −、AsF6 −、SbF6 −、CF3SO3 −塩を挙げることができる。
【0051】
本発明で用いることのできるオニウム化合物の具体的な例を、以下に示す。
【0052】
【化1】
【0053】
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができ、その具体的な化合物を、以下に例示する。
【0054】
【化2】
【0055】
第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができ、以下にその具体的な化合物を例示する。
【0056】
【化3】
【0057】
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
【0058】
【化4】
【0059】
本発明に係るインクは、特開平8−248561号、特開平9−34106号をはじめてとし、既に公知となっている活性光線の照射で発生した酸により新たに酸を発生する酸増殖剤を含有することが好ましい。酸増殖剤を用いることで、さらなる吐出安定性向上を可能とする。
【0060】
本発明に係るインクでは、対イオンとしてアリールボレート化合物を有するジアゾニウム、ヨードニウム又はスルホニウムの芳香族オニウム化合物、鉄アレン錯体から選ばれる少なくとも1種の光酸発生剤が含有されることが好ましい。
【0061】
特に、軟包装印刷、ラベル印刷分野においては、上記記録材料のしわの問題、吐出安定性の問題から、活性光線硬化型インクジェット記録が実用化されるまでには至っていなかったが、本発明は、それらの分野でも十分に使用し得る画像形成方法を提示するものである。
【0062】
次に、本発明に用いられる重合性化合物について説明する。
光カチオン重合性モノマーとしては、各種公知のカチオン重合性のモノマーが使用できる。例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892、特開2001−40068、特開2001−55507、特開2001−310938、特開2001−310937、特開2001−220526に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
【0063】
本発明においては、インク硬化の際の記録材料の収縮を抑える目的で、重合性化合物として少なくとも1種のオキセタン化合物と、エポキシ化合物及びビニルエーテル化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物とを含有することが好ましい。
【0064】
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルであり、例えばビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
【0065】
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによつて得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
【0066】
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
【0067】
これらのエポキシドのうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、上記エポキシドの1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0068】
ビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
【0069】
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。本発明では、上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0070】
本発明で用いることのできるオキセタン化合物は、オキセタン環を有する化合物のことであり、特開2001−220526、特開2001−310937に紹介されているような公知のあらゆるオキセタン化合物を使用できる。
【0071】
本発明に係るオキセタン化合物において、オキセタン環を5個以上有する化合物を使用すると、インク組成物の粘度が高くなるため、取扱いが困難になったり、またインク組成物のガラス転移温度が高くなるため、得られる硬化物の粘着性が十分でなくなってしまう。本発明で使用するオキセタン環を有する化合物は、オキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。
【0072】
以下、本発明に係るオキセタン環を有する化合物の具体例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0073】
1個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(1)で示される化合物が挙げられる。
【0074】
【化5】
【0075】
一般式(1)において、R1は水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基またはチエニル基である。R2は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等の炭素数2〜6個のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等の芳香環を有する基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、またはエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等の炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基等である。本発明で使用するオキセタン化合物としては、1個のオキセタン環を有する化合物を使用することが、得られる組成物が粘着性に優れ、低粘度で作業性に優れるため、特に好ましい。
【0076】
2個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(2)で示される化合物等が挙げられる。
【0077】
【化6】
【0078】
一般式(2)において、R1は、上記一般式(1)におけるそれと同様の基である。R3は、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の線状または分枝状アルキレン基、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等の線状または分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等の線状または分枝状不飽和炭化水素基、またはカルボニル基またはカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基等である。
【0079】
また、R3としては、下記一般式(3)、(4)及び(5)で示される基から選択される多価基も挙げることができる。
【0080】
【化7】
【0081】
一般式(3)において、R4は、水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシル基、カルボキシル基、またはカルバモイル基である。
【0082】
【化8】
【0083】
一般式(4)において、R5は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF3)2、又はC(CH3)2を表す。
【0084】
【化9】
【0085】
一般式(5)において、R6は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。nは0〜2000の整数である。R7はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。R7としては、更に、下記一般式(6)で示される基から選択される基も挙げることができる。
【0086】
【化10】
【0087】
一般式(6)において、R8は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。mは0〜100の整数である。
【0088】
2個のオキセタン環を有する化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
【0089】
【化11】
【0090】
例示化合物1は、前記一般式(2)において、R1がエチル基、R3がカルボキシル基である化合物である。また、例示化合物2は、前記一般式(2)において、R1がエチル基、R3が前記一般式(5)でR6及びR7がメチル基、nが1である化合物である。
【0091】
2個のオキセタン環を有する化合物において、上記の化合物以外の好ましい例としては、下記一般式(7)で示される化合物がある。一般式(7)において、R1は、前記一般式(1)のR1と同義である。
【0092】
【化12】
【0093】
また、3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(8)で示される化合物が挙げられる。
【0094】
【化13】
【0095】
一般式(8)において、R1は、前記一般式(1)におけるR1と同義である。R9としては、例えば、下記A〜Cで示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記Dで示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基又は下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは、3又は4である。
【0096】
【化14】
【0097】
上記Aにおいて、R10はメチル基、エチル基又はプロピル基等の低級アルキル基である。また、上記Dにおいて、pは1〜10の整数である。
【0098】
3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、例示化合物3が挙げられる。
【0099】
【化15】
【0100】
さらに、上記説明した以外の1〜4個のオキセタン環を有する化合物の例としては、下記一般式(9)で示される化合物が挙げられる。
【0101】
【化16】
【0102】
一般式(9)において、R8は前記一般式(6)のR8と同義である。R11はメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基又はトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
【0103】
本発明で使用するオキセタン化合物の好ましい具体例としては、以下に示す化合物がある。
【0104】
【化17】
【0105】
上述したオキセタン環を有する各化合物の製造方法は、特に限定されず、従来知られた方法に従えばよく、例えば、パティソン(D.B.Pattison,J.Am.Chem.Soc.,3455,79(1957))が開示している、ジオールからのオキセタン環合成法等がある。また、これら以外にも、分子量1000〜5000程度の高分子量を有する1〜4個のオキセタン環を有する化合物も挙げられる。これらの具体的化合物例としては、以下の化合物が挙げられる。
【0106】
【化18】
【0107】
また、本発明においては、下記一般式(10)で表される2位が置換されたオキセタン化合物を用いることが好ましい。
【0108】
【化19】
【0109】
上記一般式(10)において、R1〜R6はそれぞれ水素原子、有機基を表し、R3〜R6の少なくとも一つは有機基である。R1〜R6で各々表される有機基としては、例えば、フッ素原子、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等)、炭素数1〜6個のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、フリル基またはチエニル基を表す。
【0110】
分子中に1個のオキセタン環を有する化合物としては、下記一般式(11)〜(14)で表される化合物を挙げることができる。
【0111】
【化20】
【0112】
式中、R1〜R6は、水素原子または有機基を表し、R7、R8は有機基を表し、Zは、各々独立で、酸素または硫黄原子、あるいは主鎖に酸素または硫黄原子を含有してもよい2価の炭化水素基を表す。
【0113】
一般式(11)〜(14)において、R1〜R6で各々表される有機基は、前記一般式(10)のR1〜R6で各々表される有機基と同義である。R7、R8で各々表される有機基としては、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等)、炭素数1〜6個のアルケニル基(例えば、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基または3−ブテニル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基等)、炭素数1〜6個のアシル基(例えば、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基またはペンチルカルボニル基等)、炭素数1〜6個のアルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、炭素数1〜6個のアルキルカルバモイル基(例えば、プロピルカルバモイル基、ブチルペンチルカルバモイル基等)、アルコキシカルバモイル基(例えば、エトキシカルバモイル基等)を表す。一般式(11)及び(13)においては、R3〜R6の少なくとも一つは上記の有機基である。
【0114】
Zで表される主鎖に酸素または硫黄原子を含有してもよい2価の炭化水素基としては、アルキレン基(例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等)、アルケニレン基(例えば、ビニレン基、プロペニレン基等)、アルキニレン基(例えば、エチニレン基、3−ペンチニレン基等)が挙げられる。
【0115】
本発明で使用するオキセタン環含有化合物としては、上記一般式(11)〜(14)において、R1が低級アルキル基、特にエチル基、R7およびR8がプロピル基、ブチル基、フェニル基又はベンジル基、Zは酸素又は硫黄原子を含まない炭化水素基であるものが好ましい。
【0116】
分子中に2個以上のオキセタン環を有する化合物としては、下記一般式(15)、(16)で表わされる化合物を挙げることができる。
【0117】
【化21】
【0118】
式中、mは2、3又は4、Zは一般式(11)〜(14)のZと同一である。R1〜R6は水素原子、有機基を表し、有機基は前記一般式(10)のR1〜R6で各々表される有機基と同義である。一般式(15)においては、R3〜R6の少なくとも一つは上記の有機基である。
【0119】
R9は、炭素数1〜12の線形又は分岐アルキレン基、線形或いは分岐ポリ(アルキレンオキシ)基、または下記一般式(18)、(19)及び(20)からなる群から選択される多価基を表す。上記炭素数1〜12の線形又は分岐アルキレン基、線形或いは分岐ポリ(アルキレンオキシ)基としては、下記一般式(17)で表される基が好ましい。
【0120】
【化22】
【0121】
一般式(17)中、R10はメチル基、エチル基又はプロピル基等の低級アルキル基を表す。
【0122】
【化23】
【0123】
一般式(18)中、nは0又は1〜2000の整数、R11はメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基等の炭素数1〜10個のアルキル基及び下記一般式(21)から成る群から選択される基を表す。
【0124】
【化24】
【0125】
一般式(21)中、jは0又は1〜100の整数、R13は1〜10個の炭素原子を有するアルキルを表す。
【0126】
R12はメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基を表す。
【0127】
一般式(19)中、R14は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基等の炭素数1〜10個のアルキル基、炭素数1〜10個のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシレート基又はカルボキシル基を表す。
【0128】
一般式(20)中、R15は酸素原子、硫黄原子、NH、SO、SO2、CH2、C(CH3)2又はC(CF3)2を表す。
【0129】
本発明で使用されるオキセタン環含有化合物として、上記一般式(15)、(16)において、R1が低級アルキル基、特にエチル基、R9が一般式(19)においてR14が水素原子である基、ヘキサメチレン基、一般式(17)においてR10がエチル基、一般式(18)、(21)においてR12及びR13はメチル基、Zは酸素又は硫黄原子を含まない炭化水素基であるものが好ましい。
【0130】
分子中に2個以上のオキセタン環を有する化合物としては、下記一般式(22)で表わされる化合物も挙げることができる。
【0131】
【化25】
【0132】
一般式(22)において、rは25〜200の整数であり、R1、R3〜R6、R13は上記に定義した基であり、R16は炭素数1〜4のアルキル基又はトリアルキルシリル基である。R3〜R6の少なくとも一つは上記の有機基である。
【0133】
本発明の光硬化性樹脂組成物に用いられる顔料分散体は、前述の顔料と分散媒体とを、混合、練肉、分散することにより得られる。混合で用いることのできる装置としては、例えば、加圧ニーダー、オープンニーダー、プラネタリーミキサー、ポニーミキサー、ディゾルバー、ダルトン万能混合機などを挙げることができる。
【0134】
また、連肉、分散で用いることのできる装置としては、例えば、コロイドミル、ハイスピードディスパーサー、二本ロールミル、ビーズミル、ペイントコンディショナー、三本ロールミル、アトライター、アジテータ、ヘンシャエルミキサーなどを挙げることができる。
【0135】
分散媒体としては、用いる樹脂、分散剤、重合性化合物などの種類により適宜選択することができる。また、分散時に溶剤を用いることも可能であるが、最終的なインクとしては無溶剤化することが環境等の面から好ましく、その場合は脱溶剤工程を設けることが好ましい。
【0136】
本発明の光硬化性樹脂組成物の調製においては、顔料分散剤を用いることが好ましく、特に、顔料分散剤としては、アニオン性分散剤、ノニオン性分散剤、あるいは高分子分散剤であることが好ましい。
【0137】
アニオン性分散剤としては、例えば、脂肪酸石鹸、N−アシル−N−メチルグリシン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、アルキルエーテル燐酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩等が挙げられる。
【0138】
また、ノニオン性分散剤としては、特に制限はなく、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(例えば、エマルゲン420、911等)、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(例えば、ニューポールPE−62)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、ポリエーテルリン酸エステル等が挙げられる。
【0139】
また、本発明で用いることのできる高分子分散剤としては、アニオン性高分子分散剤では、例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸や、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩などの共重合体あるいは樹脂が、例えば、カルボン酸、スルホン酸又はホスホン酸の官能性を持つホモポリマー、コポリマー、ターポリマーを含むものである。酸の官能性を与えるモノマーは、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、フマル酸、シトラコン酸、ビニル酢酸、アクリルオキシプロピオン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、アリルホスホン酸、ビニルホスホン酸及びビニルスルホン酸等である。
【0140】
高分子分散剤は、市販品として入手することができ、例えば、Avecia社のSolsperseシリーズが挙げられる。また、本発明においては、分散助剤を各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤及び分散助剤は、顔料100質量%に対し、1〜50質量%添加することが好ましい。
【0141】
本発明における顔料の分散方法としては、先ず顔料と少量の顔料分散剤を加圧ニーダーで混合し、ロールミルを用いて錬肉した後、顔料分散剤、重合性化合物、光開始剤、界面活性剤等の各インク組成物を添加し、ビーズミルなどを用いて更に分散を行うことが分散性を向上させる点から好ましい。
【0142】
ロールミルとしては、二本ロールミルを用いることが、顔料分散体に高いシェアーをかけることができ、より微細な顔料分散体を得る観点で特に好ましく、この場合、顔料分散体の粘度は、103mPa・s以上、好ましくは106mPa・s以上となるよう、顔料と分散剤との比率、種類を選定する。
【0143】
これらの混合、練肉・分散工程においては、顔料分散物が過度の温度にさらされないように冷却しながら行うこと、可能な限り遮光しながら行うことが好ましい。
【0144】
この他に、必要に応じて重合禁止剤、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することができる。
【0145】
次いで、本発明の光硬化性樹脂組成物を用いたインクジェット用インク組成物(以下、単にインク組成物、インクともいう)について説明する。
【0146】
本発明のインク組成物は、上記光硬化性樹脂組成物を含むインク組成物の粘度が、25℃で7〜500mPa・sとなるように、また35℃以上に加熱した際に、5〜30mPa・sになるよう組成を選択することが好ましい。
【0147】
室温(25℃)における粘度を7〜500mPa・sの範囲に設定することにより、吸収性のある記録材料に出射したときでも、着弾後のインクの浸透を防ぎ、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となり、また着弾時のドット滲みを抑えることができ、その結果として、画質が改良される。また、表面張力の違う記録材料間でも、同じようなドットが形成されるため、同じような画質が得られる。これに対し、7mPa・s未満では、滲み防止効果が小さく、逆に500mPa・sを超えると、インク液の供給、出射等に問題が生じる。
【0148】
また、安定な出射性を得るためには、記録ヘッドあるいはインク送液ラインを35℃以上に加熱して、インク組成物が5〜30mPa.sとなることが好ましい。
【0149】
次いで、本発明の画像形成方法について説明する。
本発明の画像形成方法は、上記インクを、インクジェット記録ヘッドにより記録材料上に液滴として出射、描画した後、紫外線等の活性光線を照射してインクを硬化させる。
【0150】
インクの出射条件としては、インクを35〜100℃に加熱し、前述のようにインク粘度を下げて出射することが、出射安定性の点で好ましい。活性光線硬化型インクは、概して一般の水性インクより粘度が高いため、温度変動による粘度変動を受けやすい。この粘度変動は、そのまま出射される液滴サイズ、液滴出射速度に大きく影響を与え、画質劣化を引き起こすため、インク温度をできる限り一定に保つことが必要である。
【0151】
本発明に用いられるインクジェット記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドともいう)は、公知のものを用いることができ、コンティニアスタイプ、ドットオンデマンドタイプが使用可能である。ドットオンデマンドタイプのうち、サーマル型記録ヘッドでは、出射のため、特開平9−323420号に記載されているような稼動弁を持つタイプが好ましい。また、ピエゾ型記録ヘッドでは、例えば、欧州特許A277,703号、欧州特許A278,590号などに記載されているヘッドを使うことができる。記録ヘッドは、インクの温度が管理できるよう温調機能を持つものが好ましい。出射時の粘度は、5〜30mPa・sとなるよう出射温度を設定し、粘度の変動幅が±5%以内になるようインク温度を制御することが好ましい。また、駆動周波数としては、5〜500kHzで稼動することが好ましい。
【0152】
本発明においては、高精細な画像を得るため、インク液滴量を2〜20plとすることが好ましい。本発明のインクは、出射特性が良好なため、液滴量が小さくても、ノズル詰まりやドットの曲がり、サテライト等を生じることなく良好な画像を得ることができる。
【0153】
また、本発明においては、高級感のある光沢画像を得るためには、印字した総インク膜厚を2〜20μmとすることが好ましい。
【0154】
本発明で用いることのできる活性光線の光源としては、波長180〜500nmの紫外線又は可視光線を発生する光源が有効であり、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀−キセノンランプ、エキシマーランプ、ショートアーク灯、ヘリウム・カドミニウムレーザー、アルゴンレーザー、エキシマーレーザー、太陽光が挙げられる。なお、光源や照度の異なる2種類の光源を用いて硬化することも可能である。
【0155】
本発明において、紫外線による照射を行う場合、インクの吸収波長におけるピーク照度が1〜500mW/cm2である光源が好ましい。この様な光源は、十分な硬化反応を行うことができるため、比較的安価で、小型の紫外線照射装置を用いることができ、コスト的にも有利である。
【0156】
本発明に用いられる記録材料は、アルミニウム、鉄、銅の如き金属、塩化ビニル、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチック、ガラスの如きセラミックス、木材、紙、印刷紙、繊維などを挙げることができるが、本発明の目的効果をいかんなく発揮させるという観点からは、インクを吸収しない非吸収性記録材料が好ましい。
【0157】
【実施例】
以下、本発明の効果について、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらの例に限定されるものではない。
【0158】
《顔料分散物の調製》
以下の各添加物を混合した後、加圧ニーダーにより配合し、粘度を106mPa・s以上とし、次いで、ロールミルによって練肉及び分散を行い、表1に記載の顔料分散物1〜14を調製した。
【0159】
顔料(表1に記載の種類) 15.00質量部
アニオン性高分子分散剤 2.25質量部
アロンオキセタンOXT−221(東亜合成) 82.75質量部
【0160】
【表1】
【0161】
なお、表1中に記載の*1(有機白色顔料)は、ShigenoxOWP(ハッコールケミカル社製 粒径:0.3μm)である。
【0162】
《インク組成物の調製》
上記各顔料分散物を用いて、表2に記載の構成からなるインク組成物1〜20を調製した。
【0163】
【表2】
【0164】
なお、表中に記載の各添加剤の詳細は、以下の通りである。
エポキシ化合物:セロキサイド2021P(ダイセル社製)
オキセタン化合物1:アロンオキセタンOXT−221(東亜合成社製)
オキセタン化合物2:アロンオキセタンOXT−211(東亜合成社製)
ビニルエーテル化合物:DVE−3(トリエチレングリコールジビニルエーテル、ISP社製)
光酸発生剤:SP−152(トリフェニルスルホニウム塩、旭電化社製)
【0165】
【化26】
【0166】
《インクの評価》
上記調製した各インク組成物について、下記の方法に従って、粘度、インク沈降性、粒状性、濾過性及び出射安定性の評価を行った。
【0167】
(粘度の測定)
各インク組成物について、振動式粘度計を用い、25℃での粘度を測定し、下記の基準に則り分類した。
【0168】
○:インク組成物の粘度が、5mPa・s以上、30mPa.s以下
△:インク組成物の粘度が、31〜500mPa・s
×:インク組成物の粘度が、501mPa・s以上である
(沈降性の評価)
各インク組成物を、遠心分離機(1600G)を用いて1時間の遠心処理を施した後、インク組成物の状態を目視観察して、下記の基準に則り沈降性の判定を行った。
【0169】
○:遠心分離後のインク組成物に、沈降物が認められない
△:遠心分離後のインク組成物に、薄っすらと上澄み領域が認められるが、その境界は不鮮明である
×:遠心分離後のインク組成物に、明らかな沈降部が認められ、かつ上澄み部との境界がはっきりしている
(顔料粒子の粒状評価)
各インク組成物を、厚さ120μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム上に6μmの厚さで塗布し、乾燥させた後、マイクロスコープ(倍率1000倍)により顔料粒子の粒状を観察し、下記の基準により判定した。
【0170】
○:顔料粒子がほとんど認められない
△:やや顔料粒子を認めることができる
×:顔料粒子が凝集し、大粒子化しているのがはっきりと認められる
(濾過性の評価)
各インク組成物10mlを、5μmのメンブレンフィルターにて減圧濾過した後の収量を測定し、下記の基準に則り濾過性の判定を行った。
【0171】
○:インク組成物の収量が、9ml以上である
△:インク組成物の収量が、5ml以上、9ml未満である
×:インク組成物の収量が5ml未満である
(出射安定性の評価)
上記調製した各インク組成物20mlを、液滴サイズ7plが得られるピエゾタイプのインクジェットノズルにて、ノズル部分を70℃に加熱制御しながら30分間の連続出射を行った後、ノズルの出射状態を目視観察し、下記の基準に則り出射安定性の評価を行った。
【0172】
○:30分連続出射しても、ノズル欠の発生が認められない
△:30分連続出射後に、ノズル欠は起こらないが、サテライトが発生する
×:30分連続出射後に、ノズル欠が発生する
以上により得られた結果を、表3に示す。
【0173】
【表3】
【0174】
表3より明らかなように、本発明の構成からなるインク組成物は、比較例のインク組成物に対し、粘度が5〜30mPa.sの範囲にあり、沈降性、濾過性、出射安定性に優れ、かつ顔料粒子の粒状が良好であることが分かる。
【0175】
《インクジェット画像の形成》
本発明の酸性顔料を用いたイエローインク(インク2)、マゼンタインク(インク6)、シアンインク(インク10)、ブラックインク(インク12)及び白インク(インク15)を、ピエゾ型インクジェットノズルを用いたインクジェット記録装置に装填し、記録材料上へ各色のベタ画像の記録を行った。
【0176】
インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドから成り、前室タンクからヘッド部分まで断熱および加温を行った。温度センサーは前室タンクおよびピエゾヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に70℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾヘッドは、8〜30plのマルチサイズドットを720×720dpiの解像度で出射できるよう駆動した。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。記録材料としては、厚さ50μmの透明なシュリンク用ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。
【0177】
記録材料上にインクを着弾させた後、照射光源として308nmに主ピークを有する蛍光管を用い、光源直下、記録材料面での照度が10mW/cm2の条件で、露光エネルギー量5mJ/cm2にて紫外線照射を行った。
【0178】
以上のようにして形成した画像について、下記の方法に従って、記録材料への接着性及び画像耐久性の評価を行った結果、いずれも良好な特性を有するカラー画像を形成することを確認することができた。
【0179】
(接着性の評価)
ベタ画像表面に、剃刀で縦横6本ずつの記録媒体までは到達しない切り込みを入れ、25個の升目をつけた。この上に幅25mmのセロテープ(R)を張り付けて強く圧着した後、90°の剥離角度で素早く剥離し、剥離した升目数を計測した結果、剥離した升目数は1個であった。
【0180】
(画像耐久性の評価)
印字したベタ部に対して、スクラッチ強度試験機 HEIDON−18(HEIDON社製)を用い、測定針は0.8mmRのサファイヤ針を用いて、0〜200gの荷重を変化させながら10cmの引掻き試験を3回行い、支持体まで傷が入った箇所が存在しない限度荷重を測定した結果、200g以上であった。
【0181】
【発明の効果】
本発明により、粘度安定性、インク保存性、顔料粒子の粒状、濾過性、出射安定性に優れた光硬化性樹脂組成物と、記録材料との接着性及び画像耐久性が良好なインクジェット用インク組成物及び画像形成方法を提供することができた。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光硬化性樹脂組成物、それを用いたインクジェット用インク組成物及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作成できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に、微細なドットを出射、制御する記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインク及びインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。今日のインクジェット記録方式の画質向上は、記録装置、インク、専用紙の全てが揃って初めて達成されている。
【0003】
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェットシステムは、記録材料が制限されること、記録材料のコストアップが問題となる。そこで、専用紙と異なる被転写媒体へインクジェット方式により記録する試みが多数なされている。具体的には、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式や、記録後紫外線(UV)光により架橋させるUVインクジェット方式などである。
【0004】
中でも、UVインクジェット方式は、ソルベント系インクジェット方式に比べ比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性の無い記録材料への記録が出来る点で、近年注目されつつあり、例えば、特公平5−54667号、特開平6−200204号、特表2000−504778において、紫外線硬化型インクジェットインクが開示されている。
【0005】
上述のように、紫外線硬化型インクジェットインクに代表される光硬化性樹脂組成物を含有した光硬化性インクは、乾燥が早いこと、揮発性溶媒がなく環境適性に優れること、様々な記録材料に印刷できることから、オフセット印刷、グラビヤ印刷、スクリーン印刷、凸版印刷、インクジェット印刷などの幅広い分野で利用されてきている。
【0006】
近年、フレキソ印刷分野においては、高画質化のための技術改良が盛んに進められており、グラビヤ印刷やオフセット印刷に比べ、小ロット対応が可能であることから、注目が寄せられている。また、インクジェット方式はオンデマンド印刷が可能であり、光硬化性インクは専用紙を必要としないことから、特に注目されている。
【0007】
このような無溶剤である光硬化性インクを、フレキソ印刷やインクジェット方式に適用するためには、インクの低粘度化が必要な要件となる。特に、インクジェット方式においては、比較的インク適正範囲の広いピエゾ型ヘッドであっても、出射時の粘度を2〜30mPa・s、好ましくは3〜20mPa・sとする必要があるため、その粘度を維持するための素材選択の幅が極めて狭くなっているのが現状である。
【0008】
一方、インクジェット方式においては、色材として顔料を用いることが、活性光線による硬化性や画像耐久性の観点から好ましいが、1μmを超える粒径の顔料粒子は、記録ヘッドのノズルを詰まらせてしまうという問題点を有しているため、微細な顔料粒子の使用が望まれている。
【0009】
一般に、各種コーティング組成物中において、鮮明な色調と高い着色力を発揮する実用上有用な顔料は、主に微細な粒子からなっている。しかしながら、顔料の微細粒子は、オフセットインキ、グラビアインキ、あるいは光硬化性インクのような非水性のビヒクルに分散させる場合、安定な分散体を得ることが難しく、製造工程上及び得られる製品の品質に重要な影響を及ぼす種々の問題を引き起すことが、往々にして生ずる。例えば、微細な粒子からなる顔料を含む分散体は、その多くは高粘度を有し、製造時での分散機等からの排出や送液が困難となるばかりでなく、上述したフレキソインクやインクジェット用インクとしての使用は困難になる。更に、分散安定性が低い場合は、凝集による色分れや、保存時に沈降、分離を起こすなど、好ましくない結果を招くこととなる。
【0010】
特に、無溶剤の光硬化性インク等においては、非水性ビヒクル中で、表面エネルギー的に不安定な顔料の結晶粒子が、その大きさや形態を変化させることにより、より安定な状態へ移行するため、最終的にインクとしたときに粘度の上昇、色相の変化、着色力の減少、粗粒子の発生などを引き起こし、印刷適性を損なうという問題が発生する。顔料の分散とは直接関係しないが、一部の有機顔料では顔料の結晶状態の変化を伴う現象もある。
【0011】
このような無溶剤の光硬化型インクジェット用インクについて、様々な方法や構成が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)が、いずれの方法もインクの分散安定性に対する色材物性等の記載はみられない。また、着色剤として黒色顔料を用いた黒インクについての提案がなされている(例えば、特許文献1、2参照。)が、有色顔料に関する記載は一切なく、今後の益々のフルカラー化に対応すべく、各種有色の有機顔料による光硬化性インクの開発が望まれている。
【0012】
【特許文献1】
特開平5−214279号公報 (特許請求の範囲)
【0013】
【特許文献2】
特開平5−214280号公報 (特許請求の範囲)
【0014】
【特許文献3】
特表2000−504778号公報 (特許請求の範囲)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、粘度安定性、インク保存性、顔料粒子の粒状、濾過性、出射安定性に優れた光硬化性樹脂組成物と、記録材料との接着性及び画像耐久性が良好なインクジェット用インク組成物及び画像形成方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
【0017】
1.少なくとも酸性顔料、重合性化合物及び光重合開始剤を含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
【0018】
2.前記酸性顔料が、酸性官能基を有する顔料、酸性処理された顔料及び電子受容性を有する顔料から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【0019】
3. 前記重合性化合物が、オキセタン化合物と、エポキシ化合物及びビニルエーテル化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記1または2項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【0020】
4. 前記オキセタン化合物が、2位が置換されたオキセタン化合物であることを特徴とする前記3項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【0021】
5. 前記オキセタン化合物が、1〜4個のオキセタン環を有することを特徴とする前記3または4項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【0022】
6. 前記光重合開始剤が、光酸発生剤であることを特徴とする前記1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【0023】
7. 前記酸性顔料が、カーボンブラック、有機顔料及び無機顔料から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【0024】
8. 前記有機顔料が、マゼンタ有機顔料、イエロー有機顔料、シアン有機顔料及び白色有機顔料から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記7項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【0025】
9. 顔料分散剤を含有することを特徴とする前記1〜8項のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【0026】
10. 前記顔料分散剤が、アニオン性分散剤であることを特徴とする前記9項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【0027】
11. 前記顔料分散剤が、ノニオン性分散剤であることを特徴とする前記9項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【0028】
12. 前記顔料分散剤が、高分子系分散剤であることを特徴とする前記9〜11項のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
【0029】
13. 前記1〜12項のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物を含有することを特徴とするインクジェット用インク組成物。
【0030】
14. 25℃における粘度が7〜500mPa・sで、35℃以上に加熱することにより粘度が5〜30mPa・sになることを特徴とする前記13項に記載のインクジェット用インク組成物。
【0031】
15. 前記14項に記載のインクジェット用インク組成物を、インクジェット方式により、記録ヘッドから吐出して記録材料上に画像記録を行うことを特徴とする画像形成方法。
【0032】
16. 前記記録ヘッド及びインクジェット用インク組成物を、35〜100℃に加熱してインクを記録材料に付与することを特徴とする前記15項に記載の画像形成方法。
【0033】
17. 前記インクジェット用インク組成物を記録材料に付与した後、光照射を行うことを特徴とする前記15または16項に記載の画像形成方法。
【0034】
18. 前記記録材料が、非インク吸収性であることを特徴とする前記15〜17項のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0035】
本発明者らは、上記課題を鑑みて鋭意検討を行った結果、光硬化性樹脂組成物における顔料分散安定性は、主に顔料の表面物性に大きく起因していることが判明し、特に、カチオン系の光硬化性樹脂組成物中では、酸性顔料を用いることにより、良好な分散性が得られることを見出し、本発明に至った次第である。
【0036】
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、少なくとも酸性顔料、重合性化合物及び光重合開始剤から構成される。
【0037】
はじめに、本発明に係る酸性顔料について説明する。
本発明でいう酸性顔料とは、顔料を蒸留水中に縣濁させた液の水素イオン濃度を測定した時、pHが7.0未満、2.0以上の範囲のものを指す。一般に、顔料のpHは、顔料自体の表面状態、溶解性、製造条件、表面処理剤等によって支配される。該水素イオン濃度は、顔料5gを蒸留水100g中に縣濁させ十分に攪拌させた後に1〜3日静置し、上澄み液の水素イオン濃度をpHメーター等で測定した数値である。顔料のpHが7.0より高いと、特に、カチオン重合系の組成物中での顔料分散性が悪くなり、一方pHが2.0より低いと保存安定性に影響を与えるため好ましくない。
【0038】
酸性顔料としては、上述したように顔料自体の表面状態や、溶解性、製造条件、表面処理剤等によって支配されるため、酸性顔料か塩基性顔料かの判断は実際にpHを測定することによって判断される。
【0039】
本発明で用いることのできる酸性顔料としては、酸性官能基を含有する顔料、酸性処理された顔料及び電子受容性を有する顔料のうちのいずれか1種又は2種以上の顔料であることが好ましい。
【0040】
このような酸性顔料としては、その特徴で分類すると、例えば、酸性カーボン系ブラック顔料のようにスルホン基やカルボキシル基や水酸基等の酸性官能基を含有する顔料、スルホン酸基やカルボキシル基や水酸基等の導入により得られた顔料、酸性官能基を有する顔料、顔料誘導体や染料で処理された顔料、オゾン処理された顔料、アクリル酸モノマー等のグラフト反応などで得られた顔料のような酸性処理された顔料、臭素化銅フタロシアニン系グリーンやジクロロキナクリドン、塩素化イソインドリン系イエロー顔料のような電子受容性を有する顔料等を挙げることができる。
【0041】
本発明で用いることのできる酸性顔料の具体例としては、特に限定されるものではなく、有機顔料でも、無機顔料でも、あるいはそれらの混合物であっても構わない。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、キナクリドン系、キナクリドンキノン系、アントラピリミジン系、アンサンスロン系、インダンスロン系、フラバンスロン系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、インジゴ系、チオインジゴ系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ベンツイミダゾロン系、アゾ系等を挙げることができる。
【0042】
また、無機顔料としては、例えば、カーボン系、チタン系、バリウム系、アルミニウム系、カルシウム系、鉄系、鉛系、コバルト系等が挙げられる。
【0043】
本発明においては、有機顔料が、マゼンタ有機顔料、イエロー有機顔料、シアン有機顔料及び白色有機顔料から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0044】
本発明で好適に用いることのできる有機顔料を、カラーインデックス(C.I.)ネームで以下に列挙するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0045】
1)C.I. Pigment Yellow;1、3、12、13、14、17、42、74、81、83、87、93、95、109、151、166、180、185、
2)C.I. Pigment Orange;16、36、38、
3)C.I. Pigment Red;5、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、144、146、185、101、122、184、202、221、254、
4)C.I. Pigment Violet;19、23、
5)C.I. Pigment Blue;15:1、15:3、15:4、18、60、27、29、
6)C.I. Pigment Green;7、36、
7)C.I. Pigment White;6、18、21、
8)C.I. Pigment Black−7、
等を挙げることができる。
【0046】
また、白インクで用いる白色顔料としては、無機及び/または有機の白色顔料を用いることができる。無機の白色顔料としては、硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等があげられる。好ましくは酸化チタンである。
【0047】
本発明においては白色有機顔料を用いることが好ましく、例えば、特開平11−129613号に示される有機化合物塩や、特開平11−140365号、特開2001−234093号に示されるアルキレンビスメラミン誘導体が挙げられる。上記白色顔料の具体的な商品としては、ShigenoxOWP、ShigenoxOWPL、ShigenoxFWP、ShigenoxFWG、ShigenoxUL、ShigenoxU(以上、ハッコールケミカル社製、何れも商品名)などが挙げられる。
【0048】
次いで、本発明に係る光重合開始剤及び重合性化合物について説明する。
はじめに、本発明で用いることのできる光重合開始剤について説明する。
【0049】
本発明で用いる光重合開始剤としては光酸発生剤であることが好ましく、光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。
【0050】
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C6F5)4 −、PF6 −、AsF6 −、SbF6 −、CF3SO3 −塩を挙げることができる。
【0051】
本発明で用いることのできるオニウム化合物の具体的な例を、以下に示す。
【0052】
【化1】
【0053】
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができ、その具体的な化合物を、以下に例示する。
【0054】
【化2】
【0055】
第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができ、以下にその具体的な化合物を例示する。
【0056】
【化3】
【0057】
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
【0058】
【化4】
【0059】
本発明に係るインクは、特開平8−248561号、特開平9−34106号をはじめてとし、既に公知となっている活性光線の照射で発生した酸により新たに酸を発生する酸増殖剤を含有することが好ましい。酸増殖剤を用いることで、さらなる吐出安定性向上を可能とする。
【0060】
本発明に係るインクでは、対イオンとしてアリールボレート化合物を有するジアゾニウム、ヨードニウム又はスルホニウムの芳香族オニウム化合物、鉄アレン錯体から選ばれる少なくとも1種の光酸発生剤が含有されることが好ましい。
【0061】
特に、軟包装印刷、ラベル印刷分野においては、上記記録材料のしわの問題、吐出安定性の問題から、活性光線硬化型インクジェット記録が実用化されるまでには至っていなかったが、本発明は、それらの分野でも十分に使用し得る画像形成方法を提示するものである。
【0062】
次に、本発明に用いられる重合性化合物について説明する。
光カチオン重合性モノマーとしては、各種公知のカチオン重合性のモノマーが使用できる。例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892、特開2001−40068、特開2001−55507、特開2001−310938、特開2001−310937、特開2001−220526に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
【0063】
本発明においては、インク硬化の際の記録材料の収縮を抑える目的で、重合性化合物として少なくとも1種のオキセタン化合物と、エポキシ化合物及びビニルエーテル化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物とを含有することが好ましい。
【0064】
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルであり、例えばビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
【0065】
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによつて得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
【0066】
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
【0067】
これらのエポキシドのうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、上記エポキシドの1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0068】
ビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
【0069】
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。本発明では、上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0070】
本発明で用いることのできるオキセタン化合物は、オキセタン環を有する化合物のことであり、特開2001−220526、特開2001−310937に紹介されているような公知のあらゆるオキセタン化合物を使用できる。
【0071】
本発明に係るオキセタン化合物において、オキセタン環を5個以上有する化合物を使用すると、インク組成物の粘度が高くなるため、取扱いが困難になったり、またインク組成物のガラス転移温度が高くなるため、得られる硬化物の粘着性が十分でなくなってしまう。本発明で使用するオキセタン環を有する化合物は、オキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。
【0072】
以下、本発明に係るオキセタン環を有する化合物の具体例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0073】
1個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(1)で示される化合物が挙げられる。
【0074】
【化5】
【0075】
一般式(1)において、R1は水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基またはチエニル基である。R2は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等の炭素数2〜6個のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等の芳香環を有する基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、またはエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等の炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基等である。本発明で使用するオキセタン化合物としては、1個のオキセタン環を有する化合物を使用することが、得られる組成物が粘着性に優れ、低粘度で作業性に優れるため、特に好ましい。
【0076】
2個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(2)で示される化合物等が挙げられる。
【0077】
【化6】
【0078】
一般式(2)において、R1は、上記一般式(1)におけるそれと同様の基である。R3は、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の線状または分枝状アルキレン基、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等の線状または分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等の線状または分枝状不飽和炭化水素基、またはカルボニル基またはカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基等である。
【0079】
また、R3としては、下記一般式(3)、(4)及び(5)で示される基から選択される多価基も挙げることができる。
【0080】
【化7】
【0081】
一般式(3)において、R4は、水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシル基、カルボキシル基、またはカルバモイル基である。
【0082】
【化8】
【0083】
一般式(4)において、R5は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF3)2、又はC(CH3)2を表す。
【0084】
【化9】
【0085】
一般式(5)において、R6は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。nは0〜2000の整数である。R7はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。R7としては、更に、下記一般式(6)で示される基から選択される基も挙げることができる。
【0086】
【化10】
【0087】
一般式(6)において、R8は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。mは0〜100の整数である。
【0088】
2個のオキセタン環を有する化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
【0089】
【化11】
【0090】
例示化合物1は、前記一般式(2)において、R1がエチル基、R3がカルボキシル基である化合物である。また、例示化合物2は、前記一般式(2)において、R1がエチル基、R3が前記一般式(5)でR6及びR7がメチル基、nが1である化合物である。
【0091】
2個のオキセタン環を有する化合物において、上記の化合物以外の好ましい例としては、下記一般式(7)で示される化合物がある。一般式(7)において、R1は、前記一般式(1)のR1と同義である。
【0092】
【化12】
【0093】
また、3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(8)で示される化合物が挙げられる。
【0094】
【化13】
【0095】
一般式(8)において、R1は、前記一般式(1)におけるR1と同義である。R9としては、例えば、下記A〜Cで示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記Dで示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基又は下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは、3又は4である。
【0096】
【化14】
【0097】
上記Aにおいて、R10はメチル基、エチル基又はプロピル基等の低級アルキル基である。また、上記Dにおいて、pは1〜10の整数である。
【0098】
3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、例示化合物3が挙げられる。
【0099】
【化15】
【0100】
さらに、上記説明した以外の1〜4個のオキセタン環を有する化合物の例としては、下記一般式(9)で示される化合物が挙げられる。
【0101】
【化16】
【0102】
一般式(9)において、R8は前記一般式(6)のR8と同義である。R11はメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基又はトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
【0103】
本発明で使用するオキセタン化合物の好ましい具体例としては、以下に示す化合物がある。
【0104】
【化17】
【0105】
上述したオキセタン環を有する各化合物の製造方法は、特に限定されず、従来知られた方法に従えばよく、例えば、パティソン(D.B.Pattison,J.Am.Chem.Soc.,3455,79(1957))が開示している、ジオールからのオキセタン環合成法等がある。また、これら以外にも、分子量1000〜5000程度の高分子量を有する1〜4個のオキセタン環を有する化合物も挙げられる。これらの具体的化合物例としては、以下の化合物が挙げられる。
【0106】
【化18】
【0107】
また、本発明においては、下記一般式(10)で表される2位が置換されたオキセタン化合物を用いることが好ましい。
【0108】
【化19】
【0109】
上記一般式(10)において、R1〜R6はそれぞれ水素原子、有機基を表し、R3〜R6の少なくとも一つは有機基である。R1〜R6で各々表される有機基としては、例えば、フッ素原子、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等)、炭素数1〜6個のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、フリル基またはチエニル基を表す。
【0110】
分子中に1個のオキセタン環を有する化合物としては、下記一般式(11)〜(14)で表される化合物を挙げることができる。
【0111】
【化20】
【0112】
式中、R1〜R6は、水素原子または有機基を表し、R7、R8は有機基を表し、Zは、各々独立で、酸素または硫黄原子、あるいは主鎖に酸素または硫黄原子を含有してもよい2価の炭化水素基を表す。
【0113】
一般式(11)〜(14)において、R1〜R6で各々表される有機基は、前記一般式(10)のR1〜R6で各々表される有機基と同義である。R7、R8で各々表される有機基としては、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等)、炭素数1〜6個のアルケニル基(例えば、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基または3−ブテニル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基等)、炭素数1〜6個のアシル基(例えば、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基またはペンチルカルボニル基等)、炭素数1〜6個のアルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、炭素数1〜6個のアルキルカルバモイル基(例えば、プロピルカルバモイル基、ブチルペンチルカルバモイル基等)、アルコキシカルバモイル基(例えば、エトキシカルバモイル基等)を表す。一般式(11)及び(13)においては、R3〜R6の少なくとも一つは上記の有機基である。
【0114】
Zで表される主鎖に酸素または硫黄原子を含有してもよい2価の炭化水素基としては、アルキレン基(例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等)、アルケニレン基(例えば、ビニレン基、プロペニレン基等)、アルキニレン基(例えば、エチニレン基、3−ペンチニレン基等)が挙げられる。
【0115】
本発明で使用するオキセタン環含有化合物としては、上記一般式(11)〜(14)において、R1が低級アルキル基、特にエチル基、R7およびR8がプロピル基、ブチル基、フェニル基又はベンジル基、Zは酸素又は硫黄原子を含まない炭化水素基であるものが好ましい。
【0116】
分子中に2個以上のオキセタン環を有する化合物としては、下記一般式(15)、(16)で表わされる化合物を挙げることができる。
【0117】
【化21】
【0118】
式中、mは2、3又は4、Zは一般式(11)〜(14)のZと同一である。R1〜R6は水素原子、有機基を表し、有機基は前記一般式(10)のR1〜R6で各々表される有機基と同義である。一般式(15)においては、R3〜R6の少なくとも一つは上記の有機基である。
【0119】
R9は、炭素数1〜12の線形又は分岐アルキレン基、線形或いは分岐ポリ(アルキレンオキシ)基、または下記一般式(18)、(19)及び(20)からなる群から選択される多価基を表す。上記炭素数1〜12の線形又は分岐アルキレン基、線形或いは分岐ポリ(アルキレンオキシ)基としては、下記一般式(17)で表される基が好ましい。
【0120】
【化22】
【0121】
一般式(17)中、R10はメチル基、エチル基又はプロピル基等の低級アルキル基を表す。
【0122】
【化23】
【0123】
一般式(18)中、nは0又は1〜2000の整数、R11はメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基等の炭素数1〜10個のアルキル基及び下記一般式(21)から成る群から選択される基を表す。
【0124】
【化24】
【0125】
一般式(21)中、jは0又は1〜100の整数、R13は1〜10個の炭素原子を有するアルキルを表す。
【0126】
R12はメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基を表す。
【0127】
一般式(19)中、R14は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基等の炭素数1〜10個のアルキル基、炭素数1〜10個のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシレート基又はカルボキシル基を表す。
【0128】
一般式(20)中、R15は酸素原子、硫黄原子、NH、SO、SO2、CH2、C(CH3)2又はC(CF3)2を表す。
【0129】
本発明で使用されるオキセタン環含有化合物として、上記一般式(15)、(16)において、R1が低級アルキル基、特にエチル基、R9が一般式(19)においてR14が水素原子である基、ヘキサメチレン基、一般式(17)においてR10がエチル基、一般式(18)、(21)においてR12及びR13はメチル基、Zは酸素又は硫黄原子を含まない炭化水素基であるものが好ましい。
【0130】
分子中に2個以上のオキセタン環を有する化合物としては、下記一般式(22)で表わされる化合物も挙げることができる。
【0131】
【化25】
【0132】
一般式(22)において、rは25〜200の整数であり、R1、R3〜R6、R13は上記に定義した基であり、R16は炭素数1〜4のアルキル基又はトリアルキルシリル基である。R3〜R6の少なくとも一つは上記の有機基である。
【0133】
本発明の光硬化性樹脂組成物に用いられる顔料分散体は、前述の顔料と分散媒体とを、混合、練肉、分散することにより得られる。混合で用いることのできる装置としては、例えば、加圧ニーダー、オープンニーダー、プラネタリーミキサー、ポニーミキサー、ディゾルバー、ダルトン万能混合機などを挙げることができる。
【0134】
また、連肉、分散で用いることのできる装置としては、例えば、コロイドミル、ハイスピードディスパーサー、二本ロールミル、ビーズミル、ペイントコンディショナー、三本ロールミル、アトライター、アジテータ、ヘンシャエルミキサーなどを挙げることができる。
【0135】
分散媒体としては、用いる樹脂、分散剤、重合性化合物などの種類により適宜選択することができる。また、分散時に溶剤を用いることも可能であるが、最終的なインクとしては無溶剤化することが環境等の面から好ましく、その場合は脱溶剤工程を設けることが好ましい。
【0136】
本発明の光硬化性樹脂組成物の調製においては、顔料分散剤を用いることが好ましく、特に、顔料分散剤としては、アニオン性分散剤、ノニオン性分散剤、あるいは高分子分散剤であることが好ましい。
【0137】
アニオン性分散剤としては、例えば、脂肪酸石鹸、N−アシル−N−メチルグリシン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、アルキルエーテル燐酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩等が挙げられる。
【0138】
また、ノニオン性分散剤としては、特に制限はなく、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(例えば、エマルゲン420、911等)、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(例えば、ニューポールPE−62)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、ポリエーテルリン酸エステル等が挙げられる。
【0139】
また、本発明で用いることのできる高分子分散剤としては、アニオン性高分子分散剤では、例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸や、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩などの共重合体あるいは樹脂が、例えば、カルボン酸、スルホン酸又はホスホン酸の官能性を持つホモポリマー、コポリマー、ターポリマーを含むものである。酸の官能性を与えるモノマーは、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、フマル酸、シトラコン酸、ビニル酢酸、アクリルオキシプロピオン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、アリルホスホン酸、ビニルホスホン酸及びビニルスルホン酸等である。
【0140】
高分子分散剤は、市販品として入手することができ、例えば、Avecia社のSolsperseシリーズが挙げられる。また、本発明においては、分散助剤を各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤及び分散助剤は、顔料100質量%に対し、1〜50質量%添加することが好ましい。
【0141】
本発明における顔料の分散方法としては、先ず顔料と少量の顔料分散剤を加圧ニーダーで混合し、ロールミルを用いて錬肉した後、顔料分散剤、重合性化合物、光開始剤、界面活性剤等の各インク組成物を添加し、ビーズミルなどを用いて更に分散を行うことが分散性を向上させる点から好ましい。
【0142】
ロールミルとしては、二本ロールミルを用いることが、顔料分散体に高いシェアーをかけることができ、より微細な顔料分散体を得る観点で特に好ましく、この場合、顔料分散体の粘度は、103mPa・s以上、好ましくは106mPa・s以上となるよう、顔料と分散剤との比率、種類を選定する。
【0143】
これらの混合、練肉・分散工程においては、顔料分散物が過度の温度にさらされないように冷却しながら行うこと、可能な限り遮光しながら行うことが好ましい。
【0144】
この他に、必要に応じて重合禁止剤、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することができる。
【0145】
次いで、本発明の光硬化性樹脂組成物を用いたインクジェット用インク組成物(以下、単にインク組成物、インクともいう)について説明する。
【0146】
本発明のインク組成物は、上記光硬化性樹脂組成物を含むインク組成物の粘度が、25℃で7〜500mPa・sとなるように、また35℃以上に加熱した際に、5〜30mPa・sになるよう組成を選択することが好ましい。
【0147】
室温(25℃)における粘度を7〜500mPa・sの範囲に設定することにより、吸収性のある記録材料に出射したときでも、着弾後のインクの浸透を防ぎ、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となり、また着弾時のドット滲みを抑えることができ、その結果として、画質が改良される。また、表面張力の違う記録材料間でも、同じようなドットが形成されるため、同じような画質が得られる。これに対し、7mPa・s未満では、滲み防止効果が小さく、逆に500mPa・sを超えると、インク液の供給、出射等に問題が生じる。
【0148】
また、安定な出射性を得るためには、記録ヘッドあるいはインク送液ラインを35℃以上に加熱して、インク組成物が5〜30mPa.sとなることが好ましい。
【0149】
次いで、本発明の画像形成方法について説明する。
本発明の画像形成方法は、上記インクを、インクジェット記録ヘッドにより記録材料上に液滴として出射、描画した後、紫外線等の活性光線を照射してインクを硬化させる。
【0150】
インクの出射条件としては、インクを35〜100℃に加熱し、前述のようにインク粘度を下げて出射することが、出射安定性の点で好ましい。活性光線硬化型インクは、概して一般の水性インクより粘度が高いため、温度変動による粘度変動を受けやすい。この粘度変動は、そのまま出射される液滴サイズ、液滴出射速度に大きく影響を与え、画質劣化を引き起こすため、インク温度をできる限り一定に保つことが必要である。
【0151】
本発明に用いられるインクジェット記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドともいう)は、公知のものを用いることができ、コンティニアスタイプ、ドットオンデマンドタイプが使用可能である。ドットオンデマンドタイプのうち、サーマル型記録ヘッドでは、出射のため、特開平9−323420号に記載されているような稼動弁を持つタイプが好ましい。また、ピエゾ型記録ヘッドでは、例えば、欧州特許A277,703号、欧州特許A278,590号などに記載されているヘッドを使うことができる。記録ヘッドは、インクの温度が管理できるよう温調機能を持つものが好ましい。出射時の粘度は、5〜30mPa・sとなるよう出射温度を設定し、粘度の変動幅が±5%以内になるようインク温度を制御することが好ましい。また、駆動周波数としては、5〜500kHzで稼動することが好ましい。
【0152】
本発明においては、高精細な画像を得るため、インク液滴量を2〜20plとすることが好ましい。本発明のインクは、出射特性が良好なため、液滴量が小さくても、ノズル詰まりやドットの曲がり、サテライト等を生じることなく良好な画像を得ることができる。
【0153】
また、本発明においては、高級感のある光沢画像を得るためには、印字した総インク膜厚を2〜20μmとすることが好ましい。
【0154】
本発明で用いることのできる活性光線の光源としては、波長180〜500nmの紫外線又は可視光線を発生する光源が有効であり、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀−キセノンランプ、エキシマーランプ、ショートアーク灯、ヘリウム・カドミニウムレーザー、アルゴンレーザー、エキシマーレーザー、太陽光が挙げられる。なお、光源や照度の異なる2種類の光源を用いて硬化することも可能である。
【0155】
本発明において、紫外線による照射を行う場合、インクの吸収波長におけるピーク照度が1〜500mW/cm2である光源が好ましい。この様な光源は、十分な硬化反応を行うことができるため、比較的安価で、小型の紫外線照射装置を用いることができ、コスト的にも有利である。
【0156】
本発明に用いられる記録材料は、アルミニウム、鉄、銅の如き金属、塩化ビニル、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチック、ガラスの如きセラミックス、木材、紙、印刷紙、繊維などを挙げることができるが、本発明の目的効果をいかんなく発揮させるという観点からは、インクを吸収しない非吸収性記録材料が好ましい。
【0157】
【実施例】
以下、本発明の効果について、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらの例に限定されるものではない。
【0158】
《顔料分散物の調製》
以下の各添加物を混合した後、加圧ニーダーにより配合し、粘度を106mPa・s以上とし、次いで、ロールミルによって練肉及び分散を行い、表1に記載の顔料分散物1〜14を調製した。
【0159】
顔料(表1に記載の種類) 15.00質量部
アニオン性高分子分散剤 2.25質量部
アロンオキセタンOXT−221(東亜合成) 82.75質量部
【0160】
【表1】
【0161】
なお、表1中に記載の*1(有機白色顔料)は、ShigenoxOWP(ハッコールケミカル社製 粒径:0.3μm)である。
【0162】
《インク組成物の調製》
上記各顔料分散物を用いて、表2に記載の構成からなるインク組成物1〜20を調製した。
【0163】
【表2】
【0164】
なお、表中に記載の各添加剤の詳細は、以下の通りである。
エポキシ化合物:セロキサイド2021P(ダイセル社製)
オキセタン化合物1:アロンオキセタンOXT−221(東亜合成社製)
オキセタン化合物2:アロンオキセタンOXT−211(東亜合成社製)
ビニルエーテル化合物:DVE−3(トリエチレングリコールジビニルエーテル、ISP社製)
光酸発生剤:SP−152(トリフェニルスルホニウム塩、旭電化社製)
【0165】
【化26】
【0166】
《インクの評価》
上記調製した各インク組成物について、下記の方法に従って、粘度、インク沈降性、粒状性、濾過性及び出射安定性の評価を行った。
【0167】
(粘度の測定)
各インク組成物について、振動式粘度計を用い、25℃での粘度を測定し、下記の基準に則り分類した。
【0168】
○:インク組成物の粘度が、5mPa・s以上、30mPa.s以下
△:インク組成物の粘度が、31〜500mPa・s
×:インク組成物の粘度が、501mPa・s以上である
(沈降性の評価)
各インク組成物を、遠心分離機(1600G)を用いて1時間の遠心処理を施した後、インク組成物の状態を目視観察して、下記の基準に則り沈降性の判定を行った。
【0169】
○:遠心分離後のインク組成物に、沈降物が認められない
△:遠心分離後のインク組成物に、薄っすらと上澄み領域が認められるが、その境界は不鮮明である
×:遠心分離後のインク組成物に、明らかな沈降部が認められ、かつ上澄み部との境界がはっきりしている
(顔料粒子の粒状評価)
各インク組成物を、厚さ120μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム上に6μmの厚さで塗布し、乾燥させた後、マイクロスコープ(倍率1000倍)により顔料粒子の粒状を観察し、下記の基準により判定した。
【0170】
○:顔料粒子がほとんど認められない
△:やや顔料粒子を認めることができる
×:顔料粒子が凝集し、大粒子化しているのがはっきりと認められる
(濾過性の評価)
各インク組成物10mlを、5μmのメンブレンフィルターにて減圧濾過した後の収量を測定し、下記の基準に則り濾過性の判定を行った。
【0171】
○:インク組成物の収量が、9ml以上である
△:インク組成物の収量が、5ml以上、9ml未満である
×:インク組成物の収量が5ml未満である
(出射安定性の評価)
上記調製した各インク組成物20mlを、液滴サイズ7plが得られるピエゾタイプのインクジェットノズルにて、ノズル部分を70℃に加熱制御しながら30分間の連続出射を行った後、ノズルの出射状態を目視観察し、下記の基準に則り出射安定性の評価を行った。
【0172】
○:30分連続出射しても、ノズル欠の発生が認められない
△:30分連続出射後に、ノズル欠は起こらないが、サテライトが発生する
×:30分連続出射後に、ノズル欠が発生する
以上により得られた結果を、表3に示す。
【0173】
【表3】
【0174】
表3より明らかなように、本発明の構成からなるインク組成物は、比較例のインク組成物に対し、粘度が5〜30mPa.sの範囲にあり、沈降性、濾過性、出射安定性に優れ、かつ顔料粒子の粒状が良好であることが分かる。
【0175】
《インクジェット画像の形成》
本発明の酸性顔料を用いたイエローインク(インク2)、マゼンタインク(インク6)、シアンインク(インク10)、ブラックインク(インク12)及び白インク(インク15)を、ピエゾ型インクジェットノズルを用いたインクジェット記録装置に装填し、記録材料上へ各色のベタ画像の記録を行った。
【0176】
インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドから成り、前室タンクからヘッド部分まで断熱および加温を行った。温度センサーは前室タンクおよびピエゾヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に70℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾヘッドは、8〜30plのマルチサイズドットを720×720dpiの解像度で出射できるよう駆動した。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。記録材料としては、厚さ50μmの透明なシュリンク用ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。
【0177】
記録材料上にインクを着弾させた後、照射光源として308nmに主ピークを有する蛍光管を用い、光源直下、記録材料面での照度が10mW/cm2の条件で、露光エネルギー量5mJ/cm2にて紫外線照射を行った。
【0178】
以上のようにして形成した画像について、下記の方法に従って、記録材料への接着性及び画像耐久性の評価を行った結果、いずれも良好な特性を有するカラー画像を形成することを確認することができた。
【0179】
(接着性の評価)
ベタ画像表面に、剃刀で縦横6本ずつの記録媒体までは到達しない切り込みを入れ、25個の升目をつけた。この上に幅25mmのセロテープ(R)を張り付けて強く圧着した後、90°の剥離角度で素早く剥離し、剥離した升目数を計測した結果、剥離した升目数は1個であった。
【0180】
(画像耐久性の評価)
印字したベタ部に対して、スクラッチ強度試験機 HEIDON−18(HEIDON社製)を用い、測定針は0.8mmRのサファイヤ針を用いて、0〜200gの荷重を変化させながら10cmの引掻き試験を3回行い、支持体まで傷が入った箇所が存在しない限度荷重を測定した結果、200g以上であった。
【0181】
【発明の効果】
本発明により、粘度安定性、インク保存性、顔料粒子の粒状、濾過性、出射安定性に優れた光硬化性樹脂組成物と、記録材料との接着性及び画像耐久性が良好なインクジェット用インク組成物及び画像形成方法を提供することができた。
Claims (18)
- 少なくとも酸性顔料、重合性化合物及び光重合開始剤を含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
- 前記酸性顔料が、酸性官能基を有する顔料、酸性処理された顔料及び電子受容性を有する顔料から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 前記重合性化合物が、オキセタン化合物と、エポキシ化合物及びビニルエーテル化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 前記オキセタン化合物が、2位が置換されたオキセタン化合物であることを特徴とする請求項3に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 前記オキセタン化合物が、1〜4個のオキセタン環を有することを特徴とする請求項3または4に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 前記光重合開始剤が、光酸発生剤であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 前記酸性顔料が、カーボンブラック、有機顔料及び無機顔料から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 前記有機顔料が、マゼンタ有機顔料、イエロー有機顔料、シアン有機顔料及び白色有機顔料から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項7に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 顔料分散剤を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 前記顔料分散剤が、アニオン性分散剤であることを特徴とする請求項9に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 前記顔料分散剤が、ノニオン性分散剤であることを特徴とする請求項9に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 前記顔料分散剤が、高分子系分散剤であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物を含有することを特徴とするインクジェット用インク組成物。
- 25℃における粘度が7〜500mPa・sで、35℃以上に加熱することにより粘度が5〜30mPa・sになることを特徴とする請求項13に記載のインクジェット用インク組成物。
- 請求項14に記載のインクジェット用インク組成物を、インクジェット方式により、記録ヘッドから吐出して記録材料上に画像記録を行うことを特徴とする画像形成方法。
- 前記記録ヘッド及びインクジェット用インク組成物を、35〜100℃に加熱してインクを記録材料に付与することを特徴とする請求項15に記載の画像形成方法。
- 前記インクジェット用インク組成物を記録材料に付与した後、光照射を行うことを特徴とする請求項15または16に記載の画像形成方法。
- 前記記録材料が、非インク吸収性であることを特徴とする請求項15〜17のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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