JP2004168760A - アミノ糖類含有組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】変色を生じさせずに、アミノ糖類およびビタミンB1類を含有するアミノ糖類含有組成物を製造する。
【解決手段】アミノ糖類およびビタミンB1類を含有するアミノ糖類含有組成物に、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、フタル酸およびアルギン酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種の変色防止剤することで、アミノ糖類の変色を抑制する。当該組成物は、関節痛などの関節障害の予防および治療に有効で、かつ変色がなく色調が維持された商品イメージやコンプライアンスの低下を防止したものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、グルコサミン塩などのアミノ糖類を含有したアミノ糖類含有組成物に関し、より詳しくはアミノ糖類の変色を防止したアミノ糖類含有組成物に関する。
従来より、グルコサミン塩などのアミノ糖類は、変形性関節炎等の関節炎の治療や予防に有効であることが知られている。すなわち、特許文献1には、コンドロイチンなどのグリコサミノグリカンと、グルコサミンなどのアミノ糖とを含む、人や動物の軟骨あるいは結合組織の損傷や関節炎の治療のための組成物が開示されている。
また、特許文献2には、グルコサミン類とビタミンB1類とを含有した関節痛治療薬または予防用組成物が記載されており、ビタミンB1類とグルコサミン類との組み合わせにより関節痛を大幅に緩和できるとされている。特許文献3には、ビタミンB1類に対してアミノ糖類を所定の割合で含有し、特にビタミンB1類が安定化された製剤が記載されている。
特許第2971579号明細書 特開2002−145780号公報 特開2002‐145779号公報
本発明者らは、特許文献2や特許文献3に記載のグルコサミンなどのアミノ糖類とビタミンB1類とを含有する製剤について調べたところ、本来白色であった成分が製剤化することにより、白色から褐色ないし黄褐色に変化するという事実を見出した。このような変色または着色は、製剤化工程、特に湿式造粒に伴う乾燥工程で多く発生していた。またこれら変色または着色に伴い、不快臭を発生する場合もあるという事実を見出した。またドリンクや飲料においては加熱処理する際に同様に液の変色が見られた。このような変色等の発生は、商品イメージやコンプライアンスを低下させる原因となることから、その対策が望まれている。
本発明の主たる課題は、アミノ糖類およびビタミンB1類を含有し、商品イメージやコンプライアンスを低下させる原因となる変色や不快臭の発生を低減したアミノ糖類含有組成物を提供することである。
上記課題を解決すべく本発明者らは鋭意検討を重ねる過程で、アミノ糖類単独の場合に比べて、ビタミンB1類を共存させることにより変色が促進されるという知見を得た。特にビタミンB1類を1mg以上という高配合する場合にアミノ糖類の変色を促進させるものだった。これは、アミノ糖類が高温雰囲気下でメイラード反応等をひき起こすのをビタミンB1類が促進しているためと推測される。
そこで本発明者らは、さらに検討を重ねた結果、アミノ糖類とビタミンB1類とを含む系に特定の有機酸を含有させると、アミノ糖類の変色を抑制または低減できるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のアミノ糖類含有組成物は、アミノ糖類およびビタミンB1類を含有し、さらに酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、フタル酸およびアルギン酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種の変色防止剤を含有することを特徴とする。
また本発明のアミノ糖類含有組成物は、アミノ糖類、ビタミンB1類および、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、フタル酸およびアルギン酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種の変色防止剤に、必要に応じて添加物を混合し、造粒した造粒物を含み、この造粒物が、L***表色系における色度のL*値が80〜100、a*値が−1〜1、b*値が0〜15の各範囲に色調を有することを特徴とする。
本発明のアミノ糖類含有組成物は、前記ビタミンB1類を1mg以上含有し、および/または前記アミノ糖類を50mg以上含有する。
かかる本発明のアミノ糖類含有組成物は、ビタミンB1類を1mg以上という高配合であってもアミノ糖類の変色を防止することができる。したがって、本発明のアミノ糖類含有組成物は、アミノ糖類およびビタミンB1類それぞれがもつ優れた関節痛の治療および予防効果を大いに利用でき、関節痛の予防または治療に有用であるとともに、商品イメージやコンプライアンスの低下を招かない固形製剤、食品、健康食品、飲料、ドリンク剤等を提供することができる。
本発明のアミノ糖類含有組成物は、前記アミノ糖類、ビタミンB1類および変色防止剤に、必要に応じて賦形剤や結合剤等の添加物を混合したのち、造粒・成形した固形製剤などの医薬品の形態か、あるいはアミノ糖類、ビタミンB1類および変色防止剤を含有した飲料の形態で用いられるが、これらは例示であって、特に形態が制限されるものではない。
本発明のアミノ糖類含有組成物によれば、特定の有機酸を含有させることにより、アミノ糖類に対してビタミンB1類を高配合してもアミノ糖類の変色を低減することができ、その結果、商品イメージやコンプライアンスが低下するのを防止することができるという効果がある。従って、本発明のアミノ糖類含有組成物は、関節痛などの関節障害の予防および治療に使用するのに好適である。
本発明のアミノ糖類含有組成物は、アミノ糖類およびビタミンB1類を含有し、さらに特定の有機酸からなる変色防止剤を含有する。
アミノ糖類としては、例えばシアル酸、ムラミン酸、グルコサミン類、これらの塩類(例えば塩酸塩、硫酸塩など)または誘導体(例えばN−アセチルグルコサミン、N−メチル−L−グルコサミンなど)が挙げられる。また、アミノ糖類は、D体、L体、DL体のいずれであってもよい。
本発明において好ましいアミノ糖類は、関節痛の治療および予防効果に優れたグルコサミンまたはその塩(グルコサミン塩酸塩など)である。かかるグルコサミンは、エビ、カニなどの甲殻類やイカの軟骨などに含まれるキチンを酸または酵素で加水分解し、分離、精製することにより得ることができる。
アミノ糖類含有組成物(固形製剤等)中のアミノ糖類は、関節痛などの関節障害の予防および治療のためには、通常、1日量として50mg以上を含有させるのがよく、好ましくは150〜3000mg、より好ましくは500〜3000mg、さらに好ましくは800〜2500mg、特に1000〜2500mgになるように含有させるのがよい。
前記ビタミンB1類としては、チアミン類、ビタミンB1誘導体またはその塩が挙げられる。チアミン類としては、例えばチアミン、塩酸チアミン、硝酸チアミン、ビスチアミン、チアミンジスルフィド、チアミンジセチル硫酸エステル塩が挙げられる。ビタミンB1誘導体またはその塩としては、ジセチアミン、フルスルチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミンまたはそれらの無機酸(塩酸、硝酸、リン酸等)との塩(例えば硝酸ビスチアミン、塩酸フルスルチアミン、塩酸ジセチアミンなど)が挙げられる。
中でもグルコサミンまたはその塩の着色を促進するビタミンB1類としては、チアミン類が挙げられ、中でもチアミン、塩酸チアミン、硝酸チアミンおよびチアミンジスルフィドから選ばれる少なくとも1種、とりわけチアミン、塩酸チアミンおよび硝酸チアミンから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
アミノ糖類含有組成物中のビタミンB1類の用量は、例えば「医薬品製造指針 別冊 一般用医薬品製造承認基準 2000年版」などを参考に調製すればよい。具体的にいうとチアミン類の場合1日量として1mg以上、好ましくは1〜36mg、より好ましくは10〜36mg、さらに好ましくは20〜30mg、中でも30mgになるように含有させるのがよい。ビタミンB1誘導体またはその塩の場合1日量として1〜110mg、好ましくは5〜100mg、より好ましくは50〜100mg、さらに好ましくは75〜100mg、中でも100mgになるように含有させるのがよい。
ビタミンB1類の配合量が1日量として1mg未満であると、ビタミンB1類に特有の神経痛、筋肉痛、末梢神経炎、中枢神経障害、便秘等の胃腸運動機能障害の予防および治療に対して期待される効果を生じないおそれがある。したがってビタミンB1類は、上述した用量を満たすべく、例えば錠剤、顆粒、散剤などの固形製剤中に配合して医薬品や健康食品を製造すればよい。
本発明のアミノ糖類含有組成物は、ビタミンB1類を組成物中に高濃度で配合(含有)しても、アミノ糖類の変色ないし着色を防止することができる。具体的にはチアミン類の場合、当該組成物全体に対して0.05重量%以上、好ましくは0.1〜38重量%、より好ましくは0.3〜24重量%、さらに好ましくは0.5〜20重量%の範囲から選択され、通常0.5〜10重量%程度を含有する。
チアミン誘導体またはその塩の場合、当該組成物全体に対して0.05重量%以上、好ましくは0.5〜67重量%、より好ましくは1〜45重量%、さらに好ましくは1〜30重量%の範囲から選択され、通常1〜10重量%程度を含有する。
また前記変色防止剤としては、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、フタル酸およびアルギン酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、好ましくは酒石酸、クエン酸およびフタル酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種、より好ましくは酒石酸および/またはクエン酸である。なお、これらは、D体、L体、DL体のいずれであってもよい。
アミノ糖類とビタミンB1類とを混合した製剤の変色ないし着色を防止するうえで、上記の有機酸の少なくとも1種を含有していることが必要であって、これら以外の有機酸、例えばマレイン酸、アスコルビン酸、乳酸、p−ヒドロキシ安息香酸、コハク酸、アジピン酸、アスパラギン酸などの他の有機酸では変色防止効果がないか、充分ではない。
前記酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、フタル酸およびアルギン酸は、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩の形態で使用しても良い。
前記有機酸からなる変色防止剤は、アミノ糖類100重量部に対して0.2重量部以上、好ましくは0.5〜10重量部、より好ましくは1〜6重量部、さらに好ましくは2〜5重量部含有されているのがよい。変色防止剤の含有量が上記範囲を下回る場合は変色防止効果が充分でなく、逆に上記範囲を超える場合にはコストアップや打錠時に成形不良を生じるおそれがある。
本発明のアミノ糖類含有組成物は、液剤(懸濁剤、乳剤、シロップ剤、注射剤、ドリンク剤など)や飲料、固形製剤(粉末剤、細粒剤、顆粒剤、丸剤、カプセル剤、錠剤など)の形態で利用される。なお、上記固形製剤には、医薬品に加えて製菓(キャンディ、グミ、ガムなど)、医薬部外品、健康食品、食品を包含する。 例えば固形製剤の錠剤の形態で使用する場合は、前記アミノ糖類、ビタミンB1類および変色防止剤に、必要に応じて添加物を混合し、造粒・成形して製造される。
添加物としては、賦形剤、結合剤の他に、例えば医薬品添加物辞典( 日本医薬品添加物協会編集 薬事日報社、2000)に収載の種々のものが使用可能であり、常温で固体または液体の制限は特になく、崩壊剤、崩壊助剤、安定化剤、流動化剤、滑沢剤、界面活性剤、可塑剤、緩衝剤、還元剤、甘味剤、吸着剤、矯味剤、芳香剤、保存剤、光沢化剤、清涼化剤、咀嚼剤、着香料、香料、軟化剤、粘着剤、pH調節剤および基剤から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの添加物は1種または2種以上を通常使用される範囲内で適量あるいは適当な配合割合で適宜添加することができる。本発明においては、白色の添加物を使用するのが好ましい。
前記賦形剤としては、乳糖、トウモロコシデンプン等のデンプン類、結晶セルロース、D−マンニトール、無水リン酸水素カルシウム、白糖、軽質無水ケイ酸、カルメロース、デキストリン等があげられる。
結合剤としては、例えばHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン、アラビアゴム、ゼラチン、プルラン、カンテン等があげられる。
崩壊剤としては、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、L−HPC(低置換度ヒドロキシプロピルセルロース)、クロスカルメロースカルシウム、クロスポビドン等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えばステアリン酸またはその塩(ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等)、タルク、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えばトウモロコシデンプン、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、L−HPC、部分α化デンプン等が挙げられる。
流動化剤としては、例えば軽質無水ケイ酸、タルク、含水二酸化ケイ素等があげられる。安定化剤としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸塩等があげられる。保存剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類等があげられる。矯味剤としては、例えば白糖、D−ソルビトール、キシリトール等があげられる。
さらに、他のビタミン剤、アスパラギン酸カリウム・マグネシウム等量混合物、イノシトールヘキサニコチネート、システイン類、カルシウム塩類、グルクロン酸類、コンドロイチン硫酸またはその塩、タンパク、アミノ酸およびオリゴ糖などの1種または2種以上を通常使用される範囲内で適量あるいは適当な配合割合で適宜添加することができる。特に、コンドロイチン硫酸またはその塩を添加すると、関節痛の治療や予防により一層効果的である。
造粒としては、一般的に用いられる製剤方法であればいかなる方法も採用可能である。具体的には、例えば押出し造粒機、転動造粒機、攪拌造粒機(混合攪拌造粒機、高速混合攪拌造粒機)、乾式造粒機、流動造粒機、遠心転動造粒機、遠心転動流動造粒機等の製剤機器を使用して造粒を行うことができる。結合剤を添加する場合にその添加は水やアルコール等の溶剤に溶解ないし分散させて一度に添加するか、噴霧する等して行われる。
アミノ糖類の変色は、上記造粒の中でも乾燥工程を要する造粒法、ずなわち転動造粒機、攪拌造粒機(混合攪拌造粒機、高速混合攪拌造粒機)、乾式造粒機、流動造粒機、遠心転動造粒機、遠心転動流動造粒機を使用する湿式造粒法において生じやすい。またその際、溶剤としてアルコールよりも乾燥機の給気温度を高く設定しなければならない水を使用する場合に生じやすい。
このように本発明は湿式造粒法でビタミンB1類を高濃度で配合するアミノ糖類含有組成物を製造する場合により効果的である。
上記造粒方法で得られた造粒物は、必要に応じてパワーミルなどの整粒機や篩によって製粒したのち、乾燥機を用いて乾燥する。上記乾燥機としては特に制限はないが、通常、流動層乾燥機、通風式箱型乾燥機が使用される。乾燥機の種類等に応じて給気温度、乾燥時間を適宜設定すればよい。
本発明において湿式造粒法により得た造粒物の色調の目安は、CIE規格(またはJIS8729採用)のL***表色系における色度のSCE方式におけるL*値が80〜100、a*値が−1〜1、b*値が0〜15の各範囲にある色調(白色)を有し、好ましくはL*値が83〜100、a*値が−1〜1、b*値が0〜15の各範囲に色調(白色)を有し、より好ましくはL*値が85〜100、a*値が−1〜1、b*値が0〜10の各範囲に色調(白色)を有するものである。
なお、L*値は明度方向、a*値は赤−緑方向(赤が+、緑が−)、b*値は黄−青方向(黄が+、青が−)を示している。アミノ糖類の変色が生じると、L***表色系における色度のL*値(明度)が低下するとともに、a*値が増加(赤方向へ)、b*値が増加(黄色方向へ)する。
さらに造粒物は、上記の色調を損なわなければ被覆剤(コーティング剤)を用いて被覆してもよい。被覆剤としては、例えばHPC、HPMC、メチルセルロースなどの水溶性セルロース、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートなどの酸性領域で可溶な被覆剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートまたはアクリル系コポリマーなどの腸溶性基剤、エチルセルロースなどの水不溶性の基剤、ゼラチン、セラック、アルギン酸ナトリウムのほか、カルナウバロウ、サラシミツロウ、パラフィン、モノグリセリン酸パルミテート、モノグリセリン酸ステアレート、マクロゴールなどのワックス類、デンプン類を加熱固化した糊液などがあげられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて、1層または2層以上からなる多層のコーティング層を形成することができる。
なお、本発明では、造粒物がアミノ糖類とビタミンB1類とを共に含有(共存)していてもよいが、アミノ糖類を含有した造粒物と、ビタミンB1類を含有した造粒物をそれぞれ調製し、これらの造粒物のうち少なくとも一方を上記被覆剤で被覆してもよい。これにより、アミノ糖類とビタミンB1類との接触の機会が低減されるので、変色防止により一層有効である。この場合、前記変色防止剤は、アミノ糖類を含む造粒物およびビタミンB1類を含む造粒物のいずれか一方または両方に添加してもよく、あるいはこれらとは別に添加してもよい。好ましくはアミノ糖類を含む造粒物中に添加しているのが好ましい。
造粒・乾燥後、乾燥物を必要に応じて整粒機を用いて整粒化した後、賦形剤、崩壊剤、流動化剤、滑沢剤、着色剤など上述した添加物を所望に応じて添加して混合し、そして打錠する。なお、本発明において湿式造粒を採用した場合には、造粒物とは乾燥工程を経たものをいう。その際、造粒工程と乾燥工程とは同時または時間を異にしてもよい。
混合としては一般的に用いられる混合方法であればいかなる方法も採用可能である。具体的には、例えばタンブラー混合機、万能混合機等の製剤機器を使用して混合することができる。
打錠は、通常の打錠機を用いて常法に従って行い、錠剤等の固形製剤とする。さらにこれらの剤は、白糖等の糖成分で糖衣層を、あるいは前出の医薬品添加物辞典に収載されている被覆剤で剤皮を施すこともできる。さらには、有核錠、積層錠としてもよい。
糖成分または被覆剤には、他の成分、例えば被覆助剤(ポリエチレングリコール、硬化ヒマシ油等)、増量剤(乳糖、グラニュー糖などの糖類、デンプン類等)、着色剤(タール色素、カラメル、ベンガラ、酸化チタン、リボフラビン等)、矯味剤(甘味剤、香料等)を適宜添加してもよい。
一方、本発明のアミノ糖類含有組成物を飲料またはドリンク剤等の液剤の形態で使用する場合には、アミノ糖類とビタミンB1類、さらに前記変色防止剤を水などの希釈剤に加え、必要に応じて、他のビタミン類、果汁、食塩、ぶどう糖などの糖類、甘味料等を含有させてもよい。
その際、アミノ糖類は上述したように1日量として50mg以上を含有させるのがよく、好ましくは150〜3000mg、より好ましくは500〜3000mg、さらに好ましくは800〜2500mg、特に1000〜2500mgになるように含有させるのがよい。
またチアミン類の場合、当該組成物全体に対して0.0003/V%以上、好ましくは0.002〜0.2重量%、より好ましくは0.003〜0.2重量%、さらに好ましくは0.005〜0.2重量%の範囲から選択され、特に0.025〜0.03重量%程度で使用する。
チアミン誘導体またはその塩の場合、当該組成物全体に対して0.0003/V%以上、好ましくは0.003〜0.2重量%、より好ましくは0.03〜0.2重量%、さらに好ましくは0.05〜0.15重量%の範囲から選択され、特に0.05〜0.12重量%程度で使用する。
本発明のアミノ糖類含有組成物は、固形製剤、食品、健康食品、飲料、液剤の形態のいずれにおいても1日に1〜3回程度に分けて経口投与すればよい。また1回の投与量は単独または複数の製剤としてもよい。例えば錠剤の場合に1回3錠(粒)を1日3回服用(お召し上がり方)というように、複数錠の形態に分けて経口投与してもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(処方)9包中/1日量
硝酸チアミン 30mg
塩酸グルコサミン 1000mg
結晶セルロース 150mg
酒石酸 40mg

上記処方に基づいて硝酸チアミン0.3g、塩酸グルコサミン10g、結晶セルロース1.5gおよび酒石酸0.4gを乳鉢に投入した後、精製水を加え練合した。そして、その練合物を篩過した後、11Kサイズの白色瓶に投入し、65℃で乾燥し、粒状のアミノ糖類含有組成物(90包分)を得た。
酒石酸に代えてクエン酸を同量用いた以外は実施例1と同様にして、アミノ糖類含有組成物を得た。
酒石酸に代えてリンゴ酸を同量用いた以外は実施例1と同様にして、アミノ糖類含有組成物を得た。
酒石酸に代えてアルギン酸を同量用いた以外は実施例1と同様にして、アミノ糖類含有組成物を得た。
さらにヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業社製 HPC−L)0.3gを添加した以外は実施例1と同様にして、アミノ糖類含有組成物を得た。
さらにヒドロキシプロピルセルロース0.3gを添加した以外は実施例2と同様にして、アミノ糖類含有組成物を得た。
酒石酸に代えてフタル酸を同量用いた以外は実施例1と同様にして、アミノ糖類含有組成物を得た。
[比較例1]
酒石酸を無添加にした以外は実施例1と同様にして、アミノ糖類含有組成物を得た。
[比較例2]
酒石酸を無添加にした以外は実施例5と同様にして、アミノ糖類含有組成物を得た。
[比較例3]
酒石酸に代えて還元麦芽糖を同量用いた以外は実施例1と同様にして、アミノ糖類含有組成物を得た。
[比較例4]
酒石酸に代えてコハク酸を同量用いた以外は実施例1と同様にして、アミノ糖類含有組成物を得た。
[比較例5]
酒石酸に代えてマレイン酸を同量用いた以外は実施例1と同様にして、アミノ糖類含有組成物を得た。
[比較例6]
酒石酸に代えてアスコルビン酸を同量用いた以外は実施例5と同様にした。
[比較例7]
酒石酸に代えてトウモロコシデンンプンを同量用いた以外は実施例1と同様にして、アミノ糖類含有組成物を得た。
[比較例8]
酒石酸に代えて乳酸カルシウムを同量用いた以外は実施例1と同様にして、アミノ糖類含有組成物を得た。
[比較例9]
酒石酸に代えてp−ヒドロキシ安息香酸を同量用いた以外は実施例1と同様にして、アミノ糖類含有組成物を得た。
[比較例10]
酒石酸に代えてアジピン酸を同量用いた以外は実施例1と同様にして、アミノ糖類含有組成物を得た。
(外観評価および色彩値の測定)
各実施例および比較例で得た粒状物について、着色の程度を目視にて評価(○・・・着色は殆ど見られない、 △・・・わずかに着色は見られるが白色を維持している、 ×・・・褐色または黄褐色に着色している)するとともに、分光測色計(ミノルタ株式会社製のCM−2600d 測定条件:10ー視野D65光源 測定径8mm)を用い、L***表色系における色彩値(SCE)を測定した。なお、a*値またはb*値の+、−の符号については+符号は省略し、−符号のみを記すものとする。その結果を表1に示す。
Figure 2004168760
(吸光度の測定)
実施例1〜3、5および6および比較例1〜4の粒状物を90mlの水に溶かし、吸光度計(島津製作所製)を用いて420nmにおける吸光度を測定した。それらの結果を表2に示す。
Figure 2004168760
硝酸チアミンに代えてチアミンジスルフィドを同量用いた以外は実施例1と同様にして、アミノ糖類含有組成物を得た。
[比較例11]
酒石酸を無添加にした以外は実施例8と同様にして、アミノ糖類含有組成物を得た。
実施例8および比較例11の粒状物においても着色の程度を目視にて評価したところ、実施例8の粒状物では着色は見られず、白色を維持していた。一方、比較例11のそれは褐色または黄褐色に着色していた。
(着色評価)
表3に示す塩酸グルコサミン、硝酸チアミンおよび酒石酸の配合割合で着色の程度を評価した。
評価としては、着色の程度を目視(○・・・着色は殆ど見られない、 △・・・わずかに着色は見られるが白色を維持している、×・・・褐色または黄褐色に着色している)にておこなった。その結果を表3に示す。
[比較例12〜16]
(着色評価)
塩酸グルコサミンと硝酸チアミンとの配合割合を変えて着色の程度を実施例9と同様にして評価した。なお、比較例12〜16では酒石酸を添加しなかった。その結果を表3に示す。
Figure 2004168760
(成分)9錠中/1日量
硝酸チアミン 30mg
塩酸グルコサミン 1000mg
結晶セルロース 150mg
酒石酸 40mg
HPC 30mg
アスパラギン酸カリウムマグネシウム
等量混合物 200mg
コンドロイチン硫酸ナトリウム 800mg
クロスカルメロースナトリウム 144mg
軽質無水ケイ酸 24mg
ステアリン酸マグネシウム 12mg
2430mg

硝酸チアミン、塩酸グルコサミン、酒石酸、結晶セルロースおよびHPCを均一になるまで乳鉢中で混合したのち、精製水を添加し、造粒した。そして造粒物を篩過し、65℃で乾燥した。乾燥物を整粒した後、残りの成分を添加し均一になるまで混合した。混合物をハンディタイプの打錠機で成形(打錠)し、円形錠剤(直径9mm、重量270mg)の錠剤を得た。
[比較例17]
実施例10の処方から酒石酸を無添加にした処方で製造した。すなわち、硝酸チアミン、塩酸グルコサミン、結晶セルロースおよびHPCを均一になるまで乳鉢中で混合したのち、精製水を添加し、造粒した。そして造粒物を篩過し、65℃で乾燥した。乾燥物を整粒した後、残りの成分を添加し均一になるまで混合した。混合物をハンディタイプの打錠機で成形(打錠)し、円形錠剤(直径9mm、重量270mg)の錠剤を得た。
(外観評価)
実施例10および比較例17で得た錠剤について、錠剤中の着色した斑点の有無を目視にて評価した。その結果を表4に示す。
Figure 2004168760
硝酸チアミン60mg、塩酸グルコサミン6000mgおよび酒石酸70mgを精製水90mlに溶かし、液体のアミノ糖類含有組成物(6日量 液剤)を得た。
硝酸チアミン60mg、塩酸グルコサミンを3000mgおよび酒石酸60mg用いた以外は実施例11と同様にしてアミノ糖類含有組成物を得た。
[比較例18]
酒石酸を無添加にした以外は実施例11と同様にして液剤とした。
[比較例19]
硝酸チアミン5mg、塩酸グルコサミンを600mg用いた以外は実施例11と同様にして飲料(2日分)を得た。
[比較例20]
硝酸チアミン5mg、塩酸グルコサミンを600mg用いた以外は実施例11と同様にして飲料(1日分)を得た。
[比較例21]
塩酸グルコサミンを3000mg用いた以外は比較例19と同様にして飲料(2日分)を得た。
[比較例22]
硝酸チアミン60mg、塩酸グルコサミンを1500mg用いた以外は実施例11と同様にして飲料(3日分)を得た。
実施例11〜12および比較例18〜22の液体を95℃で2時間加熱し、着色の程度を評価した。評価としては、着色の程度(○・・・水溶液に着色は殆ど見られない、×・・・水溶液が黄色または黄褐色に着色している)を目視にて行った。その結果を表5に示す。
Figure 2004168760

Claims (4)

  1. アミノ糖類およびビタミンB1類を含有し、さらに酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、フタル酸およびアルギン酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種の変色防止剤を含有することを特徴とするアミノ糖類含有組成物。
  2. アミノ糖類、ビタミンB1類および、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、フタル酸およびアルギン酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種の変色防止剤に、必要に応じて添加物を混合し、造粒した造粒物を含み、この造粒物が、L***表色系における色度のL*値が80〜100、a*値が−1〜1、b*値が0〜15の各範囲に色調を有することを特徴とするアミノ糖類含有組成物。
  3. 前記ビタミンB1類を1mg以上含有する請求項1または2記載のアミノ糖類含有組成物。
  4. 前記アミノ糖類を50mg以上含有する請求項1〜3のいずれかに記載のアミノ糖類含有組成物。
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JP2014129239A (ja) * 2012-12-28 2014-07-10 Lion Corp エトドラク含有固形製剤

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