JP2004168450A - エレベーター装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】上かご及び下かごの両者の一方に他方が所定間隔を超えて接近したときに、上記両者の他方の接近昇降を制動するエレベーター装置を得る。
【解決手段】上かご5及び下かご9の両者における異常接近発生時に、上記両者の一方に連結された昇降体11の異常接近検出装置18が動作する。これにより、制動装置の制動子が制動位置に変位し、また上記両者の他方によって昇降体11が押圧され、昇降方向に対応した制動装置の制動作用によって上記両者の他方の昇降が阻止される。
このため、制動装置による上記両者の他方の昇降変位阻止反力を昇降体が負担し、昇降変位阻止反力に伴う振動、騒音が上記両者の一方に伝わらず、この振動等による上記両者の一方内の乗客に無用な不安感が生じることを未然に防ぐ。
【選択図】 図2
【解決手段】上かご5及び下かご9の両者における異常接近発生時に、上記両者の一方に連結された昇降体11の異常接近検出装置18が動作する。これにより、制動装置の制動子が制動位置に変位し、また上記両者の他方によって昇降体11が押圧され、昇降方向に対応した制動装置の制動作用によって上記両者の他方の昇降が阻止される。
このため、制動装置による上記両者の他方の昇降変位阻止反力を昇降体が負担し、昇降変位阻止反力に伴う振動、騒音が上記両者の一方に伝わらず、この振動等による上記両者の一方内の乗客に無用な不安感が生じることを未然に防ぐ。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、昇降路に案内レールによって形成された一つの昇降経路に複数台のかごが配置されて、これらのかごが互いに連係してそれぞれ運転されるエレベーター装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一つの昇降経路に複数台のかごが配置されて、これらのかごが互いに連係してそれぞれ運転されるエレベーター、所謂ワンシャフトマルチカーエレベーターは従来、次に述べるように構成されていた。すなわち、上側エレベーター用巻上機に上側巻上ロープが巻掛けられる。そして、上側巻上ロープの一端に上側エレベーターかごが連結され、また上側巻上ロープの他端に上側つり合おもりが連結される。
【0003】
また、上側エレベーター用巻上機に近接して下側エレベーター用巻上機が設置されて下側巻上ロープが巻掛けられる。そして、下側巻上ロープの一端に上側エレベーターかごと同じ昇降経路を昇降する下側エレベーターかごが連結されて上側エレベーターかごの下側に配置される。また、下側巻上ロープの他端に下側つり合おもりが連結される。
【0004】
従来のエレベーター装置は上記のように構成され、上側エレベーター用巻上機、下側エレベーター用巻上機がそれぞれ付勢されて、上側エレベーターかご及び下側エレベーターかごの両者が互いに連係してそれぞれ運転される。このような構成によって同じ昇降経路を複数台のかごによって共用して輸送能力を増し、建物における床面積の利用効率を向上するようになっている。(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭60−19679号公報(第2頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のエレベーター装置では、上側エレベーターかご及び下側エレベーターかごの両者が互いに連係してそれぞれ運転される。しかし、エレベーターの制御系の故障、巻上機と巻上ロープの間の滑り等の不測の事態発生によって上記両者の相互が異常接近する恐れがあるので、これを未然に防ぐ必要があった。
【0007】
この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、上側エレベーターかご及び下側エレベーターかごの両者の一方に上記両者の他方が所定間隔を超えて接近したときに、上記両者の他方の接近昇降を制動するエレベーター装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るエレベーター装置においては、昇降路に立設された案内レールに案内されて昇降する上かごと、上かごの下側に配置され上かごを案内する案内レールに案内されて昇降路を昇降する下かごと、上かご及び下かごの両者の間に配置されて上かごを案内する案内レールに案内されて昇降路を昇降する昇降体と、この昇降体に設けられて伸縮自在に構成され、常時は伸長状態に保持されて先端が上記両者の一方に保持され昇降体を上記両者の一方と共に昇降させ、上下方向の荷重の変化によって短縮する支持装置と、昇降体に設けられて作動して昇降体の上昇を制動する上昇制動装置及び作動して昇降体の下降を制動する下降制動装置と、上記両者の他方が所定間隔を超えて昇降体に接近したときに動作する異常接近検出装置と、この異常接近検出装置の動作により作動して上昇制動装置及び下降制動装置における制動子の非制動位置保持を解除する作動器とが設けられる。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1〜図7は、この発明の実施の形態の一例を示す図で、図1はエレベーター装置を概念的に示す立面図、図2は図1の要部拡大図、図3は図2の側面図、図4は図2におけるかごの異常接近状態を示す図、図5は図4の側面図、図6は図2におけるかごの他の異常接近状態を示す図、図7は図6の側面図である。図において、昇降路1に案内レール2が互いに離れて立設され、また昇降路1の上部に上かご用巻上機3が設置される。
【0010】
そして、上かご用巻上機3に上かご用主索4が巻掛けられて、一端に案内レール2に両側が案内されて昇降する上かご5が連結され、また他端に上かご用つり合おもり6が連結される。また、上かご用巻上機3に近接して下かご用巻上機7が設置され、下かご用巻上機7に下かご用主索8が巻掛けられて、一端側に上かご5が案内される案内レール2に両側が案内されて昇降し上かご5の下側に配置された下かご9の滑車に巻掛けられて、この一端は下かご用巻上機7近くの固定部に連結される。
【0011】
また、下かご用主索8の他端側は上かご用つり合おもり6の上側に配置された下かご用つり合おもり10の滑車に巻掛けられて、この他端は下かご用巻上機7近くの固定部に連結される。そして、昇降体11が上かご5及び下かご9の両者の間に配置され、また昇降体11の長手両端にそれぞれ設けられて案内レール2に移動可能に係合した案内具12が配置される。そして、昇降体11に上かご5の下面に対向した上向き緩衝器13及び下かご9の上面に対向した下向き緩衝器14が設けられる。
【0012】
また、昇降体11に次に述べる異常接近検出装置18が設けられる。すなわち、昇降体11に固定されて長手が上下方向に配置された筒体19、筒体19に摺動自在に嵌合されて上方に突出して配置された検出棒20、筒体19内に設けられた圧縮コイルばねからなり検出棒20を上方へ付勢する付勢体21、筒体19の上端に設けられて検出棒20に係合して検出棒20を所定の上昇位置に保持する保持具及び検出棒20の筒体19に対する変位によって動作するスイッチからなる検出器22が設けられる。
【0013】
また、昇降体11に次に述べる支持装置140が設けられる。すなわち、昇降体11に固定されて長手が上下方向に配置された筒体15、筒体15に摺動自在に嵌合されて下垂して下端が下かご9の上面に載置されて保持された支持棒16及び筒体15に設けられて支持棒16に係合し、押圧体(図示しない)によって支持棒16を押圧して常時は支持棒16を筒体15から突出した所定位置に摩擦抵抗によって保持し、異常接近検出装置18の検出スイッチ22の動作により支持棒16の突出位置保持を解除する保持具17が設けられる。
【0014】
さらに、昇降体11に次に述べる上昇制動装置23が設けられる。すなわち、案内レール2の案内部が嵌合されて一方の側面に上側が案内レール2から離れる方向に傾斜した傾斜面24を有する嵌合部25、嵌合部25内に設けられて案内レール2面と傾斜面24の間に配置された「ころ」からなる制動子26、長手中間が昇降体11に枢着されて一端によって制動子26を把持状態に保持した作動腕27並びに両端がそれぞれ作動腕27の他端及び昇降体11に支持された圧縮コイルばねからなり図2において作動腕27を時計方向に付勢する付勢体28によって構成されている。
【0015】
また、昇降体11に次に述べる下降制動装置29が設けられる。すなわち、案内レール2の案内部が嵌合されて一方の側面に下側が案内レール2から離れる方向に傾斜した傾斜面30を有する嵌合部31、嵌合部31内に設けられて案内レール2面と傾斜面30の間に配置された「ころ」からなる制動子32、長手中間が昇降体11に枢着されて一端によって制動子32を把持状態に保持した作動腕33並びに両端がそれぞれ作動腕33の他端及び昇降体11に支持された圧縮コイルばねからなり図2において作動腕33を反時計方向に付勢する付勢体34によって構成されている。
【0016】
また、電磁機構からなる作動器35が昇降体11に設けられて、作動腕27及び作動腕33の反制動子側の端部に対向してそれぞれ配置される。そして、常時は消勢されて作動部36が突出し、対向した作動腕27、作動腕33の端部に掛合して作動腕27、作動腕33それぞれの付勢体による回動変位を阻止する。なお、作動器35は異常接近検出装置18の動作によって付勢されて、作動部36が後退して、対向した作動腕27、作動腕33がそれぞれ付勢体によって付勢された方向に回動変位する。
【0017】
上記のように構成されたエレベーター装置において、常時は作動器35が消勢されて、上昇制動装置23の制動子26は作動腕27によって傾斜面24の図3における上部寄り位置すなわち非制動位置に保持され、また下降制動装置29の制動子32は作動腕33によって傾斜面30の図3における下部寄り位置すなわち非制動位置に保持される。
【0018】
そして、昇降体11は常時において、支持装置140によって下かご9に支持され、下かご9の所定の上方位置に配置されて下かご9の昇降と共に昇降する。また、昇降体11に設けられた異常接近検出装置18は常時において検出棒20が上昇位置に保持される。このような状態において、常時は上かご用巻上機3、下かご用巻上機7がそれぞれ付勢されて、上かご5及び下かご9の両者が互いに連係してそれぞれ運転される。
【0019】
しかし、エレベーター装置の制御系の故障、巻上機と主索の間の滑り等の不測の事態発生によって上記両者の相互が異常接近することがある。すなわち、停止している上記両者の一方に他方が所定の間隔を超えて接近したり、上記両者が共に同方向へ昇降しているときに上記両者の一方に他方が所定の間隔を超えて接近したりして、上記両者が相対的に異常接近することがある。
【0020】
このような上記両者の相対的異常接近時に、上かご5が下降して昇降体11に接近した場合には上かご5の下面によって異常接近検出装置18の検出棒20が押し下げられる。これによって異常接近検出装置18の検出スイッチ22が動作し、この動作を介して保持具17が動作し、支持棒16は筒体15から保持が解除されて、昇降体11が下かご9から自由となると同時に、作動器35が付勢される。そして、作動器35の作動部36が後退して、対向した作動腕27、作動腕33がそれぞれの付勢体によって付勢された方向に回動変位する。
【0021】
そして、上昇制動装置23の作動腕27の回動によって制動子26は傾斜面24の図3における下部寄り位置すなわち制動位置に変位し、また下降制動装置29の作動腕33の回動によって制動子32は傾斜面30の図3における上部寄り位置すなわち制動位置に変位する。次いで、上かご5がさらに下降して上向き緩衝器13を押圧して図6及び図7に示す状態となり上かご5の下降動作が緩衝される。
【0022】
また、上向き緩衝器13による緩衝反力によって昇降体11が押し下げられるが、これにより下降制動装置29の制動子32が傾斜面30と案内レール2の間に挟圧されて、下降制動作用が発生し昇降体11の下方変位が阻止される。したがって、上向き緩衝器13による緩衝反力が昇降体11によって負担されるので、下かご9に上向き緩衝器13の緩衝反力に伴う振動、騒音が伝わることがなく、下かご9の乗客に無用な不安感を与えることがない。
【0023】
なお、上かご5の下降による異常接近検出装置18の動作によって上昇制動装置23の制動子26が制動位置に変位するものの、このときには昇降体11が押し下げられるので、制動位置に変位した制動子26によって制動作用が発生することはない。
【0024】
また、上記両者の相対的異常接近時において、下かご9が上昇して上かご5に接近した場合には昇降体11も下かご9と共に上昇する。そして、上かご5の下面によって異常接近検出装置18の検出棒20が押し下げられる。これによって異常接近検出装置18の検出スイッチ22が動作し、この動作を介して保持具17が動作し、支持棒16は筒体15から保持が解除されて、昇降体11が下かご9から自由となると同時に、作動器35が付勢される。そして、作動器35の作動部36が後退し対向した作動腕27、作動腕33が、それぞれの付勢体によって付勢された方向に回動変位する。
【0025】
そして、上昇制動装置23の作動腕27の回動によって制動子26は傾斜面24の図3における下部寄り位置すなわち制動位置に変位し、また下降制動装置29の作動腕33の回動によって制動子32は傾斜面30の図3における上部寄り位置すなわち制動位置に変位する。次いで、下かご9がさらに上昇して上面によって下向き緩衝器14を押圧して図4及び図5に示す状態となり下かご9の上昇動作が緩衝される。
【0026】
また、下向き緩衝器14による緩衝反力によって昇降体11が押し上げられるが、これにより上昇制動装置23の制動子26が傾斜面25と案内レール2の間に挟圧されて上昇制動作用が発生して昇降体11の上方変位が阻止される。したがって、下向き緩衝器14による緩衝反力が昇降体11に負担されるので、上かご5に下向き緩衝器14の緩衝反力に伴う振動、騒音が伝わることがなく、このような振動等によって上かご5の乗客に無用な不安感を与えることがない。
【0027】
なお、下かご9の上昇による異常接近検出装置18の動作によって下降制動装置29の制動子32が制動位置に変位するものの、このときには昇降体11が押し上げられるので、制動位置に変位した制動子32によって制動作用が発生することはない。
【0028】
なお、図1〜図7の実施の形態を応用して、昇降体11、上向き緩衝器13、下向き緩衝器14、支持装置140、異常接近検出装置18、上昇制動装置23、下降制動装置29、作動器35を上かご5の下面に装備した構成のエレベーター装置を容易に設計することができる。このように構成されたエレベーター装置においても、図1〜図7の実施の形態における作用を得ることができる。
【0029】
以上説明したように、上かご5及び下かご9の両者の一方に支持装置140によって昇降体11が連結され、上記両者が相対的に所定間隔を超えて接近する異常接近発生時に、昇降体11に設けられた異常接近検出装置18の検出棒20が上記両者の他方によって押し下げられて異常接近検出装置18が動作する。この動作を介して上昇制動装置23の制動子26及び下降制動装置29の制動子32が制動位置に変位する。
【0030】
そして、昇降体11に接近する上記両者の他方に対して対向した緩衝器によって上記両者の他方の昇降動作が緩衝されるので、上記両者の他方内の乗客が受けるショックを軽減することができる。また、緩衝器による緩衝反力によって昇降体11が押圧されて、上記両者の他方の昇降方向に対応した制動装置の制動作用によって上記両者の他方の昇降変位が阻止される。したがって、上記両者の他方の異常接近による障害の発生を未然に防ぐことができる。
【0031】
また、制動装置の制動作用によって上記両者の他方に対向した緩衝器による緩衝反力が昇降体11に負担されるので、上記両者の他方に対向した緩衝器の緩衝反力に伴う振動、騒音が上記両者の一方に伝わることがなく、このような振動等のために上記両者の一方内の乗客に無用な不安感が生じる不具合を未然に防止することができる。
【0032】
また異常接近検出装置18が、昇降体11に固定された筒体19、筒体19に嵌合されて突出した検出棒20、検出棒20を突出させる付勢体21を主要部材として構成される。これにより、上記両者の他方が昇降体11に接近したときに検出棒20が後退する機械的動作によって異常接近が検出されるので、誤動作の恐れがなく確実に上記両者の他方の接近を検出することができ、昇降体11の制動装置を介して上記両者の他方の異常接近による障害の発生を未然に有効に防止することができる。
【0033】
また異常接近検出装置18を、昇降体11に設けられて、例えば高周波電界を発生し、上記両者の他方が昇降体11に所定間隔を超えて接近したときの静電容量の変化等によって動作する近接スイッチからなるものとしても図1〜図7の実施の形態における作用を得ることができる。なお、この構成の場合には上記両者の他方が昇降体11に所定間隔を超えて接近したときに作動音が生じないので、運転環境を静粛化することができる。
【0034】
実施の形態2.
また、図1〜図7の実施の形態における上向き緩衝器13及び下向き緩衝器14を、昇降体11から突設されて昇降体11の要部を形成した単なる柱体からなるものとする。このように構成されたエレベーター装置において、上かご5及び下かご9の両者が相対的に所定間隔を超えて接近する異常接近発生時に、昇降体11に接近する上記両者の他方に対して対向した緩衝器によって上記両者の他方の昇降動作を緩衝する作用が得られないものの、次に述べる作用を得ることができる。
【0035】
すなわち、昇降体11に設けられた異常接近検出装置18の検出棒20が上かご5によって押し下げられて異常接近検出装置18が動作する。この動作を介して上昇制動装置23の制動子26及び下降制動装置29の制動子32が制動位置に変位する。
【0036】
そして、昇降体11に接近する上記両者の他方が対向した昇降体11の柱体に行き当たって昇降体11が押圧され、上記両者の他方の昇降方向に対応した制動装置の制動作用によって上記両者の他方の昇降変位が阻止される。このため、制動装置の制動作用によって上記両者の他方の昇降変位阻止反力が昇降体11に負担されるので、上記両者の他方の昇降変位阻止反力に伴う振動、騒音が上記両者の一方に伝わることがなく、このような振動等のために上記両者の一方内の乗客に無用な不安感が生じる不具合を未然に防止することができる。
【0037】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、昇降路に立設された案内レールに案内されて昇降する上かごと、上かごの下側に配置され上かごを案内する案内レールに案内されて昇降路を昇降する下かごと、上かご及び下かごの両者の間に配置されて上かごを案内する案内レールに案内されて昇降路を昇降する昇降体と、上記両者の他方が所定間隔を超えて昇降体に接近したときに動作する異常接近検出装置と、昇降体に設けられて伸縮自在に構成され、常時は伸長状態に保持されて先端が上記両者の一方に保持され昇降体を上記両者の一方と共に昇降させ、異常接近検出装置の動作により保持が解除される支持装置と、昇降体に設けられて作動して昇降体の上昇を制動する上昇制動装置及び作動して昇降体の下降を制動する下降制動装置と、異常接近検出装置の動作により作動して上昇制動装置及び下降制動装置における制動子の非制動位置保持を解除する作動器とを設けたものである。
【0038】
これによって、上かご及び下かごの両者が相対的に所定間隔を超えて接近する異常接近発生時に、上記両者の一方に連結された昇降体に設けられた異常接近検出装置が上記両者の他方の接近によって動作する。この異常接近検出装置の動作を介して上昇制動装置の制動子及び下降制動装置の制動子が制動位置に変位する。そして、昇降体に接近する上記両者の他方が昇降体に行き当たって昇降体が押圧され、上記両者の他方の昇降方向に対応した制動装置の制動作用によって上記両者の他方の昇降変位が阻止される。このため、制動装置の制動作用による上記両者の他方の昇降変位阻止反力が昇降体に負担されるので、上記両者の他方の昇降変位阻止反力に伴う振動、騒音が上記両者の一方に伝わることがなく、このような振動等のために上記両者の一方内の乗客に無用な不安感が生じる不具合を未然に防止する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1を示す図で、エレベーター装置を概念的に示す立面図。
【図2】図1の要部拡大図。
【図3】図2の側面図。
【図4】図2におけるかごの異常接近状態を示す図。
【図5】図4の側面図。
【図6】図2におけるかごの他の異常接近状態を示す図。
【図7】図6の側面図。
【符号の説明】
1 昇降路、 2 案内レール、 5 上かご、 9 下かご、 11 昇降体、 13 上向き緩衝器、 14 下向き緩衝器、 140 支持装置、 18 異常接近検出装置、 20 検出棒、 22 検出器、 23 上昇制動装置、 26 制動子、 29 下降制動装置、 32 制動子、 35 作動器。
【発明の属する技術分野】
この発明は、昇降路に案内レールによって形成された一つの昇降経路に複数台のかごが配置されて、これらのかごが互いに連係してそれぞれ運転されるエレベーター装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一つの昇降経路に複数台のかごが配置されて、これらのかごが互いに連係してそれぞれ運転されるエレベーター、所謂ワンシャフトマルチカーエレベーターは従来、次に述べるように構成されていた。すなわち、上側エレベーター用巻上機に上側巻上ロープが巻掛けられる。そして、上側巻上ロープの一端に上側エレベーターかごが連結され、また上側巻上ロープの他端に上側つり合おもりが連結される。
【0003】
また、上側エレベーター用巻上機に近接して下側エレベーター用巻上機が設置されて下側巻上ロープが巻掛けられる。そして、下側巻上ロープの一端に上側エレベーターかごと同じ昇降経路を昇降する下側エレベーターかごが連結されて上側エレベーターかごの下側に配置される。また、下側巻上ロープの他端に下側つり合おもりが連結される。
【0004】
従来のエレベーター装置は上記のように構成され、上側エレベーター用巻上機、下側エレベーター用巻上機がそれぞれ付勢されて、上側エレベーターかご及び下側エレベーターかごの両者が互いに連係してそれぞれ運転される。このような構成によって同じ昇降経路を複数台のかごによって共用して輸送能力を増し、建物における床面積の利用効率を向上するようになっている。(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭60−19679号公報(第2頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のエレベーター装置では、上側エレベーターかご及び下側エレベーターかごの両者が互いに連係してそれぞれ運転される。しかし、エレベーターの制御系の故障、巻上機と巻上ロープの間の滑り等の不測の事態発生によって上記両者の相互が異常接近する恐れがあるので、これを未然に防ぐ必要があった。
【0007】
この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、上側エレベーターかご及び下側エレベーターかごの両者の一方に上記両者の他方が所定間隔を超えて接近したときに、上記両者の他方の接近昇降を制動するエレベーター装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るエレベーター装置においては、昇降路に立設された案内レールに案内されて昇降する上かごと、上かごの下側に配置され上かごを案内する案内レールに案内されて昇降路を昇降する下かごと、上かご及び下かごの両者の間に配置されて上かごを案内する案内レールに案内されて昇降路を昇降する昇降体と、この昇降体に設けられて伸縮自在に構成され、常時は伸長状態に保持されて先端が上記両者の一方に保持され昇降体を上記両者の一方と共に昇降させ、上下方向の荷重の変化によって短縮する支持装置と、昇降体に設けられて作動して昇降体の上昇を制動する上昇制動装置及び作動して昇降体の下降を制動する下降制動装置と、上記両者の他方が所定間隔を超えて昇降体に接近したときに動作する異常接近検出装置と、この異常接近検出装置の動作により作動して上昇制動装置及び下降制動装置における制動子の非制動位置保持を解除する作動器とが設けられる。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1〜図7は、この発明の実施の形態の一例を示す図で、図1はエレベーター装置を概念的に示す立面図、図2は図1の要部拡大図、図3は図2の側面図、図4は図2におけるかごの異常接近状態を示す図、図5は図4の側面図、図6は図2におけるかごの他の異常接近状態を示す図、図7は図6の側面図である。図において、昇降路1に案内レール2が互いに離れて立設され、また昇降路1の上部に上かご用巻上機3が設置される。
【0010】
そして、上かご用巻上機3に上かご用主索4が巻掛けられて、一端に案内レール2に両側が案内されて昇降する上かご5が連結され、また他端に上かご用つり合おもり6が連結される。また、上かご用巻上機3に近接して下かご用巻上機7が設置され、下かご用巻上機7に下かご用主索8が巻掛けられて、一端側に上かご5が案内される案内レール2に両側が案内されて昇降し上かご5の下側に配置された下かご9の滑車に巻掛けられて、この一端は下かご用巻上機7近くの固定部に連結される。
【0011】
また、下かご用主索8の他端側は上かご用つり合おもり6の上側に配置された下かご用つり合おもり10の滑車に巻掛けられて、この他端は下かご用巻上機7近くの固定部に連結される。そして、昇降体11が上かご5及び下かご9の両者の間に配置され、また昇降体11の長手両端にそれぞれ設けられて案内レール2に移動可能に係合した案内具12が配置される。そして、昇降体11に上かご5の下面に対向した上向き緩衝器13及び下かご9の上面に対向した下向き緩衝器14が設けられる。
【0012】
また、昇降体11に次に述べる異常接近検出装置18が設けられる。すなわち、昇降体11に固定されて長手が上下方向に配置された筒体19、筒体19に摺動自在に嵌合されて上方に突出して配置された検出棒20、筒体19内に設けられた圧縮コイルばねからなり検出棒20を上方へ付勢する付勢体21、筒体19の上端に設けられて検出棒20に係合して検出棒20を所定の上昇位置に保持する保持具及び検出棒20の筒体19に対する変位によって動作するスイッチからなる検出器22が設けられる。
【0013】
また、昇降体11に次に述べる支持装置140が設けられる。すなわち、昇降体11に固定されて長手が上下方向に配置された筒体15、筒体15に摺動自在に嵌合されて下垂して下端が下かご9の上面に載置されて保持された支持棒16及び筒体15に設けられて支持棒16に係合し、押圧体(図示しない)によって支持棒16を押圧して常時は支持棒16を筒体15から突出した所定位置に摩擦抵抗によって保持し、異常接近検出装置18の検出スイッチ22の動作により支持棒16の突出位置保持を解除する保持具17が設けられる。
【0014】
さらに、昇降体11に次に述べる上昇制動装置23が設けられる。すなわち、案内レール2の案内部が嵌合されて一方の側面に上側が案内レール2から離れる方向に傾斜した傾斜面24を有する嵌合部25、嵌合部25内に設けられて案内レール2面と傾斜面24の間に配置された「ころ」からなる制動子26、長手中間が昇降体11に枢着されて一端によって制動子26を把持状態に保持した作動腕27並びに両端がそれぞれ作動腕27の他端及び昇降体11に支持された圧縮コイルばねからなり図2において作動腕27を時計方向に付勢する付勢体28によって構成されている。
【0015】
また、昇降体11に次に述べる下降制動装置29が設けられる。すなわち、案内レール2の案内部が嵌合されて一方の側面に下側が案内レール2から離れる方向に傾斜した傾斜面30を有する嵌合部31、嵌合部31内に設けられて案内レール2面と傾斜面30の間に配置された「ころ」からなる制動子32、長手中間が昇降体11に枢着されて一端によって制動子32を把持状態に保持した作動腕33並びに両端がそれぞれ作動腕33の他端及び昇降体11に支持された圧縮コイルばねからなり図2において作動腕33を反時計方向に付勢する付勢体34によって構成されている。
【0016】
また、電磁機構からなる作動器35が昇降体11に設けられて、作動腕27及び作動腕33の反制動子側の端部に対向してそれぞれ配置される。そして、常時は消勢されて作動部36が突出し、対向した作動腕27、作動腕33の端部に掛合して作動腕27、作動腕33それぞれの付勢体による回動変位を阻止する。なお、作動器35は異常接近検出装置18の動作によって付勢されて、作動部36が後退して、対向した作動腕27、作動腕33がそれぞれ付勢体によって付勢された方向に回動変位する。
【0017】
上記のように構成されたエレベーター装置において、常時は作動器35が消勢されて、上昇制動装置23の制動子26は作動腕27によって傾斜面24の図3における上部寄り位置すなわち非制動位置に保持され、また下降制動装置29の制動子32は作動腕33によって傾斜面30の図3における下部寄り位置すなわち非制動位置に保持される。
【0018】
そして、昇降体11は常時において、支持装置140によって下かご9に支持され、下かご9の所定の上方位置に配置されて下かご9の昇降と共に昇降する。また、昇降体11に設けられた異常接近検出装置18は常時において検出棒20が上昇位置に保持される。このような状態において、常時は上かご用巻上機3、下かご用巻上機7がそれぞれ付勢されて、上かご5及び下かご9の両者が互いに連係してそれぞれ運転される。
【0019】
しかし、エレベーター装置の制御系の故障、巻上機と主索の間の滑り等の不測の事態発生によって上記両者の相互が異常接近することがある。すなわち、停止している上記両者の一方に他方が所定の間隔を超えて接近したり、上記両者が共に同方向へ昇降しているときに上記両者の一方に他方が所定の間隔を超えて接近したりして、上記両者が相対的に異常接近することがある。
【0020】
このような上記両者の相対的異常接近時に、上かご5が下降して昇降体11に接近した場合には上かご5の下面によって異常接近検出装置18の検出棒20が押し下げられる。これによって異常接近検出装置18の検出スイッチ22が動作し、この動作を介して保持具17が動作し、支持棒16は筒体15から保持が解除されて、昇降体11が下かご9から自由となると同時に、作動器35が付勢される。そして、作動器35の作動部36が後退して、対向した作動腕27、作動腕33がそれぞれの付勢体によって付勢された方向に回動変位する。
【0021】
そして、上昇制動装置23の作動腕27の回動によって制動子26は傾斜面24の図3における下部寄り位置すなわち制動位置に変位し、また下降制動装置29の作動腕33の回動によって制動子32は傾斜面30の図3における上部寄り位置すなわち制動位置に変位する。次いで、上かご5がさらに下降して上向き緩衝器13を押圧して図6及び図7に示す状態となり上かご5の下降動作が緩衝される。
【0022】
また、上向き緩衝器13による緩衝反力によって昇降体11が押し下げられるが、これにより下降制動装置29の制動子32が傾斜面30と案内レール2の間に挟圧されて、下降制動作用が発生し昇降体11の下方変位が阻止される。したがって、上向き緩衝器13による緩衝反力が昇降体11によって負担されるので、下かご9に上向き緩衝器13の緩衝反力に伴う振動、騒音が伝わることがなく、下かご9の乗客に無用な不安感を与えることがない。
【0023】
なお、上かご5の下降による異常接近検出装置18の動作によって上昇制動装置23の制動子26が制動位置に変位するものの、このときには昇降体11が押し下げられるので、制動位置に変位した制動子26によって制動作用が発生することはない。
【0024】
また、上記両者の相対的異常接近時において、下かご9が上昇して上かご5に接近した場合には昇降体11も下かご9と共に上昇する。そして、上かご5の下面によって異常接近検出装置18の検出棒20が押し下げられる。これによって異常接近検出装置18の検出スイッチ22が動作し、この動作を介して保持具17が動作し、支持棒16は筒体15から保持が解除されて、昇降体11が下かご9から自由となると同時に、作動器35が付勢される。そして、作動器35の作動部36が後退し対向した作動腕27、作動腕33が、それぞれの付勢体によって付勢された方向に回動変位する。
【0025】
そして、上昇制動装置23の作動腕27の回動によって制動子26は傾斜面24の図3における下部寄り位置すなわち制動位置に変位し、また下降制動装置29の作動腕33の回動によって制動子32は傾斜面30の図3における上部寄り位置すなわち制動位置に変位する。次いで、下かご9がさらに上昇して上面によって下向き緩衝器14を押圧して図4及び図5に示す状態となり下かご9の上昇動作が緩衝される。
【0026】
また、下向き緩衝器14による緩衝反力によって昇降体11が押し上げられるが、これにより上昇制動装置23の制動子26が傾斜面25と案内レール2の間に挟圧されて上昇制動作用が発生して昇降体11の上方変位が阻止される。したがって、下向き緩衝器14による緩衝反力が昇降体11に負担されるので、上かご5に下向き緩衝器14の緩衝反力に伴う振動、騒音が伝わることがなく、このような振動等によって上かご5の乗客に無用な不安感を与えることがない。
【0027】
なお、下かご9の上昇による異常接近検出装置18の動作によって下降制動装置29の制動子32が制動位置に変位するものの、このときには昇降体11が押し上げられるので、制動位置に変位した制動子32によって制動作用が発生することはない。
【0028】
なお、図1〜図7の実施の形態を応用して、昇降体11、上向き緩衝器13、下向き緩衝器14、支持装置140、異常接近検出装置18、上昇制動装置23、下降制動装置29、作動器35を上かご5の下面に装備した構成のエレベーター装置を容易に設計することができる。このように構成されたエレベーター装置においても、図1〜図7の実施の形態における作用を得ることができる。
【0029】
以上説明したように、上かご5及び下かご9の両者の一方に支持装置140によって昇降体11が連結され、上記両者が相対的に所定間隔を超えて接近する異常接近発生時に、昇降体11に設けられた異常接近検出装置18の検出棒20が上記両者の他方によって押し下げられて異常接近検出装置18が動作する。この動作を介して上昇制動装置23の制動子26及び下降制動装置29の制動子32が制動位置に変位する。
【0030】
そして、昇降体11に接近する上記両者の他方に対して対向した緩衝器によって上記両者の他方の昇降動作が緩衝されるので、上記両者の他方内の乗客が受けるショックを軽減することができる。また、緩衝器による緩衝反力によって昇降体11が押圧されて、上記両者の他方の昇降方向に対応した制動装置の制動作用によって上記両者の他方の昇降変位が阻止される。したがって、上記両者の他方の異常接近による障害の発生を未然に防ぐことができる。
【0031】
また、制動装置の制動作用によって上記両者の他方に対向した緩衝器による緩衝反力が昇降体11に負担されるので、上記両者の他方に対向した緩衝器の緩衝反力に伴う振動、騒音が上記両者の一方に伝わることがなく、このような振動等のために上記両者の一方内の乗客に無用な不安感が生じる不具合を未然に防止することができる。
【0032】
また異常接近検出装置18が、昇降体11に固定された筒体19、筒体19に嵌合されて突出した検出棒20、検出棒20を突出させる付勢体21を主要部材として構成される。これにより、上記両者の他方が昇降体11に接近したときに検出棒20が後退する機械的動作によって異常接近が検出されるので、誤動作の恐れがなく確実に上記両者の他方の接近を検出することができ、昇降体11の制動装置を介して上記両者の他方の異常接近による障害の発生を未然に有効に防止することができる。
【0033】
また異常接近検出装置18を、昇降体11に設けられて、例えば高周波電界を発生し、上記両者の他方が昇降体11に所定間隔を超えて接近したときの静電容量の変化等によって動作する近接スイッチからなるものとしても図1〜図7の実施の形態における作用を得ることができる。なお、この構成の場合には上記両者の他方が昇降体11に所定間隔を超えて接近したときに作動音が生じないので、運転環境を静粛化することができる。
【0034】
実施の形態2.
また、図1〜図7の実施の形態における上向き緩衝器13及び下向き緩衝器14を、昇降体11から突設されて昇降体11の要部を形成した単なる柱体からなるものとする。このように構成されたエレベーター装置において、上かご5及び下かご9の両者が相対的に所定間隔を超えて接近する異常接近発生時に、昇降体11に接近する上記両者の他方に対して対向した緩衝器によって上記両者の他方の昇降動作を緩衝する作用が得られないものの、次に述べる作用を得ることができる。
【0035】
すなわち、昇降体11に設けられた異常接近検出装置18の検出棒20が上かご5によって押し下げられて異常接近検出装置18が動作する。この動作を介して上昇制動装置23の制動子26及び下降制動装置29の制動子32が制動位置に変位する。
【0036】
そして、昇降体11に接近する上記両者の他方が対向した昇降体11の柱体に行き当たって昇降体11が押圧され、上記両者の他方の昇降方向に対応した制動装置の制動作用によって上記両者の他方の昇降変位が阻止される。このため、制動装置の制動作用によって上記両者の他方の昇降変位阻止反力が昇降体11に負担されるので、上記両者の他方の昇降変位阻止反力に伴う振動、騒音が上記両者の一方に伝わることがなく、このような振動等のために上記両者の一方内の乗客に無用な不安感が生じる不具合を未然に防止することができる。
【0037】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、昇降路に立設された案内レールに案内されて昇降する上かごと、上かごの下側に配置され上かごを案内する案内レールに案内されて昇降路を昇降する下かごと、上かご及び下かごの両者の間に配置されて上かごを案内する案内レールに案内されて昇降路を昇降する昇降体と、上記両者の他方が所定間隔を超えて昇降体に接近したときに動作する異常接近検出装置と、昇降体に設けられて伸縮自在に構成され、常時は伸長状態に保持されて先端が上記両者の一方に保持され昇降体を上記両者の一方と共に昇降させ、異常接近検出装置の動作により保持が解除される支持装置と、昇降体に設けられて作動して昇降体の上昇を制動する上昇制動装置及び作動して昇降体の下降を制動する下降制動装置と、異常接近検出装置の動作により作動して上昇制動装置及び下降制動装置における制動子の非制動位置保持を解除する作動器とを設けたものである。
【0038】
これによって、上かご及び下かごの両者が相対的に所定間隔を超えて接近する異常接近発生時に、上記両者の一方に連結された昇降体に設けられた異常接近検出装置が上記両者の他方の接近によって動作する。この異常接近検出装置の動作を介して上昇制動装置の制動子及び下降制動装置の制動子が制動位置に変位する。そして、昇降体に接近する上記両者の他方が昇降体に行き当たって昇降体が押圧され、上記両者の他方の昇降方向に対応した制動装置の制動作用によって上記両者の他方の昇降変位が阻止される。このため、制動装置の制動作用による上記両者の他方の昇降変位阻止反力が昇降体に負担されるので、上記両者の他方の昇降変位阻止反力に伴う振動、騒音が上記両者の一方に伝わることがなく、このような振動等のために上記両者の一方内の乗客に無用な不安感が生じる不具合を未然に防止する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1を示す図で、エレベーター装置を概念的に示す立面図。
【図2】図1の要部拡大図。
【図3】図2の側面図。
【図4】図2におけるかごの異常接近状態を示す図。
【図5】図4の側面図。
【図6】図2におけるかごの他の異常接近状態を示す図。
【図7】図6の側面図。
【符号の説明】
1 昇降路、 2 案内レール、 5 上かご、 9 下かご、 11 昇降体、 13 上向き緩衝器、 14 下向き緩衝器、 140 支持装置、 18 異常接近検出装置、 20 検出棒、 22 検出器、 23 上昇制動装置、 26 制動子、 29 下降制動装置、 32 制動子、 35 作動器。
Claims (3)
- 昇降路に立設された案内レールに案内されて昇降する上かごと、上記上かごの下側に配置され上記案内レールに案内されて上記昇降路を昇降する下かごと、上記上かご及び下かごの両者の間に配置されて上記案内レールに案内されて上記昇降路を昇降する昇降体と、上記昇降体に設けられて伸縮自在に構成され、常時は伸長状態に保持されて先端が上記両者の一方に保持され上記昇降体を上記両者の一方と共に昇降させ、上下方向の荷重の変化によって短縮する支持装置と、上記昇降体に設けられて作動して上記昇降体の上昇を制動する上昇制動装置及び作動して上記昇降体の下降を制動する下降制動装置と、上記両者の他方が所定間隔を超えて上記昇降体に接近したときに動作する異常接近検出装置と、この異常接近検出装置の動作により作動して上記上昇制動装置及び下降制動装置における制動子の非制動位置保持を解除する作動器とを備えたエレベーター装置。
- 昇降体に設けられて上かごに対向して配置された上向き緩衝器及び上記昇降体に設けられて下かごに対向して配置された下向き緩衝器とを備えたことを特徴とする請求項1記載のエレベーター装置。
- 異常接近検出装置を、昇降体に設けられて上かご及び下かごの両者における上記昇降体が支持装置によって保持された一方に対向した上記両者の他方に向かって突出して配置されて、接近する上記両者の他方に押圧されて後退する検出棒及びこの検出棒の後退変位によって動作する検出器を有するものとしたことを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか一つに記載のエレベーター装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1577250A1 (en) * | 2002-12-24 | 2005-09-21 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Elevator |
JP2009263108A (ja) * | 2008-04-28 | 2009-11-12 | Hitachi Ltd | エレベータの位置検出装置 |
CN103663031A (zh) * | 2013-07-17 | 2014-03-26 | 太仓市鸿欣工业产品设计有限公司 | 电梯跌落急救装置 |
-
2002
- 2002-11-18 JP JP2002333462A patent/JP2004168450A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1577250A4 (en) * | 2002-12-24 | 2011-05-25 | Mitsubishi Electric Corp | ELEVATOR |
JP2009263108A (ja) * | 2008-04-28 | 2009-11-12 | Hitachi Ltd | エレベータの位置検出装置 |
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