JP2004168275A - 小型船舶用浮船台 - Google Patents
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Abstract
【課題】係留場所への運搬・設置及び浮上・沈降操作を簡便に行う。
【解決手段】浮船台1は、船体21の長手方向に向けて間隔を明けて並列に配置された一対の浮上用浮体2,3の前部寄りに前部架台用浮体8を架設して取付け、各浮上用浮体2,3の後部寄りに後部架台用浮体9を架設して取付けている。
各浮上用浮体2,3及び各架台用浮体8,9は、給気により棒状に膨らみ、排気により扁平状に萎むように防水性の可撓性シート材で形成された棒状浮袋からなっている。係留時には、緊縛用ロープ13を船体21に連結固定し、各架台用浮体8,9を同時に膨らませて船底に押し当て、次いで各浮上用浮体2,3を同時に膨らませて各架台用浮体8,9の上面が水面Wの上方になるように浮上し、船体21が水に浸からないように水平に浮上支持する。各架台用浮体8,9は、船体21を載置支持するとともに、船体21を浮上支持するようになっている。
【選択図】 図1
【解決手段】浮船台1は、船体21の長手方向に向けて間隔を明けて並列に配置された一対の浮上用浮体2,3の前部寄りに前部架台用浮体8を架設して取付け、各浮上用浮体2,3の後部寄りに後部架台用浮体9を架設して取付けている。
各浮上用浮体2,3及び各架台用浮体8,9は、給気により棒状に膨らみ、排気により扁平状に萎むように防水性の可撓性シート材で形成された棒状浮袋からなっている。係留時には、緊縛用ロープ13を船体21に連結固定し、各架台用浮体8,9を同時に膨らませて船底に押し当て、次いで各浮上用浮体2,3を同時に膨らませて各架台用浮体8,9の上面が水面Wの上方になるように浮上し、船体21が水に浸からないように水平に浮上支持する。各架台用浮体8,9は、船体21を載置支持するとともに、船体21を浮上支持するようになっている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浮船台に関し、詳細には、プレジャーボート等の小型船舶を水面の上方に浮上支持して係留する小型船舶用浮船台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平 7−242192号公報
【特許文献2】特開平 8−164893号公報
【特許文献3】特開平10−278876号公報
プレジャーボート等の小型船舶を係留する際、船体が海水等の水に浸からないように格納することが要望され、船体を載置する架台を備え、係留時には架台が浮上して船体を水面上方に支持し、出航時には架台が沈降して船体を水に浸けるようになった浮船台が各種提案されている。例えば、架台の長手方向側部にそれぞれフロートを水平位置と垂直位置に前後方向に回転可能に取付け、フロートを水平位置に固定することにより架台が浮上し、フロートを垂直位置に固定することにより架台が沈降するようになった浮船台が提案されている(例、特許文献1参照)。また、給排気導管と吸排水導管が設けられた気密室を備えた管状の浮体、又は下端が水中に開放したエアポケットが形成され、エアポケットの頂部に加圧エア供給装置が接続された浮体を架台の左右に取付け、気密室又はエアポケット内の加圧エア量を調整することにより架台を浮上・沈降させるようになった浮船台が提案されている(例、特許文献2及び3参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の浮船台は、長さ寸法が載置する船舶の船体よりもはるかに大きくなるため、広い係留場所が必要とされる。しかも、架台等が金属材製であることから、浮船台の重量が大きくなり、係留場所に運搬・設置する作業が大掛かりになる。また、前記フロートを備えた浮船台については、浮上時及び沈降時のいずれにおいても架台が傾かないように各フロートを操作する必要があり、浮上・沈降操作が煩雑であり、機械的に操作しようとする場合には複雑な操作機構が必要とされる。前記浮体を備えた浮船台については、浮上時には浮体の気密室又はエアポケット内の空気圧を順次高くして排水し、架台の上面が水面上方まで浮上した時には船体の重量と浮船台の重量の和にほぼ匹敵する支持力を発生する空気圧が必要とされるため、空気供給機構等の操作機構が大掛かりで複雑になる。等の問題点があり、実用上必ずしも十分とはいい難い状況である。
【0004】
本発明は、前記従来の状況に鑑みてなされたものであり、その課題は、船舶の船体の寸法に対応した係留場所に簡便に運搬・設置し、また浮上・沈降操作を安全かつ簡便に行い得る小型船舶用浮船台を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために、船舶を水面の上方に浮上支持して係留する小型船舶用浮船台において、給気により棒状に膨らみ、排気により扁平状に萎むように防水性の可撓性シート材で形成された棒状浮袋からなり、船体の長手方向に向けて間隔を明けて並列に配置された一対の浮上用浮体と、各浮上用浮体の長手方向の複数個所に並列に取付けられ、各浮上用浮体が互いに接近・離間しないように間隔を保持する複数の間隔保持バーと、給気により棒状に膨らみ、排気により扁平状に萎むように防水性の可撓性シート材で形成された棒状浮袋からなり、各浮上用浮体の長手方向の複数個所において各浮上用浮体上に並列に架設して取付けられた複数の架台用浮体と、各浮上用浮体に同時に給排気する浮上用給排気管と、各架台用浮体に同時に給排気する架台用給排気管とを備え、係留時には各架台用浮体を同時に膨らませて船底に押し当て、各浮上用浮体を同時に膨らませて各架台用浮体の上面が水面上方になるように浮上させ、船体が水に浸からないように浮上支持するようになっていることを特徴としている。
【0006】
なお、各架台用浮体の両端側には、係留時に船体に連結固定する緊縛用ロープが取付けられていることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図に基づいて以下に説明する。図1は本発明の実施の形態である浮船台の係留時における状態を概念的に示す平面図、図2は同じく正面図、図3は同じく側面図である。図において、1はプレジャーボート20を浮上支持して係留する浮船台、2は右側浮上用浮体、3は左側浮上用浮体である。各浮上用浮体2,3は、棒状浮袋からなり、プレジャーボートの船体21の長手方向に向けて並列に配置されている。各浮上用浮体2,3の構造は、救命ボートの素材として使用されるEPPゴム、すなわちゴムシートに布を積層したゴム材等の可撓性で伸縮性が低く、気密性及び防水性を有する可撓性シート材で棒状に成形され、加圧空気の給気により棒状に膨らみ、排気により扁平状に萎むようになっている。各浮上用浮体2,3の形状は、プレジャーボート20の船尾側が船首側より重いことから、図1に示すように、前端から後端に向けて漸次幅広に形成され、船体21の重量分布に応じた浮力を発生し、係留時に船体21が前後に傾斜しないように水平に浮上支持し得るようになっている。なお、前端から後端に向けて漸次大径となる円錐状、前端から後端まで同一径である円柱状、概ね円柱状ではあるが、後端側が上下及び/又は左右に膨らんだ形状等でもよい。いずれの形状であっても、後述する架台用浮体8,9の配置及び架台用浮体8,9と船体21との相対位置、船体21の重量等との関係に基づいて形状及び容積が設定される。
【0008】
4は、各浮上用浮体2,3が互いに接近・離間しないように保持する間隔保持バーで、図1及び図2に示すように、各浮上用浮体2,3の長手方向の3個所において両者の中心を通る水平面内で連結して取付けられている。各間隔保持バー4は、ネオプレーンゴム等の硬質ゴム、ステンレス等の防錆材からなり、ねじ又はボルト等により各浮上用浮体2,3に固定された取付座(図示せず)にねじ又はボルト等で着脱可能に取付け、又は接着剤で直接取付けられている。間隔保持バー4の取付位置は、各浮上用浮体2,3の前端寄り、後端寄り及び中央の3個所であるが、前端寄り及び後端寄りの2個所であってもよく、さらに中間の複数個所を加えてもよい。各間隔保持バー4の中央又は各浮上用浮体2,3寄りに沿って補強部材で相互に連結してもよい。間隔保持バー4を設けることにより、係留時における船体21の荷重、波動等による各浮上用浮体2,3の離反を抑え、各浮上用浮体2,3による浮力を効率よく確保し得る。
【0009】
5は、各浮上用浮体2,3の内圧を均等に維持する浮上用均圧連通管で、各浮上用浮体2,3と同一素材からなり、各浮上用浮体2,3の後端寄りに取付けられている。各浮上用浮体2,3が均圧連通管5で接続されていることにより、常時各浮上用浮体2,3の内圧が同一に維持されるため、船体21を左右に傾けないように安定して支持し得る。また、例えば係留時に右側浮上用浮体2が破損して空気漏れが生じた場合には、右側浮上用浮体2が萎むが、ほぼ同時に左側浮上用浮体3も萎むことになり、右側浮上用浮体2のみが萎まないようになっている。すなわち、いずれか一方の浮上用浮体2,3が破損した場合であっても、それぞれの空気圧がほぼ同一速度で減少して萎むことから、船体21が左右に傾くことなく、安定した姿勢で沈降するようになっている。なお、取付位置は、他の部位であってもよく、複数個所であってもよい。
【0010】
6は、浮上用給排気管で、各浮上用浮体2,3の後端に連通して取付けられている。この給排気管6は、二股状管で、二股側の各端部が右側浮上用浮体2及び左側浮上用浮体3にそれぞれ連結されている。他端には開閉弁(図示せず)が組込まれた浮上用給排気プラグ7が取付けられており、給排気時には、浮上用給排気プラグ7を船舶に搭載された給排気用空気機械(図示せず)に接続し、各浮上用浮体2,3に同時に加圧空気を供給して膨らませ、同時に吸引排気して萎ませるようになっている。給排気が終了した後には、浮上用給排気プラグ7を給排気用空気機械(図示せず)から取外すが、浮上用給排気プラグ7に組込まれた開閉弁(図示せず)が閉じることにより、各浮上用浮体2,3が膨らんだ状態又は萎んだ状態に維持される。なお、各浮上用浮体2,3には、同時に給排気し得るように給排気管が接続されていればよく、それぞれ別個の給排気管が接続されていてもよい。
【0011】
8は、船体21の前部寄りを載置支持する前部架台用浮体で、各浮上用浮体2,3の前部寄りにおける上部に架設して固定されている。9は、船体21の後部寄りを載置支持する後部架台用浮体で、各浮上用浮体2,3の後部寄りにおける上部に前部架台用浮体8に並列に架設して固定されている。各架台用浮体8,9は、浮上用浮体2,3と同一素材で成形された棒状浮袋からなっており、船体21を載置支持する架台であるが、船体21を浮上させる浮体でもあり、浮上用浮体2,3の浮上作用を補足することから、浮上用浮体2,3の小型化を図り得る。前部架台用浮体8の形状は、円柱状で、後部架台用浮体9は前部架台用浮体8よりも幅広の楕円柱状になっている。船体21の船尾側が船首側よりも重いことから、後部側架台用浮体9の方が船体21の船底との接触面積が広く、また容積が大きく設定されている。これにより、浮上開始時には、船体21を前後に大きく傾けることなく浮上させ、浮上用浮体2,3により船体21が水面上に浮上した時には、船体21を前後に大きく傾けることなく載置支持し得る。なお、各架台用浮体8,9の形状、容積等は、船体21の重量、重量分布、各浮上用浮体2,3の容積等との関係に基づいて設定され、例えばともに円柱状又は楕円柱状であってもよく、各浮上用浮体2,3よりも大径の棒状体であってもよい。
【0012】
10は、各架台用浮体8,9の内圧を均等に維持する架台用均圧連通管で、各浮上用浮体2,3と同一素材からなり、各架台用浮体8,9の右端寄りに取付けられている。各架台用浮体8,9が均圧連通管10で接続されていることにより、常時各架台用浮体8,9の内圧が同一に維持されるため、船体21を前後に傾けないように安定して支持し得る。また、例えば係留時に前部架台用浮体8が破損して空気漏れが生じた場合には、前部架台用浮体8が萎むが、ほぼ同時に後部架台用浮体9も萎むことになり、前部架台用浮体8のみが萎まないようになっている。すなわち、いずれか一方の架台用浮体8,9が破損した場合であっても、浮上用浮体2,3の場合と同様にして船体21が前後に傾かないように安定した姿勢で支持するようになっている。なお、取付位置は、他の部位であってもよく、複数個所であってもよい。
【0013】
11は、架台用給排気管で、各架台用浮体8,9の左端寄りに連通されている。この給排気管11は、二股状管で、二股側の各端部が前部架台用浮体8及び後部架台用浮体9にそれぞれ連結されている。他端には開閉弁(図示せず)が組込まれた架台用給排気プラグ12が取付けられており、給排気時には、架台用給排気プラグ12を船舶に搭載された給排気用空気機械(図示せず)に接続し、各架台用浮体8,9に同時に加圧空気を供給して膨らませ、同時に吸引排気して萎ませるようになっている。給排気が終了した後には、架台用給排気プラグ12を給排気用空気機械(図示せず)から取外すが、架台用給排気プラグ12に組込まれた開閉弁(図示せず)が閉じることにより、各架台用浮体8,9が膨らんだ状態又は萎んだ状態に維持される。なお、各架台用浮体8,9には、同時に給排気し得るように給排気管が接続されていればよく、それぞれ別個の給排気管が接続されていてもよい。
【0014】
13は、係留時に浮船台1を船体21に連結固定する緊縛用ロープで、各架台用浮体8,9の両端に取付けられ、先端には船体21に係止する係合フック14が取付けられている。船舶20の係留時、各係合フック14を図2及び図3に示すように船体21の舷側上端の所定位置に引掛け、各架台用浮体8,9に加圧空気を同時に供給する。これにより、緊縛用ロープ13は、強く緊張し、各浮上用浮体2,3を船体21の両側に対称になるように移動するとともに、各架台用浮体8,9を船底の前方寄り及び後方寄りの各所定位置に押し当たるように移動し、浮船台1を船体21に強く連結固定することになる。15は、架台用浮体8,9の船体21を載置する部位に設けられた保護当で、ネオプレーンゴム等の耐摩耗性に優れた素材からなっている。16は、錨(図示せず)を吊下げるチェーン等の錨保持索で、下端には錨(図示せず)が吊下げられている。錨保持索16は、図3に示すように、各浮上用浮体2,3の前端寄りと後端寄りにそれぞれ取付けられ、各浮上用浮体2,3を膨らませて浮船台1が浮上した時には浮船台1の漂流を阻止し、萎ませた時には水中に沈降させるようになっている。
【0015】
本実施の形態は、上記のように構成されており、その作用を使用方法とともに次に説明する。浮船台1は、各浮上用浮体2,3及び各架台用浮体8,9が萎んだ状態で水中に沈降して係留場所に設置されている。プレジャーボート20を係留する際、船体21が浮船台1のほぼ真上になるように停止する。係留場所を区画する係留ブイ(図示せず)に係止されている各係合フック14を船体21の舷側上端の所定位置に係止し、緊縛用ロープ13を船体21に連結する。次いで、架台用給排気プラグ12を船体21に搭載された給排気用空気機械(図示せず)に取付けて架台用給排気管11を接続し、給気を開始する。前部架台用浮体8及び後部架台用浮体9に同時に給気して膨らませ、それぞれ保護当15の部位において船底に押し当てる。その際、各架台用浮体8,9が膨らむことにより緊縛用ロープ13が徐々に緊張し、各浮上用浮体2,3を船体21の両側に対称になるように移動するとともに、各架台用浮体8,9を船底の前方寄り及び後方寄りの各所定位置に押し当たるように移動し、浮船台1が船体21に一体的に固定される。船体21が所定位置まで徐々に浮上し、給気圧が所定圧に達した時に給気を停止し、架台用給排気プラグ12を取外す。架台用給排気プラグ12には開閉弁(図示せず)が組込まれていることから、各架台用浮体8,9は膨らんだ状態に維持される。なお、後部架台用浮体9の容積が前部架台用浮体8よりも大きいことから、船体21を前後に傾けることなく水平に浮上支持する。各架台用浮体8,9への給気を終了した後、浮上用給排気プラグ7を給排気用空気機械(図示せず)に取付けて浮上用給排気管6を接続し、給気を開始し、右側浮上用浮体2及び左側浮上用浮体3に同時に給気する。各浮上用浮体2,3は、徐々に膨らみ、各架台用浮体8,9とともに船体21を浮上させる。図2及び図3に示すように、船体21が水面Wの上方の所定位置まで浮上し、給気圧が所定圧に達した時に給気を停止し、浮上用給排気プラグ12を取外す。浮上用給排気プラグ12には開閉弁(図示せず)が組込まれていることから、各浮上用浮体2,3は膨らんだ状態に維持される。各浮上用浮体2,3の後部側が前部側よりも容積が大きいことから、船体21を前後に傾けることなく水平に浮上支持する。なお、船体21は、各架台用浮体8,9の下部が水に浸かっていることから、各浮上用浮体2,3のみではなく各架台用浮体8,9の前記部分に作用する浮力によっても浮上支持される。
【0016】
プレジャーボート20を出航する際には、係留時とは逆の順序で操作する。先ず、浮上用給排気管6を給排気用空気機械(図示せず)に接続し、各浮上用浮体2,3から吸引排気し、吸気圧が所定圧に達した時に排気を停止する。浮船台1は、各浮上用浮体2,3が徐々に萎んで浮力が減少し、船体21、浮船台1及び錨保持索16等の重量により沈降する。各浮上用浮体2,3が同一速度で萎み、船体21は各架台用浮体8,9で浮上支持される位置まで水平状態で沈降する。
次に、架台用給排気管11を給排気用空気機械(図示せず)に接続し、各架台用浮体8,9から吸引排気し、吸気圧が所定圧に達した時に排気を停止する。浮船台1は、各架台用浮体8,9が徐々に萎んで浮力が減少し、船体21、浮船台1及び錨保持索16等の重量により沈降し、船体21が自力で浮く状態に達した時に各緊縛用ロープ13を船体21から取外し、各給排気管6,11とともに係留ブイ(図示せず)に係止する。各緊縛用ロープ13を取外した後は、浮船台1が自重及び錨保持索16等の重量により沈降し、船体21から離れる。なお、本実施の形態においては、係留時に各架台用浮体8,9の下部が水に浸かった状態になっているが、各架台用浮体8,9の下面が水面Wの上方になっていてもよい。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、浮上用浮体と架台用浮体が給気により膨らみ、排気により扁平状に萎む可撓性シート材で成形された棒状浮袋からなることから、浮船台が従来よりもはるかに軽量で小型になり、広い係留面積を必要とせず、係留場所に簡便に運搬・設置し得る。係留時、架台用浮体を膨らませて船体に押し当てた後に浮上用浮体を膨らませることから、架台用浮体と船体とを簡便に位置合わせすることができ、また架台用浮体が船底の2個所以上において全幅にわたって当接支持するため、船体を安定した状態で浮上支持し得る。各浮上用浮体に同時に給排気し、各架台用浮体に同時に給排気するようになっていることから、船体を左右前後に傾くことなく浮上・沈降させ得る。
【0018】
緊縛用ロープを備える場合には、係留時において船体に対する浮船台の位置合わせを簡便かつ迅速に行い、各架台用浮体を船体の適切な位置に押し当てることがより簡便になり、船体を浮船台に一体的に固定支持することがより確実になることから、船舶をより安定した状態で浮上支持し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の説明図で、係留時における概念的な平面図である。
【図2】同じく、正面図である。
【図3】同じく、側面図である。
【符号の説明】
1 浮船台 2 右側浮上用浮体 3 左側浮上用浮体
4 間隔保持バー 5 浮上用均圧連通管
6 浮上用給排気管 7 浮上用給排気プラグ
8 前部架台用浮体 9 後部架台用浮体
10 架台用均圧連通管 11 架台用給排気管
12 架台用給排気プラグ 13 緊縛用ロープ
14 係合フック 15 保護当 16 錨保持索
20 プレジャーボート(小型船舶) 21 船体 W 水面
【発明の属する技術分野】
本発明は、浮船台に関し、詳細には、プレジャーボート等の小型船舶を水面の上方に浮上支持して係留する小型船舶用浮船台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平 7−242192号公報
【特許文献2】特開平 8−164893号公報
【特許文献3】特開平10−278876号公報
プレジャーボート等の小型船舶を係留する際、船体が海水等の水に浸からないように格納することが要望され、船体を載置する架台を備え、係留時には架台が浮上して船体を水面上方に支持し、出航時には架台が沈降して船体を水に浸けるようになった浮船台が各種提案されている。例えば、架台の長手方向側部にそれぞれフロートを水平位置と垂直位置に前後方向に回転可能に取付け、フロートを水平位置に固定することにより架台が浮上し、フロートを垂直位置に固定することにより架台が沈降するようになった浮船台が提案されている(例、特許文献1参照)。また、給排気導管と吸排水導管が設けられた気密室を備えた管状の浮体、又は下端が水中に開放したエアポケットが形成され、エアポケットの頂部に加圧エア供給装置が接続された浮体を架台の左右に取付け、気密室又はエアポケット内の加圧エア量を調整することにより架台を浮上・沈降させるようになった浮船台が提案されている(例、特許文献2及び3参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の浮船台は、長さ寸法が載置する船舶の船体よりもはるかに大きくなるため、広い係留場所が必要とされる。しかも、架台等が金属材製であることから、浮船台の重量が大きくなり、係留場所に運搬・設置する作業が大掛かりになる。また、前記フロートを備えた浮船台については、浮上時及び沈降時のいずれにおいても架台が傾かないように各フロートを操作する必要があり、浮上・沈降操作が煩雑であり、機械的に操作しようとする場合には複雑な操作機構が必要とされる。前記浮体を備えた浮船台については、浮上時には浮体の気密室又はエアポケット内の空気圧を順次高くして排水し、架台の上面が水面上方まで浮上した時には船体の重量と浮船台の重量の和にほぼ匹敵する支持力を発生する空気圧が必要とされるため、空気供給機構等の操作機構が大掛かりで複雑になる。等の問題点があり、実用上必ずしも十分とはいい難い状況である。
【0004】
本発明は、前記従来の状況に鑑みてなされたものであり、その課題は、船舶の船体の寸法に対応した係留場所に簡便に運搬・設置し、また浮上・沈降操作を安全かつ簡便に行い得る小型船舶用浮船台を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために、船舶を水面の上方に浮上支持して係留する小型船舶用浮船台において、給気により棒状に膨らみ、排気により扁平状に萎むように防水性の可撓性シート材で形成された棒状浮袋からなり、船体の長手方向に向けて間隔を明けて並列に配置された一対の浮上用浮体と、各浮上用浮体の長手方向の複数個所に並列に取付けられ、各浮上用浮体が互いに接近・離間しないように間隔を保持する複数の間隔保持バーと、給気により棒状に膨らみ、排気により扁平状に萎むように防水性の可撓性シート材で形成された棒状浮袋からなり、各浮上用浮体の長手方向の複数個所において各浮上用浮体上に並列に架設して取付けられた複数の架台用浮体と、各浮上用浮体に同時に給排気する浮上用給排気管と、各架台用浮体に同時に給排気する架台用給排気管とを備え、係留時には各架台用浮体を同時に膨らませて船底に押し当て、各浮上用浮体を同時に膨らませて各架台用浮体の上面が水面上方になるように浮上させ、船体が水に浸からないように浮上支持するようになっていることを特徴としている。
【0006】
なお、各架台用浮体の両端側には、係留時に船体に連結固定する緊縛用ロープが取付けられていることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図に基づいて以下に説明する。図1は本発明の実施の形態である浮船台の係留時における状態を概念的に示す平面図、図2は同じく正面図、図3は同じく側面図である。図において、1はプレジャーボート20を浮上支持して係留する浮船台、2は右側浮上用浮体、3は左側浮上用浮体である。各浮上用浮体2,3は、棒状浮袋からなり、プレジャーボートの船体21の長手方向に向けて並列に配置されている。各浮上用浮体2,3の構造は、救命ボートの素材として使用されるEPPゴム、すなわちゴムシートに布を積層したゴム材等の可撓性で伸縮性が低く、気密性及び防水性を有する可撓性シート材で棒状に成形され、加圧空気の給気により棒状に膨らみ、排気により扁平状に萎むようになっている。各浮上用浮体2,3の形状は、プレジャーボート20の船尾側が船首側より重いことから、図1に示すように、前端から後端に向けて漸次幅広に形成され、船体21の重量分布に応じた浮力を発生し、係留時に船体21が前後に傾斜しないように水平に浮上支持し得るようになっている。なお、前端から後端に向けて漸次大径となる円錐状、前端から後端まで同一径である円柱状、概ね円柱状ではあるが、後端側が上下及び/又は左右に膨らんだ形状等でもよい。いずれの形状であっても、後述する架台用浮体8,9の配置及び架台用浮体8,9と船体21との相対位置、船体21の重量等との関係に基づいて形状及び容積が設定される。
【0008】
4は、各浮上用浮体2,3が互いに接近・離間しないように保持する間隔保持バーで、図1及び図2に示すように、各浮上用浮体2,3の長手方向の3個所において両者の中心を通る水平面内で連結して取付けられている。各間隔保持バー4は、ネオプレーンゴム等の硬質ゴム、ステンレス等の防錆材からなり、ねじ又はボルト等により各浮上用浮体2,3に固定された取付座(図示せず)にねじ又はボルト等で着脱可能に取付け、又は接着剤で直接取付けられている。間隔保持バー4の取付位置は、各浮上用浮体2,3の前端寄り、後端寄り及び中央の3個所であるが、前端寄り及び後端寄りの2個所であってもよく、さらに中間の複数個所を加えてもよい。各間隔保持バー4の中央又は各浮上用浮体2,3寄りに沿って補強部材で相互に連結してもよい。間隔保持バー4を設けることにより、係留時における船体21の荷重、波動等による各浮上用浮体2,3の離反を抑え、各浮上用浮体2,3による浮力を効率よく確保し得る。
【0009】
5は、各浮上用浮体2,3の内圧を均等に維持する浮上用均圧連通管で、各浮上用浮体2,3と同一素材からなり、各浮上用浮体2,3の後端寄りに取付けられている。各浮上用浮体2,3が均圧連通管5で接続されていることにより、常時各浮上用浮体2,3の内圧が同一に維持されるため、船体21を左右に傾けないように安定して支持し得る。また、例えば係留時に右側浮上用浮体2が破損して空気漏れが生じた場合には、右側浮上用浮体2が萎むが、ほぼ同時に左側浮上用浮体3も萎むことになり、右側浮上用浮体2のみが萎まないようになっている。すなわち、いずれか一方の浮上用浮体2,3が破損した場合であっても、それぞれの空気圧がほぼ同一速度で減少して萎むことから、船体21が左右に傾くことなく、安定した姿勢で沈降するようになっている。なお、取付位置は、他の部位であってもよく、複数個所であってもよい。
【0010】
6は、浮上用給排気管で、各浮上用浮体2,3の後端に連通して取付けられている。この給排気管6は、二股状管で、二股側の各端部が右側浮上用浮体2及び左側浮上用浮体3にそれぞれ連結されている。他端には開閉弁(図示せず)が組込まれた浮上用給排気プラグ7が取付けられており、給排気時には、浮上用給排気プラグ7を船舶に搭載された給排気用空気機械(図示せず)に接続し、各浮上用浮体2,3に同時に加圧空気を供給して膨らませ、同時に吸引排気して萎ませるようになっている。給排気が終了した後には、浮上用給排気プラグ7を給排気用空気機械(図示せず)から取外すが、浮上用給排気プラグ7に組込まれた開閉弁(図示せず)が閉じることにより、各浮上用浮体2,3が膨らんだ状態又は萎んだ状態に維持される。なお、各浮上用浮体2,3には、同時に給排気し得るように給排気管が接続されていればよく、それぞれ別個の給排気管が接続されていてもよい。
【0011】
8は、船体21の前部寄りを載置支持する前部架台用浮体で、各浮上用浮体2,3の前部寄りにおける上部に架設して固定されている。9は、船体21の後部寄りを載置支持する後部架台用浮体で、各浮上用浮体2,3の後部寄りにおける上部に前部架台用浮体8に並列に架設して固定されている。各架台用浮体8,9は、浮上用浮体2,3と同一素材で成形された棒状浮袋からなっており、船体21を載置支持する架台であるが、船体21を浮上させる浮体でもあり、浮上用浮体2,3の浮上作用を補足することから、浮上用浮体2,3の小型化を図り得る。前部架台用浮体8の形状は、円柱状で、後部架台用浮体9は前部架台用浮体8よりも幅広の楕円柱状になっている。船体21の船尾側が船首側よりも重いことから、後部側架台用浮体9の方が船体21の船底との接触面積が広く、また容積が大きく設定されている。これにより、浮上開始時には、船体21を前後に大きく傾けることなく浮上させ、浮上用浮体2,3により船体21が水面上に浮上した時には、船体21を前後に大きく傾けることなく載置支持し得る。なお、各架台用浮体8,9の形状、容積等は、船体21の重量、重量分布、各浮上用浮体2,3の容積等との関係に基づいて設定され、例えばともに円柱状又は楕円柱状であってもよく、各浮上用浮体2,3よりも大径の棒状体であってもよい。
【0012】
10は、各架台用浮体8,9の内圧を均等に維持する架台用均圧連通管で、各浮上用浮体2,3と同一素材からなり、各架台用浮体8,9の右端寄りに取付けられている。各架台用浮体8,9が均圧連通管10で接続されていることにより、常時各架台用浮体8,9の内圧が同一に維持されるため、船体21を前後に傾けないように安定して支持し得る。また、例えば係留時に前部架台用浮体8が破損して空気漏れが生じた場合には、前部架台用浮体8が萎むが、ほぼ同時に後部架台用浮体9も萎むことになり、前部架台用浮体8のみが萎まないようになっている。すなわち、いずれか一方の架台用浮体8,9が破損した場合であっても、浮上用浮体2,3の場合と同様にして船体21が前後に傾かないように安定した姿勢で支持するようになっている。なお、取付位置は、他の部位であってもよく、複数個所であってもよい。
【0013】
11は、架台用給排気管で、各架台用浮体8,9の左端寄りに連通されている。この給排気管11は、二股状管で、二股側の各端部が前部架台用浮体8及び後部架台用浮体9にそれぞれ連結されている。他端には開閉弁(図示せず)が組込まれた架台用給排気プラグ12が取付けられており、給排気時には、架台用給排気プラグ12を船舶に搭載された給排気用空気機械(図示せず)に接続し、各架台用浮体8,9に同時に加圧空気を供給して膨らませ、同時に吸引排気して萎ませるようになっている。給排気が終了した後には、架台用給排気プラグ12を給排気用空気機械(図示せず)から取外すが、架台用給排気プラグ12に組込まれた開閉弁(図示せず)が閉じることにより、各架台用浮体8,9が膨らんだ状態又は萎んだ状態に維持される。なお、各架台用浮体8,9には、同時に給排気し得るように給排気管が接続されていればよく、それぞれ別個の給排気管が接続されていてもよい。
【0014】
13は、係留時に浮船台1を船体21に連結固定する緊縛用ロープで、各架台用浮体8,9の両端に取付けられ、先端には船体21に係止する係合フック14が取付けられている。船舶20の係留時、各係合フック14を図2及び図3に示すように船体21の舷側上端の所定位置に引掛け、各架台用浮体8,9に加圧空気を同時に供給する。これにより、緊縛用ロープ13は、強く緊張し、各浮上用浮体2,3を船体21の両側に対称になるように移動するとともに、各架台用浮体8,9を船底の前方寄り及び後方寄りの各所定位置に押し当たるように移動し、浮船台1を船体21に強く連結固定することになる。15は、架台用浮体8,9の船体21を載置する部位に設けられた保護当で、ネオプレーンゴム等の耐摩耗性に優れた素材からなっている。16は、錨(図示せず)を吊下げるチェーン等の錨保持索で、下端には錨(図示せず)が吊下げられている。錨保持索16は、図3に示すように、各浮上用浮体2,3の前端寄りと後端寄りにそれぞれ取付けられ、各浮上用浮体2,3を膨らませて浮船台1が浮上した時には浮船台1の漂流を阻止し、萎ませた時には水中に沈降させるようになっている。
【0015】
本実施の形態は、上記のように構成されており、その作用を使用方法とともに次に説明する。浮船台1は、各浮上用浮体2,3及び各架台用浮体8,9が萎んだ状態で水中に沈降して係留場所に設置されている。プレジャーボート20を係留する際、船体21が浮船台1のほぼ真上になるように停止する。係留場所を区画する係留ブイ(図示せず)に係止されている各係合フック14を船体21の舷側上端の所定位置に係止し、緊縛用ロープ13を船体21に連結する。次いで、架台用給排気プラグ12を船体21に搭載された給排気用空気機械(図示せず)に取付けて架台用給排気管11を接続し、給気を開始する。前部架台用浮体8及び後部架台用浮体9に同時に給気して膨らませ、それぞれ保護当15の部位において船底に押し当てる。その際、各架台用浮体8,9が膨らむことにより緊縛用ロープ13が徐々に緊張し、各浮上用浮体2,3を船体21の両側に対称になるように移動するとともに、各架台用浮体8,9を船底の前方寄り及び後方寄りの各所定位置に押し当たるように移動し、浮船台1が船体21に一体的に固定される。船体21が所定位置まで徐々に浮上し、給気圧が所定圧に達した時に給気を停止し、架台用給排気プラグ12を取外す。架台用給排気プラグ12には開閉弁(図示せず)が組込まれていることから、各架台用浮体8,9は膨らんだ状態に維持される。なお、後部架台用浮体9の容積が前部架台用浮体8よりも大きいことから、船体21を前後に傾けることなく水平に浮上支持する。各架台用浮体8,9への給気を終了した後、浮上用給排気プラグ7を給排気用空気機械(図示せず)に取付けて浮上用給排気管6を接続し、給気を開始し、右側浮上用浮体2及び左側浮上用浮体3に同時に給気する。各浮上用浮体2,3は、徐々に膨らみ、各架台用浮体8,9とともに船体21を浮上させる。図2及び図3に示すように、船体21が水面Wの上方の所定位置まで浮上し、給気圧が所定圧に達した時に給気を停止し、浮上用給排気プラグ12を取外す。浮上用給排気プラグ12には開閉弁(図示せず)が組込まれていることから、各浮上用浮体2,3は膨らんだ状態に維持される。各浮上用浮体2,3の後部側が前部側よりも容積が大きいことから、船体21を前後に傾けることなく水平に浮上支持する。なお、船体21は、各架台用浮体8,9の下部が水に浸かっていることから、各浮上用浮体2,3のみではなく各架台用浮体8,9の前記部分に作用する浮力によっても浮上支持される。
【0016】
プレジャーボート20を出航する際には、係留時とは逆の順序で操作する。先ず、浮上用給排気管6を給排気用空気機械(図示せず)に接続し、各浮上用浮体2,3から吸引排気し、吸気圧が所定圧に達した時に排気を停止する。浮船台1は、各浮上用浮体2,3が徐々に萎んで浮力が減少し、船体21、浮船台1及び錨保持索16等の重量により沈降する。各浮上用浮体2,3が同一速度で萎み、船体21は各架台用浮体8,9で浮上支持される位置まで水平状態で沈降する。
次に、架台用給排気管11を給排気用空気機械(図示せず)に接続し、各架台用浮体8,9から吸引排気し、吸気圧が所定圧に達した時に排気を停止する。浮船台1は、各架台用浮体8,9が徐々に萎んで浮力が減少し、船体21、浮船台1及び錨保持索16等の重量により沈降し、船体21が自力で浮く状態に達した時に各緊縛用ロープ13を船体21から取外し、各給排気管6,11とともに係留ブイ(図示せず)に係止する。各緊縛用ロープ13を取外した後は、浮船台1が自重及び錨保持索16等の重量により沈降し、船体21から離れる。なお、本実施の形態においては、係留時に各架台用浮体8,9の下部が水に浸かった状態になっているが、各架台用浮体8,9の下面が水面Wの上方になっていてもよい。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、浮上用浮体と架台用浮体が給気により膨らみ、排気により扁平状に萎む可撓性シート材で成形された棒状浮袋からなることから、浮船台が従来よりもはるかに軽量で小型になり、広い係留面積を必要とせず、係留場所に簡便に運搬・設置し得る。係留時、架台用浮体を膨らませて船体に押し当てた後に浮上用浮体を膨らませることから、架台用浮体と船体とを簡便に位置合わせすることができ、また架台用浮体が船底の2個所以上において全幅にわたって当接支持するため、船体を安定した状態で浮上支持し得る。各浮上用浮体に同時に給排気し、各架台用浮体に同時に給排気するようになっていることから、船体を左右前後に傾くことなく浮上・沈降させ得る。
【0018】
緊縛用ロープを備える場合には、係留時において船体に対する浮船台の位置合わせを簡便かつ迅速に行い、各架台用浮体を船体の適切な位置に押し当てることがより簡便になり、船体を浮船台に一体的に固定支持することがより確実になることから、船舶をより安定した状態で浮上支持し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の説明図で、係留時における概念的な平面図である。
【図2】同じく、正面図である。
【図3】同じく、側面図である。
【符号の説明】
1 浮船台 2 右側浮上用浮体 3 左側浮上用浮体
4 間隔保持バー 5 浮上用均圧連通管
6 浮上用給排気管 7 浮上用給排気プラグ
8 前部架台用浮体 9 後部架台用浮体
10 架台用均圧連通管 11 架台用給排気管
12 架台用給排気プラグ 13 緊縛用ロープ
14 係合フック 15 保護当 16 錨保持索
20 プレジャーボート(小型船舶) 21 船体 W 水面
Claims (2)
- 船舶(20)を水面(W)の上方に浮上支持して係留する小型船舶用浮船台(1)であって、給気により棒状に膨らみ、排気により扁平状に萎むように防水性の可撓性シート材で形成された棒状浮袋からなり、船体(21)の長手方向に向けて間隔を明けて並列に配置された一対の浮上用浮体(2,3)と、各浮上用浮体(2,3)の長手方向の複数個所に並列に取付けられ、各浮上用浮体(2,3)が互いに接近・離間しないように間隔を保持する複数の間隔保持バー(4)と、給気により棒状に膨らみ、排気により扁平状に萎むように防水性の可撓性シート材で形成された棒状浮袋からなり、各浮上用浮体(2,3)の長手方向の複数個所において各浮上用浮体(2,3)上に並列に架設して取付けられた複数の架台用浮体(8,9)と、各浮上用浮体(2,3)に同時に給排気する浮上用給排気管(6)と、各架台用浮体(8,9)に同時に給排気する架台用給排気管(11)とを備え、係留時には各架台用浮体(8,9)を同時に膨らませて船底に押し当て、各浮上用浮体(2,3)を同時に膨らませて各架台用浮体(8,9)の上面が水面(W)の上方になるように浮上させ、船体(21)が水に浸からないように浮上支持するようになっていることを特徴とする小型船舶用浮船台。
- 各架台用浮体(2,3)の両端側には係留時に船体(21)に連結固定する緊縛用ロープ(13)が取付けられている請求項1記載の小型船舶用浮船台。
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-
2002
- 2002-11-15 JP JP2002369034A patent/JP2004168275A/ja active Pending
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