JP2004123086A - 水中運搬装置及びこの水中運搬装置を用いた引き上げ対象物の運搬方法 - Google Patents

水中運搬装置及びこの水中運搬装置を用いた引き上げ対象物の運搬方法 Download PDF

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Abstract

【課題】装置費用及び動力費用を低減させ、操作性に優れた水中運搬装置及びこれを利用した引き上げ対象物の運搬方法を提供する。
【解決手段】水中運搬装置は、作業船1の甲板からチェーン2aにより吊り下げられた可撓性耐圧袋体3からなり、該可撓性耐圧袋体3は少なくとも一つ以上の口金を有する中空円筒状に構成され、該口金に、引き上げ対象物を吊るす吊具と、可撓性耐圧袋体3内に気体を送気する給気ホース5と、可撓性耐圧袋体3内外の圧力差を調整するための圧力調整バルブ17を取付ける。これにより、前記可撓性耐圧袋体3が、給気ホース5からの気体の送気を受けて膨張し、その浮力により口金に連結された引き上げ対象物6である重量物を持ち上げて海中または水中を移動すると共に浮上するように構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、水中運搬装置及びこの水中運搬装置を用いた引き上げ対象物の運搬方法に係わり、更に詳しくは可撓性耐圧袋体に気体を送気し、該可撓性耐圧袋体の浮力を利用し引き上げ対象物を引き上げ所定の位置まで運搬する際、可撓性耐圧袋体の口金に設置した圧力調整機構の作用により、可撓性耐圧袋体に加わる内外の圧力差を概ね一定に保って引き上げ対象物を所定の位置まで運搬する水中運搬装置及びこの水中運搬装置を用いた引き上げ対象物の運搬方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
海中または水中における引き上げ対象物である重量物を、袋体または中空体の浮力を利用して浮上させたり、移動させることは従来から広く行われており、その装置または方法に関しての発明が多く提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−1300号公報(第2〜第3頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、海中または水中における重量物を浮上させたり、移動させるための水中運搬装置には、これを構成する浮力体としての中空体の内部に空気及び海水を導く機構を導入し、中空体の内部で空気及び海水を置換させながら浮力を維持する方式が採用されており、水中運搬装置自体の規模が大きく、装置費用に加えて、浮上又は移動に要する動力費用や操業費用が嵩むという問題があった。
【0005】
この発明はかかる従来の問題点に着目し、極めて簡単な構成で水中運搬機能を具備させることが出来、設備費用及び動力費用を低減させ、操作性に優れた水中運搬装置及びこの水中運搬装置を用いた引き上げ対象物の運搬方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記目的を達成するため、この発明の水中運搬装置は、中空円筒状の可撓性耐圧袋体に少なくとも一つ以上の口金を設け、該口金に、引き上げ対象物を吊るす吊具と、前記可撓性耐圧袋体内に気体を送気する給気手段と、前記可撓性耐圧袋体の内外の圧力差を調整するための圧力調整機構とを設けたことを要旨とするものである。
【0007】
ここで、前記圧力調整機構が、圧力調整バルブであり、この圧力調整バルブは、バルブケースに形成した排気孔にシール部材を介して排気孔を開閉させる弁体を設け、この弁体に可撓性耐圧袋体の内外の圧力差に対応させて押圧力を設定する差圧調整押圧手段を設け、この差圧調整押圧手段は、差圧調整弾性部材と、差圧調整ねじにより構成したものである。
【0008】
また、前記圧力調整機構が、排気口であり、下側または上側の口金に排気管を設けて排気管の下端を排気口とし、該排気口を下側の口金より下方に設けたものである。
【0009】
これにより、海中又は水中における水深の如何に拘わらず、可撓性耐圧袋体に加わる内外の圧力差が、圧力調整機構の作用により概ね一定に保たれるため、可撓性耐圧袋体が破壊することなく、安全性が確保できると共に、水中運搬装置としての装置費用を安価に保つことができる。
【0010】
また、この発明の水中運搬装置を用いた引き上げ対象物の運搬方法は、上記の可撓性耐圧袋体における圧力調整機構を所定の圧力差で機能するように調整し、前記可撓性耐圧袋体が自重、又は自重及び錘により水中に沈む程度に前記可撓性耐圧袋体内の空気を抜いて容積を減じた後、前記可撓性耐圧袋体を水中における引き上げ対象物の近傍まで沈下させ、該引き上げ対象物を前記可撓性耐圧袋体の口金に設けられた吊具に連結し、この状態で給気ホースから前記可撓性耐圧袋体内に気体を送気して前記引き上げ対象物が浮上する程度まで前記可撓性耐圧袋体を膨らませて前記可撓性耐圧袋体及び前記引き上げ対象物を浮上させ、前記引き上げ対象物を所定の位置まで運搬することを要旨とするものである。
【0011】
このように、可撓性耐圧袋体の口金に簡単な構成の圧力調整機構を設けたことにより、引き上げ手順を簡素化することができ、これにより引き上げ作業の操作性を良好にすることが出来ると共に、引き上げに要する動力費用を安価に保つことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。
【0013】
図1は、この発明の第1実施形態を示す水中運搬装置の使用状態を示す説明図、図2は、図1の可撓性耐圧袋体の上側の口金の断面図、図3は、図1の可撓性耐圧袋体の下側の口金の断面図、図4は、図3における圧力調整バルブの拡大断面図を示している。
【0014】
この発明の水中運搬装置は、図1に示すように、作業船1の甲板からチェーン2aにより吊り下げられた可撓性耐圧袋体3からなり、該可撓性耐圧袋体3は上下の対称位置に一対の口金4a,4bを有する中空円筒状に構成され、可撓性耐圧袋体3の上側の口金4aには、可撓性耐圧袋体3の内部に気体を送気する給気ホース5が連結されている。
【0015】
前記可撓性耐圧袋体3は、給気ホース5からの気体の送気を受けて膨張し、その浮力により下側の口金4bにチェーン2bを介して連結された引き上げ対象物6である重量物を持ち上げて海中または水中を移動すると共に浮上するように構成されている。なお、図1における符号7は、海面または水面を示し、8は、海底または水底をそれぞれ示している。
【0016】
前記上側の口金4aは、図2に示すように、面板9aと中枠10aと内蓋11aから構成され、面板9aと中枠10aがボルト12aを介して固定され、中枠10aと内蓋11aはボルト12bを介して固定されている。前記面板9aには、給気ホース5を貫通させるための流体排出孔14aが形成され、給気ホース5の先端はバルブ5aを介して内蓋11aに固定されている。また、面板9aの上面にはチェーン2aを連結するための吊具13aが固定されている。
【0017】
この実施例では、中枠10aの外周に係止部15aが形成され、該係止部15aの周囲を可撓性耐圧袋体3を補強するための補強層16が折り返されている。なお、可撓性耐圧袋体3は補強層16により補強しない場合もある。
【0018】
図3は、可撓性耐圧袋体3の下側の口金4bの断面図であって、口金4bは面板9bと中枠10bと内蓋11bからなり、面板9bと中枠10bがボルト12cを介して固定され、中枠10bと内蓋11bがボルト12dを介して固定されている。
【0019】
前記内蓋11bには、圧力調整機構を構成する圧力調整バルブ17が取り付けられており、面板9bには可撓性耐圧袋体3からの気体を放出するための貫通孔14bが形成され、また面板9bの下面にはチェーン2bを連結するための吊具13bが固定されている。中枠10bの外周には係止部15bが形成され、該係止部15bの周囲を可撓性耐圧袋体3を補強するための補強層16が折り返されている。
【0020】
図4は、図3における圧力調整機構を構成する圧力調整バルブ17の拡大断面図を示し、圧力調整バルブ17は、水を導くための貫通孔14cを有する弁蓋18と、該弁蓋18にボルト12eにより固定され、かつ底面に排気孔14dを備えた断面凹状のバルブケース19からなり、バルブケース19の内部には、弁蓋18に螺合する差圧調整ねじ20と、ばね座20aと、コイルばね等からなる差圧調整弾性部材22で弁体21を押圧する差圧調整押圧手段を構成している。
【0021】
この差圧調整押圧手段により押圧された弁体21がガスケット等のシール部材23を介してバルブケース19を押圧して可撓性耐圧袋体3の内部と外部を封鎖する。従って、差圧調整ねじ20を回転することにより弁体21のバルブケース19に形成された排気孔14dに対する押圧力が調節され、可撓性耐圧袋体3の内外の圧力差を設定するようになっている。圧力調整バルブ17は、可撓性耐圧袋体3の内圧が外圧より約3〜5kPa高めに維持されるように予め設定しておき、水中運搬装置を引き上げ対象物6に連結してから給気ホース5より圧搾空気を可撓性耐圧袋体3に送気し、引き上げ対象物6が浮上を開始した時点で圧搾空気の送気を止める。
【0022】
その後は、可撓性耐圧袋体3が浮上するのに伴ない水圧は低下するため、貫通孔14cを介してバルブケース19内に充填している水が弁体21の背面を押圧する力が低下することになり、可撓性耐圧袋体3の内圧が所定の圧力差よりも大きくなると、可撓性耐圧袋体3の内部の圧搾空気が弁体21を押し下げて排気孔14dを開口させることにより外部に放出される。可撓性耐圧袋体3の内圧が所定の差圧より小さくなると、排気孔14dは再び閉口する。
【0023】
このようにして、可撓性耐圧袋体3の内外の差圧は概ね一定に保たれることになり、水中運搬装置を稼動させている間における可撓性耐圧袋体3の内外の差圧による破壊が全くなく、安全性が保障される。
【0024】
従って、仮に、この発明による圧力調整バルブ17を備えていない可撓性耐圧袋体により深海や水深の深い箇所等で水中運搬装置を稼動させた場合には、それに応じた内圧が充填された袋体を浅瀬に移動又は地上に回収した際に、袋体が内圧に耐えられずに破壊する場合が想定される。このような危険を回避するためには予め袋体を丈夫にしておく必要がある。
【0025】
この発明の可撓性耐圧袋体3は、圧力調整バルブ17の作用により、このような袋体の破壊による事故を防ぐことができる。従って、可撓性耐圧袋体3の耐圧力を確保するために無制限に強靭な袋体にする必要がなく、水中運搬装置としての装置費用を安価に保つことができる。
【0026】
なお、上記の実施形態では、中空円筒状の可撓性耐圧袋体3の相対向する位置に一対の口金4a、4bを設けた場合を例示したが、可撓性耐圧袋体3に少なくとも一つ以上の口金を設け、該口金に吊具、給気ホース5及び圧力調整バルブ17を取付けることができる。
【0027】
次に、図1を参照しながら、この発明の水中運搬装置を利用して引き上げ対象物としての重量物を運搬する方法について述べる。
【0028】
先ず、水中における可撓性耐圧袋体3の内外の圧力差を設定するために、予め作業船1上で可撓性耐圧袋体3における圧力調整バルブ17が所定の圧力差で機能するように差圧調整ねじ20を調整すると共に、前記可撓性耐圧袋体3が自重、又は自重及び錘により水中に沈む程度に前記可撓性耐圧袋体3内の空気を抜いて袋体の容積を減じておく。
【0029】
その後、可撓性耐圧袋体3をチェーン2aに連結して水中における引き上げ対象物6(重量物)の付近まで沈下させ、引き上げ対象物6をチェーン2bにより可撓性耐圧袋体3の口金4bに設けられた吊具13b(図3参照)に連結する。ここで、可撓性耐圧袋体3の水中での沈下速度が遅い場合には、可撓性耐圧袋体3に錘を付加して行うことが好ましい。
【0030】
その状態で、給気ホース5から可撓性耐圧袋体3に加圧気体(圧搾空気)を送気して引き上げ対象物6が浮上する程度まで前記可撓性耐圧袋体3を膨らませて、前記可撓性耐圧袋体3及び引き上げ対象物6を浮上させ、浮上を開始したことを確認して送気を止めて、前記可撓性耐圧袋体3が水面近くまで浮上した後、引き上げ対象物6を可撓性耐圧袋体3と共に、又は単独で、作業船1上又は陸上又はリグ等に設置されたクレーンにより引き上げる。
【0031】
ここで、使用する可撓性耐圧袋体3の膨張時の容積は、引き上げ対象物6を引き上げる際の浮力を決定付けるものなので、想定される引き上げ対象物6の重量に応じた容積を有する可撓性耐圧袋体3が選定される。
【0032】
このように、この発明の水中運搬装置における可撓性耐圧袋体3には圧力調整バルブ17を設置したことにより、海中又は水中における水深の如何に拘わらず、可撓性耐圧袋体3に加わる内外の圧力差が概ね一定に保たれるため、安全に引き上げ対象物6を引き上げることができ、更には、これに伴い、引き上げ手順を簡素化することができるため、引き上げ作業の操作性に優れると共に、引き上げに要する動力費用を安価に保つことができる。
【0033】
なお、この発明の水中運搬装置は、海中に限定されず、湖等の水中においても実施することは可能である。
【0034】
次に、図5は、この発明の水中運搬装置の第2実施形態を示す一部拡大断面図、図6はこの第2実施形態による複数の可撓性耐圧袋体3を使用した水中運搬装置の使用状態を示す説明図である。
【0035】
この実施形態は、第1実施形態と同様に、可撓性耐圧袋体3の上側の口金4aに可撓性耐圧袋体3の内部に気体を送気する給気ホース5を接続する。また、可撓性耐圧袋体3の下側の口金4bには、圧力調整機構として、第1実施形態のような圧力調整バルブ17を使用することなく、排気口25のみを設ける。図5の実施形態は、口金4bに排気管26を設けて排気口25を排気管26の下端に設けるようにしたものである。但し、排気管26を設けずに排気口25を直接口金4bに設けることも可能である。
【0036】
そして、排気口25を圧力調整機構として使用する場合には、可撓性耐圧袋体3内の空気を抜いて袋体の容積を減じた状態で、可撓性耐圧袋体3をチェーン2aに連結して水中における引き上げ対象物6(重量物)の付近、例えば、水面から10mの位置まで沈下させ、引き上げ対象物6をチェーン2bにより可撓性耐圧袋体3の口金4bに設けられた吊具13bに連結する。
【0037】
この状態では、可撓性耐圧袋体3は外圧(水圧)により潰れているので、給気ホース5から加圧気体を送気し可撓性耐圧袋体3を徐々に膨らます。可撓性耐圧袋体3が膨らみ終えると、気体が排気口25から漏れ出すので、その泡が海上で確認されたら送気を停止する。
【0038】
この時、可撓性耐圧袋体3の内圧は排気口25の位置の外圧(水圧)と等しい。そして引き上げ対象物6を吊るした可撓性耐圧袋体3は、その浮力により徐々に上昇する。上昇にともない外圧は低下するので、可撓性耐圧袋体3内の気体は排気口25から排気される。そして、可撓性耐圧袋体3の内圧はその上下位置にかかわらず排気口25の位置の外圧(水圧)に等しい状態に保たれる。
【0039】
図5の場合は、口金4bに排気管26を設けて排気口25を排気管26の下端に設けるようにしたので、口金4bと排気口25の高低差により、可撓性耐圧袋体3の内圧と口金4bの位置での外圧(水圧)には差圧が生じる。
【0040】
例えば、排気管26の長さが1mであれば、口金4bと排気口25の高低差は約1mとなるので、可撓性耐圧袋体3の内圧は口金4bの位置で外圧より約10kPa(海水の比重が1.03とすれば10.3kPa)高い状態に保たれる。
【0041】
そして、可撓性耐圧袋体3の高さ(上部の口金4aと下部の口金4bとの距離)が5mである場合においては、可撓性耐圧袋体3の内圧は、上部の口金4aの位置での外圧(水圧)より約60kPa高くなる。即ち、可撓性耐圧袋体3の上下の位置にかかわらず、可撓性耐圧袋体3の内圧は外圧(水圧)より上方で約60kPa、下方で約10kPa高い状態に保たれる。
【0042】
なお圧力調整機構を持たない可撓性耐圧袋体3であれば、海底付近においても可撓性耐圧袋体3の膨らんだ状態を保つために海底付近の水圧より可撓性耐圧袋体3の内圧を高くし、その内圧を保持したまま、海面まで浮上してくるので可撓性耐圧袋体3の耐圧力はそれ相応に高くしなければならない。
【0043】
例えば、海底100mから引き上げ対象物6を引き上げようとする場合、可撓性耐圧袋体3の内圧は約1000kPaにしなければならない。この場合、海底付近では可撓性耐圧袋体3の内外の圧力差はわずかであるが、浮上するにつれその圧力差は上昇し、海面においては、可撓性耐圧袋体3は1000kPaの内圧を受ける。従って、可撓性耐圧袋体3の耐圧強度はそれ相応の1000kPa以上でなければならないが、図5の実施形態のような本発明の可撓性耐圧袋体3では、高々100kPaの耐圧強度を有するものであればよい。
【0044】
なお、可撓性耐圧袋体3の浮力が大きい場合は、可撓性耐圧袋体3の上昇速度が速くなるので、排気口25の開孔面積は充分広くして排気量を多くし、差圧の上昇を抑止する必要がある。
【0045】
また、図6に示すように可撓性耐圧袋体3を複数連結して使用することも可能であり、また、可撓性耐圧袋体3は横向きに使用することも可能である。
【0046】
更に、また可撓性耐圧袋体3からなる水中運搬装置は、引き上げ対象物を水中より引き上げる運搬装置としてばかりでなく、水中に設置された物体(例えば、海上の建設物を係留するチェン)に連結してその重量を軽減するための浮力体として使用することもでき、この発明の水中運搬装置はこの浮力体を含むものである。
【0047】
【発明の効果】
上記のようにこの発明の水中運搬装置は、中空円筒状の可撓性耐圧袋体に少なくとも一つ以上の口金を設け、該口金に、引き上げ対象物を吊るす吊具と、前記可撓性耐圧袋体内に気体を送気する給気ホースと、前記可撓性耐圧袋体の内外の圧力差を調整するための圧力調整機構とを設けたので、海中又は水中における水深の如何に拘わらず、可撓性耐圧袋体に加わる内外の圧力差が、圧力調整機構の作用により概ね一定に保たれるため、可撓性耐圧袋体が破壊することなく、安全性が確保できると共に、水中運搬装置としての装置費用を安価に保つことができる効果がある。
【0048】
また、この発明の水中運搬装置を用いた引き上げ対象物の運搬方法は、可撓性耐圧袋体における圧力調整機構を所定の圧力差で機能するように調整し、前記可撓性耐圧袋体が自重、又は自重及び錘により水中に沈む程度に前記可撓性耐圧袋体内の空気を抜いて容積を減じた後、前記可撓性耐圧袋体を水中における引き上げ対象物の近傍まで沈下させ、該引き上げ対象物を前記可撓性耐圧袋体の口金に設けられた吊具に連結し、この状態で給気ホースから前記可撓性耐圧袋体内に加圧気体を送気して前記引き上げ対象物が浮上する程度まで前記可撓性耐圧袋体を膨らませて前記可撓性耐圧袋体及び前記引き上げ対象物を浮上させ、前記引き上げ対象物を所定の位置まで運搬するので、可撓性耐圧袋体の口金に簡単な構成の圧力調整機構を設けたことにより、引き上げ手順を簡素化することができ、これにより引き上げ作業の操作性を良好にすることが出来ると共に、引き上げに要する動力費用を安価に保つことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態を示す中運搬装置の使用状態を示す説明図である。
【図2】図1の可撓性耐圧袋体の上側の口金の断面図である。
【図3】図1の可撓性耐圧袋体の下側の口金の断面図である。
【図4】図3における圧力調整バルブの拡大断面図である。
【図5】この発明の第2実施形態を示す水中運搬装置の一部拡大断面図である。
【図6】この発明の第2実施形態による複数の可撓性耐圧袋体を使用した水中運搬装置の使用状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 作業船           2a,2b チェーン
3 可撓性耐圧袋体       4a,4b 口金
5 給気ホース         5a バルブ
6 引き上げ対象物
7 海面または水面       8 海底または水底
9a,9b 面板        10a,10b 中枠
11a,11b 内蓋
12a,12b,12c,12d,12e ボルト
13a,13b 吊具
14a 流体排出孔       14b 貫通孔
14c 貫通孔         14d 排気孔
15a,15b 係止部     16 補強層
17 圧力調整バルブ      18 弁蓋
19 バルブケース       20 差圧調整ねじ
20a ばね座         21 弁体
22 差圧調整弾性部材     23 シール部材
25 排気口          26 排気管26
L 排気管の長さ

Claims (7)

  1. 中空円筒状の可撓性耐圧袋体に少なくとも一つ以上の口金を設け、該口金に、引き上げ対象物を吊るす吊具と、前記可撓性耐圧袋体内に気体を送気する給気手段と、前記可撓性耐圧袋体の内外の圧力差を調整するための圧力調整機構とを設けたことを特徴とする水中運搬装置。
  2. 前記圧力調整機構が、圧力調整バルブである請求項1に記載の水中運搬装置。
  3. 前記圧力調整バルブは、バルブケースに形成した排気孔にシール部材を介して排気孔を開閉させる弁体を設け、この弁体に可撓性耐圧袋体の内外の圧力差に対応させて押圧力を設定する差圧調整押圧手段を設けた請求項2に記載の水中運搬装置。
  4. 前記差圧調整押圧手段は、差圧調整弾性部材と、差圧調整ねじにより構成した請求項3に記載の水中運搬装置。
  5. 前記圧力調整機構が、排気口である請求項1に記載の水中運搬装置。
  6. 下側または上側の口金に排気管を設けて排気管の下端を排気口とし、該排気口を下側の口金より下方に設けた請求項5に記載の水中運搬装置。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の可撓性耐圧袋体における圧力調整機構を所定の圧力差で機能するように調整し、前記可撓性耐圧袋体が自重、又は自重及び錘により水中に沈む程度に前記可撓性耐圧袋体内の気体を抜いて容積を減じた後、前記可撓性耐圧袋体を水中における引き上げ対象物の近傍まで沈下させ、該引き上げ対象物を前記可撓性耐圧袋体の口金に設けられた吊具に連結し、この状態で給気ホースから前記可撓性耐圧袋体内に加圧気体を送気して前記引き上げ対象物が浮上する程度まで前記可撓性耐圧袋体を膨らませて前記可撓性耐圧袋体及び前記引き上げ対象物を浮上させ、前記引き上げ対象物を所定の位置まで運搬する水中運搬装置を用いた引き上げ対象物の運搬方法。
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