JP2004167912A - インクジェット式印字装置の吐出液の吐出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期間保存してもキャップ内が乾燥を防止し、キャップ後の印字濃度のムラを防止する。
【解決手段】本出願に係る第1の発明は、印字ヘッドと印字ヘッドをキャップする手段があるインクジェット式印字装置において、印字ヘッドをキャップ後にキャップ内に印字ヘッドから吐出液を吐出する事を特徴とする。本出願に係る第2の発明は、前記キャップには、その内側に吐出液溜まりがある事を特徴とする。
本出願に係る第3の発明は、前記キャップには、その内側に吐出液溜まりがあって、前記印字ヘッドから前記吐出液溜まり近傍のノズルから吐出する事を特徴とする。本出願に係る第4の発明は、前記吐出液溜まりには、専用の印字ヘッドによって吐出液を吐出する事を特徴とする。本出願に係る第5の発明は、専用ヘッドから吐出される吐出液は、他のヘッドから吐出液とは異なる事を特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】本出願に係る第1の発明は、印字ヘッドと印字ヘッドをキャップする手段があるインクジェット式印字装置において、印字ヘッドをキャップ後にキャップ内に印字ヘッドから吐出液を吐出する事を特徴とする。本出願に係る第2の発明は、前記キャップには、その内側に吐出液溜まりがある事を特徴とする。
本出願に係る第3の発明は、前記キャップには、その内側に吐出液溜まりがあって、前記印字ヘッドから前記吐出液溜まり近傍のノズルから吐出する事を特徴とする。本出願に係る第4の発明は、前記吐出液溜まりには、専用の印字ヘッドによって吐出液を吐出する事を特徴とする。本出願に係る第5の発明は、専用ヘッドから吐出される吐出液は、他のヘッドから吐出液とは異なる事を特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は印字装置、特にインクジェット式印字装置で、印字ヘッドと印字ヘッドをキャップする手段があるインクジェット式印字装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は、一般的な印字装置、特にインクジェット方式の外観図を示している。
【0003】
図6において、1はシャーシで、印字装置の各部品を取り付ける板金の構造体である。2はキャリッジで、図示していない印字ヘッドをヘッドコンタクト2aに接触させる事によって、本体との接続を行う。3は回復系で、インクジェット式印字ヘッドのノズルにインクを供給したり、ノズルのインクが乾かないように印字ヘッドにキャップしたりする(インクジェット方式に関しては後述)。3aがキャップで、印字ヘッドを長期間使わない時や電源オフ時に、印字ヘッドが乾かないようにキャップする。4はピンチローラで、図示していないピンチローラバネで搬送ローラ5に強く厚接される。
【0004】
7はキャリッジ軸で、キャリッジモータによってキャリッジ2がA方向に走査されなから記録紙にインクを吐出し、4ピンチローラ4と搬送ローラ5に挟まれた印字用紙がB方向に搬送しながら印字を行って行く。6はプラテンで、記録紙はプラテン6上をB方向に搬送される。
【0005】
ここでインクジェット方式の印字方式について説明しておく。
【0006】
定常状態では図7(a)に示すように、ノズル95内に充填されているインク98はインク吐出口で表面張力と外圧が平衡している。この状態でインク98を飛翔させる場合には、ノズル95内のインク電気熱変換体92に通電し、そのノズル内のインク98に核沸騰を超えて急速な温度上昇を生じさせる。すると、図7(b)に示すように、電気熱変換体92に隣接したインク98が加熱されて微小気泡(バブル)を生じ、加熱部分のインクが気化して膜沸騰を生じ、図7(c)に示すように前記気泡25が急速に成長する。
【0007】
前記気泡25が図7(d)に示す如く最大に成長すると、ノズル95内のインク吐出口94からインク液滴7が記録シートに飛翔してインク像を記録する。
【0008】
また、インク液滴7が飛翔した時、肉眼では確認が難しい微小インク9もある程度飛び散ってしまう。
【0009】
電気熱変換体92への通電を終了すると、図7(e)に示すように、成長した気泡99はノズル95内のインク98により冷却されて収縮し、更に図7(f)に示すように電気熱変換体92面にインク98が接触して急激に冷却され、気泡99は消滅するか、または殆ど無視し得る程度の体積に収縮する。そして前記気泡99が収縮すると、図7(g)に示すようにノズル95内には毛細管現象によってインク収容室97からインクが供給され、次の通電に備えるものである。
【0010】
ノズル95が乾燥するとインク98の濃度が上がり、最悪水分がなくなると吐出しなくなってしまう。
【0011】
そこで、長期間使用しない時は、印字ヘッドをキャップしてノズル95内を乾燥から守る工夫をしている。
【0012】
図8は、印字ヘッドの外観図を示している。キャリッジ2を印字ヘッド方向(下側)から見ている。
【0013】
図8において、8はキャリッジ2に取り付けた印字ヘッド面(フェース面)であり、ノズル95がB方向に600dpi程度のピッチで並んでいる。また、B方向に直交する方向(A方向)にインクの種類分、前記ノズルが並んでいる(通常4〜6列程度)。ちなみに、2bはキャリッジ軸を通す為の穴である。
【0014】
図9において、3aは回復系3の位置部品であるキャップであり、回復系3の駆動系によりC方向に上がったり下がったりする事が出来る。図9ではキャップ3aが上がった状態を示しており、キャップ先端3bが印字ヘッド面8に密着して、キャップ3a内を乾燥から守っている。
【0015】
図10はキャップ先端3bが印字ヘッド面8から離れている状態(1mm程度)を示している。キャップ3を印字ヘッド面8から離す事によって、キャリッジ2が走査可能になり、印字を行う事が出来る。
【0016】
図11は、キャップクローズのシーケンスを示している。キャップクローズとは、電源オフ等、長時間印字を行わない時に印字ヘッドをキャッピングする動作の事である。
【0017】
図11のS1でキャップクローズのコマンドを受け付けると、まずS2でワイピングの必要性を聞いてくる。ワイピングとは、印字を続けていると印字ヘッド面に飛び散ったインクが溜まってきて、吐出の障害になるので、定期的に印字ヘッド面を拭く作業の事である。必要ならS3でワイピングの動作を行う。ワイピング後は各ノズルに別の色のインクが印字ヘッド面8を拭く時に混じってしまう事があるので、キャップ内に印字とは無関係に吐出(予備吐出)を行う。
【0018】
S4ではキャップに溜まったインクを吸う為にPGモータを正転させている。
【0019】
S5では、電源オフ後に不用意にキャリッジが動いて損傷を受けないように、CRロックをキャリッジ2に引っ掛ける。また、その後、キャップ3aを印字ヘッド面8に押付ける(キャッピング、キャップクローズ)為にPGモータを逆転させている。
【0020】
S6でPGモータの逆転を停止する事によって、キャップクローズのシーケンスは終了する(S7)。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、想定された時間以上放置された場合、ノズルの水分が乾燥してインクの濃度が上がり、最初の印字の色が濃くなり、更には水分がなくなることによって吐出すら出来ない欠点があった。
【0022】
通常キャップはゴム材質で構成されていて、ある程度水分を透過する。よって、想定した時間より長く放置された場合等、キャップ内が乾燥する場合がある。そうするとノズル内の水分も蒸発し、ノズルのインク濃度が上がったり、水分がなくなったりする。そうすると印字の色が濃くなり、インクを吐出出来なくなる。
【0023】
このような状況を想定して、キャップクローズ後の印字前にはノズル内にインクを充填する為に予備吐出を行うのが通例である。近年のノズル径は高画質化によるドット径の小型化が驚異的に進み、ノズルが乾燥しやすくなっている。そこで、乾燥が余り進み過ぎると予備吐出ではノズルのインク充填が不十分になる場合がある。
【0024】
そこで本発明は、長期間保存してもキャップ内が乾燥し難い吐出液の吐出方法を提供し、キャップ後の印字濃度のムラや安定した吐出を確保し、印字品位の安定を提供する事を目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為に、本出願に係る第1の発明は、印字ヘッドと印字ヘッドをキャップする手段があるインクジェット式印字装置において、印字ヘッドをキャップ後にキャップ内に印字ヘッドから吐出液を吐出する事を特徴とする。
【0026】
第1の発明は、キャップ後にキャップ内に吐出液を吐出する事により、吐出液の水分によりキャップ内の乾燥を防ぎ、ノズルの乾燥を防ぐ事が出来る。
【0027】
本出願に係る第2の発明は、前記キャップには、その内側に吐出液溜まりがある事を特徴とする。
【0028】
本出願に係る第3の発明は、前記キャップには、その内側に吐出液溜まりがあって、前記印字ヘッドから前記吐出液溜まり近傍のノズルから吐出する事を特徴とする。
【0029】
第2、3の発明は、キャップにはその内側に吐出液溜まりを設け、更に印字ヘッドから前記吐出液溜まり近傍のノズルから吐出する事によって、キャップ内に吐出出来るインクの量を増やす事が可能となり、キャップ内の乾燥期間が延び、保存可能期間を延ばす事が出来る。キャップ内に吐出出来るインクの量を増やし、保存可能期間を延ばす事が出来る。
【0030】
本出願に係る第4の発明は、前記吐出液溜まりには、専用の印字ヘッドによって吐出液を吐出する事を特徴とする。
【0031】
第4の発明は、印字用ノズルからの距離を遠くする事により、キャップ内吐出時の吐出液のキャップからの跳ね返りによる印字ヘッドの汚れを防止出来、また、従来吐出液溜まり近傍にノズルが形成出来ない場合でも、印字に無関係なので印字ヘッド上での形成の自由度が上がり、吐出液溜まりとの位置合わせが容易になり、キャップ内に吐出出来るインクの量を増やし、保存可能期間を延ばす事が出来る。
【0032】
本出願に係る第5の発明は、専用ヘッドから吐出される吐出液は、他のヘッドから吐出液とは異なる事を特徴とする。
【0033】
第5の発明は、吐出液溜まり用ヘッドから吐出される吐出液は、他のヘッドから吐出液(インクジェット用インク)とは変え、インクジェット用に安定した吐出を確保する成分のみとし、インク成分は除く。このようにする事によって、吐出液が乾燥後の堆積物の量が著しく減らす事が可能となり、吐出液溜まりへの吐出液の溜め量を確保出来、キャップ内に吐出出来るインクの量を減らす事を防ぎ、キャップ内の乾燥を防ぐ期間を減らす事がなくなったので、保存可能期間を減らさない事が出来る。
【0034】
近年のノズル径は高画質化によるドット径の小型化が驚異的に進み、ノズルが乾燥しやすくなっている。そこで、乾燥が余り進み過ぎると予備吐出ではノズルのインク充填が不十分になる場合がある。本発明によれば、長期間保存してもキャップ内が乾燥し難い吐出液の吐出方法を提供し、キャップ後の印字濃度のムラや安定した吐出を確保し、印字品位の安定が可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、複数の実施例に基づき、図面を参照して詳細に説明する。
【0036】
(実施例1)
図1は、本発明による第1の実施例を示したキャップクローズのシーケンスを示している。キャップクローズとは、電源オフ等、長時間印字を行わない時に印字ヘッドをキャッピングする動作の事である。
【0037】
図1のS1でキャップクローズのコマンドを受け付けると、まずS2でワイピングの必要性を聞いてくる。ワイピングとは、印字を続けていると印字ヘッド面に飛び散ったインクが溜まってきて、吐出の障害になるので、定期的に印字ヘッド面を拭く作業の事である。必要ならS3でワイピングの動作を行う。ワイピング後は各ノズルに別の色のインクが印字ヘッド面8を拭く時に混じってしまう事があるので、キャップ内に印字とは無関係に吐出(予備吐出)を行う。
【0038】
S4ではキャップに溜まったインクを吸う為にPGモータを正転させている。
【0039】
S5では、電源オフ後に不用意にキャリッジが動いて損傷を受けないように、CRロックをキャリッジ2に引っ掛ける。また、その後、キャップ3aを印字ヘッド面8に押付ける(キャッピング、キャップクローズ)為にPGモータを逆転させている。
【0040】
S6でPGモータの逆転を停止する事によって、キャップクローズを終了する。
【0041】
S7では、キャップをクロース状態のまま、キャップ内に吐出する。吐出する場所(ノズル)、色、発数(吐出量)は、見込み保存期間、吐出液乾燥時の堆積状態等により最適化する。その後、S8で終了する。
【0042】
図2はキャップオープン状態の断面である。
【0043】
図2において、10はキャップ吸収体で、多孔質材で出来ている。キャップ内に予備吐出した後インクを吸引するが、キャップ吸収体10がないと吸引穴3c周辺紙しか吸引出来ない。キャップ全域のインクを吸引する為にキャップ吸収体10が存在する。95は図7で説明したヘッドに構成されたノズルである。
【0044】
図3はキャップクローズ状態を示していて、印字ヘッド面8とキャップ先端3bが密着している。11は吐出インクで、ノズル95から吐出される。キャップクローズされたまま吐出された吐出インク11は、多孔質材のインク吸収体10に蓄えられる事になる(吸収される)。
【0045】
以上説明したように、従来は、キャップ内に多少付着していたインクがキャップ内に残っているが、通常キャップはゴム材質で構成されていて、ある程度水分を透過する。よって、想定した時間より長く放置された場合等、キャップ内が早く乾燥しやすく、そうするとノズル内の水分も蒸発し、ノズルのインク濃度が上がったり、水分がなくなったりする。そうすると印字の色が濃くなり、インクを吐出出来なくなる。その為にノズルが乾燥しやすくなり、乾燥が余り進み過ぎると予備吐出ではノズルのインク充填が不十分になる場合がある。
【0046】
本発明によれば、長期間保存してもキャップ内が乾燥し難い吐出液の吐出方法を提供し、キャップ後の印字濃度のムラや安定した吐出を確保し、印字品位の安定が可能となる。キャップ後にキャップ内に吐出液を吐出する事により、キャップ吸収体に吐出液が保持され、吐出液の水分によりキャップ内の乾燥長期に渡って防ぎ、ノズルの乾燥を防ぐ事が出来た。
【0047】
(実施例2)
図4は本発明による第2の実施例を示している。
【0048】
実施例1ではキャップ吸収体10が保持できる以上の吐出をしても、キャップ吸収体から溢れた吐出液で印字ヘッド面8を汚して吐出が不安定になり、吸引穴から漏れて吐出液が無駄になるといった欠点があった。印字ヘッド面8に吐出液インクが付着してノズルを塞いだり、また保存で固着したりすると、吐出の妨げになる場合がある。
【0049】
図4において、3dはキャップ3aの一部に設けられた吐出液溜まりである。また、12は吐出液溜まりに溜まった吐出液である。キャップ3aには吸引穴3c等があり、キャップ全域に吐出液溜まり3dを設ける事は困難な場合が多い。そこで、キャップ吸収体10がほぼ飽和するまでキャップ後の吐出をした後は、吐出液溜まり近傍のノズル100から選択的に吐出を行う。吐出液近傍ノズルから吐出された吐出液101は、多少インク吸収体10で拡散しようとするが、既にほぼ飽和状態なので、大半は吐出液溜まりに落ちて溜める事が出来る(12)。
【0050】
以上説明したように、キャップにはその内側に吐出液溜まりを設け、更に印字ヘッドから前記吐出液溜まり近傍のノズルから吐出する事によって、キャップ内に吐出出来るインクの量を増やす事が可能となり、キャップ内の乾燥期間が延び、保存可能期間を延ばす事が出来る。
【0051】
(実施例3)
実施例1でキャップ吸収体10に吐出すると、その吐出条件(吐出速度、吐出径)によってはキャップ吸収体10で吐出液が跳ね返り、印字ヘッド面8を汚してしまい、安定した吐出の妨げになる場合があった。また、実施例2では吐出液溜まりがノズル近傍に必ずしも設けられない場合があった。
【0052】
図5は本発明によるヘッドの外観図である。102は吐出液溜まり用ノズルである。前記ノズル102は、印字用ノズル95から離れていて、かつ、真下またはその近傍に吐出液溜まりがある。
【0053】
印字用ノズル95から離れた位置に吐出液溜まり用ノズル102を設けたので、キャップクローズ後にキャップ吸収体10に吐出して吐出液の跳ね返りがあったとしても、印字用ノズル95に影響はない。吐出液溜まり用ノズル102は吐出が不安定になっても(真っ直ぐ吐出しない等)、印字には使わず吐出液を溜めるだけの目的なので、全く問題はない。また、印字に使わないので印字ヘッド8上に形成する上での設計上の自由度が大きく、吐出液溜まりとの位置合わせが容易になる。
【0054】
以上説明したように、印字用ノズルからの距離を遠くする事により、キャップ内吐出時の吐出液のキャップからの跳ね返りによる印字ヘッドの汚れを防止出来、また、従来、吐出液溜まり近傍にノズルが形成出来ない場合でも、印字に無関係なので印字ヘッド上での形成の自由度が上がり、吐出液溜まりとの位置合わせが容易になり、キャップ内に吐出出来るインクの量を増やし、保存可能期間を延ばす事が出来た。
【0055】
(実施例4)
実施例2,3では吐出液はインクジェット用インクで、染料系や顔料系インクであり、乾燥後、吐出液溜まりにそのインク成分がたまり、吐出液溜め量が減ってしまう欠点があった。
【0056】
吐出液溜まり用ヘッドから吐出される吐出液は、他のヘッドから吐出液(インクジェット用インク)とは変える。インクジェット用に安定した吐出を確保する成分のみとし、インク成分は除く。このようにする事によって、吐出液が乾燥後の堆積物の量が著しく減らす事が可能となり、吐出液溜まりへの吐出液の溜め量を確保出来、キャップ内に吐出出来るインクの量を減らす事を防ぎ、キャップ内の乾燥を防ぐ期間を減らす事がなくなったので、保存可能期間を減らさない事が出来た。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、上記目的を達成する為に、本出願に係る第1の発明は、印字ヘッドと印字ヘッドをキャップする手段があるインクジェット式印字装置において、印字ヘッドをキャップ後にキャップ内に印字ヘッドから吐出液を吐出する事を特徴とする。
【0058】
第1の発明は、キャップ後にキャップ内に吐出液を吐出する事により、吐出液の水分によりキャップ内の乾燥を防ぎ、ノズルの乾燥を防ぐ事が出来た。
【0059】
本出願に係る第2の発明は、前記キャップには、その内側に吐出液溜まりがある事を特徴とする。
【0060】
本出願に係る第3の発明は、前記キャップには、その内側に吐出液溜まりがあって、前記印字ヘッドから前記吐出液溜まり近傍のノズルから吐出する事を特徴とする。
【0061】
第2、3の発明は、キャップにはその内側に吐出液溜まりを設け、更に印字ヘッドから前記吐出液溜まり近傍のノズルから吐出する事によって、キャップ内に吐出出来るインクの量を増やす事が可能となり、キャップ内の乾燥期間が延び、保存可能期間を延ばす事が出来る。キャップ内に吐出出来るインクの量を増やし、保存可能期間を延ばす事が出来た。
【0062】
本出願に係る第4の発明は、前記吐出液溜まりには、専用の印字ヘッドによって吐出液を吐出する事を特徴とする。
【0063】
第4の発明は、印字用ノズルからの距離を遠くする事により、キャップ内吐出時の吐出液のキャップからの跳ね返りによる印字ヘッドの汚れを防止出来、また、従来吐出液溜まり近傍にノズルが形成出来ない場合でも、印字に無関係なので印字ヘッド上での形成の自由度が上がり、吐出液溜まりとの位置合わせが容易になり、キャップ内に吐出出来るインクの量を増やし、保存可能期間を延ばす事が出来た。
【0064】
本出願に係る第5の発明は、専用ヘッドから吐出される吐出液は、他のヘッドから吐出液とは異なる事を特徴とする。
【0065】
第5の発明は、吐出液溜まり用ヘッドから吐出される吐出液は、他のヘッドから吐出液(インクジェット用インク)とは変え、インクジェット用に安定した吐出を確保する成分のみとし、インク成分は除く。このようにする事によって、吐出液が乾燥後の堆積物の量が著しく減らす事が可能となり、吐出液溜まりへの吐出液の溜め量を確保出来、キャップ内に吐出出来るインクの量を減らす事を防ぎ、キャップ内の乾燥を防ぐ期間を減らす事がなくなったので、保存可能期間を減らさない事が出来た。
【0066】
近年のノズル径は高画質化によるドット径の小型化が驚異的に進み、ノズルが乾燥しやすくなっている。そこで、乾燥が余り進み過ぎると予備吐出ではノズルのインク充填が不十分になる場合がある。本発明によれば、長期間保存してもキャップ内が乾燥し難い吐出液の吐出方法を提供し、キャップ後の印字濃度のムラや安定した吐出を確保し、印字品位の安定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施例のフローチャート
【図2】本発明による第2の実施例の断面図(キャップオープン)
【図3】本発明による第1の実施例の断面図(キャップクローズ)
【図4】本発明による第2の実施例の断面図
【図5】本発明による第3の実施例の外観図
【図6】インクジェット式印字装置の外観図
【図7】インクジェット方式の説明図
【図8】一般的なインクジェット式の印字ヘッド外観図
【図9】キャップオープン状態の外観図
【図10】キャップクローズ状態の外観図
【図11】従来のキャップクローズのフローチャート
【符号の説明】
2 キャリッジ
3a キャップ
3b キャップ先端
3c 吸引用穴
3d 吐出液溜まり
8 印字ヘッド
10 キャップ吸収体
95 印字用ノズル
100 吐出液溜まり近傍のノズル
101 吐出液近傍ノズルから吐出された吐出液
102 吐出液溜まり用ノズル
【発明の属する技術分野】
本発明は印字装置、特にインクジェット式印字装置で、印字ヘッドと印字ヘッドをキャップする手段があるインクジェット式印字装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は、一般的な印字装置、特にインクジェット方式の外観図を示している。
【0003】
図6において、1はシャーシで、印字装置の各部品を取り付ける板金の構造体である。2はキャリッジで、図示していない印字ヘッドをヘッドコンタクト2aに接触させる事によって、本体との接続を行う。3は回復系で、インクジェット式印字ヘッドのノズルにインクを供給したり、ノズルのインクが乾かないように印字ヘッドにキャップしたりする(インクジェット方式に関しては後述)。3aがキャップで、印字ヘッドを長期間使わない時や電源オフ時に、印字ヘッドが乾かないようにキャップする。4はピンチローラで、図示していないピンチローラバネで搬送ローラ5に強く厚接される。
【0004】
7はキャリッジ軸で、キャリッジモータによってキャリッジ2がA方向に走査されなから記録紙にインクを吐出し、4ピンチローラ4と搬送ローラ5に挟まれた印字用紙がB方向に搬送しながら印字を行って行く。6はプラテンで、記録紙はプラテン6上をB方向に搬送される。
【0005】
ここでインクジェット方式の印字方式について説明しておく。
【0006】
定常状態では図7(a)に示すように、ノズル95内に充填されているインク98はインク吐出口で表面張力と外圧が平衡している。この状態でインク98を飛翔させる場合には、ノズル95内のインク電気熱変換体92に通電し、そのノズル内のインク98に核沸騰を超えて急速な温度上昇を生じさせる。すると、図7(b)に示すように、電気熱変換体92に隣接したインク98が加熱されて微小気泡(バブル)を生じ、加熱部分のインクが気化して膜沸騰を生じ、図7(c)に示すように前記気泡25が急速に成長する。
【0007】
前記気泡25が図7(d)に示す如く最大に成長すると、ノズル95内のインク吐出口94からインク液滴7が記録シートに飛翔してインク像を記録する。
【0008】
また、インク液滴7が飛翔した時、肉眼では確認が難しい微小インク9もある程度飛び散ってしまう。
【0009】
電気熱変換体92への通電を終了すると、図7(e)に示すように、成長した気泡99はノズル95内のインク98により冷却されて収縮し、更に図7(f)に示すように電気熱変換体92面にインク98が接触して急激に冷却され、気泡99は消滅するか、または殆ど無視し得る程度の体積に収縮する。そして前記気泡99が収縮すると、図7(g)に示すようにノズル95内には毛細管現象によってインク収容室97からインクが供給され、次の通電に備えるものである。
【0010】
ノズル95が乾燥するとインク98の濃度が上がり、最悪水分がなくなると吐出しなくなってしまう。
【0011】
そこで、長期間使用しない時は、印字ヘッドをキャップしてノズル95内を乾燥から守る工夫をしている。
【0012】
図8は、印字ヘッドの外観図を示している。キャリッジ2を印字ヘッド方向(下側)から見ている。
【0013】
図8において、8はキャリッジ2に取り付けた印字ヘッド面(フェース面)であり、ノズル95がB方向に600dpi程度のピッチで並んでいる。また、B方向に直交する方向(A方向)にインクの種類分、前記ノズルが並んでいる(通常4〜6列程度)。ちなみに、2bはキャリッジ軸を通す為の穴である。
【0014】
図9において、3aは回復系3の位置部品であるキャップであり、回復系3の駆動系によりC方向に上がったり下がったりする事が出来る。図9ではキャップ3aが上がった状態を示しており、キャップ先端3bが印字ヘッド面8に密着して、キャップ3a内を乾燥から守っている。
【0015】
図10はキャップ先端3bが印字ヘッド面8から離れている状態(1mm程度)を示している。キャップ3を印字ヘッド面8から離す事によって、キャリッジ2が走査可能になり、印字を行う事が出来る。
【0016】
図11は、キャップクローズのシーケンスを示している。キャップクローズとは、電源オフ等、長時間印字を行わない時に印字ヘッドをキャッピングする動作の事である。
【0017】
図11のS1でキャップクローズのコマンドを受け付けると、まずS2でワイピングの必要性を聞いてくる。ワイピングとは、印字を続けていると印字ヘッド面に飛び散ったインクが溜まってきて、吐出の障害になるので、定期的に印字ヘッド面を拭く作業の事である。必要ならS3でワイピングの動作を行う。ワイピング後は各ノズルに別の色のインクが印字ヘッド面8を拭く時に混じってしまう事があるので、キャップ内に印字とは無関係に吐出(予備吐出)を行う。
【0018】
S4ではキャップに溜まったインクを吸う為にPGモータを正転させている。
【0019】
S5では、電源オフ後に不用意にキャリッジが動いて損傷を受けないように、CRロックをキャリッジ2に引っ掛ける。また、その後、キャップ3aを印字ヘッド面8に押付ける(キャッピング、キャップクローズ)為にPGモータを逆転させている。
【0020】
S6でPGモータの逆転を停止する事によって、キャップクローズのシーケンスは終了する(S7)。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、想定された時間以上放置された場合、ノズルの水分が乾燥してインクの濃度が上がり、最初の印字の色が濃くなり、更には水分がなくなることによって吐出すら出来ない欠点があった。
【0022】
通常キャップはゴム材質で構成されていて、ある程度水分を透過する。よって、想定した時間より長く放置された場合等、キャップ内が乾燥する場合がある。そうするとノズル内の水分も蒸発し、ノズルのインク濃度が上がったり、水分がなくなったりする。そうすると印字の色が濃くなり、インクを吐出出来なくなる。
【0023】
このような状況を想定して、キャップクローズ後の印字前にはノズル内にインクを充填する為に予備吐出を行うのが通例である。近年のノズル径は高画質化によるドット径の小型化が驚異的に進み、ノズルが乾燥しやすくなっている。そこで、乾燥が余り進み過ぎると予備吐出ではノズルのインク充填が不十分になる場合がある。
【0024】
そこで本発明は、長期間保存してもキャップ内が乾燥し難い吐出液の吐出方法を提供し、キャップ後の印字濃度のムラや安定した吐出を確保し、印字品位の安定を提供する事を目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為に、本出願に係る第1の発明は、印字ヘッドと印字ヘッドをキャップする手段があるインクジェット式印字装置において、印字ヘッドをキャップ後にキャップ内に印字ヘッドから吐出液を吐出する事を特徴とする。
【0026】
第1の発明は、キャップ後にキャップ内に吐出液を吐出する事により、吐出液の水分によりキャップ内の乾燥を防ぎ、ノズルの乾燥を防ぐ事が出来る。
【0027】
本出願に係る第2の発明は、前記キャップには、その内側に吐出液溜まりがある事を特徴とする。
【0028】
本出願に係る第3の発明は、前記キャップには、その内側に吐出液溜まりがあって、前記印字ヘッドから前記吐出液溜まり近傍のノズルから吐出する事を特徴とする。
【0029】
第2、3の発明は、キャップにはその内側に吐出液溜まりを設け、更に印字ヘッドから前記吐出液溜まり近傍のノズルから吐出する事によって、キャップ内に吐出出来るインクの量を増やす事が可能となり、キャップ内の乾燥期間が延び、保存可能期間を延ばす事が出来る。キャップ内に吐出出来るインクの量を増やし、保存可能期間を延ばす事が出来る。
【0030】
本出願に係る第4の発明は、前記吐出液溜まりには、専用の印字ヘッドによって吐出液を吐出する事を特徴とする。
【0031】
第4の発明は、印字用ノズルからの距離を遠くする事により、キャップ内吐出時の吐出液のキャップからの跳ね返りによる印字ヘッドの汚れを防止出来、また、従来吐出液溜まり近傍にノズルが形成出来ない場合でも、印字に無関係なので印字ヘッド上での形成の自由度が上がり、吐出液溜まりとの位置合わせが容易になり、キャップ内に吐出出来るインクの量を増やし、保存可能期間を延ばす事が出来る。
【0032】
本出願に係る第5の発明は、専用ヘッドから吐出される吐出液は、他のヘッドから吐出液とは異なる事を特徴とする。
【0033】
第5の発明は、吐出液溜まり用ヘッドから吐出される吐出液は、他のヘッドから吐出液(インクジェット用インク)とは変え、インクジェット用に安定した吐出を確保する成分のみとし、インク成分は除く。このようにする事によって、吐出液が乾燥後の堆積物の量が著しく減らす事が可能となり、吐出液溜まりへの吐出液の溜め量を確保出来、キャップ内に吐出出来るインクの量を減らす事を防ぎ、キャップ内の乾燥を防ぐ期間を減らす事がなくなったので、保存可能期間を減らさない事が出来る。
【0034】
近年のノズル径は高画質化によるドット径の小型化が驚異的に進み、ノズルが乾燥しやすくなっている。そこで、乾燥が余り進み過ぎると予備吐出ではノズルのインク充填が不十分になる場合がある。本発明によれば、長期間保存してもキャップ内が乾燥し難い吐出液の吐出方法を提供し、キャップ後の印字濃度のムラや安定した吐出を確保し、印字品位の安定が可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、複数の実施例に基づき、図面を参照して詳細に説明する。
【0036】
(実施例1)
図1は、本発明による第1の実施例を示したキャップクローズのシーケンスを示している。キャップクローズとは、電源オフ等、長時間印字を行わない時に印字ヘッドをキャッピングする動作の事である。
【0037】
図1のS1でキャップクローズのコマンドを受け付けると、まずS2でワイピングの必要性を聞いてくる。ワイピングとは、印字を続けていると印字ヘッド面に飛び散ったインクが溜まってきて、吐出の障害になるので、定期的に印字ヘッド面を拭く作業の事である。必要ならS3でワイピングの動作を行う。ワイピング後は各ノズルに別の色のインクが印字ヘッド面8を拭く時に混じってしまう事があるので、キャップ内に印字とは無関係に吐出(予備吐出)を行う。
【0038】
S4ではキャップに溜まったインクを吸う為にPGモータを正転させている。
【0039】
S5では、電源オフ後に不用意にキャリッジが動いて損傷を受けないように、CRロックをキャリッジ2に引っ掛ける。また、その後、キャップ3aを印字ヘッド面8に押付ける(キャッピング、キャップクローズ)為にPGモータを逆転させている。
【0040】
S6でPGモータの逆転を停止する事によって、キャップクローズを終了する。
【0041】
S7では、キャップをクロース状態のまま、キャップ内に吐出する。吐出する場所(ノズル)、色、発数(吐出量)は、見込み保存期間、吐出液乾燥時の堆積状態等により最適化する。その後、S8で終了する。
【0042】
図2はキャップオープン状態の断面である。
【0043】
図2において、10はキャップ吸収体で、多孔質材で出来ている。キャップ内に予備吐出した後インクを吸引するが、キャップ吸収体10がないと吸引穴3c周辺紙しか吸引出来ない。キャップ全域のインクを吸引する為にキャップ吸収体10が存在する。95は図7で説明したヘッドに構成されたノズルである。
【0044】
図3はキャップクローズ状態を示していて、印字ヘッド面8とキャップ先端3bが密着している。11は吐出インクで、ノズル95から吐出される。キャップクローズされたまま吐出された吐出インク11は、多孔質材のインク吸収体10に蓄えられる事になる(吸収される)。
【0045】
以上説明したように、従来は、キャップ内に多少付着していたインクがキャップ内に残っているが、通常キャップはゴム材質で構成されていて、ある程度水分を透過する。よって、想定した時間より長く放置された場合等、キャップ内が早く乾燥しやすく、そうするとノズル内の水分も蒸発し、ノズルのインク濃度が上がったり、水分がなくなったりする。そうすると印字の色が濃くなり、インクを吐出出来なくなる。その為にノズルが乾燥しやすくなり、乾燥が余り進み過ぎると予備吐出ではノズルのインク充填が不十分になる場合がある。
【0046】
本発明によれば、長期間保存してもキャップ内が乾燥し難い吐出液の吐出方法を提供し、キャップ後の印字濃度のムラや安定した吐出を確保し、印字品位の安定が可能となる。キャップ後にキャップ内に吐出液を吐出する事により、キャップ吸収体に吐出液が保持され、吐出液の水分によりキャップ内の乾燥長期に渡って防ぎ、ノズルの乾燥を防ぐ事が出来た。
【0047】
(実施例2)
図4は本発明による第2の実施例を示している。
【0048】
実施例1ではキャップ吸収体10が保持できる以上の吐出をしても、キャップ吸収体から溢れた吐出液で印字ヘッド面8を汚して吐出が不安定になり、吸引穴から漏れて吐出液が無駄になるといった欠点があった。印字ヘッド面8に吐出液インクが付着してノズルを塞いだり、また保存で固着したりすると、吐出の妨げになる場合がある。
【0049】
図4において、3dはキャップ3aの一部に設けられた吐出液溜まりである。また、12は吐出液溜まりに溜まった吐出液である。キャップ3aには吸引穴3c等があり、キャップ全域に吐出液溜まり3dを設ける事は困難な場合が多い。そこで、キャップ吸収体10がほぼ飽和するまでキャップ後の吐出をした後は、吐出液溜まり近傍のノズル100から選択的に吐出を行う。吐出液近傍ノズルから吐出された吐出液101は、多少インク吸収体10で拡散しようとするが、既にほぼ飽和状態なので、大半は吐出液溜まりに落ちて溜める事が出来る(12)。
【0050】
以上説明したように、キャップにはその内側に吐出液溜まりを設け、更に印字ヘッドから前記吐出液溜まり近傍のノズルから吐出する事によって、キャップ内に吐出出来るインクの量を増やす事が可能となり、キャップ内の乾燥期間が延び、保存可能期間を延ばす事が出来る。
【0051】
(実施例3)
実施例1でキャップ吸収体10に吐出すると、その吐出条件(吐出速度、吐出径)によってはキャップ吸収体10で吐出液が跳ね返り、印字ヘッド面8を汚してしまい、安定した吐出の妨げになる場合があった。また、実施例2では吐出液溜まりがノズル近傍に必ずしも設けられない場合があった。
【0052】
図5は本発明によるヘッドの外観図である。102は吐出液溜まり用ノズルである。前記ノズル102は、印字用ノズル95から離れていて、かつ、真下またはその近傍に吐出液溜まりがある。
【0053】
印字用ノズル95から離れた位置に吐出液溜まり用ノズル102を設けたので、キャップクローズ後にキャップ吸収体10に吐出して吐出液の跳ね返りがあったとしても、印字用ノズル95に影響はない。吐出液溜まり用ノズル102は吐出が不安定になっても(真っ直ぐ吐出しない等)、印字には使わず吐出液を溜めるだけの目的なので、全く問題はない。また、印字に使わないので印字ヘッド8上に形成する上での設計上の自由度が大きく、吐出液溜まりとの位置合わせが容易になる。
【0054】
以上説明したように、印字用ノズルからの距離を遠くする事により、キャップ内吐出時の吐出液のキャップからの跳ね返りによる印字ヘッドの汚れを防止出来、また、従来、吐出液溜まり近傍にノズルが形成出来ない場合でも、印字に無関係なので印字ヘッド上での形成の自由度が上がり、吐出液溜まりとの位置合わせが容易になり、キャップ内に吐出出来るインクの量を増やし、保存可能期間を延ばす事が出来た。
【0055】
(実施例4)
実施例2,3では吐出液はインクジェット用インクで、染料系や顔料系インクであり、乾燥後、吐出液溜まりにそのインク成分がたまり、吐出液溜め量が減ってしまう欠点があった。
【0056】
吐出液溜まり用ヘッドから吐出される吐出液は、他のヘッドから吐出液(インクジェット用インク)とは変える。インクジェット用に安定した吐出を確保する成分のみとし、インク成分は除く。このようにする事によって、吐出液が乾燥後の堆積物の量が著しく減らす事が可能となり、吐出液溜まりへの吐出液の溜め量を確保出来、キャップ内に吐出出来るインクの量を減らす事を防ぎ、キャップ内の乾燥を防ぐ期間を減らす事がなくなったので、保存可能期間を減らさない事が出来た。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、上記目的を達成する為に、本出願に係る第1の発明は、印字ヘッドと印字ヘッドをキャップする手段があるインクジェット式印字装置において、印字ヘッドをキャップ後にキャップ内に印字ヘッドから吐出液を吐出する事を特徴とする。
【0058】
第1の発明は、キャップ後にキャップ内に吐出液を吐出する事により、吐出液の水分によりキャップ内の乾燥を防ぎ、ノズルの乾燥を防ぐ事が出来た。
【0059】
本出願に係る第2の発明は、前記キャップには、その内側に吐出液溜まりがある事を特徴とする。
【0060】
本出願に係る第3の発明は、前記キャップには、その内側に吐出液溜まりがあって、前記印字ヘッドから前記吐出液溜まり近傍のノズルから吐出する事を特徴とする。
【0061】
第2、3の発明は、キャップにはその内側に吐出液溜まりを設け、更に印字ヘッドから前記吐出液溜まり近傍のノズルから吐出する事によって、キャップ内に吐出出来るインクの量を増やす事が可能となり、キャップ内の乾燥期間が延び、保存可能期間を延ばす事が出来る。キャップ内に吐出出来るインクの量を増やし、保存可能期間を延ばす事が出来た。
【0062】
本出願に係る第4の発明は、前記吐出液溜まりには、専用の印字ヘッドによって吐出液を吐出する事を特徴とする。
【0063】
第4の発明は、印字用ノズルからの距離を遠くする事により、キャップ内吐出時の吐出液のキャップからの跳ね返りによる印字ヘッドの汚れを防止出来、また、従来吐出液溜まり近傍にノズルが形成出来ない場合でも、印字に無関係なので印字ヘッド上での形成の自由度が上がり、吐出液溜まりとの位置合わせが容易になり、キャップ内に吐出出来るインクの量を増やし、保存可能期間を延ばす事が出来た。
【0064】
本出願に係る第5の発明は、専用ヘッドから吐出される吐出液は、他のヘッドから吐出液とは異なる事を特徴とする。
【0065】
第5の発明は、吐出液溜まり用ヘッドから吐出される吐出液は、他のヘッドから吐出液(インクジェット用インク)とは変え、インクジェット用に安定した吐出を確保する成分のみとし、インク成分は除く。このようにする事によって、吐出液が乾燥後の堆積物の量が著しく減らす事が可能となり、吐出液溜まりへの吐出液の溜め量を確保出来、キャップ内に吐出出来るインクの量を減らす事を防ぎ、キャップ内の乾燥を防ぐ期間を減らす事がなくなったので、保存可能期間を減らさない事が出来た。
【0066】
近年のノズル径は高画質化によるドット径の小型化が驚異的に進み、ノズルが乾燥しやすくなっている。そこで、乾燥が余り進み過ぎると予備吐出ではノズルのインク充填が不十分になる場合がある。本発明によれば、長期間保存してもキャップ内が乾燥し難い吐出液の吐出方法を提供し、キャップ後の印字濃度のムラや安定した吐出を確保し、印字品位の安定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施例のフローチャート
【図2】本発明による第2の実施例の断面図(キャップオープン)
【図3】本発明による第1の実施例の断面図(キャップクローズ)
【図4】本発明による第2の実施例の断面図
【図5】本発明による第3の実施例の外観図
【図6】インクジェット式印字装置の外観図
【図7】インクジェット方式の説明図
【図8】一般的なインクジェット式の印字ヘッド外観図
【図9】キャップオープン状態の外観図
【図10】キャップクローズ状態の外観図
【図11】従来のキャップクローズのフローチャート
【符号の説明】
2 キャリッジ
3a キャップ
3b キャップ先端
3c 吸引用穴
3d 吐出液溜まり
8 印字ヘッド
10 キャップ吸収体
95 印字用ノズル
100 吐出液溜まり近傍のノズル
101 吐出液近傍ノズルから吐出された吐出液
102 吐出液溜まり用ノズル
Claims (5)
- 印字ヘッドと印字ヘッドをキャップする手段があるインクジェット式印字装置において、印字ヘッドをキャップ後にキャップ内に印字ヘッドから吐出液を吐出する事を特徴とする、インクジェット式印字装置の吐出液の吐出方法。
- 前記キャップには、その内側に吐出液溜まりがある事を特徴とする、インクジェット式印字装置の吐出液の吐出方法。
- 前記キャップには、その内側に吐出液溜まりがあって、前記印字ヘッドから前記吐出液溜まり近傍のノズルから吐出する事を特徴とする、インクジェット式印字装置の吐出液の吐出方法。
- 前記吐出液溜まりには、専用の印字ヘッドによって吐出液を吐出する事を特徴とする、インクジェット式印字装置の吐出液の吐出方法。
- 専用ヘッドから吐出される吐出液は、他のヘッドから吐出液とは異なる事を特徴とする、インクジェット式印字装置の吐出液の吐出方法。
Priority Applications (1)
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JP2002337969A JP2004167912A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | インクジェット式印字装置の吐出液の吐出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002337969A JP2004167912A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | インクジェット式印字装置の吐出液の吐出方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015058696A (ja) * | 2013-09-20 | 2015-03-30 | キヤノンファインテック株式会社 | インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法 |
US9421775B2 (en) | 2013-09-20 | 2016-08-23 | Canon Finetech Inc. | Inkjet printing apparatus and method for controlling inkjet printing apparatus |
-
2002
- 2002-11-21 JP JP2002337969A patent/JP2004167912A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015058696A (ja) * | 2013-09-20 | 2015-03-30 | キヤノンファインテック株式会社 | インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法 |
US9421775B2 (en) | 2013-09-20 | 2016-08-23 | Canon Finetech Inc. | Inkjet printing apparatus and method for controlling inkjet printing apparatus |
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