JP2004167567A - レーザ溶接装置、及びレーザ溶接方法 - Google Patents

レーザ溶接装置、及びレーザ溶接方法 Download PDF

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JP2004167567A JP2002337122A JP2002337122A JP2004167567A JP 2004167567 A JP2004167567 A JP 2004167567A JP 2002337122 A JP2002337122 A JP 2002337122A JP 2002337122 A JP2002337122 A JP 2002337122A JP 2004167567 A JP2004167567 A JP 2004167567A
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佐知 八若
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Abstract

【課題】重ね溶接に対して高精度な溶接を可能とするレーザ溶接装置、及びレーザ溶接方法を提供する。
【解決手段】架台上に載置された重合される加工対象物21−1、21−2に、出射ハウジング14からレーザ光を照射させて前記加工対象物の重ね溶接を行うレーザ溶接装置において、前記出射ハウジングに、前記加工対象物を前記架台に押圧させるための、先端部が開口された押え治具62を有することにより上記課題を解決する。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ溶接装置、及びレーザ溶接方法に係り、特に、重合される加工対象物の重ね溶接において高精度なレーザ溶接を行うためのレーザ溶接装置、及びレーザ溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザ光を加工対象物に照射して溶接を行うレーザ溶接は、レーザビームの焦点位置を常に照射部分の所定の位置に保つことが、溶接部の品質を確保する上で重要である。また、重合させるために加工対象物を重ねて溶接する時に、加工対象物間の隙間(ギャップ)を少なくすることも良好な溶接加工を行うための重要な条件となる。
【0003】
特に、レーザにより重ね溶接を行う場合、接合する材料間に存在するギャップが大きいと、穴あき、溶け落ち等が発生し、良好な溶接が得られにくい。また、材料の厚さが小さいほどギャップの影響が大きいため、特に薄材溶接を行う場合はギャップを極力押えることが必要不可欠となる。
【0004】
そこで、従来では、重ね合わせた溶接部を上下方向から対向して挟持する固定フランジと可動フランジを具備した治具をレーザビーム照射ノズルに上下方向位置を調節可能に取り付け、前記可動フランジに重ね合わせ溶接部に所定の隙間を形成した状態で固定する固定具を設けたレーザ溶接加工装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、レーザを発射するノズルの先端部にレーザビームを挟んで一対の加圧用ローラを配置し、この加圧ローラで加工対象物を押圧することにより、ワークのギャップ量を低減する方法がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
実開平6−66880号公報。
【0007】
【特許文献2】
特開2001−38380号公報。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の場合は、治具が大がかりになるばかりでなく、薄材の重ねスポット溶接を行う場合、場所によっては加圧力が弱いところが発生し、加工不良個所が生じてしまう。
【0009】
また、特許文献2の場合は、加工対象物の溶接部分のギャップを押えることができ、ローラの回転方向についてはローラを回転させながらの処理ができるが、回転方向に対して垂直な方向への移動については、ローラを持ち上げる等の動作が必要となり、また、加工対象物が箔等の薄い場合はローラの回転により加工対象物がよれてしまう可能性があるため、高精度な溶接を行うことができない。更に、加工対象物に段差等があった場合は、その段差に伴う特別な制御が別途必要となるため、全体の加工制御が複雑なものとなってしまう。
【0010】
更に、加工対象物形状が変更に伴い、治具の再製作及び制御が必要になる点からも、作業効率の低下をもたらすことになる。
【0011】
本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、特に、重ね溶接に対して高精度な溶接加工を可能とするレーザ溶接装置、及びレーザ溶接方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本件発明は、以下の特徴を有する課題を解決するための手段を採用している。
【0013】
請求項1に記載された発明は、架台上に載置された重合される加工対象物に、出射ハウジングからレーザ光を照射させて前記加工対象物の重ね溶接を行うレーザ溶接装置において、前記出射ハウジングに、前記加工対象物を前記架台に押圧させるための、先端部が開口された押え治具を有することを特徴とする。
【0014】
請求項1記載の発明によれば、押え治具を用いて重合させる加工対象物を押圧することにより、ギャップ等の発生を防止することができ、高精度な溶接加工を行うことができる。
【0015】
請求項2に記載された発明は、前記押え治具は、先端部が円型に開口されていることを特徴とする。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、加工点から均一な間隔をおいた領域を押圧させることができる。
【0017】
請求項3に記載された発明は、前記押え治具は、当該押え治具の先端部に緩衝材を有することを特徴とする。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、加工対象物を損傷させることがなく高精度なレーザ加工を行うことができる。
【0019】
請求項4に記載された発明は、前記押え治具は、側面に少なくとも1つの開口部を有することを特徴とする。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、例えば、シールドガスを利用した溶接加工を行う場合に、導入されるシールドガスにより押え治具内が高圧になり、浮き上がる等の問題もなく、押圧を正確に行うことができ高精度な溶接を行うことができる。
【0021】
また、押え治具は、加工対象物を押圧する機能とシールドガスノズルとしての機能を兼ね備えることができる。
【0022】
請求項5に記載された発明は、前記開口部は、前記押え治具の側面の先端部に有することを特徴とする。ここで、先端部とは、押え治具の先端付近のことを指し、開口部の外周を形成する部分が、先端部に接しているか、押え治具全体からみて先端部に近い位置にあるものである。
【0023】
請求項5記載の発明によれば、シールドガスの利用効果である溶接部分の酸化防止やスパッタ等の飛散防止等を阻害せずに、シールドガスを排出することができる。
【0024】
請求項6に記載された発明は、前記出射ハウジングより出射される前記レーザ光が、前記押え治具の先端部が作る面上に焦点を結ぶことを特徴とする。
【0025】
請求項6記載の発明によれば、微細な溶接を行うことができ高精度な重ね溶接を行うことができる。
【0026】
請求項7に記載された発明は、架台上に載置された重合される加工対象物に、先端部が開口された押え治具を有する出射ハウジングからレーザ光を照射させて前記加工対象物の重ね溶接を行うレーザ溶接方法において、前記加工対象物を、前記架台と前記押え治具とにより押圧させて前記レーザ光を照射することにより重ね溶接を行うことを特徴とする。
【0027】
請求項7記載の発明によれば、押え治具を用いて重合させる加工対象物を押圧することにより、ギャップ等の発生を防止することができ、高精度な溶接加工を行うことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明は、レーザによる重ね溶接を行う場合に、加工対象物の溶接位置の周辺を押え治具により押圧することにより、重ねられた加工対象物間のギャップ量を低減し、高精度なレーザ溶接を可能にする。更に、シールドガスを押え治具の内部から加工対象物に噴射された場合にも、シールドガスを排出することができる機構を設けることにより高精度なレーザ溶接を可能する。
【0029】
次に、本発明における実施の形態について、図を用いて説明する。
【0030】
図1は、本発明におけるレーザ溶接装置の第1の実施形態を示す図である。
【0031】
図1のレーザ溶接装置は、レーザ発振器11と、ハウジング移動制御部12と、制御部13と、出射ハウジング14と、反射ミラー15と、集光レンズ16と、押え治具17と、CCTV(Closed Circuit TeleVision)18と、モニタ19とを有するよう構成されている。また、重ねられた加工対象物21は、架台20上に固定されている。
【0032】
制御部13は、レーザ発振器11からのレーザ光の出射タイミングとハウジング移動制御部12による出射ハウジング14の位置決め動作のタイミングとを制御し、所定の位置へのレーザ溶接を的確に行えるようにしている。また、レーザ発振器11から出射ハウジング14までは、ハウジングの移動によるレーザ光の伝送損失等の影響がないようファイバ等にて接続されている。なお、レーザ発振器11から出射されるレーザ光としては、一般的なYAGレーザやCOレーザ等を使用する。
【0033】
出射ハウジング14は、反射ミラー15と、集光レンズ16があり、所望の集光を行った後、加工対象物21へレーザを照射する。また、出射ハウジング14の下部には、加工対象物21を押えるための押え治具17が取り付けられており、架台20と押え治具17とにより重ねられた加工対象物21を押圧することでギャップ量を低減することができる。なお、本発明における押え治具は、加工点から均一な間隔をおいた領域を押圧させるために、先端部が円型に開口されたものとし、例えば、断面が台形となる円錐、または円筒等の形状を用いることができる。
【0034】
また、出射ハウジング14の上部には、カメラとモニタ受像機とをケーブルを介して接続するCCTV18が設置されており、モニタ19を介して加工点の加工の様子を確認することができる。
【0035】
次に、動作について説明する。まず、制御部13は、ハウジング移動制御部12に対して出射ハウジング14が所定の加工位置へ移動し加工対象物を押圧するための制御信号を送る。ハウジング制御部12は、受け取った制御信号に基づいて出射ハウジング14を移動させる。次に、制御部13は、レーザ発振器11に対して所定のレーザ光を出射するよう制御信号を送る。レーザ発振器11は、制御信号に基づいてレーザ光を出射する。
【0036】
レーザ発振器11から出射されたレーザ光は、ファイバを通り出射ハウジング14に入力する。出射ハウジング14では、反射ミラー15において加工対象物21が載置されている架台20のある方向へレーザ光を反射し、更に、集光レンズ16によりレーザ光を集光させて加工対象物21に照射させて、加工が行われる。また、加工の内容は、CCTV18にて撮影されモニタ19により加工状況を随時確認することができる。また、CCTV18には、後で加工内容を参照するために、撮影した内容を記録装置等に記録しておくこともできる。
【0037】
次に、出射ハウジング14に設置された押え治具を用いた加工の様子について説明する。
【0038】
図2は、出射ハウジングの移動と加工内容を説明する一例の図である。図2に示すようにハウジング移動制御部12は、制御部13からの制御信号により、出射ハウジング14をX方向、Y方向に移動可能である共に、Z方向に移動することにより、押え治具17が重ねられた加工対象物21を架台20との間で押えつけることにより、ギャップ量を低減することができ、更に、ギャップ量を低減した状態で加工対象点にレーザを照射して溶接加工を行うことで高精度なスポット溶接を行うことができる。
【0039】
また、より微細な加工を行うためには、レーザ光の焦点が加工対象物の加工面にくるよう押え治具の先端部を調整する。ここで、上述の内容を図を用いて説明する。
【0040】
図3は、本発明における加工対象物へのレーザ照射の様子を示す一例の図である。図3には、加工対象物21−1及び21−2が重ねられて、架台20の上に載置されている。
【0041】
図3に示すように、架台20と押え治具17とにより、加工対象物21−1及び21−2を押圧して溶接を行う場合に、レーザ光の加工点31がレーザ光の焦点となるように調整することにより、高精度な加工対象物21−1及び21−2の重ね溶接を行うことができる。
【0042】
なお、本発明において重ねられる加工対象物21の枚数は、上述の限りではなく、2枚以上でも同様の処理を行うことができる。その場合は、押圧力を強くしたり、照射するレーザの出力を上げる等により適切な溶接ができるように調整を行う。
【0043】
また、良好な溶接状態を得るために許容されるギャップ量は、板厚の1/10以下となることが好ましい。また、加工対象物21の板厚が小さいほど、ギャップ許容量も小さいため、例えば、加工対象物21が箔材を更に薄肉化したものである場合、押え治具17の先端径を小さくするか、押圧力を大きくすることにより容易に対応することができる。更に、押え治具17の先端開口部の内径は、照射するスポットの大きさを確実に上回る範囲でできるだけ小さい方が、加工点でも加圧力が大きくなるので好ましい。
【0044】
例えば、レーザ発振器11としてGSI―Lumonics社製JK702H等を使用し、加工対象物21をNi系合金箔材(15μm)、またはステンレス系平板材として重ね溶接を行うものとすると、出射するレーザのエネルギー密度が8.8×10J/P・cmの場合、上述のエネルギー密度における押え治具17の先端径はΦ5.0mm程度のものがよい。
【0045】
ここで、加工対象物21が押え治具17と架台20とに押圧される場合に、押え治具17との接地部分が損傷して加工対象物21の品質を悪くすることがないようにするため、押え治具17の先端部分に緩衝材を取り付けておくこともできる。ここで、上述の内容を図を用いて説明する。
【0046】
図4は、本発明における押え治具の一構成例を示す図である。なお、図4(a)は、押え治具の側面図を示す図であり、図4(b)は、押え治具の開口面(先端部)側から見た図である。図4に示すように、押え治具17の先端縁部に緩衝材41を取り付けることにより、押え治具17と架台20による押圧時に、加工対象物21を損傷させることがなく高精度なレーザ加工を行うことができる。なお、緩衝材41には、ゴム材もしくはスポンジ等を使用することができる。
【0047】
また、緩衝材41の厚さが大きい場合に押える力が弱くなってしまうため、重合される加工対象物の重ねられている枚数、加工対象物の強度、成分等により調整を行う。
【0048】
また、押え治具17の材質については、耐久性を考慮した場合には、金属が好ましいが、テフロン(登録商標)かまたはそれと同程度の硬さの材質であればよい。
【0049】
上述したように、本発明における押え治具を備えたレーザ溶接装置により、箔等の薄材の重ね溶接加工においても、高精度な溶接加工を行うことができる。
【0050】
また、押え治具17を上下動させて移動を行うため、加工対象物の形状が変わる場合にも同一の装置構成にて対応することができ、また、加工対象物の加工位置間の移動中に段差がある場合にも、特別な制御を追加する必要がなく容易に位置決めを行うことができる。
【0051】
ここで、上述したレーザ溶接装置においては、出射ハウジング14を移動することにより、所望の溶接地点での溶接を行うが、本発明においてはこの限りではなく、例えば、加工対象物が載置された架台を移動させる架台移動制御部をレーザ溶接装置に備え、制御部は、レーザ発振器と架台移動制御部とを制御することにより、レーザ溶接を行うこともできる。ここで、上述の内容を図を用いて説明する。
【0052】
図5は、本発明におけるレーザ溶接装置の第2の実施形態を示す図である。
【0053】
図5のレーザ溶接装置は、レーザ発振器11と、架台移動制御部51と、制御部52と、出射ハウジング14と、反射ミラー15と、集光レンズ16と、押え治具17と、CCTV18と、モニタ19と、架台20とを有するよう構成されている。
【0054】
制御部52は、レーザ発振器11からのレーザ光の出射タイミングと、架台移動制御部51による架台20の位置決め動作のタイミングとを制御し、所定の位置へのレーザ溶接を的確に行えるようにしている。また、出射ハウジング14は、固定されているため、レーザ発振器11から出射ハウジング14までは、固定のレーザ光路であるため、ケーブルを用いなくてもよい。
【0055】
上述の構成により架台20を架台移動制御部51により移動させることで、加工対象物21を所定の加工位置に移動し、また、架台20と押え治具17とで押圧してギャップ量を低減し高精度な溶接を行うことができる。なお、レーザ溶接装置の第2の実施形態の具体的な動作については、第1の実施形態におけるハウジング移動制御部12と架台移動制御部51とを置き換えるだけであるため、ここでの説明は省略する。
【0056】
ここで、レーザ加工において加工部分の酸化防止や集光レンズにスパッタ等の飛散物が付着することを防止するために、加工を行うためのレーザと共にシールドガスを噴出させることで、レーザ加工をより高精度で行えるようにしている。このとき、押え治具17にて加工対象物21を押圧しているためシールドガスの排出できず高圧により押え治具が浮き上がってしまう。
【0057】
そこで、シールドガスを使用する加工において、押え治具内からガスを逃がすための排出用の開口部(穴)を設けることにより、シールドガスの利用を加工にして高精度なレーザ加工を行う。
【0058】
図6は、本発明におけるシールドガスを流れを説明するレーザの照射部分の拡大図である。
【0059】
図6において、出射ハウジング14に設置されたシールドガス導入部61によりシールドガスを導入する。なお、シールドガスとしては、不活性ガスであるアルゴンガスやヘリウムガス等が使用されている。一方、押え治具62の先端部にはシールドガスを逃がすための開口部として、押え治具62の先端から切り欠かれた切欠部63を少なくとも1つ以上設け、その切欠部63により押え治具62内に導入されたシールドガスを排出することができる。
【0060】
これにより、導入されたシールドガスにより押え治具内が高圧になり、浮き上がる等の問題もなく、押圧を正確に行うことができ、高精度な溶接加工を行うことができる。更に、押え治具は、加工対象物を押圧する機能とシールドガスノズルとしての機能を兼ね備えることができる。
【0061】
なお、切欠部63の形状は、図6においては、三角形状のものを示しているが、本発明においてはこの限りではなく、例えば、先端部に接する半円状のものであってもよい。
【0062】
また、ガスを排出するために押え治具の側面に設けられた開口部は、押さ治具の先端部から切り欠かれている必要がなく、シールドガスの利用効果である溶接部分の酸化防止やスパッタ等の飛散防止等を阻害することがないよう押さ治具62の先端部付近に設ける。
【0063】
例えば、図7に示す押え治具の側面に設けられる開口部の一例に示すように、押え治具62の先端部から僅かに間隔を空けた部分に開口部71を設けることにより先端部が円型になるため、加工点に対してその周辺に均一な押圧を行うことができ、更に、シールドガスの利用効果を損ねることなく、高精度なレーザ溶接を行うことができる。
【0064】
なお、開口部71の形状は、シールドガスを排出できれば、図7(a)に示すような三角形状でもよく、また、図7(b)に示すような円形状のものであってもよい。また、開口部の設置個数、位置、及び径の大きさ等もシールドガスの噴出量等に応じて調整する。
【0065】
次に、上述のシールドガスの噴出制御も含めた本発明におけるレーザ溶接装置について、図を用いて説明する。
【0066】
図8は、本発明におけるレーザ溶接装置の第3の実施形態を示す図である。
【0067】
図8のレーザ溶接装置は、レーザ発振器11と、ハウジング移動制御部12と、シールドガス噴出部81と、制御部82と、出射ハウジング14と、反射ミラー15と、集光レンズ16と、押え治具83と、CCTV18と、モニタ19と、架台20とを有するよう構成されている。
【0068】
制御部82は、レーザ発振器11のレーザ光の出射タイミングと、ハウジング移動制御部12による出射ハウジング14の位置決め動作のタイミングと、シールドガス噴出部81のガス噴出タイミングとを制御し、所望のレーザ溶接が行えるようにする。
【0069】
なお、押え治具83は、上述の図6及び図7を用いて説明したシールドガスの排出するための少なくとも1つの開口部(切欠部)を有する構成とする。
【0070】
ここで、レーザ溶接装置の第3の実施形態における動作の流れをフローチャートを用いて説明する。
【0071】
図9は、レーザ溶接装置の第3の実施形態におけるレーザ溶接処理の一例のフローチャートである。
【0072】
制御部82は、ハウジング移動制御部12にて出射ハウジング14を移動させて溶接位置の位置決めを行う(S01)。次に、押え治具83と架台20とにより加工対象物21を押圧してギャップ量を低減するための押え処理を行う(S02)。その後、制御部82は、シールドガス噴出部81からシールドガスを噴出させて(S03)、レーザを加工対象物21に照射してスポット溶接を行う(S04)。
【0073】
レーザ照射後、制御部82は、シールドガス噴出部81にシールドガスの噴出を停止させる(S05)。その後、ハウジング移動制御部12にて押え治具83を加工対象物21から離す処理を行う(S06)。ここで、制御部82は、次の溶接スポット位置の溶接が終了したかの確認を行い(S07)、全ての位置の溶接が終了していた場合は(S07にて、YES)、溶接処理を終了する。また、他の溶接地点がある場合は(S07にて、NO)、S01に戻り、S01〜S07の処理を全ての溶接地点が終了するまで繰り返し行う。
【0074】
これにより、シールドガスを用いたレーザ溶接も押え治具を用いることで、特に薄材溶接で現れやすい溶け落ち等の欠陥がなく、良好な接合状態を得ることができる。したがって、高精度な溶接加工を行うことができ、加工対象物の品質を向上させることができる。
【0075】
なお、上述したように加工対象物21の板厚が小さいほど、ギャップ許容値も小さくなるため、加工対象物が箔材を更に薄肉化したようなものである場合、押え治具の先端径を小さくする等により押える力を大きくすることで高精度な溶接を行うことができる。
【0076】
上述したように本発明によれば、押え治具を用いて重合させる加工対象物を押圧することにより、ギャップ等の発生を防止することができ、高精度な溶接加工を行うことができる。特に、加工対象物が箔等の薄材であった場合は顕著にその効果を得ることができる。また、押え治具の先端に緩衝材を設けることにより、加工対象物を損傷することがなく、高品質の加工対象物を得ることができる。
【0077】
また、押え治具を上下動させて移動を行うため、加工対象物の形状が変わった場合にも同一の装置構成にて対応することができ、また、加工対象物の加工位置間の移動中に段差がある場合にも、容易に位置決めを行うことができる。
【0078】
更に、シールドガスを利用した溶接加工を行う場合に、押え治具の側面にシールドガスを排出するための開口部(切欠部)を設けることにより、シールドガスを利用した高精度なレーザ溶接を行うことができる。また、加工対象物を押圧する機能とシールドガスノズルとしての機能を兼ね備えた押え治具を提供することができる。
【0079】
なお、本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求した本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変形例や実施例が考えられる。
【0080】
【発明の効果】
上述の如く、本発明によれば、重合される加工対象物の重ね溶接においてギャップを低減して高精度な溶接加工を行うことができ、加工対象物の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明におけるレーザ溶接装置の第1の実施形態を示す図である。
【図2】出射ハウジングの移動と加工内容を説明する一例の図である。
【図3】本発明における加工対象物へのレーザ照射の様子を示す一例の図である。
【図4】本発明における押え治具の一構成例を示す図である。
【図5】本発明におけるレーザ溶接装置の第2の実施形態を示す図である。
【図6】本発明におけるシールドガスを流れを説明するレーザの照射部分の拡大図である。
【図7】押え治具の側面に設けられる開口部の一例を示す図である。
【図8】本発明におけるレーザ溶接装置の第3の実施形態を示す図である。
【図9】レーザ溶接装置の第3の実施形態における溶接処理の一例のフローチャートである。
【符号の説明】
11 レーザ発振器
12 ハウジング移動制御部
13,52,82 制御部
14 出射ハウジング
15 反射ミラー
16 集光レンズ
17,62,83 押え治具
18 CCTV
19 モニタ
20 架台
21 加工対象物
31 加工点
41 緩衝材
51 架台移動制御部
61 シールドガス導入部
63 切欠部
71 開口部
81 シールドガス噴出部

Claims (7)

  1. 架台上に載置された重合される加工対象物に、出射ハウジングからレーザ光を照射させて前記加工対象物の重ね溶接を行うレーザ溶接装置において、
    前記出射ハウジングに、前記加工対象物を前記架台に押圧させるための、先端部が開口された押え治具を有することを特徴とするレーザ溶接装置。
  2. 前記押え治具は、
    先端部が円型に開口されていることを特徴とする請求項1に記載のレーザ溶接装置。
  3. 前記押え治具は、
    当該押え治具の先端部に緩衝材を有することを特徴とする請求項1に記載のレーザ溶接装置。
  4. 前記押え治具は、
    側面に少なくとも1つの開口部を有することを特徴とする請求項1に記載のレーザ溶接装置。
  5. 前記開口部は、
    前記押え治具の側面の先端部に有することを特徴とする請求項4に記載のレーザ溶接装置。
  6. 前記出射ハウジングより出射される前記レーザ光が、前記押え治具の先端部が作る面上に焦点を結ぶことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のレーザ溶接装置。
  7. 架台上に載置された重合される加工対象物に、先端部が開口された押え治具を有する出射ハウジングからレーザ光を照射させて前記加工対象物の重ね溶接を行うレーザ溶接方法において、
    前記加工対象物を、前記架台と前記押え治具とにより押圧させて前記レーザ光を照射することにより重ね溶接を行うことを特徴とするレーザ溶接方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006242563A (ja) * 2005-03-04 2006-09-14 Methanol Casale Sa プレート型熱変換器の製造方法及び関連装置
JP2009119465A (ja) * 2007-11-09 2009-06-04 Noritake Co Ltd 金属箔溶接方法、金属箔溶接装置、および可撓性樹脂金属箔積層体製造装置

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