JP2004167400A - 流体磁気処理方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】流体磁気処理装置において、流体に分子レベルの磁気圧力をかけて流体を活性化し、流体が本来持っている好ましい特性を引き出してその質的向上を図ることができるようにする。
【解決手段】流体磁気処理装置は、設定された強度の直流磁界を発生させ流体管12内の流体を挟んで、例えば永久磁石15a,15bにより、互いに対抗する側から相互に同じ向きあるいは反対向きの直流磁界を作用させることにより同流体の磁気処理を行う直流磁界発生手段と、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生させ、同流体を当該超低周波数弱磁界中に曝すことにより前記直流磁界発生手段と同時並行して同流体の磁気処理を行う超低周波数弱磁界発生手段とを備える。
【選択図】 図4
【解決手段】流体磁気処理装置は、設定された強度の直流磁界を発生させ流体管12内の流体を挟んで、例えば永久磁石15a,15bにより、互いに対抗する側から相互に同じ向きあるいは反対向きの直流磁界を作用させることにより同流体の磁気処理を行う直流磁界発生手段と、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生させ、同流体を当該超低周波数弱磁界中に曝すことにより前記直流磁界発生手段と同時並行して同流体の磁気処理を行う超低周波数弱磁界発生手段とを備える。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体に対し直流磁界と超低周波数弱磁界とを組み合わせて同時に印加することにより、流体の各成分に分子レベルの磁気圧力をかけて各成分の分子レベルでの解離及び活性化を促進させるようにした、流体磁気処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
気体や液体等の流体を流す多種多様な管の内壁面への結晶物質のスケールの付着、錆や浸食、藻類の付着等は、流体抵抗を増大させて流体の流速を低減させ輸送効率を低下させるが、管内部のスケールの付着、錆の発生、藻類の成長の予防のために、磁気処理装置が有用であることが従来より知られている。
【0003】
一般に、磁気処理装置は、燃料の燃費改善や、排ガス中の望ましくない排出物の低減、洗濯時間の短縮や洗剤の使用量の削減、細菌の繁殖の抑制、圧縮強度に優れたコンクリートの製造等にも利用されているほか、農業、水産業、酪農、養豚、養鶏等の一次産業における植物や動物の成長促進、品質改善、鮮度保持、食品産業における食品の味や品質の改善、醸造物の発酵期間の短縮と醸造品の品質改善、生鮮食品の鮮度保持等にも利用され、さらに、水を代表とする流体に関連した多種多様な分野でも利用され、例えば、特開2002ー45863号公報には、磁気処理装置を用いて、水道水を、飲料水及び生活用水として水質改善することが開示されている。
【0004】
従来の磁気処理装置において、磁界を発生するための方法としては、永久磁石を用いて行う方法(例えば特開平11−253963号公報)や、電磁石により磁界を発生する方法(例えば特開2000−143858号公報)等が知られている。他方、本発明者は、地磁気の影響下にある地球の環境に着目し、酵母、細菌、カビ等の微生物を利用した各種の発酵を行う際に、発酵の過程において超低周波数(ELF,Extremely Low Frequency)弱磁界を印加することにより、発酵の促進又は抑制を行う方法について提案し(特開2000−316562)、さらに地磁気の影響を考慮して、所定の直流磁界と、所定の周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界とを印加することにより発芽や孵化の促進又は抑制のいずれかを選択的に行う方法について提案した(特開2002ー223609)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、磁界が水等の流体に及ぼす作用の原理については、従来、ローレンツ力、MHD発電、ファラデーの電磁誘導の法則等を用いて、流体が磁界に垂直に移動するときに発生する起電力及びイオンに及ぼす磁気力とそれに伴って流れる電流を用いて説明されてきたが、その説明は十分なものではなかった。そして永久磁石等の配置においては、その磁気処理効果を高めるために、磁界を流体の流動方向に垂直にして、いかに効果的に磁界を印加するかを中心にして考えられてきた。
【0006】
このように、従来は、水等の流体に及ぼす磁界の作用の原理について十分な理解がなかったため、流体に対する磁気処理装置として、流体内の各成分が本来持っている潜在力を蘇らせることができるような、磁気処理装置がなかった。
【0007】
以下、流体の一例として水を取り挙げて、磁気処理装置により改善すべき水の性質について簡単に触れることとする。水分子は酸素と水素の結合角∠HOHが104.5°になっている。酸素と水素の結合電子対における帯電は、酸素の電気陰性度すなわち電子を引き寄せる力の強さが水素に比べて大きく、いくらか酸素の方に片寄っており、水における酸素原子と水素原子の結合は、共有結合の外にいくぶんイオン結合も含まれている。しかも、マイナス電荷の重心とプラス電荷の重心とは一致しないため、水分子は極性分子であって、双極子モーメントを持っている。そのために、水分子は、水分子同士の静電的な力の相互作用により水素結合を形成している。
【0008】
水素結合によりすべての水分子が結合している0°C の氷を融解し、融解した水を100°C まで昇温させ、さらに昇温した水を100°C の水蒸気にするのに53.71kJ/mol(629.31cal/g)が必要であるから、氷の状態の水分子の水素結合のエネルギーは53.71kJ/mol(629.31cal/g)であるということができる。これに対し、0°C の水を100°C の水に昇温するのに必要なエネルギーは約7kJ/mol(約9.31cal/g)であるから、水に十分な熱エネルギーを供給して0°C から100°C まで昇温させても、なお76%は水素結合が切れないで、水分子のクラスターすなわち集合体を形成している。
【0009】
純水の水分子は、互いに水素結合により結ばれた3〜6個の水分子よりなるクラスターを形成しており、そのうちの大部分が5〜6個の水分子のクラスターを形成していると言われている。水分子は水の中で激しく熱運動をしており、約1psで各クラスターの水素結合が切れたり繋がったりして、並進運動や回転運動のダイナミックな挙動を展開していると言われている。クラスターを形成するこのような水素結合を解き離して、水の中の水素結合の割合をより小さくすることによって、水本来の好ましい特性を引き出し、その質的向上を図ることができるものであるが、従来はそのための方法あるいは装置として満足すべきものがなかった。
【0010】
また、上述のように、水分子は水の中で激しい熱運動をしているが、その中にイオンが溶け込むと、イオンに接している水分子の熱運動は、イオンとの相互作用により純水中の熱運動とは異なったものとなる。水和圏内の水の粘度はミクロ粘度と言われ、正の水和をするイオンの周りでは水分子の熱運動が抑制され、そのミクロ粘度が増加してバルク水すなわち自由水の粘度よりも大きくなる。これとは逆に、負の水和をするイオンの周りでは、そのミクロ粘度が減少してバルク水すなわち自由水の粘度よりも小さくなる。このような正の水和をするイオンと負の水和をするイオンとを結合させて化合物にする割合を増やして、水和を緩和させることにより、イオンに束縛されていた水分子をイオンから解き離し、バルク水を生成することによって、水本来の好ましい特性を引き出してその質的向上を図ることができるものであるが、従来はそのための方法あるいは装置として満足すべきものがなかった。
【0011】
さらに、炭化水素を水に溶かすと疎水性水和と呼ばれる状態となり、炭化水素の周りの水のエントロピーが純水中の水のエントロピーに比べて小さくなって、炭化水素を溶かした水のエントロピーが減少する。このことは、水分子が純水中におけるよりも炭化水素を溶かした水の中の方が動きづらい状態になってしまっていることを意味し、水の本来の性質が制限されていることを意味する。水に溶けた炭化水素が何個か集まると、炭化水素分子がばらばらになって水に溶けている場合よりも、何個か集まった炭化水素が疎水面を少なくして、その分だけ疎水面から水分子を離した方が、エントロピーが大きくなって安定な状態となる。このようにして疎水性相互作用を促進させることによって疎水面から水分子を離した状態にされた水はバルク水と同じ状態となり、水本来の好ましい特性が引き出されてその質的向上が図られるものであるが、従来はそのための方法あるいは装置として満足すべきものがなかった。
【0012】
また、水の粘度は、30°C 以下の温度では圧力とともに減少し、約1000kg/cm2 で極小値を示し、その極小値を過ぎると圧力とともに増加する。圧力とともに粘度が減少する領域では、圧力による粘度減少の効果は温度を上げることによる粘度減少の効果と同じである。すなわち、圧力とともに粘度が減少する領域では、加圧により水分子間の水素結合が弱くなるか、または切断されるかして粘度が減少するものと考えられる。30°C を超えると水の粘度は他の液体と同様に圧力とともに増加する。このように水に圧力を印加することによって、水のクラスターの構造に影響を与え、水のエントロピーを増大させて水を安定した状態にすることによって、水本来の好ましい特性を引き出しその質的向上を図ることができるものであるが、従来はそのための方法あるいは装置がなかっ
た。
【0013】
そこで、本発明は、流体を磁気処理する過程で、直流磁界と超低周波数弱磁界とを組み合わせて流体に同時に印加することにより、直流磁界と超低周波数弱磁界とが流体に分子レベルの磁気圧力をかけて流体の各成分の分子レベルでの相互解離を促進させ、そうすることによって流体の流動性を増大させて同流体を活性化し、流体が本来持っている好ましい特性を引き出してその質的向上を図ることができるようにし、また、多種多様な流体容器や流体導管の内壁面へのスケールの付着、流体導管内での錆の発生、浸食、藻類の成長等を従来の流体磁気処理方法や装置以上に効果的に予防することができるようにし、流体が、流動していても、静止していても、常に当該流体に対する磁気処理をすることができるようにした、流体磁気処理方法及び装置を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、請求項1に係る本発明の流体磁気処理方法は、流体の磁気処理を行う際に、同流体に対して、設定された磁界強度の直流磁界と、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界とを同時に印加することにより、同流体に分子レベルの磁気圧力をかけて流体の各成分の分子レベルでの解離及び活性化を促進させることを特徴とする。
【0015】
また、請求項2に係る本発明の流体磁気処理装置は、流体に分子レベルの磁気圧力をかけて流体の各成分の分子レベルでの解離及び活性化を促進させる流体磁気処理装置であって、設定された強度の直流磁界を発生させ流体を挟んで互いに対抗する側から相互に同じ向きあるいは反対向きの直流磁界を作用させることにより同流体の磁気処理を行う直流磁界発生手段と、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生させ、前記流体を当該超低周波数弱磁界中に曝すことにより前記直流磁界発生手段と同時並行して同流体の磁気処理を行う超低周波数弱磁界発生手段とを備えていることを特徴とする。
【0016】
さらに、請求項3に係る本発明の流体磁気処理装置は、上記流体磁気処理装置において、前記直流磁界発生手段が、設定された強度の直流磁界を発生して流体の磁気処理を行う少なくとも1つのコイルよりなる第一コイルと、同第一コイルに直流電圧を供給する直流電源部とを有し、前記超低周波数弱磁界発生手段が、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生して前記流体の磁気処理を行う少なくとも1つのコイルよりなる第二コイルと、当該第二コイルに超低周波数の交流電圧を供給する交流電源部とを備えていることを特徴とする。
【0017】
また、請求項4に係る本発明の流体磁気処理装置は、請求項2に記載の流体磁気処理装置において、前記直流磁界発生手段が、設定された強度の直流磁界を発生して流体の磁気処理を行うように組み合わされた少なくとも1つの永久磁石及び少なくとも1つのコイルよりなる第一磁力発生源と、当該第一磁力発生源のコイルに直流電圧を供給する直流電源部とを有し、前記超低周波数弱磁界発生手段が、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生して前記流体の磁気処理を行う少なくとも1つのコイルよりなる第二磁力発生源と、当該第二磁力発生源に超低周波数の交流電圧を供給する交流電源部とを備えていることを特徴とする。
【0018】
さらに、請求項5に係る本発明の流体磁気処理装置は、流体に分子レベルの磁気圧力をかけて流体の各成分の分子レベルでの解離及び活性化を促進させる流体磁気処理装置であって、設定された強度の直流磁界を発生させ、流体を挟んで互いに対抗する側から相互に同じ向きの直流磁界を作用させることにより同流体の磁気処理を行う直流磁界発生手段と、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生させ、前記流体を当該超低周波数弱磁界中に曝すことにより、前記直流磁界発生手段と同時並行して同流体の磁気処理を行う超低周波数弱磁界発生手段とを有する第一流体磁気処理装置と、当該第一流体磁気処理装置よりも下流側に設定された距離間隔を隔てて配設され、前記流体を挟んで互いに対抗する側から相互に反対向きの直流磁界を作用させることにより流体の磁気処理を行うように相互に間隔を置いて配置された少なくとも1台の第二流体磁気処理装置とを備えたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の流体磁気処理方法及び装置の作動原理を説明するための要部縦断面図、図2(1)は図1の磁極構成とは異なった場合における流体磁気処理方法及び装置の作動原理を説明するための要部縦断面図、図2(2)は図2(1)の磁極構成を説明するための説明用要部破断斜視図、図3は本発明の一実施例としての流体磁気処理装置を示す要部側面図、図4は本発明の一実施例としての流体磁気処理装置における磁極配置の一例を示す要部横断面図である。
【0020】
まず図1に示すように、例えば、円筒状の流体管1の互いに対抗する表面上に2個の点磁極2及び3が存在すると、水分子には点磁極2及び3により磁力線a及びbで表されるような磁界によって等力線fにより示すような磁気力が働き、その大きさは、図中において相対値170,70,20で示すように、各点磁極2及び3から遠ざかるにつれて急激に小さくなる。
【0021】
すなわち、図1において、流体管1の中心軸線4上のz軸の正方向(図1の右方向)から負方向(図1の左方向)に水が流れているものとすると、水分子には磁力線a及びbで表されるような磁界によって等力線fにより示すような磁気力が働き、その大きさは、図中において相対値170,70,20で示すように、各点磁極2,3から遠ざかるにつれて急激に小さくなる。流体は流体管1の中心軸線4に向かう斥力による圧縮力を受けながら、徐々に流れに逆らう向きの斥力による圧縮力を受けて、減速させられる。水分子が、点磁極2及び3を含み流体管1の中心軸線4に垂直な断面に近づくに従って斥力の大きさが急激に大きくなる。そして点磁極2及び3を含み流体管1の中心軸線4に垂直な断面を通過した後の水分子は、流れ方向の斥力を受けて加速される。
【0022】
図2に示すように、円筒状の流体管5の同一横断面に沿う表面上に周方向に等間隔をおいて4個の点磁極6,7,8及び9がN極,S極,N極,S極の順に存在すると、水分子には点磁極6〜9によって磁力線c及びdで表されるような磁界によって等力線fにより示されるような磁気力が働き、その大きさは、図中において相対値170,70,20で示すように、各点磁極6〜9から遠ざかるにつれて急激に小さくなる。
【0023】
図2において、流体管5の中心軸線10上のz軸の正方向(図1の右方向)から負方向(図1の左方向)に水が流れているものとすると、水分子は磁気力によって流体管5の中心軸線10に向けた斥力による圧縮力を受けながら、徐々に流れに逆らう向きの斥力による圧縮力をも受けて減速させられる。水分子が、点磁極6〜9を含み円筒管5の中心軸線10に垂直な断面に近づくに従って斥力の大きさが急激に大きくなる。そして点磁極6〜9を含み円筒管5の中心軸線10に垂直な断面を通過した後の水分子は、流れ方向の斥力を受けて加速される。
【0024】
上記図1及び図2は、流動する物質が反磁性の物質である場合について共通するものであるが、流動する物質が常磁性の物質の場合には、磁気力が逆向きに働くことになる。そのため、水と常磁性物質とが同時に流動する場合には、磁気力が水分子と常磁性物質とを引き離す向きに働くこととなる。さらに、上記図1及び図2において、各磁極の磁力が水分子に作用する力は、各点磁極の極性に関係なく作用する。すなわち、水分子に対しては、点磁極がN極であってもS極であっても共に斥力を及ぼす。
【0025】
上記のように、水分子に対しては、点磁極がN極であってもS極であっても共に斥力を及ぼすため、コイル群や永久磁石群を使用する場合において、主力となる磁気力は、点磁極による斥力の総和として求めることができ、それ以外の磁気力としては、各磁極が互いに作る磁界の相互関係による磁気力が加わることとなる。
【0026】
上述のように、磁気処理により、管内を流れる水分子は、磁気処理装置に近付くと、始めのうちは管の軸方向の斥力を受けて減速させられ、徐々に管の軸に垂直な向きの圧縮力が作用力の主流となる。磁気処理装置を通過すると、水分子は軸方向の斥力を受けて加速される。このような斥力及び圧縮力に抗して、水分子は、互いに摩擦し合いながら磁界の中を潜り抜け、磁気処理装置を通過することとなる。このとき溶融物質に束縛され、拘束されていた水分子が解き放たれてバルブ水となる量が増加し、その結果、水本来の性質を発揮することができる水分子のクラスターが増加することとなる。
【0027】
磁気処理装置を管の軸方向に或る距離の間隔で互いに近接させて複数個設置すると、磁気処理効果が高まる。これは、隣の磁気処理装置を通過した後の水分子が加速の斥力を受けているところに、今度は直近下流側の磁気処理装置から減速の斥力が働き始めることとなるため、水分子は二つの磁気処理装置の中間領域で軸方向の圧縮力を受けることとなるからである。したがって、磁気処理装置を管の軸方向に或る距離の間隔で、例えば管が円筒管である場合には当該管の直径の5〜6倍内の程度の間隔で、複数台の磁気処理装置を設置することによって、磁気処理装置の効果を一段と高めることができる。
【0028】
図3は,本発明の一実施例としての流体磁気処理装置を示す。直流磁界及び超低周波数弱磁界よりなる流体磁気処理装置11は、流体管12の外周面上に装着された直流磁界・超低周波数弱磁界磁気処理装置13と、この直流磁界・超低周波数弱磁界磁気処理装置13から流体管12内の流体の流れFの下流側に距離間隔Uを隔てて、流体管12の外周面上に装着された第1の永久磁石磁気処理装置14aと、この第1の永久磁石磁気処理装置14aから流体管12内の流体の流れの下流側に距離間隔Wを隔てて流体管12の外周面上に装着された第2の永久磁石磁気処理装置14bと、この第2の永久磁石磁気処理装置14bから流体管12内の流体の流れの下流側に距離間隔Wを隔てて流体管12の外周面上に装着された第3の永久磁石磁気処理装置14cとを備えている。
【0029】
図3において、直流磁界・超低周波数弱磁界磁気処理装置13は、流体に対して、設定された強度の直流磁界を発生させ流体を挟んで互いに対抗する側から互いに同じ向きの直流磁界を作用させることにより流体の磁気処理を行う直流磁界発生手段と、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生させ、流体を超低周波数弱磁界中に曝すにより前記直流磁界発生手段と同時並行して流体の磁気処理を行う超低周波数弱磁界発生手段とを備える。
【0030】
直流磁界・超低周波数弱磁界磁気処理装置13の前記直流磁界発生手段は、設定された強度の直流磁界を発生して流体の磁気処理を行う少なくとも1つのコイルよりなる第一コイルと、当該第一コイルに直流電圧を供給する直流電源部とを有し、直流磁界・超低周波数弱磁界磁気処理装置13の超低周波数弱磁界発生手段が、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生して流体の磁気処理を行う少なくとも1つのコイルよりなる第二コイルと、当該第二コイルに超低周波数の交流電圧を供給する交流電源部とを備えるように構成することができる。この場合、上記第一コイルに代えて、設定された強度の直流磁界を発生して流体の磁気処理を行うように組み合わされた少なくとも1つの永久磁石及び少なくとも1つのコイルよりなる磁力発生手段とすることもできる。
【0031】
永久磁石磁気処理装置14a〜14cは、図3においては3台配設されているが、流体管12内を流れる流体に作用する磁気圧力を考慮して2台以上の複数台を配設することとし、直流磁界・超低周波数弱磁界磁気処理装置13との間の間隔Uは、流体管の直径Dの5倍以上とすることが望ましい。また、永久磁石磁気処理装置14a〜14cの相互間の間隔Wは、流体管12の直径の6倍内、より好ましくは5倍内の程度の間隔であることが望ましい。
【0032】
静止している状態の流体に対する磁気処理条件は、地磁気を含めた強度30〜70A/mの直流磁界と、周波数5〜10Hzで強度450〜750A/mの超低周波数弱磁界とを同方向に印加するように磁気処理装置を構成することが望ましく、最適には、地磁気を含めた強度50A/mの直流磁界と、周波数7Hzで強度600A/mの超低周波数弱磁界を同方向に印加するように磁気処理装置を構成することが望ましい。
【0033】
また、流動している状態の流体に対する磁気処理条件は、表面磁束密度が静磁界の安全基準である4000G以下の永久磁石を組み込んだ磁気処理装置を用いる。図4に示した流体磁気処理装置は、図3に示した流体磁気処理装置において使用することができる流体磁気処理装置の一例であって、2つの永久磁石15a及び15bを継鉄16でつないだものを2台使用して、外部に磁気漏れが無いようにするとともに、設置や取り外しがし易いように設計することが重要である。
【0034】
図1ないし図3に示した流体磁気処理装置は、本発明の好適な実施の形態を例示したものにすぎない。本発明によれば、直流磁界発生手段を、永久磁石と第一コイル群とを組み合わせて併用することにより、流体が運動していても、静止していても、常に流体に対する磁気処理が可能である。本発明は、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内で種々の実施の形態に従って実施をすることができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、以下のような効果が得られる。
(1)請求項1に係る本発明の流体磁気処理方法によれば、流体の磁気処理を行うための流体磁気処理方法であって、磁気処理を行う際に、前記流体に対して、設定された磁界強度の直流磁界と、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界とを同時に印加することにより、同流体に分子レベルの磁気圧力をかけて流体の各成分の分子レベルでの解離及び活性化を促進させるようにしたので、流体を磁気処理する過程で、直流磁界と超低周波数弱磁界とを組み合わせて流体に同時に印加することにより、直流磁界と超低周波数弱磁界とが流体に分子レベルの磁気圧力をかけて流体の各成分の分子レベルでの相互解離を有効に促進させることができ、そうすることによって流体の流動性を増大させて同流体を活性化させることができ、流体が本来持っている好ましい特性を引き出してその質的向上を図ることができる。また、多種多様な流体容器や流体導管の内壁面へのスケールの付着、流体導管内での錆の発生、浸食、藻類の成長等を従来の流体磁気処理方法以上に効果的に予防することができ、流体が、流動していても、静止していても、常に当該流体に対する磁気処理を簡易にすることができる。
(2)請求項2に係る本発明の流体磁気処理装置によれば、流体に分子レベルの磁気圧力をかけて流体の各成分の分子レベルでの解離及び活性化を促進させる流体磁気処理装置であって、設定された強度の直流磁界を発生させ流体を挟んで互いに対抗する側から相互に同じ向きあるいは反対向きの直流磁界を作用させることにより同流体の磁気処理を行う直流磁界発生手段と、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生させ、前記流体を当該超低周波数弱磁界中に曝すことにより前記直流磁界発生手段と同時並行して同流体の磁気処理を行う超低周波数弱磁界発生手段とを備えているので、流体を磁気処理する過程で、直流磁界と超低周波数弱磁界とを組み合わせて流体に同時に印加することができ、直流磁界と超低周波数弱磁界とを組み合わせて流体に同時に印加することにより、直流磁界と超低周波数弱磁界とが、流体に分子レベルの磁気圧力をかけて同流体の各成分の分子レベルでの相互解離を有効に促進させることができ、その結果、流体の流動性を増大させて同流体を活性化し、当該流体が本来持っている好ましい特性を効果的に引き出して、その質的向上を図ることができ、また、多種多様な流体容器や流体導管の内壁面へのスケールの付着、流体導管内での錆の発生、浸食、藻類の成長等を従来の流体磁気処理装置以上に効果的に予防することができ、流動している流体に対しても、静止している流体に対しても、簡便な装置により効果的に磁気処理をすることができる。
(3)請求項3に係る本発明の流体磁気処理装置によれば、請求項2に記載した流体磁気処理装置において、前記直流磁界発生手段が、設定された強度の直流磁界を発生して流体の磁気処理を行う少なくとも1つのコイルよりなる第一コイルと、当該第一コイルに直流電圧を供給する直流電源部とを有し、前記超低周波数弱磁界発生手段が、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生して前記流体の磁気処理を行う少なくとも1つのコイルよりなる第二コイルと、同第二コイルに超低周波数の交流電圧を供給する交流電源部とを備えているので、請求項2に記載の流体磁気処理装置が奏する効果に加えて、直流磁界を発生して流体の磁気処理を行う第一コイルと超低周波数弱磁界を発生して流体の磁気処理を行う第二コイルとを備えた簡便な装置により、流動している流体に対しても、静止している流体に対しても、効果的に磁気処理を行うことができる。
(4)請求項4に係る本発明の流体磁気処理装置によれば、請求項2に記載の流体磁気処理装置において、前記直流磁界発生手段が、設定された強度の直流磁界を発生して流体の磁気処理を行うように組み合わされた少なくとも1つの永久磁石及び少なくとも1つのコイルよりなる第一磁力発生源と、当該第一磁力発生源のコイルに直流電圧を供給する直流電源部とを有し、前記超低周波数弱磁界発生手段が、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生して前記流体の磁気処理を行う少なくとも1つのコイルよりなる第二磁力発生源と、当該第二磁力発生源に超低周波数の交流電圧を供給する交流電源部とを備えているので、請求項2に記載の流体磁気処理装置が奏する効果に加えて、直流磁界を発生して流体の磁気処理を行う第一磁力発生源の永久磁石及びコイルの組み合わせと、超低周波数弱磁界を発生して流体の磁気処理を行う第二磁力発生源のコイルとを備えた簡便な装置により、流動している流体に対しても、静止している流体に対しても、永久磁石による安定した磁力を利用しながら、より一層効果的に磁気処理を行うことができる。
(5)請求項5に係る本発明の流体磁気処理装置によれば、流体に分子レベルの磁気圧力をかけて流体の各成分の分子レベルでの解離及び活性化を促進させる流体磁気処理装置であって、設定された強度の直流磁界を発生させ、流体を挟んで互いに対抗する側から相互に同じ向きの直流磁界を作用させることにより同流体の磁気処理を行う直流磁界発生手段と、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生させ、前記流体を当該超低周波数弱磁界中に曝すことにより、前記直流磁界発生手段と同時並行して同流体の磁気処理を行う超低周波数弱磁界発生手段とを有する第一流体磁気処理装置と、当該第一流体磁気処理装置よりも下流側に設定された距離間隔を隔てて配設され、前記流体を挟んで互いに対抗する側から相互に反対向きの直流磁界を作用させることにより流体の磁気処理を行うように相互に間隔を置いて配置された少なくとも1台の第二流体磁気処理装置とを備えているので、流体を磁気処理する過程で、直流磁界と超低周波数弱磁界とを組み合わせて流体に同時に印加することができ、そのようにして直流磁界と超低周波数弱磁界とを組み合わせて流体に同時に印加することにより、直流磁界と超低周波数弱磁界とが、流体に分子レベルの磁気圧力をかけて同流体の各成分の分子レベルでの相互解離を有効に促進させることができ、その結果、流体の流動性を増大させて同流体を活性化し、当該流体が本来持っている好ましい特性を効果的に引き出して、その質的向上を図ることができ、また、多種多様な流体容器や流体導管の内壁面へのスケールの付着、流体導管内での錆の発生、浸食、藻類の成長等を従来の流体磁気処理装置以上に効果的に予防することができ、特に流動している流体に対して、簡便な装置により効果的に磁気処理をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流体磁気処理方法及び装置の作動原理を説明するための要部縦断面図である。
【図2】図2(1)は図1の磁極構成とは異なった場合における流体磁気処理方法及び装置の作動原理を説明するための要部縦断面図であり、図2(2)は図2(1)の磁極構成を説明するための説明用要部破断斜視図である。
【図3】本発明の一実施例としての流体磁気処理装置を示す要部側面図である。
【図4】本発明の一実施例としての流体磁気処理装置における磁極配置の一例を示す要部横断面図である。
【符号の説明】
1 流体管
2 点磁極
3 点磁極
4 中心軸線
5 流体管
6 点磁極
7 点磁極
8 点磁極
9 点磁極
10 中心軸線
11 流体磁気処理装置
12 流体管
13 直流磁界発生手段及び超低周波数弱磁界発生手段よりなる第1の流体磁気処理装置
14a,14b,14c 第2の流体磁気処理装置
15a,15b 永久磁石
16 継鉄
a 磁力線
b 磁力線
c 磁力線
d 磁力線
f 等力線
D 直径
F 流体の流れ
U 距離間隔
W 距離間隔
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体に対し直流磁界と超低周波数弱磁界とを組み合わせて同時に印加することにより、流体の各成分に分子レベルの磁気圧力をかけて各成分の分子レベルでの解離及び活性化を促進させるようにした、流体磁気処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
気体や液体等の流体を流す多種多様な管の内壁面への結晶物質のスケールの付着、錆や浸食、藻類の付着等は、流体抵抗を増大させて流体の流速を低減させ輸送効率を低下させるが、管内部のスケールの付着、錆の発生、藻類の成長の予防のために、磁気処理装置が有用であることが従来より知られている。
【0003】
一般に、磁気処理装置は、燃料の燃費改善や、排ガス中の望ましくない排出物の低減、洗濯時間の短縮や洗剤の使用量の削減、細菌の繁殖の抑制、圧縮強度に優れたコンクリートの製造等にも利用されているほか、農業、水産業、酪農、養豚、養鶏等の一次産業における植物や動物の成長促進、品質改善、鮮度保持、食品産業における食品の味や品質の改善、醸造物の発酵期間の短縮と醸造品の品質改善、生鮮食品の鮮度保持等にも利用され、さらに、水を代表とする流体に関連した多種多様な分野でも利用され、例えば、特開2002ー45863号公報には、磁気処理装置を用いて、水道水を、飲料水及び生活用水として水質改善することが開示されている。
【0004】
従来の磁気処理装置において、磁界を発生するための方法としては、永久磁石を用いて行う方法(例えば特開平11−253963号公報)や、電磁石により磁界を発生する方法(例えば特開2000−143858号公報)等が知られている。他方、本発明者は、地磁気の影響下にある地球の環境に着目し、酵母、細菌、カビ等の微生物を利用した各種の発酵を行う際に、発酵の過程において超低周波数(ELF,Extremely Low Frequency)弱磁界を印加することにより、発酵の促進又は抑制を行う方法について提案し(特開2000−316562)、さらに地磁気の影響を考慮して、所定の直流磁界と、所定の周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界とを印加することにより発芽や孵化の促進又は抑制のいずれかを選択的に行う方法について提案した(特開2002ー223609)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、磁界が水等の流体に及ぼす作用の原理については、従来、ローレンツ力、MHD発電、ファラデーの電磁誘導の法則等を用いて、流体が磁界に垂直に移動するときに発生する起電力及びイオンに及ぼす磁気力とそれに伴って流れる電流を用いて説明されてきたが、その説明は十分なものではなかった。そして永久磁石等の配置においては、その磁気処理効果を高めるために、磁界を流体の流動方向に垂直にして、いかに効果的に磁界を印加するかを中心にして考えられてきた。
【0006】
このように、従来は、水等の流体に及ぼす磁界の作用の原理について十分な理解がなかったため、流体に対する磁気処理装置として、流体内の各成分が本来持っている潜在力を蘇らせることができるような、磁気処理装置がなかった。
【0007】
以下、流体の一例として水を取り挙げて、磁気処理装置により改善すべき水の性質について簡単に触れることとする。水分子は酸素と水素の結合角∠HOHが104.5°になっている。酸素と水素の結合電子対における帯電は、酸素の電気陰性度すなわち電子を引き寄せる力の強さが水素に比べて大きく、いくらか酸素の方に片寄っており、水における酸素原子と水素原子の結合は、共有結合の外にいくぶんイオン結合も含まれている。しかも、マイナス電荷の重心とプラス電荷の重心とは一致しないため、水分子は極性分子であって、双極子モーメントを持っている。そのために、水分子は、水分子同士の静電的な力の相互作用により水素結合を形成している。
【0008】
水素結合によりすべての水分子が結合している0°C の氷を融解し、融解した水を100°C まで昇温させ、さらに昇温した水を100°C の水蒸気にするのに53.71kJ/mol(629.31cal/g)が必要であるから、氷の状態の水分子の水素結合のエネルギーは53.71kJ/mol(629.31cal/g)であるということができる。これに対し、0°C の水を100°C の水に昇温するのに必要なエネルギーは約7kJ/mol(約9.31cal/g)であるから、水に十分な熱エネルギーを供給して0°C から100°C まで昇温させても、なお76%は水素結合が切れないで、水分子のクラスターすなわち集合体を形成している。
【0009】
純水の水分子は、互いに水素結合により結ばれた3〜6個の水分子よりなるクラスターを形成しており、そのうちの大部分が5〜6個の水分子のクラスターを形成していると言われている。水分子は水の中で激しく熱運動をしており、約1psで各クラスターの水素結合が切れたり繋がったりして、並進運動や回転運動のダイナミックな挙動を展開していると言われている。クラスターを形成するこのような水素結合を解き離して、水の中の水素結合の割合をより小さくすることによって、水本来の好ましい特性を引き出し、その質的向上を図ることができるものであるが、従来はそのための方法あるいは装置として満足すべきものがなかった。
【0010】
また、上述のように、水分子は水の中で激しい熱運動をしているが、その中にイオンが溶け込むと、イオンに接している水分子の熱運動は、イオンとの相互作用により純水中の熱運動とは異なったものとなる。水和圏内の水の粘度はミクロ粘度と言われ、正の水和をするイオンの周りでは水分子の熱運動が抑制され、そのミクロ粘度が増加してバルク水すなわち自由水の粘度よりも大きくなる。これとは逆に、負の水和をするイオンの周りでは、そのミクロ粘度が減少してバルク水すなわち自由水の粘度よりも小さくなる。このような正の水和をするイオンと負の水和をするイオンとを結合させて化合物にする割合を増やして、水和を緩和させることにより、イオンに束縛されていた水分子をイオンから解き離し、バルク水を生成することによって、水本来の好ましい特性を引き出してその質的向上を図ることができるものであるが、従来はそのための方法あるいは装置として満足すべきものがなかった。
【0011】
さらに、炭化水素を水に溶かすと疎水性水和と呼ばれる状態となり、炭化水素の周りの水のエントロピーが純水中の水のエントロピーに比べて小さくなって、炭化水素を溶かした水のエントロピーが減少する。このことは、水分子が純水中におけるよりも炭化水素を溶かした水の中の方が動きづらい状態になってしまっていることを意味し、水の本来の性質が制限されていることを意味する。水に溶けた炭化水素が何個か集まると、炭化水素分子がばらばらになって水に溶けている場合よりも、何個か集まった炭化水素が疎水面を少なくして、その分だけ疎水面から水分子を離した方が、エントロピーが大きくなって安定な状態となる。このようにして疎水性相互作用を促進させることによって疎水面から水分子を離した状態にされた水はバルク水と同じ状態となり、水本来の好ましい特性が引き出されてその質的向上が図られるものであるが、従来はそのための方法あるいは装置として満足すべきものがなかった。
【0012】
また、水の粘度は、30°C 以下の温度では圧力とともに減少し、約1000kg/cm2 で極小値を示し、その極小値を過ぎると圧力とともに増加する。圧力とともに粘度が減少する領域では、圧力による粘度減少の効果は温度を上げることによる粘度減少の効果と同じである。すなわち、圧力とともに粘度が減少する領域では、加圧により水分子間の水素結合が弱くなるか、または切断されるかして粘度が減少するものと考えられる。30°C を超えると水の粘度は他の液体と同様に圧力とともに増加する。このように水に圧力を印加することによって、水のクラスターの構造に影響を与え、水のエントロピーを増大させて水を安定した状態にすることによって、水本来の好ましい特性を引き出しその質的向上を図ることができるものであるが、従来はそのための方法あるいは装置がなかっ
た。
【0013】
そこで、本発明は、流体を磁気処理する過程で、直流磁界と超低周波数弱磁界とを組み合わせて流体に同時に印加することにより、直流磁界と超低周波数弱磁界とが流体に分子レベルの磁気圧力をかけて流体の各成分の分子レベルでの相互解離を促進させ、そうすることによって流体の流動性を増大させて同流体を活性化し、流体が本来持っている好ましい特性を引き出してその質的向上を図ることができるようにし、また、多種多様な流体容器や流体導管の内壁面へのスケールの付着、流体導管内での錆の発生、浸食、藻類の成長等を従来の流体磁気処理方法や装置以上に効果的に予防することができるようにし、流体が、流動していても、静止していても、常に当該流体に対する磁気処理をすることができるようにした、流体磁気処理方法及び装置を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、請求項1に係る本発明の流体磁気処理方法は、流体の磁気処理を行う際に、同流体に対して、設定された磁界強度の直流磁界と、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界とを同時に印加することにより、同流体に分子レベルの磁気圧力をかけて流体の各成分の分子レベルでの解離及び活性化を促進させることを特徴とする。
【0015】
また、請求項2に係る本発明の流体磁気処理装置は、流体に分子レベルの磁気圧力をかけて流体の各成分の分子レベルでの解離及び活性化を促進させる流体磁気処理装置であって、設定された強度の直流磁界を発生させ流体を挟んで互いに対抗する側から相互に同じ向きあるいは反対向きの直流磁界を作用させることにより同流体の磁気処理を行う直流磁界発生手段と、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生させ、前記流体を当該超低周波数弱磁界中に曝すことにより前記直流磁界発生手段と同時並行して同流体の磁気処理を行う超低周波数弱磁界発生手段とを備えていることを特徴とする。
【0016】
さらに、請求項3に係る本発明の流体磁気処理装置は、上記流体磁気処理装置において、前記直流磁界発生手段が、設定された強度の直流磁界を発生して流体の磁気処理を行う少なくとも1つのコイルよりなる第一コイルと、同第一コイルに直流電圧を供給する直流電源部とを有し、前記超低周波数弱磁界発生手段が、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生して前記流体の磁気処理を行う少なくとも1つのコイルよりなる第二コイルと、当該第二コイルに超低周波数の交流電圧を供給する交流電源部とを備えていることを特徴とする。
【0017】
また、請求項4に係る本発明の流体磁気処理装置は、請求項2に記載の流体磁気処理装置において、前記直流磁界発生手段が、設定された強度の直流磁界を発生して流体の磁気処理を行うように組み合わされた少なくとも1つの永久磁石及び少なくとも1つのコイルよりなる第一磁力発生源と、当該第一磁力発生源のコイルに直流電圧を供給する直流電源部とを有し、前記超低周波数弱磁界発生手段が、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生して前記流体の磁気処理を行う少なくとも1つのコイルよりなる第二磁力発生源と、当該第二磁力発生源に超低周波数の交流電圧を供給する交流電源部とを備えていることを特徴とする。
【0018】
さらに、請求項5に係る本発明の流体磁気処理装置は、流体に分子レベルの磁気圧力をかけて流体の各成分の分子レベルでの解離及び活性化を促進させる流体磁気処理装置であって、設定された強度の直流磁界を発生させ、流体を挟んで互いに対抗する側から相互に同じ向きの直流磁界を作用させることにより同流体の磁気処理を行う直流磁界発生手段と、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生させ、前記流体を当該超低周波数弱磁界中に曝すことにより、前記直流磁界発生手段と同時並行して同流体の磁気処理を行う超低周波数弱磁界発生手段とを有する第一流体磁気処理装置と、当該第一流体磁気処理装置よりも下流側に設定された距離間隔を隔てて配設され、前記流体を挟んで互いに対抗する側から相互に反対向きの直流磁界を作用させることにより流体の磁気処理を行うように相互に間隔を置いて配置された少なくとも1台の第二流体磁気処理装置とを備えたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の流体磁気処理方法及び装置の作動原理を説明するための要部縦断面図、図2(1)は図1の磁極構成とは異なった場合における流体磁気処理方法及び装置の作動原理を説明するための要部縦断面図、図2(2)は図2(1)の磁極構成を説明するための説明用要部破断斜視図、図3は本発明の一実施例としての流体磁気処理装置を示す要部側面図、図4は本発明の一実施例としての流体磁気処理装置における磁極配置の一例を示す要部横断面図である。
【0020】
まず図1に示すように、例えば、円筒状の流体管1の互いに対抗する表面上に2個の点磁極2及び3が存在すると、水分子には点磁極2及び3により磁力線a及びbで表されるような磁界によって等力線fにより示すような磁気力が働き、その大きさは、図中において相対値170,70,20で示すように、各点磁極2及び3から遠ざかるにつれて急激に小さくなる。
【0021】
すなわち、図1において、流体管1の中心軸線4上のz軸の正方向(図1の右方向)から負方向(図1の左方向)に水が流れているものとすると、水分子には磁力線a及びbで表されるような磁界によって等力線fにより示すような磁気力が働き、その大きさは、図中において相対値170,70,20で示すように、各点磁極2,3から遠ざかるにつれて急激に小さくなる。流体は流体管1の中心軸線4に向かう斥力による圧縮力を受けながら、徐々に流れに逆らう向きの斥力による圧縮力を受けて、減速させられる。水分子が、点磁極2及び3を含み流体管1の中心軸線4に垂直な断面に近づくに従って斥力の大きさが急激に大きくなる。そして点磁極2及び3を含み流体管1の中心軸線4に垂直な断面を通過した後の水分子は、流れ方向の斥力を受けて加速される。
【0022】
図2に示すように、円筒状の流体管5の同一横断面に沿う表面上に周方向に等間隔をおいて4個の点磁極6,7,8及び9がN極,S極,N極,S極の順に存在すると、水分子には点磁極6〜9によって磁力線c及びdで表されるような磁界によって等力線fにより示されるような磁気力が働き、その大きさは、図中において相対値170,70,20で示すように、各点磁極6〜9から遠ざかるにつれて急激に小さくなる。
【0023】
図2において、流体管5の中心軸線10上のz軸の正方向(図1の右方向)から負方向(図1の左方向)に水が流れているものとすると、水分子は磁気力によって流体管5の中心軸線10に向けた斥力による圧縮力を受けながら、徐々に流れに逆らう向きの斥力による圧縮力をも受けて減速させられる。水分子が、点磁極6〜9を含み円筒管5の中心軸線10に垂直な断面に近づくに従って斥力の大きさが急激に大きくなる。そして点磁極6〜9を含み円筒管5の中心軸線10に垂直な断面を通過した後の水分子は、流れ方向の斥力を受けて加速される。
【0024】
上記図1及び図2は、流動する物質が反磁性の物質である場合について共通するものであるが、流動する物質が常磁性の物質の場合には、磁気力が逆向きに働くことになる。そのため、水と常磁性物質とが同時に流動する場合には、磁気力が水分子と常磁性物質とを引き離す向きに働くこととなる。さらに、上記図1及び図2において、各磁極の磁力が水分子に作用する力は、各点磁極の極性に関係なく作用する。すなわち、水分子に対しては、点磁極がN極であってもS極であっても共に斥力を及ぼす。
【0025】
上記のように、水分子に対しては、点磁極がN極であってもS極であっても共に斥力を及ぼすため、コイル群や永久磁石群を使用する場合において、主力となる磁気力は、点磁極による斥力の総和として求めることができ、それ以外の磁気力としては、各磁極が互いに作る磁界の相互関係による磁気力が加わることとなる。
【0026】
上述のように、磁気処理により、管内を流れる水分子は、磁気処理装置に近付くと、始めのうちは管の軸方向の斥力を受けて減速させられ、徐々に管の軸に垂直な向きの圧縮力が作用力の主流となる。磁気処理装置を通過すると、水分子は軸方向の斥力を受けて加速される。このような斥力及び圧縮力に抗して、水分子は、互いに摩擦し合いながら磁界の中を潜り抜け、磁気処理装置を通過することとなる。このとき溶融物質に束縛され、拘束されていた水分子が解き放たれてバルブ水となる量が増加し、その結果、水本来の性質を発揮することができる水分子のクラスターが増加することとなる。
【0027】
磁気処理装置を管の軸方向に或る距離の間隔で互いに近接させて複数個設置すると、磁気処理効果が高まる。これは、隣の磁気処理装置を通過した後の水分子が加速の斥力を受けているところに、今度は直近下流側の磁気処理装置から減速の斥力が働き始めることとなるため、水分子は二つの磁気処理装置の中間領域で軸方向の圧縮力を受けることとなるからである。したがって、磁気処理装置を管の軸方向に或る距離の間隔で、例えば管が円筒管である場合には当該管の直径の5〜6倍内の程度の間隔で、複数台の磁気処理装置を設置することによって、磁気処理装置の効果を一段と高めることができる。
【0028】
図3は,本発明の一実施例としての流体磁気処理装置を示す。直流磁界及び超低周波数弱磁界よりなる流体磁気処理装置11は、流体管12の外周面上に装着された直流磁界・超低周波数弱磁界磁気処理装置13と、この直流磁界・超低周波数弱磁界磁気処理装置13から流体管12内の流体の流れFの下流側に距離間隔Uを隔てて、流体管12の外周面上に装着された第1の永久磁石磁気処理装置14aと、この第1の永久磁石磁気処理装置14aから流体管12内の流体の流れの下流側に距離間隔Wを隔てて流体管12の外周面上に装着された第2の永久磁石磁気処理装置14bと、この第2の永久磁石磁気処理装置14bから流体管12内の流体の流れの下流側に距離間隔Wを隔てて流体管12の外周面上に装着された第3の永久磁石磁気処理装置14cとを備えている。
【0029】
図3において、直流磁界・超低周波数弱磁界磁気処理装置13は、流体に対して、設定された強度の直流磁界を発生させ流体を挟んで互いに対抗する側から互いに同じ向きの直流磁界を作用させることにより流体の磁気処理を行う直流磁界発生手段と、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生させ、流体を超低周波数弱磁界中に曝すにより前記直流磁界発生手段と同時並行して流体の磁気処理を行う超低周波数弱磁界発生手段とを備える。
【0030】
直流磁界・超低周波数弱磁界磁気処理装置13の前記直流磁界発生手段は、設定された強度の直流磁界を発生して流体の磁気処理を行う少なくとも1つのコイルよりなる第一コイルと、当該第一コイルに直流電圧を供給する直流電源部とを有し、直流磁界・超低周波数弱磁界磁気処理装置13の超低周波数弱磁界発生手段が、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生して流体の磁気処理を行う少なくとも1つのコイルよりなる第二コイルと、当該第二コイルに超低周波数の交流電圧を供給する交流電源部とを備えるように構成することができる。この場合、上記第一コイルに代えて、設定された強度の直流磁界を発生して流体の磁気処理を行うように組み合わされた少なくとも1つの永久磁石及び少なくとも1つのコイルよりなる磁力発生手段とすることもできる。
【0031】
永久磁石磁気処理装置14a〜14cは、図3においては3台配設されているが、流体管12内を流れる流体に作用する磁気圧力を考慮して2台以上の複数台を配設することとし、直流磁界・超低周波数弱磁界磁気処理装置13との間の間隔Uは、流体管の直径Dの5倍以上とすることが望ましい。また、永久磁石磁気処理装置14a〜14cの相互間の間隔Wは、流体管12の直径の6倍内、より好ましくは5倍内の程度の間隔であることが望ましい。
【0032】
静止している状態の流体に対する磁気処理条件は、地磁気を含めた強度30〜70A/mの直流磁界と、周波数5〜10Hzで強度450〜750A/mの超低周波数弱磁界とを同方向に印加するように磁気処理装置を構成することが望ましく、最適には、地磁気を含めた強度50A/mの直流磁界と、周波数7Hzで強度600A/mの超低周波数弱磁界を同方向に印加するように磁気処理装置を構成することが望ましい。
【0033】
また、流動している状態の流体に対する磁気処理条件は、表面磁束密度が静磁界の安全基準である4000G以下の永久磁石を組み込んだ磁気処理装置を用いる。図4に示した流体磁気処理装置は、図3に示した流体磁気処理装置において使用することができる流体磁気処理装置の一例であって、2つの永久磁石15a及び15bを継鉄16でつないだものを2台使用して、外部に磁気漏れが無いようにするとともに、設置や取り外しがし易いように設計することが重要である。
【0034】
図1ないし図3に示した流体磁気処理装置は、本発明の好適な実施の形態を例示したものにすぎない。本発明によれば、直流磁界発生手段を、永久磁石と第一コイル群とを組み合わせて併用することにより、流体が運動していても、静止していても、常に流体に対する磁気処理が可能である。本発明は、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内で種々の実施の形態に従って実施をすることができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、以下のような効果が得られる。
(1)請求項1に係る本発明の流体磁気処理方法によれば、流体の磁気処理を行うための流体磁気処理方法であって、磁気処理を行う際に、前記流体に対して、設定された磁界強度の直流磁界と、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界とを同時に印加することにより、同流体に分子レベルの磁気圧力をかけて流体の各成分の分子レベルでの解離及び活性化を促進させるようにしたので、流体を磁気処理する過程で、直流磁界と超低周波数弱磁界とを組み合わせて流体に同時に印加することにより、直流磁界と超低周波数弱磁界とが流体に分子レベルの磁気圧力をかけて流体の各成分の分子レベルでの相互解離を有効に促進させることができ、そうすることによって流体の流動性を増大させて同流体を活性化させることができ、流体が本来持っている好ましい特性を引き出してその質的向上を図ることができる。また、多種多様な流体容器や流体導管の内壁面へのスケールの付着、流体導管内での錆の発生、浸食、藻類の成長等を従来の流体磁気処理方法以上に効果的に予防することができ、流体が、流動していても、静止していても、常に当該流体に対する磁気処理を簡易にすることができる。
(2)請求項2に係る本発明の流体磁気処理装置によれば、流体に分子レベルの磁気圧力をかけて流体の各成分の分子レベルでの解離及び活性化を促進させる流体磁気処理装置であって、設定された強度の直流磁界を発生させ流体を挟んで互いに対抗する側から相互に同じ向きあるいは反対向きの直流磁界を作用させることにより同流体の磁気処理を行う直流磁界発生手段と、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生させ、前記流体を当該超低周波数弱磁界中に曝すことにより前記直流磁界発生手段と同時並行して同流体の磁気処理を行う超低周波数弱磁界発生手段とを備えているので、流体を磁気処理する過程で、直流磁界と超低周波数弱磁界とを組み合わせて流体に同時に印加することができ、直流磁界と超低周波数弱磁界とを組み合わせて流体に同時に印加することにより、直流磁界と超低周波数弱磁界とが、流体に分子レベルの磁気圧力をかけて同流体の各成分の分子レベルでの相互解離を有効に促進させることができ、その結果、流体の流動性を増大させて同流体を活性化し、当該流体が本来持っている好ましい特性を効果的に引き出して、その質的向上を図ることができ、また、多種多様な流体容器や流体導管の内壁面へのスケールの付着、流体導管内での錆の発生、浸食、藻類の成長等を従来の流体磁気処理装置以上に効果的に予防することができ、流動している流体に対しても、静止している流体に対しても、簡便な装置により効果的に磁気処理をすることができる。
(3)請求項3に係る本発明の流体磁気処理装置によれば、請求項2に記載した流体磁気処理装置において、前記直流磁界発生手段が、設定された強度の直流磁界を発生して流体の磁気処理を行う少なくとも1つのコイルよりなる第一コイルと、当該第一コイルに直流電圧を供給する直流電源部とを有し、前記超低周波数弱磁界発生手段が、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生して前記流体の磁気処理を行う少なくとも1つのコイルよりなる第二コイルと、同第二コイルに超低周波数の交流電圧を供給する交流電源部とを備えているので、請求項2に記載の流体磁気処理装置が奏する効果に加えて、直流磁界を発生して流体の磁気処理を行う第一コイルと超低周波数弱磁界を発生して流体の磁気処理を行う第二コイルとを備えた簡便な装置により、流動している流体に対しても、静止している流体に対しても、効果的に磁気処理を行うことができる。
(4)請求項4に係る本発明の流体磁気処理装置によれば、請求項2に記載の流体磁気処理装置において、前記直流磁界発生手段が、設定された強度の直流磁界を発生して流体の磁気処理を行うように組み合わされた少なくとも1つの永久磁石及び少なくとも1つのコイルよりなる第一磁力発生源と、当該第一磁力発生源のコイルに直流電圧を供給する直流電源部とを有し、前記超低周波数弱磁界発生手段が、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生して前記流体の磁気処理を行う少なくとも1つのコイルよりなる第二磁力発生源と、当該第二磁力発生源に超低周波数の交流電圧を供給する交流電源部とを備えているので、請求項2に記載の流体磁気処理装置が奏する効果に加えて、直流磁界を発生して流体の磁気処理を行う第一磁力発生源の永久磁石及びコイルの組み合わせと、超低周波数弱磁界を発生して流体の磁気処理を行う第二磁力発生源のコイルとを備えた簡便な装置により、流動している流体に対しても、静止している流体に対しても、永久磁石による安定した磁力を利用しながら、より一層効果的に磁気処理を行うことができる。
(5)請求項5に係る本発明の流体磁気処理装置によれば、流体に分子レベルの磁気圧力をかけて流体の各成分の分子レベルでの解離及び活性化を促進させる流体磁気処理装置であって、設定された強度の直流磁界を発生させ、流体を挟んで互いに対抗する側から相互に同じ向きの直流磁界を作用させることにより同流体の磁気処理を行う直流磁界発生手段と、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生させ、前記流体を当該超低周波数弱磁界中に曝すことにより、前記直流磁界発生手段と同時並行して同流体の磁気処理を行う超低周波数弱磁界発生手段とを有する第一流体磁気処理装置と、当該第一流体磁気処理装置よりも下流側に設定された距離間隔を隔てて配設され、前記流体を挟んで互いに対抗する側から相互に反対向きの直流磁界を作用させることにより流体の磁気処理を行うように相互に間隔を置いて配置された少なくとも1台の第二流体磁気処理装置とを備えているので、流体を磁気処理する過程で、直流磁界と超低周波数弱磁界とを組み合わせて流体に同時に印加することができ、そのようにして直流磁界と超低周波数弱磁界とを組み合わせて流体に同時に印加することにより、直流磁界と超低周波数弱磁界とが、流体に分子レベルの磁気圧力をかけて同流体の各成分の分子レベルでの相互解離を有効に促進させることができ、その結果、流体の流動性を増大させて同流体を活性化し、当該流体が本来持っている好ましい特性を効果的に引き出して、その質的向上を図ることができ、また、多種多様な流体容器や流体導管の内壁面へのスケールの付着、流体導管内での錆の発生、浸食、藻類の成長等を従来の流体磁気処理装置以上に効果的に予防することができ、特に流動している流体に対して、簡便な装置により効果的に磁気処理をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流体磁気処理方法及び装置の作動原理を説明するための要部縦断面図である。
【図2】図2(1)は図1の磁極構成とは異なった場合における流体磁気処理方法及び装置の作動原理を説明するための要部縦断面図であり、図2(2)は図2(1)の磁極構成を説明するための説明用要部破断斜視図である。
【図3】本発明の一実施例としての流体磁気処理装置を示す要部側面図である。
【図4】本発明の一実施例としての流体磁気処理装置における磁極配置の一例を示す要部横断面図である。
【符号の説明】
1 流体管
2 点磁極
3 点磁極
4 中心軸線
5 流体管
6 点磁極
7 点磁極
8 点磁極
9 点磁極
10 中心軸線
11 流体磁気処理装置
12 流体管
13 直流磁界発生手段及び超低周波数弱磁界発生手段よりなる第1の流体磁気処理装置
14a,14b,14c 第2の流体磁気処理装置
15a,15b 永久磁石
16 継鉄
a 磁力線
b 磁力線
c 磁力線
d 磁力線
f 等力線
D 直径
F 流体の流れ
U 距離間隔
W 距離間隔
Claims (5)
- 流体の磁気処理を行うための流体磁気処理方法であって、磁気処理を行う際に、前記流体に対して、設定された磁界強度の直流磁界と、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界とを同時に印加することにより、同流体に分子レベルの磁気圧力をかけて流体の各成分の分子レベルでの解離及び活性化を促進させることを特徴とする、流体磁気処理方法。
- 流体に分子レベルの磁気圧力をかけて流体の各成分の分子レベルでの解離及び活性化を促進させる流体磁気処理装置であって、設定された強度の直流磁界を発生させ流体を挟んで互いに対抗する側から相互に同じ向きあるいは反対向きの直流磁界を作用させることにより同流体の磁気処理を行う直流磁界発生手段と、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生させ、前記流体を当該超低周波数弱磁界中に曝すことにより前記直流磁界発生手段と同時並行して同流体の磁気処理を行う超低周波数弱磁界発生手段とを備えていることを特徴とする、流体磁気処理装置。
- 請求項2に記載の流体磁気処理装置において、前記直流磁界発生手段が、設定された強度の直流磁界を発生して流体の磁気処理を行う少なくとも1つのコイルよりなる第一コイルと、当該第一コイルに直流電圧を供給する直流電源部とを有し、前記超低周波数弱磁界発生手段が、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生して前記流体の磁気処理を行う少なくとも1つのコイルよりなる第二コイルと、当該第二コイルに超低周波数の交流電圧を供給する交流電源部とを備えていることを特徴とする、流体磁気処理装置。
- 請求項2に記載の流体磁気処理装置において、前記直流磁界発生手段が、設定された強度の直流磁界を発生して流体の磁気処理を行うように組み合わされた少なくとも1つの永久磁石及び少なくとも1つのコイルよりなる第一磁力発生源と、当該第一磁力発生源のコイルに直流電圧を供給する直流電源部とを有し、前記超低周波数弱磁界発生手段が、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生して前記流体の磁気処理を行う少なくとも1つのコイルよりなる第二磁力発生源と、当該第二磁力発生源に超低周波数の交流電圧を供給する交流電源部とを備えていることを特徴とする、流体磁気処理装置。
- 流体に分子レベルの磁気圧力をかけて流体の各成分の分子レベルでの解離及び活性化を促進させる流体磁気処理装置であって、設定された強度の直流磁界を発生させ、流体を挟んで互いに対抗する側から相互に同じ向きの直流磁界を作用させることにより同流体の磁気処理を行う直流磁界発生手段と、設定された周波数及び磁界強度の超低周波数弱磁界を発生させ、前記流体を当該超低周波数弱磁界中に曝すことにより、前記直流磁界発生手段と同時並行して同流体の磁気処理を行う超低周波数弱磁界発生手段とを有する第一流体磁気処理装置と、当該第一流体磁気処理装置よりも下流側に設定された距離間隔を隔てて配設され、前記流体を挟んで互いに対抗する側から相互に反対向きの直流磁界を作用させることにより流体の磁気処理を行うように相互に間隔を置いて配置された少なくとも1台の第二流体磁気処理装置とを備えたことを特徴とする、流体磁気処理装置。
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JP2002336949A JP2004167400A (ja) | 2002-11-20 | 2002-11-20 | 流体磁気処理方法及び装置 |
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JP2002336949A Pending JP2004167400A (ja) | 2002-11-20 | 2002-11-20 | 流体磁気処理方法及び装置 |
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JP (1) | JP2004167400A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008202832A (ja) * | 2007-02-19 | 2008-09-04 | Takaaki Takebayashi | 粘性降下装置、粘性降下システム、及び流動体供給システム |
JP2010099601A (ja) * | 2008-10-24 | 2010-05-06 | Suzuya Denki Service:Kk | 機能水およびその生成方法 |
JP2021006718A (ja) * | 2020-10-05 | 2021-01-21 | 克己 加藤 | 動力補助装置 |
-
2002
- 2002-11-20 JP JP2002336949A patent/JP2004167400A/ja active Pending
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