JP2004166718A - 釣竿の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、釣竿の竿管の表面に立体感のある装飾を施すに際し、釣竿全体が重量化することがなく、しかも立体感が十分に感じられる釣竿の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の釣竿は、外周面に所定の色彩の地色7を配色した竿管1を備え、地色7の所定位置に、その地色より明度の高い第1の色彩領域8を形成すると共に、この第1の色彩領域8に隣接して、地色7よりも明度が低い第2の色彩領域10を形成したことを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】本発明の釣竿は、外周面に所定の色彩の地色7を配色した竿管1を備え、地色7の所定位置に、その地色より明度の高い第1の色彩領域8を形成すると共に、この第1の色彩領域8に隣接して、地色7よりも明度が低い第2の色彩領域10を形成したことを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
この発明は、装飾層を有する釣竿の製造方法に関する。
近年、釣竿は、強化繊維に樹脂を含浸させた、いわゆるFRPによって作成されるものが多く、また、その装飾性を高めるために、外表面に様々な模様を形成することが行われている。例えば、へら竿等は、通常、天然竹で作成されたものが好まれるが、材料不足で大量生産が困難であるという実情に鑑み、FRP製の釣竿の外周面に、竹竿に酷似した装飾を施すことが行われている。
例えば、竿管本体の外周面に一定間隔をおいて高粘稠樹脂液を断面山形状に塗装することで、天然竹の節環に酷似させた装飾を形成する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、同様に、竿管本体上にエポキシ樹脂等によって肉盛部を形成し、この肉盛部の前方傾斜部に、濃い色の塗装を行い、後方の傾斜部を下るに従ってこれをぼかしたぼかし塗装層を形成する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開昭56−164730号公報
特開平7−79668号公報
しかしながら、上記した従来技術では、天然竹の節環のように、立体感(凹凸感)のある装飾を形成する場合、竿管本体の外周に、別途、肉盛部を形成するため、釣竿が重量化してしまう。また、これを軽量化するために、肉盛部をなくしたり、高さを低くすると今度は立体感のない外観形状の劣った装飾となってしまう。
この発明は、釣竿の竿管の表面に立体感のある装飾を施すに際し、釣竿全体が重量化することがなく、しかも立体感が十分に感じられる釣竿の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の釣竿の製造方法は、竹地層の形成された竿管の所望の位置に前記竹地層の色彩と同系色で明度の高い第1の竹地層を吹き付け塗装する第1の工程と、前記第1の竹地層の穂先側ではなく長さ方向略半分より先側をマスキングして竿尻側に、前記竹地層と同系色で明度の低い第2の竹地層を連接して吹き付け塗装し、節環を形成する第2の工程とを備えて構成した。
上記のように、竿管の竹地層より明度が高い第1の竹地層と、地色よりも明度が低い第2の竹地層とを隣接させることで、その明度差によって立体感を表現することが可能になる。すなわち、立体感を、色彩の明度差によって表現することにより、竿管表面に実際に肉盛部を形成する必要性がなくなり、釣竿全体として軽量化が図れる。
また、第1及び第2の竹地層の下側に形成した肉盛部の頂部を、第1の竹地層と第2の竹地層との堺に配置することで、第1の竹地層と第2の竹地層とが、天然竹の節環の触感を与える立体構造に形成される。
本発明によれば、竿管の竹地層より明度の高い第1の竹地層と竹地層より明度の低い第2の竹地層とを隣接させて形成していることにより、これらの竹地層の明度の高低によって、釣竿の外周面に立体感を表現することができるので、実際に肉盛部を形成する必要性がなくなり、竿全体を軽量化することが可能となる。このため、全体の持ち重り感が減少し、操作しやすくなると共に、長時間使用しても疲れることがない釣竿が得られる。
また、第1及び第2の竹地層の下側に形成した肉盛部の頂部を、第1の竹地層と第2の竹地層との堺に配置することで、第1の竹地層と第2の竹地層とが、天然竹の節環の触感を与える立体構造に形成され、視覚だけでなく更に触覚を通じても立体感を感じる釣竿が得られる。この釣竿でも肉盛部の肉厚を薄くすることができ、釣竿全体を軽量化して、持ち重り感を減少させ、長時間使用しても疲れにくい良好な操作性が得られる。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面に沿って具体的に説明する。本発明は、釣竿に形成される装飾に特徴があり、特に、色彩によって立体感を表現することに特徴がある。以下に説明する実施の形態では、天然竹に酷似する装飾を形成した釣竿を例にして説明する。
図1には、天然竹に酷似する釣竿の内、手元側の竿管1が示されており、その竿管の外周面には、所定の間隔をおいて、節環1a〜1dが形成されている。また、手元側の竿管1の基端部には、握部2が取り付けられている。この場合、釣竿の全体構成としては、振出し式であっても、並継式であっても良い。
竿管1は、繊維強化プリプレグシートを芯金に巻回して、常法にしたがって作成されたものであり、最終的な工程として、表面研磨した後に、天然竹に酷似した塗装が施されたものである。この実施の形態では、まず天然竹の地色と同色の色彩、一般的には淡い褐色、が吹き付け塗装、しごき塗装等の方法によって竿管全体に着色される。
上記節環1a〜1dは、以下のようにして着色形成される。図2において、符号5は、繊維強化プリプレグシートによる竿管1の本体層を示しており、この本体層5上には、上記天然竹の地色と同じ色彩の塗装が施されることによって竹地層7が形成されている。そして、竹地層7の節環を形成すべき位置には、まず、竹地層と同系色の色彩で、それよりも明度の高い高明度竹地層8が、吹き付け塗装、しごき塗装等の方法によって着色される。次に、そのように形成された高明度竹地層8を、軸方向に対して略半分だけマスキングし、竹地層と同系色の色彩で、それよりも明度の低い低明度竹地層10が、同様な方法によって着色される。
このように、明度が異なる色彩領域を隣接させることで、図3に示すように、あたかも天然竹の節環のような立体装飾を表現することが可能になる。なお、立体装飾をこのような天然竹の節環とした場合、高明度竹地層8をJIS規格の明度基準で7〜10程度とし、低明度竹地層10を、同規格の明度基準で0〜2程度(少なくとも4以上で好ましくは6以上の明度差)にすれば、その明度差によって、竹地層8,10の隣接領域において天然竹の節環に、より酷似した装飾を形成することができる。
このように、色彩の明度差のみで、立体感を有する装飾層が得られるため、竿管の外周に節環に対応する肉盛部を実際に形成する必要性がなくなり、釣竿全体の軽量化を図ることが可能となる。また、このように、釣竿が軽量化されることにより、持ち重り感が減少し、長時間使用しても疲れるようなことがない。
あるいは、図4に示すように、上記したような構成の高明度竹地層8および低明度竹地層10が形成される領域に、肉盛部15を形成しても良い。すなわち、肉盛部15の切り立った頂部15aを堺にして、高明度竹地層8および低明度竹地層10を形成することで、より天然竹の節環に酷似させることができ、実際に手で触ったときに、本物のような感触を得ることが可能となる。なお、肉盛部15を形成することで、上述の実施形態における釣竿よりは、釣竿全体の重量が増えるものの、上述したように、高明度竹地層8および低明度竹地層10によって、実際の立体感をかなり酷似して表現できるため、肉盛部を形成する場合、その肉厚を従来よりも薄くすることができる。したがって、従来の肉盛部を形成した構成よりも、釣竿全体として軽量化が図れる。
以上、本発明の実施の形態を、天然竹の節環を例にして説明したが、本発明は明度の高い色彩領域と、明度の低い色彩領域とを隣接させることで立体感を出すことに特徴があり、それが適用されるものについては、上述したような天然竹の節環部分に限定されることはない。また、上記実施の形態では、低明度の色彩領域および高明度の色彩領域を、塗装によって形成したが、このような隣接して明度の高低を表現できれば、竿管表面に直接スクリーン印刷したり、あるいは、そのような色彩領域が予め形成された印刷シートを竿管表面に添着して構成しても良い。
1 竿管
1a〜1d 節環
5 本体層
7 竹地層
8 高明度竹地層
10 低明度竹地層
15 肉盛部
1a〜1d 節環
5 本体層
7 竹地層
8 高明度竹地層
10 低明度竹地層
15 肉盛部
Claims (1)
- 竹地層の形成された竿管の所望の位置に前記竹地層の色彩と同系色で明度の高い第1の竹地層を吹き付け塗装する第1の工程と、
前記第1の竹地層の穂先側ではなく長さ方向略半分より先側をマスキングして竿尻側に、前記竹地層と同系色で明度の低い第2の竹地層を連接して吹き付け塗装し、節環を形成する第2の工程と、
を具備することを特徴とする釣竿の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004080574A JP2004166718A (ja) | 2004-03-19 | 2004-03-19 | 釣竿の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004080574A JP2004166718A (ja) | 2004-03-19 | 2004-03-19 | 釣竿の製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP17442497A Division JP3575954B2 (ja) | 1997-06-30 | 1997-06-30 | 釣竿 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004166718A true JP2004166718A (ja) | 2004-06-17 |
Family
ID=32709609
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004080574A Pending JP2004166718A (ja) | 2004-03-19 | 2004-03-19 | 釣竿の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004166718A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021145591A (ja) * | 2020-03-18 | 2021-09-27 | グローブライド株式会社 | 釣竿 |
-
2004
- 2004-03-19 JP JP2004080574A patent/JP2004166718A/ja active Pending
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