JP2004166629A - 管理機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】管理機本体2の本体フレーム上20に、ロータリ耕耘装置4を駆動する電動モータ5と、該電動モータ5へ給電を行なうバッテリ6とを搭載する。このバッテリ6は本体フレーム20に着脱自在に構成され、充電する際には、該バッテリ6を該本体フレーム20から取り外して電源コンセントの傍まで持って行けるように構成されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、歩行型の管理機に関し、特に、ロータリ耕耘装置を有する小型の管理機の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、家庭菜園等比較的小面積の畑などを耕す農業機械として歩行型の小型管理機が知られている。この管理機は、ロータリ耕耘装置を具備する管理機本体と、該管理機本体から延設されるハンドルとを備え、具体的には以下のように構成されている。
【0003】
特開2002−240750号公報で開示される管理機では、同号公報の図1に示すように、機体フレームを構成するミッションケース2を上下方向に傾斜させて配設し、該ミッションケース2の上部にはロータリ爪3による泥土の跳ね上がりを防止するための鋼板製の盤状のフェンダ4を載設すると共にエンジン5を搭載している。そして、前記ミッションケース2及びエンジン5の左側面には、エンジン5の動力をミッションケース2の入力軸に伝達するベルト伝動装置(図示せず)を設けている。また、前記エンジン5の上部には燃料タンク6を配設し、該燃料タンク6の周囲をプラスチック製のエンジンカバー7(ボンネット)で覆っている。
【0004】
前記ミッションケース2の下方部には、耕耘軸8を機体の左右方向に延設し、該耕耘軸8に作業部としてのロータリ爪3及びゲージホイール9を取り付けている。そして、前記ミッションケース2の中途部から後方に向けヒッチ(図示せず)を延設し、該ヒッチに抵抗棒10を下方に向け突設させている。
【0005】
また、前記ミッションケース2の後部から斜め上後ろに向けて、ハンドルフレーム11を突設し、更に該ハンドルフレーム11から機体後方に向け左右ハンドル12L、12Rを延設している。左右のハンドル12L・12Rは、上下中途部で直線状のハンドルステーを介して連結され、左ハンドル12Lには、後進クラッチレバー13を設けるとともに、右ハンドル12Rには、主クラッチレバー14を配設している。
【0006】
また、特開平7−156803号公報で開示される管理機では、同号公報の図1に示すように、管理機本体のエンジンベース1上にエンジンEが載置され、該管理機本体から斜め上後方にハンドルAが突出され、また、エンジンベース1後端には抵抗棒3の支持部1aが配設されている。ハンドルAは2本のアーム6・7より構成されており、該アーム6の後端にクラッチレバー15が設けられ、アーム7後部にアクセルレバー16が設けられている。
【0007】
エンジンEからの動力はミッションケースを介して本体下方に突出したチェーンケース2に伝えられ、該チェーンケース2下部には車軸に固設した耕耘軸4が両側に突出され、該耕耘軸4上に耕耘爪5・5・・・が植設され、エンジンEからの動力により回転駆動するように構成されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−240750号公報
【特許文献2】
特開平7−156803号
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように管理機は構成されており、従来の管理機はガソリン等を燃料とするエンジン駆動のものばかりである。ところで、近年、地球温暖化防止の観点から二酸化炭素の排出量を規制する声が高まっており、そこで、本発明では、まず第1に、エンジン以外の駆動源を搭載した管理機を開発することを課題とする。そして、第2には、該エンジン以外の駆動源からロータリ耕耘装置の耕耘軸への減速効率の向上を図ることを課題とし、さらに、第3に、前記管理機のハンドルを改良して、該ハンドルの剛性は維持しつつ、該駆動源などからの振動の吸収性を高め、該ハンドルから作業者に伝わる不快な振動を軽減することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
まず、請求項1に記載のように、ロータリ耕耘装置を具備する管理機本体と、該管理機本体から延設されるハンドル操作部とを備えた管理機において、前記管理機本体に、ロータリ耕耘装置を駆動する電動式駆動源と、該電動式駆動源へ給電を行なうバッテリと、が搭載される。
【0011】
また、請求項2に記載のように、前記バッテリは前記管理機本体に着脱自在に搭載される。
【0012】
そして、請求項3に記載のように、前記電動駆動源の駆動軸と、前記ロータリ耕耘装置の耕耘軸とは直交する向きに配置され、該駆動軸と平行に中間軸が配置されて、該駆動軸に第1平歯車が取り付けられるとともに、該中間軸の一端部には該第1平歯車と噛合する、該第1平歯車よりも大径の第2平歯車が取り付けられ、該中間軸の他端部に第1傘歯車が取り付けられるとともに、該耕耘軸には該第1傘歯車と噛合する、該第1傘歯車よりも大径の第2傘歯車が取り付けられる。
【0013】
さらに、請求項4に記載のように、ロータリ耕耘装置を具備する管理機本体と、該管理機本体から延設されるハンドル操作部とを備えた管理機において、前記ハンドル操作部は、左右一対のハンドルフレームと、該一対のハンドルフレームを連結する円弧状のハンドルステーと、を備える。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は管理機1の左側面図、図2は同じく正面図であり、図3はバッテリ6を取り外した状態の管理機1の左側面図である。
【0015】
まず、管理機1の全体構成について説明する。
図1及び図2に示すように、管理機1は、ロータリ耕耘装置4を具備する管理機本体2と、該管理機本体2の後端部から後上方へ延出されるハンドル操作部3とを備え、該管理機本体2の本体フレーム20上には、前部に電動式駆動源たる電動モータ5が載置固定され、後部にバッテリ6が着脱自在に搭載されて、該本体フレーム20の下面にミッションケース7が取り付けられている。前記本体フレーム20はプレート状に構成されて、該本体フレーム20上の電動モータ5とバッテリ6は左右中央に配置して、ミッションケース7上方に位置して、前後左右バランスがとれるようにして、できるだけ操向や作業に必要な力が小さくなるようにしている。
この電動モータ5を搭載した管理機1は、エンジンを搭載した管理機に比べて軽量となり、持ち運びやすくなって、使い勝手がよくなる。
【0016】
ミッションケース7は正面視(側面視)、「T」字型の構造体で、該ミッションケース7の垂下部7bは下方へ突出して、該垂下部7bの下端部にロータリ耕耘装置4の耕耘軸41が軸支されている。耕耘軸41は垂下部7bから左右両側方へ水平に突設されて、該耕耘軸41の左右両側部に耕耘爪43・43・・・を具備する円筒ブラケット42・42が嵌着され、該耕耘軸41と該円筒ブラケット42・42とが一体的に回転するように固定されている。耕耘爪43・43・・・は円筒ブラケット42の左右中央部と外側部とに配置されて、それぞれの箇所で複数の耕耘爪43・43・・・が所定間隔をあけて放射状に植設されている。この耕耘爪43・43・・・と、円筒ブラケット42・42と、耕耘軸41とでロータリ耕耘装置4が構成されている。なお、本実施例の管理機1は走行車輪は設けておらず、走行速度が遅く、遠くまで走行させながら移動することは殆どないので、耕耘爪43・43・・・がその代わりの役目を果たしている。
【0017】
また、本体フレーム20の後下端部には支持ブラケット22が取り付けられている。支持ブラケット22は本体フレーム20よりも後方へ突出されていて、該支持ブラケット22の後端に耕深調節部材23が装着されている。この耕深調節部材45は鋼棒等で構成されて、その上部が支持ブラケット22後端の筒部に挿入され、ボルト等で固定されて上下位置調節可能に取り付けられており、該耕深調節部材23の高さを変更することにより耕深を変更可能としている。この耕深調節部材23を土中に没入しておけば、耕耘作業中に耕耘爪43・43・・・が土中に食い込むように抵抗を与えることができるので機体姿勢が安定する。
【0018】
次に前記ハンドル操作部3の構成について説明する。
ハンドル操作部3は、ハンドル基部31と、左右一対のハンドルフレーム32L・32R等を備え、ハンドル基部31は本体フレーム20の後端部から後上方へ向けて立設されて、該ハンドル基部31の上端部にハンドルフレーム32L・32Rの下端部が前後回動可能に取り付けられ、ハンドルの高さを調整可能としている。ハンドルフレーム32L・32Rは、正面視で「V」字状に配置されており、ハンドル基部31から後上方へ延設されて、その先端部は後方へ折曲され、該先端部には電動モータ5の駆動スイッチ(図示略)等が設けられている。
なお、前記電動モータ5の回転数は供給電圧を変更したり、インバータで周波数を変更したりすることで、変速できるように制御することが可能であり、この変速操作具もハンドルフレーム32の後端部に配置している。この変速制御部は本体フレーム20上または電動モータ5またはバッテリ6近傍に配置される。
【0019】
左右のハンドルフレーム32L・32Rは上下中途部でハンドルステー33を介して連結され、つまり、ハンドルフレーム32L・32R間にハンドルステー33を横架して、ハンドル操作部3の剛性が高められている。このハンドルステー33の形状には特徴があり、ハンドルフレーム32L・32Rの延出方向に沿って、後上方に突出して後面視円弧状に形成され、丸みを帯びた柔らかな形状に形成されている。また、このハンドルステー33を備えたハンドル操作部3全体も、見た目に柔らかな形状となり、視覚を通じて美感を起こさせるようになって、デザイン性が向上する。
【0020】
さらに、ハンドルステー33は振動の吸収性に優れ、直線形状のハンドルステーに比して、本体フレーム20上の電動モータ5等からの振動を効果的に吸収し、ハンドルフレーム32L・32Rの先端部を把持する作業者に伝わる振動が減って、不快感が軽減される。
なお、ハンドルステー33は振動を吸収できる部材、例えば、金属製のパイプや合成樹脂製のパイプ等の弾性を有する部材で構成され、剛性の高いハンドルフレーム32L・32Rに伝わる振動をハンドルステー33が撓んで振動を吸収するようにしている。このハンドルステー33を備えたハンドル操作部3は、ロータリ耕耘装置4の駆動源にエンジンを用いた管理機にも採用することができ、該エンジンからの振動についても効果的に吸収することができる。
【0021】
次に、前記バッテリ6の構成について説明する。
図3に示すように、バッテリ6は、ケーシング60内に、鉛蓄電池、ニッケル−カドミウム電池、水素−ニッケル電池、又はリチウム電池等の2次電池が内蔵されて構成されている。ケーシング60には、上部に作業者が持ち上げるための把手61が形成され、後面下部に充電端子62が設けられて、下面後部に接続コネクタ63が設けられている。
【0022】
バッテリ6を充電する際には、該バッテリ6を本体フレーム20から取り外して、電源コンセント(図示略)の傍に持っていき、該電源コンセントに該バッテリ6の充電端子62を電源コード(図示略)を介して接続する。このようにバッテリ6を本体フレーム20に着脱自在としたことで、管理機1自体を電源コンセントの傍まで移動させなくてもよく、本体フレーム20からバッテリ6だけを取り外して電源コンセントの近くに持って行けばいいので、使い勝手がよい。但し、充電端子62にはアダプタで交流から直流に変換された所定の電圧が供給されるが、AC/DCコンバータをケーシング内に配置してAC100V電源から直接電力を供給してもよい。
【0023】
そして、バッテリ6の充電を完了すれば、該バッテリ6を管理機1の管理機本体2のもとに持ち運び、前記接続コネクタ63を、本体フレーム20側の接続コネクタ(図示略)に接続して、バッテリ6と電動モータ5とを電気的に接続した上で、本体フレーム20上にバッテリ6を載置する。そして、バッテリ6を図示せぬ保持手段を介して本体フレーム20上に支持固定し、作業中に落ちないようにしておく。
なお、バッテリ6の充電は、バッテリ6を本体フレーム20上に載置固定した状態でも行なうことができる。
【0024】
次に、前記ミッションケース7内の構成について説明する。
図1、及び図2に示すように、前記本体フレーム20上の電動モータ5の駆動軸51は、下方へ向けて突設されており、該駆動軸51はミッションケース7内に挿入されている。前記ミッションケース7の垂下部7bは筒状に延出されていて、該垂下部7b内に中間軸71が軸心を上下鉛直方向に向けて軸受を介して回転自在に支持され、該中間軸71の直下方で、前記ロータリ耕耘装置4の耕耘軸41が左右水平方向に配置されている。すなわち、中間軸71と駆動軸51とは平行に配置され、中間軸71と耕耘軸41とは直交する向きに配置される。そして、ミッションケース7内における駆動軸51には第1平歯車72が取り付けられるとともに、該中間軸71の上端部には該第1平歯車72と噛合する第2平歯車73が取り付けられ、垂下部7bの下部内における該中間軸71の他端部に第1傘歯車74が取り付けられるとともに、該耕耘軸41の左右中央部には該第1傘歯車74と噛合する第2傘歯車75が取り付けられている。
【0025】
この中間軸71上の第2平歯車73は駆動軸51上の第1平歯車72よりもかなり大径に(歯数が多く)構成されていて、該平歯車72・73により第1減速機構が構成され、駆動軸51からの回転動力は、該平歯車72・73によって回転速度が大きく減速されるとともに回転トルクは増幅されて、中間軸71へ伝達される。
【0026】
また、耕耘軸41上の第2傘歯車75は中間軸71上の第1傘歯車74よりやや大径に(歯数が多く)構成されていて、該傘歯車74・75により第2減速機構が構成され、中間軸71からの回転動力は、該傘歯車74・75によって回転速度がやや減速されるとともに回転トルクは増幅されて、耕耘軸41へと伝達される。
【0027】
以上のように、第1減速機構と第2減速機構とで減速装置が構成されて、該第1減速機構で大きく減速された後、さらに、該第2減速機構で適度に減速されてるようになっている。この減速装置は、従来のウォームギアで構成した減速装置に比べて減速効率がよく、耕耘軸41で大きなトルクを取り出すことができて、耕耘パワーが増大し、管理機1の作業効率が向上する。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
まず、請求項1に記載の発明では、管理機の駆動源が電動式駆動源で構成されて、二酸化炭素を排出しない構成となり、クリーンで環境にやさしい管理機を提供することができる。また、電動式駆動源を搭載した管理機は、エンジンを搭載した管理機に比べて小型で軽量となり、持ち運びやすくなって、使い勝手がよくなる。
また、リコイルスターター等の始動装置が不要で簡単に始動できる。気化器等の詰まりがなくなり、エアクリーナーやオイルエレメントやフィルター等の清掃や交換が不要となる。エンジンオイルの点検・補給が不要となる。長時間放置しても故障が少なくなる。構造が簡単となりメンテナンスが簡単に行える。等の利点を有するのである。
【0029】
また、請求項2に記載の発明では、電動式駆動源のバッテリが管理機本体に着脱自在であるので、バッテリを充電する際には、管理機自体を電源コンセントの傍まで移動させなくとも、バッテリを管理機本体から取り外して電源コンセントの傍に持って行けばよく、使い勝手がよい。
【0030】
そして、請求項3に記載の発明では、駆動軸上の第1平歯車と、中間軸上の第2平歯車と、中間軸上の第1傘歯車と、耕耘軸上の第2傘歯車とで減速装置が構成され、該減速装置はウォームギアで構成した減速装置に比べて減速効率が向上し、耕耘軸で大きなトルクを取り出すことができ、耕耘パワーが増大して、管理機の作業効率が向上する。
【0031】
さらに、請求項4に記載の発明では、左右一対のハンドルフレームを円弧状のハンドルステーを介して連結したことで、剛性が高まるとともに、該ハンドルステーは駆動源等からの振動を吸収して、ハンドルフレームを把持する作業者に伝わる振動が減り、不快感が軽減される。
また、円弧状のハンドルステーは、丸みを帯びた柔らかな形状で見た目にもよく、該ハンドルステーを備えたハンドル操作部全体が、視覚を通じて美感を起こさせるようになって、デザイン性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】管理機1の左側面図。
【図2】同じく正面図。
【図3】バッテリ6を取り外した状態の管理機1の左側面図。
【符号の説明】
1 管理機
2 管理機本体
3 ハンドル操作部
4 ロータリ耕耘装置
5 電動モータ
6 バッテリ
7 ミッションケース
7b 垂下部
20 本体フレーム
31 ハンドル基部
32L ハンドルフレーム
32R ハンドルフレーム
33 ハンドルステー
41 耕耘軸
51 駆動軸
71 中間軸
72 第1平歯車
73 第2平歯車
74 第1傘歯車
75 第2傘歯車
Claims (4)
- ロータリ耕耘装置を具備する管理機本体と、該管理機本体から延設されるハンドル操作部とを備えた管理機において、
前記管理機本体に、
ロータリ耕耘装置を駆動する電動式駆動源と、
該電動式駆動源へ給電を行なうバッテリと、
が搭載されたことを特徴とする管理機。 - 前記バッテリは前記管理機本体に着脱自在に搭載されたことを特徴とする請求項1に記載の管理機。
- 前記電動駆動源の駆動軸と、前記ロータリ耕耘装置の耕耘軸とは直交する向きに配置され、該駆動軸と平行に駆動軸と耕耘軸との間で動力を伝達する中間軸が配置されて、
該駆動軸に第1平歯車が取り付けられるとともに、該中間軸の一端部には該第1平歯車と噛合する、該第1平歯車よりも大径の第2平歯車が取り付けられ、
該中間軸の他端部に第1傘歯車が取り付けられるとともに、該耕耘軸には該第1傘歯車と噛合する、該第1傘歯車よりも大径の第2傘歯車が取り付けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の管理機。 - ロータリ耕耘装置を具備する管理機本体と、該管理機本体から延設されるハンドル操作部とを備えた管理機において、
前記ハンドル操作部は、
左右一対のハンドルフレームと、
該一対のハンドルフレームを連結する円弧状のハンドルステーと、
を備えたことを特徴とする管理機。
Priority Applications (1)
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