JP2004166368A - 電池制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】充放電電力の大きさに応じて充放電制限を制御する電池制御装置を提供する。
【解決手段】電池セル19nを接続したバッテリ6において、セル電圧Vnが、第1過充電比較電圧V1以上であるかどうかを判断する第1判断手段(S7)と、セル電圧Vnが、V1より高い第2過充電比較電圧V2以上であるかどうかを判断する第2判断手段(S5)と、を備える。さらに、セル電圧Vnが、V2以上である場合にバッテリ6の充電電力を制限する第2充電制限手段(S14〜S16)を備える。第2充電制限手段は、セル電圧VnがV1からV2に達するまでの時間T1に応じて、充電電力の制限を制御する。
【選択図】 図4
【解決手段】電池セル19nを接続したバッテリ6において、セル電圧Vnが、第1過充電比較電圧V1以上であるかどうかを判断する第1判断手段(S7)と、セル電圧Vnが、V1より高い第2過充電比較電圧V2以上であるかどうかを判断する第2判断手段(S5)と、を備える。さらに、セル電圧Vnが、V2以上である場合にバッテリ6の充電電力を制限する第2充電制限手段(S14〜S16)を備える。第2充電制限手段は、セル電圧VnがV1からV2に達するまでの時間T1に応じて、充電電力の制限を制御する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電池制御装置に関する。特に、バッテリの過充電を防ぐための充電制御装置および過放電を防ぐための放電制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電池制御装置として、以下のようなものが知られている。
【0003】
電池の各電池ブロックの電圧を電圧センサでそれぞれ検出する。判定部は、電池ブロックを比較的温度の近くのもの同士を集めグループ分けし、各グループ内におけるブロック間の最大電圧差を算出する。そして、各グループの最大電圧差の中の最大値MAX(ΔVn)を取り出し、これを第1の閾値と比較する。第1の閾値以上であった場合には、電池の放電量を制限する。さらに、MAX(ΔVn)が第2の閾値以上となった場合には、電池の放電を停止する(例えば、特許文献1、参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−178225号公報
【0005】
【発明が解決しようとしている問題点】
しかしながら、上記のような電池制御装置においては、同じ閾値で充電電力を制限するだけでは、立ち上がりの速い場合には制限が間に合わずに過放電を生じたり、逆に遅い場合には制限しすぎたりするという問題が生じる。制限が間に合わず、第2の閾値まで電圧が到達してしまうと放電が急に禁止されて、運転性や動力性能に大きな悪影響を与えてしまう。
【0006】
そこで、本発明は上記の問題を鑑みて、充電電力又放電電力の大きさに応じて充電または放電の制限を制御できる電池制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【問題点を解決するための手段】
本発明は、少なくとも一つの単電池を含む電池セルを接続した組電池において、前記電池セルの電圧が、第1の電圧以上であるかどうかを判断する第1判断手段と、前記電池セルの電圧が、前記第1の電圧より高い第2の電圧以上であるかどうかを判断する第2判断手段と、を備える。また、前記電池セルの電圧が、前記第2の電圧以上であると判断された場合に前記組電池の充電電力を制限する第2充電制限手段と、を備える。前記第2充電制限手段は、前記電池セルの電圧が前記第1の電圧以上であることを検出してから前記第2の電圧以上であることを検出するまでの時間に応じて、充電電力の制限を制御する。
【0008】
また、少なくとも一つの単電池を含む電池セルを接続した組電池において、前記電池セルの電圧が、第3の電圧以下であるかどうかを判断する第3判断手段と、前記電池セルの電圧が、前記第3の電圧より低い第4の電圧以下であるかどうかを判断する第4判断手段を備える。また、前記電池セルの電圧が前記第4の電圧以下であると判断された場合に前記組電池の放電電力を制限する第2放電制限手段と、を備える。前記第2放電制限手段は、前記電池セルの電圧が前記第3の電圧以下であることを検出してから前記第4の電圧以下であることを検出するまでの時間に応じて、放電電力の制限を制御する。
【0009】
【作用及び効果】
第2充電制限手段は、電池セルの電圧が第1の電圧以上であることを検出してから第2の電圧以上であることを検出するまでの時間に応じて、充電電力の制限を制御する。これにより、充電電力の大きさに応じて、充電の制限を制御することができる。よって、セル電圧の変化に応じた充電制限を行うことができ、過充電や過度の充電制限を行うのを防ぐことができる。
【0010】
第2放電制限手段は、電池セルの電圧が第3の電圧以下であることを検出してから第4の電圧以下であることを検出するまでの時間に応じて、放電電力の制限を制御する。これにより、放電電力の大きさに応じて、放電の制限を制御することができる。よって、セル電圧の変化に応じた放電制限を行うことができ、過放電や過度の放電制限を行うのを防ぐことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態に用いる電池制御装置を搭載したシリーズハイブリット車輌の概略を図1に示す。ただし、本実施形態は、シリーズ型に限らず、パラレル型、遊星歯車装置等の歯車式の合成分配装置を有するものなど、種々のハイブリッド車輌に適用することができる。
【0012】
パワートレインは、エンジン1と、エンジン1に直結されたエンジン1のパワーを電力に変換する発電モータ2と、発電モータ2で生成された電力またはハイブリット車輌の走行により生じる電力を蓄電するバッテリ6を備える。バッテリ9は複数の電池セルを直列に接続することにより構成する。また、バッテリ6に蓄えられた電力を用いて駆動される駆動モータ3を備え、駆動モータ3のトルクをファイナルギア4を介してタイヤ5に伝達する。また、制御系として、全体の制御を行う統合コントローラ9と、エンジンコントローラ7、発電機コントローラ8、バッテリコントローラ10、駆動モータコントローラ11を備える。
【0013】
統合コントローラ9から出力されるエンジントルク指令値Tsに基づきエンジンコントローラ7がスロットル開度を制御してエンジントルクを制御する。また、エンジン1および発電モータ2の回転速度が、統合コントローラ9から出力される回転速度指令値Nsに従うように、発電機コントローラ8により発電モータ2の回転速度制御する。回転速度制御では、指令値と実回転速度との偏差に応じたトルク指令値を決定し、トルクがその指令値となるように発電モータ2でベクトル制御を行う。このとき、エンジン1がトルクを出力していれば発電モータ2では発電を行い、エンジン1に燃料が供給されていない状態であれば発電モータ2ではモータリングを行って電力を消費する。
【0014】
バッテリコントローラ10は、バッテリ6の電圧、電流、温度を電圧センサ、電流センサ、温度センサにより検出し、セル電圧Vn、SOC、最大充放電電力Pinmax、Poutmaxを統合コントローラ9に送る。また、駆動モータコントローラ11は統合モータ9から出力されるモータトルク指令値Tsbに基づき駆動モータ3のトルクをベクトル制御する。さらに、統合コントローラ9には、アクセルペダル12の踏み込み位置(APS)を検出するアクセル開度センサと、車速を検出する車速センサの信号が入力される。
【0015】
次に、統合コントローラにおけるハイブリット車輌の制御方法を図2に示す制御ブロック図を用いて説明する。なお、本制御は、一定時間(例えば、10msec)毎にすべて演算するものとする。
【0016】
アクセル開度センサにより検出したAPSの信号と、車速センサにより検出した車速信号とから、車軸駆動力MAPを参照して目標車軸駆動力Tsdを求める。ここで、車軸駆動力MAPは、図2に示すようにAPSと車速に対して目標車軸駆動力Tsdを予め実験等により設定したマップである。目標車軸駆動力Tsdを、ファイナルギア4のファイナルギア比Gfで除算して、駆動モータ軸でのモータトルク指令値Tsbを求める。モータトルク指令値Tsbは、統合コントローラ9から駆動モータコントローラ11に送られ、その値に基づき駆動モータ3のトルクをベクトル制御が行われる。
【0017】
次に、目標車軸駆動力Tsdに車速信号から求まる車軸回転速度を乗じて目標駆動パワーPsdを求める。駆動モータ3でモータトルク指令値Tsbを実現する際の損失を推定し、それを目標駆動パワーPsdに加算して駆動モータ効率補正を行ったものを目標駆動電力Pseとする。
【0018】
ここで、SOC、最大充放電電力Pinmax、Poutmaxから、後述するようにバッテリ6の充放電電力指令値tP_batを求める。目標駆動電力Pseと充放電電力指令値tP_batを足し合わせて目標発電電力Pgenを求める。この目標発電電力Pgenを生じる際に、発電モータ2で生じる損失を推定し、それを目標発電電力Pgenに加えて目標エンジン出力Penを求める(発電モータ効率補正)。目標エンジン出力Penを実エンジン回転速度で除算して、エンジントルク指令値Tsを求める。エンジントルク指令値Tsをエンジンコントローラ7に送り、それに基づきエンジン1のスロットル開度を制御してトルクを制御する。
【0019】
また、目標エンジン出力Penを最良燃料比で出力できるエンジン1の回転速度を演算し、それを発電モータ2の回転速度に変換したものを回転速度指令値Nsとして発電機コントローラ8に送る。発電機コントローラ8では、エンジン1と発電モータ2の回転数がその値と等しくなるように発電モータ2で回転速度制御を行う。
【0020】
次に、図3を用いて、SOC、最大充放電電力Pinmax、Poutmaxとからバッテリ6の充放電電力指令値tP_batを求める制御ブロックを説明する。
【0021】
バッテリ6の蓄電状態(SOC)と目標蓄電状態(目標SOC)との差から、目標充放電電力tPを求める。このとき、目標充放電電力tPは、充電電力であればプラス、放電電力であればマイナスで表される。
【0022】
ここで、まず充電電力指令値tPi_batの求め方を説明する。
【0023】
目標充放電電力tPと0を比較して大きい方を目標充電電力tPinとする。このとき、tPが充電電力を示す場合にはtPin=tP、放電電力である場合にはtPin=0となる。次に、充電電力補正演算により求めた補正値ΔPinlmtと最大充電電力Pinmaxとから求めた補正最大充電電力Pinlmtと、目標充電電力tPinを比較して、大きい方を充電電力指令値tPi_batとする。
【0024】
これと同時に、放電電力指令値tPo_batを求める。
【0025】
目標充放電電力tPと−1との積と0とを比較し、大きい方を目標放電電力tPoutとする。ここで、tPが充電電力を示す場合にはtP>0であり−tPは負の値となるので、tPout=0となる。一方、tPが放電電力を示す場合にはtP<0であり−tPは正の値となるので、tPout=−tPとなる。次に、最大放電電力Poutmaxとこの目標放電電力tPoutを比較して、小さい方を選択し、これに−1を乗じたものを放電電力指令値tPo_batとする。
【0026】
上述したように充電電力指令値tPi_batおよび放電電力指令値tPo_batを設定すると、充電目標充放電電力tPが充電の場合にはtPo_bat=0、放電の場合にはtPi_bat=0となる。そこで、充電電力指令値tPi_batから放電電力指令値tPo_batを引くことで、充電電力指令値tP_batを求めることができる。ただし、充放電電力指令値tP_batは充電電力指令値を示す場合には正、放電電力指令値を示す場合には負の値となる。
【0027】
次に、上述した充電電力指令値tP_batを求める際の充電電力指令値tPi_batを求める制御の詳細を、図4に示したフローチャートを用いて説明する。なお、過充電が生じる可能性を判断するための充電比較電圧として第1過充電比較電圧V1、第2過充電比較電圧V2を用いる。ただし、V1<V2とする。セル電圧VnがV1以上となったら第1充電制限を行い、V2以上となったら第2充電制限を行う。
【0028】
ステップS1において、バッテリ6の目標充電電力tPinを求める。これは、目標SOCとSOCとから求めた目標充放電電力tPを0と比較することにより求めることができる。次に、ステップS2において、バッテリコントローラ10から出力される最大充電電力Pinmaxを読み込む。次に、ステップS3において、本フローの循環回数sをカウントする。つまりs=s0+1とする。ここでs0を、本制御を始めて行う際には0、その他の場合には前循環時の循環回数とする。次にステップS4において、バッテリコントローラ10においてセル電圧Vnを検出する。
【0029】
ステップS5では、過充電検出手段14nにおいてVnがV2以上であるかどうかを判断する。VnがV2未満である場合には、ステップS6に進む。ここでは、第2充電制限を継続している時間T2(s)を計測するために統合コントローラ9に備えた第2タイマーをリセットする(T2(s)=0)。
【0030】
次に、ステップS7において、過充電検出手段14nにおいてVnがV1以上であるかを判断する。ステップS7において、VnがV1未満であることを示している場合にはステップS8に進む。ここでは、第1充電制限を継続している時間T1(s)を計測するために統合コントローラ9に備えた第1タイマーをリセットする(T1(s)=0)。
【0031】
これにより、セル電圧Vnは、V2およびV1未満であり、過充電が生じる可能性がないと判断することができる。そこで、ステップS9においてバッテリ6の暫定充電電力補正値ΔPinlmt1=0と設定する。次に、ステップS12に進み、充電電力補正値ΔPinlmtにΔPinlmt1を代入し、ΔPinlmt=0とする。
【0032】
一方、ステップS7において、VnがV1以上である場合には、ステップS10に進み第1タイマーのカウントを行う。
【0033】
【式1】
T1(s)=T1(s−1)+t1
ここで、t1を本制御を一巡して再び第1タイマーにおいてカウントするまでに要する時間とする。また、初期値T1(1)=0とする。
【0034】
次に、ステップS11に進み、暫定充電電力補正値ΔPinlmt1の演算を行う。
【0035】
【式2】
ΔPinlmt1=f1(T1(s))
ここで関数f1は、変数T1(s)が大きくなるに従って、大きくなる関数である。例えばf1(x)=a1x+b1(a1>0、b1>0)等で表される関数とする。
【0036】
次に、ステップS12において、充電電力補正値ΔPinlmtを求める。
【0037】
【式3】
ΔPinlmt=ΔPinlmt1
この補正値ΔPinlmtを用いた場合の制御を第1充電制限とする。
【0038】
一方、ステップS5において、VnがV2以上であると判断された場合には、ステップS13に進み、第2タイマーのカウントを行う。
【0039】
【式4】
T2(s)=T2(s−1)+t2
ここで、t2を本制御を一巡して再び第2タイマーにおいてカウントするまでに要する時間とする。ただしt1とほぼ等しい場合にはt2=t1としてもよい。また初期値T2(1)=0とする。
【0040】
次に、ステップS14において、補正値ゲインGinを演算する。
【0041】
【式5】
Gin=gin(T1)
ここで、ginは変数T1が大きくなれば小さくなる関数である。また、T1は第1タイマーを最終的にカウントした時のタイマー値となる。つまり、VnがV2以上となる直前にステップS10でカウントした値である。T1は、電圧Vnが第1過充電比較電圧V1以上となってから第2過充電比較電圧V2に達するまでの時間を表している。
【0042】
次に、ステップS15において、充電電力補正値ΔPinlmtの演算を行う。
【0043】
【式6】
ΔPinlmt=ΔPinlmt1+Gin×f2(T2(s))
ここで、ΔPinlmt1は、第1タイマーを最終的にカウントした時にステップS11で求めた暫定充電電力補正値ΔPinlmt1となる。つまり、これは第2過充電比較電圧V2に達する直前の補正値ΔPinlmtに当たる。また、f2は、T2(s)が大きくなるに従って大きくなる関数である。例えばf2(x)=a2x+b2等で表される。この補正値ΔPinlmtを用いた制御を第2充電制限とする。
【0044】
このように、ステップS12またはS15で充電電力補正値ΔPinlmtを求めたら、ステップS16に進み、最大充電電力Pinmaxの補正を行う。
【0045】
【式7】
Pinlmt=Pinmax−ΔPinlmt
これにより、セル電圧Vnの変化に応じた補正最大電力値Pinlmtを設定することができる。次に、ステップS17に進み、充電電力指令値tPi_batを求める。
【0046】
【式8】
tPi_bat=MIN(tPin、Pinlmt)
これにより、充電電力指令値tPi_batは、目標充電電力tPinが最大充電電力値Pinlmt以下の場合には目標充電電力値tPinとなり、最大充電電力値Pinlmtを超えたら過充電を生じないように最大充電電力値Pinlmtに抑えられる。次に、ステップS18において、s0に今回の循環回数を代入して(s0=s)、本フローを終了する。
【0047】
このように制御した際の充電電力制限のタイムチャートを図5に示す。(a)をセル電圧Vnの立ち上がり時間が遅い場合、(b)をセル電圧Vnの立ち上がり時間が早い場合とする。
【0048】
電圧Vnが増加して第1過充電比較電圧V1に達したら第1充電制限を開始する。第1充電制限開始時の最大充電電力Pinlmtは、Pinmax−f1(0)となる。例えば、f1(x)=a1x+b1とした場合には、第1充電制限開始時には最大充電電力はb1だけ減少する。その後、最大充電電力は、時間の経過に従って減少する。ここでは、時間の経過に従って傾きa1で減少する。
【0049】
セル電圧Vnが第2過充電比較電圧V2に達したら、第2充電制限を開始する。第2充電制限開始時の最大充電電力はPinmax−[f1(T1)+Gin×f2(T2(s))]となる。例えば、f2(x)=a2x+b2(a2>0、b2>0)とした場合には、第2充電制限開始時には、最大充電電力は第1充電制限終了時よりさらにGin×b2だけ減少する。その後、最大充電電力は、時間の経過に従って減少する。ここでは、時間の経過に従って傾きGin×a2で減少する。つまり、第2充電制限では、第1充電制限時より少なくともGin×b2分だけ、時間経過に応じてそれ以上に充電電力が制限される。
【0050】
ここで、Ginは第1過充電比較電圧V1から第2過充電比較電圧V2に達するまでの時間T1に応じて決定する値であり、T1が大のときGinが小、T1が小のときGinが大となる。よって、図5(a)に示すように、セル電圧Vnの立ち上がりが遅い場合にはT1が大きくなるので、Gin×b2が小さく、図5(b)に示すようにセル電圧Vnの立ち上がり時間が早い場合にはGin×b2が大きくなる。つまり、T1が大きいときには第2充電制限開始時の制限の増加が小さく、反対にT1が小さいときには制限の増加が大きくなる。
【0051】
また、第2充電制限開始後の時間経過(T2(s))に応じた最大充電電力の変化の傾きは、例えばGin×a2となる。よって、図5(a)に示すように、セル電圧Vnの立ち上がりが遅い場合には時間経過に伴う制限の増加が小さく、図5(b)に示すように、セル電圧Vnの立ち上がりが早い場合には時間経過に伴う制限の増加が大きくなる。
【0052】
次に、本実施形態の効果を説明する。
【0053】
少なくとも一つの単電池を含む電池セルを直列に接続したバッテリ6において、セル電圧Vnが、第1過充電比較電圧V1以上であるかどうかを判断する第1判断手段(S8)と、セル電圧Vnが、V1より高い第2過充電比較電圧V2以上であるかどうかを判断する第2判断手段(S5)と、を備える。さらに、セル電圧Vnが、V2以上であると判断された場合にバッテリ6の充電電力を制限する第2充電制限手段(S14〜S16)と、を備える。第2充電制限手段は、セル電圧VnがV1以上であることを検出してからV2以上であることを検出するまでの時間T1に応じて、充電電力の制限を制御する。これにより、充電電力の大きさに合わせた制限を行うことができる。つまり、充電電力が大きく、急激にセル電圧Vnが上昇する場合や、反対に充電電力が小さくセル電圧Vnの変化が緩やかな場合に対して、過充電が生じたり過度の充電制限を生じたりするのを抑制することができる。
【0054】
また、第2充電制限手段は、時間T1に応じて制限量の初期値を決定する。例えば、時間T1が小さい場合には急激に制限をして過充電となるのを防ぐ必要があるので、充電電力の初期制限値を大きくする。また、時間T1が大きい場合には、制限を緩やかなものにして過度の制限を防ぐ必要があるので、充電電力の初期制限値を小さくする。このようにすることで、適切な充電電力の制限を行うことができる。
【0055】
また、第2充電制限手段は、充電電力を制限している時間T2(s)に応じて充電電力の制限を制御する。これにより、速やかに充電電力の制限を行うことができる。つまり、制限時間T2(s)の経過に伴って充電電力の制限の大きさを変化させることで、過充電の生じやすい状態から速やかに脱することができる。
【0056】
特に、第2充電制限手段の充電電力を制限している時間T2(s)に応じた充電電力制限の変化の割合を時間T1の大きさに応じて変化させる。ここでは、セル電圧Vnの立ち上がりが早い場合には、経過時間T2(s)に従って増大する制限の変化率を大きくし、立ち上がりが遅い場合には経過時間T2(s)に従って増大する制限の変化率を小さくする。その結果、立ち上がりが早い場合には、急激に生じるセル電圧Vnの変化に応じて充電電力制限を行うことができ、過充電を防ぐことができる。また、立ち上がりが遅い場合には、セル電圧Vnの変化は緩やかなので、充電電力制限も緩やかになり過度の制限を行うのを防ぐことができる。
【0057】
さらに、セル電圧VnがV1以上であると判断された場合に、バッテリ6の充電電力を制限する第1充電制限手段(S11、S12、S16)を設け、第2充電制限手段は、第1充電制限手段よりも充電電力の制限を大きくする。これにより、過充電の生じやすさに応じて充電電力の制限を行うことができるので、さらに過充電を生じるのを抑制することができる。また、セル電圧Vnの状態に応じて制限の程度を変化しているので、適切な制限を行うことができ、より速やかに充電電力の制限を行うことができる。
【0058】
次に、第2の実施形態について説明する。以下、第1の実施形態と異なる部分のみを説明する。
【0059】
本実施形態では過放電を防ぐために放電電力の制限を行う。つまり、図3において、目標放電電力値tPoutと比較する最大放電電力Poutmaxとして、補正最大放電電力Poutlmtを用いる。なお、ここでは、放電電力制限のみを行うが、第1の実施形態と同様に充電電力制限を行うこともできる。
【0060】
充放電制御手段18における過放電制限制御を図6のフローチャートを用いて説明する。なお、過放電が生じる可能性を判断するための過放電比較電圧として第1過放電比較電圧V3、第2過放電比較電圧V4を用いる。ただし、V3>V4とする。セル電圧VnがV3以下となったら第1放電制限を行い、V4以下となったら第2放電制限を行う。
【0061】
ステップS21において、バッテリ6の目標放電電力tPoutを求める。これは、目標SOCとSOCとから求めた目標充放電電力tPと−1の積と、0とを比較することにより求められる。次に、ステップS22において、バッテリコントローラ10から出力される最大放電電力Poutmaxを読み込む。ステップS23において、本制御の循環回数sをカウント(s=s0+1)する。ステップS24において、セル電圧Vnを読み込む。
【0062】
ステップS25では、VnがV4以下であるかどうかを判断する。VnがV4より大きい場合には、ステップS26に進む。ここでは、第2放電制限の継続時間を計測するために統合コントローラ9に備えた第4タイマーをリセットする(T4(s)=0)。次に、ステップS27において、VnがV3以下であるかどうかを判断する。VnがV3より大きい場合には、ステップS28に進む。ここでは、第1放電制限の継続時間を計測するために統合コントローラ9に備えた第3タイマーをリセットする(T3(s)=0)。
【0063】
これにより、セル電圧Vnは、V4およびV3より大きいと判断され、過放電が生じる可能性がないと判断される。ステップS29においてバッテリ6の暫定放電電力補正値ΔPoutlmt1=0と設定し、ステップS32で放電電力補正値ΔPoutlmt=ΔPoutlmt1を代入する。
【0064】
一方、ステップS27において、VnがV3以下である場合には、ステップS30に進み第3タイマーのカウントを行う。
【0065】
【式9】
T3(s)=T3(s−1)+t3
ここで、t3を本制御を一巡して再び第3タイマーにおいてカウントするまでに要する時間とする。また、初期値T3(1)=0とする。
【0066】
次に、ステップS31に進み、暫定放電電力補正値ΔPoutlmt1の演算を行う。
【0067】
【式10】
ΔPoutlmt1=f3(T3(s))
ここで関数f3は、変数T3(s)が大きくなるに従って、大きくなる関数である。例えばf3(x)=a3x+b3(a3>0、b3>0)等で表される関数とする。
【0068】
次に、ステップS32において、放電電力補正値ΔPoutlmtを求める。
【0069】
【式11】
ΔPoutlmt=ΔPoutlmt1
この補正値ΔPoutlmtを用いた場合の制御を第1放電制限とする。
【0070】
一方、ステップS25において、VnがV4以下であると判断された場合には、ステップS33に進み、第4タイマーのカウントを行う。
【0071】
【式12】
T4(s)=T4(s−1)+t4
ここで、t4を本制御を一巡して再び第4タイマーにおいてカウントするまでに要する時間とする。ただしt3とほぼ等しい場合にはt4=t3としてもよい。また、初期値T4(1)=0とする。
【0072】
次に、ステップS34において、放電電力補正値ゲインGoutを演算する。
【0073】
【式13】
Gout=gout(T3)
ここで、goutは変数T3が大きくなるに従ってGoutが小さくなる関数である。また、T3は第3タイマーを最終的にカウントした時のタイマー値となる。つまり、VnがV4以下となる直前にステップS30でカウントした値である。T3は、電圧Vnが第1過放電比較電圧V3以下となってから第2過放電比較電圧V4に達するまでの時間を表している。
【0074】
次に、ステップS35において、放電電力補正値ΔPoutlmtの演算を行う。
【0075】
【式14】
ΔPoutlmt=ΔPoutlmt1+Gout×f4(T4(s))
ここで、ΔPoutlmt1は、T3(s)=T3の時の暫定放電電力補正値ΔPoutlmt1となる。つまりこれは、第2過放電比較電圧V4に達する直前の放電補正値ΔPoutlmtに当たる。また、f4は、T4(s)が大きくなるに従って大きくなる関数である。例えばf4(x)=a4x+b4(a4>0、b4>0)等で表される。この補正値ΔPoutlmtを用いた制御を第2放電制限とする。
【0076】
このように、ステップS32またはS35で放電電力補正値ΔPoutlmtを求めたら、ステップS36に進み、最大放電電力Poutmaxの補正を行う。
【0077】
【式15】
Poutlmt=Poutmax−ΔPoutlmt
これにより、過放電を生じずに放電できる補正最大電力値Poutlmtを求めることができる。次に、ステップS37に進み、放電電力指令値tPo_batを求める。
【0078】
【式16】
tPo_bat=MIN(tPout、Poutlmt)
これにより、放電電力指令値tPo_batは、目標放電電力tPoutが補正最大放電電力Poutlmt以下の場合には目標放電電力tPoutとなり、補正最大放電電力Poutlmtを超えたら過放電を生じないように補正最大放電電力Po utlmtに抑えられる。次に、ステップS38において、s0に今回の循環回数を代入したら(s0=s)、本制御を終了する。
【0079】
このように制御した際の放電電力制限のタイムチャートを図7に示す。(a)を放電電力の立ち上がり時間が遅い場合、(b)を放電電力の立ち上がり時間が早い場合とする。
【0080】
セル電圧Vnが減少して第1過放電比較電圧V3に達したら第1放電制限を開始する。第1放電制限開始時の最大放電電力は、Poutmax−f3(0)となる。例えば、f3(x)=a3x+b3とした場合には、第1放電制限開始時にはPoutlmtはb3だけ制限される。その後、最大放電電力は、時間の経過に従って制限量を増大される。ここでは、時間の経過に従って傾きa3で制限量が増大する。
【0081】
電圧Vnが第2過放電比較電圧V4に達したら、第2放電制限を開始する。第2放電制限開始時の最大放電電力はPoutmax−[f3(T3)+Gout×f4(T4(s))]となる。例えば、f4(x)=a4x+b4とした場合には、第2放電制限開始時には、最大放電電力は第1放電制限終了時よりさらにGout×b4だけ制限される。その後、最大放電電力は、時間の経過に従ってさらに制限される。ここでは、時間の経過に従って傾きa4で放電電力が抑制される。つまり、第2放電制限は、第1放電制限より少なくともGout×b4分だけ多く制限され、時間経過に応じてそれ以上に放電電力が制限される。
【0082】
ここで、Goutは第1過放電比較電圧V3から第2過放電比較電圧V4に達するまでの時間T3に応じて決定する値である。T3が大のときGoutが小、T3が小のときGoutが大となる。よって、図7(a)に示すように、放電電力の立ち上がりが遅い場合にはT3が大きくなるので、Gout×b4が小さく、図7(b)に示すように放電電力の立ち上がり時間が早い場合にはGout×b4が大きくなる。
【0083】
また、第2放電制限開始後の時間経過に応じた最大放電電力の変化の傾きは、例えばGout×a4となる。よって、図7(a)に示すように、放電電力の立ち上がりが遅い場合には制限の増加が小さく、図7(b)に示すように、放電電力の立ち上がりが早い場合には制限の増加が大きくなる。
【0084】
このようにセル電圧Vnに応じて最大放電電力Poutlmtを設定し、これより目標放電電力tPoutが大きくなった時点で、放電電力指令値tPo_batとして最大放電電力値Poutlmtを用いる。
【0085】
次に、本実施形態の効果を説明する。
【0086】
少なくとも一つの単電池を含む電池セルを直列に接続したバッテリ6において、セル電圧Vnが、第1過放電比較電圧V3以下であるかどうかを判断する第1判断手段(S28)と、セル電圧Vnが、V3より低い第2過放電比較電圧V4以下であるかどうかを判断する第2判断手段(S25)と、を備える。さらに、セル電圧Vnが、V4以下であると判断された場合にバッテリ6の放電電力を制限する第2放電制限手段(S13〜S16)と、を備える。第2放電制限手段は、セル電圧VnがV3以下であることを検出してからV4以下であることを検出するまでの時間T3に応じて、放電電力の制限を制御する。これにより、放電電力の大きさに合わせた制限を行うことができる。つまり、放電電力が大きく、急激にセル電圧Vnが低減する場合や、反対に放電電力が小さくセル電圧Vnの変化が緩やかな場合に対して、過放電が生じたり過度の放電制限を生じたりするのを抑制することができる。
【0087】
また、第2放電制限手段は、時間T3に応じて制限量の初期値を決定する。例えば、時間T3が小さい場合には急激に制限をして過放電となるのを防ぐ必要があるので、放電電力の初期制限値を大きくする。また、時間T3が大きい場合には、制限を緩やかなものにして過度の制限を防ぐ必要があるので、放電電力の初期制限値を小さくする。このようにすることで、適切な放電電力の制限を行うことができる。
【0088】
また、第2放電制限手段は、放電電力を制限している時間T4(s)に応じて放電電力の制限を制御する。これにより、速やかに放電電力の制限を行うことができる。つまり、制限時間T4(s)の経過に伴って放電電力の制限の大きさを変化させることで、過放電の生じやすい状態から速やかに脱することができる。
【0089】
特に、第2放電制限手段の放電電力を制限している時間T4(s)に応じた放電電力制限の変化の割合をT3の大きさに応じて変化させる。ここでは、セル電圧Vnの低減が早くT3が小さい場合には、時間T4(s)に伴って増大する制限の変化率を大きくし、セル電圧Vnの低減が緩やかなT3が大きい場合には、経過時間T4(s)に伴って増大する制限の変化率を小さくする。その結果、放電電力の立ち上がりが早い場合には、急激に生じるセル電圧Vnの変化に応じて放電電力制限を行うことができ、過放電を防ぐことができる。また、放電電力立ち上がりが遅い場合には、セル電圧Vnの変化は緩やかなので、放電電力制限も緩やかにすることにより過度の制限を行うのを防ぐことができる。
【0090】
さらに、セル電圧VnがV3以下であると判断された場合に、バッテリ6の放電電力を制限する第1放電制限手段(S31〜S32、S36)を設け、第2放電制限手段は、第1放電制限手段よりも放電電力の制限を大きくする。これにより、過放電の生じやすさに応じて放電電力の制限を行うことができるので、過放電を生じるのを抑制することができる。また、セル電圧Vnの状態に応じて制限の程度を変化しているので、適切な制限を行うことができ、より速やかに放電電力の制限を行うことができる。
【0091】
次に、第3の実施形態について説明する。ここでは、充放電の制限を行う手段を備える。
【0092】
本実施形態に用いるバッテリコントローラ10の構成の一部を図8に示す。ここでは、過充電検出手段14nと、過放電検出手段15nとを一連の回路により構成しているが、別々に構成してもよい。また、電池セル19nを単電池により構成しているが、単電池の数が多い場合には複数の電池をまとめて電池セルとしてもよい。ここでは、n(n=1、2、3・・・)個の直列に接続した電池セル19を備える。なお、バッテリコントローラ10には、この他にもバッテリ6の蓄電状態SOCを検知する手段を備える。
【0093】
図8において、バッテリ6を構成する複数の電池セル19n各々に、電池セル19n間の電圧のバラツキを抑えるための電流バイパス13nを備える。また、電池セル19nの過充電が生じる可能性を検出するための過充電検出手段14nと、電池セル19nの過放電が生じる可能性を検出するための過放電検出手段15nを備える。さらに、電池セル19n毎の過充電検出手段14nおよび過放電検出手段15nの検出結果を出力するセル出力部16nと、バッテリ6のいずれかの電池セル19nに過充電または過放電の可能性があるかどうかを出力する出力部17を備える。出力部17からの出力は充放電制御回路18に送られる。ここで、放充電制御手段18は、統合コントローラ9の一部とする。ただし、放充電制御手段18をバッテリコントローラ10の一部としてもよい。
【0094】
次に、本実施形態の具体的な回路を図9を用いて説明する。
【0095】
電池セル19nの電圧のバラツキを抑制する電流バイパス流路13nには、電池セル19nと並列に内部抵抗とツェナーダイオードを備える。ここでは、電池セル19nが逆方向電圧を超えた場合に内部抵抗に電流が流れる。このため、充電を継続すると、電池セル19nの電圧が逆電圧近傍にそろい、各電池セル19nの電圧のバラツキを抑制することができる。
【0096】
過充電検出手段14nには電圧コンバータを備え、電圧Vnが第1過充電比較電圧V1または第2過充電比較電圧V2より大きくなったらセル出力部16nに信号Svを出力する。ここでは、過充電比較電圧V1、V2の切り替えをp型MOSトランジスタを導通させるかどうかにより行う。p型MOSトランジスタを導通させた場合には高い電圧であるV2と電圧Vnを比較し、導通させない場合には低い比較電圧であるV1と電圧Vnとを比較する。このp型MOSトランジスタを導通させるかどうかは、走行状態に応じて出力される統合コントローラ9からの信号(Sch)により切り替えられる。
【0097】
過放電検出手段15nには電圧コンバータを備え、電圧Vnが第1過放電比較電圧V3または第2過放電比較電圧V4より小さくなったらセル出力部16nに信号Svを出力する。ここでは、過放電比較電圧V3、V4の切り替えをn型MOSトランジスタを導通させるかどうかにより行う。n型MOSトランジスタを導通させた場合には高い比較電圧であるV3と電圧Vnを比較し、導通させない場合には低い比較電圧であるV4と電圧Vnとを比較する。このn型MOSトランジスタを導通させるかどうかについては走行状態に応じて統合コントローラ9により判断する。その判断を反映した信号(Sch)がバッテリコントローラ10に送られ、n型MOSトランジスタを導通させる。
【0098】
ここで、図9のバッテリコントローラ10では、n型およびp型MOSトランジスタを導通させるか否かを切り替える統合コントローラ12からの信号(Sch)が共通である。そのため、p型MOSトランジスタが導通状態であればn型MOSトランジスタが導通状態ではないし、p型MOSトランジスタが導通状態でなければn型MOSトランジスタが導通状態となる関係がある。つまり、充電電圧を低く設定した場合には放電電圧は高く設定される。
【0099】
また、各電池セル19nからの出力信号Svがセル出力部16nからの一本のみであるので、過充電検出手段14nの出力であるのか、過放電検出手段15nの出力であるのかを判断することができない。このため、バッテリ6には図示しない電圧センサや蓄電量検出手段等を設けて、バッテリ6の蓄電電圧を検出してそれを統合コントローラ9に入力し、バッテリ6が満充電付近の電圧であるならば過充電検出手段14nからの出力、逆に低い電圧であるならば過放電検出手段15nからの出力であると推定する。この推定結果により、過放電と過充電のどちらが生じる可能性があるのかを判断する。ここで他の状態として、ある電池セル19aの過充電検出手段14aの出力信号が1、その他のある電池セル19bの過放電検出手段15bの出力信号が1であり、出力部17からの信号が1となる場合が考えられる。つまり、過充電と過放電の可能性が同時に発生している場合であるが、図9に示すように各セル間の電圧のバラツキを抑制するバイパス回路13nを備えるため、このような状態が発生する可能性は極めて低いと考えることができる。
【0100】
次に、充放電電力指令値tP_batの演算方法について図10、図11のフローチャートを用いて説明する。図10に示すフローは、バッテリ6が満充電付近の電圧であると判断された場合、図11に示すフローはバッテリ6の蓄電電圧が低い場合に統合コントローラ9に備えた充放電制御手段18で行う。
【0101】
バッテリ6が満充電付近であると判断されたら、図10のフローを開始する。ステップS41〜S43においては、ステップS1〜S3と同様に目標充電電力tPinと最大充電電力Pinmaxを求め、循環回数sをカウントする。ステップS44において切り替え信号Schを読み込み、ステップS45でSchが0であるか1であるかを判断する。つまりSchが0の場合には充電電圧が低い第1過充電比較電圧V1に、Schが1の場合には充電電圧が高い第2過充電比較電圧V2に設定されている。ここで、Schの初期値は0とする。
【0102】
ステップS45において、Sch=0(OFF)であると判断されたら、つまり、充電電圧が低いV1に設定されていたらステップS46に進み、出力部16nの出力Svを検出する。ステップS47において、信号Svが0かどうかを判断する。Svが0と判断されたら、電圧VnはV1より小さいと判断できるので、ステップS48に進み、ステップS8と同様に第1タイマーをリセットする。また、ステップS49でステップS9と同様に暫定充電電力補正値ΔPinlmt1を0に設定する。さらに、ステップS50で補正値ΔPinlmt=ΔPinlmt1に、つまりΔPinlmt=0に設定する。また、ステップS51で第2タイマーをリセットする。
【0103】
一方、ステップS47でSv=0でないと判断されたら、電圧VnはV1以上であると判断できる。よって、次回の循環の際にVnとV2の比較を行うために、ステップS54においてSch=1(ON)に設定する。次に、ステップS55、S56においてステップS10、S11と同様に第1タイマーをカウントして、暫定充電電力補正値ΔPinlmt1を設定する。その後、ステップS50においてΔPinlmt=ΔPinlmt1に設定して第2タイマーをリセットする。
【0104】
一方、ステップS45でSch=0(OFF)でないと判断されたら、高い充電電圧である第2過充電比較電圧V2に設定されている。ステップS57に進み、セル出力部16nからの信号Svを検出する。ステップS58において、Sv=0であるかどうかを判断する。Sv=0の場合にはVnはV2に達していないので、ステップS55に戻り、第1充電制限を行う。一方、ステップS58でSv=0でないと判断されたら、VnはV2以上であるので、ステップS60〜S62において第2充電制限を行う。
【0105】
このようにステップS50、S62で設定した充電電力補正値ΔPinlmtを用いて、ステップS52において、ステップS16と同様に最大充電電力補正を行って、補正最大充電電力Pinlmtを求める。ステップS53でステップS17と同様に充電電力指令値tPi_batを求め、ステップS63でs0=sを代入したら、本制御フローを終了する。
【0106】
一方、バッテリ6の蓄電電圧が小さいと判断された場合には、図11のフローを開始する。ステップS71〜S73においては、ステップS21〜S23と同様に目標放電電力tPoutと最大放電電力Poutmaxを求め、循環回数sをカウントする。ステップS74において切り替え信号Schを読み込み、ステップS75でSchが0(OFF)であるか1(ON)であるかを判断する。つまりSchが0の場合には高い過放電比較電圧V3に、Sch=1の場合には低い過放電比較電圧V4に設定される。ここで、Schの初期値は0とする。
【0107】
ステップS75において、Sch=0であると判断されたら、つまり、放電比較電圧が高い電圧V3に設定されていたらステップS76に進み、セル出力部16nからの信号Svを検出する。ステップS77において、信号Svが0かどうかを判断する。Svが0と判断されたら電圧VnはV3より高いと判断できるので、ステップS78、S79ではステップS28、S29と同様に第1タイマーをリセットし、暫定放電電力補正値ΔPoutlmt1を0に設定する。さらに、ステップS80で放電電力補正値ΔPoutlmt=ΔPoutlmt1(=0)を設定する。また、ステップS81で第2タイマーをリセットする。
【0108】
一方、ステップS77でSv=0でないと判断されたら、電圧VnはV3以下であると判断できる。よって、次回の循環の際にVnとV4の比較を行うために、ステップS84においてSch=1に設定する。次に、ステップS85、S86においてステップS30、S31と同様に第1タイマーをカウントし、暫定放電電力補正値ΔPoutlmt1を設定する。その後、ステップS80においてΔPoutlmt=ΔPoutlmt1に設定して第2タイマーをリセットする。
【0109】
一方、ステップS75でSch=0でないと判断されたら、低い放電比較電圧であるV4に設定されている。ステップS87に進み、セル出力部16nからの信号Svを検出する。ステップS88において、Sv=0であるかどうかを判断する。Sv=0の場合にはVnはV4に達していないので、ステップS89でSch=1に設定してからステップS85に戻り、第1放電制限の補正値を求める。一方、ステップS88でSv=0でないと判断されたら、VnはV4以下であるので、ステップS90〜S92において第2放電制限の補正値を求める。
【0110】
このようにステップS80、S92で設定した放電電力補正値ΔPoutlmtを用いて、ステップS82において、ステップS36と同様に最大放電電力補正を行って、補正最大電力Poutlmtを求める。ステップS83でステップS37と同様に放電電力指令値tPo_batを求め、ステップS93でs0=sを代入したら、本制御フローを終了する。
【0111】
このように構成することで、第1の実施形態における効果と、第2実施形態における効果を併せ持つ電池制御装置を得ることができる。
【0112】
次に、第4の実施形態について説明する。ここでは、図12、図13に示すような過充電検出回路14nや、過放電検出回路15nを用いる。
【0113】
図12に示すように、過充電検出手段14nとして、常時2つの過充電比較電圧V1、V2とセル電池Vnとを比較できる回路を用いる。
【0114】
過充電検出手段14nを、電池セル19nのセル電圧Vnが第1過充電比較電圧V1以上であるか、また第2過充電比較電圧V2以上であるかどうかを常時判断する回路により構成する。その結果、セル出力部16nへ、セル電圧VnがV1以上であるかどうかを示す信号(Sv1)と、V2以上であるかどうかを示す信号(Sv2)が送られ、充放電制御手段18に出力される。ここで、V1<V2とし、後述するように、セル電圧VnがV1以上V2未満の場合に第1充電制限を行い、V2以上の場合に第2充電制限を行う。
【0115】
また、図13に過放電検出手段15nの構成を示す。ここでは常時2つの過放電比較電圧V3、V4とセル電圧Vnとを比較することのできる回路を用いる。
【0116】
過放電検出手段15nを、セル電圧Vnが第1過放電比較電圧V3以下であるか、また第2過放電比較電圧V4以下であるかどうかを常時判断する回路により構成し、その結果をセル出力部16nを介して充放電制御手段18に出力する。ここで、V3>V4とし、後述するように、単電池電圧VnがV4より大きくV3以下の場合に第1放電制限を行い、V4以下の場合に第2放電制限を行う。よって、出力部17へは、電圧VnがV3以下であるかどうかを示す信号(Sv3)と、V4以下であるかどうかを示す信号(Sv4)が送られる。
【0117】
このように構成することで、Schの切り替え等のステップを必要とせず、どの信号が1(ON)になっているかどうかを検出するだけで、第1充電制限、第2充電制限、第1放電制限、第2放電制限のいずれを行えばよいのかを判断することができる。各制限は、第1〜3の実施形態と同様の演算により補正値ΔPinlmt、ΔPoutlmtを求めて行う最大電力の補正により制御することができる。
【0118】
なお、本実施形態においては、制限量の時間変化を表す関数fを一次関数としているが、この限りではない。
【0119】
このように、本発明は上記実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲以内で様々な変更が成し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハイブリッド車輌の概略構成である。
【図2】ハイブリッド車輌の制御ブロック図である。
【図3】充放電電力指令値を求めるための制御ブロック図である。
【図4】第1の実施形態における充電電力指令値を求めるフローチャートである。
【図5】第1の実施形態における充電制限のタイムチャートである。
【図6】第2の実施形態における放電電力指令値を求めるフローチャートである。
【図7】第2の実施形態における放電制限のタイムチャートである。
【図8】第3の実施形態に用いるバッテリコントローラの概略図である。
【図9】第3の実施形態に用いるバッテリコントローラの回路図である。
【図10】第3の実施形態における充電制御を示すフローチャートである。
【図11】第3の実施形態における放電制御を示すフローチャートである。
【図12】第4の実施形態における過充電検出手段の回路図である。
【図13】第4の実施形態における過放電検出手段の回路図である。
【符号の説明】
6 バッテリ(組電池)
19 電池セル
第1の電圧・・・第1過充電比較電圧V1
第2の電圧・・・第2過充電比較電圧V2
第1判断手段・・・S7、S47、過充電検出手段14
第2判断手段・・・S5、S58、過充電検出手段14
第1充電制限手段・・・S11・12・16、S56・50・52
第2充電制限手段・・・S14・15・16、S61・62・52
第3の電圧・・・第1過放電比較電圧V3
第4の電圧・・・第2過放電比較電圧V4
第3判断手段・・・S27、S67、過放電検出手段15
第4判断手段・・・S25、S88、過放電検出手段15
第1放電制限手段・・・S31・32・36、S86・80・82
第2放電制限手段・・・S34・35・36、S91・92・82
【産業上の利用分野】
本発明は、電池制御装置に関する。特に、バッテリの過充電を防ぐための充電制御装置および過放電を防ぐための放電制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電池制御装置として、以下のようなものが知られている。
【0003】
電池の各電池ブロックの電圧を電圧センサでそれぞれ検出する。判定部は、電池ブロックを比較的温度の近くのもの同士を集めグループ分けし、各グループ内におけるブロック間の最大電圧差を算出する。そして、各グループの最大電圧差の中の最大値MAX(ΔVn)を取り出し、これを第1の閾値と比較する。第1の閾値以上であった場合には、電池の放電量を制限する。さらに、MAX(ΔVn)が第2の閾値以上となった場合には、電池の放電を停止する(例えば、特許文献1、参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−178225号公報
【0005】
【発明が解決しようとしている問題点】
しかしながら、上記のような電池制御装置においては、同じ閾値で充電電力を制限するだけでは、立ち上がりの速い場合には制限が間に合わずに過放電を生じたり、逆に遅い場合には制限しすぎたりするという問題が生じる。制限が間に合わず、第2の閾値まで電圧が到達してしまうと放電が急に禁止されて、運転性や動力性能に大きな悪影響を与えてしまう。
【0006】
そこで、本発明は上記の問題を鑑みて、充電電力又放電電力の大きさに応じて充電または放電の制限を制御できる電池制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【問題点を解決するための手段】
本発明は、少なくとも一つの単電池を含む電池セルを接続した組電池において、前記電池セルの電圧が、第1の電圧以上であるかどうかを判断する第1判断手段と、前記電池セルの電圧が、前記第1の電圧より高い第2の電圧以上であるかどうかを判断する第2判断手段と、を備える。また、前記電池セルの電圧が、前記第2の電圧以上であると判断された場合に前記組電池の充電電力を制限する第2充電制限手段と、を備える。前記第2充電制限手段は、前記電池セルの電圧が前記第1の電圧以上であることを検出してから前記第2の電圧以上であることを検出するまでの時間に応じて、充電電力の制限を制御する。
【0008】
また、少なくとも一つの単電池を含む電池セルを接続した組電池において、前記電池セルの電圧が、第3の電圧以下であるかどうかを判断する第3判断手段と、前記電池セルの電圧が、前記第3の電圧より低い第4の電圧以下であるかどうかを判断する第4判断手段を備える。また、前記電池セルの電圧が前記第4の電圧以下であると判断された場合に前記組電池の放電電力を制限する第2放電制限手段と、を備える。前記第2放電制限手段は、前記電池セルの電圧が前記第3の電圧以下であることを検出してから前記第4の電圧以下であることを検出するまでの時間に応じて、放電電力の制限を制御する。
【0009】
【作用及び効果】
第2充電制限手段は、電池セルの電圧が第1の電圧以上であることを検出してから第2の電圧以上であることを検出するまでの時間に応じて、充電電力の制限を制御する。これにより、充電電力の大きさに応じて、充電の制限を制御することができる。よって、セル電圧の変化に応じた充電制限を行うことができ、過充電や過度の充電制限を行うのを防ぐことができる。
【0010】
第2放電制限手段は、電池セルの電圧が第3の電圧以下であることを検出してから第4の電圧以下であることを検出するまでの時間に応じて、放電電力の制限を制御する。これにより、放電電力の大きさに応じて、放電の制限を制御することができる。よって、セル電圧の変化に応じた放電制限を行うことができ、過放電や過度の放電制限を行うのを防ぐことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態に用いる電池制御装置を搭載したシリーズハイブリット車輌の概略を図1に示す。ただし、本実施形態は、シリーズ型に限らず、パラレル型、遊星歯車装置等の歯車式の合成分配装置を有するものなど、種々のハイブリッド車輌に適用することができる。
【0012】
パワートレインは、エンジン1と、エンジン1に直結されたエンジン1のパワーを電力に変換する発電モータ2と、発電モータ2で生成された電力またはハイブリット車輌の走行により生じる電力を蓄電するバッテリ6を備える。バッテリ9は複数の電池セルを直列に接続することにより構成する。また、バッテリ6に蓄えられた電力を用いて駆動される駆動モータ3を備え、駆動モータ3のトルクをファイナルギア4を介してタイヤ5に伝達する。また、制御系として、全体の制御を行う統合コントローラ9と、エンジンコントローラ7、発電機コントローラ8、バッテリコントローラ10、駆動モータコントローラ11を備える。
【0013】
統合コントローラ9から出力されるエンジントルク指令値Tsに基づきエンジンコントローラ7がスロットル開度を制御してエンジントルクを制御する。また、エンジン1および発電モータ2の回転速度が、統合コントローラ9から出力される回転速度指令値Nsに従うように、発電機コントローラ8により発電モータ2の回転速度制御する。回転速度制御では、指令値と実回転速度との偏差に応じたトルク指令値を決定し、トルクがその指令値となるように発電モータ2でベクトル制御を行う。このとき、エンジン1がトルクを出力していれば発電モータ2では発電を行い、エンジン1に燃料が供給されていない状態であれば発電モータ2ではモータリングを行って電力を消費する。
【0014】
バッテリコントローラ10は、バッテリ6の電圧、電流、温度を電圧センサ、電流センサ、温度センサにより検出し、セル電圧Vn、SOC、最大充放電電力Pinmax、Poutmaxを統合コントローラ9に送る。また、駆動モータコントローラ11は統合モータ9から出力されるモータトルク指令値Tsbに基づき駆動モータ3のトルクをベクトル制御する。さらに、統合コントローラ9には、アクセルペダル12の踏み込み位置(APS)を検出するアクセル開度センサと、車速を検出する車速センサの信号が入力される。
【0015】
次に、統合コントローラにおけるハイブリット車輌の制御方法を図2に示す制御ブロック図を用いて説明する。なお、本制御は、一定時間(例えば、10msec)毎にすべて演算するものとする。
【0016】
アクセル開度センサにより検出したAPSの信号と、車速センサにより検出した車速信号とから、車軸駆動力MAPを参照して目標車軸駆動力Tsdを求める。ここで、車軸駆動力MAPは、図2に示すようにAPSと車速に対して目標車軸駆動力Tsdを予め実験等により設定したマップである。目標車軸駆動力Tsdを、ファイナルギア4のファイナルギア比Gfで除算して、駆動モータ軸でのモータトルク指令値Tsbを求める。モータトルク指令値Tsbは、統合コントローラ9から駆動モータコントローラ11に送られ、その値に基づき駆動モータ3のトルクをベクトル制御が行われる。
【0017】
次に、目標車軸駆動力Tsdに車速信号から求まる車軸回転速度を乗じて目標駆動パワーPsdを求める。駆動モータ3でモータトルク指令値Tsbを実現する際の損失を推定し、それを目標駆動パワーPsdに加算して駆動モータ効率補正を行ったものを目標駆動電力Pseとする。
【0018】
ここで、SOC、最大充放電電力Pinmax、Poutmaxから、後述するようにバッテリ6の充放電電力指令値tP_batを求める。目標駆動電力Pseと充放電電力指令値tP_batを足し合わせて目標発電電力Pgenを求める。この目標発電電力Pgenを生じる際に、発電モータ2で生じる損失を推定し、それを目標発電電力Pgenに加えて目標エンジン出力Penを求める(発電モータ効率補正)。目標エンジン出力Penを実エンジン回転速度で除算して、エンジントルク指令値Tsを求める。エンジントルク指令値Tsをエンジンコントローラ7に送り、それに基づきエンジン1のスロットル開度を制御してトルクを制御する。
【0019】
また、目標エンジン出力Penを最良燃料比で出力できるエンジン1の回転速度を演算し、それを発電モータ2の回転速度に変換したものを回転速度指令値Nsとして発電機コントローラ8に送る。発電機コントローラ8では、エンジン1と発電モータ2の回転数がその値と等しくなるように発電モータ2で回転速度制御を行う。
【0020】
次に、図3を用いて、SOC、最大充放電電力Pinmax、Poutmaxとからバッテリ6の充放電電力指令値tP_batを求める制御ブロックを説明する。
【0021】
バッテリ6の蓄電状態(SOC)と目標蓄電状態(目標SOC)との差から、目標充放電電力tPを求める。このとき、目標充放電電力tPは、充電電力であればプラス、放電電力であればマイナスで表される。
【0022】
ここで、まず充電電力指令値tPi_batの求め方を説明する。
【0023】
目標充放電電力tPと0を比較して大きい方を目標充電電力tPinとする。このとき、tPが充電電力を示す場合にはtPin=tP、放電電力である場合にはtPin=0となる。次に、充電電力補正演算により求めた補正値ΔPinlmtと最大充電電力Pinmaxとから求めた補正最大充電電力Pinlmtと、目標充電電力tPinを比較して、大きい方を充電電力指令値tPi_batとする。
【0024】
これと同時に、放電電力指令値tPo_batを求める。
【0025】
目標充放電電力tPと−1との積と0とを比較し、大きい方を目標放電電力tPoutとする。ここで、tPが充電電力を示す場合にはtP>0であり−tPは負の値となるので、tPout=0となる。一方、tPが放電電力を示す場合にはtP<0であり−tPは正の値となるので、tPout=−tPとなる。次に、最大放電電力Poutmaxとこの目標放電電力tPoutを比較して、小さい方を選択し、これに−1を乗じたものを放電電力指令値tPo_batとする。
【0026】
上述したように充電電力指令値tPi_batおよび放電電力指令値tPo_batを設定すると、充電目標充放電電力tPが充電の場合にはtPo_bat=0、放電の場合にはtPi_bat=0となる。そこで、充電電力指令値tPi_batから放電電力指令値tPo_batを引くことで、充電電力指令値tP_batを求めることができる。ただし、充放電電力指令値tP_batは充電電力指令値を示す場合には正、放電電力指令値を示す場合には負の値となる。
【0027】
次に、上述した充電電力指令値tP_batを求める際の充電電力指令値tPi_batを求める制御の詳細を、図4に示したフローチャートを用いて説明する。なお、過充電が生じる可能性を判断するための充電比較電圧として第1過充電比較電圧V1、第2過充電比較電圧V2を用いる。ただし、V1<V2とする。セル電圧VnがV1以上となったら第1充電制限を行い、V2以上となったら第2充電制限を行う。
【0028】
ステップS1において、バッテリ6の目標充電電力tPinを求める。これは、目標SOCとSOCとから求めた目標充放電電力tPを0と比較することにより求めることができる。次に、ステップS2において、バッテリコントローラ10から出力される最大充電電力Pinmaxを読み込む。次に、ステップS3において、本フローの循環回数sをカウントする。つまりs=s0+1とする。ここでs0を、本制御を始めて行う際には0、その他の場合には前循環時の循環回数とする。次にステップS4において、バッテリコントローラ10においてセル電圧Vnを検出する。
【0029】
ステップS5では、過充電検出手段14nにおいてVnがV2以上であるかどうかを判断する。VnがV2未満である場合には、ステップS6に進む。ここでは、第2充電制限を継続している時間T2(s)を計測するために統合コントローラ9に備えた第2タイマーをリセットする(T2(s)=0)。
【0030】
次に、ステップS7において、過充電検出手段14nにおいてVnがV1以上であるかを判断する。ステップS7において、VnがV1未満であることを示している場合にはステップS8に進む。ここでは、第1充電制限を継続している時間T1(s)を計測するために統合コントローラ9に備えた第1タイマーをリセットする(T1(s)=0)。
【0031】
これにより、セル電圧Vnは、V2およびV1未満であり、過充電が生じる可能性がないと判断することができる。そこで、ステップS9においてバッテリ6の暫定充電電力補正値ΔPinlmt1=0と設定する。次に、ステップS12に進み、充電電力補正値ΔPinlmtにΔPinlmt1を代入し、ΔPinlmt=0とする。
【0032】
一方、ステップS7において、VnがV1以上である場合には、ステップS10に進み第1タイマーのカウントを行う。
【0033】
【式1】
T1(s)=T1(s−1)+t1
ここで、t1を本制御を一巡して再び第1タイマーにおいてカウントするまでに要する時間とする。また、初期値T1(1)=0とする。
【0034】
次に、ステップS11に進み、暫定充電電力補正値ΔPinlmt1の演算を行う。
【0035】
【式2】
ΔPinlmt1=f1(T1(s))
ここで関数f1は、変数T1(s)が大きくなるに従って、大きくなる関数である。例えばf1(x)=a1x+b1(a1>0、b1>0)等で表される関数とする。
【0036】
次に、ステップS12において、充電電力補正値ΔPinlmtを求める。
【0037】
【式3】
ΔPinlmt=ΔPinlmt1
この補正値ΔPinlmtを用いた場合の制御を第1充電制限とする。
【0038】
一方、ステップS5において、VnがV2以上であると判断された場合には、ステップS13に進み、第2タイマーのカウントを行う。
【0039】
【式4】
T2(s)=T2(s−1)+t2
ここで、t2を本制御を一巡して再び第2タイマーにおいてカウントするまでに要する時間とする。ただしt1とほぼ等しい場合にはt2=t1としてもよい。また初期値T2(1)=0とする。
【0040】
次に、ステップS14において、補正値ゲインGinを演算する。
【0041】
【式5】
Gin=gin(T1)
ここで、ginは変数T1が大きくなれば小さくなる関数である。また、T1は第1タイマーを最終的にカウントした時のタイマー値となる。つまり、VnがV2以上となる直前にステップS10でカウントした値である。T1は、電圧Vnが第1過充電比較電圧V1以上となってから第2過充電比較電圧V2に達するまでの時間を表している。
【0042】
次に、ステップS15において、充電電力補正値ΔPinlmtの演算を行う。
【0043】
【式6】
ΔPinlmt=ΔPinlmt1+Gin×f2(T2(s))
ここで、ΔPinlmt1は、第1タイマーを最終的にカウントした時にステップS11で求めた暫定充電電力補正値ΔPinlmt1となる。つまり、これは第2過充電比較電圧V2に達する直前の補正値ΔPinlmtに当たる。また、f2は、T2(s)が大きくなるに従って大きくなる関数である。例えばf2(x)=a2x+b2等で表される。この補正値ΔPinlmtを用いた制御を第2充電制限とする。
【0044】
このように、ステップS12またはS15で充電電力補正値ΔPinlmtを求めたら、ステップS16に進み、最大充電電力Pinmaxの補正を行う。
【0045】
【式7】
Pinlmt=Pinmax−ΔPinlmt
これにより、セル電圧Vnの変化に応じた補正最大電力値Pinlmtを設定することができる。次に、ステップS17に進み、充電電力指令値tPi_batを求める。
【0046】
【式8】
tPi_bat=MIN(tPin、Pinlmt)
これにより、充電電力指令値tPi_batは、目標充電電力tPinが最大充電電力値Pinlmt以下の場合には目標充電電力値tPinとなり、最大充電電力値Pinlmtを超えたら過充電を生じないように最大充電電力値Pinlmtに抑えられる。次に、ステップS18において、s0に今回の循環回数を代入して(s0=s)、本フローを終了する。
【0047】
このように制御した際の充電電力制限のタイムチャートを図5に示す。(a)をセル電圧Vnの立ち上がり時間が遅い場合、(b)をセル電圧Vnの立ち上がり時間が早い場合とする。
【0048】
電圧Vnが増加して第1過充電比較電圧V1に達したら第1充電制限を開始する。第1充電制限開始時の最大充電電力Pinlmtは、Pinmax−f1(0)となる。例えば、f1(x)=a1x+b1とした場合には、第1充電制限開始時には最大充電電力はb1だけ減少する。その後、最大充電電力は、時間の経過に従って減少する。ここでは、時間の経過に従って傾きa1で減少する。
【0049】
セル電圧Vnが第2過充電比較電圧V2に達したら、第2充電制限を開始する。第2充電制限開始時の最大充電電力はPinmax−[f1(T1)+Gin×f2(T2(s))]となる。例えば、f2(x)=a2x+b2(a2>0、b2>0)とした場合には、第2充電制限開始時には、最大充電電力は第1充電制限終了時よりさらにGin×b2だけ減少する。その後、最大充電電力は、時間の経過に従って減少する。ここでは、時間の経過に従って傾きGin×a2で減少する。つまり、第2充電制限では、第1充電制限時より少なくともGin×b2分だけ、時間経過に応じてそれ以上に充電電力が制限される。
【0050】
ここで、Ginは第1過充電比較電圧V1から第2過充電比較電圧V2に達するまでの時間T1に応じて決定する値であり、T1が大のときGinが小、T1が小のときGinが大となる。よって、図5(a)に示すように、セル電圧Vnの立ち上がりが遅い場合にはT1が大きくなるので、Gin×b2が小さく、図5(b)に示すようにセル電圧Vnの立ち上がり時間が早い場合にはGin×b2が大きくなる。つまり、T1が大きいときには第2充電制限開始時の制限の増加が小さく、反対にT1が小さいときには制限の増加が大きくなる。
【0051】
また、第2充電制限開始後の時間経過(T2(s))に応じた最大充電電力の変化の傾きは、例えばGin×a2となる。よって、図5(a)に示すように、セル電圧Vnの立ち上がりが遅い場合には時間経過に伴う制限の増加が小さく、図5(b)に示すように、セル電圧Vnの立ち上がりが早い場合には時間経過に伴う制限の増加が大きくなる。
【0052】
次に、本実施形態の効果を説明する。
【0053】
少なくとも一つの単電池を含む電池セルを直列に接続したバッテリ6において、セル電圧Vnが、第1過充電比較電圧V1以上であるかどうかを判断する第1判断手段(S8)と、セル電圧Vnが、V1より高い第2過充電比較電圧V2以上であるかどうかを判断する第2判断手段(S5)と、を備える。さらに、セル電圧Vnが、V2以上であると判断された場合にバッテリ6の充電電力を制限する第2充電制限手段(S14〜S16)と、を備える。第2充電制限手段は、セル電圧VnがV1以上であることを検出してからV2以上であることを検出するまでの時間T1に応じて、充電電力の制限を制御する。これにより、充電電力の大きさに合わせた制限を行うことができる。つまり、充電電力が大きく、急激にセル電圧Vnが上昇する場合や、反対に充電電力が小さくセル電圧Vnの変化が緩やかな場合に対して、過充電が生じたり過度の充電制限を生じたりするのを抑制することができる。
【0054】
また、第2充電制限手段は、時間T1に応じて制限量の初期値を決定する。例えば、時間T1が小さい場合には急激に制限をして過充電となるのを防ぐ必要があるので、充電電力の初期制限値を大きくする。また、時間T1が大きい場合には、制限を緩やかなものにして過度の制限を防ぐ必要があるので、充電電力の初期制限値を小さくする。このようにすることで、適切な充電電力の制限を行うことができる。
【0055】
また、第2充電制限手段は、充電電力を制限している時間T2(s)に応じて充電電力の制限を制御する。これにより、速やかに充電電力の制限を行うことができる。つまり、制限時間T2(s)の経過に伴って充電電力の制限の大きさを変化させることで、過充電の生じやすい状態から速やかに脱することができる。
【0056】
特に、第2充電制限手段の充電電力を制限している時間T2(s)に応じた充電電力制限の変化の割合を時間T1の大きさに応じて変化させる。ここでは、セル電圧Vnの立ち上がりが早い場合には、経過時間T2(s)に従って増大する制限の変化率を大きくし、立ち上がりが遅い場合には経過時間T2(s)に従って増大する制限の変化率を小さくする。その結果、立ち上がりが早い場合には、急激に生じるセル電圧Vnの変化に応じて充電電力制限を行うことができ、過充電を防ぐことができる。また、立ち上がりが遅い場合には、セル電圧Vnの変化は緩やかなので、充電電力制限も緩やかになり過度の制限を行うのを防ぐことができる。
【0057】
さらに、セル電圧VnがV1以上であると判断された場合に、バッテリ6の充電電力を制限する第1充電制限手段(S11、S12、S16)を設け、第2充電制限手段は、第1充電制限手段よりも充電電力の制限を大きくする。これにより、過充電の生じやすさに応じて充電電力の制限を行うことができるので、さらに過充電を生じるのを抑制することができる。また、セル電圧Vnの状態に応じて制限の程度を変化しているので、適切な制限を行うことができ、より速やかに充電電力の制限を行うことができる。
【0058】
次に、第2の実施形態について説明する。以下、第1の実施形態と異なる部分のみを説明する。
【0059】
本実施形態では過放電を防ぐために放電電力の制限を行う。つまり、図3において、目標放電電力値tPoutと比較する最大放電電力Poutmaxとして、補正最大放電電力Poutlmtを用いる。なお、ここでは、放電電力制限のみを行うが、第1の実施形態と同様に充電電力制限を行うこともできる。
【0060】
充放電制御手段18における過放電制限制御を図6のフローチャートを用いて説明する。なお、過放電が生じる可能性を判断するための過放電比較電圧として第1過放電比較電圧V3、第2過放電比較電圧V4を用いる。ただし、V3>V4とする。セル電圧VnがV3以下となったら第1放電制限を行い、V4以下となったら第2放電制限を行う。
【0061】
ステップS21において、バッテリ6の目標放電電力tPoutを求める。これは、目標SOCとSOCとから求めた目標充放電電力tPと−1の積と、0とを比較することにより求められる。次に、ステップS22において、バッテリコントローラ10から出力される最大放電電力Poutmaxを読み込む。ステップS23において、本制御の循環回数sをカウント(s=s0+1)する。ステップS24において、セル電圧Vnを読み込む。
【0062】
ステップS25では、VnがV4以下であるかどうかを判断する。VnがV4より大きい場合には、ステップS26に進む。ここでは、第2放電制限の継続時間を計測するために統合コントローラ9に備えた第4タイマーをリセットする(T4(s)=0)。次に、ステップS27において、VnがV3以下であるかどうかを判断する。VnがV3より大きい場合には、ステップS28に進む。ここでは、第1放電制限の継続時間を計測するために統合コントローラ9に備えた第3タイマーをリセットする(T3(s)=0)。
【0063】
これにより、セル電圧Vnは、V4およびV3より大きいと判断され、過放電が生じる可能性がないと判断される。ステップS29においてバッテリ6の暫定放電電力補正値ΔPoutlmt1=0と設定し、ステップS32で放電電力補正値ΔPoutlmt=ΔPoutlmt1を代入する。
【0064】
一方、ステップS27において、VnがV3以下である場合には、ステップS30に進み第3タイマーのカウントを行う。
【0065】
【式9】
T3(s)=T3(s−1)+t3
ここで、t3を本制御を一巡して再び第3タイマーにおいてカウントするまでに要する時間とする。また、初期値T3(1)=0とする。
【0066】
次に、ステップS31に進み、暫定放電電力補正値ΔPoutlmt1の演算を行う。
【0067】
【式10】
ΔPoutlmt1=f3(T3(s))
ここで関数f3は、変数T3(s)が大きくなるに従って、大きくなる関数である。例えばf3(x)=a3x+b3(a3>0、b3>0)等で表される関数とする。
【0068】
次に、ステップS32において、放電電力補正値ΔPoutlmtを求める。
【0069】
【式11】
ΔPoutlmt=ΔPoutlmt1
この補正値ΔPoutlmtを用いた場合の制御を第1放電制限とする。
【0070】
一方、ステップS25において、VnがV4以下であると判断された場合には、ステップS33に進み、第4タイマーのカウントを行う。
【0071】
【式12】
T4(s)=T4(s−1)+t4
ここで、t4を本制御を一巡して再び第4タイマーにおいてカウントするまでに要する時間とする。ただしt3とほぼ等しい場合にはt4=t3としてもよい。また、初期値T4(1)=0とする。
【0072】
次に、ステップS34において、放電電力補正値ゲインGoutを演算する。
【0073】
【式13】
Gout=gout(T3)
ここで、goutは変数T3が大きくなるに従ってGoutが小さくなる関数である。また、T3は第3タイマーを最終的にカウントした時のタイマー値となる。つまり、VnがV4以下となる直前にステップS30でカウントした値である。T3は、電圧Vnが第1過放電比較電圧V3以下となってから第2過放電比較電圧V4に達するまでの時間を表している。
【0074】
次に、ステップS35において、放電電力補正値ΔPoutlmtの演算を行う。
【0075】
【式14】
ΔPoutlmt=ΔPoutlmt1+Gout×f4(T4(s))
ここで、ΔPoutlmt1は、T3(s)=T3の時の暫定放電電力補正値ΔPoutlmt1となる。つまりこれは、第2過放電比較電圧V4に達する直前の放電補正値ΔPoutlmtに当たる。また、f4は、T4(s)が大きくなるに従って大きくなる関数である。例えばf4(x)=a4x+b4(a4>0、b4>0)等で表される。この補正値ΔPoutlmtを用いた制御を第2放電制限とする。
【0076】
このように、ステップS32またはS35で放電電力補正値ΔPoutlmtを求めたら、ステップS36に進み、最大放電電力Poutmaxの補正を行う。
【0077】
【式15】
Poutlmt=Poutmax−ΔPoutlmt
これにより、過放電を生じずに放電できる補正最大電力値Poutlmtを求めることができる。次に、ステップS37に進み、放電電力指令値tPo_batを求める。
【0078】
【式16】
tPo_bat=MIN(tPout、Poutlmt)
これにより、放電電力指令値tPo_batは、目標放電電力tPoutが補正最大放電電力Poutlmt以下の場合には目標放電電力tPoutとなり、補正最大放電電力Poutlmtを超えたら過放電を生じないように補正最大放電電力Po utlmtに抑えられる。次に、ステップS38において、s0に今回の循環回数を代入したら(s0=s)、本制御を終了する。
【0079】
このように制御した際の放電電力制限のタイムチャートを図7に示す。(a)を放電電力の立ち上がり時間が遅い場合、(b)を放電電力の立ち上がり時間が早い場合とする。
【0080】
セル電圧Vnが減少して第1過放電比較電圧V3に達したら第1放電制限を開始する。第1放電制限開始時の最大放電電力は、Poutmax−f3(0)となる。例えば、f3(x)=a3x+b3とした場合には、第1放電制限開始時にはPoutlmtはb3だけ制限される。その後、最大放電電力は、時間の経過に従って制限量を増大される。ここでは、時間の経過に従って傾きa3で制限量が増大する。
【0081】
電圧Vnが第2過放電比較電圧V4に達したら、第2放電制限を開始する。第2放電制限開始時の最大放電電力はPoutmax−[f3(T3)+Gout×f4(T4(s))]となる。例えば、f4(x)=a4x+b4とした場合には、第2放電制限開始時には、最大放電電力は第1放電制限終了時よりさらにGout×b4だけ制限される。その後、最大放電電力は、時間の経過に従ってさらに制限される。ここでは、時間の経過に従って傾きa4で放電電力が抑制される。つまり、第2放電制限は、第1放電制限より少なくともGout×b4分だけ多く制限され、時間経過に応じてそれ以上に放電電力が制限される。
【0082】
ここで、Goutは第1過放電比較電圧V3から第2過放電比較電圧V4に達するまでの時間T3に応じて決定する値である。T3が大のときGoutが小、T3が小のときGoutが大となる。よって、図7(a)に示すように、放電電力の立ち上がりが遅い場合にはT3が大きくなるので、Gout×b4が小さく、図7(b)に示すように放電電力の立ち上がり時間が早い場合にはGout×b4が大きくなる。
【0083】
また、第2放電制限開始後の時間経過に応じた最大放電電力の変化の傾きは、例えばGout×a4となる。よって、図7(a)に示すように、放電電力の立ち上がりが遅い場合には制限の増加が小さく、図7(b)に示すように、放電電力の立ち上がりが早い場合には制限の増加が大きくなる。
【0084】
このようにセル電圧Vnに応じて最大放電電力Poutlmtを設定し、これより目標放電電力tPoutが大きくなった時点で、放電電力指令値tPo_batとして最大放電電力値Poutlmtを用いる。
【0085】
次に、本実施形態の効果を説明する。
【0086】
少なくとも一つの単電池を含む電池セルを直列に接続したバッテリ6において、セル電圧Vnが、第1過放電比較電圧V3以下であるかどうかを判断する第1判断手段(S28)と、セル電圧Vnが、V3より低い第2過放電比較電圧V4以下であるかどうかを判断する第2判断手段(S25)と、を備える。さらに、セル電圧Vnが、V4以下であると判断された場合にバッテリ6の放電電力を制限する第2放電制限手段(S13〜S16)と、を備える。第2放電制限手段は、セル電圧VnがV3以下であることを検出してからV4以下であることを検出するまでの時間T3に応じて、放電電力の制限を制御する。これにより、放電電力の大きさに合わせた制限を行うことができる。つまり、放電電力が大きく、急激にセル電圧Vnが低減する場合や、反対に放電電力が小さくセル電圧Vnの変化が緩やかな場合に対して、過放電が生じたり過度の放電制限を生じたりするのを抑制することができる。
【0087】
また、第2放電制限手段は、時間T3に応じて制限量の初期値を決定する。例えば、時間T3が小さい場合には急激に制限をして過放電となるのを防ぐ必要があるので、放電電力の初期制限値を大きくする。また、時間T3が大きい場合には、制限を緩やかなものにして過度の制限を防ぐ必要があるので、放電電力の初期制限値を小さくする。このようにすることで、適切な放電電力の制限を行うことができる。
【0088】
また、第2放電制限手段は、放電電力を制限している時間T4(s)に応じて放電電力の制限を制御する。これにより、速やかに放電電力の制限を行うことができる。つまり、制限時間T4(s)の経過に伴って放電電力の制限の大きさを変化させることで、過放電の生じやすい状態から速やかに脱することができる。
【0089】
特に、第2放電制限手段の放電電力を制限している時間T4(s)に応じた放電電力制限の変化の割合をT3の大きさに応じて変化させる。ここでは、セル電圧Vnの低減が早くT3が小さい場合には、時間T4(s)に伴って増大する制限の変化率を大きくし、セル電圧Vnの低減が緩やかなT3が大きい場合には、経過時間T4(s)に伴って増大する制限の変化率を小さくする。その結果、放電電力の立ち上がりが早い場合には、急激に生じるセル電圧Vnの変化に応じて放電電力制限を行うことができ、過放電を防ぐことができる。また、放電電力立ち上がりが遅い場合には、セル電圧Vnの変化は緩やかなので、放電電力制限も緩やかにすることにより過度の制限を行うのを防ぐことができる。
【0090】
さらに、セル電圧VnがV3以下であると判断された場合に、バッテリ6の放電電力を制限する第1放電制限手段(S31〜S32、S36)を設け、第2放電制限手段は、第1放電制限手段よりも放電電力の制限を大きくする。これにより、過放電の生じやすさに応じて放電電力の制限を行うことができるので、過放電を生じるのを抑制することができる。また、セル電圧Vnの状態に応じて制限の程度を変化しているので、適切な制限を行うことができ、より速やかに放電電力の制限を行うことができる。
【0091】
次に、第3の実施形態について説明する。ここでは、充放電の制限を行う手段を備える。
【0092】
本実施形態に用いるバッテリコントローラ10の構成の一部を図8に示す。ここでは、過充電検出手段14nと、過放電検出手段15nとを一連の回路により構成しているが、別々に構成してもよい。また、電池セル19nを単電池により構成しているが、単電池の数が多い場合には複数の電池をまとめて電池セルとしてもよい。ここでは、n(n=1、2、3・・・)個の直列に接続した電池セル19を備える。なお、バッテリコントローラ10には、この他にもバッテリ6の蓄電状態SOCを検知する手段を備える。
【0093】
図8において、バッテリ6を構成する複数の電池セル19n各々に、電池セル19n間の電圧のバラツキを抑えるための電流バイパス13nを備える。また、電池セル19nの過充電が生じる可能性を検出するための過充電検出手段14nと、電池セル19nの過放電が生じる可能性を検出するための過放電検出手段15nを備える。さらに、電池セル19n毎の過充電検出手段14nおよび過放電検出手段15nの検出結果を出力するセル出力部16nと、バッテリ6のいずれかの電池セル19nに過充電または過放電の可能性があるかどうかを出力する出力部17を備える。出力部17からの出力は充放電制御回路18に送られる。ここで、放充電制御手段18は、統合コントローラ9の一部とする。ただし、放充電制御手段18をバッテリコントローラ10の一部としてもよい。
【0094】
次に、本実施形態の具体的な回路を図9を用いて説明する。
【0095】
電池セル19nの電圧のバラツキを抑制する電流バイパス流路13nには、電池セル19nと並列に内部抵抗とツェナーダイオードを備える。ここでは、電池セル19nが逆方向電圧を超えた場合に内部抵抗に電流が流れる。このため、充電を継続すると、電池セル19nの電圧が逆電圧近傍にそろい、各電池セル19nの電圧のバラツキを抑制することができる。
【0096】
過充電検出手段14nには電圧コンバータを備え、電圧Vnが第1過充電比較電圧V1または第2過充電比較電圧V2より大きくなったらセル出力部16nに信号Svを出力する。ここでは、過充電比較電圧V1、V2の切り替えをp型MOSトランジスタを導通させるかどうかにより行う。p型MOSトランジスタを導通させた場合には高い電圧であるV2と電圧Vnを比較し、導通させない場合には低い比較電圧であるV1と電圧Vnとを比較する。このp型MOSトランジスタを導通させるかどうかは、走行状態に応じて出力される統合コントローラ9からの信号(Sch)により切り替えられる。
【0097】
過放電検出手段15nには電圧コンバータを備え、電圧Vnが第1過放電比較電圧V3または第2過放電比較電圧V4より小さくなったらセル出力部16nに信号Svを出力する。ここでは、過放電比較電圧V3、V4の切り替えをn型MOSトランジスタを導通させるかどうかにより行う。n型MOSトランジスタを導通させた場合には高い比較電圧であるV3と電圧Vnを比較し、導通させない場合には低い比較電圧であるV4と電圧Vnとを比較する。このn型MOSトランジスタを導通させるかどうかについては走行状態に応じて統合コントローラ9により判断する。その判断を反映した信号(Sch)がバッテリコントローラ10に送られ、n型MOSトランジスタを導通させる。
【0098】
ここで、図9のバッテリコントローラ10では、n型およびp型MOSトランジスタを導通させるか否かを切り替える統合コントローラ12からの信号(Sch)が共通である。そのため、p型MOSトランジスタが導通状態であればn型MOSトランジスタが導通状態ではないし、p型MOSトランジスタが導通状態でなければn型MOSトランジスタが導通状態となる関係がある。つまり、充電電圧を低く設定した場合には放電電圧は高く設定される。
【0099】
また、各電池セル19nからの出力信号Svがセル出力部16nからの一本のみであるので、過充電検出手段14nの出力であるのか、過放電検出手段15nの出力であるのかを判断することができない。このため、バッテリ6には図示しない電圧センサや蓄電量検出手段等を設けて、バッテリ6の蓄電電圧を検出してそれを統合コントローラ9に入力し、バッテリ6が満充電付近の電圧であるならば過充電検出手段14nからの出力、逆に低い電圧であるならば過放電検出手段15nからの出力であると推定する。この推定結果により、過放電と過充電のどちらが生じる可能性があるのかを判断する。ここで他の状態として、ある電池セル19aの過充電検出手段14aの出力信号が1、その他のある電池セル19bの過放電検出手段15bの出力信号が1であり、出力部17からの信号が1となる場合が考えられる。つまり、過充電と過放電の可能性が同時に発生している場合であるが、図9に示すように各セル間の電圧のバラツキを抑制するバイパス回路13nを備えるため、このような状態が発生する可能性は極めて低いと考えることができる。
【0100】
次に、充放電電力指令値tP_batの演算方法について図10、図11のフローチャートを用いて説明する。図10に示すフローは、バッテリ6が満充電付近の電圧であると判断された場合、図11に示すフローはバッテリ6の蓄電電圧が低い場合に統合コントローラ9に備えた充放電制御手段18で行う。
【0101】
バッテリ6が満充電付近であると判断されたら、図10のフローを開始する。ステップS41〜S43においては、ステップS1〜S3と同様に目標充電電力tPinと最大充電電力Pinmaxを求め、循環回数sをカウントする。ステップS44において切り替え信号Schを読み込み、ステップS45でSchが0であるか1であるかを判断する。つまりSchが0の場合には充電電圧が低い第1過充電比較電圧V1に、Schが1の場合には充電電圧が高い第2過充電比較電圧V2に設定されている。ここで、Schの初期値は0とする。
【0102】
ステップS45において、Sch=0(OFF)であると判断されたら、つまり、充電電圧が低いV1に設定されていたらステップS46に進み、出力部16nの出力Svを検出する。ステップS47において、信号Svが0かどうかを判断する。Svが0と判断されたら、電圧VnはV1より小さいと判断できるので、ステップS48に進み、ステップS8と同様に第1タイマーをリセットする。また、ステップS49でステップS9と同様に暫定充電電力補正値ΔPinlmt1を0に設定する。さらに、ステップS50で補正値ΔPinlmt=ΔPinlmt1に、つまりΔPinlmt=0に設定する。また、ステップS51で第2タイマーをリセットする。
【0103】
一方、ステップS47でSv=0でないと判断されたら、電圧VnはV1以上であると判断できる。よって、次回の循環の際にVnとV2の比較を行うために、ステップS54においてSch=1(ON)に設定する。次に、ステップS55、S56においてステップS10、S11と同様に第1タイマーをカウントして、暫定充電電力補正値ΔPinlmt1を設定する。その後、ステップS50においてΔPinlmt=ΔPinlmt1に設定して第2タイマーをリセットする。
【0104】
一方、ステップS45でSch=0(OFF)でないと判断されたら、高い充電電圧である第2過充電比較電圧V2に設定されている。ステップS57に進み、セル出力部16nからの信号Svを検出する。ステップS58において、Sv=0であるかどうかを判断する。Sv=0の場合にはVnはV2に達していないので、ステップS55に戻り、第1充電制限を行う。一方、ステップS58でSv=0でないと判断されたら、VnはV2以上であるので、ステップS60〜S62において第2充電制限を行う。
【0105】
このようにステップS50、S62で設定した充電電力補正値ΔPinlmtを用いて、ステップS52において、ステップS16と同様に最大充電電力補正を行って、補正最大充電電力Pinlmtを求める。ステップS53でステップS17と同様に充電電力指令値tPi_batを求め、ステップS63でs0=sを代入したら、本制御フローを終了する。
【0106】
一方、バッテリ6の蓄電電圧が小さいと判断された場合には、図11のフローを開始する。ステップS71〜S73においては、ステップS21〜S23と同様に目標放電電力tPoutと最大放電電力Poutmaxを求め、循環回数sをカウントする。ステップS74において切り替え信号Schを読み込み、ステップS75でSchが0(OFF)であるか1(ON)であるかを判断する。つまりSchが0の場合には高い過放電比較電圧V3に、Sch=1の場合には低い過放電比較電圧V4に設定される。ここで、Schの初期値は0とする。
【0107】
ステップS75において、Sch=0であると判断されたら、つまり、放電比較電圧が高い電圧V3に設定されていたらステップS76に進み、セル出力部16nからの信号Svを検出する。ステップS77において、信号Svが0かどうかを判断する。Svが0と判断されたら電圧VnはV3より高いと判断できるので、ステップS78、S79ではステップS28、S29と同様に第1タイマーをリセットし、暫定放電電力補正値ΔPoutlmt1を0に設定する。さらに、ステップS80で放電電力補正値ΔPoutlmt=ΔPoutlmt1(=0)を設定する。また、ステップS81で第2タイマーをリセットする。
【0108】
一方、ステップS77でSv=0でないと判断されたら、電圧VnはV3以下であると判断できる。よって、次回の循環の際にVnとV4の比較を行うために、ステップS84においてSch=1に設定する。次に、ステップS85、S86においてステップS30、S31と同様に第1タイマーをカウントし、暫定放電電力補正値ΔPoutlmt1を設定する。その後、ステップS80においてΔPoutlmt=ΔPoutlmt1に設定して第2タイマーをリセットする。
【0109】
一方、ステップS75でSch=0でないと判断されたら、低い放電比較電圧であるV4に設定されている。ステップS87に進み、セル出力部16nからの信号Svを検出する。ステップS88において、Sv=0であるかどうかを判断する。Sv=0の場合にはVnはV4に達していないので、ステップS89でSch=1に設定してからステップS85に戻り、第1放電制限の補正値を求める。一方、ステップS88でSv=0でないと判断されたら、VnはV4以下であるので、ステップS90〜S92において第2放電制限の補正値を求める。
【0110】
このようにステップS80、S92で設定した放電電力補正値ΔPoutlmtを用いて、ステップS82において、ステップS36と同様に最大放電電力補正を行って、補正最大電力Poutlmtを求める。ステップS83でステップS37と同様に放電電力指令値tPo_batを求め、ステップS93でs0=sを代入したら、本制御フローを終了する。
【0111】
このように構成することで、第1の実施形態における効果と、第2実施形態における効果を併せ持つ電池制御装置を得ることができる。
【0112】
次に、第4の実施形態について説明する。ここでは、図12、図13に示すような過充電検出回路14nや、過放電検出回路15nを用いる。
【0113】
図12に示すように、過充電検出手段14nとして、常時2つの過充電比較電圧V1、V2とセル電池Vnとを比較できる回路を用いる。
【0114】
過充電検出手段14nを、電池セル19nのセル電圧Vnが第1過充電比較電圧V1以上であるか、また第2過充電比較電圧V2以上であるかどうかを常時判断する回路により構成する。その結果、セル出力部16nへ、セル電圧VnがV1以上であるかどうかを示す信号(Sv1)と、V2以上であるかどうかを示す信号(Sv2)が送られ、充放電制御手段18に出力される。ここで、V1<V2とし、後述するように、セル電圧VnがV1以上V2未満の場合に第1充電制限を行い、V2以上の場合に第2充電制限を行う。
【0115】
また、図13に過放電検出手段15nの構成を示す。ここでは常時2つの過放電比較電圧V3、V4とセル電圧Vnとを比較することのできる回路を用いる。
【0116】
過放電検出手段15nを、セル電圧Vnが第1過放電比較電圧V3以下であるか、また第2過放電比較電圧V4以下であるかどうかを常時判断する回路により構成し、その結果をセル出力部16nを介して充放電制御手段18に出力する。ここで、V3>V4とし、後述するように、単電池電圧VnがV4より大きくV3以下の場合に第1放電制限を行い、V4以下の場合に第2放電制限を行う。よって、出力部17へは、電圧VnがV3以下であるかどうかを示す信号(Sv3)と、V4以下であるかどうかを示す信号(Sv4)が送られる。
【0117】
このように構成することで、Schの切り替え等のステップを必要とせず、どの信号が1(ON)になっているかどうかを検出するだけで、第1充電制限、第2充電制限、第1放電制限、第2放電制限のいずれを行えばよいのかを判断することができる。各制限は、第1〜3の実施形態と同様の演算により補正値ΔPinlmt、ΔPoutlmtを求めて行う最大電力の補正により制御することができる。
【0118】
なお、本実施形態においては、制限量の時間変化を表す関数fを一次関数としているが、この限りではない。
【0119】
このように、本発明は上記実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲以内で様々な変更が成し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハイブリッド車輌の概略構成である。
【図2】ハイブリッド車輌の制御ブロック図である。
【図3】充放電電力指令値を求めるための制御ブロック図である。
【図4】第1の実施形態における充電電力指令値を求めるフローチャートである。
【図5】第1の実施形態における充電制限のタイムチャートである。
【図6】第2の実施形態における放電電力指令値を求めるフローチャートである。
【図7】第2の実施形態における放電制限のタイムチャートである。
【図8】第3の実施形態に用いるバッテリコントローラの概略図である。
【図9】第3の実施形態に用いるバッテリコントローラの回路図である。
【図10】第3の実施形態における充電制御を示すフローチャートである。
【図11】第3の実施形態における放電制御を示すフローチャートである。
【図12】第4の実施形態における過充電検出手段の回路図である。
【図13】第4の実施形態における過放電検出手段の回路図である。
【符号の説明】
6 バッテリ(組電池)
19 電池セル
第1の電圧・・・第1過充電比較電圧V1
第2の電圧・・・第2過充電比較電圧V2
第1判断手段・・・S7、S47、過充電検出手段14
第2判断手段・・・S5、S58、過充電検出手段14
第1充電制限手段・・・S11・12・16、S56・50・52
第2充電制限手段・・・S14・15・16、S61・62・52
第3の電圧・・・第1過放電比較電圧V3
第4の電圧・・・第2過放電比較電圧V4
第3判断手段・・・S27、S67、過放電検出手段15
第4判断手段・・・S25、S88、過放電検出手段15
第1放電制限手段・・・S31・32・36、S86・80・82
第2放電制限手段・・・S34・35・36、S91・92・82
Claims (6)
- 少なくとも一つの単電池を含む電池セルを接続した組電池において、
前記電池セルの電圧が、第1の電圧以上であるかどうかを判断する第1判断手段と、
前記電池セルの電圧が、前記第1の電圧より高い第2の電圧以上であるかどうかを判断する第2判断手段と、
前記電池セルの電圧が、前記第2の電圧以上であると判断された場合に前記組電池の充電電力を制限する第2充電制限手段と、を備え、
前記第2充電制限手段は、前記電池セルの電圧が前記第1の電圧以上であることを検出してから前記第2の電圧以上であることを検出するまでの時間に応じて、充電電力の制限を制御することを特徴とする電池制御装置。 - 前記第2充電制限手段は、充電電力を制限している時間に応じて充電電力の制限を制御する請求項1に記載の電池制御装置。
- 前記電池セルの電圧が前記第1の電圧以上であると判断された場合に、前記組電池の充電電力を制限する第1充電制限手段を設け、
前記第2充電制限手段は、前記第1充電制限手段よりも充電電力の制限を大きくする請求項1または2に記載の電池制御装置。 - 少なくとも一つの単電池を含む電池セルを接続した組電池において、
前記電池セルの電圧が、第3の電圧以下であるかどうかを判断する第3判断手段と、
前記電池セルの電圧が、前記第3の電圧より低い第4の電圧以下であるかどうかを判断する第4判断手段と、
前記電池セルの電圧が前記第4の電圧以下であると判断された場合に前記組電池の放電電力を制限する第2放電制限手段と、を備え、
前記第2放電制限手段は、前記電池セルの電圧が前記第3の電圧以下であることを検出してから前記第4の電圧以下であることを検出するまでの時間に応じて、放電電力の制限を制御することを特徴とする電池制御装置。 - 前記第2放電制限手段は、放電電力を制限している時間に応じて放電電力の制限を制御する請求項4に記載の電池制御装置。
- 前記電池セルの電圧が前記第3の電圧以下であると判断された場合に、前記組電池の放電電力を制限する第1放電制限手段を設け、
前記第2放電制限手段は、前記第1放電制限手段よりも放電電力の制限を大きくする請求項4または5に記載の電池制御装置。
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-
2002
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