JP2004163373A - 半導体物理量センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来に比べて高感度化を図れる半導体物理量センサを提供する。
【解決手段】半導体物理量センサである半導体圧力センサにおける2つのゲージ抵抗素子3a,3bそれぞれを1本のカーボンナノチューブにより構成している。製造にあたっては、撓み部たるダイヤフラム1bを有するマイクロ構造体1の一表面側の絶縁膜2上に触媒金属材料からなる触媒金属薄膜を形成し、触媒金属薄膜をパターニングすることによってそれぞれ触媒金属薄膜の一部からなる複数の尖突状の基端電極部5を形成する。その後、マイクロ構造体1の上記一表面側に複数の導電配線4を形成する。次に、カーボンナノチューブの原料ガスの雰囲気中にて所定温度に加熱されたマイクロ構造1における複数の導電配線4のうち対となる導電配線4,4間に電圧を印加することにより基端電極部5の先端から1本のカーボンナノチューブを成長させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力や加速度などの物理量を検出する半導体物理量センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、検出対象である圧力や加速度などの力学的物理量の大きさを電気信号に変換して出力する物理量センサとして、半導体結晶に外力が加えられたときに抵抗率が変化するピエゾ抵抗効果を利用したピエゾ抵抗型の半導体圧力センサや半導体加速度センサが知られている。この種の半導体物理量センサは、半導体基板をマイクロマシンニング技術により加工することによって、外力により変形しやすい薄肉の撓み部が形成されたマイクロ構造体を具備し、撓み部にピエゾ抵抗素子からなるゲージ抵抗素子が2つ形成されており、これら2つのゲージ抵抗素子がマイクロ構造体の非変形部位に形成した2つの基準用抵抗素子とともにブリッジ回路を構成するように導電配線により接続することで、マイクロ構造体に加わった物理量を電気信号に変換して出力するようになっている。
【0003】
ところで、半導体物理量センサの分野にあっては、マイクロマシンニング技術の進歩によりセンサチップの小型化が進んでいるが、センサチップの小型化に伴い、マイクロ構造体に力学的物理量が加わることによって生じる機械的な変形量も微小なものとなるので、ゲージ抵抗素子の更なる高感度化が望まれている。しかしながら、ピエゾ抵抗素子で実現できる感度レベルは高感度化の要望に応えるには限界に達しつつあるのが実情である。
【0004】
一方、近年では所謂ナノテクノロジーの分野において、カーボンナノチューブが各種センサの検出用素子として注目されている。例えば、カーボンナノチューブについては、注目すべき性質の一つとして、長手方向に変形を生じると導電率(抵抗値)が変化する特性を有しているので、ピエゾ抵抗素子に代わるゲージ抵抗素子として期待される。ここにおいて、カーボンナノチューブを半導体物理量センサのゲージ抵抗素子として用いるには、マイクロ構造体の所定部位上へカーボンナノチューブを生成する方法を確立する必要がある。カーボンナノチューブの生成方法については各所において研究開発が行われており、最近では、走査型プローブ顕微鏡のプローブや電界放出素子の分野において、シリコン構造体上にカーボンナノチューブを成長させる方法としてシリコンの突起部に触媒金属層を堆積させておき、CVD法により突起部からカーボンナノチューブを成長させる方法や、シリコンの2つの突起部間にバイアス電圧を印加しながらCVD法により突起部間に1本のカーボンナノチューブを成長させる方法が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
【非特許文献1】
小野崇人・江刺正喜,「MEMSからNEMSへ」,応用物理,応用物理学会,2002年8月,第71巻,第8号,p983−984
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、半導体圧力センサや半導体加速度センサといった半導体物理量センサのゲージ抵抗素子としてカーボンナノチューブを採用する場合、ゲージ抵抗素子を配置すべき所定の位置に、所定の方向で所定本数のカーボンナノチューブをセンサ構造体に固定化する必要があるが、これらの条件を満足するようにカーボンナノチューブを生成させることは容易ではない。すなわち、カーボンナノチューブの生成方法としては、ギャップを介して対向配置した電極間にバイアス電圧を印加した状態でCVD法により上記電極間にカーボンナノチューブを生成させる方法があるが、バイアス電圧が印加された状態において上記電極間に生じる電界領域の範囲において意図しない複数本のカーボンナノチューブが成長したり、意図する方向とずれてカーボンナノチューブが成長したりする恐れがあるからである。要するに、ギャップを介して対向配置した電極間にバイアス電圧を印加した状態でCVD法により上記電極間にカーボンナノチューブを生成させる方法では、カーボンナノチューブの本数や向きの制御が難しく、カーボンナノチューブを高精度に配設することができなかった。
【0007】
また、上記非特許文献1には、上述のようにシリコンの突起部間にバイアス電圧を印加した状態で突起部間に1本のカーボンナノチューブを成長させる方法が開示されているが、上記非特許文献1には走査型プローブ顕微鏡のプローブや電界放出素子の用途におけるカーボンナノチューブの生成方法が記載されているにすぎず、半導体圧力センサや半導体加速度センサといった半導体物理量センサのゲージ抵抗素子として用いるカーボンナノチューブの具体的な生成方法を提供するものではない。特に、上記非特許文献1に開示されたカーボンナノチューブの生成方法は、シリコンの突起部をカーボンナノチューブ成長の起点電極としているので、シリコン基板を加工して撓み部を含むマイクロ構造体を形成している半導体物理量センサに上記生成方法をそのまま適用するには、マイクロマシンニング技術を利用して上記突起部を形成する工程が必要であり、突起部の位置や突出高さに高い精度が要求されることとなって、結果としてマイクロ構造体を形成するマイクロマシンニング加工の処理工程の複雑化を招くことになる。
【0008】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、従来に比べて高感度化を図れる半導体物理量センサを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、半導体基板をマイクロマシンニング加工することによりフレーム及び該フレームに支持された薄肉の撓み部が形成された構造体であって検出対象とする物理量が当該構造体に加わると前記撓み部の力学的作用中心に応力を生じて前記撓み部が湾曲変形するようにしたマイクロ構造体と、前記マイクロ構造体の一表面側において絶縁膜を介して前記撓み部に重なるように配置されたゲージ抵抗素子と、前記マイクロ構造体の前記一表面側においてパターン形成され前記ゲージ抵抗素子の両端それぞれに電気的に接続された一対の導電配線と、前記ゲージ抵抗素子の両端位置にそれぞれ配置され前記ゲージ抵抗素子を前記各導電配線にそれぞれ接続する一対の基端電極部とを備え、前記一対の基端電極部は、前記一表面に平行な面内で互いの先端が対向する尖突状に形成され、且つ、少なくとも一方がカーボンナノチューブを成長させるための触媒金属材料により構成され、前記ゲージ抵抗素子は、前記一対の基端電極部の先端間に成長した1本のカーボンナノチューブで構成され、前記一対の基端電極部間における前記撓み部の変形形状と同じように変形することを特徴とする。
【0010】
この請求項1の発明の構成によれば、前記ゲージ抵抗素子を構成するカーボンナノチューブの少なくとも一部が前記撓み部に重なるように配置されていることにより、検出対象とする物理量が前記マイクロ構造体に加わって前記撓み部が湾曲変形したとき、前記撓み部の湾曲変形に追従して前記カーボンナノチューブも変形し、前記カーボンナノチューブの導電率(抵抗値)が変化するので、前記カーボンナノチューブに前記導電配線を通じて電圧を印加しておけば、前記マイクロ構造体に加わった物理量を電気信号に変換して検出することができる。また、前記ゲージ抵抗素子の両端位置に配置された前記一対の基端電極部の少なくとも一方がカーボンナノチューブを成長させるための触媒金属材料により構成され、且つ、前記一対の基端電極部を互いの先端が対向する尖突状に形成しているので、製造時に、例えば、前記一対の基端電極部間にバイアス電圧を印加してCVD法によりカーボンナノチューブを成長させれば、前記基端電極部の先端に電界が集中した状態で触媒金属材料により構成された側の前記基端電極部から前記一対の基端電極部の先端間に1本のカーボンナノチューブが成長するから、前記ゲージ抵抗素子を構成するカーボンナノチューブの本数や向きがばらつくことがない。また、前記ゲージ抵抗素子を構成する前記カーボンナノチューブは前記撓み部が湾曲変形するときに前記撓み部の湾曲変形に追従して変形するので、検出感度を向上できる。以上の説明から分かるように、請求項1の発明の構成によれば、前記ゲージ抵抗素子として1本のカーボンナノチューブを採用し当該カーボンナノチューブが高い精度で配置されているので、従来のピエゾ抵抗型の半導体物理量センサに比べて高感度化を図ることができる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ゲージ抵抗素子と前記一対の基端電極部との組を2組備えるとともに、前記フレームに重なる部位に前記各ゲージ抵抗素子とは別のカーボンナノチューブよりなる2つの基準用抵抗素子が配置され、前記ゲージ抵抗素子と前記基準用抵抗素子とがブリッジ回路を構成するように前記導電配線により接続されてなることを特徴とする。
【0012】
この請求項2の発明の構成によれば、前記ゲージ抵抗素子と前記基準用抵抗素子とでブリッジ回路を構成することにより、前記検出対象となる物理量の検出精度を向上させることができ、しかも、前記基準用抵抗素子と前記ゲージ抵抗素子との両方がカーボンナノチューブにより構成されているので、ブリッジ回路内での各抵抗素子の抵抗値のバランスが良くなり、良好な検出信号を得ることができる。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記基準用抵抗素子の両端位置にそれぞれ配置され且つ前記一表面に平行な面内で互いの先端が対向する尖突状に形成された一対の基端電極部を備え、当該一対の基端電極部の少なくとも一方が前記別のカーボンナノチューブを成長させるための触媒金属材料により構成されてなることを特徴とする。
【0014】
この請求項3の発明の構成によれば、前記基準用抵抗素子を構成するカーボンナノチューブの本数および位置精度が向上し、前記ブリッジ回路の設計が容易になる。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の発明において、前記各基端電極部が触媒金属材料により構成されてなることを特徴とする。
【0016】
この請求項4の発明の構成によれば、前記一対の基端電極部のいずれの先端からもカーボンナノチューブを成長させることができるので、カーボンナノチューブの生成工程の設計の自由度が大きくなる。また、前記一対の基端電極部を一度の工程で同時に形成することができ、製造工程の簡略化および低コスト化を図れるとともに、前記一対の基端電極部の相対的な位置精度を高めることが可能となり、結果的に前記カーボンナノチューブの長さ寸法や向きの精度を高めることが可能となる。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1乃至4の発明において、前記ゲージ抵抗素子は、前記マイクロ構造体の前記一表面側においてパッシベーション膜により覆われてなることを特徴とする。
【0018】
この請求項5の発明の構成によれば、前記ゲージ抵抗素子を構成するカーボンナノチューブを前記パッシベーション膜により保護することができる。また、前記パッシベーション膜によって前記ゲージ抵抗素子を長手方向の全体に亘って前記マイクロ構造体に対して強固に固定することができる。
【0019】
請求項6の発明は、請求項1乃至5の発明において、前記一対の導電配線は、前記一対の導電配線間の距離が前記一対の基端電極部間の距離よりも大きくなるようにパターン形成されてなることを特徴とする。
【0020】
この請求項6の発明の構成によれば、製造時において、例えば前記一対の導電配線間にバイアス電圧を印加してCVD法によりカーボンナノチューブを成長させる際に、前記一対の基端電極部を介さない位置でカーボンナノチューブが成長するのを防止することができる。
【0021】
請求項7の発明は、請求項1乃至6の発明において、前記検出対象とする物理量が圧力であって、前記撓み部は、前記フレームの内側領域を占めて中心部が前記力学的作用中心となるダイヤフラムであることを特徴とする。
【0022】
この請求項7の発明の構成によれば、従来のピエゾ抵抗型の半導体圧力センサに比べて高感度化を図った半導体圧力センサとして提供することができる。
【0023】
請求項8の発明は、請求項1乃至6の発明において、前記検出対象とする物理量が加速度であって、前記マイクロ構造体が、前記フレームの内側領域に前記撓み部を介して前記フレームに支持された重り部を備え、前記撓み部は、前記重り部との連結部位に前記力学的作用中心があることを特徴とする。
【0024】
この請求項8の発明の構成によれば、従来のピエゾ抵抗型の半導体加速度センサに比べて高感度化を図った半導体加速度センサとして提供することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本実施形態では、半導体物理量センサとして図1および図2に示すような半導体圧力センサを例示する。
【0026】
本実施形態における半導体圧力センサは、半導体基板であるシリコン基板をマイクロマシンニング加工した形成したマイクロ構造体1と、マイクロ構造体1の一表面側に形成したシリコン酸化膜からなる絶縁膜2上に配置されそれぞれ1本のカーボンナノチューブからなる2個のゲージ抵抗素子3a,3bおよび2個の基準用抵抗素子3c,3dと、マイクロ構造体1の他表面に固着されたガラス製の台座9とを備えている。
【0027】
マイクロ構造体1は、矩形枠状のフレーム1aと、フレーム1aの内側領域を占めてフレーム1aに連続一体に連結された薄肉のダイヤフラム1bとで構成されている。すなわち、マイクロ構造体1は、フレーム1aの内側に位置し全周に亘ってフレーム1aに支持され圧力に感応するダイヤフラム1bがマイクロマシンニング加工により形成された構造体であって、ダイヤフラム1bが撓み部を構成しており、検出対象とする物理量である圧力が当該構造体に加わると撓み部の力学的作用中心(つまり、ダイヤフラム1bの中心部)に応力を生じて撓み部が湾曲変形するようになっている。
【0028】
ダイヤフラム1bは、例えばKOH(水酸化カリウム)、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)などのアルカリ系溶液などを用いた異方性エッチングによって上記シリコン基板の裏面側に凹所1cを設けることにより形成されている。ここにおいて、半導体基板として、シリコン基板の代わりに、厚み方向の中間に埋込酸化膜(シリコン酸化膜)からなる絶縁層が形成された所謂SOI基板(表面側のシリコン層と裏面側のシリコン基板との間に上記絶縁層が介在した基板)を採用すれば、裏面側からのエッチング時に上記絶縁層をエッチングストッパ層として利用することで、ダイヤフラム1bの厚さ寸法を高精度に管理することが可能となって、歩留まりの向上が図れ、結果的に低コスト化を図れる。
【0029】
また、台座9は、矩形板状であって、周部がマイクロ構造体1のフレーム1aに陽極接合により固着されており、マイクロ構造体1の凹所1cへ流体を導入するための導入孔9aが厚み方向に貫設されている。なお、台座9は、シリコンと熱膨張係数が略等しいガラスにより形成されている。
【0030】
また、上述の2個のゲージ抵抗素子3a,3bおよび2個の基準用抵抗素子3c,3dは、マイクロ構造体1の上記一表面側において絶縁膜2上に形成された導電性材料(例えば、アルミニウムなど)からなる複数(本実施形態では、4つ)の導電配線4によりブリッジ回路を構成するように接続されている。ここにおいて、ダイヤフラム1bとフレーム1aとに跨るように配置されているゲージ抵抗素子3a,3bは、センシング用の抵抗素子であって、ダイヤフラム1bに圧力が加わったとすると、ダイヤフラム1bの湾曲変形に追従する形で変形し、導電率(抵抗値)が変化することになる。これに対して、フレーム1a上に配置されている基準用抵抗素子3c,3dは、基準抵抗用の抵抗素子であって、ダイヤフラム1bに圧力が加わってダイヤフラム1bが変形したとしても導電率(抵抗値)が変化しない。
【0031】
したがって、ブリッジ回路の対角位置の一方の端子間に適宜の検出用電源を接続するとともに対角位置の他方の端子間の電圧を検出し、適宜の補正を加えれば、ダイヤフラム1bに作用する圧力に比例する電圧を得ることができるのである。なお、本実施形態では、4つの導電配線4それぞれの一部が端子としてのパッドを構成している。ここに、マイクロ構造体1の上記一表面側には、各抵抗素子3a〜3d、後述の各基端電極部5、および各導電配線4のうちパッドとなる部位以外を覆うパッシベーション膜(図示せず)が積層されている。
【0032】
ところで、上述の各抵抗素子3a〜3cは、マイクロ構造体1の上記一表面に平行な面内においてダイヤフラム1bの中心を通る1つの直線上に、当該直線と長手方向が一致するように配置されている。ここに、ゲージ抵抗素子3a,3bは、ダイヤフラム1bの湾曲変形に伴う抵抗値の変化量が大きくなるようにダイヤフラム1bの外周(ダイヤフラム1bとフレーム1aとの境界)を構成する4辺のうちの2辺それぞれに各辺の中点で略直交するように配置されている。すなわち、図1(b)に示すようにゲージ抵抗素子3bとダイヤフラム1bの外周の一部を構成する1辺との交差角をθとすると、交差角θは略90度となっており、上記1辺に平行な辺とゲージ抵抗素子3aとの交差角についても同様に略90度となっている。
【0033】
なお、本実施形態では、ゲージ抵抗素子3a,3bの長手方向における略半分がダイヤフラム1bに重なるように配置され、残りがフレーム1aに重なるように配置されており、ゲージ抵抗素子3a,3bの全部がダイヤフラム1bに重なるように配置されている場合に比べて、ゲージ抵抗素子3a,3bの抵抗値の変化量を大きくすることができる。また、本実施形態では、ダイヤフラム1bに流体の圧力が加わっていない状態では各抵抗素子3a〜3dの抵抗値が同じ値になるように各抵抗素子3a〜3dの長手方向の寸法を同じ寸法に設定することで、ブリッジ回路の検出精度を向上させている。
【0034】
また、本実施形態では、各抵抗素子3a〜3dと各抵抗素子3a〜3dに電気的に接続される各導電配線4との間に、カーボンナノチューブを成長させるための触媒金属材料(例えば、鉄、ニッケル、コバルトなど)からなる基端電極部5が介在している。すなわち、本実施形態では、8個の基端電極部5が形成されている。各基端電極部5は、マイクロ構造体1における絶縁膜2上においてパターニングされた触媒金属薄膜により構成されており、カーボンナノチューブを介在させる対となる導電配線4,4の両方から互いに近づく向きに突出した尖鋭な平面形状に形成されており、各基端電極部5,5の先端同士を結んだ直線上にカーボンナノチューブが配置されている。要するに、各基端電極部5,5が上記一表面に平行な面内で互いの先端が対向する尖突状に形成され、カーボンナノチューブの両端位置にそれぞれ基端電極部5,5が配置されている。ここに、対となる導電配線4,4(各一対の導電配線4,4)間の距離は、対となる基端電極部5,5の先端間の距離よりも長くなるように設定されている。言い換えれば、対となる導電配線4,4は、基端電極部5,5の先端間の距離が最短距離となるように配設されている。なお、基端電極部5は、尖鋭な先端とは反対側の基端部が導電配線4により覆われ、導電配線4と電気的に接続されている。
【0035】
以下、本実施形態におけるカーボンナノチューブの生成方法について説明する。
【0036】
シリコン基板を加工してマイクロ構造体1を形成した後、マイクロ構造体1の上記一表面側の絶縁膜2上にカーボンナノチューブを成長させるための上記触媒金属材料からなる触媒金属薄膜を形成し、リソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して触媒金属薄膜をパターニングすることによってそれぞれ触媒金属薄膜の一部からなる複数の基端電極部5を形成する。
【0037】
その後、マイクロ構造体1の上記一表面側の全面に例えばスパッタ法や蒸着法などによって導電配線4の構成材料である導電性材料(例えば、アルミニウムなど)からなる導電性膜を形成し、リソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して導電性膜をパターニングすることによってそれぞれ導電性膜の一部からなる複数の導電配線4を形成する。
【0038】
次に、カーボンナノチューブの原料ガス(例えば、炭化水素を含むCガス、Cガス、CHガスなど)の雰囲気中にて所定温度(例えば、500℃〜1000℃)に加熱されたマイクロ構造体1における複数の導電配線4のうち対となる導電配線4,4間に電圧(バイアス電圧)を印加することにより尖突状の基端電極部5の先端から1本のカーボンナノチューブを成長させる。つまり、各一対の基端電極部5,5間にそれぞれ1本のカーボンナノチューブを成長させる。
【0039】
しかして、上述のカーボンナノチューブの生成方法によれば、対となる導電配線4,4間に電圧を印加することによって尖突状の基端電極部5,5の先端間に電界が集中し、基端電極部5,5の先端間にのみ1本のカーボンナノチューブを成長させることができるので、基端電極部5,5の先端の位置を制御することでカーボンナノチューブの形成位置を制御することができる。言い換えれば、基端電極部5,5の先端の位置を制御することで、カーボンナノチューブの長手方向の寸法およびダイヤフラム部1bの外周とカーボンナノチューブとの交差角θを制御することができるから、マイクロ構造体1の上記一表面に平行な面内においてカーボンナノチューブを高い位置精度で配置することが可能となる。要するに、カーボンナノチューブを配置したい直線上に一対の基端電極部5,5の先端が位置し且つ一対の基端電極部5,5の先端間の距離がカーボンチューブの長さ寸法分だけ離間するように基端電極部5,5を配設すれば、所望の長さのカーボンチューブを所望の直線上に配設することができるのである。また、本実施形態では、対となる導電配線4,4それぞれとカーボンナノチューブとを接続する対となる基端電極部5,5の両方を触媒金属材料により形成してあるので、対となる基端電極部5,5のいずれの先端からもカーボンナノチューブを成長させることができ、カーボンナノチューブの生成工程の設計の自由度が大きくなる。また、対となる各一対の基端電極部5,5を一度の工程で同時に形成することができ、製造工程の簡略化および低コスト化を図れるとともに、対となる各一対の基端電極部5,5の相対的な位置精度を高めることが可能となり、結果的にカーボンナノチューブの長さ寸法や向きの精度を高めることが可能となる。なお、本実施形態では、対となる導電配線4,4の両方から突出させている基端電極部5,5の両方を触媒金属材料により構成しているが、一方を導電配線4と同じ導電性材料を構成材料とする突出部として導電配線4のパターニング時に形成するようにしてもよい。
【0040】
以上説明した本実施形態の半導体圧力センサによれば、ゲージ抵抗素子3a,3bとしてそれぞれ1本のカーボンナノチューブを採用し各カーボンナノチューブが高い精度で配置されているので、従来のピエゾ抵抗型の半導体圧力センサに比べて高感度化を図ることができる。
【0041】
(実施形態2)
本実施形態では、半導体物理量センサとして図3および図4に示すような半導体加速度センサを例示する。
【0042】
本実施形態における半導体加速度センサは、半導体基板であるシリコン基板をマイクロマシンニング加工した形成したマイクロ構造体11と、マイクロ構造体11の一表面側に形成されているシリコン酸化膜からなる絶縁膜12上に配置されそれぞれ1本のカーボンナノチューブからなる2個のゲージ抵抗素子13a,13bおよび2個の基準用抵抗素子13c,13dと、マイクロ構造体11の他表面に固着されたガラス製の台座19とを備えている。
【0043】
マイクロ構造体11は、矩形枠状のフレーム11aを備え、フレーム11aの内側領域にフレーム11aから離間して配置された重り部11bの周囲の1辺がフレーム11aよりも薄肉である2つの撓み部11cを介してフレーム11aに連続一体に連結された構造を有している。すなわち、マイクロ構造体11は、フレーム11aの内側に位置し加速度に感応する重り部11bが2つの撓み部11cを介してフレーム11aに支持されており、重り部11bの周囲には撓み部11cを除いてフレーム11aとの間にスリット11dが形成されている。また、撓み部11cは重り部11bの1辺に沿う方向に離間して2箇所に形成されている。以上説明したマイクロ構造体11は、フレーム11aの内側に重り部11bおよびフレーム11aに支持された2つの撓み部11c,11cがマイクロマシンニング加工により形成された構造体であって、検出対象とする物理量である加速度が当該構造体に加わると撓み部11cの力学的作用中心(つまり、撓み部11cと重り部11bとの連結部位)に応力を生じて撓み部11cが湾曲変形するようになっている。
【0044】
なお、重り部11bは、例えば、シリコン基板においてスリット11dに対応する部位を裏面側(上記他表面側)から例えばKOH(水酸化カリウム)などのアルカリ系溶液などを用いて異方性エッチングを行った後、スリット11dに対応する部位をシリコン基板の主表面側(上記一表面側)からエッチングすることで形成することができる。ここにおいて、半導体基板として、シリコン基板の代わりに、上記SOI基板を採用すれば、裏面側および主表面側それぞれからのエッチング時に上記絶縁層をエッチングストッパ層として利用することで、撓み部11cの厚さ寸法を高精度に管理することが可能となって、歩留まりの向上が図れ、結果的に低コスト化を図れる。また、上記SOI基板のシリコン基板(支持基板)においてスリット11dに対応する部位を裏面側から誘導結合プラズマ型のドライエッチング装置により上記絶縁層に達するまで垂直にエッチングした後、上記SOI基板のシリコン層においてスリット11dに対応する部位をSOI基板の主表面から上記絶縁層に達する深さまでエッチングし、その後、上記絶縁層においてスリット11dに対応する部位をエッチングするようにすれば、アルカリ系溶液を用いたシリコンの異方性エッチングを利用して重り部11bを形成する場合に比べて、重り部11bの外周面とフレーム11aの内周面との間の間隔を小さくすることができるので、マイクロ構造体11の小型化を図れ、半導体加速度センサの小型化を図ることができる。
【0045】
また、台座19は、矩形板状であって、周部がマイクロ構造体11のフレーム11aに陽極接合により固着されており、マイクロ構造体11との対向面には重り部11bの揺動空間を確保するための凹所19bがサンドブラスト法などによって形成されている。なお、台座19は、シリコンと熱膨張係数が略等しいガラスにより形成されている。
【0046】
また、上述の2個のゲージ抵抗素子13a,13bおよび2個の基準用抵抗素子13c,13dは、マイクロ構造体11の上記一表面側において絶縁膜12上に形成された導電性材料(例えば、アルミニウムなど)からなる複数(本実施形態では、5つ)の導電配線14によりブリッジ回路を構成するように接続されている(なお、マイクロ構造体11の厚み方向において重なる導電配線14,14間には図示しない絶縁膜を介在させてある)。ここにおいて、それぞれ撓み部11cに重なるように撓み部11cの延長方向に長手方向を一致させて配置されているゲージ抵抗素子13a,13bは、センシング用の抵抗素子を構成している。すなわち、マイクロ構造体11の厚み方向の成分を含む外力(加速度)が重り部11bに作用すると、重り部11bの慣性によって支持部11aと重り部11bとがマイクロ構造体11の厚み方向へ相対的に変位し、結果的に撓み部11cが撓んでゲージ抵抗素子13a,13bが変形し、ゲージ抵抗素子13a,13bの抵抗値が変化することになる。これに対して、フレーム11aに重なるように配置されている基準用抵抗素子13c,13dは、基準抵抗用の抵抗素子であって、重り部11bが変位したとしても抵抗値が変化しない。
【0047】
したがって、ゲージ抵抗素子13a,13bの抵抗値の変化を検出することにより、マイクロ構造体11に作用した加速度を検出することができる。言い換えれば、ブリッジ回路の対角位置の一方の端子間に適宜の検出用電源を接続するとともに対角位置の他方の端子間の電圧を検出し、適宜の補正を加えれば、重り部11bに作用する加速度に比例する電圧を得ることができるのである。なお、本実施形態では、上述の各導電配線14それぞれの一部が端子としてのパッドを構成しており、一端が導電配線14を介して基準用抵抗素子13cに接続されたゲージ抵抗素子13aと、一端が導電配線14を介してゲージ抵抗素子13bに接続された基準用抵抗素子13dとは、互いの他端に接続された導電配線14同士が図示しないパッケージのグランドを介して電気的に接続されるようになっている。また、マイクロ構造体11の上記一表面側には、各抵抗素子13a〜13d、後述の各基端電極部15、および各導電配線14のうちパッドとなる部位以外を覆うパッシベーション膜(図示せず)が積層されている。
【0048】
また、上述の各ゲージ抵抗素子13a,13bは、撓み部11cの変形に伴う電気抵抗の変化量が大きくなるように撓み部11cの延長方向を長手方向として配置されており、各ゲージ抵抗素子13a,13bが撓み部11cと同じように変形するので、各ゲージ抵抗素子13a,13bの電気抵抗の変化量を大きくすることができる。また、本実施形態では、重り部11bに加速度が作用していない状態では各抵抗素子13a〜13bの抵抗値が同じ値になるように各抵抗素子13a〜13bの長手方向の寸法を同じ寸法に設定することで、ブリッジ回路の検出精度を向上させている。
【0049】
ところで、本実施形態では、各抵抗素子13a〜13dと各抵抗素子13a〜13dに電気的に接続される各導電配線14との間に、カーボンナノチューブを成長させるための触媒金属材料(例えば、鉄、ニッケル、コバルトなど)からなる基端電極部15が介在している。すなわち、本実施形態では、8個の基端電極部15が形成されている。各基端電極部15は、マイクロ構造体11における絶縁膜12上においてパターニングされた触媒金属薄膜により構成されており、カーボンナノチューブを介在させる対となる導電配線14,14の両方から互いに近づく向きに突出した尖鋭な平面形状に形成されており、各基端電極部15,15の先端同士を結んだ直線上にカーボンナノチューブが配置されている。要するに、各基端電極部15,15が上記一表面に平行な面内で互いの先端が対向する尖突状に形成され、カーボンナノチューブの両端位置にそれぞれ基端電極部15,15が配置されている。ここに、対となる導電配線14,14(各一対の導電配線14,14)間の距離は、対となる基端電極部15,15の先端間の距離よりも長くなるように設定されている。言い換えれば、対となる導電配線14,14は、基端電極部15,15の先端間の距離が最短距離となるように配設されている。なお、基端電極部15は尖鋭な先端とは反対側の基端部が導電配線14により覆われ、導電配線14と電気的に接続されている。
【0050】
以下、本実施形態におけるカーボンナノチューブの生成方法について説明する。
【0051】
シリコン基板を加工してマイクロ構造体11を形成した後、マイクロ構造体11の上記一表面側の絶縁膜12上にカーボンナノチューブを成長させるための上記触媒金属材料からなる触媒金属薄膜を形成し、リソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して触媒金属薄膜をパターニングすることによってそれぞれ触媒金属薄膜の一部からなる複数の基端電極部15を形成する。
【0052】
その後、マイクロ構造体11の上記一表面側の全面に例えばスパッタ法や蒸着法などによって導電配線14の構成材料である導電性材料(例えば、アルミニウムなど)からなる導電性膜を形成し、リソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して導電性膜をパターニングすることによってそれぞれ導電性膜の一部からなる導電配線14を形成する。
【0053】
次に、カーボンナノチューブの原料ガス(例えば、炭化水素を含むCガス、Cガス、CHガスなど)の雰囲気中にて所定温度(例えば、500℃〜1000℃)に加熱されたマイクロ構造体11における複数の導電配線14のうち対となる導電配線14,14間に電圧(バイアス電圧)を印加することにより尖突状の基端電極部15の先端から1本のカーボンナノチューブを成長させる。つまり、各一対の基端電極部15,15間にそれぞれ1本のカーボンナノチューブを成長させる。
【0054】
しかして、上述のカーボンナノチューブの生成方法によれば、対となる導電配線14,14間に電圧を印加することによって尖突状の基端電極部15,15の先端間に電界が集中し、基端電極部15,15の先端間にのみカーボンナノチューブを成長させることができるので、基端電極部15,15の位置を制御することでカーボンナノチューブの形成位置を制御することができる。言い換えれば、基端電極部15,15の先端の位置を制御することで、カーボンナノチューブの長手方向の寸法を制御することができるとともに、カーボンナノチューブを長手方向が撓み部11cの延長方向と平行になるように配置することができるから、マイクロ構造体11の上記一表面に平行な面内においてカーボンナノチューブを高い位置精度で配置することが可能となる。要するに、カーボンナノチューブを配置したい直線上に一対の基端電極部15,15の先端が位置し且つ一対の基端電極部15,15の先端間の距離がカーボンチューブの長さ寸法分だけ離間するように基端電極部15,15を配設すれば、所望の長さのカーボンチューブを所望の直線上に配設することができるのである。
【0055】
また、本実施形態では、対となる導電配線14,14それぞれとカーボンナノチューブとを接続する対となる基端電極部15,15の両方を触媒金属材料により形成してあるので、対となる基端電極部15,15のいずれの先端からもカーボンナノチューブを成長させることができ、カーボンナノチューブの生成工程の設計の自由度が大きくなる。また、対となる各一対の基端電極部15,15を一度の工程で同時に形成することができ、製造工程の簡略化および低コスト化を図れるとともに、対となる各一対の基端電極部15,15の相対的な位置精度を高めることが可能となり、結果的にカーボンナノチューブの長さ寸法や向きの精度を高めることが可能となる。なお、本実施形態では、対となる導電配線14,14の両方から突出させている基端電極部15,15の両方を触媒金属材料により構成しているが、一方を導電配線14と同じ導電性材料を構成材料とする突出部として導電配線14のパターニング時に形成するようにしてもよい。
【0056】
以上説明した本実施形態の半導体加速度センサによれば、ゲージ抵抗素子13a,13bとしてそれぞれ1本のカーボンナノチューブを採用し各カーボンナノチューブが高い精度で配置されているので、従来のピエゾ抵抗型の半導体加速度センサに比べて高感度化を図ることができる。
【0057】
【発明の効果】
請求項1の発明は、上記構成を採用したことにより、ゲージ抵抗素子として1本のカーボンナノチューブを採用し当該カーボンナノチューブが高い精度で配置されているので、従来のピエゾ抵抗型の半導体物理量センサに比べて高感度化を図ることができるという効果がある。
【0058】
請求項2の発明は、上記構成を採用したことにより、前記ゲージ抵抗素子と前記基準用抵抗素子とでブリッジ回路を構成することにより、前記検出対象となる物理量の検出精度を向上させることができ、しかも、前記基準用抵抗素子と前記ゲージ抵抗素子との両方がカーボンナノチューブにより構成されているので、ブリッジ回路内での各抵抗素子の抵抗値のバランスが良くなり、良好な検出信号を得ることができるという効果がある。
【0059】
請求項3の発明は、上記構成を採用したことにより、前記基準用抵抗素子を構成するカーボンナノチューブの本数および位置精度が向上し、前記ブリッジ回路の設計が容易になるという効果がある。
【0060】
請求項4の発明は、上記構成を採用したことにより、前記一対の基端電極部のいずれの先端からもカーボンナノチューブを成長させることができるので、カーボンナノチューブの生成工程の設計の自由度が大きくなるという効果があり、また、前記一対の基端電極部を一度の工程で同時に形成することができ、製造工程の簡略化および低コスト化を図れるとともに、前記一対の基端電極部の相対的な位置精度を高めることが可能となり、結果的に前記カーボンナノチューブの長さ寸法や向きの精度を高めることが可能となるという効果がある。
【0061】
請求項5の発明は、上記構成を採用したことにより、前記ゲージ抵抗素子を構成するカーボンナノチューブを前記パッシベーション膜により保護することができるという効果があり、また、前記パッシベーション膜によって前記ゲージ抵抗素子を長手方向の全体に亘って前記マイクロ構造体に対して強固に固定することができるという効果がある。
【0062】
請求項6の発明は、上記構成を採用したことにより、製造時において、例えば前記一対の導電配線間にバイアス電圧を印加してCVD法によりカーボンナノチューブを成長させる際に、前記一対の基端電極部を介さない位置でカーボンナノチューブが成長するのを防止することができるという効果がある。
【0063】
請求項7の発明は、上記構成を採用したことにより、従来のピエゾ抵抗型の半導体圧力センサに比べて高感度化を図った半導体圧力センサとして提供することができるという効果がある。
【0064】
請求項8の発明は、上記構成を採用したことにより、従来のピエゾ抵抗型の半導体加速度センサに比べて高感度化を図った半導体加速度センサとして提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1における半導体圧力センサを示し、(a)は概略平面図、(b)は(a)の要部拡大図である。
【図2】同上における半導体圧力センサを示し、(a)は概略断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。
【図3】実施形態2における半導体加速度センサを示し、(a)は概略平面図、(b)は(a)の要部拡大図である。
【図4】同上における半導体加速度センサを示し、(a)は概略断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。
【符号の説明】
1 マイクロ構造体
1a フレーム
1b ダイヤフラム
2 絶縁膜
3a,3b ゲージ抵抗素子
3c,3d 基準用抵抗素子
4 導電配線
5 基端電極部
9 台座
9a 導入孔
11 マイクロ構造体
11a フレーム
11b 重り部
11c 撓み部
11d スリット
12 絶縁膜
13a,13b ゲージ抵抗素子
13c,13d 基準用抵抗素子
14 導電配線
15 基端電極部
19 台座
19b 凹所

Claims (8)

  1. 半導体基板をマイクロマシンニング加工することによりフレーム及び該フレームに支持された薄肉の撓み部が形成された構造体であって検出対象とする物理量が当該構造体に加わると前記撓み部の力学的作用中心に応力を生じて前記撓み部が湾曲変形するようにしたマイクロ構造体と、前記マイクロ構造体の一表面側において絶縁膜を介して前記撓み部に重なるように配置されたゲージ抵抗素子と、前記マイクロ構造体の前記一表面側においてパターン形成され前記ゲージ抵抗素子の両端それぞれに電気的に接続された一対の導電配線と、前記ゲージ抵抗素子の両端位置にそれぞれ配置され前記ゲージ抵抗素子を前記各導電配線にそれぞれ接続する一対の基端電極部とを備え、前記一対の基端電極部は、前記一表面に平行な面内で互いの先端が対向する尖突状に形成され、且つ、少なくとも一方がカーボンナノチューブを成長させるための触媒金属材料により構成され、前記ゲージ抵抗素子は、前記一対の基端電極部の先端間に成長した1本のカーボンナノチューブで構成され、前記一対の基端電極部間における前記撓み部の変形形状と同じように変形することを特徴とする半導体物理量センサ。
  2. 前記ゲージ抵抗素子と前記一対の基端電極部との組を2組備えるとともに、前記フレームに重なる部位に前記各ゲージ抵抗素子とは別のカーボンナノチューブよりなる2つの基準用抵抗素子が配置され、前記ゲージ抵抗素子と前記基準用抵抗素子とがブリッジ回路を構成するように前記導電配線により接続されてなることを特徴とする請求項1記載の半導体物理量センサ。
  3. 前記基準用抵抗素子の両端位置にそれぞれ配置され且つ前記一表面に平行な面内で互いの先端が対向する尖突状に形成された一対の基端電極部を備え、当該一対の基端電極部の少なくとも一方が前記別のカーボンナノチューブを成長させるための触媒金属材料により構成されてなることを特徴とする請求項2記載の半導体物理量センサ。
  4. 前記各基端電極部が触媒金属材料により構成されてなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体物理量センサ。
  5. 前記ゲージ抵抗素子は、前記マイクロ構造体の前記一表面側においてパッシベーション膜により覆われてなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体物理量センサ。
  6. 前記一対の導電配線は、前記一対の導電配線間の距離が前記一対の基端電極部間の距離よりも大きくなるようにパターン形成されてなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体物理量センサ。
  7. 前記検出対象とする物理量が圧力であって、前記撓み部は、前記フレームの内側領域を占めて中心部が前記力学的作用中心となるダイヤフラムであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の半導体物理量センサ。
  8. 前記検出対象とする物理量が加速度であって、前記マイクロ構造体が、前記フレームの内側領域に前記撓み部を介して前記フレームに支持された重り部を備え、前記撓み部は、前記重り部との連結部位に前記力学的作用中心があることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の半導体物理量センサ。
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