JP2004163298A - ホースの加圧検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】消防用ホースを破損させることなく接続部分の近傍のホース部分で管路を密閉する加圧検査装置を提供することを目的とする。
【解決手段】加圧水を用いてホース21の加圧検査を行うための加圧検査装置1であって、膨張部材11で覆われる膨張室16が端部18に設けられて前記膨張室16と連通する挿入管17と、前記挿入管17と一体的に設けられ、前記挿入管17に加圧水を供給する第1給水ポートPT1と前記ホース21に加圧水を供給する第2給水ポートPT2とが設けられた給水部4と、前記ホース21に前記挿入管17の前記膨張室16を含む部分を挿入した状態で前記ホース21に取り付けた結合金具5に結合するための、前記給水部4と一体的に設けられた結合部3と、を有してなる。
【選択図】 図1
【解決手段】加圧水を用いてホース21の加圧検査を行うための加圧検査装置1であって、膨張部材11で覆われる膨張室16が端部18に設けられて前記膨張室16と連通する挿入管17と、前記挿入管17と一体的に設けられ、前記挿入管17に加圧水を供給する第1給水ポートPT1と前記ホース21に加圧水を供給する第2給水ポートPT2とが設けられた給水部4と、前記ホース21に前記挿入管17の前記膨張室16を含む部分を挿入した状態で前記ホース21に取り付けた結合金具5に結合するための、前記給水部4と一体的に設けられた結合部3と、を有してなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、消防ホースなど各種ホースの加圧検査を行うための加圧検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
もし火災が発生した場合には、近くにある消防ホースを消火栓等に接続して消火作業を迅速に行う必要がある。一般に、消防ホースのホースの部分にはテトロン等の合成繊維材料が用いられるが、使用によって、または使用しなくても経年変化により劣化するので、緊急の使用時にホースから水が漏れて消化作業に手間取るということがないように管理を十分に行う必要がある。
【0003】
そこで、消防ホースを緊急時に支障なく使用することができるように、設置後一定期間が経過した消防ホースは加圧検査を行い水漏れの有無を調べることが望ましい。しかし、消防ホースは1本の長さが数十メートルと長いためにホース全体の加圧検査を行うには広い場所が必要であり、かつ検査に水を使用した場合には検査後にホースを乾燥させてから収納しなければならない。
【0004】
一方、消防ホースでは、消火栓や放水ノズル等との結合部分の近傍、つまり消防ホースの結合金具の近傍が、その使用に際して曲げの頻度が高いため、特に劣化が起こりやすい。このことから、ホースと結合金具との接続部分の近傍のみの加圧検査でも消防ホースの劣化の有無を判断するのに十分であるとして、接続部分の近傍に重点をおいた加圧検査が、消防ホース全体の加圧検査に代えて行われることがあった。
【0005】
また、平成14年3月12日消防庁告示第2号および第3号によって、消防ホースの耐圧試験は消防ホースの接続部分約20cmまでで行うことと定められ、今後、接続部分の近傍に重点をおいた加圧検査が主として行われることとなる。このような接続部分の近傍に限った加圧検査を行うには、接続部分の近傍を局部的に密閉状態にしたのち、結合金具を経由して接続部分の近傍に水圧をかける必要がある。従来は、この接続部分の近傍の密閉状態を、ホースをクランプで挟んで閉塞することで実現していた。
【0006】
なお、このようなクランプによる局部的な密閉の他に、これまで、加圧検査等のために管路の一部分を密封状態に保つ装置として、鋼管の一部分を密閉するもの(特許文献1参照)およびホースの一部分を密封状態に保つもの(特許文献2参照)が提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−65706号公報(第2頁、第1図)
【0008】
【特許文献2】
特開平11−344410号公報(第2−3頁、第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、検査に際しては0.7MPa以上の高い圧力が加えられるので、クランプで挟んだ部分の閉塞状態を維持するためには、強い力で挟む必要がある。そのため、ホースの挟んだ部分がクランプで押しつぶされて傷つくおそれがあった。
【0010】
なお、特許文献2に記載される方法では、加圧検査時の内圧によりパッキンとホースとがほぼ線状に圧接し密閉状態を保つことができる。しかし、内圧によるパッキンを押し広げようとする力のすべてが、ホースの内周面のパッキンと圧接するわずかなリング状の部分に集中するために、圧接する部分でホースの内周面を傷つけるおそれがある。
【0011】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、消防ホースを傷つけることなく消防ホースの接続部分の近傍を密閉して、簡便に加圧検査を行うことができる加圧検査装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる装置は、加圧水を用いてホース21の加圧検査を行うための加圧検査装置1であって、膨張部材11で覆われる膨張室16が端部18に設けられて前記膨張室16と連通する挿入管17と、前記挿入管17と一体的に設けられ、前記挿入管17に加圧水を供給する第1給水ポートPT1と前記ホースに加圧水を供給する第2給水ポートPT2とが設けられた給水部4と、前記ホース21に前記挿入管17の前記膨張室16を含む部分を挿入した状態で前記ホース21に取り付けた結合金具5に結合するための、前記給水部4と一体的に設けられた結合部3と、を有する。
【0013】
好ましくは、前記ホース21の外径を略内径とし前記ホース21の外周を覆う保護帯25を有してなる。
本発明において用いる加圧水は、水、水に添加剤を加えたもの、その他の種々の液体であってよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明にかかる実施形態である加圧検査装置1の正面断面図、図2は加圧検査装置1に消防ホース6を接続して加圧検査を行う場合の正面断面図、図3は加圧検査装置1に用いる膨張部材11を半分にカットした状態の斜視図、図4は加圧検査装置1の保護帯25の正面図、図5は図4に示す加圧検査装置1の保護帯25におけるAA断面の左側面図、図6は加圧検査装置1の図5とは異なる実施形態における保護帯25Bの正面図である。
【0015】
ここで、以下に記載する「消防ホース」とは、消防用ゴム引きホース等の消防用ホースの両端に、消火栓の給水口、他の消防ホースまたは放水ノズルと接続するため結合金具が取り付けられたものをいう。「ホース」とは、消防ホースのうち結合金具を含まないホースの部分をいう。「接続部分」とは、消防ホースにおける結合金具とホースとの接続部分をいう。
【0016】
以下、図1および図2を参照して加圧検査装置1について説明する。
加圧検査装置1は、ホース21の内径一杯に広がり接続部分の近傍(加圧室)10を密閉する機能を果たす膨張部2、膨張部2を押し広げるための加圧水(1次加圧水)を送り込む挿入管17、検査を行う消防ホース6を加圧検査装置1に接続するための雌結合金具3、および、挿入管17に1次加圧水を供給しかつ消防ホース6の接続部分の近傍10に検査用の加圧水(2次加圧水)を供給する給水部4からなる。
【0017】
また、保護帯25は、密閉操作時の膨張部2とホース21の内周面22との間の良好なシール性を確保するとともに、膨張部2の高い水圧によってホース21が破損するのを防止する目的で、ホース21の外周に取り付けられる。
【0018】
膨張部2は、挿入管17の端部18、端部18に固定された膨張部材11、端部18に膨張部材11を固定するための止め具12a,12b、座金15,15、支持体13a,13b、膨張部材11が固定された挿入管17の端部18の外周面と膨張部材11とで囲まれた膨張室16、および挿入管17の内部と膨張室16とを連通する穴14からなる。
【0019】
挿入管17には、その端部18に上に述べた膨張部2が設けられる。消防ホース6の雄結合金具5を雌結合金具3に取り付けたときに、その消防ホース6の内部に挿入管17が挿入される。そのときに膨張部2が雄結合金具5よりも奥のホース21に達するように、挿入管17の長さが設定される。
【0020】
挿入管17の端部18の外周には、軸方向に沿って適度な間隔、たとえば30mmの間隔で、軸に対して直角方向に突出する円形つば状の支持体13a,13bが設けられている。挿入管17の外周面には、その先端から先端側の支持体13bにかけて雄ねじが切られており、この雄ねじに螺合するフランジ付き袋ナットである止め具12bにより、挿入管17の先端の開口部が閉じられる。挿入管17の外周面には、他方の支持体13aから給水部4の方向に向かう位置にも雄ねじが切られており、この雄ねじにフランジ付きナットである止め具12aが螺合される。各支持体13aおよび13bと各止め具12aおよび12bとの間には、後述する膨張部材11の端縁部11b,11c(図1における挿入管17の軸に垂直な部分、図3参照)が、座金15,15を介して挟み込まれて固定される。
【0021】
挿入管17、止め具12a,12b、支持体13a,13bおよび各座金15の材料として、炭素鋼、ステンレス、青銅合金またはアルミニウム合金等が用いられる。
【0022】
膨張部材11は、図3に示すように外観は樽形で、ホース21の内周面22に圧接するシール面11aの中央部分が太鼓の胴のように膨らんだ形状となっている。つまり、膨張部材11は、1次加圧水による膨張部材11の内周面22の方向への膨張に対する抵抗を弱めて内周面22と圧接する力を減少させないように、また、内周面22とより広い面積で圧接するように、その形状寸法が選択されている。膨張部材11の材料として、引っ張り強さの大きなゴムが適する。耐薬品性を必要としないことから、天然ゴム、ブタジエンゴム等の汎用ゴムを使用することができる。また、伸びの小さい合成樹脂等を膨張部材11に使用する場合には、伸びの不足を補うために内周面22に接するシール面11aの円周長さを十分に大きくする等の配慮をして対応することができる。
【0023】
膨張部材11は、上に述べたように、止め具12a,12bおよび座金15によって、挿入管17の端部18に取り付けられる。取り付けに際しては、止め具12a,12bをそれぞれゆるめて支持体13a、13bとそれぞれの座金15との間を広げ、それらの間に膨張部材11の端縁部11b,11cを挿入したのち、止め具12a,12bを締めつける。
【0024】
支持体13a,13bは、その円形つば状の外周面の角が膨張部材11を傷つけることのないように、角が面取りされアール状に加工されている。さらに、円形つば状の外周面を柔らかい樹脂等でコーティングしてもよい。
【0025】
穴14は、膨張室16に1次加圧水を送り込むために設けられる。図1に示す加圧検査装置1では円形の穴14が1つ設けられているが、穴14の形状は、多角形としてもスリットのように細長くしてもよく、また、穴14の数を2以上としてもよい。穴14の寸法は、挿入管17の内部と膨張室16との間で圧力差が生じない程度の総断面積となるように設定すればよい。
【0026】
図2に示すように、膨張部2は消防ホース6の内部に挿入され、1次加圧水による膨張によって接続部分の近傍10を密閉する。すなわち、挿入管17に供給された1次加圧水が穴14を経て膨張室16に流入し、この1次加圧水の水圧で膨張部材11が押し広げられホース21の内周面22に圧接する。その結果、膨張部材11が消防ホース6の接続部分から前記圧接する部分までの間を消防ホース6の他の部分から遮断し、接続部分の近傍10の密閉状態を作り出す。
【0027】
膨張部材11は、その自由状態における外形が小さく、かつ変形も容易であるので、雄結合金具5の内径がホース21の内径よりも小さい場合であっても、膨張部2を雄結合金具5からホース21まで挿入することができ、接続部分の近傍10の密閉状態を簡便につくりだすことができる。
【0028】
図1および図2に示す雌結合金具3は、消防ホース等に一般的に用いられる町野式結合金具の受け口である。雌結合金具3は、その外周面に設けられた雄ねじが給水部4に設けられた雌ねじに螺合することによって、給水部4に接続される。そのため、加圧検査の対象となる消防ホース6の結合金具5が受け口である場合にはこれと結合可能な差し口の結合金具に、消防ホース6の結合金具5がねじ式結合金具の場合にはそれと結合可能なねじ式の結合金具に、それぞれ容易に交換することができる。
【0029】
給水部4は、冶具本体部41、連結部42、および接続部43などからなる。冶具本体部41は、底板部41aと側板部41bとからなる有底円筒状を呈する。連結部42は、円筒状であって、側板部41bよりも外径が小さく、側板部41bに連続して設けられる。連結部42の内周面には雌ねじが設けられ、これに上に述べた雌結合金具3が螺合する。接続部43は、円柱状であって、底板部41aの中央から突出するように設けられる。底板部41aには、1次加圧水を取り入れる第1給水ポートPT1、および2次加圧水を取り入れる第2給水ポートPT2が設けられる。第1給水ポートPT1は、接続部43を貫通する。また、接続部43には雌ねじ44が設けられ、これに上に述べた挿入管17が螺合している。第1給水ポートPT1および第2給水ポートPT2には、管路との着脱をワンタッチで可能とするためのカップリング45,46がそれぞれねじ込まれている。
【0030】
給水部4は、例えば金属材料を用いて鋳造し機械加工することによって一体に製作することが可能である。また、別々に製作した複数の部品を互いに連結して一体化することにより製作することも可能である。カップリング45,46によって、加圧水源との迅速な接続が可能である。しかし、カップリング45,46を省略して第1給水ポートPT1および第2給水ポートPT2に直接に配管接続してもよい。
【0031】
図4に示すように、保護帯25は、膨張部2の挿入された位置に対応して、ホース21の外周を覆うように取り付けられる。そのため、保護帯25は、図5に示すように丸く塑性変形され、取り付けたときの内径がホース21の外径と略等しくなるように形成されている。保護帯25は、その両端部にフック26が設けられ、ホース21を覆ったのちフック26の部分を互いに咬み合わせることでホース21に固定される。保護帯25に使用される材料の引っ張り強度およびフック26の咬み合わせの強度は、1次加圧水の圧力に十分耐えられるものである。
【0032】
保護帯25は、加圧検査時に膨張部材11によりホース21の内周面22が押し広げられて破損に至るのを防止し、同時に、内周面22を押し広げようとする力を膨張部材11と内周面22との圧接に振り向けてシール機能を高める働きをする。このように、保護帯25を用いることでホース21の耐圧以上に1次加圧水の圧力を高めることができ、接続部分の近傍10の密閉性をより完全なものとすることができる。
【0033】
また、図6に示すような2つ割の保護帯25Bを用いることもできる。2つ割の保護帯25Bは、各半割同士が一方の端に設けた蝶番27Bで接続されており、蝶番27Bの部分で回転させてそれぞれ相対する半割の他方の端を大きく開くことができるようになっている。保護帯25Bの内側にホース21Bを挟ん両端を閉じたのちに、両端に設けたつば同士をボルト28Bと蝶ナット29Bとにより固定する。
【0034】
保護帯25,25Bの材料には、炭素鋼、鋳鉄およびステンレス等が使用されるが、引っ張り強度の大きなエンジニアリングプラスチック等の非金属材料を使用してもよい。
【0035】
加圧検査装置1は、いずれの向きにも設置することができる。しかし、検査対象部分の空気抜きを必要とする場合には、膨張部2を上に鉛直に設置するのが好ましい。空気抜きを他の方法で行う場合には、その方法に応じた向きとすればよい。特に空気抜きを考慮しない場合には、どのような向きでもよい。
【0036】
次に、図1に示す加圧検査装置1を用いて消防ホース6の加圧検査を行う方法について、図2を参照しながら説明する。
はじめに、固定された加圧検査装置1の膨張部2を、消防ホース6の雄結合金具5からホース21の内部に挿入する。この作業で、膨張部材11の外周が大きいために膨張部2を雄結合金具5に挿入しにくい場合には、膨張部材11を挿入管17の方向に押し込み、挿入時に雄結合金具5に当たる部分を極力減少させて、雄結合金具5に挿入する。
【0037】
膨張部2を挿入したのち、消防ホース6の雄結合金具5を加圧検査装置1の雌結合金具3に押し込み結合する。このとき、雄結合金具5の係止面51に雌結合金具3のつめ31の先端部分が係止されるカチッという結合する際の音を確認する。そして、消防ホース6を引っ張るなどして雄結合金具5が雌結合金具3に確実に結合されているのを確認する。
【0038】
そののち、膨張部材11の存在する位置に対応するホース21の外周に保護帯25を取り付ける。これにより、膨張部材11が押し広げられて内周面22と圧接したときに、ホース21がそれ以上拡がらないようにバックアップされ、ホース21に過大な張力が加わることが防止される。なお、加圧前のホース21は容易に変形するので、保護帯25のフック26の部分を互いに容易に咬み合わせることができる。
【0039】
つづいて、第1給水ポートPT1から1次加圧水を加圧検査装置1に供給する。1次加圧水の供給圧力は、検査圧力すなわち2次加圧水の検査時の圧力より0.3MPaまたはそれ以上高い値である。なお、検査圧力は消防ホース6の径により異なっており、呼称40Aでは0.7MPa、呼称50Aおよび65Aでは0.9〜1.6MPaである。したがって、たとえば、呼称40Aの消防ホース6を検査する場合には、1次加圧水の供給圧力を1MPa以上にして第1給水ポートPT1に供給する。
【0040】
1次加圧水は、挿入管17を経由して穴14から膨張室16に流入し、膨張部材11を押し広げてホース21の内周面22に圧接させる。膨張室16の1次加圧水の圧力が前述した所定圧力に達したのち、1次加圧水の供給を弁などによって停止する。膨張室16および挿入管17の中の1次加圧水は、密閉状態となって所定圧力を保つ。膨張部材11が圧接する部分のホース21の外周面には保護帯25が設けられており、これによりホース21の変形が防止されて内周面22と膨張部材11との間の圧接力を強め、消防ホース6の接続部分の近傍10の高い密閉性を実現する。
【0041】
以上のようにして消防ホース6の接続部分の近傍10の密閉性を確保したのち、第2給水ポートPT2より2次加圧水を消防ホース6の接続部分の近傍10に供給する。2次加圧水の到達圧力は前述した検査圧力であり、本実施形態では0.7MPaに調整されている。消防ホース6の接続部分の近傍10の2次加圧水の圧力が検査圧力に達したのち、2次加圧水の供給を弁などによって停止し、2次加圧水を消防ホース6の接続部分の近傍10に検査圧力のままで密閉する。
【0042】
加圧検査は、消防ホース6の接続部分の近傍10に2次加圧水を密閉した状態で所定時間、たとえば5分間放置し、密閉直後と5分後における密閉部分の2次加圧水の圧力を比較し、判定基準に照らして消防ホース6の良否または耐圧性能を判定する。
【0043】
加圧検査終了後は、2次加圧水、1次加圧水の順に圧力を開放し、そののち、例えばカップリング45,46への連結を取り外して、消防ホース6の内部と給水部4の水抜きを行う。水抜き後、雄結合金具5の解除リング52を雌結合金具3の方向に押し込み、つめ31の先端部分の係止面51への係止を解除する。
【0044】
最後に、雌結合金具3から雄結合金具5を分離し、加圧検査装置1の膨張部2を消防ホース6から抜き出す。
加圧検査装置1は、膨張部材11とホース21の内周面22とが幅を有する円環状の広い面で圧接するために、ホース21のごく狭い部分に強い力が集中的に加わるということがないため、ホース21の内周面22を傷つけるおそれがない。
【0045】
上に述べた検査方法では、密閉部分の圧力の変化を観察することによって、漏れの有無・程度を判断する。また、圧力の変化とともに、ホース21からの水の漏れの有無、または漏れの状態を観察する。このような検査は、加圧室10に空気が残っていない方が種々の面で好ましいが、空気が残っていた場合でも可能である。空気抜きを行って消防ホース6の接続部分の近傍10を2次加圧水で充満させてもよい。空気抜きを行う場合には、膨張部2を上にし給水部4を下にして加圧検査装置1を設置するのがその作業性の面から好ましい。
【0046】
空気抜きの作業は、消防ホース6の接続部分の近傍10を密閉する前に、加圧していない2次加圧水を第2給水ポートPT2からゆっくりと消防ホース6の接続部分の近傍10に供給し、この部分の空気を消防ホース6の接続部分の近傍10から追い出すことにより行えばよい。つまり、例えば第2給水ポートPT2に連通する液面計を用いて液面の高さを観察し、消防ホース6の内部の液面が上昇して膨張部2の位置よりも高くなったことを確認して、第2給水ポートPT2からの2次加圧水の供給を停止する。
【0047】
図7は、膨張部2の他の実施形態を示す正面断面図である。
膨張部材11Cには、汎用ゴムでつくられたチューブを支持体13Ca,13Cbに取り付けるのに適する長さに切断したものを用いる。各支持体13Ca,13Cbは、挿入管17Cの軸方向に垂直な円板状部と、円板状部に連続し挿入管17Cよりも大きな径をもつ円筒状部とからなる。膨張部材11Cは、その両端部が、支持体13Ca,13Cbにワイヤなどで縛ることによって強固に固定される。
【0048】
膨張部材11Cは、支持体13Ca,13Cbに固定される部分よりも中央部分の肉厚を薄くし、1次加圧水によって押し広がり易くしておいてもよい。そうすると、ホース21Cの内周面22Cにより圧接し易くなる。また、膨張部材11Cは、全長に渡り均一な厚みとすることも、また、一部分を厚くすることもできる。支持体13Ca,13Cbに固定される膨張部材11Cの部分がワイヤにより傷つけられるのを防止するため、膨張部材11Cとワイヤとの間にリング状の保護具を設けてもよい。
【0049】
図8は、略球形を呈するゴムからなる膨張部材11Dを用いて形成した膨張部2Dの正面断面図である。
膨張部材11Dは、挿入管17Dの端部18Dに設けられた1つの支持体13Dに、フランジ付きナットである止め具12Dと座金15Dとによって取り付けられる。挿入管17Dの先端は、膨張部材11Dで形成される膨張室16Dに1次加圧水を送り込めるように、膨張室16Dに対して開口部(穴)14Dを有している。膨張部材11Dの各部の肉厚を適当に設定することができる。また、膨張部材11Dの先端側(開口部14Dと反対側)に延びるのを防止するためのストッパーの役割を果たす部材を設けてもよい。
【0050】
図9は、支持体13Eが挿入管17Eと分離している場合の膨張部2Eの実施形態を示す正面断面図である。
支持体13Eは、両端面が円形の平端板で塞がれた円筒状を呈しており、その両平端板の中心部分に挿入管17Eの外径にほぼ等しい貫通穴が設けられている。円筒の周面には、多数の通水孔19Eが設けられている。膨張部材11Eは、支持体13Eより長さが長くかつ支持体13Eの外径よりも内径がやや小さいゴムのチューブからなり、支持体13Eに膨張部材11Eが覆いかぶさるようにして取り付けられている。支持体13Eの外周部分で引っ張られた膨張部材11Eが、支持体13Eの両平端板の部分ではもとの寸法に戻ろうとするので、支持体13Eの両平端板の部分は、自然に膨張部材11Eの端部で覆われる。膨張部材11Eは、支持体13Eの両平端板を覆う端部において、フランジ付き袋ナットである止め具12Ea、フランジ付きナットである止め具12Eb、2つの座金15Eにより支持体13Eに固定される。
【0051】
膨張部2Eは、支持体13Eの長さに応じて止め具12Eaと止め具12Ebとの間隔を調整することができるように、挿入管17Eの外周には、膨張部2Eを含むその前後の部分で雄ねじが切られている。また、挿入管17Eの膨張部2Eを形成する部分には、1次加圧水を膨張室16Eに送り込むためのスリット状の穴14Eが、周方向に等間隔で4カ所設けられている。
【0052】
本実施形態において使用する膨張部材11Eを、軸方向の中央部分が太鼓の胴のように膨らんだ形状とすることができる。支持体13Eの通水孔19Eの形状および数は特に本実施形態に限定するものではなく、また、支持体13Eを燒結金属で形成することもできる。一方の止め具12Eaを挿入管17Eに固定的に設け、他方の止め具12Ebによって支持体13Eを介して締めつけるようにしてもよい。
【0053】
図10は、消防ホースの加圧検査に用いる、加圧検査装置1および加圧水源を一体化した可搬式一体型検査装置9の回路図である。消防ホースは、製造事業所等の消火栓に多く常備されており、消防ホースを外部の検査機関に持ち込み検査するよりも、事業所の現場で加圧検査を行う方が簡便であるため、加圧検査装置1を可搬式の一体型とする方が便利である。
【0054】
可搬式一体型検査装置9は、加圧検査装置1a〜1d、給水槽35、1次加圧水および2次加圧水を加圧検査装置1に供給するための手動ポンプ36、加圧検査装置1a〜1dへの1次加圧水の流路を開閉する弁37a〜37d、加圧検査装置1a〜1dへの2次加圧水の流路を開閉する弁38a〜38d、1次加圧水の圧力を管理するための圧力計39a〜39d、2次加圧水の圧力を管理するための圧力計40a〜40d、およびこれらが設けられているキャスター付き架台34とからなっている。
【0055】
この可搬式一体型検査装置9を用いる加圧検査は、以下のようにして行う。
全ての弁37a〜37d,38a〜38dが閉じられている状態で、加圧検査装置1a〜1dに消防ホース6を結合する。
【0056】
加圧検査装置1aに消防ホース6が結合されている場合には、先ず、弁37aを開いて手動ポンプ36を操作し、加圧検査装置1aに1次加圧水を供給する。圧力計39aにより1次加圧水の圧力が所定圧力、たとえば1MPaになったことを確認したのち、弁37aを閉じる。続いて弁38aを開き、手動ポンプ36を操作して加圧検査装置1aに2次加圧水を供給する。圧力計40aの圧力が検査圧力、たとえば、0.7MPaに達したら弁38aを閉じる。これらの作業によって、加圧検査装置1aに結合された消防ホース6の接続部分の近傍10が密閉され検査圧力となる。弁38aを閉じたときから、加圧検査装置1aは検査状態に入る。
【0057】
他の加圧検査装置1b〜1dにも消防ホース6が結合されている場合には、順次この作業を行い、加圧検査装置1a〜1dに結合された全ての消防ホース6に対して加圧検査を行う。
【0058】
加圧検査は、密閉された2次加圧水の圧力の変化を、検査時間である5分間に渡って圧力計40a〜40dで観察する。2次加圧水の圧力の変化がなければ、漏れのないものと判断する。
【0059】
図11には、他の実施形態である可搬式一体型検査装置9Bの回路図を示す。
この可搬式一体型検査装置9Bは、加圧検査装置1、給水槽35B、1次加圧水および2次加圧水の加圧源である2台のギヤポンプ36B,37B、1次加圧水と2次加圧水の圧力を調整するための圧力調整弁38B,39B、および液面計40Bとからなっている。
【0060】
可搬式一体型検査装置9Bによる加圧検査は、消防ホース6の接続部分の近傍10から著しい漏水等がない場合を異常なしと判断するものである。
漏水等の有無または漏水の程度を判断基準とすることから、消防ホース6の接続部分の近傍10を2次加圧水で満たすための空気抜きを行うのが好ましい。そのために、この可搬式一体型検査装置9Bには、加圧試験装置1が膨張部2を上部に給水部4が下部に位置するようにして設けられ、また、消防ホース6の接続部分の近傍10と連通する液面計40Bが設けられている。
【0061】
空気抜きは、ギヤポンプ36Bおよび37Bを停止し、弁47Bを開いて、液面計40Bの水位を見ながら消防ホース6の接続部分の近傍10の液面をゆっくりと上昇させて行う。消防ホース6の内部の2次加圧水の液面が所定の位置に達したら弁47Bを閉じ、ギヤポンプ37Bを作動させて加圧試験装置1に1次加圧水を供給し、消防ホース6の接続部分の近傍10を密閉する。
【0062】
加圧試験装置1に供給された1次加圧水が所定圧力であることを確認し、ギヤポンプ36Bを作動させ、2次加圧水の圧力が所定圧力に達したのち、2次加圧水を加圧検査装置1に供給する弁を開き、加圧検査を開始する。加圧検査を行っている間において、ギヤポンプ36Bおよび37Bを作動させておく。なお、加圧検査装置1に供給する1次加圧水および2次加圧水がそれぞれ所定圧力に達したのちに、それぞれの加圧検査装置1への供給弁を閉じることによって1次加圧水および2次加圧水を閉じこめた状態にして加圧検査を行うこともできる。この場合には、加圧検査を行っている間において、ギヤポンプ36Bおよび37Bを停止させることができる。
【0063】
それぞれの弁に電磁弁を用いることにより、それらの弁、およびギヤポンプ36B,37Bを駆動する電動機などを制御することにより、加圧検査を自動で行うことができる。
【0064】
ここで、加圧水を加圧検査装置1に供給するポンプには、ギヤポンプに代えて他の回転式のポンプその他の種々の形式のポンプを用いてもよい。
消火栓には、通常2本の消防ホースが備え付けられており、また結合金具は消防ホースの両端に設けられているので、可搬式一体型検査装置9,9Bには、合計4個の加圧検査装置1が設けられている。したがって、可搬式一体型検査装置9,9Bは、1カ所の消火栓に備えられる2本の消防ホースを1度の加圧検査で済ませることができる。
【0065】
また、加圧検査装置1による消防ホース6の加圧検査では、検査に使用する水の量がわずかであるので、給水槽35,35Bの容量を小さくすることができ、コンパクトに可搬式一体型検査装置9,9Bを形成することができる。
【0066】
また、可搬式一体型検査装置9,9Bを、5以上の加圧検査装置1を有するものとすることもできる。
以上の実施形態において、膨張部材11,11C〜11Eは、上述した膨張部材の機能を有するものであれば、実施形態で記した以外の材料を用いることができる。
【0067】
挿入管17,17C〜17Eの先端部分の閉塞手段は、止め具または袋ナットによる方法に限られず、溶接により管の先端を塞ぐ等種々の方法を用いることができる。
【0068】
膨張部材11,11C〜11Eを挿入管17,17C〜17Eに固定し膨張室16,16C〜16Eを形成する方法についても、上述した実施形態に限られず、膨張部材11,11C〜11Eが1次加圧水により押し広げられた状態で検査対象部分を密閉すれば、他の種々の方法を用いることができる。
【0069】
1次加圧水を挿入管17,17C〜17Eから膨張室16,16C〜16Eに送り込む穴14,14C〜14Eは、その形状、個数、位置についてその機能を果たす限り上述した実施形態以外の形態で設けることができる。
【0070】
また、挿入管17,17C〜17Eは必ずしも鋼管である必要はなく、樹脂製の耐圧チューブ等の非金属材料を用いることができる。
保護帯25,25Bの形状およびホース21,21Cへの取り付け方法は、上記実施形態に限られず種々の方法を用いることができる。
【0071】
膨張部材11,11C〜11Eの形状、使用する結合金具3の種類、結合金具3と給水部4との一体化方法、第1および第2給水ポートと加圧水源との接続方法等、加圧検査装置1の全体または各部の構成、材質、形状および寸法などは、本発明の趣旨に沿って上述した以外の種々のものとすることができる。
【0072】
また、本発明は、消防ホースに限らず、他の種々のホースの加圧検査に適用することができる。
【0073】
【発明の効果】
本発明によると、消防ホースを傷つけることなく、消防ホースの接続部分の近傍を密閉して簡便に加圧検査を行うことができる加圧検査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる加圧検査装置の正面断面図である。
【図2】本発明にかかる加圧検査装置に消防ホースを接続した場合の正面断面図である。
【図3】本発明にかかる加圧検査装置の膨張部材を半割にした斜視図である。
【図4】本発明にかかる加圧検査装置の保護帯の正面図である。
【図5】図4に示す加圧検査装置の保護帯におけるAA断面の左側面図である。
【図6】本発明にかかる加圧検査装置の保護帯の正面図である。
【図7】本発明にかかる加圧検査装置の膨張部の正面断面図である。
【図8】本発明にかかる加圧検査装置の膨張部の正面断面図である。
【図9】本発明にかかる加圧検査装置の膨張部の正面断面図である。
【図10】本発明にかかる加圧検査装置を備えた可搬式一体型検査装置の回路図である。
【図11】本発明にかかる加圧検査装置を備えた可搬式一体型検査装置の回路図である。
【符号の説明】
1 加圧検査装置
3 結合部(雌結合金具)
4 給水部
5 結合金具(雄結合金具)
9,9B 可搬式一体型検査装置(加圧検査装置)
11,11C〜11E 膨張部材
16,16C〜16E 膨張室
17,17C〜17E 挿入管
18,18C〜18E (挿入管の)端部
21,21C ホース
25,25B 保護帯
PT1 第1給水ポート
PT2 第2給水ポート
【発明の属する技術分野】
本発明は、消防ホースなど各種ホースの加圧検査を行うための加圧検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
もし火災が発生した場合には、近くにある消防ホースを消火栓等に接続して消火作業を迅速に行う必要がある。一般に、消防ホースのホースの部分にはテトロン等の合成繊維材料が用いられるが、使用によって、または使用しなくても経年変化により劣化するので、緊急の使用時にホースから水が漏れて消化作業に手間取るということがないように管理を十分に行う必要がある。
【0003】
そこで、消防ホースを緊急時に支障なく使用することができるように、設置後一定期間が経過した消防ホースは加圧検査を行い水漏れの有無を調べることが望ましい。しかし、消防ホースは1本の長さが数十メートルと長いためにホース全体の加圧検査を行うには広い場所が必要であり、かつ検査に水を使用した場合には検査後にホースを乾燥させてから収納しなければならない。
【0004】
一方、消防ホースでは、消火栓や放水ノズル等との結合部分の近傍、つまり消防ホースの結合金具の近傍が、その使用に際して曲げの頻度が高いため、特に劣化が起こりやすい。このことから、ホースと結合金具との接続部分の近傍のみの加圧検査でも消防ホースの劣化の有無を判断するのに十分であるとして、接続部分の近傍に重点をおいた加圧検査が、消防ホース全体の加圧検査に代えて行われることがあった。
【0005】
また、平成14年3月12日消防庁告示第2号および第3号によって、消防ホースの耐圧試験は消防ホースの接続部分約20cmまでで行うことと定められ、今後、接続部分の近傍に重点をおいた加圧検査が主として行われることとなる。このような接続部分の近傍に限った加圧検査を行うには、接続部分の近傍を局部的に密閉状態にしたのち、結合金具を経由して接続部分の近傍に水圧をかける必要がある。従来は、この接続部分の近傍の密閉状態を、ホースをクランプで挟んで閉塞することで実現していた。
【0006】
なお、このようなクランプによる局部的な密閉の他に、これまで、加圧検査等のために管路の一部分を密封状態に保つ装置として、鋼管の一部分を密閉するもの(特許文献1参照)およびホースの一部分を密封状態に保つもの(特許文献2参照)が提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−65706号公報(第2頁、第1図)
【0008】
【特許文献2】
特開平11−344410号公報(第2−3頁、第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、検査に際しては0.7MPa以上の高い圧力が加えられるので、クランプで挟んだ部分の閉塞状態を維持するためには、強い力で挟む必要がある。そのため、ホースの挟んだ部分がクランプで押しつぶされて傷つくおそれがあった。
【0010】
なお、特許文献2に記載される方法では、加圧検査時の内圧によりパッキンとホースとがほぼ線状に圧接し密閉状態を保つことができる。しかし、内圧によるパッキンを押し広げようとする力のすべてが、ホースの内周面のパッキンと圧接するわずかなリング状の部分に集中するために、圧接する部分でホースの内周面を傷つけるおそれがある。
【0011】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、消防ホースを傷つけることなく消防ホースの接続部分の近傍を密閉して、簡便に加圧検査を行うことができる加圧検査装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる装置は、加圧水を用いてホース21の加圧検査を行うための加圧検査装置1であって、膨張部材11で覆われる膨張室16が端部18に設けられて前記膨張室16と連通する挿入管17と、前記挿入管17と一体的に設けられ、前記挿入管17に加圧水を供給する第1給水ポートPT1と前記ホースに加圧水を供給する第2給水ポートPT2とが設けられた給水部4と、前記ホース21に前記挿入管17の前記膨張室16を含む部分を挿入した状態で前記ホース21に取り付けた結合金具5に結合するための、前記給水部4と一体的に設けられた結合部3と、を有する。
【0013】
好ましくは、前記ホース21の外径を略内径とし前記ホース21の外周を覆う保護帯25を有してなる。
本発明において用いる加圧水は、水、水に添加剤を加えたもの、その他の種々の液体であってよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明にかかる実施形態である加圧検査装置1の正面断面図、図2は加圧検査装置1に消防ホース6を接続して加圧検査を行う場合の正面断面図、図3は加圧検査装置1に用いる膨張部材11を半分にカットした状態の斜視図、図4は加圧検査装置1の保護帯25の正面図、図5は図4に示す加圧検査装置1の保護帯25におけるAA断面の左側面図、図6は加圧検査装置1の図5とは異なる実施形態における保護帯25Bの正面図である。
【0015】
ここで、以下に記載する「消防ホース」とは、消防用ゴム引きホース等の消防用ホースの両端に、消火栓の給水口、他の消防ホースまたは放水ノズルと接続するため結合金具が取り付けられたものをいう。「ホース」とは、消防ホースのうち結合金具を含まないホースの部分をいう。「接続部分」とは、消防ホースにおける結合金具とホースとの接続部分をいう。
【0016】
以下、図1および図2を参照して加圧検査装置1について説明する。
加圧検査装置1は、ホース21の内径一杯に広がり接続部分の近傍(加圧室)10を密閉する機能を果たす膨張部2、膨張部2を押し広げるための加圧水(1次加圧水)を送り込む挿入管17、検査を行う消防ホース6を加圧検査装置1に接続するための雌結合金具3、および、挿入管17に1次加圧水を供給しかつ消防ホース6の接続部分の近傍10に検査用の加圧水(2次加圧水)を供給する給水部4からなる。
【0017】
また、保護帯25は、密閉操作時の膨張部2とホース21の内周面22との間の良好なシール性を確保するとともに、膨張部2の高い水圧によってホース21が破損するのを防止する目的で、ホース21の外周に取り付けられる。
【0018】
膨張部2は、挿入管17の端部18、端部18に固定された膨張部材11、端部18に膨張部材11を固定するための止め具12a,12b、座金15,15、支持体13a,13b、膨張部材11が固定された挿入管17の端部18の外周面と膨張部材11とで囲まれた膨張室16、および挿入管17の内部と膨張室16とを連通する穴14からなる。
【0019】
挿入管17には、その端部18に上に述べた膨張部2が設けられる。消防ホース6の雄結合金具5を雌結合金具3に取り付けたときに、その消防ホース6の内部に挿入管17が挿入される。そのときに膨張部2が雄結合金具5よりも奥のホース21に達するように、挿入管17の長さが設定される。
【0020】
挿入管17の端部18の外周には、軸方向に沿って適度な間隔、たとえば30mmの間隔で、軸に対して直角方向に突出する円形つば状の支持体13a,13bが設けられている。挿入管17の外周面には、その先端から先端側の支持体13bにかけて雄ねじが切られており、この雄ねじに螺合するフランジ付き袋ナットである止め具12bにより、挿入管17の先端の開口部が閉じられる。挿入管17の外周面には、他方の支持体13aから給水部4の方向に向かう位置にも雄ねじが切られており、この雄ねじにフランジ付きナットである止め具12aが螺合される。各支持体13aおよび13bと各止め具12aおよび12bとの間には、後述する膨張部材11の端縁部11b,11c(図1における挿入管17の軸に垂直な部分、図3参照)が、座金15,15を介して挟み込まれて固定される。
【0021】
挿入管17、止め具12a,12b、支持体13a,13bおよび各座金15の材料として、炭素鋼、ステンレス、青銅合金またはアルミニウム合金等が用いられる。
【0022】
膨張部材11は、図3に示すように外観は樽形で、ホース21の内周面22に圧接するシール面11aの中央部分が太鼓の胴のように膨らんだ形状となっている。つまり、膨張部材11は、1次加圧水による膨張部材11の内周面22の方向への膨張に対する抵抗を弱めて内周面22と圧接する力を減少させないように、また、内周面22とより広い面積で圧接するように、その形状寸法が選択されている。膨張部材11の材料として、引っ張り強さの大きなゴムが適する。耐薬品性を必要としないことから、天然ゴム、ブタジエンゴム等の汎用ゴムを使用することができる。また、伸びの小さい合成樹脂等を膨張部材11に使用する場合には、伸びの不足を補うために内周面22に接するシール面11aの円周長さを十分に大きくする等の配慮をして対応することができる。
【0023】
膨張部材11は、上に述べたように、止め具12a,12bおよび座金15によって、挿入管17の端部18に取り付けられる。取り付けに際しては、止め具12a,12bをそれぞれゆるめて支持体13a、13bとそれぞれの座金15との間を広げ、それらの間に膨張部材11の端縁部11b,11cを挿入したのち、止め具12a,12bを締めつける。
【0024】
支持体13a,13bは、その円形つば状の外周面の角が膨張部材11を傷つけることのないように、角が面取りされアール状に加工されている。さらに、円形つば状の外周面を柔らかい樹脂等でコーティングしてもよい。
【0025】
穴14は、膨張室16に1次加圧水を送り込むために設けられる。図1に示す加圧検査装置1では円形の穴14が1つ設けられているが、穴14の形状は、多角形としてもスリットのように細長くしてもよく、また、穴14の数を2以上としてもよい。穴14の寸法は、挿入管17の内部と膨張室16との間で圧力差が生じない程度の総断面積となるように設定すればよい。
【0026】
図2に示すように、膨張部2は消防ホース6の内部に挿入され、1次加圧水による膨張によって接続部分の近傍10を密閉する。すなわち、挿入管17に供給された1次加圧水が穴14を経て膨張室16に流入し、この1次加圧水の水圧で膨張部材11が押し広げられホース21の内周面22に圧接する。その結果、膨張部材11が消防ホース6の接続部分から前記圧接する部分までの間を消防ホース6の他の部分から遮断し、接続部分の近傍10の密閉状態を作り出す。
【0027】
膨張部材11は、その自由状態における外形が小さく、かつ変形も容易であるので、雄結合金具5の内径がホース21の内径よりも小さい場合であっても、膨張部2を雄結合金具5からホース21まで挿入することができ、接続部分の近傍10の密閉状態を簡便につくりだすことができる。
【0028】
図1および図2に示す雌結合金具3は、消防ホース等に一般的に用いられる町野式結合金具の受け口である。雌結合金具3は、その外周面に設けられた雄ねじが給水部4に設けられた雌ねじに螺合することによって、給水部4に接続される。そのため、加圧検査の対象となる消防ホース6の結合金具5が受け口である場合にはこれと結合可能な差し口の結合金具に、消防ホース6の結合金具5がねじ式結合金具の場合にはそれと結合可能なねじ式の結合金具に、それぞれ容易に交換することができる。
【0029】
給水部4は、冶具本体部41、連結部42、および接続部43などからなる。冶具本体部41は、底板部41aと側板部41bとからなる有底円筒状を呈する。連結部42は、円筒状であって、側板部41bよりも外径が小さく、側板部41bに連続して設けられる。連結部42の内周面には雌ねじが設けられ、これに上に述べた雌結合金具3が螺合する。接続部43は、円柱状であって、底板部41aの中央から突出するように設けられる。底板部41aには、1次加圧水を取り入れる第1給水ポートPT1、および2次加圧水を取り入れる第2給水ポートPT2が設けられる。第1給水ポートPT1は、接続部43を貫通する。また、接続部43には雌ねじ44が設けられ、これに上に述べた挿入管17が螺合している。第1給水ポートPT1および第2給水ポートPT2には、管路との着脱をワンタッチで可能とするためのカップリング45,46がそれぞれねじ込まれている。
【0030】
給水部4は、例えば金属材料を用いて鋳造し機械加工することによって一体に製作することが可能である。また、別々に製作した複数の部品を互いに連結して一体化することにより製作することも可能である。カップリング45,46によって、加圧水源との迅速な接続が可能である。しかし、カップリング45,46を省略して第1給水ポートPT1および第2給水ポートPT2に直接に配管接続してもよい。
【0031】
図4に示すように、保護帯25は、膨張部2の挿入された位置に対応して、ホース21の外周を覆うように取り付けられる。そのため、保護帯25は、図5に示すように丸く塑性変形され、取り付けたときの内径がホース21の外径と略等しくなるように形成されている。保護帯25は、その両端部にフック26が設けられ、ホース21を覆ったのちフック26の部分を互いに咬み合わせることでホース21に固定される。保護帯25に使用される材料の引っ張り強度およびフック26の咬み合わせの強度は、1次加圧水の圧力に十分耐えられるものである。
【0032】
保護帯25は、加圧検査時に膨張部材11によりホース21の内周面22が押し広げられて破損に至るのを防止し、同時に、内周面22を押し広げようとする力を膨張部材11と内周面22との圧接に振り向けてシール機能を高める働きをする。このように、保護帯25を用いることでホース21の耐圧以上に1次加圧水の圧力を高めることができ、接続部分の近傍10の密閉性をより完全なものとすることができる。
【0033】
また、図6に示すような2つ割の保護帯25Bを用いることもできる。2つ割の保護帯25Bは、各半割同士が一方の端に設けた蝶番27Bで接続されており、蝶番27Bの部分で回転させてそれぞれ相対する半割の他方の端を大きく開くことができるようになっている。保護帯25Bの内側にホース21Bを挟ん両端を閉じたのちに、両端に設けたつば同士をボルト28Bと蝶ナット29Bとにより固定する。
【0034】
保護帯25,25Bの材料には、炭素鋼、鋳鉄およびステンレス等が使用されるが、引っ張り強度の大きなエンジニアリングプラスチック等の非金属材料を使用してもよい。
【0035】
加圧検査装置1は、いずれの向きにも設置することができる。しかし、検査対象部分の空気抜きを必要とする場合には、膨張部2を上に鉛直に設置するのが好ましい。空気抜きを他の方法で行う場合には、その方法に応じた向きとすればよい。特に空気抜きを考慮しない場合には、どのような向きでもよい。
【0036】
次に、図1に示す加圧検査装置1を用いて消防ホース6の加圧検査を行う方法について、図2を参照しながら説明する。
はじめに、固定された加圧検査装置1の膨張部2を、消防ホース6の雄結合金具5からホース21の内部に挿入する。この作業で、膨張部材11の外周が大きいために膨張部2を雄結合金具5に挿入しにくい場合には、膨張部材11を挿入管17の方向に押し込み、挿入時に雄結合金具5に当たる部分を極力減少させて、雄結合金具5に挿入する。
【0037】
膨張部2を挿入したのち、消防ホース6の雄結合金具5を加圧検査装置1の雌結合金具3に押し込み結合する。このとき、雄結合金具5の係止面51に雌結合金具3のつめ31の先端部分が係止されるカチッという結合する際の音を確認する。そして、消防ホース6を引っ張るなどして雄結合金具5が雌結合金具3に確実に結合されているのを確認する。
【0038】
そののち、膨張部材11の存在する位置に対応するホース21の外周に保護帯25を取り付ける。これにより、膨張部材11が押し広げられて内周面22と圧接したときに、ホース21がそれ以上拡がらないようにバックアップされ、ホース21に過大な張力が加わることが防止される。なお、加圧前のホース21は容易に変形するので、保護帯25のフック26の部分を互いに容易に咬み合わせることができる。
【0039】
つづいて、第1給水ポートPT1から1次加圧水を加圧検査装置1に供給する。1次加圧水の供給圧力は、検査圧力すなわち2次加圧水の検査時の圧力より0.3MPaまたはそれ以上高い値である。なお、検査圧力は消防ホース6の径により異なっており、呼称40Aでは0.7MPa、呼称50Aおよび65Aでは0.9〜1.6MPaである。したがって、たとえば、呼称40Aの消防ホース6を検査する場合には、1次加圧水の供給圧力を1MPa以上にして第1給水ポートPT1に供給する。
【0040】
1次加圧水は、挿入管17を経由して穴14から膨張室16に流入し、膨張部材11を押し広げてホース21の内周面22に圧接させる。膨張室16の1次加圧水の圧力が前述した所定圧力に達したのち、1次加圧水の供給を弁などによって停止する。膨張室16および挿入管17の中の1次加圧水は、密閉状態となって所定圧力を保つ。膨張部材11が圧接する部分のホース21の外周面には保護帯25が設けられており、これによりホース21の変形が防止されて内周面22と膨張部材11との間の圧接力を強め、消防ホース6の接続部分の近傍10の高い密閉性を実現する。
【0041】
以上のようにして消防ホース6の接続部分の近傍10の密閉性を確保したのち、第2給水ポートPT2より2次加圧水を消防ホース6の接続部分の近傍10に供給する。2次加圧水の到達圧力は前述した検査圧力であり、本実施形態では0.7MPaに調整されている。消防ホース6の接続部分の近傍10の2次加圧水の圧力が検査圧力に達したのち、2次加圧水の供給を弁などによって停止し、2次加圧水を消防ホース6の接続部分の近傍10に検査圧力のままで密閉する。
【0042】
加圧検査は、消防ホース6の接続部分の近傍10に2次加圧水を密閉した状態で所定時間、たとえば5分間放置し、密閉直後と5分後における密閉部分の2次加圧水の圧力を比較し、判定基準に照らして消防ホース6の良否または耐圧性能を判定する。
【0043】
加圧検査終了後は、2次加圧水、1次加圧水の順に圧力を開放し、そののち、例えばカップリング45,46への連結を取り外して、消防ホース6の内部と給水部4の水抜きを行う。水抜き後、雄結合金具5の解除リング52を雌結合金具3の方向に押し込み、つめ31の先端部分の係止面51への係止を解除する。
【0044】
最後に、雌結合金具3から雄結合金具5を分離し、加圧検査装置1の膨張部2を消防ホース6から抜き出す。
加圧検査装置1は、膨張部材11とホース21の内周面22とが幅を有する円環状の広い面で圧接するために、ホース21のごく狭い部分に強い力が集中的に加わるということがないため、ホース21の内周面22を傷つけるおそれがない。
【0045】
上に述べた検査方法では、密閉部分の圧力の変化を観察することによって、漏れの有無・程度を判断する。また、圧力の変化とともに、ホース21からの水の漏れの有無、または漏れの状態を観察する。このような検査は、加圧室10に空気が残っていない方が種々の面で好ましいが、空気が残っていた場合でも可能である。空気抜きを行って消防ホース6の接続部分の近傍10を2次加圧水で充満させてもよい。空気抜きを行う場合には、膨張部2を上にし給水部4を下にして加圧検査装置1を設置するのがその作業性の面から好ましい。
【0046】
空気抜きの作業は、消防ホース6の接続部分の近傍10を密閉する前に、加圧していない2次加圧水を第2給水ポートPT2からゆっくりと消防ホース6の接続部分の近傍10に供給し、この部分の空気を消防ホース6の接続部分の近傍10から追い出すことにより行えばよい。つまり、例えば第2給水ポートPT2に連通する液面計を用いて液面の高さを観察し、消防ホース6の内部の液面が上昇して膨張部2の位置よりも高くなったことを確認して、第2給水ポートPT2からの2次加圧水の供給を停止する。
【0047】
図7は、膨張部2の他の実施形態を示す正面断面図である。
膨張部材11Cには、汎用ゴムでつくられたチューブを支持体13Ca,13Cbに取り付けるのに適する長さに切断したものを用いる。各支持体13Ca,13Cbは、挿入管17Cの軸方向に垂直な円板状部と、円板状部に連続し挿入管17Cよりも大きな径をもつ円筒状部とからなる。膨張部材11Cは、その両端部が、支持体13Ca,13Cbにワイヤなどで縛ることによって強固に固定される。
【0048】
膨張部材11Cは、支持体13Ca,13Cbに固定される部分よりも中央部分の肉厚を薄くし、1次加圧水によって押し広がり易くしておいてもよい。そうすると、ホース21Cの内周面22Cにより圧接し易くなる。また、膨張部材11Cは、全長に渡り均一な厚みとすることも、また、一部分を厚くすることもできる。支持体13Ca,13Cbに固定される膨張部材11Cの部分がワイヤにより傷つけられるのを防止するため、膨張部材11Cとワイヤとの間にリング状の保護具を設けてもよい。
【0049】
図8は、略球形を呈するゴムからなる膨張部材11Dを用いて形成した膨張部2Dの正面断面図である。
膨張部材11Dは、挿入管17Dの端部18Dに設けられた1つの支持体13Dに、フランジ付きナットである止め具12Dと座金15Dとによって取り付けられる。挿入管17Dの先端は、膨張部材11Dで形成される膨張室16Dに1次加圧水を送り込めるように、膨張室16Dに対して開口部(穴)14Dを有している。膨張部材11Dの各部の肉厚を適当に設定することができる。また、膨張部材11Dの先端側(開口部14Dと反対側)に延びるのを防止するためのストッパーの役割を果たす部材を設けてもよい。
【0050】
図9は、支持体13Eが挿入管17Eと分離している場合の膨張部2Eの実施形態を示す正面断面図である。
支持体13Eは、両端面が円形の平端板で塞がれた円筒状を呈しており、その両平端板の中心部分に挿入管17Eの外径にほぼ等しい貫通穴が設けられている。円筒の周面には、多数の通水孔19Eが設けられている。膨張部材11Eは、支持体13Eより長さが長くかつ支持体13Eの外径よりも内径がやや小さいゴムのチューブからなり、支持体13Eに膨張部材11Eが覆いかぶさるようにして取り付けられている。支持体13Eの外周部分で引っ張られた膨張部材11Eが、支持体13Eの両平端板の部分ではもとの寸法に戻ろうとするので、支持体13Eの両平端板の部分は、自然に膨張部材11Eの端部で覆われる。膨張部材11Eは、支持体13Eの両平端板を覆う端部において、フランジ付き袋ナットである止め具12Ea、フランジ付きナットである止め具12Eb、2つの座金15Eにより支持体13Eに固定される。
【0051】
膨張部2Eは、支持体13Eの長さに応じて止め具12Eaと止め具12Ebとの間隔を調整することができるように、挿入管17Eの外周には、膨張部2Eを含むその前後の部分で雄ねじが切られている。また、挿入管17Eの膨張部2Eを形成する部分には、1次加圧水を膨張室16Eに送り込むためのスリット状の穴14Eが、周方向に等間隔で4カ所設けられている。
【0052】
本実施形態において使用する膨張部材11Eを、軸方向の中央部分が太鼓の胴のように膨らんだ形状とすることができる。支持体13Eの通水孔19Eの形状および数は特に本実施形態に限定するものではなく、また、支持体13Eを燒結金属で形成することもできる。一方の止め具12Eaを挿入管17Eに固定的に設け、他方の止め具12Ebによって支持体13Eを介して締めつけるようにしてもよい。
【0053】
図10は、消防ホースの加圧検査に用いる、加圧検査装置1および加圧水源を一体化した可搬式一体型検査装置9の回路図である。消防ホースは、製造事業所等の消火栓に多く常備されており、消防ホースを外部の検査機関に持ち込み検査するよりも、事業所の現場で加圧検査を行う方が簡便であるため、加圧検査装置1を可搬式の一体型とする方が便利である。
【0054】
可搬式一体型検査装置9は、加圧検査装置1a〜1d、給水槽35、1次加圧水および2次加圧水を加圧検査装置1に供給するための手動ポンプ36、加圧検査装置1a〜1dへの1次加圧水の流路を開閉する弁37a〜37d、加圧検査装置1a〜1dへの2次加圧水の流路を開閉する弁38a〜38d、1次加圧水の圧力を管理するための圧力計39a〜39d、2次加圧水の圧力を管理するための圧力計40a〜40d、およびこれらが設けられているキャスター付き架台34とからなっている。
【0055】
この可搬式一体型検査装置9を用いる加圧検査は、以下のようにして行う。
全ての弁37a〜37d,38a〜38dが閉じられている状態で、加圧検査装置1a〜1dに消防ホース6を結合する。
【0056】
加圧検査装置1aに消防ホース6が結合されている場合には、先ず、弁37aを開いて手動ポンプ36を操作し、加圧検査装置1aに1次加圧水を供給する。圧力計39aにより1次加圧水の圧力が所定圧力、たとえば1MPaになったことを確認したのち、弁37aを閉じる。続いて弁38aを開き、手動ポンプ36を操作して加圧検査装置1aに2次加圧水を供給する。圧力計40aの圧力が検査圧力、たとえば、0.7MPaに達したら弁38aを閉じる。これらの作業によって、加圧検査装置1aに結合された消防ホース6の接続部分の近傍10が密閉され検査圧力となる。弁38aを閉じたときから、加圧検査装置1aは検査状態に入る。
【0057】
他の加圧検査装置1b〜1dにも消防ホース6が結合されている場合には、順次この作業を行い、加圧検査装置1a〜1dに結合された全ての消防ホース6に対して加圧検査を行う。
【0058】
加圧検査は、密閉された2次加圧水の圧力の変化を、検査時間である5分間に渡って圧力計40a〜40dで観察する。2次加圧水の圧力の変化がなければ、漏れのないものと判断する。
【0059】
図11には、他の実施形態である可搬式一体型検査装置9Bの回路図を示す。
この可搬式一体型検査装置9Bは、加圧検査装置1、給水槽35B、1次加圧水および2次加圧水の加圧源である2台のギヤポンプ36B,37B、1次加圧水と2次加圧水の圧力を調整するための圧力調整弁38B,39B、および液面計40Bとからなっている。
【0060】
可搬式一体型検査装置9Bによる加圧検査は、消防ホース6の接続部分の近傍10から著しい漏水等がない場合を異常なしと判断するものである。
漏水等の有無または漏水の程度を判断基準とすることから、消防ホース6の接続部分の近傍10を2次加圧水で満たすための空気抜きを行うのが好ましい。そのために、この可搬式一体型検査装置9Bには、加圧試験装置1が膨張部2を上部に給水部4が下部に位置するようにして設けられ、また、消防ホース6の接続部分の近傍10と連通する液面計40Bが設けられている。
【0061】
空気抜きは、ギヤポンプ36Bおよび37Bを停止し、弁47Bを開いて、液面計40Bの水位を見ながら消防ホース6の接続部分の近傍10の液面をゆっくりと上昇させて行う。消防ホース6の内部の2次加圧水の液面が所定の位置に達したら弁47Bを閉じ、ギヤポンプ37Bを作動させて加圧試験装置1に1次加圧水を供給し、消防ホース6の接続部分の近傍10を密閉する。
【0062】
加圧試験装置1に供給された1次加圧水が所定圧力であることを確認し、ギヤポンプ36Bを作動させ、2次加圧水の圧力が所定圧力に達したのち、2次加圧水を加圧検査装置1に供給する弁を開き、加圧検査を開始する。加圧検査を行っている間において、ギヤポンプ36Bおよび37Bを作動させておく。なお、加圧検査装置1に供給する1次加圧水および2次加圧水がそれぞれ所定圧力に達したのちに、それぞれの加圧検査装置1への供給弁を閉じることによって1次加圧水および2次加圧水を閉じこめた状態にして加圧検査を行うこともできる。この場合には、加圧検査を行っている間において、ギヤポンプ36Bおよび37Bを停止させることができる。
【0063】
それぞれの弁に電磁弁を用いることにより、それらの弁、およびギヤポンプ36B,37Bを駆動する電動機などを制御することにより、加圧検査を自動で行うことができる。
【0064】
ここで、加圧水を加圧検査装置1に供給するポンプには、ギヤポンプに代えて他の回転式のポンプその他の種々の形式のポンプを用いてもよい。
消火栓には、通常2本の消防ホースが備え付けられており、また結合金具は消防ホースの両端に設けられているので、可搬式一体型検査装置9,9Bには、合計4個の加圧検査装置1が設けられている。したがって、可搬式一体型検査装置9,9Bは、1カ所の消火栓に備えられる2本の消防ホースを1度の加圧検査で済ませることができる。
【0065】
また、加圧検査装置1による消防ホース6の加圧検査では、検査に使用する水の量がわずかであるので、給水槽35,35Bの容量を小さくすることができ、コンパクトに可搬式一体型検査装置9,9Bを形成することができる。
【0066】
また、可搬式一体型検査装置9,9Bを、5以上の加圧検査装置1を有するものとすることもできる。
以上の実施形態において、膨張部材11,11C〜11Eは、上述した膨張部材の機能を有するものであれば、実施形態で記した以外の材料を用いることができる。
【0067】
挿入管17,17C〜17Eの先端部分の閉塞手段は、止め具または袋ナットによる方法に限られず、溶接により管の先端を塞ぐ等種々の方法を用いることができる。
【0068】
膨張部材11,11C〜11Eを挿入管17,17C〜17Eに固定し膨張室16,16C〜16Eを形成する方法についても、上述した実施形態に限られず、膨張部材11,11C〜11Eが1次加圧水により押し広げられた状態で検査対象部分を密閉すれば、他の種々の方法を用いることができる。
【0069】
1次加圧水を挿入管17,17C〜17Eから膨張室16,16C〜16Eに送り込む穴14,14C〜14Eは、その形状、個数、位置についてその機能を果たす限り上述した実施形態以外の形態で設けることができる。
【0070】
また、挿入管17,17C〜17Eは必ずしも鋼管である必要はなく、樹脂製の耐圧チューブ等の非金属材料を用いることができる。
保護帯25,25Bの形状およびホース21,21Cへの取り付け方法は、上記実施形態に限られず種々の方法を用いることができる。
【0071】
膨張部材11,11C〜11Eの形状、使用する結合金具3の種類、結合金具3と給水部4との一体化方法、第1および第2給水ポートと加圧水源との接続方法等、加圧検査装置1の全体または各部の構成、材質、形状および寸法などは、本発明の趣旨に沿って上述した以外の種々のものとすることができる。
【0072】
また、本発明は、消防ホースに限らず、他の種々のホースの加圧検査に適用することができる。
【0073】
【発明の効果】
本発明によると、消防ホースを傷つけることなく、消防ホースの接続部分の近傍を密閉して簡便に加圧検査を行うことができる加圧検査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる加圧検査装置の正面断面図である。
【図2】本発明にかかる加圧検査装置に消防ホースを接続した場合の正面断面図である。
【図3】本発明にかかる加圧検査装置の膨張部材を半割にした斜視図である。
【図4】本発明にかかる加圧検査装置の保護帯の正面図である。
【図5】図4に示す加圧検査装置の保護帯におけるAA断面の左側面図である。
【図6】本発明にかかる加圧検査装置の保護帯の正面図である。
【図7】本発明にかかる加圧検査装置の膨張部の正面断面図である。
【図8】本発明にかかる加圧検査装置の膨張部の正面断面図である。
【図9】本発明にかかる加圧検査装置の膨張部の正面断面図である。
【図10】本発明にかかる加圧検査装置を備えた可搬式一体型検査装置の回路図である。
【図11】本発明にかかる加圧検査装置を備えた可搬式一体型検査装置の回路図である。
【符号の説明】
1 加圧検査装置
3 結合部(雌結合金具)
4 給水部
5 結合金具(雄結合金具)
9,9B 可搬式一体型検査装置(加圧検査装置)
11,11C〜11E 膨張部材
16,16C〜16E 膨張室
17,17C〜17E 挿入管
18,18C〜18E (挿入管の)端部
21,21C ホース
25,25B 保護帯
PT1 第1給水ポート
PT2 第2給水ポート
Claims (2)
- 加圧水を用いてホースの加圧検査を行うための加圧検査装置であって、
膨張部材で覆われる膨張室が端部に設けられて前記膨張室と連通する挿入管と、
前記挿入管と一体的に設けられ、前記挿入管に加圧水を供給する第1給水ポートと前記ホースに加圧水を供給する第2給水ポートとが設けられた給水部と、
前記ホースに前記挿入管の前記膨張室を含む部分を挿入した状態で前記ホースに取り付けた結合金具に結合するための、前記給水部と一体的に設けられた結合部と、
を有することを特徴とするホースの加圧検査装置。 - 前記ホースの外径を略内径とし前記ホースの外周を覆う保護帯を有する、
請求項1に記載のホースの加圧検査装置。
Priority Applications (1)
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JP2002330305A JP2004163298A (ja) | 2002-11-14 | 2002-11-14 | ホースの加圧検査装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2002
- 2002-11-14 JP JP2002330305A patent/JP2004163298A/ja active Pending
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