JP2004162739A - デファレンシャル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】差動ロックの応答性を向上させることができながら、大型化、重量増を抑制し、組み付け、部品管理を容易にすることを可能とする。
【解決手段】デフケース3に設けられた収納孔13及び隣接する収納孔に摺動回転自在に支持され各ヘリカルサイドギヤ35,37に各別に噛み合うと共に相互に噛み合う4対のロングヘリカルピニオンギヤ45及びショートヘリカルピニオンギヤを備え、デフケース3の外周部に、一方のヘリカルサイドギヤ37に噛み合うロングヘリカルピニオンギヤ45の第1ギヤ部47を露出させる窓19を設け、デフケース3に嵌合支持され窓19に露出する第1ギヤ部47に常時噛み合うリング状ギヤ51と、デフケース3に回転方向に係合すると共に回転軸芯C方向に移動可能に支持されリング状ギヤ51に対し係脱可能な可動体65とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】デフケース3に設けられた収納孔13及び隣接する収納孔に摺動回転自在に支持され各ヘリカルサイドギヤ35,37に各別に噛み合うと共に相互に噛み合う4対のロングヘリカルピニオンギヤ45及びショートヘリカルピニオンギヤを備え、デフケース3の外周部に、一方のヘリカルサイドギヤ37に噛み合うロングヘリカルピニオンギヤ45の第1ギヤ部47を露出させる窓19を設け、デフケース3に嵌合支持され窓19に露出する第1ギヤ部47に常時噛み合うリング状ギヤ51と、デフケース3に回転方向に係合すると共に回転軸芯C方向に移動可能に支持されリング状ギヤ51に対し係脱可能な可動体65とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などに供されるデファレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のデファレンシャル装置としては、例えば図4のように配置された図5に示すようなものがある。図4は、デファレンシャル装置の配置状態を示す自動車動力伝達系のスケルトン平面図であり、図5はデファレンシャル装置の断面図を示している。
【0003】
まず図4のように、デファレンシャル装置201は、車体側に取り付けられたデフキャリア203内に回転自在に支持されている。デファレンシャル装置201には左右のアクスルシャフト205,207が結合されている。アクスルシャフト205,207は、左右の後輪209,211に結合されている。
【0004】
前記デファレンシャル装置201にはリングギヤ213が取り付けられている。エンジン215からの駆動力は、トランスミッション217、プロペラシャフト219、ドライブピニオンシャフト221、ドライブピニオンギヤ223を介して、前記リングギヤ213に入力されるようになっている。
【0005】
前記デファレンシャル装置201は、図5のようになっている。前記デファレンシャル装置201のデフケース225は、デフケース本体225aと左右のカバー体225b,225cとからなっている。デフケース本体225aとカバー体225bとは、図視しないボルトナットにより相互に締結固定されている。前記デフケース本体225aとカバー体225cとは、ボルト226によって締結固定されている。
【0006】
前記デフケース225内には、左右のヘリカルサイドギヤ227,229が相対回転自在に支持されている。これら左右のヘリカルサイドギヤ227,229には、前記アクスルシャフト205,207(図4)がそれぞれ結合されている。
【0007】
前記左右のヘリカルサイドギヤ227,229の外周側において前記デフケース225内には、長短の収納孔231,233が周方向に隣接して対となって設けられている。これら長短の収納孔231,233は例えば4対設けられており、図5ではそれぞれ異なった対の長短の収納孔231,233が図示されている。
【0008】
前記各長短の収納孔231,233には、長短のヘリカルピニオンギヤとしてロングヘリカルピニオンギヤ235,ショートヘリカルピニオンギヤ237がそれぞれ摺動回転自在に支持されている。ロングヘリカルピニオンギヤ235は、第1ギヤ部239、第2ギヤ部241を備え、第1ギヤ部239が一方のヘリカルサイドギヤ229に噛み合っている。前記ショートヘリカルピニオンギヤ237は、その軸方向一側において他方のヘリカルサイドギヤ227に噛み合っている。
【0009】
前記隣接する収納孔231,233間において、ロングヘリカルピニオンギヤ235の第2ギヤ部241と、ショートヘリカルピニオンギヤ237の軸方向他方側とが相互に噛み合っている。
【0010】
前記一方のヘリカルサイドギヤ229には、ロックギヤ243が溶接等によって固定されている。ロックギヤ243には、噛み合いクラッチ歯245が設けられている。前記カバー体225cには、ロック部材247が支持されている。ロック部材247はカバー体225cに対し回転方向に係合し、回転軸芯方向に移動可能に支持されている。このロック部材247には、噛み合いクラッチ歯249が設けられている。噛み合いクラッチ歯249は、前記ロックギヤ243の噛み合いクラッチ歯245に噛み合い可能となっている。
【0011】
前記ロック部材247には、フランジ部材251が締結固定されている。このフランジ部材251に対し固定側に取り付けられたダイヤフラム形のアクチュエータ253が当接している。
【0012】
前記フランジ部材251とカバー体225cとの間には、リターンスプリング255が介設されている。このリターンスプリング255によってロック部材247を付勢し、噛み合いクラッチ歯245,249相互を離反させ、アンロックアップ状態としている。
【0013】
従って、ロック部材247がロックギヤ243から離脱した図5のアンロックアップ状態において、エンジン215からの駆動力が前記のようにしてデファレンシャル装置201に入力されると、デフケース225からヘリカルピニオンギヤ235,237の係合を介して左右のヘリカルサイドギヤ227,229にデフケース225の回転がそのまま伝達される。この左右のヘリカルサイドギヤ227,229の回転力は、左右のアクスルシャフト205,207を介して左右の後輪209,211に伝達される。これによって自動車は前進または後進することができる。
【0014】
自動車がカーブ走行等をするときには、左右の後輪209,211間で回転差が生じる。この左右の後輪209,211の回転差によって、左右のヘリカルサイドギヤ227,229に回転差が生じる。この左右のヘリカルサイドギヤ227,229の回転差によって、ヘリカルピニオンギヤ235,237が収納孔231,233内でそれぞれ回転する。この回転によって、ヘリカルピニオンギヤ235,237はヘリカルサイドギヤ227,229との噛み合い反力により収納孔231,233に押し付けられて摩擦係合力が生じる。
【0015】
また各ヘリカルサイドギヤ227,229、ヘリカルピニオンギヤ235,237は、噛み合いスラスト力により各部において摩擦係合力が生じる。これらの摩擦係合力により、左右のヘリカルサイドギヤ227,229の差動回転が制限される。
【0016】
左右の後輪209,211の一方、例えば後輪209がぬかるみ等に落ち、路面μが極めて低くなると、エンジン215の駆動力はデファレンシャル装置201の左右のヘリカルサイドギヤ227,229の相対回転を介し、ぬかるみ側の後輪209へ逃げてしまい、自動車はぬかるみから脱出することができなくなる。このような場合等に、デファレンシャル装置201のロックアップが必要となる。
【0017】
前記ロックアップは、アクチュエータ253にエアポンプから圧縮空気を供給し、ロック部材247を軸方向に移動させて噛み合いクラッチ歯249を噛み合いクラッチ歯245に噛み合わせることにより行う。この噛み合わせにより、デフケース225のカバー体225cと一方のヘリカルサイドギヤ229との相対回転がロック部材247、ロックギヤ243を介してロックアップされる。このロックアップに応じて、ヘリカルピニオンギヤ235,237を介して左右のヘリカルサイドギヤ227,229の相対回転もロックアップされる。
【0018】
これによって、エンジン215からの駆動力はデファレンシャル装置201を介し、路面μの高い方の後輪211へ円滑に伝達され、自動車をぬかるみから円滑に脱出させることができる(例えば特許文献1参照)。
【0019】
【特許文献1】
特開平9−79352号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
このようなデファレンシャル装置201は、特開平3−344783号公報に記載されたデファレンシャル装置を改良し、差動ロックの応答性を向上させると共に、ヘリカルピニオンギヤの支持を良くすることができるデファレンシャル装置として本願出願人が提案したものである。
【0021】
しかしながら、上記のような構造であると、デフケース225がカバー体225bのみならず、カバー体225cをも備えた3分割構造となる。これは、ロックギヤ243がヘリカルサイドギヤ227,229の外周径よりも大きくならざるを得ず、このロックギヤ243をカバー体225b側からデフケース225内へ挿入して組み付けることができないことが原因となっている。
【0022】
このため、デフケース225に対するリングギヤ213からの入力に対して、デフケース225の曲げ剛性等を確保するために、各部の肉厚を増大する必要があり、ケースの大型化及び重量増を招く原因となっていた。
【0023】
また、ロックギヤ243はヘリカルサイドギヤ229と共にデフケース本体225a側に対し図5の右側から収納し、その後デフケース225のカバー体225cを複数のボルト226で締結し、さらにカバー体225cの外側からロック部材247等を組み付ける必要があり、ロックアップの構造をヘリカルサイドギヤ229と共に組み付ける必要があり、組付けが極めて煩雑であるという問題があった。
【0024】
さらに、デフケース本体225aに対するカバー体225cを締結するボルト226は、周方向に8本程度必要となり、カバー体225cのみならずボルト226によっても部品点数が増大し、組み付け、部品管理が煩雑であるという問題があった。
【0025】
本発明は、差動ロックの応答性を向上させることができながら、大型化、重量増を抑制し、組み付け、部品管理を簡単にすることが可能なデファレンシャル装置の提供を課題とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、回転自在に支持され駆動入力により回転する第1回転部材と、前記第1回転部材内に相対回転自在に支持され一対の軸がそれぞれ結合される一対の出力部材と、前記第1回転部材に支持されて前記各出力部材を噛み合い結合し前記第1回転部材の回転を前記各出力部材に伝達すると共に各出力部材の相対回転を許容する第2回転部材とを備え、前記第1回転部材に、前記出力部材に噛み合う第2回転部材の噛合部を露出させる窓を設け、前記第1回転部材に支持され前記窓に露出する噛合部に常時噛み合う第3回転部材と、前記第1回転部材に回転方向に係合すると共に回転軸芯方向に移動可能に支持され前記第3回転部材に対し係脱可能な可動体とを備えたことを特徴とする。
【0027】
請求項2の発明は、請求項1記載のデファレンシャル装置であって、前記第1回転部材は、前記収納孔を備えた大径部と該大径部に隣接する小径部とからなるように段付き状に形成され、前記可動体は、内周部が前記小径部に回転方向に係合すると共に回転軸芯方向に移動可能に支持され且つ外周部が前記第3回転部材の端部に回転軸芯方向に対向し、前記第3回転部材の端部と前記可動体の外周部との対向部に噛み合い歯を設けたことを特徴とする。
【0028】
請求項3の発明は、請求項2記載のデファレンシャル装置であって、前記第3回転部材と可動体との間に配置され前記第1回転部材に固定されて前記第3回転部材の軸方向移動を規制する係止部材を設け、該係止部材と前記可動体との間に、該可動体を前記第3回転部材に対する係合離脱方向へ付勢する付勢部材を介設したことを特徴とする。
【0029】
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れかに記載のデファレンシャル装置であって、前記第3回転部材の前記第1回転部材に対する回転を所定トルクまで規制して前記第2回転部材を介した差動制限トルクを付与する回転規制部材を設けたことを特徴とする。
【0030】
請求項5の発明は、請求項3記載のデファレンシャル装置であって、前記第1回転部材の外周部と前記第3回転部材とに、回転軸芯方向に対向する対向面を設け、前記対向面間に、前記第3回転部材を前記係止部材へ押し付けるように付勢する弾性体を介設したことを特徴とする。
【0031】
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れかに記載のデファレンシャル装置であって、前記可動体の内外周部間の回転軸芯方向に向いた壁面に、該可動体を回転軸芯方向へ移動させて前記第3回転部材に対し係合させるアクチュエータを対向配置したことを特徴とする。
【0032】
【発明の効果】
請求項1の発明では、回転自在に支持された第1回転部材は、駆動入力により回転することができる。第1回転部材が回転すると、第2回転部材の係合を介して出力部材に第1回転部材の回転が伝達され、該出力部材に結合された一対の軸を介して第1回転部材と同回転の回転出力を行うことができる。
【0033】
しかも、前記第1回転部材の外周部に前記出力部材に噛み合う第2回転部材の噛合部を露出させる窓を設け、前記第1回転部材に嵌合支持され前記窓に露出する噛合部に常時噛み合う第3回転部材と、前記第1回転部材に回転方向に係合すると共に回転軸芯方向に移動可能に支持され、前記第3回転部材に対し係脱可能な可動体とを備えたため、可動体を移動させ第3回転部材に係合させることによって第1回転部材と第2回転部材との間の相対回転を第3回転部材及び可動体を介してロックアップすることができる。
【0034】
従って、第2回転部材を介して、一対の出力部材も第1回転部材に対して相対回転が規制され、出力部材相互の差動回転をロックアップすることができる。
【0035】
前記可動体は、第2回転部材に直接係脱するものではなく、第3回転部材に対し係脱するものであるため、係脱を直線的な歯で行わせることが可能となり、差動ロックの応答性を向上させることができる。
【0036】
また、第3回転部材は第1回転部材に嵌合支持され、窓に露出する第2回転部材の噛合部に常時噛み合い、可動体は第3回転部材に対し係脱可能となっているため、第3回転部材及び可動体を第1回転部材の外側に配置することができ、第3回転部材及び可動体を配置する部分において第1回転部材を分割する必要がなくなり、第1回転部材全体の剛性向上を図ることができる。従って、剛性向上のために肉厚増等を図る必要がなくなり、装置全体の大型化、重量増を大幅に抑制することができる。
【0037】
また、第3回転部材及び可動体の組み付けは、第1回転部材内に出力部材及び第2回転部材を収納してユニット化した後に第1回転部材の外側から行うことができ、組み付けを極めて容易に行うことができる。第3回転部材等を配置するために第1回転部材を分割する必要がないため、必要とする部品点数も減少し、組み付け、部品管理を極めて容易に行うことができる。
【0038】
請求項2の発明は、請求項1の発明の効果に加え、前記第1回転部材は前記収納孔を備えた大径部と該大径部に隣接する小径部とからなるように段付き状に形成され、前記可動体は内周部が前記小径部に回転方向に係合すると共に、回転軸芯方向に移動可能に支持され、かつ外周部が前記第3回転部材の端部に回転軸芯方向に対向し、前記第3回転部材の端部と前記可動体の外周部との対向部に噛み合いクラッチ歯を設けたため、第3回転部材及び可動体を第1回転部材の段付き状によって形成された空間部に配置することができ、第3回転部材及び可動体を全体的な大型化を抑制しながら無理なく組み付けることができる。
【0039】
また、第3回転部材と可動体とは噛み合い歯によって係脱することができるため、差動ロックの応答性をより確実に向上させることができる。
【0040】
請求項3の発明では、請求項2の発明の効果に加え、前記第3回転部材と可動体との間に配置され、前記第1回転部材に固定されて前記第3回転部材の軸方向移動を規制する係止部材を設け、該係止部材と前記可動体との間に該可動体を前記第3回転部材に対する係合離脱方向へ付勢する付勢部材を介設したため、付勢部材を係止部材を利用して介設することができ、付勢部材を無理なく配置することができる。
【0041】
請求項4の発明では、請求項1〜3の何れかの発明の効果に加え、前記第3回転部材の前記第1回転部材に対する回転を所定トルクまで規制して、前記第2回転部材を介した差動制限トルクを付与する回転規制部材を設けたため、第3回転部材を利用して差動制限トルクを容易に付与することができる。
【0042】
請求項5の発明では、請求項3の発明の効果に加え、前記第1回転部材の外周部と前記第3回転部材とに回転軸芯方向に対向する対向面を設け、前記対向面間に前記第3回転部材を前記係止部材へ向けて付勢する弾性体を介設したため、弾性体の付勢により第3回転部材を利用して差動制限トルクを容易に付与することができる。また弾性体は外部に露出する対向面間に介設するため、弾性体の組み付けを確認しながら容易に行うことができる。
【0043】
請求項6の発明では、請求項1〜5の何れかの発明の効果に加え、前記可動体の内外周部間の回転軸芯方向に向いた壁面に、該可動体を回転軸芯方向へ移動させて前記第3回転部材に対し係合させるアクチュエータを対向配置したため、アクチュエータを可動体に対し無理なく配置することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
図1〜図3は本発明の一実施形態に係るデファレンシャル装置を示し、図1はデファレンシャル装置の断面図、図2は図1のSA−SA矢視断面図、図3は図1のSB−SB矢視断面図である。
【0045】
本実施形態のデファレンシャル装置1も例えば図4と同様に用いられ、左右後輪間のリヤデファレンシャル装置として配置されている。従って、図1において左右は自動車の左右となっている。尚、デファレンシャル装置1はセンターデフ、フロントデフとして構成することもできる。さらにデファレンシャル装置1は自動車以外の一対の軸間のデファレンシャル装置として構成することも可能である。
【0046】
前記デファレンシャル装置1は、第1回転部材としてデフケース3を備えている。デフケース3はデフケース本体5と、カバー体7との2分割構造となっている。デフケース本体5とカバー体7とはフランジ部9,11において締結固定され、該フランジ部9,11に図4,図5の場合と同様にしてリングギヤが締結固定されている。
【0047】
前記デフケース本体5には、デフケース3の回転軸芯Cと平行な中心線を有する収納孔13が複数設けられている。本実施形態においては、図2のように周方向に4個設けられている。この収納孔13は、対の第2回転部材の一方を構成するロングヘリカルピニオンギヤ用のものである。この各収納孔13に隣接して図示はしないが対の第2回転部材の他方を構成するショートヘリカルピニオンギヤ用の収納孔が設けられている。
【0048】
前記デフケース本体5は、前記収納孔13を備えた大径部15と該大径部15に隣接する小径部17とからなるように段付き状に形成されている。前記デフケース本体5の外周部には、窓19が設けられている。この窓19に隣接して大径部15の外周面には嵌合支持部21が設けられている。この嵌合支持部21に隣接して回転軸芯方C向へ向いた対向面23が設けられている。
【0049】
前記小径部17には雄スプライン25が設けられ、この雄スプライン25に隣接して軸受支持部27が設けられている。小径部17の内周側には一対の軸の一方すなわち本実施形態では右側の後輪に結合したアクスルシャフトの一端を挿通する軸孔29が設けられている。
【0050】
前記カバー体7にも軸受支持部31が設けられ、その内側に一対の軸の他方すなわち左側の後輪に連結されたアクスルシャフトの一端を挿通する軸孔33が設けられている。
【0051】
このデフケース3は、前記軸受支持部27,31に取り付けられた軸受を介してデフキャリヤ側に回転自在に支持され、図4の場合と同様にエンジンからの駆動入力がリングギヤを介して入力され、該駆動入力によってデフケース3が回転する構成となっている。
【0052】
前記デフケース3内には、一対の出力部材としてヘリカルサイドギヤ35,37が相対回転自在に支持されている。この一対のヘリカルサイドギヤ35,37間及びヘリカルサイドギヤ35,37とカバー体7及びデフケース本体5の小径部17との間にはそれぞれスラストワッシャ39が介設されている。前記各ヘリカルサイドギヤ35,37の雌スプライン41,43には、前記軸孔29,33から挿通された左右のアクスルシャフトがスプライン嵌合している。
【0053】
前記各収納孔13には、第2回転部材として相互に噛み合う対のヘリカルピニオンギヤの一方であるロングヘリカルピニオンギヤ45が摺動回転自在に支持されている。従って、ロングヘリカルピニオンギヤ45の軸芯もデフケース3の回転軸芯Cとほぼ平行となっている。ロングヘリカルピニオンギヤ45は、ヘリカルピニオンギヤの噛合部として第1ギヤ部47及び第2ギヤ部49を備えている。第1ギヤ部47は、前記ヘリカルサイドギヤ37に噛み合っている。このロングヘリカルピニオンギヤ45と対のヘリカルピニオンギヤであるショートヘリカルピニオンギヤは、第2ギヤ部49において噛み合っている。また、ショートヘリカルピニオンギヤは、ヘリカルサイドギヤ35に噛み合っている。前記図2のように収納孔13は、周方向に4個備えられ、各収納孔13に収納されるロングヘリカルピニオンギヤ45も4本備えられている。この4本のロングヘリカルピニオンギヤ45のそれぞれにショートヘリカルピニオンギヤが噛み合っており、本実施形態において4対のヘリカルピニオンギヤが備えられている。
【0054】
前記デフケース3のデフケース本体5には、第3回転部材としてリング状ギヤ51が嵌合支持されている。リング状ギヤ51は、内周面にヘリカルギヤで構成されたヘリカルインターナルギヤ53を備えている。ヘリカルインターナルギヤ53は、前記窓19に露出するロングヘリカルピニオンギヤ45の第1ギヤ部47に常時噛み合っている。このリング状ギヤ51の一方側の端部には嵌合部55が突設されている。嵌合部55は、前記デフケース本体5の嵌合支持部21に相対回転自在に嵌合支持されている。
【0055】
前記リング状ギヤ51の嵌合部55には、前記デフケース本体5の対向面23に回転軸芯C方向に対向する対向面57が設けられている。前記対向面23,57間には、リング状ギヤ51を係止部材59へ向けて付勢する回転規制部材として板ばね等で形成された弾性体61が介設されている。この弾性体61によって、リング状ギヤ51の前記デフケース3に対する回転を所定トルクまで規制して、前記ロングヘリカルピニオンギヤ45による差動制限トルクを付与する構成となっている。前記リング状ギヤ51の他方の端部には、図1,図3のように噛み合い歯として噛み合いクラッチ歯63が設けられている。
【0056】
前記デフケース3には、回転方向に係合すると共に回転軸芯C方向に支持され前記リング状ギヤ51に対し係脱可能な可動体65が備えられている。前記可動体65は、周壁部67と側壁部69とからなっている。周壁部67は、前記リング状ギヤ51及びデフケース本体5の外周面とほぼ同径の外周面を備えている。この可動体65の外周部である周壁部67が前記リング状ギヤ51の端部に回転軸芯C方向に対向している。この可動体65の周壁部67の端部に噛み合い歯として噛み合いクラッチ歯71が設けられ、前記リング状ギヤ51の端部と前記可動体65の外周部との対向部に噛み合い歯(噛み合いクラッチ歯63,71)を設けた構成となっている。
【0057】
前記可動体65の内周部である側壁部69の内周部73には、前記小径部17の雄スプライン25に嵌合する雌スプラインが形成され、雄スプライン25にスプライン嵌合している。従って、可動体65は内周部73の小径部17に対するスプライン嵌合によって小径部17に回転方向に係合すると共に回転軸芯C方向に移動可能に支持された構成となっている。前記小径部17には、ストッパ75が取り付けられ、可動体65の位置決めを行っている。
【0058】
前記リング状ギヤ51と可動体65との間には、前記係止部材59が配置され、前記デフケース3の大径部15端面に固定されている。係止部材59は、周壁部77と側壁部79とからなっている。周壁部77の外周面は、前記リング状ギヤ51の噛み合いクラッチ歯63の内側と前記可動体65の周壁部67の内周面とに近接して対向している。
【0059】
前記係止部材59の固定は、前記側壁部79においてボルト81により行われている。これによって周壁部77側がリング状ギヤ51のヘリカルインターナルギヤ53の部分を受けることができ、リング状ギヤ51の軸方向移動を規制している。従って、前記弾性体61の付勢力によってリング状ギヤ51が係止部材59に押し付けられて摩擦係合力を発揮し、ロングヘリカルピニオンギヤ45等による差動制限トルクのイニシャルトルクを付与することができる。
【0060】
前記係止部材59の周壁部77の端部と前記可動体65の側壁部69との間には、可動体65をリング状ギヤ51に対する係合離脱方向へ付勢する付勢部材としてリターンスプリング83が介設されている。また、可動体65の側壁部69の内面には、リターンスプリング83を位置決める段部85が設けられている。リターンスプリング83は段部85に係止されることにより径方向の位置決めが的確に行われている。
【0061】
前記可動体65の内外周部間の回転軸芯C方向に向いた壁面、すなわち側壁部69の外面87に、該可動体65を移動させて前記リング状ギヤ51に対し係合させるリング状のアクチュエータ89が対向配置されている。
【0062】
すなわち前記外面87には、フランジ部材91がねじ93によって締結固定されている。前記アクチュエータ89は、ダイヤフラム95によって圧力室97が形成され、前面側の摺動部材99が前記フランジ部材91に相対回転自在に当接している。前記圧力室97には、接続口101が連通接続され、この接続口101がエアホースを介して図外のエアポンプに接続されている。このアクチュエータ89は、ブラケット103がデフキャリヤ側に締結固定され、その取り付けが行われている。
【0063】
従って、本実施形態のデファレンシャル装置1においても、図4,図5のデファレンシャル装置201と同様に機能させることができる。すなわち、可動体65がリング状ギヤ51から離脱した図1のアンロックアップ状態において、エンジンからの駆動力が前記のようにしてデファレンシャル装置1に入力されると、デフケース3からロングヘリカルピニオンギヤ45及びショートヘリカルピニオンギヤの係合を介して左右のヘリカルサイドギヤ35,37にデフケース3の回転がそのまま伝達される。この左右のヘリカルサイドギヤ35,37の回転力は、左右のアクスルシャフトを介して左右の後輪に伝達される。これによって自動車は、前進または後進することができる。
【0064】
自動車がカーブ走行等をするときには、左右の後輪間で回転差が生じる。この左右の後輪の回転差によって、左右のヘリカルサイドギヤ35,37に回転差が生じる。この左右のヘリカルサイドギヤ35,37の回転差によって、ロングヘリカルピニオンギヤ45が収納孔13内で回転し、ショートヘリカルピニオンギヤが同様に収納孔内で回転する。この回転によって、ロングヘリカルピニオンギヤ45及びショートヘリカルピニオンギヤは、ヘリカルサイドギヤ35,37との噛み合い反力により収納孔13等に押し付けられて摩擦係合力が生じる。
【0065】
また各ヘリカルサイドギヤ35,37、ロングヘリカルピニオンギヤ45及びショートヘリカルピニオンギヤは、噛み合いスラスト力により各部において摩擦係合力が生じる。すなわち、ロングヘリカルピニオンギヤ45は、軸方向端部とカバー体7或いは係止部材59との間、ショートヘリカルピニオンギヤは、同様に軸方向端部とデフケース3側との間、ヘリカルサイドギヤ35,37は、スラストワッシャ39を介してデフケース3側との間或いはヘリカルサイドギヤ35,37相互間で摩擦係合力が生じる。これらの摩擦係合力により、左右のヘリカルサイドギヤ35,37の差動回転が制限される。
【0066】
左右の後輪の一方がぬかるみ等に落ち、路面μが極めて低くなると、エンジンの駆動力はデファレンシャル装置1の左右のヘリカルサイドギヤ35,37の相対回転を介し、ぬかるみ側の後輪へ逃げてしまい、自動車はぬかるみから脱出することができなくなる。この場合、アクチュエータ89にエアポンプから圧縮空気を供給し、可動体65をスライド移動させて噛み合いクラッチ歯71を噛み合いクラッチ歯63に噛み合わせ、ロックアップを行う。この噛み合わせにより、デフケース3の小径部17と一方のロングヘリカルサイドギヤ45との相対回転が可動体65、リング状ギヤ51を介してロックアップされる。このロックアップに応じて、ロングヘリカルピニオンギヤ45及びショートヘリカルピニオンギヤを介して左右のヘリカルサイドギヤ35,37の相対回転もロックアップされる。
【0067】
これによって、エンジンからの駆動力はデファレンシャル装置1を介し、路面μの高い方の後輪へ円滑に伝達され、自動車をぬかるみから円滑に脱出させることができる。
【0068】
しかも、前記可動体65は、その周壁部67がデフケース本体5に固定された係止部材59の周壁部77外面に嵌合する構造となっているため、可動体65がリング状ギヤ51側へスライド移動するに際して可動体65の倒れを規制することができ、噛み合いクラッチ歯63,71の噛み合いを円滑に行わせることができる。
【0069】
前記リング状ギヤ51は、一方で嵌合部55がデフケース3の嵌合支持部21に移動自在に支持され、他方で係止部材59に当接して支持されているため、デフケース3に対する相対回転時、一体回転時のいずれにおいても安定して支持することができる。
【0070】
前記可動体65は、ロングヘリカルピニオンギヤ45に直接係脱するものではなく、リング状ギヤ51に対し噛み合いクラッチ歯63,71を介して係脱するものであるため、係脱を直線的な歯で行わせることが可能となり、差動ロックの応答性を向上させることができる。
【0071】
すなわち、ロングヘリカルピニオンギヤ45(第2回転部材)及びヘリカルサイドギヤ37(出力部材)の噛合部が、各回転軸芯に対して所定の角度を持って形成されたギヤ部を有するヘリカルギヤで構成された際には、可動体65のロングヘリカルピニオンギヤ45への直接係脱を直線的な歯で行わせることが不可能となる。しかし、本件構成を採用することで前記の課題を解決しつつ差動ロックの応答性を向上させることができる。
【0072】
前記ロングヘリカルピニオンギヤ45及びヘリカルサイドギヤ37が前述したヘリカルギヤで構成された場合においては、前記ロングヘリカルピニオンギヤ45とリング状ギヤ51との噛み合い反力が回転軸方向にも発生する。よって、係止部材59とロングヘリカルピニオンギヤ45又はリング状ギヤ51との何れか一方の部材との間で摩擦係合を発生させることが可能となるため、さらに大きな差動制限力を得ることができる。
【0073】
前記リング状ギヤ51はデフケース3に嵌合支持され、窓19に露出するロングヘリカルピニオンギヤ45の第1ギヤ部47に常時噛み合い、可動体65はこのリング状ギヤ51に対し係脱可能となっているため、リング状ギヤ51及び可動体65をデフケース3の外側に配置することができ、リング状ギヤ51及び可動体65を配置する部分においてデフケース3を分割する必要がなくなり、デフケース3全体の剛性向上を図ることができる。従って、デフケース3の剛性向上のために肉厚増等を図る必要がなくなり、全体の大型化、重量増を大幅に抑制することができる。
【0074】
前記リング状ギヤ51及び可動体65の組み付けは、デフケース3内にヘリカルサイドギヤ35,37、ロングヘリカルピニオンギヤ45,ショートヘリカルピニオンギヤを収納してユニット化した後にデフケース3の外側から行うことができ、組み付けを極めて容易に行うことができる。リング状ギヤ51等を配置するためにデフケース3を分割する必要がないため、必要とする部品点数も減少し、組み付け、部品管理を極めて容易に行うことができる。
【0075】
前記リング状ギヤ51及び可動体65をデフケース3の段付き状によって形成された空間部に配置することができ、リング状ギヤ51及び可動体65を全体的な大型化を抑制しながら無理なく組み付けることができる。
【0076】
前記噛み合い歯(噛み合いクラッチ歯71)を可動体65の外周部に設けたから、対向部面積を広く確保することによって噛み合い歯数を多数配置することができる。このため、噛み合い時に一歯当たりにかかる負担が軽減され、耐久性が向上する。
【0077】
前記可動体65の内外周部間の回転軸芯方向に向いた外面87に、該可動体65を移動させて前記リング状ギヤ51に対し係合させるリング状のアクチュエータ89を対向配置したため、リング状のアクチュエータ89を可動体65に対し無理なく配置することができる。
【0078】
前記リターンスプリング83の組み付けに際しては、段部85に位置決めながら行うことができ、リターンスプリング83の組み付けを容易に行うことができる。また段部85が無い場合でも、リターンスプリング83は周壁部67の内周面によってその動きが規制されるため、係止部材59の周壁部77との間に極めて容易に介設することが可能となる。またリターンスプリング83は、リング状ギヤ51の軸方向移動を規制する係止部材59を利用して介設することができるため、特別な部材を必要とせず、部品点数を少なくし、組み付け、部品管理を容易にすることができる。
【0079】
前記弾性体61は、デフケース3の大径部15外周面に露出しているため、組み付け時に弾性体61を確認しながら容易に組み付けることができる。
【0080】
本実施形態においては、可動体65の外周面がデフケース本体5及びリング状ギヤ51の外周面とほぼ同径となるような形態に形成され、コンパクトに形成することができる。また、可動体65によって係止部材59及びリターンスプリング83を覆う形態となっているため、ロックアップ構造がデフケース3の外面側に設けられる構造でありながら、可動体65等もデフケース3と形態的に一体化することができ、外観をシンプルな構造としたコンパクトで合理的な構造を達成することができる。
【0081】
なお、可動体65を、前記デフケース本体5の外周面に回転方向に係合させると共に回転軸芯C方向に移動可能に配置する形態とし、且つリング状ギヤ51の外周面にスプライン歯を設けるなどし、可動体をデフケース本体5の外周面に対しスライド移動させ、リング状ギヤ51の外周面のスプライン歯に係合及び係合離脱させる構造として、ロックアップ及びアンロックアップを行う構造にすることもできる。
【0082】
本実施形態では、一対の出力部材、第2回転部材をヘリカルギヤで構成したが、ベベルギヤで構成したサイドギヤ及びピニオンギヤで構成することもできる。すなわち、ベベルギヤで構成したピニオンギヤの外周部をベベルギヤで構成したサイドギヤの噛み合い部よりもさらに拡大する。このピニオンギヤの外周部を、第1回転部材であるデフケースに設けた窓に露出させ、この露出したピニオンギヤの外周部のギヤ部分にベベルギヤで構成した第3回転部材であるリング状ギヤを常時噛み合わせる。デフケースの外部で該デフケースに対し回転方向に係合すると共に回転軸芯方向に移動可能な可動体を前記リング状ギヤに係脱自在とする。従って、ベベルギヤタイプのデファレンシャル装置でも同様な作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るデファレンシャル装置の断面図である。
【図2】一実施形態に係り、図1のSA−SA矢視断面図である。
【図3】一実施形態に係り、図1のSB−SB矢視断面図である。
【図4】従来例に係り、デファレンシャル装置の配置状態を示す自動車動力伝達系のスケルトン図である。
【図5】従来例のデファレンシャル装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 デファレンシャル装置
3 デフケース(第1回転部材)
15 大径部
17 小径部
19 窓
23,57 対向面
35,37 ヘリカルサイドギヤ(出力部材)
45 ロングヘリカルピニオンギヤ(第2回転部材)
47 第1ギヤ部(噛合部)
51 リング状ギヤ(第3回転部材)
59 係止部材
61 弾性体
63,71 噛み合いクラッチ歯(噛み合い歯)
65 可動体
87 外面(可動体の内外周間の回転軸芯方向に向いた壁面)
89 アクチュエータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などに供されるデファレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のデファレンシャル装置としては、例えば図4のように配置された図5に示すようなものがある。図4は、デファレンシャル装置の配置状態を示す自動車動力伝達系のスケルトン平面図であり、図5はデファレンシャル装置の断面図を示している。
【0003】
まず図4のように、デファレンシャル装置201は、車体側に取り付けられたデフキャリア203内に回転自在に支持されている。デファレンシャル装置201には左右のアクスルシャフト205,207が結合されている。アクスルシャフト205,207は、左右の後輪209,211に結合されている。
【0004】
前記デファレンシャル装置201にはリングギヤ213が取り付けられている。エンジン215からの駆動力は、トランスミッション217、プロペラシャフト219、ドライブピニオンシャフト221、ドライブピニオンギヤ223を介して、前記リングギヤ213に入力されるようになっている。
【0005】
前記デファレンシャル装置201は、図5のようになっている。前記デファレンシャル装置201のデフケース225は、デフケース本体225aと左右のカバー体225b,225cとからなっている。デフケース本体225aとカバー体225bとは、図視しないボルトナットにより相互に締結固定されている。前記デフケース本体225aとカバー体225cとは、ボルト226によって締結固定されている。
【0006】
前記デフケース225内には、左右のヘリカルサイドギヤ227,229が相対回転自在に支持されている。これら左右のヘリカルサイドギヤ227,229には、前記アクスルシャフト205,207(図4)がそれぞれ結合されている。
【0007】
前記左右のヘリカルサイドギヤ227,229の外周側において前記デフケース225内には、長短の収納孔231,233が周方向に隣接して対となって設けられている。これら長短の収納孔231,233は例えば4対設けられており、図5ではそれぞれ異なった対の長短の収納孔231,233が図示されている。
【0008】
前記各長短の収納孔231,233には、長短のヘリカルピニオンギヤとしてロングヘリカルピニオンギヤ235,ショートヘリカルピニオンギヤ237がそれぞれ摺動回転自在に支持されている。ロングヘリカルピニオンギヤ235は、第1ギヤ部239、第2ギヤ部241を備え、第1ギヤ部239が一方のヘリカルサイドギヤ229に噛み合っている。前記ショートヘリカルピニオンギヤ237は、その軸方向一側において他方のヘリカルサイドギヤ227に噛み合っている。
【0009】
前記隣接する収納孔231,233間において、ロングヘリカルピニオンギヤ235の第2ギヤ部241と、ショートヘリカルピニオンギヤ237の軸方向他方側とが相互に噛み合っている。
【0010】
前記一方のヘリカルサイドギヤ229には、ロックギヤ243が溶接等によって固定されている。ロックギヤ243には、噛み合いクラッチ歯245が設けられている。前記カバー体225cには、ロック部材247が支持されている。ロック部材247はカバー体225cに対し回転方向に係合し、回転軸芯方向に移動可能に支持されている。このロック部材247には、噛み合いクラッチ歯249が設けられている。噛み合いクラッチ歯249は、前記ロックギヤ243の噛み合いクラッチ歯245に噛み合い可能となっている。
【0011】
前記ロック部材247には、フランジ部材251が締結固定されている。このフランジ部材251に対し固定側に取り付けられたダイヤフラム形のアクチュエータ253が当接している。
【0012】
前記フランジ部材251とカバー体225cとの間には、リターンスプリング255が介設されている。このリターンスプリング255によってロック部材247を付勢し、噛み合いクラッチ歯245,249相互を離反させ、アンロックアップ状態としている。
【0013】
従って、ロック部材247がロックギヤ243から離脱した図5のアンロックアップ状態において、エンジン215からの駆動力が前記のようにしてデファレンシャル装置201に入力されると、デフケース225からヘリカルピニオンギヤ235,237の係合を介して左右のヘリカルサイドギヤ227,229にデフケース225の回転がそのまま伝達される。この左右のヘリカルサイドギヤ227,229の回転力は、左右のアクスルシャフト205,207を介して左右の後輪209,211に伝達される。これによって自動車は前進または後進することができる。
【0014】
自動車がカーブ走行等をするときには、左右の後輪209,211間で回転差が生じる。この左右の後輪209,211の回転差によって、左右のヘリカルサイドギヤ227,229に回転差が生じる。この左右のヘリカルサイドギヤ227,229の回転差によって、ヘリカルピニオンギヤ235,237が収納孔231,233内でそれぞれ回転する。この回転によって、ヘリカルピニオンギヤ235,237はヘリカルサイドギヤ227,229との噛み合い反力により収納孔231,233に押し付けられて摩擦係合力が生じる。
【0015】
また各ヘリカルサイドギヤ227,229、ヘリカルピニオンギヤ235,237は、噛み合いスラスト力により各部において摩擦係合力が生じる。これらの摩擦係合力により、左右のヘリカルサイドギヤ227,229の差動回転が制限される。
【0016】
左右の後輪209,211の一方、例えば後輪209がぬかるみ等に落ち、路面μが極めて低くなると、エンジン215の駆動力はデファレンシャル装置201の左右のヘリカルサイドギヤ227,229の相対回転を介し、ぬかるみ側の後輪209へ逃げてしまい、自動車はぬかるみから脱出することができなくなる。このような場合等に、デファレンシャル装置201のロックアップが必要となる。
【0017】
前記ロックアップは、アクチュエータ253にエアポンプから圧縮空気を供給し、ロック部材247を軸方向に移動させて噛み合いクラッチ歯249を噛み合いクラッチ歯245に噛み合わせることにより行う。この噛み合わせにより、デフケース225のカバー体225cと一方のヘリカルサイドギヤ229との相対回転がロック部材247、ロックギヤ243を介してロックアップされる。このロックアップに応じて、ヘリカルピニオンギヤ235,237を介して左右のヘリカルサイドギヤ227,229の相対回転もロックアップされる。
【0018】
これによって、エンジン215からの駆動力はデファレンシャル装置201を介し、路面μの高い方の後輪211へ円滑に伝達され、自動車をぬかるみから円滑に脱出させることができる(例えば特許文献1参照)。
【0019】
【特許文献1】
特開平9−79352号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
このようなデファレンシャル装置201は、特開平3−344783号公報に記載されたデファレンシャル装置を改良し、差動ロックの応答性を向上させると共に、ヘリカルピニオンギヤの支持を良くすることができるデファレンシャル装置として本願出願人が提案したものである。
【0021】
しかしながら、上記のような構造であると、デフケース225がカバー体225bのみならず、カバー体225cをも備えた3分割構造となる。これは、ロックギヤ243がヘリカルサイドギヤ227,229の外周径よりも大きくならざるを得ず、このロックギヤ243をカバー体225b側からデフケース225内へ挿入して組み付けることができないことが原因となっている。
【0022】
このため、デフケース225に対するリングギヤ213からの入力に対して、デフケース225の曲げ剛性等を確保するために、各部の肉厚を増大する必要があり、ケースの大型化及び重量増を招く原因となっていた。
【0023】
また、ロックギヤ243はヘリカルサイドギヤ229と共にデフケース本体225a側に対し図5の右側から収納し、その後デフケース225のカバー体225cを複数のボルト226で締結し、さらにカバー体225cの外側からロック部材247等を組み付ける必要があり、ロックアップの構造をヘリカルサイドギヤ229と共に組み付ける必要があり、組付けが極めて煩雑であるという問題があった。
【0024】
さらに、デフケース本体225aに対するカバー体225cを締結するボルト226は、周方向に8本程度必要となり、カバー体225cのみならずボルト226によっても部品点数が増大し、組み付け、部品管理が煩雑であるという問題があった。
【0025】
本発明は、差動ロックの応答性を向上させることができながら、大型化、重量増を抑制し、組み付け、部品管理を簡単にすることが可能なデファレンシャル装置の提供を課題とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、回転自在に支持され駆動入力により回転する第1回転部材と、前記第1回転部材内に相対回転自在に支持され一対の軸がそれぞれ結合される一対の出力部材と、前記第1回転部材に支持されて前記各出力部材を噛み合い結合し前記第1回転部材の回転を前記各出力部材に伝達すると共に各出力部材の相対回転を許容する第2回転部材とを備え、前記第1回転部材に、前記出力部材に噛み合う第2回転部材の噛合部を露出させる窓を設け、前記第1回転部材に支持され前記窓に露出する噛合部に常時噛み合う第3回転部材と、前記第1回転部材に回転方向に係合すると共に回転軸芯方向に移動可能に支持され前記第3回転部材に対し係脱可能な可動体とを備えたことを特徴とする。
【0027】
請求項2の発明は、請求項1記載のデファレンシャル装置であって、前記第1回転部材は、前記収納孔を備えた大径部と該大径部に隣接する小径部とからなるように段付き状に形成され、前記可動体は、内周部が前記小径部に回転方向に係合すると共に回転軸芯方向に移動可能に支持され且つ外周部が前記第3回転部材の端部に回転軸芯方向に対向し、前記第3回転部材の端部と前記可動体の外周部との対向部に噛み合い歯を設けたことを特徴とする。
【0028】
請求項3の発明は、請求項2記載のデファレンシャル装置であって、前記第3回転部材と可動体との間に配置され前記第1回転部材に固定されて前記第3回転部材の軸方向移動を規制する係止部材を設け、該係止部材と前記可動体との間に、該可動体を前記第3回転部材に対する係合離脱方向へ付勢する付勢部材を介設したことを特徴とする。
【0029】
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れかに記載のデファレンシャル装置であって、前記第3回転部材の前記第1回転部材に対する回転を所定トルクまで規制して前記第2回転部材を介した差動制限トルクを付与する回転規制部材を設けたことを特徴とする。
【0030】
請求項5の発明は、請求項3記載のデファレンシャル装置であって、前記第1回転部材の外周部と前記第3回転部材とに、回転軸芯方向に対向する対向面を設け、前記対向面間に、前記第3回転部材を前記係止部材へ押し付けるように付勢する弾性体を介設したことを特徴とする。
【0031】
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れかに記載のデファレンシャル装置であって、前記可動体の内外周部間の回転軸芯方向に向いた壁面に、該可動体を回転軸芯方向へ移動させて前記第3回転部材に対し係合させるアクチュエータを対向配置したことを特徴とする。
【0032】
【発明の効果】
請求項1の発明では、回転自在に支持された第1回転部材は、駆動入力により回転することができる。第1回転部材が回転すると、第2回転部材の係合を介して出力部材に第1回転部材の回転が伝達され、該出力部材に結合された一対の軸を介して第1回転部材と同回転の回転出力を行うことができる。
【0033】
しかも、前記第1回転部材の外周部に前記出力部材に噛み合う第2回転部材の噛合部を露出させる窓を設け、前記第1回転部材に嵌合支持され前記窓に露出する噛合部に常時噛み合う第3回転部材と、前記第1回転部材に回転方向に係合すると共に回転軸芯方向に移動可能に支持され、前記第3回転部材に対し係脱可能な可動体とを備えたため、可動体を移動させ第3回転部材に係合させることによって第1回転部材と第2回転部材との間の相対回転を第3回転部材及び可動体を介してロックアップすることができる。
【0034】
従って、第2回転部材を介して、一対の出力部材も第1回転部材に対して相対回転が規制され、出力部材相互の差動回転をロックアップすることができる。
【0035】
前記可動体は、第2回転部材に直接係脱するものではなく、第3回転部材に対し係脱するものであるため、係脱を直線的な歯で行わせることが可能となり、差動ロックの応答性を向上させることができる。
【0036】
また、第3回転部材は第1回転部材に嵌合支持され、窓に露出する第2回転部材の噛合部に常時噛み合い、可動体は第3回転部材に対し係脱可能となっているため、第3回転部材及び可動体を第1回転部材の外側に配置することができ、第3回転部材及び可動体を配置する部分において第1回転部材を分割する必要がなくなり、第1回転部材全体の剛性向上を図ることができる。従って、剛性向上のために肉厚増等を図る必要がなくなり、装置全体の大型化、重量増を大幅に抑制することができる。
【0037】
また、第3回転部材及び可動体の組み付けは、第1回転部材内に出力部材及び第2回転部材を収納してユニット化した後に第1回転部材の外側から行うことができ、組み付けを極めて容易に行うことができる。第3回転部材等を配置するために第1回転部材を分割する必要がないため、必要とする部品点数も減少し、組み付け、部品管理を極めて容易に行うことができる。
【0038】
請求項2の発明は、請求項1の発明の効果に加え、前記第1回転部材は前記収納孔を備えた大径部と該大径部に隣接する小径部とからなるように段付き状に形成され、前記可動体は内周部が前記小径部に回転方向に係合すると共に、回転軸芯方向に移動可能に支持され、かつ外周部が前記第3回転部材の端部に回転軸芯方向に対向し、前記第3回転部材の端部と前記可動体の外周部との対向部に噛み合いクラッチ歯を設けたため、第3回転部材及び可動体を第1回転部材の段付き状によって形成された空間部に配置することができ、第3回転部材及び可動体を全体的な大型化を抑制しながら無理なく組み付けることができる。
【0039】
また、第3回転部材と可動体とは噛み合い歯によって係脱することができるため、差動ロックの応答性をより確実に向上させることができる。
【0040】
請求項3の発明では、請求項2の発明の効果に加え、前記第3回転部材と可動体との間に配置され、前記第1回転部材に固定されて前記第3回転部材の軸方向移動を規制する係止部材を設け、該係止部材と前記可動体との間に該可動体を前記第3回転部材に対する係合離脱方向へ付勢する付勢部材を介設したため、付勢部材を係止部材を利用して介設することができ、付勢部材を無理なく配置することができる。
【0041】
請求項4の発明では、請求項1〜3の何れかの発明の効果に加え、前記第3回転部材の前記第1回転部材に対する回転を所定トルクまで規制して、前記第2回転部材を介した差動制限トルクを付与する回転規制部材を設けたため、第3回転部材を利用して差動制限トルクを容易に付与することができる。
【0042】
請求項5の発明では、請求項3の発明の効果に加え、前記第1回転部材の外周部と前記第3回転部材とに回転軸芯方向に対向する対向面を設け、前記対向面間に前記第3回転部材を前記係止部材へ向けて付勢する弾性体を介設したため、弾性体の付勢により第3回転部材を利用して差動制限トルクを容易に付与することができる。また弾性体は外部に露出する対向面間に介設するため、弾性体の組み付けを確認しながら容易に行うことができる。
【0043】
請求項6の発明では、請求項1〜5の何れかの発明の効果に加え、前記可動体の内外周部間の回転軸芯方向に向いた壁面に、該可動体を回転軸芯方向へ移動させて前記第3回転部材に対し係合させるアクチュエータを対向配置したため、アクチュエータを可動体に対し無理なく配置することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
図1〜図3は本発明の一実施形態に係るデファレンシャル装置を示し、図1はデファレンシャル装置の断面図、図2は図1のSA−SA矢視断面図、図3は図1のSB−SB矢視断面図である。
【0045】
本実施形態のデファレンシャル装置1も例えば図4と同様に用いられ、左右後輪間のリヤデファレンシャル装置として配置されている。従って、図1において左右は自動車の左右となっている。尚、デファレンシャル装置1はセンターデフ、フロントデフとして構成することもできる。さらにデファレンシャル装置1は自動車以外の一対の軸間のデファレンシャル装置として構成することも可能である。
【0046】
前記デファレンシャル装置1は、第1回転部材としてデフケース3を備えている。デフケース3はデフケース本体5と、カバー体7との2分割構造となっている。デフケース本体5とカバー体7とはフランジ部9,11において締結固定され、該フランジ部9,11に図4,図5の場合と同様にしてリングギヤが締結固定されている。
【0047】
前記デフケース本体5には、デフケース3の回転軸芯Cと平行な中心線を有する収納孔13が複数設けられている。本実施形態においては、図2のように周方向に4個設けられている。この収納孔13は、対の第2回転部材の一方を構成するロングヘリカルピニオンギヤ用のものである。この各収納孔13に隣接して図示はしないが対の第2回転部材の他方を構成するショートヘリカルピニオンギヤ用の収納孔が設けられている。
【0048】
前記デフケース本体5は、前記収納孔13を備えた大径部15と該大径部15に隣接する小径部17とからなるように段付き状に形成されている。前記デフケース本体5の外周部には、窓19が設けられている。この窓19に隣接して大径部15の外周面には嵌合支持部21が設けられている。この嵌合支持部21に隣接して回転軸芯方C向へ向いた対向面23が設けられている。
【0049】
前記小径部17には雄スプライン25が設けられ、この雄スプライン25に隣接して軸受支持部27が設けられている。小径部17の内周側には一対の軸の一方すなわち本実施形態では右側の後輪に結合したアクスルシャフトの一端を挿通する軸孔29が設けられている。
【0050】
前記カバー体7にも軸受支持部31が設けられ、その内側に一対の軸の他方すなわち左側の後輪に連結されたアクスルシャフトの一端を挿通する軸孔33が設けられている。
【0051】
このデフケース3は、前記軸受支持部27,31に取り付けられた軸受を介してデフキャリヤ側に回転自在に支持され、図4の場合と同様にエンジンからの駆動入力がリングギヤを介して入力され、該駆動入力によってデフケース3が回転する構成となっている。
【0052】
前記デフケース3内には、一対の出力部材としてヘリカルサイドギヤ35,37が相対回転自在に支持されている。この一対のヘリカルサイドギヤ35,37間及びヘリカルサイドギヤ35,37とカバー体7及びデフケース本体5の小径部17との間にはそれぞれスラストワッシャ39が介設されている。前記各ヘリカルサイドギヤ35,37の雌スプライン41,43には、前記軸孔29,33から挿通された左右のアクスルシャフトがスプライン嵌合している。
【0053】
前記各収納孔13には、第2回転部材として相互に噛み合う対のヘリカルピニオンギヤの一方であるロングヘリカルピニオンギヤ45が摺動回転自在に支持されている。従って、ロングヘリカルピニオンギヤ45の軸芯もデフケース3の回転軸芯Cとほぼ平行となっている。ロングヘリカルピニオンギヤ45は、ヘリカルピニオンギヤの噛合部として第1ギヤ部47及び第2ギヤ部49を備えている。第1ギヤ部47は、前記ヘリカルサイドギヤ37に噛み合っている。このロングヘリカルピニオンギヤ45と対のヘリカルピニオンギヤであるショートヘリカルピニオンギヤは、第2ギヤ部49において噛み合っている。また、ショートヘリカルピニオンギヤは、ヘリカルサイドギヤ35に噛み合っている。前記図2のように収納孔13は、周方向に4個備えられ、各収納孔13に収納されるロングヘリカルピニオンギヤ45も4本備えられている。この4本のロングヘリカルピニオンギヤ45のそれぞれにショートヘリカルピニオンギヤが噛み合っており、本実施形態において4対のヘリカルピニオンギヤが備えられている。
【0054】
前記デフケース3のデフケース本体5には、第3回転部材としてリング状ギヤ51が嵌合支持されている。リング状ギヤ51は、内周面にヘリカルギヤで構成されたヘリカルインターナルギヤ53を備えている。ヘリカルインターナルギヤ53は、前記窓19に露出するロングヘリカルピニオンギヤ45の第1ギヤ部47に常時噛み合っている。このリング状ギヤ51の一方側の端部には嵌合部55が突設されている。嵌合部55は、前記デフケース本体5の嵌合支持部21に相対回転自在に嵌合支持されている。
【0055】
前記リング状ギヤ51の嵌合部55には、前記デフケース本体5の対向面23に回転軸芯C方向に対向する対向面57が設けられている。前記対向面23,57間には、リング状ギヤ51を係止部材59へ向けて付勢する回転規制部材として板ばね等で形成された弾性体61が介設されている。この弾性体61によって、リング状ギヤ51の前記デフケース3に対する回転を所定トルクまで規制して、前記ロングヘリカルピニオンギヤ45による差動制限トルクを付与する構成となっている。前記リング状ギヤ51の他方の端部には、図1,図3のように噛み合い歯として噛み合いクラッチ歯63が設けられている。
【0056】
前記デフケース3には、回転方向に係合すると共に回転軸芯C方向に支持され前記リング状ギヤ51に対し係脱可能な可動体65が備えられている。前記可動体65は、周壁部67と側壁部69とからなっている。周壁部67は、前記リング状ギヤ51及びデフケース本体5の外周面とほぼ同径の外周面を備えている。この可動体65の外周部である周壁部67が前記リング状ギヤ51の端部に回転軸芯C方向に対向している。この可動体65の周壁部67の端部に噛み合い歯として噛み合いクラッチ歯71が設けられ、前記リング状ギヤ51の端部と前記可動体65の外周部との対向部に噛み合い歯(噛み合いクラッチ歯63,71)を設けた構成となっている。
【0057】
前記可動体65の内周部である側壁部69の内周部73には、前記小径部17の雄スプライン25に嵌合する雌スプラインが形成され、雄スプライン25にスプライン嵌合している。従って、可動体65は内周部73の小径部17に対するスプライン嵌合によって小径部17に回転方向に係合すると共に回転軸芯C方向に移動可能に支持された構成となっている。前記小径部17には、ストッパ75が取り付けられ、可動体65の位置決めを行っている。
【0058】
前記リング状ギヤ51と可動体65との間には、前記係止部材59が配置され、前記デフケース3の大径部15端面に固定されている。係止部材59は、周壁部77と側壁部79とからなっている。周壁部77の外周面は、前記リング状ギヤ51の噛み合いクラッチ歯63の内側と前記可動体65の周壁部67の内周面とに近接して対向している。
【0059】
前記係止部材59の固定は、前記側壁部79においてボルト81により行われている。これによって周壁部77側がリング状ギヤ51のヘリカルインターナルギヤ53の部分を受けることができ、リング状ギヤ51の軸方向移動を規制している。従って、前記弾性体61の付勢力によってリング状ギヤ51が係止部材59に押し付けられて摩擦係合力を発揮し、ロングヘリカルピニオンギヤ45等による差動制限トルクのイニシャルトルクを付与することができる。
【0060】
前記係止部材59の周壁部77の端部と前記可動体65の側壁部69との間には、可動体65をリング状ギヤ51に対する係合離脱方向へ付勢する付勢部材としてリターンスプリング83が介設されている。また、可動体65の側壁部69の内面には、リターンスプリング83を位置決める段部85が設けられている。リターンスプリング83は段部85に係止されることにより径方向の位置決めが的確に行われている。
【0061】
前記可動体65の内外周部間の回転軸芯C方向に向いた壁面、すなわち側壁部69の外面87に、該可動体65を移動させて前記リング状ギヤ51に対し係合させるリング状のアクチュエータ89が対向配置されている。
【0062】
すなわち前記外面87には、フランジ部材91がねじ93によって締結固定されている。前記アクチュエータ89は、ダイヤフラム95によって圧力室97が形成され、前面側の摺動部材99が前記フランジ部材91に相対回転自在に当接している。前記圧力室97には、接続口101が連通接続され、この接続口101がエアホースを介して図外のエアポンプに接続されている。このアクチュエータ89は、ブラケット103がデフキャリヤ側に締結固定され、その取り付けが行われている。
【0063】
従って、本実施形態のデファレンシャル装置1においても、図4,図5のデファレンシャル装置201と同様に機能させることができる。すなわち、可動体65がリング状ギヤ51から離脱した図1のアンロックアップ状態において、エンジンからの駆動力が前記のようにしてデファレンシャル装置1に入力されると、デフケース3からロングヘリカルピニオンギヤ45及びショートヘリカルピニオンギヤの係合を介して左右のヘリカルサイドギヤ35,37にデフケース3の回転がそのまま伝達される。この左右のヘリカルサイドギヤ35,37の回転力は、左右のアクスルシャフトを介して左右の後輪に伝達される。これによって自動車は、前進または後進することができる。
【0064】
自動車がカーブ走行等をするときには、左右の後輪間で回転差が生じる。この左右の後輪の回転差によって、左右のヘリカルサイドギヤ35,37に回転差が生じる。この左右のヘリカルサイドギヤ35,37の回転差によって、ロングヘリカルピニオンギヤ45が収納孔13内で回転し、ショートヘリカルピニオンギヤが同様に収納孔内で回転する。この回転によって、ロングヘリカルピニオンギヤ45及びショートヘリカルピニオンギヤは、ヘリカルサイドギヤ35,37との噛み合い反力により収納孔13等に押し付けられて摩擦係合力が生じる。
【0065】
また各ヘリカルサイドギヤ35,37、ロングヘリカルピニオンギヤ45及びショートヘリカルピニオンギヤは、噛み合いスラスト力により各部において摩擦係合力が生じる。すなわち、ロングヘリカルピニオンギヤ45は、軸方向端部とカバー体7或いは係止部材59との間、ショートヘリカルピニオンギヤは、同様に軸方向端部とデフケース3側との間、ヘリカルサイドギヤ35,37は、スラストワッシャ39を介してデフケース3側との間或いはヘリカルサイドギヤ35,37相互間で摩擦係合力が生じる。これらの摩擦係合力により、左右のヘリカルサイドギヤ35,37の差動回転が制限される。
【0066】
左右の後輪の一方がぬかるみ等に落ち、路面μが極めて低くなると、エンジンの駆動力はデファレンシャル装置1の左右のヘリカルサイドギヤ35,37の相対回転を介し、ぬかるみ側の後輪へ逃げてしまい、自動車はぬかるみから脱出することができなくなる。この場合、アクチュエータ89にエアポンプから圧縮空気を供給し、可動体65をスライド移動させて噛み合いクラッチ歯71を噛み合いクラッチ歯63に噛み合わせ、ロックアップを行う。この噛み合わせにより、デフケース3の小径部17と一方のロングヘリカルサイドギヤ45との相対回転が可動体65、リング状ギヤ51を介してロックアップされる。このロックアップに応じて、ロングヘリカルピニオンギヤ45及びショートヘリカルピニオンギヤを介して左右のヘリカルサイドギヤ35,37の相対回転もロックアップされる。
【0067】
これによって、エンジンからの駆動力はデファレンシャル装置1を介し、路面μの高い方の後輪へ円滑に伝達され、自動車をぬかるみから円滑に脱出させることができる。
【0068】
しかも、前記可動体65は、その周壁部67がデフケース本体5に固定された係止部材59の周壁部77外面に嵌合する構造となっているため、可動体65がリング状ギヤ51側へスライド移動するに際して可動体65の倒れを規制することができ、噛み合いクラッチ歯63,71の噛み合いを円滑に行わせることができる。
【0069】
前記リング状ギヤ51は、一方で嵌合部55がデフケース3の嵌合支持部21に移動自在に支持され、他方で係止部材59に当接して支持されているため、デフケース3に対する相対回転時、一体回転時のいずれにおいても安定して支持することができる。
【0070】
前記可動体65は、ロングヘリカルピニオンギヤ45に直接係脱するものではなく、リング状ギヤ51に対し噛み合いクラッチ歯63,71を介して係脱するものであるため、係脱を直線的な歯で行わせることが可能となり、差動ロックの応答性を向上させることができる。
【0071】
すなわち、ロングヘリカルピニオンギヤ45(第2回転部材)及びヘリカルサイドギヤ37(出力部材)の噛合部が、各回転軸芯に対して所定の角度を持って形成されたギヤ部を有するヘリカルギヤで構成された際には、可動体65のロングヘリカルピニオンギヤ45への直接係脱を直線的な歯で行わせることが不可能となる。しかし、本件構成を採用することで前記の課題を解決しつつ差動ロックの応答性を向上させることができる。
【0072】
前記ロングヘリカルピニオンギヤ45及びヘリカルサイドギヤ37が前述したヘリカルギヤで構成された場合においては、前記ロングヘリカルピニオンギヤ45とリング状ギヤ51との噛み合い反力が回転軸方向にも発生する。よって、係止部材59とロングヘリカルピニオンギヤ45又はリング状ギヤ51との何れか一方の部材との間で摩擦係合を発生させることが可能となるため、さらに大きな差動制限力を得ることができる。
【0073】
前記リング状ギヤ51はデフケース3に嵌合支持され、窓19に露出するロングヘリカルピニオンギヤ45の第1ギヤ部47に常時噛み合い、可動体65はこのリング状ギヤ51に対し係脱可能となっているため、リング状ギヤ51及び可動体65をデフケース3の外側に配置することができ、リング状ギヤ51及び可動体65を配置する部分においてデフケース3を分割する必要がなくなり、デフケース3全体の剛性向上を図ることができる。従って、デフケース3の剛性向上のために肉厚増等を図る必要がなくなり、全体の大型化、重量増を大幅に抑制することができる。
【0074】
前記リング状ギヤ51及び可動体65の組み付けは、デフケース3内にヘリカルサイドギヤ35,37、ロングヘリカルピニオンギヤ45,ショートヘリカルピニオンギヤを収納してユニット化した後にデフケース3の外側から行うことができ、組み付けを極めて容易に行うことができる。リング状ギヤ51等を配置するためにデフケース3を分割する必要がないため、必要とする部品点数も減少し、組み付け、部品管理を極めて容易に行うことができる。
【0075】
前記リング状ギヤ51及び可動体65をデフケース3の段付き状によって形成された空間部に配置することができ、リング状ギヤ51及び可動体65を全体的な大型化を抑制しながら無理なく組み付けることができる。
【0076】
前記噛み合い歯(噛み合いクラッチ歯71)を可動体65の外周部に設けたから、対向部面積を広く確保することによって噛み合い歯数を多数配置することができる。このため、噛み合い時に一歯当たりにかかる負担が軽減され、耐久性が向上する。
【0077】
前記可動体65の内外周部間の回転軸芯方向に向いた外面87に、該可動体65を移動させて前記リング状ギヤ51に対し係合させるリング状のアクチュエータ89を対向配置したため、リング状のアクチュエータ89を可動体65に対し無理なく配置することができる。
【0078】
前記リターンスプリング83の組み付けに際しては、段部85に位置決めながら行うことができ、リターンスプリング83の組み付けを容易に行うことができる。また段部85が無い場合でも、リターンスプリング83は周壁部67の内周面によってその動きが規制されるため、係止部材59の周壁部77との間に極めて容易に介設することが可能となる。またリターンスプリング83は、リング状ギヤ51の軸方向移動を規制する係止部材59を利用して介設することができるため、特別な部材を必要とせず、部品点数を少なくし、組み付け、部品管理を容易にすることができる。
【0079】
前記弾性体61は、デフケース3の大径部15外周面に露出しているため、組み付け時に弾性体61を確認しながら容易に組み付けることができる。
【0080】
本実施形態においては、可動体65の外周面がデフケース本体5及びリング状ギヤ51の外周面とほぼ同径となるような形態に形成され、コンパクトに形成することができる。また、可動体65によって係止部材59及びリターンスプリング83を覆う形態となっているため、ロックアップ構造がデフケース3の外面側に設けられる構造でありながら、可動体65等もデフケース3と形態的に一体化することができ、外観をシンプルな構造としたコンパクトで合理的な構造を達成することができる。
【0081】
なお、可動体65を、前記デフケース本体5の外周面に回転方向に係合させると共に回転軸芯C方向に移動可能に配置する形態とし、且つリング状ギヤ51の外周面にスプライン歯を設けるなどし、可動体をデフケース本体5の外周面に対しスライド移動させ、リング状ギヤ51の外周面のスプライン歯に係合及び係合離脱させる構造として、ロックアップ及びアンロックアップを行う構造にすることもできる。
【0082】
本実施形態では、一対の出力部材、第2回転部材をヘリカルギヤで構成したが、ベベルギヤで構成したサイドギヤ及びピニオンギヤで構成することもできる。すなわち、ベベルギヤで構成したピニオンギヤの外周部をベベルギヤで構成したサイドギヤの噛み合い部よりもさらに拡大する。このピニオンギヤの外周部を、第1回転部材であるデフケースに設けた窓に露出させ、この露出したピニオンギヤの外周部のギヤ部分にベベルギヤで構成した第3回転部材であるリング状ギヤを常時噛み合わせる。デフケースの外部で該デフケースに対し回転方向に係合すると共に回転軸芯方向に移動可能な可動体を前記リング状ギヤに係脱自在とする。従って、ベベルギヤタイプのデファレンシャル装置でも同様な作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るデファレンシャル装置の断面図である。
【図2】一実施形態に係り、図1のSA−SA矢視断面図である。
【図3】一実施形態に係り、図1のSB−SB矢視断面図である。
【図4】従来例に係り、デファレンシャル装置の配置状態を示す自動車動力伝達系のスケルトン図である。
【図5】従来例のデファレンシャル装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 デファレンシャル装置
3 デフケース(第1回転部材)
15 大径部
17 小径部
19 窓
23,57 対向面
35,37 ヘリカルサイドギヤ(出力部材)
45 ロングヘリカルピニオンギヤ(第2回転部材)
47 第1ギヤ部(噛合部)
51 リング状ギヤ(第3回転部材)
59 係止部材
61 弾性体
63,71 噛み合いクラッチ歯(噛み合い歯)
65 可動体
87 外面(可動体の内外周間の回転軸芯方向に向いた壁面)
89 アクチュエータ
Claims (6)
- 回転自在に支持され駆動入力により回転する第1回転部材と、
前記第1回転部材内に相対回転自在に支持され一対の軸がそれぞれ結合される一対の出力部材と、
前記第1回転部材に支持されて前記各出力部材を噛み合い結合し前記第1回転部材の回転を前記各出力部材に伝達すると共に各出力部材の相対回転を許容する第2回転部材とを備え、
前記第1回転部材の外周部に、前記出力部材に噛み合う第2回転部材の噛合部を露出させる窓を設け、
前記第1回転部材に支持され前記窓に露出する噛合部に常時噛み合う第3回転部材と、
前記第1回転部材に回転方向に係合すると共に回転軸芯方向に移動可能に支持され前記第3回転部材に対し係脱可能な可動体とを備えたことを特徴とするデファレンシャル装置。 - 請求項1記載のデファレンシャル装置であって、
前記第1回転部材は、前記収納孔を備えた大径部と該大径部に隣接する小径部とからなるように段付き状に形成され、
前記可動体は、内周部が前記小径部に回転方向に係合すると共に回転軸芯方向に移動可能に支持され且つ外周部が前記第3回転部材の端部に回転軸芯方向に対向し、
前記第3回転部材の端部と前記可動体の外周部との対向部に噛み合い歯を設けたことを特徴とするデファレンシャル装置。 - 請求項2記載のデファレンシャル装置であって、
前記第3回転部材と可動体との間に配置され前記第1回転部材に固定されて前記第3回転部材の軸方向移動を規制する係止部材を設け、
該係止部材と前記可動体との間に、該可動体を前記第3回転部材に対する係合離脱方向へ付勢する付勢部材を介設したことを特徴とするデファレンシャル装置。 - 請求項1〜3の何れかに記載のデファレンシャル装置であって、
前記第3回転部材の前記第1回転部材に対する回転を所定トルクまで規制して前記第2回転部材を介した差動制限トルクを付与する回転規制部材を設けたことを特徴とするデファレンシャル装置。 - 請求項3記載のデファレンシャル装置であって、
前記第1回転部材の外周部と前記第3回転部材とに、回転軸芯方向に対向する対向面を設け、
前記対向面間に、前記第3回転部材を前記係止部材へ押し付けるように付勢する弾性体を介設したことを特徴とするデファレンシャル装置。 - 請求項1〜5の何れかに記載のデファレンシャル装置であって、
前記可動体の内外周部間の回転軸芯方向に向いた壁面に、該可動体を回転軸芯方向へ移動させて前記第3回転部材に対し係合させるアクチュエータを対向配置したことを特徴とするデファレンシャル装置。
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