JP2004162583A - 排気ガス処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で安価に製造することができ、安価なランニングコストで排気ガスを浄化することのできる排気ガス処理装置を提供する。
【解決手段】車載用の三元触媒等からなる触媒20を用いて小型な浄化装置15を構成することにより、浄化装置15を試験室51内に配設する。これにより、浄化装置15に導入する前の排気ガスを必要以上に冷却したり再加熱する必要がなくなり、排気ガス処理装置1を簡素且つ安価に構成でき、さらに、ランニングコストの低減等を実現することができる。また、車載用の三元触媒等からなる触媒20をそのまま用いて浄化装置15を構成することは、排気ガス処理装置1に専用の触媒等を用意する必要がなく、製造コストのさらなる低減を実現することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】車載用の三元触媒等からなる触媒20を用いて小型な浄化装置15を構成することにより、浄化装置15を試験室51内に配設する。これにより、浄化装置15に導入する前の排気ガスを必要以上に冷却したり再加熱する必要がなくなり、排気ガス処理装置1を簡素且つ安価に構成でき、さらに、ランニングコストの低減等を実現することができる。また、車載用の三元触媒等からなる触媒20をそのまま用いて浄化装置15を構成することは、排気ガス処理装置1に専用の触媒等を用意する必要がなく、製造コストのさらなる低減を実現することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの運転試験設備や車両の模擬走行試験設備等の試験室内でエンジンから排出される排気ガスを処理する排気ガス処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、エンジンの運転試験設備や車両の模擬走行試験設備等の各種試験設備においては、エンジン駆動時に排気ガスが試験室内に充満することを防止するため、エンジンから排出される排気ガスを排気通路を介して屋外に導く排気ガス処理装置が設けられている。
【0003】
この種の排気ガス処理装置において、屋外に排出する前の排気ガスを排気通路の中途で浄化することを目的として、例えば、非特許文献1には、黒煙粒子を捕捉して燃焼除去するとともに添着触媒で炭化水素や一酸化炭素を除去する触媒添着DPF(排気微粒子補集装置、Diezel Particulate Filter)と、尿素水を用いて窒素酸化物を除去する選択接触還元脱硝触媒(SCR:Selective Catalytic Reduction)とを排気通路の中途に介装した技術が開示されている。
【0004】
【非特許文献1】
三機工業株式会社「SANKI zeus エンジン排ガス総合処理装置」カタログ、2001年8月1日
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の非特許文献1に開示されているように、触媒添着DPFや選択触媒還元脱硝触媒等のような専用の浄化装置を排気通路に設けることは、排気ガス処理装置の製造コストの高騰を招く。
【0006】
また、上述の非特許文献1に開示された触媒添着DPFや選択接触還元脱硝触媒の浄化装置は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等に広く適用させることを目的として構成されているため、構造が複雑且つ大型なものとなる。例えば選択触媒還元脱硝触媒は、その適用範囲を拡大すべく浄化処理に尿素水を用いる構成であるため、構造が複雑且つ大型化する。従って、浄化装置は、スペース上の問題等から、試験室に併設された機械室に配設されることが一般的であるが、このように浄化装置を機械室に配設することは、排気ガス処理装置の更なる構造の複雑化等を招き、製造コストの高騰や、排気ガス処理時のランニングコストの高騰等を招く虞がある。すなわち、排気ガスを排気通路によって試験室側から機械室側に導く際には防災上の制約から排気ガス温度を所定以下まで冷却する必要があり、その反面、各浄化装置を効率的に作用させるためには排気ガス温度を所定以上の高温とすることが望ましい。従って、上述の非特許文献1の技術において、これらの要求を満たすためには、試験室側で冷却された排気ガスを機械室側で再加熱するための加熱手段を設ける必要があり、排気ガス処理装置の構造の複雑化や製造コストの高騰を招く。また、一旦冷却した排気ガスを再加熱することはランニングコストの高騰等につながる。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、簡単な構成で安価に製造することができ、安価なランニングコストで排気ガスを浄化することのできる排気ガス処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明による排気ガス処理装置は、試験室内で駆動するエンジンから排出される排気ガスを屋外に導く排気通路と、車載用の触媒を有して構成され上記試験室内で上記排気通路に介装された排気ガス浄化手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2記載の発明による排気ガス処理装置は、請求項1記載の発明において、上記排気ガス浄化手段は上記触媒を複数有し、これら複数の触媒が上記排気通路に並列に介装されていることを特徴とする。
【0010】
また、請求項3記載の発明による排気ガス処理装置は、請求項2記載の発明において、上記排気ガス浄化手段は、複数の上記触媒を適宜ダミー触媒に交換することで浄化能力を可変に設定可能であることを特徴とする。
【0011】
また、請求項4記載の発明による排気ガス処理装置は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の発明において、上記試験室内で上記排気通路に介装され、上記排気ガス浄化手段を通過後の排気ガスを冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項5記載の発明による排気ガス処理装置は、請求項4記載の発明において、上記冷却手段の冷却能力を可変制御して上記冷却手段を通過後の排気ガス温度を制御する冷却制御手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項6記載の発明による排気ガス処理装置は、請求項1乃至請求項5の何れかに記載の発明において、上記排気ガス浄化手段の上流側に開口された外気取入口と、上記外気取入口から導入される外気を排気ガスとともに上記排気通路内に吸引するファンとを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項7記載の発明による排気ガス処理装置は、請求項6記載の発明において、上記ファンの吸引によって上記外気取入口から導入される外気の量を可変制御するファン制御手段を有し、上記ファン制御手段は、上記外気取入口から導入される外気量を可変制御することによって、上記排気ガス浄化手段に流入する排気ガス温度を設定値に制御することを特徴とする。
【0015】
また、請求項8記載の発明による排気ガス処理装置は、請求項6記載の発明において、上記ファンの吸引によって上記外気取入口から導入される外気の量を可変制御するファン制御手段を有し、上記ファン制御手段は、上記外気取入口から導入される外気量を可変制御することによって、上記排気ガス浄化手段に流入する排気ガスの空燃比を設定値に制御することを特徴とする。
【0016】
また、請求項9記載の発明による排気ガス処理装置は、請求項6乃至請求項8の何れかに記載の発明において、上記外気取入口の開口量を変更する開口量変更手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、請求項10記載の発明による排気ガス処理装置は、請求項9記載の発明において、上記開口量変更手段による上記外気取入口の開口量を可変制御する開口量変更制御手段を有し、上記開口量変更制御手段は、上記外気取入口の開口量を可変制御することによって、上記排気ガス浄化手段に流入する排気ガス温度を設定値に制御することを特徴とする。
【0018】
また、請求項11記載の発明による排気ガス処理装置は、請求項9記載の発明において、上記開口量変更手段による上記外気取入口の開口量を可変制御する開口量変更制御手段を有し、上記開口量変更制御手段は、上記外気取入口の開口量を可変制御することによって、上記排気ガス浄化手段に流入する排気ガスの空燃比を設定値に制御することを特徴とする。
【0019】
また、請求項12記載の発明による排気ガス処理装置は、請求項9記載の発明において、上記開口量変更手段による上記外気取入口の開口量を可変制御する開口量変更制御手段を有し、上記開口量変更制御手段は、上記外気取入口の開口量を可変制御することによって、上記外気取入口近傍の圧力を大気圧近傍の設定圧力内に維持することを特徴とする。
【0020】
また、請求項13記載の発明による排気ガス処理装置は、請求項1乃至請求項12の何れかに記載の発明において、上記排気ガス浄化手段の上流側と下流側との圧力差に基づいて、上記触媒のつまり、閉塞、或いは破損状態を判定する劣化判定手段を備えたことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係わり、図1は実験棟内に構成した排気ガス処理装置の概略構成図である。
【0022】
ここで、本実施の形態においては、試験対象となるエンジン60を収容する試験室51と、この試験室51の上階に併設された機械室52と、試験室51に隣接して併設された計測室53とを有する実験棟50に、排気ガス処理装置1を設けた一例について説明する。
【0023】
図1に示すように、排気ガス処理装置1は、エンジン60からの排気ガスを試験室51から機械室52を経て屋外に導く排気通路5を有し、排気通路5は、試験室51内に配設されエンジン60の直後に設けられた第1の排気通路6と、この第1の排気通路6の下流側に接続され試験室51から機械室52にかけて配設された第2の排気通路7とを有して構成されている。
【0024】
第1の排気通路6は、内径が例えば300mmの管路で構成され、上流側が試験室51の床面に沿って配管されているとともに、下流側が試験室51の壁面51aに沿って起立するよう配管されている。
【0025】
第1の排気通路6の上流端には、管径が拡開形成された排気管接続部11がフレキシブルチューブ10を介して連結されている。排気管接続部11の内部には、エンジン60の排気管61を接離自在に嵌合保持する内挿管12がブラケット13を介して支持されている。また、排気管接続部11の内部において、内挿管12との間には所定の間隙が形成されており、この間隙が、第1の排気通路6内に外気を取り入れるための外気取入口14として設定されている。
【0026】
また、第1の排気通路6の起立された管路の中途には、排気ガス浄化手段としての浄化装置15と、冷却手段としての冷却コイル16とが順に介装され、さらに、第1の排気通路6の下流端には、ファンとしてのブースタファン17が連結されている。
【0027】
浄化装置15は、第1の排気通路6に導入された排気ガスを浄化するためのもので、例えば四輪車や二輪車等に採用される車載用の三元触媒からなる2個の触媒20と、これらを第1の排気通路6の中途に並列に接続する一対のマニホルド21とを有して構成されている。ここで、浄化装置15に用いられる触媒20は、試験対象となるエンジン60の排気特性に対応すべく、当該エンジン60を搭載する実車に用いられる触媒を適宜採用することが望ましい。この点を考慮し、本実施の形態では、浄化装置15の両端が第1の排気通路6にフランジ結合されており、これにより、浄化装置15は、試験対象となるエンジン60に応じて適宜交換可能となっている。また、浄化装置15において、劣化した触媒20を適宜交換可能とすべく、触媒20の両端はマニホルド21にフランジ結合されている。なお、試験対象となるエンジン60の排気量等に応じて、第1の排気通路6の中途に(並列に)接続する触媒20の数を1個、または、3個以上に設定して浄化装置15を構成してもよいことは勿論である。この場合、例えば、浄化装置15を、2個以上の複数の触媒20と、これらを第1の排気通路6の中途に並列に接続する一対のマニホルド21とを有して構成し、エンジン60の排気量が低い場合には、所定個数の触媒20を予め用意した図示しないダミー触媒に適宜交換して両マニホルド21間の連通を部分的に遮断させてもよい。このように構成すれば、複数種類のマニホルド21を用意することなく、浄化装置15の浄化能力を可変設定することができる。
【0028】
冷却コイル16は、浄化装置15を通過後の排気ガスを冷却するためのもので、例えば水冷式の冷却コイルで構成されている。この冷却コイル16に冷却水を循環する冷却水通路25には、当該冷却水通路25内を流通する冷却水の水量を制御するための電磁弁26が介装されている。そして、この電磁弁26は後述する制御装置40で制御されることによって、冷却コイル16の冷却能力を可変制御するようになっている。なお、本実施の形態においては、冷却コイル16が過給機付エンジンの全開運転試験時の排気ガス温度(例えば、700℃)にも対応した十分な冷却能力を確保し得るよう、冷却水通路25内を流通する冷却水の最大流量が、例えば160l/minに設定されている。
【0029】
ブースタファン17は、外気取入口14から導入される外気を排気ガスとともに吸引するためのもので、これにより、第1の排気通路6に導入された排気ガスが外気で希釈されて浄化装置15に導かれるようになっている。このブースタファン17を駆動するモータ27は制御装置40で制御され、これにより、外気取入口14から第1の排気通路6内に導入される外気の量が可変制御されるようになっている。なお、図中符号28は、ブースタファン17の低回転時における過熱を防止すべく、必要に応じてブースタファン17に冷却風を送風するためのブースタ冷却用ファンを示す。ここで、本実施の形態においては、過給機付きエンジンの全開運転試験時の排気ガスの排出量(例えば、20m3/min)にも対応し得るよう、ブースタファン17の諸元は、例えば、最大送風量30m3/min、最大静圧2.0KPaに設定されている。
【0030】
第2の排気通路7は、上流端が試験室51内に臨まされているとともに、下流端が機械室52を経由して実験棟50の外部に露呈されるよう配管されている。
【0031】
第2の排気通路7の上流端には、管径が拡開形成された接続部30が連結されており、この接続部30の内部に、ブースタファン17の吐出ポート17aが臨まされている。また、接続部30の内部において吐出ポート17aの周囲は外気取入口31として設定されており、これにより、第2の排気通路7内には、吐出ポート17aから吐出された排気ガスとともに外気が導入されるようになっている。
【0032】
また、機械室52内において、第2の排気通路7の中途には、消音チャンバ35と、排気ファン36とが介装されている。ここで、排気ファン36を駆動するモータ37は制御装置40で制御され、これにより外気取入口31から第2の排気通路7内に導入される外気の量が可変制御されるようになっている。なお、本実施の形態において、排気ファン36の諸元は、例えば、最大送風量50m3/min、最大静圧1.7KPaに設定されている。また、図中符号45は、第2の排気通路7の温度が設定温度以上の高温となった際に、当該第2の排気通路7の中途を閉塞して試験室51内を密閉するための防火ダンパーである。
【0033】
制御装置40は、計測室53内に配設されている。制御装置40には、浄化装置15の直上流、浄化装置15の直下流、及び、冷却コイル16の直下流で排気ガス温度をそれぞれ検出するための温度センサ41,42,43が接続されている。
【0034】
そして、制御装置40は、例えば、温度センサ41で検出された浄化装置15の直上流の排気ガス温度に基づいてモータ27を可変制御することでファン制御手段としての機能を実現するとともに、温度センサ43で検出された冷却コイル16の直下流の排気ガス温度に基づいて電磁弁26を可変制御することで冷却制御手段としての機能を実現する。
【0035】
具体的には、制御装置40は、例えば、浄化装置15の直上流の排気ガス温度(触媒20に流入する排気ガス温度)に基づいてモータ27をフィードバック制御することにより、ブースタファン17で吸引されて外気取入口14から第1の排気通路6内に導入される外気の量を可変制御する。この場合、具体的には、エンジン60から排出される排気ガスの温度及び流量が増大する程、第1の排気通路6内に導入される外気量が増大される。そして、この導入外気量の可変制御によって排気ガスの希釈状態を制御し、触媒20に導入される排気ガス温度を例えば300℃に制御するようになっている。また、制御装置40は、例えば、冷却コイル16の直下流の排気ガス温度に基づいて電磁弁26をフィードバック制御することにより、冷却水通路25を流通する冷却水の水量を可変制御する。そして、この冷却水水量によって冷却コイル16の冷却能力を制御し、冷却コイル16を通過後の排気ガス温度を例えば150℃以下に維持するようになっている。
【0036】
また、制御装置40は、温度センサ41,42で検出された浄化装置15の直上下流の排気ガス温度に基づいて触媒20の活性化状態を監視するようになっている。さらに、制御装置40は、図示しない各種センサ類からの入力や作業者等による設定等に基づいて、ブースタ冷却用ファン28のモータ28aや排気ファン36のモータ37等を駆動制御するようになっている。
【0037】
このような構成による排気ガス処理装置1において、エンジン60の排気管61から排出され排気管接続部11を介して第1の排気通路6内に導入された排気ガスは、ブースタファン17の吸引により外気取入口14から導入された外気で希釈され、所定の温度(例えば、300℃)に調温された後、触媒20に導かれてNOx,CO,HC等の有害物質が浄化される。
【0038】
そして、触媒20での触媒反応によって昇温された排気ガスは、冷却コイル16に導かれ、所定の温度(例えば、150℃以下)まで冷却された後、ブースタファン17を経て第2の排気通路7の接続部30に導かれる。
【0039】
そして、接続部30に導入された排気ガスは、排気ファン36の吸引によって外気取入口31から導入された外気でさらに希釈され、十分に冷却された後、消音チャンバ35に導かれる。その際、排気ガスは、試験室51から機械室52へと第2の排気通路7内を流通するが、冷却コイル16による冷却及び、外気取入口31から導入された外気での希釈によって十分に冷却されているため、試験室51と機械室52との隔壁等を過熱することなく、消音チャンバ35に導入される。
【0040】
そして、消音チャンバ35内に導入された排気ガスは、エンジン60による脈動等が吸収された後、排気ファン36に導かれ、第2の排気通路7の下流端から実験棟50外に排気される。
【0041】
このような実施の形態によれば、車載用の三元触媒等からなる触媒20を用いて小型な浄化装置15を構成することにより、浄化装置15を試験室51内に容易に配設することができる。その際、浄化装置15を冷却コイル16やブースタファン17とともに第1の排気通路6の起立した管路に介装することにより、浄化装置15を効率よく試験室51内に配置することができる。そして、浄化装置15を試験室51内に配設することにより、浄化装置15に導入する前の排気ガスを必要以上に冷却したり再加熱する必要がなくなり、排気ガス処理装置1を簡素且つ安価に構成でき、さらに、ランニングコストの低減等を実現することができる。また、車載用の三元触媒等からなる触媒20をそのまま用いて浄化装置15を構成することは、排気ガス処理装置1に専用の触媒等を用意する必要がなく、製造コストのさらなる低減を実現することができる。
【0042】
また、複数の触媒20を並列に用いて浄化装置15を構成することにより、排気ガス浄化処理時の各触媒20への負荷を低減することができ、長時間のエンジン全開試験等にも十分に耐え得る構成とすることができる。
【0043】
また、浄化装置15の下流側に外気取入口14を設け、この外気取入口14から導入される外気をブースタファン17によって第1の排気通路6内に吸引する構成とすることにより、浄化装置15に導入する排気ガスを希釈することができ、各触媒20への負荷をより効果的に低減することができる。その際、ブースタファン17の吸引によって外気取入口14から導入する外気の量を可変制御し、浄化装置15に導入する排気ガス温度を制御することにより、触媒20の過熱等を防止して、常に適切な活性化温度で触媒20を作用させることができる。
【0044】
また、浄化装置15を通過後の排気ガスを冷却する冷却コイル16を試験室51内に配設することにより、浄化装置15での触媒反応によって高温となった排気ガスを十分に冷却して試験室51外に導出することができる。その際、冷却コイル16に循環する冷却水の水量を調節して冷却コイル16の冷却能力を可変制御することにより、排気ガスを効率的に冷却することができる。
【0045】
次に、図2は本発明の第2の実施の形態を示し、図2は実験棟内に構成した排気ガス処理装置の概略構成図である。なお、本実施の形態ではブースタファン17による制御を浄化装置15に流入する排気ガスの空燃比に基づいて行う点、及び、第1の排気通路6に外気を導入するための外気取入口の開口量を排気ガスの空燃比の基づいて変更する点が上述の第1の実施の形態と主として異なる。その他、同様な点の構成については同符号を付して説明を省略する。
【0046】
図示のように、第1の排気通路6の上流端には、管径が拡開形成された排気管接続部70がフレキシブルチューブ10を介して接続されている。排気管接続部11の内部には、エンジン60の排気管61を接離自在に嵌合保持する内挿管12がブラケット13を介して支持されている。また、排気管接続部11の内部において、内挿管12との間には所定の間隙が形成されており、この間隙が、第1の排気通路6内に外気を取り入れるための第1の外気取入口71として設定されている。ここで、第1の外気取入口71は、エンジン60の始動時等に必要最低限の外気を導入可能な取入口に構成されている。すなわち、本実施の形態においては、排気管接続部70の管径が、上述の第1の実施の形態の排気管接続部11に比して小径なもので構成されている。
【0047】
また、フレキシブルチューブ10の直下流には、第2の外気取入口72が開口され、この第2の外気取入口72内に、当該第2の外気取入口72の開口量を変更する開口量変更手段としてのダンパ73が設けられている。このダンパ73を駆動するモータ74は制御装置40で制御され、これにより、第2の外気取入口72の開口量が変更されるようになっている。
【0048】
また、第1の排気通路6には、第1,第2の外気取入口71,72の近傍の圧力(排気圧力)を検出する気圧センサ75と、浄化装置15の直下流の圧力(排気圧力)を検出する気圧センサ76と、浄化装置15に流入する排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ77とが設けられ、各センサからの信号が制御装置40に入力されるようになっている。
【0049】
本実施の形態において、制御装置40は、空燃比センサ77で検出された排気ガスの空燃比に基づいてモータ27を可変制御することでファン制御手段としての機能を実現するとともに、温度センサ43で検出された冷却コイル16の直下流の排気ガス温度に基づいて電磁弁26を可変制御することで冷却制御手段としての機能を実現する。さらに、制御装置40は、主として空燃比センサ77で検出された排気ガスの空燃比に基づいてモータ74を可変制御することで開口量変更制御手段としての機能を実現する。さらにまた、制御装置40は、気圧センサ75,76で検出された浄化装置15の上下流の圧力差に基づいて、触媒20のつまり、閉塞、或いは、破損状態を判定する劣化判定手段としての機能を実現する。
【0050】
具体的には、制御装置40は、例えば、空燃比センサ77で検出された空燃比(浄化装置15に流入する排気ガスの空燃比)に基づいてモータ27をフィードバック制御することにより、ブースタファン17による送風量を可変制御する。同時に、制御装置40は、例えば、空燃比センサ77で検出された空燃比に基づいてモータ74をフィードバック制御することにより、ダンパ73による第2の外気取入口72の開口量を変更する。その際、制御装置40は、これらの制御を協働して行うことにより、第1,第2の外気取入口71,72近傍の気圧(すなわち、排気管61の下流端近傍の気圧)を大気圧近傍の設定気圧内(設定負圧内)に維持した状態で、第1の排気通路6内に導入される外気の量を可変制御する。この場合、具体的には、エンジン60から排出される排気ガスの空燃比がリッチ側へと移行する程、第1の排気通路6内に導入される外気量が増大され、また、エンジン60から排出される排気ガスの流量が増大する程、第1の排気通路6内に導入される外気量が増大される。そして、この導入外気量の可変制御によって排気ガスの希釈状態が制御され、触媒20に導入される排気ガスの空燃比が例えば理論空燃比(A/F=14.5〜14.7)に制御されるようになっている。
【0051】
ここで、本実施の形態においては、ブースタファン17による送風量の下限値が設定されており、アイドル時等のようにエンジン60から排出される排気ガスの量が極端に少ない場合には、ブースタファン17による送風量を上記下限値に保持することにより、第1,第2の外気取入口71,72から排気ガスが実験室51内に漏洩することを防止するようになっている。
【0052】
なお、制御装置40は、上記空燃比に基づいて、モータ27或いはモータ74を適宜選択的に制御することによって、触媒20に導入される排気ガスの空燃比を制御してもよい。
【0053】
また、制御装置40は、気圧センサ75,76で検出された気圧の差圧に基づいて浄化装置15の流路抵抗を求め、この流路抵抗から、煤等によるつまり、閉塞、破損等に起因する触媒20の劣化状態を検出するようになっている。
【0054】
このような構成による排気ガス処理装置1において、エンジン60の排気管61から排出され排気管接続部70を介して第1の排気通路6内に導入された排気ガスは、ブースタファン17の吸引により第1,第2の外気取入口71,72から導入された外気で希釈され、所定の空燃比(例えば、理論空燃比)に調節された後、触媒20に導かれてNOx,CO,HC等の有害物質が浄化される。
【0055】
そして、触媒20での触媒反応によって昇温された排気ガスは、冷却コイル16に導かれ、所定の温度(例えば、150℃以下)まで冷却された後、ブースタファン17を経て第2の排気通路7の接続部30に導かれる。
【0056】
そして、接続部30に導入された排気ガスは、排気ファン36の吸引によって外気取入口31から導入された外気でさらに希釈され、十分に冷却された後、消音チャンバ35に導かれる。
【0057】
そして、消音チャンバ35内に導入された排気ガスは、エンジン60による脈動等が吸収された後、排気ファン36に導かれ、第2の排気通路7の下流端から実験棟50外に排気される。
【0058】
このような実施の形態によれば、上述の第1の実施の形態と略同様の効果を得ることができる。この場合、特に、ブースタファン17を空燃比に基づいて制御する構成としたことにより、触媒20の浄化作用をより効果的に行うことができる。
【0059】
また、ブースタファン17の制御と同時にダンパ73の制御を行うことによって、第1,第2の外気取入口71,72によるトータルの開口量を常にブースタファン17による送風量に応じた適切な開口量に制御することができ、排気管61の下流端近傍の気圧を大気圧近傍の設定気圧内(設定負圧内)に維持することができる。従って、例えば、エンジン60のアイドル時等においては、ブースタファン17の送風量が減少することに起因して第1,第2の外気取入口71,72から排気ガスが漏洩することを防止できる。また、例えば、エンジン60の高負荷高回転時等においては、ブースタファン17の送風量が増大することに起因してエンジン60の排気管61内を極端な負圧状態とすることを防止でき、エンジン60の排気特性が実際の使用時等に比べて向上することに起因する実験データの誤差を低減することができる。
【0060】
また、浄化装置15の上流側と下流側との圧力差に基づいて、触媒20の劣化状態を監視することにより、浄化装置15を常に良好な状態で作用させることができる。
【0061】
ここで、本実施の形態においては、ブースタファン17(及びダンパ73)の作用によって、浄化装置15への排気ガスの空燃比を理論空燃比よりもリッチ側の空燃比(例えば、A/F=15以上の所定値)に制御することにより、CO,HCを浄化するためのいわゆる酸化触媒として触媒20(三元触媒)を作用させることも可能である。
【0062】
また、制御装置40に切換スイッチを設け、ブースタファン17及びダンパ73の制御を、排気ガスの空燃比によるものから温度によるものへと適宜切換えられるよう構成してもよい。すなわち、モータ27及びモータ74の制御を、例えば、浄化装置15の直上流の排気ガス温度に基づいてそれぞれフィードバック制御してもよい。この場合においても、モータ27,74の制御は、協働して行われてもよいし、適宜選択的に行われてもよい。
【0063】
また、制御装置40におけるダンパ73の制御を、上述の空燃比或いは排気ガス温度に基づく制御に代えて、例えば、気圧センサ75で検出された気圧(第1,第2の外気取入口71,72近傍の気圧)に基づき、当該気圧が大気圧近傍の設定気圧内に維持されるようフィードバック制御してもよい。このような制御を行った場合であっても、空燃比或いは排気ガス温度に基づいてブースタファン17による送風量が増減された際には、これに略連動して第2の外気取入口72の開口量を増減させることができる。
【0064】
なお、上述の各実施の形態において、エンジン60の運転試験を行う実験棟50に排気ガス処理装置1を構成した一例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、車両の模擬走行試験等を行う実験棟等の排気ガス処理装置に本発明を適用させてもよいことは勿論である。
【0065】
また、上述の各実施の形態では、試験室51に機械室52と計測室53とが併設された実験棟50に排気ガス処理装置1を適用した一例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第2の排気通路以降の構成を省略し、試験室から屋外に直接排気ガスを排出するよう第1の排気通路を配管することにより、機械室等を試験室に併設して有さない比較的小規模の修理工場等にも排気ガス処理装置を適用することが可能である。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、簡単な構成で安価に製造することができ、しかも、安価なランニングコストで排気ガスを浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係り、実験棟内に構成した排気ガス処理装置の概略構成図
【図2】本発明の第2の実施の形態に係り、実験棟内に構成した排気ガス処理装置の概略構成図
【符号の説明】
1 … 排気ガス処理装置
5 … 排気通路
14 … 外気取入口
15 … 浄化装置(排気ガス浄化手段)
16 … 冷却コイル(冷却手段)
17 … ブースタファン(ファン)
20 … 触媒(車載用の触媒)
21 … マニホルド
40 … 制御装置(冷却制御手段、ファン制御手段、開口量変更制御手段、劣化判定手段)
51 … 試験室
51a … 壁面
60 … エンジン
71 … 第1の外気取入口(外気取入口)
72 … 第2の外気取入口(外気取入口)
73 … ダンパ(開口量変更手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの運転試験設備や車両の模擬走行試験設備等の試験室内でエンジンから排出される排気ガスを処理する排気ガス処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、エンジンの運転試験設備や車両の模擬走行試験設備等の各種試験設備においては、エンジン駆動時に排気ガスが試験室内に充満することを防止するため、エンジンから排出される排気ガスを排気通路を介して屋外に導く排気ガス処理装置が設けられている。
【0003】
この種の排気ガス処理装置において、屋外に排出する前の排気ガスを排気通路の中途で浄化することを目的として、例えば、非特許文献1には、黒煙粒子を捕捉して燃焼除去するとともに添着触媒で炭化水素や一酸化炭素を除去する触媒添着DPF(排気微粒子補集装置、Diezel Particulate Filter)と、尿素水を用いて窒素酸化物を除去する選択接触還元脱硝触媒(SCR:Selective Catalytic Reduction)とを排気通路の中途に介装した技術が開示されている。
【0004】
【非特許文献1】
三機工業株式会社「SANKI zeus エンジン排ガス総合処理装置」カタログ、2001年8月1日
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の非特許文献1に開示されているように、触媒添着DPFや選択触媒還元脱硝触媒等のような専用の浄化装置を排気通路に設けることは、排気ガス処理装置の製造コストの高騰を招く。
【0006】
また、上述の非特許文献1に開示された触媒添着DPFや選択接触還元脱硝触媒の浄化装置は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等に広く適用させることを目的として構成されているため、構造が複雑且つ大型なものとなる。例えば選択触媒還元脱硝触媒は、その適用範囲を拡大すべく浄化処理に尿素水を用いる構成であるため、構造が複雑且つ大型化する。従って、浄化装置は、スペース上の問題等から、試験室に併設された機械室に配設されることが一般的であるが、このように浄化装置を機械室に配設することは、排気ガス処理装置の更なる構造の複雑化等を招き、製造コストの高騰や、排気ガス処理時のランニングコストの高騰等を招く虞がある。すなわち、排気ガスを排気通路によって試験室側から機械室側に導く際には防災上の制約から排気ガス温度を所定以下まで冷却する必要があり、その反面、各浄化装置を効率的に作用させるためには排気ガス温度を所定以上の高温とすることが望ましい。従って、上述の非特許文献1の技術において、これらの要求を満たすためには、試験室側で冷却された排気ガスを機械室側で再加熱するための加熱手段を設ける必要があり、排気ガス処理装置の構造の複雑化や製造コストの高騰を招く。また、一旦冷却した排気ガスを再加熱することはランニングコストの高騰等につながる。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、簡単な構成で安価に製造することができ、安価なランニングコストで排気ガスを浄化することのできる排気ガス処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明による排気ガス処理装置は、試験室内で駆動するエンジンから排出される排気ガスを屋外に導く排気通路と、車載用の触媒を有して構成され上記試験室内で上記排気通路に介装された排気ガス浄化手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2記載の発明による排気ガス処理装置は、請求項1記載の発明において、上記排気ガス浄化手段は上記触媒を複数有し、これら複数の触媒が上記排気通路に並列に介装されていることを特徴とする。
【0010】
また、請求項3記載の発明による排気ガス処理装置は、請求項2記載の発明において、上記排気ガス浄化手段は、複数の上記触媒を適宜ダミー触媒に交換することで浄化能力を可変に設定可能であることを特徴とする。
【0011】
また、請求項4記載の発明による排気ガス処理装置は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の発明において、上記試験室内で上記排気通路に介装され、上記排気ガス浄化手段を通過後の排気ガスを冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項5記載の発明による排気ガス処理装置は、請求項4記載の発明において、上記冷却手段の冷却能力を可変制御して上記冷却手段を通過後の排気ガス温度を制御する冷却制御手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項6記載の発明による排気ガス処理装置は、請求項1乃至請求項5の何れかに記載の発明において、上記排気ガス浄化手段の上流側に開口された外気取入口と、上記外気取入口から導入される外気を排気ガスとともに上記排気通路内に吸引するファンとを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項7記載の発明による排気ガス処理装置は、請求項6記載の発明において、上記ファンの吸引によって上記外気取入口から導入される外気の量を可変制御するファン制御手段を有し、上記ファン制御手段は、上記外気取入口から導入される外気量を可変制御することによって、上記排気ガス浄化手段に流入する排気ガス温度を設定値に制御することを特徴とする。
【0015】
また、請求項8記載の発明による排気ガス処理装置は、請求項6記載の発明において、上記ファンの吸引によって上記外気取入口から導入される外気の量を可変制御するファン制御手段を有し、上記ファン制御手段は、上記外気取入口から導入される外気量を可変制御することによって、上記排気ガス浄化手段に流入する排気ガスの空燃比を設定値に制御することを特徴とする。
【0016】
また、請求項9記載の発明による排気ガス処理装置は、請求項6乃至請求項8の何れかに記載の発明において、上記外気取入口の開口量を変更する開口量変更手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、請求項10記載の発明による排気ガス処理装置は、請求項9記載の発明において、上記開口量変更手段による上記外気取入口の開口量を可変制御する開口量変更制御手段を有し、上記開口量変更制御手段は、上記外気取入口の開口量を可変制御することによって、上記排気ガス浄化手段に流入する排気ガス温度を設定値に制御することを特徴とする。
【0018】
また、請求項11記載の発明による排気ガス処理装置は、請求項9記載の発明において、上記開口量変更手段による上記外気取入口の開口量を可変制御する開口量変更制御手段を有し、上記開口量変更制御手段は、上記外気取入口の開口量を可変制御することによって、上記排気ガス浄化手段に流入する排気ガスの空燃比を設定値に制御することを特徴とする。
【0019】
また、請求項12記載の発明による排気ガス処理装置は、請求項9記載の発明において、上記開口量変更手段による上記外気取入口の開口量を可変制御する開口量変更制御手段を有し、上記開口量変更制御手段は、上記外気取入口の開口量を可変制御することによって、上記外気取入口近傍の圧力を大気圧近傍の設定圧力内に維持することを特徴とする。
【0020】
また、請求項13記載の発明による排気ガス処理装置は、請求項1乃至請求項12の何れかに記載の発明において、上記排気ガス浄化手段の上流側と下流側との圧力差に基づいて、上記触媒のつまり、閉塞、或いは破損状態を判定する劣化判定手段を備えたことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係わり、図1は実験棟内に構成した排気ガス処理装置の概略構成図である。
【0022】
ここで、本実施の形態においては、試験対象となるエンジン60を収容する試験室51と、この試験室51の上階に併設された機械室52と、試験室51に隣接して併設された計測室53とを有する実験棟50に、排気ガス処理装置1を設けた一例について説明する。
【0023】
図1に示すように、排気ガス処理装置1は、エンジン60からの排気ガスを試験室51から機械室52を経て屋外に導く排気通路5を有し、排気通路5は、試験室51内に配設されエンジン60の直後に設けられた第1の排気通路6と、この第1の排気通路6の下流側に接続され試験室51から機械室52にかけて配設された第2の排気通路7とを有して構成されている。
【0024】
第1の排気通路6は、内径が例えば300mmの管路で構成され、上流側が試験室51の床面に沿って配管されているとともに、下流側が試験室51の壁面51aに沿って起立するよう配管されている。
【0025】
第1の排気通路6の上流端には、管径が拡開形成された排気管接続部11がフレキシブルチューブ10を介して連結されている。排気管接続部11の内部には、エンジン60の排気管61を接離自在に嵌合保持する内挿管12がブラケット13を介して支持されている。また、排気管接続部11の内部において、内挿管12との間には所定の間隙が形成されており、この間隙が、第1の排気通路6内に外気を取り入れるための外気取入口14として設定されている。
【0026】
また、第1の排気通路6の起立された管路の中途には、排気ガス浄化手段としての浄化装置15と、冷却手段としての冷却コイル16とが順に介装され、さらに、第1の排気通路6の下流端には、ファンとしてのブースタファン17が連結されている。
【0027】
浄化装置15は、第1の排気通路6に導入された排気ガスを浄化するためのもので、例えば四輪車や二輪車等に採用される車載用の三元触媒からなる2個の触媒20と、これらを第1の排気通路6の中途に並列に接続する一対のマニホルド21とを有して構成されている。ここで、浄化装置15に用いられる触媒20は、試験対象となるエンジン60の排気特性に対応すべく、当該エンジン60を搭載する実車に用いられる触媒を適宜採用することが望ましい。この点を考慮し、本実施の形態では、浄化装置15の両端が第1の排気通路6にフランジ結合されており、これにより、浄化装置15は、試験対象となるエンジン60に応じて適宜交換可能となっている。また、浄化装置15において、劣化した触媒20を適宜交換可能とすべく、触媒20の両端はマニホルド21にフランジ結合されている。なお、試験対象となるエンジン60の排気量等に応じて、第1の排気通路6の中途に(並列に)接続する触媒20の数を1個、または、3個以上に設定して浄化装置15を構成してもよいことは勿論である。この場合、例えば、浄化装置15を、2個以上の複数の触媒20と、これらを第1の排気通路6の中途に並列に接続する一対のマニホルド21とを有して構成し、エンジン60の排気量が低い場合には、所定個数の触媒20を予め用意した図示しないダミー触媒に適宜交換して両マニホルド21間の連通を部分的に遮断させてもよい。このように構成すれば、複数種類のマニホルド21を用意することなく、浄化装置15の浄化能力を可変設定することができる。
【0028】
冷却コイル16は、浄化装置15を通過後の排気ガスを冷却するためのもので、例えば水冷式の冷却コイルで構成されている。この冷却コイル16に冷却水を循環する冷却水通路25には、当該冷却水通路25内を流通する冷却水の水量を制御するための電磁弁26が介装されている。そして、この電磁弁26は後述する制御装置40で制御されることによって、冷却コイル16の冷却能力を可変制御するようになっている。なお、本実施の形態においては、冷却コイル16が過給機付エンジンの全開運転試験時の排気ガス温度(例えば、700℃)にも対応した十分な冷却能力を確保し得るよう、冷却水通路25内を流通する冷却水の最大流量が、例えば160l/minに設定されている。
【0029】
ブースタファン17は、外気取入口14から導入される外気を排気ガスとともに吸引するためのもので、これにより、第1の排気通路6に導入された排気ガスが外気で希釈されて浄化装置15に導かれるようになっている。このブースタファン17を駆動するモータ27は制御装置40で制御され、これにより、外気取入口14から第1の排気通路6内に導入される外気の量が可変制御されるようになっている。なお、図中符号28は、ブースタファン17の低回転時における過熱を防止すべく、必要に応じてブースタファン17に冷却風を送風するためのブースタ冷却用ファンを示す。ここで、本実施の形態においては、過給機付きエンジンの全開運転試験時の排気ガスの排出量(例えば、20m3/min)にも対応し得るよう、ブースタファン17の諸元は、例えば、最大送風量30m3/min、最大静圧2.0KPaに設定されている。
【0030】
第2の排気通路7は、上流端が試験室51内に臨まされているとともに、下流端が機械室52を経由して実験棟50の外部に露呈されるよう配管されている。
【0031】
第2の排気通路7の上流端には、管径が拡開形成された接続部30が連結されており、この接続部30の内部に、ブースタファン17の吐出ポート17aが臨まされている。また、接続部30の内部において吐出ポート17aの周囲は外気取入口31として設定されており、これにより、第2の排気通路7内には、吐出ポート17aから吐出された排気ガスとともに外気が導入されるようになっている。
【0032】
また、機械室52内において、第2の排気通路7の中途には、消音チャンバ35と、排気ファン36とが介装されている。ここで、排気ファン36を駆動するモータ37は制御装置40で制御され、これにより外気取入口31から第2の排気通路7内に導入される外気の量が可変制御されるようになっている。なお、本実施の形態において、排気ファン36の諸元は、例えば、最大送風量50m3/min、最大静圧1.7KPaに設定されている。また、図中符号45は、第2の排気通路7の温度が設定温度以上の高温となった際に、当該第2の排気通路7の中途を閉塞して試験室51内を密閉するための防火ダンパーである。
【0033】
制御装置40は、計測室53内に配設されている。制御装置40には、浄化装置15の直上流、浄化装置15の直下流、及び、冷却コイル16の直下流で排気ガス温度をそれぞれ検出するための温度センサ41,42,43が接続されている。
【0034】
そして、制御装置40は、例えば、温度センサ41で検出された浄化装置15の直上流の排気ガス温度に基づいてモータ27を可変制御することでファン制御手段としての機能を実現するとともに、温度センサ43で検出された冷却コイル16の直下流の排気ガス温度に基づいて電磁弁26を可変制御することで冷却制御手段としての機能を実現する。
【0035】
具体的には、制御装置40は、例えば、浄化装置15の直上流の排気ガス温度(触媒20に流入する排気ガス温度)に基づいてモータ27をフィードバック制御することにより、ブースタファン17で吸引されて外気取入口14から第1の排気通路6内に導入される外気の量を可変制御する。この場合、具体的には、エンジン60から排出される排気ガスの温度及び流量が増大する程、第1の排気通路6内に導入される外気量が増大される。そして、この導入外気量の可変制御によって排気ガスの希釈状態を制御し、触媒20に導入される排気ガス温度を例えば300℃に制御するようになっている。また、制御装置40は、例えば、冷却コイル16の直下流の排気ガス温度に基づいて電磁弁26をフィードバック制御することにより、冷却水通路25を流通する冷却水の水量を可変制御する。そして、この冷却水水量によって冷却コイル16の冷却能力を制御し、冷却コイル16を通過後の排気ガス温度を例えば150℃以下に維持するようになっている。
【0036】
また、制御装置40は、温度センサ41,42で検出された浄化装置15の直上下流の排気ガス温度に基づいて触媒20の活性化状態を監視するようになっている。さらに、制御装置40は、図示しない各種センサ類からの入力や作業者等による設定等に基づいて、ブースタ冷却用ファン28のモータ28aや排気ファン36のモータ37等を駆動制御するようになっている。
【0037】
このような構成による排気ガス処理装置1において、エンジン60の排気管61から排出され排気管接続部11を介して第1の排気通路6内に導入された排気ガスは、ブースタファン17の吸引により外気取入口14から導入された外気で希釈され、所定の温度(例えば、300℃)に調温された後、触媒20に導かれてNOx,CO,HC等の有害物質が浄化される。
【0038】
そして、触媒20での触媒反応によって昇温された排気ガスは、冷却コイル16に導かれ、所定の温度(例えば、150℃以下)まで冷却された後、ブースタファン17を経て第2の排気通路7の接続部30に導かれる。
【0039】
そして、接続部30に導入された排気ガスは、排気ファン36の吸引によって外気取入口31から導入された外気でさらに希釈され、十分に冷却された後、消音チャンバ35に導かれる。その際、排気ガスは、試験室51から機械室52へと第2の排気通路7内を流通するが、冷却コイル16による冷却及び、外気取入口31から導入された外気での希釈によって十分に冷却されているため、試験室51と機械室52との隔壁等を過熱することなく、消音チャンバ35に導入される。
【0040】
そして、消音チャンバ35内に導入された排気ガスは、エンジン60による脈動等が吸収された後、排気ファン36に導かれ、第2の排気通路7の下流端から実験棟50外に排気される。
【0041】
このような実施の形態によれば、車載用の三元触媒等からなる触媒20を用いて小型な浄化装置15を構成することにより、浄化装置15を試験室51内に容易に配設することができる。その際、浄化装置15を冷却コイル16やブースタファン17とともに第1の排気通路6の起立した管路に介装することにより、浄化装置15を効率よく試験室51内に配置することができる。そして、浄化装置15を試験室51内に配設することにより、浄化装置15に導入する前の排気ガスを必要以上に冷却したり再加熱する必要がなくなり、排気ガス処理装置1を簡素且つ安価に構成でき、さらに、ランニングコストの低減等を実現することができる。また、車載用の三元触媒等からなる触媒20をそのまま用いて浄化装置15を構成することは、排気ガス処理装置1に専用の触媒等を用意する必要がなく、製造コストのさらなる低減を実現することができる。
【0042】
また、複数の触媒20を並列に用いて浄化装置15を構成することにより、排気ガス浄化処理時の各触媒20への負荷を低減することができ、長時間のエンジン全開試験等にも十分に耐え得る構成とすることができる。
【0043】
また、浄化装置15の下流側に外気取入口14を設け、この外気取入口14から導入される外気をブースタファン17によって第1の排気通路6内に吸引する構成とすることにより、浄化装置15に導入する排気ガスを希釈することができ、各触媒20への負荷をより効果的に低減することができる。その際、ブースタファン17の吸引によって外気取入口14から導入する外気の量を可変制御し、浄化装置15に導入する排気ガス温度を制御することにより、触媒20の過熱等を防止して、常に適切な活性化温度で触媒20を作用させることができる。
【0044】
また、浄化装置15を通過後の排気ガスを冷却する冷却コイル16を試験室51内に配設することにより、浄化装置15での触媒反応によって高温となった排気ガスを十分に冷却して試験室51外に導出することができる。その際、冷却コイル16に循環する冷却水の水量を調節して冷却コイル16の冷却能力を可変制御することにより、排気ガスを効率的に冷却することができる。
【0045】
次に、図2は本発明の第2の実施の形態を示し、図2は実験棟内に構成した排気ガス処理装置の概略構成図である。なお、本実施の形態ではブースタファン17による制御を浄化装置15に流入する排気ガスの空燃比に基づいて行う点、及び、第1の排気通路6に外気を導入するための外気取入口の開口量を排気ガスの空燃比の基づいて変更する点が上述の第1の実施の形態と主として異なる。その他、同様な点の構成については同符号を付して説明を省略する。
【0046】
図示のように、第1の排気通路6の上流端には、管径が拡開形成された排気管接続部70がフレキシブルチューブ10を介して接続されている。排気管接続部11の内部には、エンジン60の排気管61を接離自在に嵌合保持する内挿管12がブラケット13を介して支持されている。また、排気管接続部11の内部において、内挿管12との間には所定の間隙が形成されており、この間隙が、第1の排気通路6内に外気を取り入れるための第1の外気取入口71として設定されている。ここで、第1の外気取入口71は、エンジン60の始動時等に必要最低限の外気を導入可能な取入口に構成されている。すなわち、本実施の形態においては、排気管接続部70の管径が、上述の第1の実施の形態の排気管接続部11に比して小径なもので構成されている。
【0047】
また、フレキシブルチューブ10の直下流には、第2の外気取入口72が開口され、この第2の外気取入口72内に、当該第2の外気取入口72の開口量を変更する開口量変更手段としてのダンパ73が設けられている。このダンパ73を駆動するモータ74は制御装置40で制御され、これにより、第2の外気取入口72の開口量が変更されるようになっている。
【0048】
また、第1の排気通路6には、第1,第2の外気取入口71,72の近傍の圧力(排気圧力)を検出する気圧センサ75と、浄化装置15の直下流の圧力(排気圧力)を検出する気圧センサ76と、浄化装置15に流入する排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ77とが設けられ、各センサからの信号が制御装置40に入力されるようになっている。
【0049】
本実施の形態において、制御装置40は、空燃比センサ77で検出された排気ガスの空燃比に基づいてモータ27を可変制御することでファン制御手段としての機能を実現するとともに、温度センサ43で検出された冷却コイル16の直下流の排気ガス温度に基づいて電磁弁26を可変制御することで冷却制御手段としての機能を実現する。さらに、制御装置40は、主として空燃比センサ77で検出された排気ガスの空燃比に基づいてモータ74を可変制御することで開口量変更制御手段としての機能を実現する。さらにまた、制御装置40は、気圧センサ75,76で検出された浄化装置15の上下流の圧力差に基づいて、触媒20のつまり、閉塞、或いは、破損状態を判定する劣化判定手段としての機能を実現する。
【0050】
具体的には、制御装置40は、例えば、空燃比センサ77で検出された空燃比(浄化装置15に流入する排気ガスの空燃比)に基づいてモータ27をフィードバック制御することにより、ブースタファン17による送風量を可変制御する。同時に、制御装置40は、例えば、空燃比センサ77で検出された空燃比に基づいてモータ74をフィードバック制御することにより、ダンパ73による第2の外気取入口72の開口量を変更する。その際、制御装置40は、これらの制御を協働して行うことにより、第1,第2の外気取入口71,72近傍の気圧(すなわち、排気管61の下流端近傍の気圧)を大気圧近傍の設定気圧内(設定負圧内)に維持した状態で、第1の排気通路6内に導入される外気の量を可変制御する。この場合、具体的には、エンジン60から排出される排気ガスの空燃比がリッチ側へと移行する程、第1の排気通路6内に導入される外気量が増大され、また、エンジン60から排出される排気ガスの流量が増大する程、第1の排気通路6内に導入される外気量が増大される。そして、この導入外気量の可変制御によって排気ガスの希釈状態が制御され、触媒20に導入される排気ガスの空燃比が例えば理論空燃比(A/F=14.5〜14.7)に制御されるようになっている。
【0051】
ここで、本実施の形態においては、ブースタファン17による送風量の下限値が設定されており、アイドル時等のようにエンジン60から排出される排気ガスの量が極端に少ない場合には、ブースタファン17による送風量を上記下限値に保持することにより、第1,第2の外気取入口71,72から排気ガスが実験室51内に漏洩することを防止するようになっている。
【0052】
なお、制御装置40は、上記空燃比に基づいて、モータ27或いはモータ74を適宜選択的に制御することによって、触媒20に導入される排気ガスの空燃比を制御してもよい。
【0053】
また、制御装置40は、気圧センサ75,76で検出された気圧の差圧に基づいて浄化装置15の流路抵抗を求め、この流路抵抗から、煤等によるつまり、閉塞、破損等に起因する触媒20の劣化状態を検出するようになっている。
【0054】
このような構成による排気ガス処理装置1において、エンジン60の排気管61から排出され排気管接続部70を介して第1の排気通路6内に導入された排気ガスは、ブースタファン17の吸引により第1,第2の外気取入口71,72から導入された外気で希釈され、所定の空燃比(例えば、理論空燃比)に調節された後、触媒20に導かれてNOx,CO,HC等の有害物質が浄化される。
【0055】
そして、触媒20での触媒反応によって昇温された排気ガスは、冷却コイル16に導かれ、所定の温度(例えば、150℃以下)まで冷却された後、ブースタファン17を経て第2の排気通路7の接続部30に導かれる。
【0056】
そして、接続部30に導入された排気ガスは、排気ファン36の吸引によって外気取入口31から導入された外気でさらに希釈され、十分に冷却された後、消音チャンバ35に導かれる。
【0057】
そして、消音チャンバ35内に導入された排気ガスは、エンジン60による脈動等が吸収された後、排気ファン36に導かれ、第2の排気通路7の下流端から実験棟50外に排気される。
【0058】
このような実施の形態によれば、上述の第1の実施の形態と略同様の効果を得ることができる。この場合、特に、ブースタファン17を空燃比に基づいて制御する構成としたことにより、触媒20の浄化作用をより効果的に行うことができる。
【0059】
また、ブースタファン17の制御と同時にダンパ73の制御を行うことによって、第1,第2の外気取入口71,72によるトータルの開口量を常にブースタファン17による送風量に応じた適切な開口量に制御することができ、排気管61の下流端近傍の気圧を大気圧近傍の設定気圧内(設定負圧内)に維持することができる。従って、例えば、エンジン60のアイドル時等においては、ブースタファン17の送風量が減少することに起因して第1,第2の外気取入口71,72から排気ガスが漏洩することを防止できる。また、例えば、エンジン60の高負荷高回転時等においては、ブースタファン17の送風量が増大することに起因してエンジン60の排気管61内を極端な負圧状態とすることを防止でき、エンジン60の排気特性が実際の使用時等に比べて向上することに起因する実験データの誤差を低減することができる。
【0060】
また、浄化装置15の上流側と下流側との圧力差に基づいて、触媒20の劣化状態を監視することにより、浄化装置15を常に良好な状態で作用させることができる。
【0061】
ここで、本実施の形態においては、ブースタファン17(及びダンパ73)の作用によって、浄化装置15への排気ガスの空燃比を理論空燃比よりもリッチ側の空燃比(例えば、A/F=15以上の所定値)に制御することにより、CO,HCを浄化するためのいわゆる酸化触媒として触媒20(三元触媒)を作用させることも可能である。
【0062】
また、制御装置40に切換スイッチを設け、ブースタファン17及びダンパ73の制御を、排気ガスの空燃比によるものから温度によるものへと適宜切換えられるよう構成してもよい。すなわち、モータ27及びモータ74の制御を、例えば、浄化装置15の直上流の排気ガス温度に基づいてそれぞれフィードバック制御してもよい。この場合においても、モータ27,74の制御は、協働して行われてもよいし、適宜選択的に行われてもよい。
【0063】
また、制御装置40におけるダンパ73の制御を、上述の空燃比或いは排気ガス温度に基づく制御に代えて、例えば、気圧センサ75で検出された気圧(第1,第2の外気取入口71,72近傍の気圧)に基づき、当該気圧が大気圧近傍の設定気圧内に維持されるようフィードバック制御してもよい。このような制御を行った場合であっても、空燃比或いは排気ガス温度に基づいてブースタファン17による送風量が増減された際には、これに略連動して第2の外気取入口72の開口量を増減させることができる。
【0064】
なお、上述の各実施の形態において、エンジン60の運転試験を行う実験棟50に排気ガス処理装置1を構成した一例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、車両の模擬走行試験等を行う実験棟等の排気ガス処理装置に本発明を適用させてもよいことは勿論である。
【0065】
また、上述の各実施の形態では、試験室51に機械室52と計測室53とが併設された実験棟50に排気ガス処理装置1を適用した一例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第2の排気通路以降の構成を省略し、試験室から屋外に直接排気ガスを排出するよう第1の排気通路を配管することにより、機械室等を試験室に併設して有さない比較的小規模の修理工場等にも排気ガス処理装置を適用することが可能である。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、簡単な構成で安価に製造することができ、しかも、安価なランニングコストで排気ガスを浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係り、実験棟内に構成した排気ガス処理装置の概略構成図
【図2】本発明の第2の実施の形態に係り、実験棟内に構成した排気ガス処理装置の概略構成図
【符号の説明】
1 … 排気ガス処理装置
5 … 排気通路
14 … 外気取入口
15 … 浄化装置(排気ガス浄化手段)
16 … 冷却コイル(冷却手段)
17 … ブースタファン(ファン)
20 … 触媒(車載用の触媒)
21 … マニホルド
40 … 制御装置(冷却制御手段、ファン制御手段、開口量変更制御手段、劣化判定手段)
51 … 試験室
51a … 壁面
60 … エンジン
71 … 第1の外気取入口(外気取入口)
72 … 第2の外気取入口(外気取入口)
73 … ダンパ(開口量変更手段)
Claims (13)
- 試験室内で駆動するエンジンから排出される排気ガスを屋外に導く排気通路と、
車載用の触媒を有して構成され、上記試験室内で上記排気通路に介装された排気ガス浄化手段とを備えたことを特徴とする排気ガス処理装置。 - 上記排気ガス浄化手段は上記触媒を複数有し、これら複数の触媒が上記排気通路に並列に介装されていることを特徴とする請求項1記載の排気ガス処理装置。
- 上記排気ガス浄化手段は、複数の上記触媒を適宜ダミー触媒に交換することで浄化能力を可変に設定可能であることを特徴とする請求項2記載の排気ガス処理装置。
- 上記試験室内で上記排気通路に介装され、上記排気ガス浄化手段を通過後の排気ガスを冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の排気ガス処理装置。
- 上記冷却手段の冷却能力を可変制御して上記冷却手段を通過後の排気ガス温度を制御する冷却制御手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の排気ガス処理装置。
- 上記排気ガス浄化手段の上流側に開口された外気取入口と、
上記外気取入口から導入される外気を排気ガスとともに上記排気通路内に吸引するファンとを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の排気ガス処理装置。 - 上記ファンの吸引によって上記外気取入口から導入される外気の量を可変制御するファン制御手段を有し、
上記ファン制御手段は、上記外気取入口から導入される外気量を可変制御することによって、上記排気ガス浄化手段に流入する排気ガス温度を設定値に制御することを特徴とする請求項6記載の排気ガス処理装置。 - 上記ファンの吸引によって上記外気取入口から導入される外気の量を可変制御するファン制御手段を有し、
上記ファン制御手段は、上記外気取入口から導入される外気量を可変制御することによって、上記排気ガス浄化手段に流入する排気ガスの空燃比を設定値に制御することを特徴とする請求項6記載の排気ガス処理装置。 - 上記外気取入口の開口量を変更する開口量変更手段を備えたことを特徴とする請求項6乃至請求項8の何れかに記載の排気ガス処理装置。
- 上記開口量変更手段による上記外気取入口の開口量を可変制御する開口量変更制御手段を有し、
上記開口量変更制御手段は、上記外気取入口の開口量を可変制御することによって、上記排気ガス浄化手段に流入する排気ガス温度を設定値に制御することを特徴とする請求項9記載の排気ガス処理装置。 - 上記開口量変更手段による上記外気取入口の開口量を可変制御する開口量変更制御手段を有し、
上記開口量変更制御手段は、上記外気取入口の開口量を可変制御することによって、上記排気ガス浄化手段に流入する排気ガスの空燃比を設定値に制御することを特徴とする請求項9記載の排気ガス処理装置。 - 上記開口量変更手段による上記外気取入口の開口量を可変制御する開口量変更制御手段を有し、
上記開口量変更制御手段は、上記外気取入口の開口量を可変制御することによって、上記外気取入口近傍の圧力を大気圧近傍の設定圧力内に維持することを特徴とする請求項9記載の排気ガス処理装置。 - 上記排気ガス浄化手段の上流側と下流側との圧力差に基づいて、上記触媒のつまり、閉塞、或いは破損状態を判定する劣化判定手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項12の何れかに記載の排気ガス処理装置。
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JP2002328595A JP2004162583A (ja) | 2002-11-12 | 2002-11-12 | 排気ガス処理装置 |
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JP2007316060A (ja) * | 2006-04-24 | 2007-12-06 | Johnson Matthey Plc | 粒子状物質の発生装置および捕集装置 |
-
2002
- 2002-11-12 JP JP2002328595A patent/JP2004162583A/ja active Pending
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