JP2004161836A - 環状オレフィン系共重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ノルボルネン系単量体(A)とアクリル酸エステル系単量体(B)とを、前記アクリル酸エステル系単量体(B)100モルに対して0.001〜1モルとなる量のルイス酸の存在下において、ラジカル重合開始剤を用いて共重合させること、
かつ、ルイス酸またはその溶液に、少なくとも前記単量体(B)を分割して、または連続的に供給することを特徴とする、ノルボルネン系単量体に基づく構造単位同士が隣接していない環状オレフィン系共重合体の製造方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は環状オレフィン系共重合体の製造方法に関する。さらに詳しくは、ノルボルネン系単量体とアクリル酸エステル系単量体とを、ルイス酸の存在下にラジカル重合することにより、ノルボルネン系単量体に基づく構造単位同士が隣接していない、即ち、ノルボルネン系単量体に基づく構造単位とアクリル酸エステル系単量体に基づく構造単位とが交互に配列した共重合体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂は、透明性等の光学特性に優れているため、照明器具、レンズ等の光学部品等の透明性を要求される成形品用樹脂として多く使用されている。しかし、アクリル系樹脂は、耐熱性が低い、および吸水性または吸湿性が高いため吸水または吸湿により変形しやすいとの問題点を有し、その使用できる用途に制限がある。
そこで、アクリル系樹脂の前記問題点を解消するために、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ノルボルネン系単量体、および無水マレイン酸等のノルボルネン系単量体とラジカル共重合可能な単量体の共重合体が提案されている(特開平4−63810号)。しかし、無水マレイン酸等の電子吸引性単量体を用いるため、電子吸引性単量体に基づく構造単位が共重合体の分子構造に導入され、着色または吸水(湿)性の増大という問題が生じることがあった、
また、メタクリル酸メチルとノルボルネン系単量体の共重合体が提案されている(特開平7−242711号)。しかし、前記共重合体の製造において、実際にはメタクリル酸メチルとほぼ等モルのルイス酸を使用しており、ルイス酸を多量に使用すると、ルイス酸の除去に多大の設備等を必要とすることの他に、得られる共重合体が着色するという問題が発生することがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来技術の問題点を解消するため、本発明の目的は、ノルボルネン系単量体に基づく構造単位とアクリル酸エステル系単量体に基づく構造単位を有し、ノルボルネン系単量体に基づく構造単位同士が隣接しておらず、ノルボルネン系単量体に基づく構造単位とアクリル酸エステル系単量体に基づく構造単位とが交互に配列した構造を有し、耐熱性が高く、かつ吸水(湿)性が低く、さらに透明性等の光学特性に優れ着色等の問題もない高分子量の環状オレフィン系共重合体を、ルイス酸の使用量を大幅に低減して、コスト面も含めて工業的に有利に製造できる方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討を進めた結果、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
下記一般式(1):
【0005】
【化2】
[式中、mおよびnは独立に0〜2の整数であり、R1、R2、R3およびR4は独立に水素原子;ハロゲン原子;式(1)記載の環構造へ、酸素、窒素、イオウもしくはケイ素を含む連結基を介して結合していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基;または極性基を表す]
で表される単量体(A)とアクリル酸エステル系単量体(B)とを、前記アクリル酸エステル系単量体(B)100モルに対して0.001〜1モルとなる量のルイス酸の存在下において、ラジカル重合開始剤を用いて共重合させること、
かつ、ルイス酸またはその溶液に、少なくとも前記単量体(B)を分割して、または連続的に供給することを特徴とする環状オレフィン系共重合体の製造方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明について、以下にさらに詳細に説明する。
<単量体(A)>
本発明で用いる単量体(A)は上記一般式(1)で表されるものである。
先ず、上記R1〜R4について説明する。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等のアリール基;メチルフェニル基、エチルフェニル基、イソプロピルフェニル基等のアルカリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;等があげられる。これらの炭化水素基の一部または全部の水素原子は置換されていてもよく、置換基としては、例えばフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基、フェニルスルホニル基等があげられる。
【0007】
また、上記の置換または非置換の炭化水素基は、直接環構造に結合していてもよいし、または、酸素、窒素、イオウまたはケイ素を含む連結基(linkage)を介して環構造に結合していてもよい。該連結基としては、例えば、カルボニル基(−C(=O)−)、カルボニルオキシ基(−C(=O)O−)、オキシカルボニル基(−OC(=O)−)、スルホニル基(−SO2−)、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、イミノ基(−NH−)、アミド結合(−NHCO−,−CONH−)、シロキサン結合(−OSi(R)2−)(式中、Rはメチル、エチル等のアルキル基)等が挙げられ、これらの複数を含む連結基であってもよい。
【0008】
さらに具体的には、上記連結基がエーテル結合(−O−)である場合の環構造への置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシル基;ペンタフルオロプロポキシ基、ヘプタフルオロプロポキシ基等のハロゲン置換アルコキシル基などが挙げられる。上記連結基がカルボニルオキシ基(−C(=O)O−)である場合の環構造への置換基としては、例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。上記連結基がオキシカルボニル基(−OC(=O)−)である場合の環構造への置換基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、トリフルオロエトキシカルボニル基等のアルキロキシカルボニル基;および、例えばフェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、フルオレニルオキシカルボニル基、ビフェニリルオキシカルボニル基等が挙げられる。上記連結基がシロキサン結合(−OSi(R)2−)(式中、Rはメチル、エチル等のアルキル基)である場合の環構造への置換基としては、例えば、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基等が挙げられる。
上記R1〜R4が極性基である例としては、例えば、水酸基、シアノ基(−CN)、アミド基(−CONH2)、アミノ基(−NH2)、カルボキシル基、イミド環含有基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基等のトリオルガノシリル基;トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等のトリアルコキシシリル基等が挙げられる。
【0009】
構造単位(A)を与える単量体(A)の具体例としては、例えば、以下に示すものを挙げることができるが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−イソプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−プロポキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−イソプロポキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
【0010】
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(4−メチルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(4−エチルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(4−イソプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
【0011】
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、 5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6 ]−8−デセン、
【0012】
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メトキシカルボニル[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニル[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニル[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
【0013】
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
【0014】
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
などを挙げることができる。これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
【0015】
これらの単量体のうち、
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−n−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−イソプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−n−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ベンジルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(メチルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(エチルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(イソプロピルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6 ]−8−デセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−プロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン
など、mまたはnが0または1であってm+nが0または1であり、R1〜R4が水素原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基であるものが、得られる共重合体の吸水性を低くすることができるので好ましい。
【0016】
さらに、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセンが、特に好ましく、これらの単量体を用いると高分子量且つ強靱な環状オレフィン系共重合体が得られる。
【0017】
また、構造単位(A)を得る単量体として、上記一般式(1)において、mおよびnが0であり、R1もしくはR2とR3もしくはR4とが直接結合して2重結合を含有する5員環を形成し、1分子中に2つの2重結合を有する化合物、例えば、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエンを用いてもよい。この場合、6員環側の2重結合がラジカル重合反応し、5員環側の2重結合が残存するが、5員環側のこの2重結合は共重合後に水素添加される必要があり、その結果、耐候性、熱安定性および透明性に優れる本発明の環状オレフィン系共重合体が得られる。
【0018】
<単量体(B)>
単量体(B)のアクリル酸エステル系単量体としては、下記一般式(2)〜一般式(6)で表される単量体を使用することができる。
【0019】
【化3】
[式中、R5は、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基または複素環式基を表す。]
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
[上記式(3)〜(6)中、mおよびnは独立に0〜2の整数であり、Xは、アクリロイル基側からみて、単結合または−(CH2)r−、−(C2H4O)r−、−(C3H6O)r−、もしくは−(C4H8O)r−(前記式中、rは1〜5の整数を表す)で表される二価の連結基を表し、R’およびR”は水素原子であり、R6、R7、R8およびR9は独立に水素原子またはメチル基であるが、但し、R’およびR”、R6〜R9のいずれか1つの基は前記Xにより置き換えられており、R10〜R15は独立に水素原子;ハロゲン原子;酸素、窒素、イオウもしくはケイ素を含む連結基を介して結合していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基;または極性基を表す。]
【0022】
上記一般式(2)で表される単量体(B)としては、例えば、メチルアクリレート等の炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状または環状アルキルアクリレート、2−テトラヒドロフルフリルアクリレート等の炭素原子数1〜20の複素環基含有アクリレート、ベンジルアクリレート等の炭素原子数1〜20の芳香族環基含有アクリレートが挙げられる。
上記一般式(3)〜(6)中のR10〜R13としては、上記一般式(1)のR1〜R4について例示したものと同じものを挙げられる。
上記単量体(B)のアクリル酸エステル系単量体のうち、上記一般式(3)〜(6)で表される脂環式アクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種を単量体(B)の少なくとも一部に使用することで、低吸水性・低吸湿性および他素材との親和性のバランスに優れた環状オレフィン系樹脂が得られ、この樹脂を原料とした成形品も同様な特性を有するものとなるので好ましい。
【0023】
上記一般式(3)〜(6)で表される脂環式アクリル酸エステルの具体例としては、以下に示すものが挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。また、これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
【0024】
【化6】
イソボルニルアクリレート
【0025】
【化7】
アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル、
【0026】
【化8】
アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカ−3−イル、
【0027】
【化9】
アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカ−4−イル、
【0028】
【化10】
アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカ−10−イル、
【0029】
【化11】
アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−メチル、
【0030】
【化12】
アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカ−3−メチル、
【0031】
【化13】
アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エン−9−イル、
【0032】
【化14】
アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカ−3−エン−10−イル、
【0033】
【化15】
アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカ−8−エン−3−イル、
【0034】
【化16】
アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカ−8−エン−4−イル、
【0035】
【化17】
アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エン−9−メチル、
【0036】
【化18】
アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカ−8−エン−3−メチル、
【0037】
【化19】
アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカ−8−オキシエチル、
【0038】
【化20】
アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカ−3−オキシエチル、
【0039】
【化21】
アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカ−4−オキシエチル、
【0040】
【化22】
アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカ−10−オキシエチル、
【0041】
【化23】
アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エン−9−オキシエチル、
【0042】
【化24】
アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エン−10−オキシエチル、
【0043】
【化25】
アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカ−8−エン−3−オキシエチル、
【0044】
【化26】
アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカ−8−エン−4−オキシエチル、
などを挙げることができる。
【0045】
なお、一般式(5)および/または(6)で表される分子内に環状オレフィン性2重結合を有する単量体を用いる場合、この環状オレフィン性2重結合は、アクリロイル基に比してラジカル重合反応性に乏しいため、重合反応後に共重合体分子内に残存する。必要に応じて、この環状オレフィン性2重結合を水素添加することが、成形品としたときの耐熱性および耐候性を向上させる点から好ましい場合がある。
【0046】
上記具体例のうち、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカ−3−イル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカ−4−イル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカ−10−イル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−メチル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカ−3−メチル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−オキシエチル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカ−3−オキシエチル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカ−4−オキシエチル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカ−10−オキシエチルを用いることが好ましい。
特に、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカ−8−イルが、低吸水性・低吸湿性および耐熱性の点で優れた環状オレフィン系共重合体が得られるので好ましい。
【0047】
本発明において使用される単量体(A)と(B)の割合は、合計を100モルとしたとき、通常、単量体(A)が30〜70モル、単量体(B)が70〜30モルであり、好ましくは単量体(A)が40〜60モル、単量体(B)が60〜40モルでり、特に好ましくは単量体(A)が45〜55モル、単量体(B)が55〜45モルである。
単量体(A)の割合が少なすぎると、耐熱性や吸水性・吸湿性に問題が生じる場合がある。また、単量体(A)同士はラジカル反応により単独重合しないため、単量体(A)の割合が多すぎると、未反応の単量体(A)が多量に残存することになり、得られる共重合体の収率が低下して生産性に問題が生じることがある。
【0048】
<ルイス酸>
本発明において使用するルイス酸としては、例えば、メチルアルミノキサン(MAO)、三塩化アルミニウム、エチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムクロリド、エトキシアルミニウムジクロリド、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、三沃化アルミニウム、三臭化アルミニウム、五塩化アンチモン、トリエチルアルミニウム、テトラエトキシジリコニウム、テトラt−ブトキシジリコニウム、テトラアセチルアセトンジリコニウム、四塩化スズ、三塩化アンチモン、三塩化鉄、四塩化チタン、二塩化亜鉛、二塩化水銀、二塩化カドミウム、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、三沃化ホウ素、および、これらのルイス酸と水との反応物などが挙げられる。これらは1種単独でも2種以上組合わせても使用することができる。
これらのルイス酸のうち、エチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、トリエチルアルミニウム、三塩化アルミニウムを用いるとアクリル酸エステル系単量体(B)の単独重合体の生成が有効に抑制できるため、上記単量体(A)に基づく構造単位と単量体(B)に基づく構造単位とが交互に配列した共重合体を有効に得ることができる。特に、エチルアルミニウムジクロリドを用いると高分子量の強靭な環状オレフィン系共重合体が得られることから好ましい。
【0049】
ルイス酸の使用量は、反応に供する単量体(B)の合計を100モルとしたとき、0.001〜1モルであり、好ましくは0.01〜1モル、より好ましくは0.5〜1モルである。ルイス酸の使用量が0.001モル未満であると、単量体(B)の単独重合体が副生し、得られる環状オレフィン系共重合体の成型品が白濁したり、光学的に不均一になるなどの欠陥を生じることがあるので好ましくない。また、ルイス酸使用量が1モルを超えると、後続するルイス酸の除去工程が困難となったり得られる共重合体が着色したりすることがあり好ましくない。また、ルイス酸は、純品または溶液として用いられる。ルイス酸を溶解する溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が挙げられる。前記溶剤の使用量は、ルイス酸に対して、通常、0.5〜20倍重量である。
【0050】
本発明においては、ルイス酸を含む溶液に、少なくとも単量体(B)を、分割して、または連続的に供給することを特徴とするものである。反応に供する単量体(A)および単量体(B)を一括してルイス酸を含む溶液と混合すると、共重合体の収率が低下して生産性の点で問題を生じる。
ルイス酸を含む溶液に、少なくとも単量体(B)を、分割して、または連続的に供給することにより、少ないルイス酸量でも高収率で共重合体を得ることができる。その理由としては、ルイス酸が、重合体中のカルボニル基より、単量体(B)のカルボニル基と配位しやすいためと考えられる。すなわち、重合中の反応溶液に新たな単量体(B)を加えると、ルイス酸は重合体のカルボニル基から単量体(B)のカルボニル基に移動して配位し、電気吸引性の高まった単量体(B)が電子供与性の単量体(A)と電化移動錯体を形成するため、ラジカルによって容易に共重合するものと推定される。
【0051】
なお、単量体(A)が存在しない状態で単量体(B)とルイス酸が接触することは避けることが好ましい。単量体(A)が存在しない状態で単量体(B)とルイス酸が接触すると、単量体(B)中に安定剤として添加しているt−ブチルカテコール等のフェノール系化合物とルイス酸との反応によりフリーラジカルが発生し、単量体(B)の単独重合が進行して、別途添加する単独重合性のない単量体(A)が残存し、得られる共重合体の収率が低下して生産性に問題が生じることがある。
さらに、単量体が存在しない状態でラジカル重合開始剤がルイス酸と接触することも避けることが好ましい。単量体が存在しない状態でラジカル重合開始剤とルイス酸を接触させると、ラジカル重合開始剤が分解してしまう結果、重合反応が進行しない場合がある。
【0052】
<単量体を分割供給する場合の条件>
ルイス酸を含む溶液に、まず、反応に供する単量体(B)の全量を100モルとしたとき、0モルを超え30モル以下であり、かつ単量体(A)の量(モル換算)と同量もしくは以下の量を加えて重合を開始する。単量体(A)の量の添加量については特に制限はないが、反応に供する単量体(A)の全量を100モルとしたとき、通常0モルを超え60モル以下、好ましくは0モルを超え50モル以下、さらに好ましくは0モルを超え40モル以下である。
次いで、添加した単量体(B)の反応率が、通常50%以上、好ましくは70%、さらに好ましくは80%以上となったときに、反応に供する単量体(B)および単量体(A)の0モルを超え30モル以下を添加する。2回目以降の単量体(A)および(B)の添加量比については特に制限はないが、反応系の単量体(A)の量(モル換算)が単量体(B)の量と同量もしくは以上の状態を可能な限り継続した方が、単量体(A)に基づく構造単位と単量体(B)に基づく構造単位とが交互に配列した構造部分が多い共重合体を得ることができる。
ただし、単量体(A)は、上記によらず、反応に供する量の全量を予め反応系に仕込んでおいても差し支えない。
【0053】
<単量体を連続的に供給する場合の条件>
ルイス酸を含む溶液に、反応系の単量体(B)の反応率が、通常50%以上、好ましくは70%、さらに好ましくは80%以上を維持する量、特に好ましくは消費される単量体(B)の量と等量の単量体(B)を連続的に添加する。なお、単量体(A)の添加量については特に制限はないが、反応系の単量体(A)の量(モル換算)が単量体(B)の量と同量もしくは以上の状態を可能な限り継続した方が、単量体(A)に基づく構造単位と単量体(B)に基づく構造単位とが交互に配列した構造部分が多い共重合体を得ることができる。
ただし、単量体(A)は、上記によらず、反応に供する量の全量を予め反応系に仕込んでおいても差し支えない。
【0054】
<ラジカル重合開始剤>
本発明の環状オレフィン系共重合体の合成においては、公知のフリーラジカルを発生する有機過酸化物またはアゾビス系のラジカル重合開始剤を用いることができる。
有機過酸化物の具体例としては、以下に挙げる化合物を例示できるが、本発明はこれらの例示化合物に限定されるものではない。
【0055】
ジセチルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジイソブチロイルパーオキサイド、ジ(2,4−ジクロロベンゾイル)パーオキサイド、ジ (3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジオクタノイルパーオキサオド、ジラウロイルパーオキサイド、ジステアロイルパーオキサイド、ビス{4−(m−トルオイル)ベンゾイル}パーオキサイド、などのジアシルパーオキサイド類;
メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;
過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、α−クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;
ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジラウリルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド類;
【0056】
t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレエート、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオドデカノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシm−トルオイルベンゾエート、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどのパーオキシエステル類;
【0057】
1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ピバレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンなどのパーオキシケタール類;
t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネートなどのパーオキシモノカーボネート類;
ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート類、その他、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイドなどが挙げられる。
【0058】
アゾビス系ラジカル重合開始剤の具体例としては、以下に挙げる化合物を例示できるが、本発明はこれらの例示化合物に限定されるものではない。
アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−{1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル}プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−{2−(1−ヒドロキシブチル)}プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジサルフェート・ジハイドレート、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−{1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル}プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチル−プロピオンアミジン]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドキシム)、ジメチル2,2’−アゾビスブチレート、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノイックアシッド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)などが挙げられる。
【0059】
これらラジカル重合開始剤のうち、10時間の半減期温度が30℃以上で70℃以下のものが好ましい。すなわち、有機過酸化物としては、イソブチルパーオキサイド、α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオドデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジオクタノイルパーオキサオド、ジラウロイルパーオキサイド、ジステアロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジステアロイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサネートが好ましい。アゾビス系ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスブチレートなどが好ましい。
これらのラジカル重合開始剤は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
ラジカル重合開始剤の使用量は、全単量体の合計量を100モルとしたとき、、通常、0.01〜5モル、好ましくは0.01〜1モル、より好ましくは0.05〜0.2モルである。開始剤量が少なすぎると単量体の反応率が低くなることがあり生産上好ましくない。また、逆に多すぎると得られる環状オレフィン系共重合体の分子量が小さくなり、靱性が低下することがあり好ましくない。なお、ラジカル重合開始剤も、必要に応じて、分割して、または連続的に供給してもよい。
【0060】
重合反応温度は、通常、−20℃〜80℃、好ましくは5℃〜60℃である。重合温度が高すぎると、ルイス酸に起因して、得られる環状オレフィン系共重合体に着色が発生することがあり好ましくない。また、逆に低すぎると、重合時間が長くなり好ましくない。
重合時間は反応温度によるが、通常、5〜200時間、好ましくは10〜100時間である。
重合反応には溶媒を使用する。この溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、シクロペンタン、シクロヘキサンなど飽和炭化水素系溶媒が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
重合反応に使用する溶媒量としては、全単量体の合計量を100重量部としたとき、通常、10〜1000重量部、好ましくは50〜500重量部、特に好ましくは100〜300重量部である。なお、溶媒も、必要に応じて、分割して、もしくは連続的に供給してもよい。
【0061】
本発明においては、重合反応に供する単量体、溶媒およびラジカル重合開始剤に含有される水分量は、通常、200ppm以下、好ましくは100ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下である。水分量が多すぎると、ルイス酸が水と反応して失活し、重合反応が進まなかったり、得られた共重合体が着色したりする場合がある。また、同様の理由で、反応容器等の機器も十分乾燥され、反応雰囲気中の水分量が上記と同等以下になっていることが好ましい。
さらに、本発明において、重合反応は不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。酸素が存在すると、ラジカルが失活して重合反応が進まなかったり、得られた共重合体の分子量が低すぎて実用に適さない場合がある。
【0062】
<中和処理>
重合反応の後、塩基性化合物を用いてルイス酸を中和することで、ハロゲン化金属から発生する塩酸などの腐食性酸性ガスの発生を防ぐことができるため、反応容器の腐食、本発明共重合体の酸加水分解などを防止でき好ましい。ただし、反応容器が、ポリテトラフルオロエチレン製のもの、ポリテトラフルオロエチレンでコーティングされたもの、ガラス製のもの、またはガラスライニングをしたものであれば、材質腐食の恐れがないため中和反応工程を省略してもよい場合がある。
塩基性化合物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウムなどの無機塩基性化合物、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、トリエチルアミン、アンモニア、エチルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、アニリンなどの有機塩基性化合物などが挙げられる。
中和に用いる塩基性化合物量は、腐食性ガスの理論発生量の、通常、0.5〜5.0当量、好ましくは0.7〜3.0当量、特に好ましくは1.0〜2.0当量である。塩基性化合物量が少なすぎると、腐食性酸性ガスを中和できなかったり、腐食性酸性ガスにより本発明の共重合体が酸加水分解されたりして好ましくない。逆に、塩基性化合物量が多すぎると、過剰の塩基性化合物の除去が困難となり、着色したり、本発明の共重合体のアルカリ加水分解などが進行することがあり好ましくない。
なお、これら塩基性化合物は溶剤に希釈して添加してもよい。好ましい溶剤としては、メタノール、エタノールなどのアルコール溶剤などをあげることができる。特に、無機塩基はこられの溶剤に予め溶解した後、重合終了後の反応液に加えることで均一な中和反応が進行して好ましい。なお、水を使用すると、水とルイス酸が反応して腐食性酸性ガスが発生するため好ましくない。
【0063】
<液−液抽出処理>
ルイス酸に起因して生成した金属イオンや金属塩など(以下、「残留金属」という。)は、上記中和処理後、液−液抽出処理により共重合体中から除くことができる。
液−液抽出による残留金属の除去は、少なくとも1種以上の極性溶媒と少なくとも1種以上の非極性溶媒との組み合わせにより行うことができる。すなわち、極性溶媒中に残留金属が抽出され、非極性溶媒中には本発明の目的物である共重合体が抽出される。ここで極性溶媒とは、20℃での誘電率が6以上から80未満のもの、非極性溶媒とは1以上6未満のものである。極性溶媒の具体例としては(以下、( )内に20℃での誘電率を付記する)、酢酸(6.2)、アセトン(20.7)、アセトニリル(37.5)、1−ブタノール(17.8)、2−ブタノール(15.8)、クロロフォルム(4.8)、クロロベンゼン(5.7)o−ジクロロベンゼン(9.9)、N,N−ジメチルアセトアミド(37.8)、ジメチルフォルムアミド(36.7)、ジメチルスルフォキシド(46.7)、2−エトキシエタノール(13.0)、エチルアセテート(6.0)、イソブチルアルコール(15.8)、メタノール(32.6)、2−メトキシエタノール(16.9)、メチレンクロライド(9.1)、メチルエチルケトン(18.5)、N−メチル−2−ピロリドン(32.0)、1−プロパノール(20.1)、2−プロパノール(18.3)、ピリジン(12.3)、テトラヒドロフラン(7.6)、テトラメチル尿素(23.0)、水(78.5)などをあげることができる。非極性溶媒の具体例としてはベンゼン(2.3)、四塩化炭素(2.2)、シクロヘキサン(2.0)、シクロペンタン(2.0)、ジエチルエーテル(4.3)、ヘプタン(1.9)、ヘキサン(1.9)、ノナン(2.0)、ペンタン(1.8)、トルエン(2.4)、トリクロロエチレン(3.4)、2,2,4−トリメチルペンタン(1.9)、o−キシレン(2.6)、p−キシレン(2.3)などをあげることができる。
これらの溶媒のうち、極性溶媒としては、メタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−エトキシエタノール、イソブチルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノールなどのアルコール類またはこれらアルコール類と水との混合溶媒が好ましい。一方、非極性溶媒としては、シクロヘキサン、ジエチルエーテル、ヘプタン、ヘキサン、ペンタン、トルエン、o−キシレン、p−キシレンなどの常圧での沸点が150℃以下の炭化水素系溶媒が好ましい。
極性溶剤/非極性溶剤の重量比は、通常、0.1〜50,好ましくは、0.3〜5である。極性溶剤/非極性溶剤の重量比が小さすぎると、残留金属の除去が困難となり、共重合体が着色したりする場合があり好ましくない。逆に、極性溶剤/非極性溶剤の重量比が大きすぎると、共重合体が析出するなどの問題が生じることがあり好ましくない。
【0064】
【実施例】
次に実施例によって本発明の方法を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例で用いた原料、得られた共重合体、その成形品などの評価は下記の方法により行った。
【0065】
・使用原料の水分量測定:
カールフィッシャー滴定装置(Metrohm製、737KF Coulometer)を用いて使用原料中の水分量を測定した。
・アクリル酸エステル系単量体の反応率の測定:
ガスクロマトグラフィー(装置:島津製作所製 GC−14A、カラム:GL Sciences Inc.製 TC−WAX)により、重合反応液サンプル中のアクリル酸エステル系単量体の含有量(モル換算):Msを測定し、下記式より反応率を計算した。
(Mt−Ms)/Mt × 100 (%)
Mt:サンプリング時点までに反応に供されたアクリル酸エステル系単量体の総量(モル換算)
Ms:サンプリング時点で残存するアクリル酸エステル系単量体の総量(モル換算)
・pH測定:
サンプル溶液10mLに蒸留水10mLを加え1時間激しく攪拌し、その後水層のpHをpHメーター(東亜電波工業製、HM−20J)を用いて、25℃の温度条件で測定した。
・固形分量の測定:
重合終了後の溶液をサンプリングし、水酸化リチウムの5重量%−メタノール溶液で中和した。なお、中和の確認は、pH測定によりpHが6.5〜7.5でとなるようにして行った。次いで、事前に計量したアルミホイルに、中和された重合後の溶液を1.0g採取して、ホットプレートを用いて220℃×30分間乾燥し、揮発分を揮発させ下記式より固形分濃度および固形分量を求めた。
なお、既に中和された反応溶液について測定する場合は、採取したサンプルをそのまま上記条件で乾燥して測定した。
固形分濃度=(乾燥後アルミホイル重量−事前に計量したアルミホイル重量)/重合後の溶液採取量(1.0g)×100 (%)
固形分量=(固形分濃度×溶液の総重量)/100 (g)
・数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)の測定:
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー社製、HLC8220、標準ポリスチレン換算)により測定した。
・ガラス転移温度(Tg):
示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製、DSC6200)を用いて昇温速度20℃/minで測定した。
・共重合体組成:
共重合体300mg、およびクロムアセチルアセトナート100mgを重水素化クロロホルム3.3gに溶解した試料を用いて、13C−NMR(Bruker社製、AVANCE500、500MHz)で測定し、積分値により共重合組成を算出した。
13C−NMRによる測定条件:inversegate−decoupling法、フリップ角30度、パルス間隔1.6秒。
・残留アルミニウム:
共重合体2.000gを秤量し、30mL磁性るつぼに入れ、1時間かけて430℃まで昇温後、同温度を30分保持した。その後、30分かけて600℃まで昇温し、同温度を1時間保持したのちに、室温にまで除冷した。マイクロピペットにて濃塩酸(和光純薬工業製、超微量分析用塩酸)2mLを量り取り、るつぼに添加し、100℃で30分間加熱した。次いで、同試料に水(和光純薬工業製の超純水)を加え5mLとした。その後、濾過(定量分析用ろ紙、5A)を行い、得られたろ液中に含まれる残留アルミニウムを、誘導結合型プラズマ発光分析(セイコー電子工業(株)製 誘導結合プラズマ発光分光分析装置:PS7700)により、定量分析した。
・残留塩素イオン:
共重合体1.00gをトルエン10mLに溶解した後、水(和光純薬工業製の超純水)13mLを加え1時間激しく攪拌した。水中に抽出された塩素イオン量をイオンクロマト法(Dionex社製:QIC)により定量した。
・ゲル
共重合体10gを溶媒(トルエン)に溶解し、0.1μmのメンブレンフィルターで濾過し、さらに、そのメンブレンフィルターをマッフル炉中で260℃、3時間加熱し、炭化により生じた着色粒子について、実体顕微鏡にて計数しゲル個数とした。
【0066】
・応力光学係数(C R ):
公知の方法(Polymer Journal,Vol.27,No.9,pp943−950(1995))により測定した。
すなわち、本発明で得られた環状オレフィン系共重合体をプレス成形により0.5mm×5mm×50mmの大きさに加工した試験片を4個作成し、試験片にそれぞれ10〜300gの範囲の異なる荷重をかけ、試験片のTg+20℃程度の加熱炉中に入れ30分程度放置してそれぞれ延伸させた。その後、荷重をかけた状態で加熱炉を室温まで徐冷し、延伸された試験片の位相差をそれぞれ測定した。
位相差はKOBRA−21ADH(王子計測機器社製)を用いて測定した。下記式に従い、それぞれの試験片について応力(σ)と複屈折(ΔN)を求め、σ−ΔNプロットの傾きからCRを求めた。
式:σ=F/(d・w)
(F:荷重、d:延伸後の試験片厚み、w:延伸後の試験片幅)
式:ΔN=Re/d
(Re:位相差、d:延伸後の試験片厚み)
式:CR=ΔN/σ (単位:Br=10−12Pa−1)
・透明性(全光線透過率の測定):
射出成形機によって、透明性を評価するための試験片(厚さ3mm)を作製し、JIS K 7105(測定法A)に準じて全光線透過率を測定した。
射出成形は以下の条件で行った。射出成形機「SG75M−S」(住友重機製:シリンダー径28mm、型締め力75ton)を用いて、樹脂温度300℃、金型温度130℃、射出速度100mm/sec、ホッパーおよびシリンダーを窒素シールした条件で射出成形することにより成形した。なお、成形材料は予め真空乾燥機にて、100℃、4時間の条件で乾燥を行い、射出成形はホッパーとシリンダーを窒素で充満した条件下で行った。
・Y1(成形品の黄色度測定)
3mm厚成形品のY1を、JIS K 7105に準じて、分光光度計(スガ試験機製)を用いて測定した。
・耐水性(吸水率の測定):
上記射出成形条件によって、耐水性を評価するための試験片(3mm×40mm×80mm)を作製した。この試験片を100℃で24時間減圧乾燥した後重量:W0を測定し、次いでこの試験片を23℃の水中に24時間浸漬した後の重量:W1を測定し、下記の数式により吸水率を算出した。
吸水率(%)=〔(W1−W0)/W0〕×100
・曲げ特性(曲げ強度、曲げ弾性率):
ASTM D790に準じて測定した。
・複屈折性(射出成形品の光学歪みの測定):
上記射出成形条件によって、複屈折性を評価するための試験片(幅60mm、長さ80mm、厚さ1mmの短冊状射出成形体)を成形した。成形品ゲート中央部の位相差をKOBRA−21ADH(王子計測機器社製)を用いて測定した。
【0067】
下記実施例・比較例に使用した原料、およびその水分量は以下の通りであった。
シクロヘキサン(CHx):0.05ppm
アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル(DCA):0.20ppm
アクリル酸メチル(MA):0.21ppm
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(NB)の75重量%−CHx溶液:0.15ppm
アゾビスイソブチルニトリル(和光純薬製、V−60)の0.0921重量%CHx溶液:0.06ppm
エチルアルミニウムジクロリド(EADC)の24.7重量%−n−ヘキサン溶液(水分が存在するとEADCと速やかに反応して塩酸が発生するため、実質的に水分は含まれないと考えられる。)
【0068】
[実施例1]
窒素置換した10Lセパラブルフラスコに、窒素気流下にてEADCの24.7重量%−n−ヘキサン溶液:25.7g(EADC:0.05モル)を加えた。ここに、次に示す3つの溶液を、滴下ポンプを用い、別々に反応器内温を10℃に保ちながら10時間かけて連続滴下した。反応器内温は10℃から5時間かけて40℃まで徐々に昇温し、その40℃を反応が終了するまで維持した。
▲1▼DCA:515g(2.5モル)とMA:215g(2.5モル)からなるアクリル酸エステル系単量体混合物、
▲2▼NBの75重量%−CHx溶液:627g(NB:5モル)、
▲3▼V−60:2.05g(0.0125モル)とCHx:2223gの混合溶液。
10時間かけて滴下を行い、1時間毎にサンプリングしてアクリル酸エステル系単量体(DCA+MA)の反応率を測定したところ、73〜88%であった。その後、そのままさらに3時間攪拌した後、ガスクロマトグラフィーにより求めた単量謡体のコンバージョンは96%であった。
反応後、CHx:2400gを加え反応溶液を希釈した。次いで、反応に供したEADCと等モル量の水酸化リチウムの5重量%−メタノール溶液:24g(0.05モル)を加え25℃で3時間攪拌した。中和反応が完結したか確認するため、反応液を少量採取して、3倍量の水を加え25℃で3時間攪拌後、1時間静置すると2相に分離した。水相のpHは7.02であった。
さらに、反応に供したEADCの1.2倍モルの乳酸(錯体形成剤)を50%−メタノール溶液(0.06モル)を加え、さらにメタノール:3120gを加え、60℃で3時間攪拌した。1時間静置後、遠心分離すると反応混合液は二層に分離した。上層を取り除き、再度、CHx重量/固形分量=4、およびメタノール重量/CHx重量=1となる条件で、同様な抽出操作を行った。
次いで、上層を取り除き、下層に含まれる固形分量100重量部に対して、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](酸化防止剤)0.3重量部を加え、高純度窒素でバブリングを行い、溶存酸素を0.05ppmにした後、高粘度脱溶機(三井造船製、HIVISCOS mini)にて、240℃、10torrの減圧度にてCHxの除去を行い、溶融樹脂を糸状に引き取り、水冷して切断することで無色透明のペレットを得た。
図1は得られた共重合体のGPCチャートである。ポリスチレン換算のMw=395,000、Mn=19,700、分子量分布(Mw/Mn)=2.0であった。GPCチャートから、分子量分布は単峰性で、DCAとMAとの共重合体が生成したときに見られる分子量分布の2峰性などは観察されなかった。
図2は得られた共重合体のDSCチャートである。明確なガラス転移温度(Tg)が153℃に1つだけ観察され、DCAとMAとの共重合体由来のTg(53℃)に相当する個所には全くピークは観察されなかった。
図3に、得られた共重合体の13C−NMRチャートと推定構造式を、構造部位に番号を付した状態で示す。また、図4に、前記図3の一部を拡大したチャートを示す。13C−NMRチャート上の各ピークは、構造式中の同番号の構造部位における13C核に由来したものと考えられる。よって、当該共重合体が、NB、DCA、およびMAの3元共重合体であることを確認した。NMR積分値より算出した共重合体組成は、NB単位/DCA単位/MA単位=48.0/25.3/26.7(モル%)であった。NB単位/全アクリル酸エステル単位=48.0/52.0(モル%)であった。
図5に、得られた共重合体の赤外分光スペクトル(IR)を示す。以下に、参考のため吸収ピークの帰属を示した。
2937cm−1:メチレン基のC−Hの伸縮振動帰属
2868cm−1:メチル基のC−Hの伸縮振動帰属
1717cm−1:脂肪族エステルのC=Oの伸縮振動帰属
1475cm−1:パラフィンのC−H対称変角振動帰属
1447cm−1:脂肪族環の面内変角振動帰属
1377cm−1:メチルエステルの逆対称変角振動帰属
1336cm−1:パラフィンの枝分かれによる−CH−変角振動帰属
1168cm−1:メチルエステル基のC−O−Cの伸縮振動
1042cm−1:脂肪族環のC−H面内変角振動帰属
980cm−1 :シクロペンタン環の環振動帰属
736cm−1 :メチレン基の骨格振動(横ユレ)帰属
【0069】
得られた共重合体の物性値を以下に示す。CR=−2.8Br、全光線透過率:94%、3mm厚の成形品のYI値=0.4、吸水率:0.26%、曲げ強度:84MPa、曲げ弾性率:4100MPa、降伏点変位:11.3mm。得られた成形品は、曲げ試験においても折れることなく、靭性も極めて優れるものであった。また、成形品の位相差は1.7nmであり、複屈折性も良好であった。
なお、残留アルミニウム量=0.03ppm、塩素イオン量=0.02ppm、ゲル=0個であった。
【0070】
[実施例2]
窒素置換した10Lセパラブルフラスコに、窒素気流下にて脱水CHx:412g、EADCの24.7重量%−n−ヘキサン溶液:41.1g(EADC:0.08モル)を加えた。これに、単量体(NB、DCA、MA)およびV−60の使用予定量の各々1/5に相当する量を仕込んだ。即ち、NBの50重量%−シクロヘキサン溶液:188g(NB:1モル)を仕込んだ後、DCA:103g(0.5モル)とMA:43g(0.5モル)からなるアクリル酸エステル単量体混合物を反応液に加えた。その後、反応器内温を25℃にして、V−60の5%重量−CHx溶液:8.2g(0.0025モル)を加え、3時間反応を行った。3時間後のアクリル酸エステル系単量体の反応率は92%であった。
次いで、前記と同量の単量体およびV−60を加える操作を同一条件で4回繰り返して行なった。これにより、合計で使用予定量の全量の単量体とV−60を反応に供したこととなる。
新しい単量体とV−60を加えた後、3時間後のアクリル酸エステル系単量体の反応率は、2回目:90%、3回目:88%、4回目:85%、および5回目:82%であった。5回目の単量体とV−60の添加終了後3時間経過した後に、2時間かけてゆっくりと40℃まで昇温し、その温度を維持して更にに3時間攪拌した。固形分量測定より求めた固形分の収率は94%であった。さらに、実施例1と同様にして、中和処理、液−液抽出処理、脱酸素処理およびペレット化を行った。
図6は得られた共重合体のGPCチャートである。ポリスチレン換算のMw=414,000、Mn=107,000、分子量分布(Mw/Mn)=3.9であった。GPCチャートから、分子量分布は単峰性でDCAとMAとの共重合体が生成したときに見られる分子量分布の2峰性などは観察されなかった。
図7は得られた共重合体のDSCチャートである。明確なガラス転移温度(Tg)が158℃に1つだけ観察され、DCAとMAとの共重合体由来のTg(53℃)に相当する個所には全くピークは観察されなかった。実施例1と同様の13C−NMR解析により算出した共重合体組成は、NB単位/DCA単位/MA単位=46.5/24.8/28.7(モル%)であった。NB単位/全アクリル酸ステル単位=46.5/53.5(モル%)であった。
【0071】
得られた共重合体の物性値を以下に示す。CR=−11Br、全光線透過率:93%、3mm厚の成形品のYI値=0.3、吸水率:0.28%、曲げ強度:82MPa、曲げ弾性率:4010MPa、降伏点変位:10.25mm。得られた成形品は、曲げ試験においても折れることなく、靭性も極めて優れるものであった。また、成形品の位相差は1.2nmであり、複屈折性も良好であった。
なお、残留アルミニウム量=0.02ppm、塩素イオン量=0.01ppm、ゲル=0個であった。
【0072】
[比較例1]
実施例1において、ルイス酸溶液に全ての単量体およびラジカル重合開始剤を反応容器に一括してチャージし反応器内温を10℃に保ちながら10時間反応させ、次いで2時間かけてゆっくりと40℃まで昇温しそのままさらに3時間攪拌した以外は、実施例1と同様に重合および後処理を行い環状オレフィン系共重合体のペレットを得た。重合反応終了後の固形分量測定より求めた固形分の収率は65%であった。
図8は得られた共重合体のGPCチャートである。ポリスチレン換算のMw=25,400,Mn=13,800,分子量分布(Mw/Mn)=1.84であった。
図9は得られた共重合体のDSCチャートである。明確なガラス転移温度(Tg)が101℃に観察されが、実施例1のものよりも大きくTgは低下した。また、DCAとMAとの共重合体由来のTg(53℃)に相当する個所にはピークは観察されなかった。
実施例1と同様なNMR解析により、共重合体組成は、NB単位/DCA単位/MA単位=28.2/38.1/33.7(モル%)であった。NB単位/全アクリル酸エステル単位=28.2/71.8(モル%)であった。
【0073】
得られた共重合体の物性値を以下に示す。CR=−235Br、全光線透過率:93%、吸水率:0.61%、曲げ強度:32MPa、曲げ弾性率:1020MPa、降伏点変位:2.37mm。得られた成形品は、曲げ試験において折れていまい、靭性不足であった。また、成形品の位相差は17nmであり、複屈折性は良好であった。
なお、残留アルミニウム量=0.03ppm、塩素イオン量=0.02ppm、ゲル=0個であった。成形品の靭性が悪く、生産性も低いことから、この比較例の製法は、工業的生産には難がある。
【0074】
[比較例2]
実施例1において、EADCの24.7重量%−n−ヘキサン溶液添加量を3086g(EADC:6モル)とした以外は、実施例1と同様に重合を行った。固形分量測定より求めた固形分の収率は95%であった。
ポリスチレン換算のMw=8,560,Mn=5,240,分子量分布(Mw/Mn)=1.6であった。GPCチャートから、分子量分布は単峰性でDCAとMAとの共重合体が生成したときに見られる分子量分布の2峰性などは観察されなかったが(図10)、EADCを多く使うため分子量の大きな低下が見られた。
図11は得られた環状オレフィン系共重合体のDSCチャートである。明確なガラス転移温度(Tg)が155℃に観察された。また、DCAとMAとの共重合体由来のTg(53℃)に相当する個所には全くピークは観察されなかった。
実施例1と同様なNMR解析により、共重合体組成は、NB単位/DCA単位/MA単位=47.2/25.6/27.2(モル%)であった。NB単位/全アクリル酸エステル単位=47.2/52.8(モル%)であった。
【0075】
得られた共重合体の物性値を以下に示す。CR=−185Br、全光線透過率:93%、3mm厚の成形品のYI値=5.2、吸水率:0.27%、曲げ強度:38MPa、曲げ弾性率:2060MPa、降伏点変位:2.32mm。得られた成形品は、曲げ試験において折れてしまい、靭性は不良であった。また、成形品の位相差は2.2nmであり、複屈折性は良好であった。
なお、残留アルミニウム量=1517ppm、塩素イオン量=176ppm、ゲル=0個であった。EADCを大量に使うため、分子量低下が大きく靭性不足となり、また着色性が大きいため、光学材料として応用するには難がある。
【0076】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、ノルボルネン系単量体に基づく構造単位とアクリル酸エステル系単量体に基づく構造単位を有し、ノルボルネン系単量体に基づく構造単位同士が隣接しておらず、ノルボルネン系単量体に基づく構造単位とアクリル酸エステル系単量体に基づく構造単位とが交互に配列した構造を有し、耐熱性が高く、かつ吸水湿性・吸湿性が低く、さらに透明性等の光学特性に優れ着色等の問題もない高分子量の環状オレフィン系共重合体を、ルイス酸の使用量を大幅に低減して、コスト面も含めて工業的に有利に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた共重合体のGPCチャートである。
【図2】実施例1で得られた共重合体のDSCチャートである。
【図3】実施例1で得られた共重合体の13C−NMRチャートである。
【図4】図3の部分を拡大して示したチャートである。
【図5】実施例1で得られた共重合体の赤外分光スペクトルである。
【図6】実施例2で得られた共重合体のGPCチャートである。
【図7】実施例2で得られた共重合体のDSCチャートである。
【図8】比較1で得られた共重合体のGPCチャートである。
【図9】比較例1で得られた共重合体のDSCチャートである。
【図10】比較例2で得られた共重合体のGPCチャートである。
【図11】比較例2で得られた共重合体のDSCチャートである。
Claims (4)
- 下記一般式(1):
で表される単量体(A)とアクリル酸エステル系単量体(B)とを、前記アクリル酸エステル系単量体(B)100モルに対して0.001〜1モルとなる量のルイス酸の存在下において、ラジカル重合開始剤を用いて共重合させること、
かつ、ルイス酸またはその溶液に、少なくとも前記単量体(B)を分割して、または連続的に供給することを特徴とする環状オレフィン系共重合体の製造方法。 - 重合反応溶媒として飽和炭化水素系溶媒を用いることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 重合反応終了後に、塩基性化合物を添加してルイス酸を中和することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の製造方法。
- 重合反応終了後に、得られた前記共重合体を含有する溶液を、液−液抽出法により精製することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
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