JP2004161783A - 熱可塑性樹脂組成物及び木質調成形品 - Google Patents

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幸典 栗野
Kenichi Iokura
賢一 五百藏
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Abstract

【課題】溶融時の流動性に優れることから容易に射出成形法により成形でき、優れた機械的強度及び木質調風合いを有する成形品を得ることができる熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】射出成形法により成形することができる熱可塑性樹脂組成物であって、メルトインデックスが5g/10min以下のエチレン−プロピレンブロック共重合体100重量部に対して、A)木質繊維物質10〜200重量部、B)炭素数16〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート又は炭素数16〜22のアルケニル基を有するアルケニル(メタ)アクリレート10〜90モル%と、下記式(1)で表される化合物90〜10モル%とを共重合してなる重量平均分子量3000〜50万の共重合体0.1〜40重量部を含有する熱可塑性樹脂組成物。
【化1】
Figure 2004161783

式(1)中、nは、2〜50の整数である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融時の流動性に優れることから容易に射出成形法により成形でき、優れた機械的強度及び木質調風合いを有する木質調成形品を得ることができる熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
木材は、木質調の風合いが好まれる以外に、資源の豊富さ、繰り返し生産ができるという優れた材料であることから、建築用資材、装飾材料、家庭用具として幅広く使用されている。しかし、これら木材製品の加工は、切る、彫る、削るといった方法により行われ、樹脂のように自由な大きさ、形に成形することができない。また、多湿環境下で使用すると、腐食して外観不良を引き起こし、商品価値が低下することがある。
【0003】
一方、熱可塑性樹脂は、優れた機械的性質を備え、押出成形、射出成形、カレンダー成形、ブロー成形等の幅広い加工方法により自由な形に成形できるので、ボトル、薬品・灯油等のタンク類、自動車の内外装品、接着剤、医療器具、電機分野等における工業部品、パイプ、電線被覆材、床材、壁紙、農業用ビニル、ホース、チューブ、建材、食品包装材等に幅広く使用されている。このように機械的強度が大きく、成形加工の容易な熱可塑性樹脂が、木質風合いを持つことができれば、建築用資材、装飾材料として更に幅広い用途に展開できる。
【0004】
これに対して、樹脂に木目調印刷を施すことが試みられている。例えば、特許文献1には、透明性のインキで木目柄を印刷した透明性の熱可塑性樹脂フィルムを木質基材上に重ねて加熱加圧し、木質感に富む化粧材を安価に製造する方法が開示されており、特許文献2には、透明なフィルム又は透明な紙に透明なインキで木目柄を施し、このフィルムをパール顔料入りの接着剤で積層して、天然の突板に近い木質感を出す方法が開示されている。しかし、これらの方法では、視覚的に木質調の熱可塑性樹脂を得ることができるが、木質調の風合い、肌触りを出すことができなかった。
【0005】
このような問題を解決するため、木粉、パルプ、紙等の木質繊維物質を熱可塑性樹脂に配合する方法が検討されている。具体的には、特許文献3に、150メッシユより細かくした乾燥木粉を熱可塑性樹脂に添加する方法が開示されており、特許文献4に、植物繊維粉体を含む塩化ビニル系樹脂成形体を木用着色剤、塗料剤で加飾することにより、天然の木質材料により近い風合いを出す方法が開示されている。
【0006】
このように熱可塑性樹脂に木質繊維物質を配合すると、天然の木質調風合い、肌触りを出すことが可能となる。しかし、木質繊維物質が親水性であり、熱可塑性樹脂が非親水性であることから、木質繊維物質と熱可塑性樹脂とは相溶性が悪く混ざりにくいので、熱可塑性樹脂の引っ張り強度、衝撃強度等の機械的強度が低下するという問題があった。このため、従来、木質繊維物質入り熱可塑性樹脂は、強度があまり要求されない用途に限られて使用されてきた。
【0007】
そこで、機械的強度を向上するため、特許文献5には、木質繊維物質入り塩化ビニル系樹脂に固体又は非固体のノボラックフェノールホルムアルデヒド樹脂を配合する方法が提案されており、特許文献6及び特許文献7には、木質繊維物質入り塩化ビニル系樹脂にマイカ等の無機充填剤と塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体又はABS樹脂を配合する方法が提案されている。
【0008】
しかしながら、木質繊維物質を含有する熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂自体よりも溶融時の流動性が低下してしまい、射出成形が困難になるため、複雑な形状の成形体を大量生産するのに用いることができないという問題があった。特に機械的強度を向上しようとすると、分子量が大きく溶融時の流動性の低い熱可塑性樹脂を使用する必要があるため、木質繊維物質を含有する熱可塑性樹脂組成物の溶融時の流動性は更に低下してしまう。そこで、溶融時の流動性に優れ、容易に射出成形法により成形でき、優れた機械的強度及び木質調風合いを有する成形品を得ることができる熱可塑性樹脂組成物が求められていた。
【0009】
【特許文献1】
特開昭53−16072号公報
【特許文献2】
特開平4−212852号公報
【特許文献3】
特開昭58−204049号公報
【特許文献4】
特開昭63−236575号公報
【特許文献5】
特開昭60−110743号公報
【特許文献6】
特開昭60−192746号公報
【特許文献7】
特開昭60−192747号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、溶融時の流動性に優れることから容易に射出成形法により成形でき、優れた機械的強度及び木質調風合いを有する木質調成形品を得ることができる熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、射出成形法により成形することができる熱可塑性樹脂組成物であって、メルトフローレートが5g/10min以下のエチレン−プロピレンブロック共重合体100重量部に対して、A)木質繊維物質10〜200重量部、B)炭素数16〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート又は炭素数16〜22のアルケニル基を有するアルケニル(メタ)アクリレート10〜90モル%と、下記式(1)で表される化合物90〜10モル%とを共重合してなる重量平均分子量3000〜50万の共重合体0.1〜40重量部を含有する熱可塑性樹脂組成物である。
【0012】
【化2】
Figure 2004161783
【0013】
式(1)中、nは、2〜50の整数である。
以下に本発明を詳述する。
【0014】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、射出成形法により成形することができる。これにより、複雑な形状の成形体であっても本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて大量生産することができる。
【0015】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、エチレン−プロピレンブロック共重合体を含有する。エチレン−プロピレンブロック共重合体を用いれば、エチレンやプロピレン等の単独重合体を用いた場合に比べ、耐衝撃性に優れた木質調成形品を得ることができる。
上記エチレン−プロピレンブロック共重合体は、重量平均分子量が大きいことが好ましい。上記重量平均分子量が大きいと、本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる木質調成形品の耐衝撃性は優れたものとなる。ただし、通常は、重量平均分子量が大きいと、メルトフローレート、すなわち溶融時の流動性が低下し、木質繊維物質が混合されると更に低下して射出成形が困難となる。しかし、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、後述する炭素数16〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート又は炭素数16〜22のアルケニル基を有するアルケニル(メタ)アクリレート10〜90モル%と、式(1)で表される化合物90〜10モル%とを共重合してなる重量平均分子量3000〜50万の共重合体を含有することにより、低メルトフローレートの樹脂と木質繊維物質とを含有していても溶融時の流動性に優れ、射出成形法により成形できる。そこで、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、木質調成形品の耐衝撃性を優れたものとするために、メルトフローレートが5g/10min以下のエチレン−プロピレンブロック共重合体を含有する。
なお、上記メルトフローレートは、JIS K 7210「熱可塑性プラスチックの流れ試験方法」に基づいて、試験温度230℃、試験荷重21.18Nの条件で測定することができる。
【0016】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、木質繊維物質を含有する。木質繊維物質を含有することにより、本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いれば、木質調風合い、肌触りを有する成形品を得ることができる。
上記木質繊維物質としては特に限定されず、例えば、木、パルプ、紙等の木材又は植物繊維の加工品等が挙げられる。
上記木質繊維物質の平均粒子径の好ましい下限は0.0005mm、好ましい上限は5mmである。0.0005mm未満であると、取り扱い性や混合性が悪いことがあり、5mmを超えると、本発明の熱可塑性樹脂組成物を射出成形法により成形してなる木質調成形品の機械的強度が低下することがある。
上記木質繊維物質は、105℃で3時間乾燥した後の乾燥減量が10重量%以下であることが好ましい。10重量%を超えると、木質繊維物質中の水分量が多く、本発明の熱可塑性樹脂組成物を射出成形法により成形してなる木質調成形品中に気泡が発生し、強度が低下したり、外観を損ねたりすることがある。
【0017】
上記木質繊維物質の配合量の下限は、上記エチレン−プロピレンブロック共重合体100重量部に対して10重量部、上限は200重量部である。10重量部未満であると、木質調風合いが出ず、200重量部を超えると、本発明の熱可塑性樹脂組成物を射出成形法により成形してなる木質調成形品の機械的強度が低下する。
【0018】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、炭素数16〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート又は炭素数16〜22のアルケニル基を有するアルケニル(メタ)アクリレート10〜90モル%と、下記式(1)で表される化合物90〜10モル%とを共重合してなる共重合体を含有する。
【0019】
【化3】
Figure 2004161783
【0020】
式(1)中、nは、2〜50の整数である。nがこの範囲であると、エチレン−プロピレンブロック共重合体と木質繊維物質との相溶性を効果的に高め、本発明の熱可塑性樹脂組成物から得られる木質調成形品の機械的強度を効果的に高めることができる。nの好ましい下限は4、好ましい上限は20である。
【0021】
上記共重合体は、上記熱可塑性樹脂との親和性の高いアルキル(メタ)アクリレート又はアルケニル(メタ)アクリレートに由来する疎水性セグメントと、上記木質繊維物質との親和性の高い上記式(1)で表される化合物に由来する親水性セグメントとを有することから、エチレン−プロピレンブロック共重合体と木質繊維物質との相溶性を高め、本発明の熱可塑性樹脂組成物から得られる木質調成形品の機械的強度を高めることができる。更に、上記共重合体は、エチレン−プロピレンブロック共重合体と木質繊維物質との相溶性を高めるとともに120℃程度の比較的低温で液化することから、本発明の熱可塑性樹脂組成物の溶融時の流動性を高め、射出成形を可能にすることができる。
【0022】
上記アルキル(メタ)アクリレート又はアルケニル(メタ)アクリレートは、炭素数16〜22のアルキル基又は炭素数16〜22のアルケニル基を有する。上記アルキル基又はアルケニル基の炭素数がこの範囲であると、エチレン−プロピレンブロック共重合体と木質繊維物質との相溶性を効果的に高め、本発明の熱可塑性樹脂組成物から得られる木質調成形品の機械的強度を効果的に高めることができる。
上記アルキル(メタ)アクリレート又はアルケニル(メタ)アクリレートとしては特に限定されず、例えば、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、リノレイル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート又はアクリレートを意味する。
【0023】
上記共重合体におけるアルキル(メタ)アクリレート又はアルケニル(メタ)アクリレートの単量体比率の下限は10モル%、上限は90モル%であり、上記式(1)で表される化合物の単量体比率の下限は10モル%、上限は90モル%である。上記アルキル(メタ)アクリレート又はアルケニル(メタ)アクリレートの単量体比率が10モル%未満であり、上記式(1)で表される化合物の単量体比率が90モル%を超えると、熱可塑性樹脂との相溶性が不足し、本発明の熱可塑性樹脂組成物から得られる木質調成形品の機械的強度が不足することとなる。上記アルキル(メタ)アクリレート又はアルケニル(メタ)アクリレートの単量体比率が90モル%を超え、上記式(1)で表される化合物の単量体比率が10モル%未満であると、木質繊維物質との相溶性が不足し、本発明の熱可塑性樹脂組成物から得られる木質調成形品の機械的強度が不足することとなる。
【0024】
上記共重合体の重量平均分子量の下限は3000、上限は50万である。この範囲であれば、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、溶融時の流動性に優れ、容易に射出成形法により成形でき、かつ、本発明の熱可塑性樹脂組成物から得られる木質調成形品は、充分な機械的強度を有する。好ましい下限は5000、好ましい上限は30万である。
【0025】
上記共重合体の配合量の下限は、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1重量部、上限は40重量部である。0.1重量部未満であると、相溶化剤としての効果が得られず、40重量部を超えると、本発明の熱可塑性樹脂組成物の熱安定性が低下する。好ましい下限は0.5重量部、好ましい上限は10重量部である。
【0026】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明の特徴を損なわない範囲内で、ステアリン酸等の高級脂肪酸、ステアリルアルコール等の高級アルコール、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、モンタン酸ワックス等のワックス類、ステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド類等の滑剤;ステアリン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸類、ジオクチル錫マレエート、ジオクチル錫メルカプタイド等の錫化合物、ジフェニルモノデシルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト等のホスファイト化合物、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、ハイドロタルサイト、酸化チタン等の充填剤;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等のポリオール類、ジベンゾイルメタン等のβジケトン化合物、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、グリシジル(メタ)アクリレート含有ポリマー等のエポキシ化合物、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート等の可塑剤;顔料;酸化防止剤;帯電防止剤;難燃剤;紫外線吸収剤;抗菌剤等を含有していてもよい。
【0027】
本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法としては配合する各成分を混合して木質繊維物質を均一に分散することができれば特に限定されないが、上記エチレン−プロピレンブロック共重合体、及び、アルキル(メタ)アクリレート又はアルケニル(メタ)アクリレートと上記式(1)で表される化合物とを共重合して得られる共重合体が溶融し得る適度な加熱条件下で各成分を混合する方法等が好ましい。
【0028】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記炭素数16〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート又は炭素数16〜22のアルケニル基を有するアルケニル(メタ)アクリレート10〜90モル%と、上記式(1)で表される化合物90〜10モル%とを共重合して得られる重量平均分子量3000〜50万の共重合体を含有することにより、メルトフローレートが5g/10min以下のエチレン−プロピレンブロック共重合体と木質繊維物質とを含有していても、溶融時の流動性に優れ、容易に射出成形法により成形でき、かつ、上記エチレン−プロピレンブロック共重合体と木質繊維物質とを均一な混合状態にすることができるので、優れた機械的強度及び木質調風合いを有する成形品を得ることができる。
【0029】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、射出成形法により成形することにより任意の形状の木質調成形品とすることができる。このような本発明の熱可塑性樹脂組成物を射出成形法により成形してなる木質調成形品もまた本発明の1つである。
本発明の木質調成形品としては特に限定されず、例えば、風呂椅子、風呂桶、石鹸箱等の浴室用品;屑籠等の清掃用品;収納ケース等の収納用品;台所用品等の日用品、介護用品、住宅部材、OAハウジング、コンテナ、車両用部材、電気製品部材、ボトル、薬品・灯油等のタンク類、医療器具、継ぎ手パイプ等が挙げられる。
本発明の木質調成形品は、射出成形法により成形できることから複雑な形状とすることができ、大量生産が可能であり、かつ、優れた機械的強度及び木質調風合いを有する。
【0030】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0031】
(実施例1)
メルトフローレートが4g/10minのエチレン−プロピレンブロック共重合体100重量部、木質繊維物質100重量部、及び、共重合体X10重量部を65mm二軸押出機を用い、180℃で熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを作製した。得られたペレットを用いて、180℃で射出成形を行い、板状木質調成形品を作製した。
なお、木質繊維物質は、材質が桧、平均粒子径が1mm、乾燥残分が90.5重量%であった。また、共重合体Xは、表1に示した単量体、単量体比率及び重量平均分子量を有するものであった。
【0032】
(比較例1〜4)
配合組成を表2に示したように変更したこと以外は実施例1と同様にして、板状木質調成形品を作製した。
なお、比較例1では、熱可塑性樹脂組成物の成形性が悪かったため、板状木質調成形品の一部に欠け等の不良がみられ、歩留りが悪かった。また、共重合体Yは、表1に示した単量体、単量体比率及び重量平均分子量を有するものであった。
【0033】
【表1】
Figure 2004161783
【0034】
(評価)
実施例1及び比較例1〜3で作製した各板状木質調成形品について、以下の方法により、メルトフローレート、アイゾット衝撃値及び木質感を測定し、結果を表2に示した。
【0035】
<メルトフローレートの測定>
メルトフローレート(以下、MFRともいう)は、JIS K 7210「熱可塑性プラスチックの流れ試験方法」に基づいて、試験温度230℃、試験荷重21.18Nの条件で測定した。
【0036】
<アイゾット衝撃値の測定>
アイゾット衝撃値は、JIS K 7110「硬質プラスチックのアイゾット衝撃試験方法」に基づいて測定した。
【0037】
【表2】
Figure 2004161783
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、溶融時の流動性に優れることから容易に射出成形法により成形でき、優れた機械的強度及び木質調風合いを有する木質調成形品を得ることができる熱可塑性樹脂組成物を提供することができる。

Claims (2)

  1. 射出成形法により成形することができる熱可塑性樹脂組成物であって、
    メルトフローレートが5g/10min以下のエチレン−プロピレンブロック共重合体100重量部に対して、
    A)木質繊維物質10〜200重量部、
    B)炭素数16〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート又は炭素数16〜22のアルケニル基を有するアルケニル(メタ)アクリレート10〜90モル%と、下記式(1)で表される化合物90〜10モル%とを共重合してなる重量平均分子量3000〜50万の共重合体0.1〜40重量部を含有する
    ことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
    Figure 2004161783
    式(1)中、nは、2〜50の整数である。
  2. 請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物を射出成形法により成形してなることを特徴とする木質調成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010138337A (ja) * 2008-12-15 2010-06-24 Toppan Printing Co Ltd 木粉を含有する成形品の製造方法ならびに成形品
JP2017144616A (ja) * 2016-02-17 2017-08-24 ミサワホーム株式会社 木質様成形品の製造方法および木質様成形品

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